JP2004230561A - 装飾表示体 - Google Patents
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Abstract
【課題】生産能率が高く、しかも、安価に製作することができる装飾表示体を提供する。
【解決手段】表面に規則正しく配列された凸状集光素12が多数個設けられた実質上透明材料からなる基板11の裏面に、互いに平行で不透明素材、例えば着色インクからなる多数本の幅狭ライン15を設けるようにしているが、1本の幅狭ライン15には多数個の凸状集光素12が対応関係にあるため、幅狭ライン15と凸状集光素12との相互位置関係の調整箇所数が、従来の凸状集光素12の数から幅狭ライン15の本数まで減少する構成としている。
【選択図】 図2
【解決手段】表面に規則正しく配列された凸状集光素12が多数個設けられた実質上透明材料からなる基板11の裏面に、互いに平行で不透明素材、例えば着色インクからなる多数本の幅狭ライン15を設けるようにしているが、1本の幅狭ライン15には多数個の凸状集光素12が対応関係にあるため、幅狭ライン15と凸状集光素12との相互位置関係の調整箇所数が、従来の凸状集光素12の数から幅狭ライン15の本数まで減少する構成としている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、見る角度によって全体模様に揺らぎが生じる装飾表示体に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平9−207254号公報
【特許文献2】
特開平10−35083号公報
【特許文献3】
特開2001−180198号公報
【0003】
従来の装飾表示体としては、例えば、前記特許文献1に記載されているようなものが知られており、関連技術として前記特許文献2、3に記載されているようなものが知られている。ここで、前記特許文献1に記載のものは、透明性シートの表面に多数の凸レンズ状の突起を連続した任意のパターンで設け、一方、該シートの裏面に前記突起と同じ連続パターンをもつとともに、突起と一対一の対応関係にある多数のドット、多角形をした模様を印刷し、これらドット、模様を表面の連続パターンに対して変位させるようにしたものである。
【0004】
そして、このようなものにあっては、突起とドット、模様との重なり合い量が突起によって異なるため、見る角度によってドット、模様が見えたり見えなかったりし、これにより、装飾表示体全体として見る角度により全体模様が変化し揺らぎが生じるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の装飾表示体にあっては、多数個、例えば30Cm角のシートに特許文献1の実施例に記載されているように 0.3mmピッチで設けたときには合計 100万個の突起とドット、模様との全てを正確な相互位置関係でシート上に設けなければ、所望の全体模様が現出せず、この結果、製作作業に細心の注意と複雑な工程が必要となって、生産能率が低下するとともに高価となってしまうという問題点がある。なお、一部の突起とドット、模様との相互位置関係にずれが生じた場合には、全体模様が部分的にぼやけたり、該部位の模様が体をなさない状態となってしまうのである。
【0006】
この発明は、生産能率が高く、しかも、安価に製作することができる装飾表示体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、表面に一定ピッチで規則正しく配列された凸状集光素が多数個設けられ実質上透明素材からなる基板と、該基板の裏面に設けられ、互いに平行で不透明素材からなる多数本の幅狭ラインとを備えることにより達成することができる。
【0008】
この発明においては、基板の裏面に多数本の幅狭ラインを設けるようにしているが、1本の幅狭ラインには多数個の凸状集光素が対応関係にあるため、幅狭ラインと凸状集光素との相互位置関係の調整箇所数が、従来の凸状集光素の数から幅狭ラインの本数まで減少し、これにより、製作作業が容易となって生産能率が向上するとともに、製作費を安価とすることができる。
【0009】
また、請求項2に記載のように構成すれば、表示体全体に現出される模様を美的で、かつ、鮮明なものとすることができる。
