JP2004230516A - Pc鋼材の切断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のPC鋼材を一度に切断することができるPC鋼材の切断装置を提供する。
【解決手段】複数のPC鋼材を押圧する複数の支圧面を有する固定切刃320と、この固定切刃320に隣接して配置されると共に、複数のPC鋼材を押圧する複数の支圧面を有する可動切刃310と、この可動切刃310を固定切刃320に対してスライドさせ、両切刃310,320で複数のPC鋼材をせん断して切断する往復駆動源(油圧シリンダー100とを具える。特に、両切刃が取り付けられるフレームを有し、このフレームは、両切刃310,320で切断されないPC鋼材を保持する支持部を有することが望ましい。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、PC鋼材の切断装置に関するものである。特に、箱抜き空間内に位置する複数のPC鋼材を同時に切断できるPC鋼材の切断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
橋梁やビルなど、種々のコンクリート構造物にはPC鋼より線などのPC鋼材が用いられている。図10に示すように、このPC鋼より線500は緊張されて、その端部を定着具520で定着してコンクリート構造物にプレストレスを導入する。この図では、説明の便宜上、PC鋼より線500を2本しか示していないが、実際は多数のPC鋼より線が近接して配置されている。このように複数本のPC鋼より線を定着する構造をマルチストランド構造と言い、1本のPC鋼より線を定着する構造はモノストランド構造と言う。
【0003】
このようなPC鋼より線の定着具は、建築物の意匠上の要請により、コンクリート構造物の端面からくぼんだ箱抜き空間530内に配置され、後にコンクリートで埋設される場合が多い。定着具520から突出したPC鋼より線500は、箱抜き空間530内において所定の余長に切断される。図における一点鎖線が切断位置を示している。その切断技術として、▲1▼ガスバーナーによる火炎でPC鋼より線を切断する技術と、▲2▼油圧シリンダーなどで駆動される一対の切刃でPC鋼より線を挟み込み、せん断により切断する技術(例えば特許文献1)とがある。
【0004】
【特許文献1】実公昭63−31864号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の従来技術では次のような問題があった。
【0006】
ガスバーナーによる切断は、バーナーの先端が一般に細いため、モノストランドだけでなく、PC鋼より線間のクリアランスが小さいマルチストランドの切断にも利用できる。しかし、定着部に熱影響を与えないように施工管理を十分かつ確実にする必要があり、作業者スキルに切断品質が左右され、作業後の品質確認も困難である。さらに、バーナーを用いたマルチストランドの切断では、PC鋼より線を1本ずつ順次切断する必要があり、複数本のPC鋼より線を一度に切断することができない。
【0007】
一方、一対の切刃を持つカッターによる切断では、箱抜き空間を形成する内面とPC鋼より線とのクリアランスが容易に確保できるモノストランドには利用できる。しかし、マルチストランドの切断には従来のカッターを利用できない。梁や柱部材に設ける箱抜き空間は、経済的な理由から極力小さくする必要があり、PC鋼より線同士及びPC鋼より線と箱抜き空間の内面とのクリアランスは小さくなっている。そのため、従来のカッターをマルチストランドの切断に利用しようとしても、切断するPC鋼より線に隣接するPC鋼より線や箱抜き空間の内面とカッターのフレームとが干渉するので、切断することができなかった。
【0008】
特に、複数本のPC鋼より線を一度に切断しようとすれば、切刃を押圧する油圧シリンダーも大型で強力なものが必要になり、その反力を受けるカッターのフレームも必然的に十分な強度を有する大型のものが求められる。また、切刃が箱抜き空間内に位置される必要があるのに対し、油圧シリンダーはそのサイズ上、箱抜き空間の外側に位置せざるをえず、油圧シリンダーの押圧力をPC鋼より線の軸方向にずらして切刃に伝達する必要がある。そのため、この押圧力伝達機構も高強度で大型のものが要求され、カッター自体が高強度化・大型化する要因になっていた。その結果、箱抜き空間内のようにPC鋼より線の周囲に十分なスペースがない場合には、前述したフレームとPC鋼より線や箱抜き空間内面との干渉が顕著になり、複数本のPC鋼材を一度に切断することができなかった。
【0009】
