JP2004230810A - 液滴吐出装置 - Google Patents

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亮一 山本
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Abstract

【課題】膨大な熱エネルギを用いることなく、粘度の高い液体を安定して吐出させることのできる液滴吐出装置を提供する。
【解決手段】液滴吐出装置10は、液体に熱エネルギを与えて気泡を発生させる熱エネルギ作用面を備えたヒータ38と、このヒータ38の熱エネルギ作用面を壁面に備え、この熱エネルギ作用面に向けて前記液体を供給する液体供給流路40と、液体供給流路40を挟んでヒータ38と対向する位置に液体が吐出する吐出ノズル26とを備えた吐出ヘッド12と、液体供給流路40と接続され、液体を一定圧力で加圧する液体加圧装置16と、を有し、液体加圧装置16は、液体の液滴不吐出状態を維持するように圧力が調整されて液体を加圧するとともに、ヒータ38を駆動することにより加圧された液体中に発生する気泡の膨張力を用いて、液体を吐出ノズル26から吐出させて液滴を生成する。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液滴を吐出させる液滴吐出装置、特に、粘度の高い液体を液滴として吐出させる液滴吐出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、インクの一部分を急激に加熱してインク中に気泡を発生させ、この気泡の膨張力によってインクを液滴として吐出させるサーマルインクジェットヘッドを用いたインクジェットプリンタが普及し、高画質な画像を記録紙にプリントすることができる。しかし、プリントに用いられる記録紙は主に、比較的高価な専用紙が用いられ、吸水性の比較的高い普通紙を用いた場合、紙面に着弾したインクが紙面上で滲み、必ずしも高画質な画像をプリントすことができないといった不都合がある。
このため、普通紙にプリントした場合でもインクの滲みが生じないように比較的粘度の高いインクを用いることが考えられるが、この場合、粘度の高いインクを正確に吐出させる必要があった。
【0003】
一方、粘度の高いインクを液滴として安定して吐出させるために、インク吐出ヘッド全体を高温状態として、インクの粘度を低下させて、インク滴を安定して吐出させるインク吐出ヘッドが知られている。
また、インク滴の吐出速度を高くし、かつインク滴のサイズを小さくすることのできる連続インクジェット方式において、インク滴等の液滴の形成と偏向を高い繰返し速度で行うインクジェットプリンタも知られている(特許文献1)。
【0004】
特許文献1では、インク供給溝と、このインク供給溝に連通する加圧インクの供給源と、インク供給溝内へ開口したノズル孔部と、インク流を複数の液滴へ分裂させる液滴発生器であるヒータと、を有する連続インクジェットプリンタを開示している。
すなわち、上記プリンタは、加圧インクの供給源によってノズル孔部から飛び出すインクの連続流を、プレート状の絶縁層に穿孔されたノズル孔部の開口端近傍に設けられたヒータの熱によって複数の液滴に効率よく分裂させて形成するものである。これによって、液滴を安定して形成することができるとされている。
【0005】
また、上記ヒータは、プレート状の絶縁層のノズル孔部の周縁部を周方向に2分割した区画部を有する2つのヒータであり、この2つのヒータを駆動回路を用いて選択的に駆動してインク連続流に非対称に熱を付加することで液滴の吐出方向を偏向させることができ、この偏向を用いて液滴の記録媒体への着弾の有無を制御することができる。これにより、液滴の偏向を高い繰返し速度で行うことができるとされている。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−192707号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、粘度の高いインクを正確に吐出させるために、インク吐出ヘッド全体を高温状態として、インクの粘度を低下させてインク滴を安定して吐出させるインク吐出ヘッドでは、ヘッド全体を高温にするための膨大な熱エネルギが必要となり、低エネルギで駆動する装置開発に逆行するものである。