さらに、請求項3、4に記載のように構成すれば、幅狭ラインの幅、ピッチが異なる領域において、模様が手前に浮き上がったり、奥側に引っ込んだりし、これにより、全体模様に奥行きができて美感が向上するとともに、人々の注意を引くことができる。
また、請求項5に記載のように構成すれば、全体模様の奥行きを大きく、かつ、確実なものとすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1、2、3において、10は平板状をした装飾表示体であり、この装飾表示体10はシート状またはパネル状をした基板11を有し、この基板11はアクリル樹脂、塩化ビニール樹脂等の実質上透明素材から構成されている。ここで、実質上透明素材とは、薄く着色されていても、後述する裏面側の幅狭ラインを鮮明に視認することができる程度であれば、透明材料に含まれるという意味である。
【0011】
前記基板11の表面11aには多数個の凸レンズ状をした凸状集光素12が設けられ、これらの凸状集光素12は前記基板11と同一材料のインキを用いて印刷することで形成されている。また、これらの凸状集光素12は一定ピッチで規則正しく、例えば亀甲形、正方形、長方形、菱形、三角形の各頂点に凸状集光素12を配置するとともに、これらのパターンを二次元的に繰り返すことで、この実施形態にでは正方形の各頂点に凸状集光素12を配置するとともに、この正方形を横方向(左右方向)に対して45度で傾斜させながら斜め右上方および斜め右下方に繰り返すことで設けている。この結果、これら凸状集光素12の並び方向Nは、この実施形態では基板11の横方向(左右方向)に対して45度傾斜していることになる。
【0012】
ここで、前記基板11の肉厚tは、厚くなるほど全体模様の揺らぎが大きくなるため、凸状集光素12の直径より大であることが好ましい。しかしながら、厚くなり過ぎると、全体模様がぼやけたり、取り扱いが不便となるため、 0.1〜5ミリメートルの範囲が実用的である。
【0013】
一方、平坦である基板11の裏面11bには互いに平行な多数本の直線状をした幅狭ライン15が印刷により設けられ、これら幅狭ライン15は不透明素材、ここでは着色インクから構成されている。ここで、これら幅狭ライン15は基板11の略縦方向(横方向に対して90度前後、ここでは88度で交差し上下方向)に延びており、この結果、前記凸状集光素12の並び方向Nに対して45度前後、ここでは43度の交差角Kで交差している。
【0014】
また、前述した幅狭ライン15は隣接する2個の凸状集光素12、例えば、図2に示す横方向に隣接した凸状集光素12a、bの最大離隔位置Q、R間に少なくとも1本、この実施形態では1本だけ配置されている。そして、これら凸状集光素12a、bに対して幅狭ライン15を部分的に、この実施形態では凸状集光素12a、bの互いに近接する側の半分だけに幅狭ライン15を重なり合あわせている。
【0015】
そして、前述のように幅狭ライン15を隣接する2個の凸状集光素12の最大離隔位置Q、R間に少なくとも1本配置するとともに、該凸状集光素12に重なり合っている幅狭ライン15を凸状集光素12に対して部分的に、特に、略半分だけ重なり合うようにすれば、装飾表示体10全体に現出される模様を美的で、かつ、鮮明なものとすることができる。なお、幅狭ライン15の幅が前記最大離隔位置Q、R間の間隔より広い場合には、幅狭ライン15が強調されて見え揺らぎが見えづらくなるため、前述のように幅狭ライン15を最大離隔位置Q、R間に少なくとも1本配置することが好ましい。
【0016】
また、基板11の裏面11b全面には不透明素材、例えば、黒、メタリック色のインキからなる地17が印刷され、この地17は前記幅狭ライン15を裏面側から完全に覆っている。そして、幅狭ライン15、地17を前述のように印刷すると、角度を変えながら基板11を表面11a側から視認したとき、凸状集光素12と幅狭ライン15との重なり合い量が両者の間で変化するため、装飾表示体10全体として全体模様が変化し揺らぎが生じる。このように見る角度によって全体模様が変化し、人の注意を喚起することができるため、この装飾表示体10は、例えば、販促ディスプレイ、置物、看板、ゲーム装置の装飾等に好適である。
【0017】