従って、本発明の主目的は、複数のPC鋼材を一度に切断することができるPC鋼材の切断装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、切刃の構成または切断装置のフレームの構成に工夫を施すことで上記の目的を達成する。
【0011】
すなわち、本発明PC鋼材の切断装置は、複数のPC鋼材を押圧する複数の支圧面を有する固定切刃と、この固定切刃に隣接して配置されると共に、複数のPC鋼材を押圧する複数の支圧面を有する可動切刃と、この可動切刃を固定切刃に対してスライドさせ、両切刃で複数のPC鋼材をせん断して切断する往復駆動源とを具えることを特徴とする。
【0012】
固定切刃と可動切刃の各々に複数のPC鋼材を押圧する複数の支圧面を設けることで、両切刃をスライドさせた際に、複数のPC鋼材を一度に切断することができる。
【0013】
以下、本発明をより詳しく説明する。
固定切刃および可動切刃に設ける支圧面は、両切刃のスライド時に、PC鋼材をせん断するように押圧する面が形成できればよい。例えば、固定切刃および可動切刃の少なくとも一方に複数のPC鋼材の貫通孔を形成し、この貫通孔の内面に支圧面を形成することが挙げられる。特に、固定切刃および可動切刃の少なくとも一方に形成された貫通孔を同一円周上に配置することが望ましい。この構成により、その切刃を回転させることで、PC鋼材に対する支圧面の位置を変更することができる。つまり、PC鋼材との押圧により支圧面が摩耗して切刃としての切断能力が低下しても、切刃を回転するだけで摩耗していない支圧面を利用でき、切刃全体の交換サイクルを長くすることができる。
【0014】
その他、固定(可動)切刃に円弧状の切欠を形成し、この切欠の内面を支圧面としても良い。このような切欠内面を支圧面とする場合、その切欠を線対称に配置し、切刃の向きを線対称の基準線に対して逆転させることにより、支圧面の位置を変更できるように構成することが好ましい。この線対称の配置でも、切刃を回転するだけで摩耗していない支圧面を利用できる。
【0015】
両切刃は、通常、フレームに取り付けられる。このフレームは、往復駆動源の往復運動を可動切刃に伝達する可動フレームと、可動フレームをスライド自在に保持する固定フレームとを有することが好ましい。可動フレームには可動切刃が装着される。固定フレームは、さらに前フレームと本体フレームとに分割できるように構成しても良い。その場合、前フレームに固定切刃を装着する。本体フレームは可動フレームをスライド自在に保持すると共に、前フレームと一体化されて固定切刃の反力を受ける。フレームを分割式にすることで、複雑な形状のフレームの製造が容易に行え、固定切刃または可動切刃の交換も容易に行うことができる。
【0016】
このフレームには、両切刃で切断されないPC鋼材を保持する支持部を有することが望ましい。支持部は、フレームに設けられた貫通孔や切欠が挙げられる。この貫通孔や切欠に切刃で切断されないPC鋼材を挿入したりはめ込むことで、PC鋼材を保持する。切断時、切断されるPC鋼材の周囲には他のPC鋼材が存在するため、フレームが、これら他のPC鋼材に干渉しないようにする必要がある。さらに、両切刃の支圧面でPC鋼材をせん断するように押圧するため、フレームには大きな反力が作用する。前記の支持部を設けることで、切断しないPC鋼材がフレームに干渉することを回避し、同時に切断時にフレームに作用する反力を十分受けられる大きさ(断面積)のフレームを構成することができる。従って、フレーム材料にS45C機械構造用炭素鋼鋼材等が利用でき、クロムモリブデン鋼SCM435・合金工具鋼SKS44・炭素工具鋼SK95等、強度は高いが靭性が低かったり高価である材料を用いなくともフレームを構成できる。
【0017】
往復駆動源は、往復運動できて複数のPC鋼材を切断するのに必要な押圧力を可動切刃に付与できるものであれば良い。油圧シリンダーやエアシリンダーなどのシリンダーが好適である。
【0018】
本発明装置の切断対象としては、裸PC鋼より線のみならず、アンボンド・ポリエチレン被覆・エポキシコーティングなど防錆性能を高めたPC鋼より線が挙げられる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
〔装置構成〕
(全体構成)
図1は本発明装置の縦断面図、図2は同装置の左側面図、図3は平面図である。この装置は、油圧シリンダー100と、油圧シリンダー100を保持するフレーム200と、フレーム200に支持される一対の切刃310、320とを有する。油圧シリンダー100は切刃310を駆動する。フレーム200は、油圧シリンダー100のラム130に連動して往復運動する可動フレーム210と、可動フレーム210をスライド自在に保持する本体フレーム220と、本体フレーム220の前方(図1の左側)に一体化される前フレーム230とから構成される。切刃は、可動フレーム210に装着される可動切刃310と、前フレーム230に装着される固定切刃320とからなる。