また、特許文献1における連続インクジェットプリンタにおいて用いるインクは、水を主成分とする粘度が1(mPa・秒)のインクであり、この場合の加圧圧力は0.5〜1.5気圧である。一方、粘度の高いインクを加圧してインクの連続流をノズル孔部から飛び出させるには、例えば、100(mPa・秒)のインクを連続流として飛び出させる場合、常時略100気圧でインクを加圧しなければならない。このため、インク供給溝の壁面やノズル孔部はこの加圧圧力に耐えるように強度設計をしなければならないが、このような加圧圧力に耐えるプリンタのヘッドを構成することは極めて困難である。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題を解決するために、膨大な熱エネルギを用いることなく、粘度の高い液体を安定して吐出させることのできる簡単な装置構成の液滴吐出装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、液滴を吐出させる液滴吐出装置であって、液体に熱エネルギを与えて気泡を発生させる熱エネルギ作用面を備えた第1の発熱ヒータと、この第1の発熱ヒータの熱エネルギ作用面を壁面に備え、この熱エネルギ作用面に向けて液体を供給する液体供給流路と、この液体供給流路に連通し、前記第1の発熱ヒータの熱エネルギーにより発生した気泡の膨張力で液体が吐出する吐出ノズルと、を備えた吐出ヘッドと、前記液体供給流路と接続され、液体を一定圧力で加圧する液体加圧装置と、を有し、前記液体加圧装置は液体の液滴不吐出状態を維持するように圧力を調整して液体を加圧するとともに、前記第1の発熱ヒータを駆動することにより加圧された液体中に発生する気泡の膨張力を用いて、液体を前記吐出ノズルから吐出させて液滴を生成させることを特徴とする液滴吐出装置を提供する。
【0010】
さらに、前記吐出ノズルは、プレートに穿孔されたノズルであって、このプレートの前記吐出ノズルの吐出側先端近傍に、前記液体を加熱する複数の第2の発熱ヒータが設けられ、前記第1の発熱ヒータを駆動する第1の駆動信号のタイミングに応じて第2の駆動信号を前記第2の発熱ヒータの少なくとも1つに印加する駆動回路を有するのが好ましい。その際、前記第2の発熱ヒータが、前記吐出ノズルを取り巻く前記プレートの周縁部を少なくとも周方向で2分割以上した分割領域のそれぞれに対して、1つずつ設けられているのが好ましい。
なお、前記液体は、例えば、20(mPa・秒)以上の粘性を有するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の液滴吐出装置について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の液滴吐出装置の一例である液滴吐出装置10の概略の構成を示すブロック図である。
液滴吐出装置10は、高粘度の液体を液滴として吐出して記録媒体Mに画像を記録する装置であって、吐出ヘッド12と、液体貯蔵タンク14と、加圧装置16と、回収溝18と、液体回収ユニット20と、制御回路22と、記録媒体Mを搬送する搬送ローラ24とを有して構成される。
【0013】
吐出ヘッド12は、図1中の紙面の垂直方向に複数の吐出ノズルが配列され、高粘度の液体流を吐出ノズルから一定周期で吐出させるとともに、制御回路22から供給される駆動信号に応じて、この液体流を分裂させて液滴を形成させ、さらに、液滴の吐出方向を偏向して液滴の記録媒体Mへの着弾のON,OFFを制御する装置である。
図2(a)は、吐出ヘッド12の1つの吐出ノズルに対応した吐出ユニット30の構成を示した断面図であり、図2(b)は、吐出口周りに形成されるヒータの配置を示した模式図である。
【0014】
吐出ユニット30は、Si基板32と隔壁層34とノズルプレート36とを有する。