そして、前述のように基板11の裏面11bに多数本の幅狭ライン15を設けるようにしているが、1本の幅狭ライン15には多数個の凸状集光素12が対応関係にあるため、幅狭ライン15と凸状集光素12との相互位置関係の調整箇所数が、従来の凸状集光素12の数から幅狭ライン15の本数まで減少し、これにより、製作作業が容易となって生産能率が向上するとともに、製作費を安価とすることができる。
【0018】
図4、5は、この発明の第2実施形態を示す図である。この実施形態においては、基板11を複数の領域、ここでは中央部に位置する矩形の内側領域21と、内側領域21を囲む四角枠状の外側領域22との2つの領域に区画している。そして、内側領域21においては、基板11の裏面11bに前記第1実施形態で説明した幅狭ライン15と同一の幅狭ライン15を設け、一方、外側領域22においては、基板11の裏面11bに、図5に示すような幅Wのみが第1実施形態で説明した幅狭ライン15より若干広く、他は同様である幅狭ライン23を設けるようにしている。なお、基板11の表面11aに設けられている凸状集光素12は、内側、外側領域21、22のいずれにおいても、前記第1実施形態で説明した凸状集光素12と同一のものである。
【0019】
このように基板11を複数(2つ)の領域21、22に区画するとともに、少なくとも2つの領域21、22における幅狭ライン15、23の幅Wを互いに異ならせるようにすれば、幅狭ライン23の幅Wが広い領域22で全体模様が手前に浮き上がり、一方、幅狭ライン15の幅Wが狭い領域21で全体模様が奥側に引っ込み、これにより、装飾表示体10の全体における模様に奥行きができて美感が向上するとともに、人々の注意を引くことができる。
【0020】
図6は、この発明の第3実施形態を示す図である。この実施形態においても前記第2実施形態と同様に基板11を複数の領域、ここでは内側領域21と外側領域22との2つの領域に区画している。そして、内側領域21においては、基板11の裏面11bに前記第1実施形態で説明した幅狭ライン15と同一の幅狭ライン15を設け、一方、外側領域22においては、基板11の裏面11bに、図6に示すようにピッチPのみを第1実施形態で説明した幅狭ライン15より若干狭くし、他は同様である幅狭ライン25を設けるようにしている。なお、基板11の表面11aに設けられている凸状集光素12は、内側、外側領域21、22のいずれにおいても、前記第1実施形態で説明した凸状集光素12と同一のものである。
【0021】
このように基板11を複数(2つ)の領域21、22に区画するとともに、少なくとも2つの領域21、22における幅狭ライン15、25のピッチPを互いに異ならせるようにすれば、幅狭ライン23間のピッチPが広い領域22で全体模様が手前に浮き上がり、一方、幅狭ライン15間のピッチPが狭い領域21で全体模様が奥側に引っ込み、これにより、装飾表示体10の全体における模様に奥行きができて美感が向上するとともに、人々の注意を引くことができる。
【0022】
そして、前記第2、第3実施形態において、全体模様の奥行きを大きく、かつ、確実とするには、幅狭ライン15を基板11の横方向に対して30度以上の角度で傾斜させ、左目で見たときと右目で見たときの、凸状集光素12と幅狭ライン15との重なり合いのずれ量を大きくすることが好ましい。このようなことから前記角度は大となるほど(90度に近くなるほど)、その効果が顕著となり、より好ましい。
【0023】
なお、前述の実施形態においては、幅狭ライン15を直線状としたが、この発明においては、正弦波、方形波、三角波等の波状であったり、渦巻き状、同心円状であってもよく、さらに、各ラインに三角形、円形、方形等を一定ピッチで付加するようにしてもよい。また、前述の実施形態においては、凸状集光素12a、bの最大離隔位置Q、R間に1本の幅狭ライン15を配置するようにしたが、この発明においては、2本以上の幅狭ラインを配置するようにしてもよい。
【0024】