【0020】
(油圧シリンダー)
油圧シリンダー100は、ほぼ円筒状のシリンダ部110と、シリンダ部上部を閉塞するキャップ120と、キャップ120の下方で作動油により往復運動されるラム130とを具える。シリンダ部110は上端側の内径が最も広い太径部で、段階的に下端側に向かうに従って内径が小さくなり、順次中径部、小径部を形成している。キャップ120はほぼ円盤状の金属板で、シリンダ部110の太径部と中径部上段側にはめ込まれる。また、キャップ120の外周にはOリング121がはめ込まれ、シリンダ部110の中径部内面とキャップ外周面との間をシールしている。ラム130は、上端側の外径が大きい太径部と、下端側の外径が小さい小径部とを有する断面T型の円筒状ブロックである。シリンダ部110における中径部にラム130の太径部がはめ込まれ、シリンダ部110における小径部にラム130の小径部がはめ込まれている。いずれのはめ込み箇所も、ラム130の外周面とシリンダ部110の内周面とはOリング131でシールされている。このラム130の下端部には、後述する可動フレーム210と連結するための雄ねじ132が形成されている。
【0021】
また、シリンダ部110には、シリンダ内に作動油を供給・排出する一対の給排口111、112が形成されている。上部給排口111は、キャップ120下面とラム130の上面との間に作動油を導入し、油圧でラム130を下方に駆動する。ラム130の上端面は中間部が突出し、外周側がリング状に低い段差面133で構成されて、上部給排口111からの作動油は、まずこの段差面133とキャップ120下面との間に導入される。下部給排口112は、「ラム130における太径部と小径部との段差部」と「シリンダ部110の中径部と小径部との段差部」との間に形成される空間140内に作動油を供給し、ラム130を上方に駆動する。上(下)部給排口111(112)は、いずれも図示しない油圧ホースを介して作動油給排機構(図示せず)に接続される。
【0022】
さらに、シリンダ部110の下端にはフランジ113(図2、3)が形成され、そのフランジ113に本体フレーム220との連結ボルト410を通す貫通孔が形成されている。
【0023】
このような油圧シリンダー100の半径は、まずPC鋼より線切断に必要なせん断力(一般に引張荷重の2/3程度)と設定できる油圧力とから、油圧シリンダー100の受圧面積を求め、その受圧面積から逆算して求める。
【0024】
(フレーム)
<可動フレーム>
図4(A)は可動フレームの正面図、同(B)は左側面図、同(C)は平面図である。可動フレーム210はラム130の下端に一体化される角柱状のブロックで構成される。可動フレーム210の上面には雌ねじ211が形成され、この雌ねじ211にラム先端の雄ねじ132(図1参照)がねじ込まれて、ラム130の進退方向とほぼ直交してラム130と可動フレーム210が一体化される。可動フレーム210の左端面側は矩形に切り欠かれ、この切り欠かれた個所が可動切刃310の取付用凹部212となる。取付用凹部212の上面には、可動切刃固定用のねじ孔213が形成されている。また、取付用凹部212から可動フレーム210の右端面側にわたって2本の貫通孔214が形成されている。この貫通孔214には、切断されるPC鋼より線が挿入される。さらに、可動フレーム210の下面には、取付用凹部212から可動フレーム210の右端面側にわたって1本の半円状溝215が形成されている。この溝215にも切断されるPC鋼より線がはめ込まれる。
【0025】
<本体フレーム>
図5(A)は本体フレームの正面図、同(B)は左側面図、同(C)は平面図である。本体フレーム220は、上部に油圧シリンダー100が一体化されると共に、内部に可動フレーム210をスライド自在に保持するブロック体である。その上面および左端面は矩形状に開口して、可動フレームの収納凹部221が形成される。また、この上面の周縁部にはシリンダ部110と連結するためのねじ孔222が、左端面には後述する前フレーム230と連結するためのねじ孔223が形成されている。
【0026】
この本体フレーム220の内底面には、左端面から右端面につながる半円状の溝225が形成されている。この溝225は、可動フレーム210が押し下げられてPC鋼より線が切断された際、その切れ端がはめ込まれる逃げになる。