Si基板32の面には、粘度が20(mPa・秒)以上の粘性を有する液体に熱エネルギを与えて部分的に沸騰させ気泡を発生させる熱エネルギ面を備えるヒータ38(第1の発熱ヒータ)が形成され、このSi基板32の上方に隔壁層34が積層され、この隔壁層34の上にノズルプレート36が積層されて構成される。
隔壁層34とノズルプレート36とは、ノズルプレート36側に熱硬化型接着剤が塗布されて形成された接着層39によって接着されて積層されている。
【0015】
隔壁層34は、粘度が100(mPa・秒)程度の感光性ポリイミドをSi基板32に塗布した後所望の液体供給流路40が形成されるようにフォトドライエッチングにてパターニングして設けられたものである。隔壁層34とSi基板32とノズルプレート36(あるいは接着層39)とを壁面とし、ヒータ38が液体供給流路40の壁面の一部分となっている。液体供給流路40は液体貯蔵タンク14に接続され、液体供給流路40を介して常時ヒータ38に向けて液体が供給されるようになっている。
ノズルプレート36に形成される接着層39は、熱硬化型接着剤が用いられる他、紫外線硬化型接着剤や熱可塑性接着剤が用いられてもよい。
【0016】
ノズルプレート36は、アラミドを材料とするプレートであり、このノズルプレート36には、液体供給流路40を挟んでヒータ38と対向する位置に吐出口42を吐出側先端に備える円筒状の吐出ノズル26が設けられ、吐出ノズル26が液体供給流路40に連通している。
なお、ノズルプレート36は、アラミドの他、PEN(ポリエーテルニトリル)やポリイミド等のポリマフイルムを用いてもよい。
ヒータ38の熱エネルギ作用面から吐出口42までの距離は、発生した気泡が大気と連通しない程度の長さを有して構成され、例えば30〜50μmである。
【0017】
Si基板32に形成されるヒータ38は、例えば、最下層にTaやSiO等からなる図示されない層が設けられ、この上に、組成がTa−Si−Oからなる抵抗体38aが設けられ、さらに、この上に抵抗体38aに電圧を印加するNiからなる電極38b,38cが設けられたものであり、抵抗体38aに電圧を印加することで発熱し抵抗体38aの近傍に位置する液体供給流路40中の液体を加熱する熱エネルギ作用面を備えるヒータが形成されている。なお、抵抗体38aの表面には、厚さが0.1μm以下、好ましくは、0.01μm程度の熱酸化処理による抵抗体38aの自己酸化被膜が形成される。あるいは、電気絶縁層として、酸化シリコン(SiO)膜や窒化シリコン(Si)膜が形成されてもよく、この電気絶縁層の上には、さらにTa等の耐キャビテーション膜が1μmの厚さで積層されてもよい。このように、抵抗体の上に耐キャビテーション膜を形成するのは、発生した気泡が吐出ノズル26上方に膨張して大気と連通しないように構成され、気泡が断熱膨張後に縮小して消滅する時のキャビテーション衝撃に耐えられるようにするためである。
また、抵抗体38aは、組成がTa−Si−Oからなる抵抗体の他に、Ta−N、HfO等の組成を持つ抵抗体であってもよい。
【0018】
電極38bは、各吐出ユニットの同様の電極と共通にまとめられて接地される。一方、電極38cはSi基板32に形成された駆動回路44に接続され、駆動回路44にて生成された駆動信号の印加パルスが電極38cに供給されるように構成されている。隔壁層34は、電極38cおよび抵抗体38aの一部分を覆っている。
【0019】
ノズルプレート36には、SiOからなる厚さが略0.5μmの絶縁膜46が形成されており、この絶縁膜46には、ヒータ38の抵抗体38aと同様の抵抗体が吐出口42の周りを覆うように、この周りを3等分して形成されている。これらの抵抗体は、それぞれグラウンド配線48a,50a,52aと信号線48b,50b,52bと接続されており、グラウンド配線48a,50a,52aは接地され、信号線48b,50b,52bは、駆動回路44に接続されている。信号線48b,50b,52bは、駆動回路44から選択的に所定の信号が供給されて、吐出口42の周りの一部分を加熱する複数のヒータ(第2の発熱ヒータ)48,50,52が作られている。