さらに、前述の実施形態においては、基板11を内側、外側領域21、22の2つの領域に区画したが、この発明においては、3つ以上の領域に区画するようにしてもよく、このとき、各領域における幅狭ラインの幅、ピッチを互いに異ならせるようにしてもよい。そして、前述の領域の区画形態としては、碁盤目状、テストパターン状、同心円状等を挙げることができ、また、文字、図形等をそのうちの一つの領域としてもよい。また、前述の実施形態においては、基板11の裏面11bに幅狭ライン15、地17を印刷により設けるようにしたが、この発明においては、別の地としてのシートの表面に幅狭ラインを印刷し、このシートを基板の裏側に重ね合わせることで、基板の裏面に幅狭ラインを設けるようにしてもよい。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、装飾表示体を高い生産能率で安価に製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態を示す正面図である。
【図2】図1のA部拡大図である。
【図3】図2のI−I矢視断面図である。
【図4】この発明の第2実施形態を示す正面図である。
【図5】図4のII−II矢視断面図である。
【図6】この発明の第3実施形態を示す図3と同様の断面図である。
【符号の説明】
10…装飾表示体 11…基板
12…凸状集光素 15…幅狭ライン
21、22…領域 Q、R…最大離隔位置
【発明の属する技術分野】
この発明は、見る角度によって全体模様に揺らぎが生じる装飾表示体に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平9−207254号公報
【特許文献2】
特開平10−35083号公報
【特許文献3】
特開2001−180198号公報
【0003】
従来の装飾表示体としては、例えば、前記特許文献1に記載されているようなものが知られており、関連技術として前記特許文献2、3に記載されているようなものが知られている。ここで、前記特許文献1に記載のものは、透明性シートの表面に多数の凸レンズ状の突起を連続した任意のパターンで設け、一方、該シートの裏面に前記突起と同じ連続パターンをもつとともに、突起と一対一の対応関係にある多数のドット、多角形をした模様を印刷し、これらドット、模様を表面の連続パターンに対して変位させるようにしたものである。
【0004】
そして、このようなものにあっては、突起とドット、模様との重なり合い量が突起によって異なるため、見る角度によってドット、模様が見えたり見えなかったりし、これにより、装飾表示体全体として見る角度により全体模様が変化し揺らぎが生じるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の装飾表示体にあっては、多数個、例えば30Cm角のシートに特許文献1の実施例に記載されているように 0.3mmピッチで設けたときには合計 100万個の突起とドット、模様との全てを正確な相互位置関係でシート上に設けなければ、所望の全体模様が現出せず、この結果、製作作業に細心の注意と複雑な工程が必要となって、生産能率が低下するとともに高価となってしまうという問題点がある。なお、一部の突起とドット、模様との相互位置関係にずれが生じた場合には、全体模様が部分的にぼやけたり、該部位の模様が体をなさない状態となってしまうのである。
【0006】
この発明は、生産能率が高く、しかも、安価に製作することができる装飾表示体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、表面に一定ピッチで規則正しく配列された凸状集光素が多数個設けられ実質上透明素材からなる基板と、該基板の裏面に設けられ、互いに平行で不透明素材からなる多数本の幅狭ラインとを備えることにより達成することができる。
【0008】
この発明においては、基板の裏面に多数本の幅狭ラインを設けるようにしているが、1本の幅狭ラインには多数個の凸状集光素が対応関係にあるため、幅狭ラインと凸状集光素との相互位置関係の調整箇所数が、従来の凸状集光素の数から幅狭ラインの本数まで減少し、これにより、製作作業が容易となって生産能率が向上するとともに、製作費を安価とすることができる。
【0009】
また、請求項2に記載のように構成すれば、表示体全体に現出される模様を美的で、かつ、鮮明なものとすることができる。
さらに、請求項3、4に記載のように構成すれば、幅狭ラインの幅、ピッチが異なる領域において、模様が手前に浮き上がったり、奥側に引っ込んだりし、これにより、全体模様に奥行きができて美感が向上するとともに、人々の注意を引くことができる。