【0027】
また、本体フレーム220の底面には、左端面から右端面につながる2本の貫通孔226が形成されている。この貫通孔226には、両切刃で切断されないPC鋼より線が貫通される。本体フレーム220は、後述する前フレーム230と一体化され、この前フレーム230に固定切刃320が装着されるため、切断時の反力が固定切刃320を介して本体フレーム220に作用する。そのため、本体フレーム220(前フレーム230)は反力を受けるのに十分な強度を要し、極力大きな断面積を確保する必要がある。一方で、本体フレーム220の断面積を大型化すると、切断しないPC鋼より線に本体(前)フレーム220(230)が干渉するため、フレーム断面積の大型化ならびにPC鋼より線とフレームとの干渉回避とを両立するために、切断されないPC鋼より線の貫通孔226を設けている。
【0028】
同様に、切断されないPC鋼より線とフレームとの干渉を回避する目的で、本体フレーム底面の両角部には切欠部227が形成されている。切断装置をPC鋼より線に配置した際、切断しないPC鋼より線が、この切欠部227にはめ込まれる。
【0029】
さらに、本体フレーム220の右端面にはほぼ矩形の開口部228が形成されている。この開口部228に切断される複数のPC鋼より線が貫通される。
【0030】
<前フレーム>
図6(A)は前フレームの正面図、同(B)は左側面図、同(C)は平面図である。前フレーム230は固定切刃320が装着されると共に、本体フレーム220の左端面に連結ボルト420(図1)で固定される薄いブロック状のものである。前フレーム230は中央に固定切刃320が装着される円形の開口部231を有する。この開口部周縁には、固定切刃取付用のねじ孔232が3つ形成されている。また、両側面と底部には、本体フレーム220との連結ボルト用の貫通孔233が設けられている。この貫通孔233に連結ボルト420を挿通して、前フレーム230を本体フレーム220と一体化する。さらに、この前フレーム230の底部にも2本の貫通孔234(支持部)が形成されている。この貫通孔234は、本体フレーム220の底部に設けた貫通孔226と連続し、切断されないPC鋼より線が挿通される。同様に、切断されないPC鋼より線と前フレーム230との干渉を回避する目的で、前フレーム底面の両角部には切欠部235(支持部)が形成されている。そして、前フレーム230の上部には、固定切刃320の回転方向を保持する固定ボルト430(図1)の挿入孔236が形成されている。
【0031】
(切刃)
<可動切刃>
図7(A)は可動切刃の正面図、同(B)は縦断面図である。この可動切刃310は、ほぼ矩形状の板状体で構成され、表面から裏面に貫通する一対の貫通孔311と、下面に形成される円弧状の切欠312とを有している。この貫通孔311にはPC鋼より線が挿通され、切欠312にはPC鋼より線がはめ込まれ、各々貫通孔311や切欠312とPC鋼より線との接触面が支圧面となる。さらに、上面には固定用のねじ孔313が形成されている。前述した可動フレーム210の可動切刃固定用のねじ孔213にボルト440(図1)を挿通し、このボルト440を可動切刃のねじ孔313にねじ込むことで可動切刃310を可動フレーム210に固定する。
【0032】
ここでは、可動切刃310の下面側にのみ円弧状の切欠312を設けているが、丁度線対称となる上面側にも同様の切欠を設けても良い。このような線対称の切欠を設けることで、可動切刃310を上下逆転して可動フレーム210に固定することで、一方の切欠(支圧面)が摩耗して切れ味の低下が生じた場合などに、摩耗していない他方の切欠を支圧面として利用することができ、可動切刃全体の交換サイクルを伸ばすことができる。その場合、ねじ孔313は、2つの貫通孔311の上部などにずらし、可動切刃310の上下面の各々に設ければ良い。
【0033】
<固定切刃>
図8(A)は固定切刃の正面図、同(B)は縦断面図である。この固定切刃320は3つの貫通孔321が形成された円盤状のものである。これら貫通孔321は、同一の円周上に位置するよう配置されている。また、いずれの貫通孔321も一方の開口が広く、他方に向かうに従って内径が小さくなるように構成され、径の大きい開口部側からPC鋼より線を挿入しやすい構成になっている。これら各貫通孔321の間は外周から中心に向かって3つのねじ孔322が形成されている。このねじ孔322には固定ボルト430(図1)がねじ込まれる。固定切刃320を回転し、各位置において固定ボルト430で位置決めすることで、貫通孔321内におけるPC鋼より線と接触する箇所(支圧面)をずらし、固定切刃全体の交換サイクルを伸ばすことができる。さらに、固定切刃320の外周には、環状突起323が形成されている。前述した前フレーム230のねじ孔232に取付ねじ450(図1)をねじ込んだ際、そのねじ450の頭部が環状突起323により形成される段差部に当接し、固定切刃320を前フレーム230に固定する。