すなわち、吐出ノズル26を取り巻くノズルプレート36の周縁部を周方向に3分割した分割領域のそれぞれに対してヒータ48,50,52が1つずつ設けられ、これらのヒータ48,50,52が駆動回路44と接続されてそれぞれ選択的に発熱するように駆動信号が供給される。
グラウンド線48a,50a,52aおよび信号線48b,50b,52bは、例えば、配線幅5μm、厚さ0.8μmのアルミニウム配線である。勿論、Ni,Au等の抵抗率の小さい金属材料が用いられてもよい。なお、絶縁膜46は、SiOの替わりに、ポリイミドやサイトップ等のフッ化樹脂を用いてもよく、この場合、膜厚は0.5μm以下であるのが好ましい。
【0020】
このように、吐出ユニット30は、加圧されて液滴が不吐出状態にある液体を、ヒータ38の熱エネルギ作用面の近傍で加熱して沸騰させることで気泡を発生させ、この気泡の膨張力で液体を吐出ノズル26の吐出口42側に押し上げて液体流を吐出口42から容易に吐出させることができる。液体に発生する気泡は、数10〜100気圧の圧力で膨張するので、100(mPa・秒)の粘度を持つ液体であっても、加圧された状態から液体流を容易に吐出させることができる。ヒータ38は、所定の周波数で駆動信号が駆動回路44から供給されて、例えば200kHzの吐出周波数で吐出口42から飛び出す液体流が形成される。
ここで、吐出口42の外径、液体の粘度等の条件に応じて吐出周波数が調整されているのが好ましい。吐出口42から飛び出した液体流が自ら分裂して液滴を生成するタイミングは吐出口42の外径および液体の粘度等の条件によって種々変化するからである。
【0021】
液体貯蔵タンク14は、液体を貯蔵するタンクで、供給管等を介して液体供給流路40に供給される。
加圧装置16は、液体貯蔵タンク14を加圧して粘性の高い液体を吐出ヘッド12に供給するとともに、吐出ヘッド12の液体供給流路40内の液体自体を所定の圧力で常時加圧する装置である。液体供給流路40内の液体は、液体供給流路40に至るまでの流路壁面との摩擦力によって加圧圧力が低下しているが、この圧力は液体の液滴不吐出状態を維持するように調整されている。すなわち、液体が液体流として吐出ノズル26から飛び出さないように、あるいは、液体流として飛び出しても実質的に液滴が生成されない程度の吐出速度しか得られず、液体流が回収溝18に回収されるように構成されている。
したがって、加圧装置16で常時加圧されている液体は、吐出ヘッド12において、吐出ノズル26から液滴が吐出しない不吐出状態を維持するが、ヒータ38が駆動することにより、液体流が吐出ノズル26から吐出し、さらに、液体流が分裂して液滴となって飛翔し、記録媒体Mに着弾するように構成される。
【0022】
回収溝18は、吐出ヘッド12から吐出した液滴のうち、偏向した液滴あるいは液体流を受けて回収する溝で、吐出ヘッド12の吐出ノズルの配列方向に対応した方向に溝が向けられて回収溝18が設けられている。
液体回収ユニット20は、回収された液体に含まれる塵や埃を除去するフィルタを備え、これを液体貯蔵タンク14に戻すものである。
【0023】
制御回路22は、コンピュータやデジタルスチルカメラ等で得られた画像信号を吐出ヘッド12の駆動信号に変換する部位であり、ヒータ38を駆動する制御信号およびノズルプレート36上に設けられた3つのヒータ48,50,52を駆動する制御信号を生成し、駆動回路44に供給する。
搬送ローラ24は、一定速度で記録媒体Mを搬送するローラで、搬送中の記録媒体Mに液滴が着弾して、画像が2次元的に記録される。
液滴吐出装置10は、Si基板32の面に対して、垂直方向あるいは略垂直方向に液滴を吐出させる、いわゆるトップシュータ型の液滴吐出装置であるが、本発明においては、発熱ヒータの形成された基板面に平行あるいは略平行に液滴を吐出させる、いわゆるサイドシュータ型の液滴吐出装置であってもよい。
【0024】
このような液滴吐出装置10では、加圧装置16から液体が加圧されて液体供給流路40内の液体は加圧圧力を有するが、液体の液滴不吐出状態が維持されている。