また、請求項5に記載のように構成すれば、全体模様の奥行きを大きく、かつ、確実なものとすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1、2、3において、10は平板状をした装飾表示体であり、この装飾表示体10はシート状またはパネル状をした基板11を有し、この基板11はアクリル樹脂、塩化ビニール樹脂等の実質上透明素材から構成されている。ここで、実質上透明素材とは、薄く着色されていても、後述する裏面側の幅狭ラインを鮮明に視認することができる程度であれば、透明材料に含まれるという意味である。
【0011】
前記基板11の表面11aには多数個の凸レンズ状をした凸状集光素12が設けられ、これらの凸状集光素12は前記基板11と同一材料のインキを用いて印刷することで形成されている。また、これらの凸状集光素12は一定ピッチで規則正しく、例えば亀甲形、正方形、長方形、菱形、三角形の各頂点に凸状集光素12を配置するとともに、これらのパターンを二次元的に繰り返すことで、この実施形態にでは正方形の各頂点に凸状集光素12を配置するとともに、この正方形を横方向(左右方向)に対して45度で傾斜させながら斜め右上方および斜め右下方に繰り返すことで設けている。この結果、これら凸状集光素12の並び方向Nは、この実施形態では基板11の横方向(左右方向)に対して45度傾斜していることになる。
【0012】
ここで、前記基板11の肉厚tは、厚くなるほど全体模様の揺らぎが大きくなるため、凸状集光素12の直径より大であることが好ましい。しかしながら、厚くなり過ぎると、全体模様がぼやけたり、取り扱いが不便となるため、 0.1〜5ミリメートルの範囲が実用的である。
【0013】
一方、平坦である基板11の裏面11bには互いに平行な多数本の直線状をした幅狭ライン15が印刷により設けられ、これら幅狭ライン15は不透明素材、ここでは着色インクから構成されている。ここで、これら幅狭ライン15は基板11の略縦方向(横方向に対して90度前後、ここでは88度で交差し上下方向)に延びており、この結果、前記凸状集光素12の並び方向Nに対して45度前後、ここでは43度の交差角Kで交差している。
【0014】
また、前述した幅狭ライン15は隣接する2個の凸状集光素12、例えば、図2に示す横方向に隣接した凸状集光素12a、bの最大離隔位置Q、R間に少なくとも1本、この実施形態では1本だけ配置されている。そして、これら凸状集光素12a、bに対して幅狭ライン15を部分的に、この実施形態では凸状集光素12a、bの互いに近接する側の半分だけに幅狭ライン15を重なり合あわせている。
【0015】
そして、前述のように幅狭ライン15を隣接する2個の凸状集光素12の最大離隔位置Q、R間に少なくとも1本配置するとともに、該凸状集光素12に重なり合っている幅狭ライン15を凸状集光素12に対して部分的に、特に、略半分だけ重なり合うようにすれば、装飾表示体10全体に現出される模様を美的で、かつ、鮮明なものとすることができる。なお、幅狭ライン15の幅が前記最大離隔位置Q、R間の間隔より広い場合には、幅狭ライン15が強調されて見え揺らぎが見えづらくなるため、前述のように幅狭ライン15を最大離隔位置Q、R間に少なくとも1本配置することが好ましい。
【0016】
また、基板11の裏面11b全面には不透明素材、例えば、黒、メタリック色のインキからなる地17が印刷され、この地17は前記幅狭ライン15を裏面側から完全に覆っている。そして、幅狭ライン15、地17を前述のように印刷すると、角度を変えながら基板11を表面11a側から視認したとき、凸状集光素12と幅狭ライン15との重なり合い量が両者の間で変化するため、装飾表示体10全体として全体模様が変化し揺らぎが生じる。このように見る角度によって全体模様が変化し、人の注意を喚起することができるため、この装飾表示体10は、例えば、販促ディスプレイ、置物、看板、ゲーム装置の装飾等に好適である。
【0017】
そして、前述のように基板11の裏面11bに多数本の幅狭ライン15を設けるようにしているが、1本の幅狭ライン15には多数個の凸状集光素12が対応関係にあるため、幅狭ライン15と凸状集光素12との相互位置関係の調整箇所数が、従来の凸状集光素12の数から幅狭ライン15の本数まで減少し、これにより、製作作業が容易となって生産能率が向上するとともに、製作費を安価とすることができる。