【0034】
この固定切刃320は、図1に示すように、可動切刃310の左端面側に隣接して配置される。切断前における固定切刃320と可動切刃310との重複状態は、図2に示すように、可動切刃310の2つの貫通孔311に固定切刃320における並列した2つの貫通孔321が重なり、可動切刃310の切欠312に固定切刃320の残る1つの貫通孔321が重なる。可動切刃310が下方に押し下げられることにより、固定切刃320の各貫通孔321の下方にPC鋼より線が押し付けられ、この押し付け面が支圧面として機能する。
【0035】
(その他の構成)
<保護板>
さらに、シリンダ部110の左側面には、可動フレーム210の端面までを覆う保護板460がねじにより固定されている(図1)。この保護板460は、可動フレーム210が下降した際に、シリンダ部110下端との間に形成される隙間を覆い、その隙間の間に異物などが侵入することを防止すると共に、指の侵入を防止して安全を図っている。
【0036】
〔切断手順〕
図9は本発明切断装置の切断手順を示す説明図で、(A)は切断前におけるマルチストランド構造の定着具の端面を示し、(B)は一部のPC鋼より線を切断した状態を示し、(C)は本発明切断装置をPC鋼より線に装着した状態を示す。
【0037】
ここでは、図9に示すように、15.2mmφのPC鋼より線500が12本定着される定着具に対して、従来のカッターと本発明装置を組み合わせて用いる場合を例に説明する。
【0038】
切断前、図9(A)に示すように、箱抜き空間内において合計12本のPC鋼より線500が定着具520から突出されている。3本のPC鋼より線は定着具520を構成するディスクプレートの中央部で三角形に配置され、残りの9本は、この三角形を取り囲むように配置されている。各PC鋼より線同士の隣接間隔は19mm、PC鋼より線と箱抜き側面との距離は32mmである。
【0039】
このような配置のPC鋼より線500において、まず外周側に配される3本のPC鋼より線を切断する。この切断には、例えば「従来の技術」で説明したカッターを用いて切断することができる。この切断後におけるPC鋼より線500の配列を図9(B)に示す。同図に示すように、三角形状に並んだ3本のPC鋼より線511〜513を1ユニット510として、このユニット3つを逆三角状に配した状態にPC鋼より線が残存している。
【0040】
次に、図9(C)に示すように、3ユニット510の一つに、本発明装置を装着する。その際、円盤状の固定切刃320に3本のPC鋼より線511〜513が貫通される。この3本のPC鋼より線のうち2本は可動切刃310(図1、図7)の2つの貫通孔311にも貫通され、残りの一本が円弧状の切欠312にはめ込まれる。さらに、これら3本のPC鋼より線511〜513は、可動フレーム210(図1、図4)の貫通孔214および半円状溝215に挿通またははめ込みされる。
【0041】
一方、別の2本のPC鋼より線は、前フレーム230および本体フレーム220の底部に設けられた貫通孔226、234に挿入される。さらに別の2本のPC鋼より線は、本体(前)フレーム220(230)の角部に設けられた切欠部227(235)にはめ込まれる。
【0042】
図1に示す状態において、上部給排口111から作動油をシリンダ部内に導入してラム130を押し下げる。ラム130の下降に伴い可動フレーム210も下降される。そのため、可動フレーム210に装着された可動切刃310も押し下げられて、固定切刃320との協働によりPC鋼より線にせん断力を作用させる。このせん断により、3本のPC鋼より線が同時に切断される。
【0043】
次に、切断装置を回して、順次別のユニットを構成する3本のPC鋼より線を両切刃310、320に貫通またははめ込みさせて、同様の動作を繰り返して全てのPC鋼より線を切断する。
【0044】
このように、本発明切断装置によれば、複数のPC鋼より線を一度に切断することができ、効率的な切断作業を行うことができる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明装置によれば、次の効果を奏することができる。
【0046】
固定切刃と可動切刃の各々に複数のPC鋼材を押圧する支圧面を形成することで、複数のPC鋼材を同時に切断することができる。特に、火気を使用しないので、定着部への熱影響のおそれが全くない。