一方、この状態で、制御回路22から供給された制御信号によって駆動回路44で各ヒータ48,50,52の駆動信号が生成される。
まず最初、ヒータ38の駆動信号によりヒータ38が駆動される。ヒータ38の駆動により、ヒータ38の熱エネルギ作用面近傍に位置する液体が部分的に加熱され、過加熱された液体から自発的沸騰により気泡を発生させる。この発生した気泡の膨張力で液体は液体流となって吐出口42から吐出させる。気泡の膨張力は、最大100気圧程度にまで達するので、粘度が100(mPa・秒)の液体であっても、吐出口42から液体流を容易に吐出させることができる。
【0025】
液体流の吐出後、液体流は自ら分裂して液滴となるが、液体流の形成に合わせて、ノズルプレート36に設けられた3つのヒータ48,50,52を所定のタイミングで発熱させることで、より効果的に液滴を生成することができる。すなわち、ヒータ48,50,52では、液体流を効果的に分裂させて液滴を生成させるための弱い発熱がヒータ48,50,52のそれぞれに対して行われるとともに、液滴の吐出方向を偏向させる場合は、吐出方向の偏向に合わせて強い発熱が所定のヒータに対して行われる。
【0026】
図3(a)には、ヒータ38に印加する駆動信号の時系列波形の一例を、図3(b)〜(d)には、ヒータ48,50,52のそれぞれに印加する駆動信号の時系列波形の一例を示すタイミングチャートである。
図3(a)に示すヒータ38の駆動信号は、所定のパルス幅を有するパルス信号であって、例えば、200kHzの周波数で生成される。パルス幅は、熱エネルギ作用面の近傍の液体が自発的沸騰を起こすまでの時間に応じて決定され、例えば、ヒータ38の上層として積層された電気絶縁層や耐キャビテーション層の厚さに応じて定まり、例えば、1μ秒である。
図3(b)に示すヒータ48の駆動信号は、図3(a)に示すヒータに印加する駆動信号のタイミングに同期して一定の遅れ時間tをもってパルス信号が立ち上がるようになっている。ヒータ50に印加する駆動信号およびヒータ52に印加する駆動信号についても同様である。このように遅れ時間tを持ってヒータを駆動するのは、ヒータ38の駆動で発生した気泡の膨張力で液体流が吐出口42から飛び出すときのタイミングに合わせて液体流を分裂させて液滴を効率よく生成するためである。
【0027】
図3(b)〜(d)に示す駆動信号のパルス幅のうち、図3(b)に示すヒータ48に印加する駆動信号のパルス幅が最も長く、図3(c)および(d)のヒータ50および52に印加する駆動信号のパルス幅は短い。これにより、ヒータ48の発熱量は多く、ヒータ50およびヒータ52の発熱量は小さくなるので、上述したように、液滴の吐出方向が、吐出口42からみて図2(b)中の右下方向に傾斜する。
こうして、ヒータ48,50,52に印加する駆動信号を適宜調整することで、すなわち、少なくともヒータ48、50、52のいずれか1つを調整して駆動することで、液滴の吐出方向を自在に制御できる。
図3(a)〜(d)に示す駆動信号では、パルス幅を変えることで液滴の吐出方向を偏向させるものであるが、パルス信号の信号レベルの強弱によって液滴の吐出方向を偏向させてもよい。
このようにして、液滴の吐出方向を偏向させることができる。
【0028】
図1では、液滴の吐出方向を偏向させたとき記録媒体Mに液滴が着弾するように構成されるが、液滴の吐出方向を偏向させたときに回収溝18に向けて吐出させて液体が回収されるようにしてもよい。
また、本発明では、ノズルプレートの吐出口の周縁部に設けられるヒータは、吐出口の周縁部を少なくとも2分割していればよいが、好ましくは、液滴の吐出方向を一方向に偏向するとともに、個々の吐出ノズルの形状の誤差によって生じる液滴の吐出方向の微調整を二方向で調整するために、吐出ヘッド12のように、吐出口42の周縁部が少なくとも3分割以上されてヒータが形成されているのが好ましい。
【0029】