【0018】
図4、5は、この発明の第2実施形態を示す図である。この実施形態においては、基板11を複数の領域、ここでは中央部に位置する矩形の内側領域21と、内側領域21を囲む四角枠状の外側領域22との2つの領域に区画している。そして、内側領域21においては、基板11の裏面11bに前記第1実施形態で説明した幅狭ライン15と同一の幅狭ライン15を設け、一方、外側領域22においては、基板11の裏面11bに、図5に示すような幅Wのみが第1実施形態で説明した幅狭ライン15より若干広く、他は同様である幅狭ライン23を設けるようにしている。なお、基板11の表面11aに設けられている凸状集光素12は、内側、外側領域21、22のいずれにおいても、前記第1実施形態で説明した凸状集光素12と同一のものである。
【0019】
このように基板11を複数(2つ)の領域21、22に区画するとともに、少なくとも2つの領域21、22における幅狭ライン15、23の幅Wを互いに異ならせるようにすれば、幅狭ライン23の幅Wが広い領域22で全体模様が手前に浮き上がり、一方、幅狭ライン15の幅Wが狭い領域21で全体模様が奥側に引っ込み、これにより、装飾表示体10の全体における模様に奥行きができて美感が向上するとともに、人々の注意を引くことができる。
【0020】
図6は、この発明の第3実施形態を示す図である。この実施形態においても前記第2実施形態と同様に基板11を複数の領域、ここでは内側領域21と外側領域22との2つの領域に区画している。そして、内側領域21においては、基板11の裏面11bに前記第1実施形態で説明した幅狭ライン15と同一の幅狭ライン15を設け、一方、外側領域22においては、基板11の裏面11bに、図6に示すようにピッチPのみを第1実施形態で説明した幅狭ライン15より若干狭くし、他は同様である幅狭ライン25を設けるようにしている。なお、基板11の表面11aに設けられている凸状集光素12は、内側、外側領域21、22のいずれにおいても、前記第1実施形態で説明した凸状集光素12と同一のものである。
【0021】
このように基板11を複数(2つ)の領域21、22に区画するとともに、少なくとも2つの領域21、22における幅狭ライン15、25のピッチPを互いに異ならせるようにすれば、幅狭ライン23間のピッチPが広い領域22で全体模様が手前に浮き上がり、一方、幅狭ライン15間のピッチPが狭い領域21で全体模様が奥側に引っ込み、これにより、装飾表示体10の全体における模様に奥行きができて美感が向上するとともに、人々の注意を引くことができる。
【0022】
そして、前記第2、第3実施形態において、全体模様の奥行きを大きく、かつ、確実とするには、幅狭ライン15を基板11の横方向に対して30度以上の角度で傾斜させ、左目で見たときと右目で見たときの、凸状集光素12と幅狭ライン15との重なり合いのずれ量を大きくすることが好ましい。このようなことから前記角度は大となるほど(90度に近くなるほど)、その効果が顕著となり、より好ましい。
【0023】
なお、前述の実施形態においては、幅狭ライン15を直線状としたが、この発明においては、正弦波、方形波、三角波等の波状であったり、渦巻き状、同心円状であってもよく、さらに、各ラインに三角形、円形、方形等を一定ピッチで付加するようにしてもよい。また、前述の実施形態においては、凸状集光素12a、bの最大離隔位置Q、R間に1本の幅狭ライン15を配置するようにしたが、この発明においては、2本以上の幅狭ラインを配置するようにしてもよい。
【0024】
さらに、前述の実施形態においては、基板11を内側、外側領域21、22の2つの領域に区画したが、この発明においては、3つ以上の領域に区画するようにしてもよく、このとき、各領域における幅狭ラインの幅、ピッチを互いに異ならせるようにしてもよい。そして、前述の領域の区画形態としては、碁盤目状、テストパターン状、同心円状等を挙げることができ、また、文字、図形等をそのうちの一つの領域としてもよい。また、前述の実施形態においては、基板11の裏面11bに幅狭ライン15、地17を印刷により設けるようにしたが、この発明においては、別の地としてのシートの表面に幅狭ラインを印刷し、このシートを基板の裏側に重ね合わせることで、基板の裏面に幅狭ラインを設けるようにしてもよい。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、装飾表示体を高い生産能率で安価に製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態を示す正面図である。