【0047】
切断されないPC鋼材の保持部をフレームに設けることで、フレーム断面積の大型化ならびにPC鋼より線とフレームとの干渉回避とを両立することができる。
【0048】
往復駆動源の位置と両切刃の位置とを同駆動源の往復方向とほぼ直交する方向にずらせたフレームとすることで、箱抜き空間内におけるPC鋼材の切断作業を容易に行うことができる。
【0049】
固定切刃および可動切刃の少なくとも一方を回転式、逆転式とすることで、使用に伴って支圧面が摩耗した際、新たな支圧面を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明装置の縦断面図である。
【図2】図2は本発明装置の左側面図である。
【図3】図3は本発明装置の平面図である。
【図4】図4(A)は可動フレームの正面図、同(B)は左側面図、同(C)は平面図である。
【図5】図5(A)は本体フレームの正面図、同(B)は左側面図、同(C)は平面図である。
【図6】図6(A)は前フレームの正面図、同(B)は左側面図、同(C)は平面図である。
【図7】図7(A)は可動切刃の正面図、同(B)は縦断面図である。
【図8】図8(A)は固定切刃の正面図、同(B)は縦断面図である。
【図9】図9は本発明切断装置の切断手順を示す説明図で、(A)は切断前におけるマルチストランド構造の定着具の端面を示し、(B)は一部のPC鋼より線を切断した状態を示し、(C)は本発明切断装置をPC鋼より線に装着した状態を示す。
【図10】マルチストランド構造の定着具周辺の説明図である。
【符号の説明】
100 油圧シリンダー
110 シリンダ部
111 上部給排口
112 下部給排口
113 フランジ
120 キャップ
121 Oリング
130 ラム
131 Oリング
132 雄ねじ
133 段差面
140 空間
200 フレーム
210 可動フレーム
211 雌ねじ
212 取付用凹部
213 ねじ孔
214 貫通孔
215 半円状溝
220 本体フレーム
221 収納凹部
222 ねじ孔
223 ねじ孔
225 溝
226 貫通孔
227 切欠部
228 開口部
230 前フレーム
231 開口部
232 固定切刃取付用ねじ孔
233 連結ボルト用貫通孔
234 貫通孔
235 切欠部
236 挿入孔
310 可動切刃
311 貫通孔
312 切欠
313 ねじ孔
320 固定切刃
321 貫通孔
322 ねじ孔
323 環状突起
410 連結ボルト
420 連結ボルト
430 固定ボルト
440 ボルト
450 取付ねじ
460 保護板
500 PC鋼より線
510 ユニット
511〜513 PC鋼より線
520 定着具
530 箱抜き空間

Claims (5)

  1. 複数のPC鋼材を押圧する複数の支圧面を有する固定切刃と、この固定切刃に隣接して配置されると共に、複数のPC鋼材を押圧する複数の支圧面を有する可動切刃と、
    この可動切刃を固定切刃に対してスライドさせ、両切刃で複数のPC鋼材をせん断して切断する往復駆動源とを具えることを特徴とするPC鋼材の切断装置。
  2. 両切刃が取り付けられるフレームを有し、
    このフレームは、両切刃で切断されないPC鋼材を保持する支持部を有することを特徴とする請求項1に記載のPC鋼材の切断装置。
  3. 固定切刃および可動切刃の少なくとも一方に2以上のPC鋼材の貫通孔を有し、この貫通孔の内面に支圧面を形成したことを特徴とする請求項1に記載のPC鋼材の切断装置。
  4. 固定切刃および可動切刃の少なくとも一方に形成された貫通孔が同一円周上に配置され、
    この切刃を回転させることでPC鋼材に対する支圧面の位置を変更できるように構成されたことを特徴とする請求項3に記載のPC鋼材の切断装置。
  5. 固定切刃および可動切刃に形成された支圧面が線対称に配置され、
    これら切刃の向きを前記線対称の基準線に対して逆転させることにより、支圧面の位置を変更できるように構成したことを特徴とする機構を有する請求項1に記載のPC鋼材の切断装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110587010A (zh) * 2019-09-18 2019-12-20 赵明伟 一种电动汽车减速机用电机外壳切割装置
CN113618142A (zh) * 2021-07-01 2021-11-09 昆山晶瑞立新五金有限公司 一种五金管材的切割装置

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