本発明では、20(mPa・秒)以上の粘度を有する液体をヒータで加熱して自発的沸騰により気泡を発生させ、この発生した気泡の膨張力で、予め加圧された液体を液体流として吐出口42から飛び出させるが、気泡を発生させるヒータの駆動のタイミングと液滴へ分裂する分裂のタイミングとを制御することがで液滴を安定して生成することができ、しかも、液滴の吐出方向の偏向を安定して行うことができる。
【0030】
以上、本発明の液滴吐出装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
例えば、液体の加圧装置は、ピエゾ素子を用いて液体を常時加振することで周期的に加圧してもよいし、液滴の吐出方向の偏向方法として、米国特許第4346387号公報に開示される電場を利用して電荷の付与された液滴の吐出方向を偏向させる方法を用いてもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の液滴吐出装置は、液体加圧手段が、液体の液滴不吐出状態を維持するように圧力が調整されているとともに、発熱ヒータを駆動することにより加圧された液体中に気泡を発生させ、この気泡の膨張力を用いて液体流を形成して液滴を生成させるので、粘度の高い液体でも安定して液滴を吐出させることができる。
また、ノズルプレートに設けられたヒータの駆動により液滴の吐出方向の偏向を安定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液滴吐出装置の一例である液滴吐出装置の概略の構成を示すブロック図である。
【図2】(a)は、図1に示す吐出ヘッドの1つの吐出ノズルに対応した吐出ユニットの構成を示した断面図であり、(b)は、吐出口周りに形成されるヒータの配置を示した模式図である。
【図3】(a)〜(d)は、本発明の液滴吐出装置の発熱ヒータに印加される駆動信号の一例を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
10 液滴吐出装置
12 吐出ヘッド
14 液体貯蔵タンク
16 加圧装置
18 回収溝
20 液体回収ユニット
22 制御回路
24 搬送ローラ
26 吐出ノズル
30 吐出ユニット
32 Si基板
34 隔壁層
36 ノズルプレート
38,48,50,52 ヒータ
39 接着層
40 液体供給流路
42 吐出口
44 駆動回路
46 絶縁層

Claims (4)

  1. 液滴を吐出させる液滴吐出装置であって、
    液体に熱エネルギを与えて気泡を発生させる熱エネルギ作用面を備えた第1の発熱ヒータと、この第1の発熱ヒータの熱エネルギ作用面を壁面に備え、この熱エネルギ作用面に向けて液体を供給する液体供給流路と、この液体供給流路に連通し、前記第1の発熱ヒータの熱エネルギーにより発生した気泡の膨張力で液体が吐出する吐出ノズルと、を備えた吐出ヘッドと、
    前記液体供給流路と接続され、液体を一定圧力で加圧する液体加圧装置と、を有し、
    前記液体加圧装置は液体の液滴不吐出状態を維持するように圧力を調整して前記液体を加圧するとともに、前記第1の発熱ヒータを駆動することにより加圧された前記液体中に発生する気泡の膨張力を用いて、液体を前記吐出ノズルから吐出させて液滴を生成させることを特徴とする液滴吐出装置。
  2. さらに、前記吐出ノズルは、プレートに穿孔されたノズルであって、
    このプレートの前記吐出ノズルの吐出側先端近傍に、前記液体を加熱する複数の第2の発熱ヒータが設けられ、前記第1の発熱ヒータを駆動する第1の駆動信号のタイミングに応じて第2の駆動信号を前記第2の発熱ヒータの少なくとも1つに印加する駆動回路を有する請求項1に記載の液滴吐出装置。
  3. 前記第2の発熱ヒータが、前記吐出ノズルを取り巻く前記プレートの周縁部を少なくとも周方向で2分割以上した分割領域のそれぞれに対して、1つずつ設けられている請求項2に記載の液滴吐出装置。
  4. 前記液体は、20(mPa・秒)以上の粘性を有するものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の液滴吐出装置。
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