【図2】図1のA部拡大図である。
【図3】図2のI−I矢視断面図である。
【図4】この発明の第2実施形態を示す正面図である。
【図5】図4のII−II矢視断面図である。
【図6】この発明の第3実施形態を示す図3と同様の断面図である。
【符号の説明】
10…装飾表示体 11…基板
12…凸状集光素 15…幅狭ライン
21、22…領域 Q、R…最大離隔位置
Claims (5)
- 表面に一定ピッチで規則正しく配列された凸状集光素が多数個設けられ実質上透明素材からなる基板と、該基板の裏面に設けられ、互いに平行で不透明素材からなる多数本の幅狭ラインとを備えたことを特徴とする装飾表示体。
- 前記幅狭ラインを隣接する2個の凸状集光素の最大離隔位置間に少なくとも1本配置するとともに、凸状集光素に重なり合っている幅狭ラインは該凸状集光素に対して部分的に重なり合っている請求項1記載の装飾表示体。
- 前記基板を複数の領域に区画するとともに、少なくとも2つの領域における幅狭ラインの幅を互いに異ならせるようにした請求項1または2記載の装飾表示体。
- 前記基板を複数の領域に区画するとともに、少なくとも2つの領域における幅狭ラインのピッチを互いに異ならせるようにした請求項1または2記載の装飾表示体。
- 前記幅狭ラインを基板の横方向に対して30度以上の角度で傾斜させた請求項3〜4のいずれかに記載の装飾表示体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003018246A JP2004230561A (ja) | 2003-01-28 | 2003-01-28 | 装飾表示体 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003018246A JP2004230561A (ja) | 2003-01-28 | 2003-01-28 | 装飾表示体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004230561A true JP2004230561A (ja) | 2004-08-19 |
Family
ID=32948432
Family Applications (1)
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JP2003018246A Withdrawn JP2004230561A (ja) | 2003-01-28 | 2003-01-28 | 装飾表示体 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004230561A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008529851A (ja) * | 2005-02-18 | 2008-08-07 | ギーゼッケ アンド デブリエント ゲーエムベーハー | セキュリティ要素とその製造方法 |
WO2010050505A1 (ja) * | 2008-10-29 | 2010-05-06 | 美濃商事株式会社 | 装飾表示体 |
WO2010095327A1 (ja) * | 2009-02-19 | 2010-08-26 | 美濃商事株式会社 | 装飾表示体 |
JP2014144542A (ja) * | 2013-01-28 | 2014-08-14 | Dainippon Printing Co Ltd | 表示体 |
-
2003
- 2003-01-28 JP JP2003018246A patent/JP2004230561A/ja not_active Withdrawn
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