JP2004229490A - 回転子イナーシャの推定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】モデルモータの電流信号に応じて適応フィルタの入力信号301を決定する段階と、適応フィルタの目標信号302を決定する段階と、入力信号301に応じて遅延信号304を得て、遅延信号304に対して、それぞれ対応する重みを乗じて、重み付け済み出力信号307を出力する段階と、重み付け済み出力信号307とフィルタリング済み目標信号308との間の偏差309を決定する段階と、適応フィルタによって、最小二乗平均法を用いて入力信号301と目標信号302に応じたサーバ制御系の回転子イナーシャを決定する段階とを有する。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転子イナーシャを推定する方法に関し、特に、交流サーボ駆動部の負荷回転子イナーシャを即時に推定する推定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
交流永久磁石型同期モータの基本構造は、通常の同期モータの構造と類似している。固定子側は、三相のコイルの組を有し、回転子側は、磁界を発生するために永久磁石を有する。交流永久磁石型同期モータは、磁界励起回路、スライドリング、および電気ブラシを備える必要がない。かかるモータは、体積当たりの出力が高く、高効率であり、さらにトルク振動が小さいという利点を有している。したがって、このようなモータは、たとえば、高精密で、かつ高い応速度を要求される機械加工装置のような精密サーボ機構の駆動部として好適に応用される。
【0003】
広く使用されているサーボ制御システムのなかで、負荷モータの回転子イナーシャは、サーボ設計上の重要なパラメータといえる。そして、正確なサーボ制御を行うためには、このパラメータを正確に推定しなければならない。
【0004】
デジタル信号処理装置の急速な発展によって、交流サーボドライバ(駆動部)は、インテリジェント化の傾向を呈している。インテリジェント化によれば、交流サーボドライバが、自機およびその周辺環境の変化を理解し、最適な運転を行うことができるようになる。インテリジェント機能によって、人間によって設定しなければならない事項を更に少なくすることができ、この結果、ユーザによる操作がさらに容易なものとなる。しかし、本当にインテリジェントな交流サーボ駆動部を得るためには、回転子イナーシャが正確に推定されなければならない。幾つかの駆動部設計では、ユーザから負荷モータの回転子イナーシャが入力される設計が採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ユーザによって負荷モータの回転子イナーシャを入力するといった上記の方法は、柔軟ではない。仮に、負荷モータの回転子イナーシャが意味するところをユーザが知らない場合には、十分に調整を行うことができず、その製品は他のインテリジェント型の製品に対抗することが難しくなる。
【0006】
したがって、サーボ制御系においてインテリジェントな動作を行うという目標を真の意味で達成するためには、負荷モータの回転子イナーシャの推定方法を提供することが非常に重要である。
【0007】
このように、本発明の目的は、負荷モータの回転子イナーシャを瞬時的に推定する推定方法を提供することである。駆動モータによって駆動される制御対象のモータの回転子イナーシャが瞬時的に推定されて、この結果、駆動モータの出力を調整される。これによって、即時の推定と正確な制御という目標が達成される。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の構成により達成される。
【0009】
(1)本発明の回転子イナーシャ推定方法は、制御対象物を備えるサーボ制御系で用いられる負荷モータの回転子イナーシャを瞬時的に推定する回転子イナーシャ推定方法であって、モデルモータを参照して、モデルモータの電流信号に応じて適応フィルタの入力信号を決定する段階と、駆動モータの電流信号と前記モデルモータの電流信号との間の偏差に応じて適応フィルタの目標信号を決定する段階と、前記入力信号に応じて複数の遅延信号を得て、当該複数の遅延信号に対して、それぞれ対応する重みを乗じて、重み付け済み出力信号を出力する段階と、前記重み付け済み出力信号と前記目標信号との間の偏差を決定する段階と、前記適応フィルタによって、最小二乗平均法を用いて前記入力信号と前記目標信号に応じた前記サーボ制御系の前記回転子イナーシャを決定する段階と、を有することを特徴とする。
【0010】
(2)上記のモデルモータの回転子イナーシャは既知である。
【0011】
(3)上記の方法は、さらに、前記遅延信号を得る段階の前に、前記入力信号をバンドパスフィルタに通してフィルタリングし、フィルタリング済みの入力信号を得る段階を有する。
【0012】
(4)上記の方法は、さらに、前記偏差を決定する段階の前に、前記目標信号をバンドパスフィルタに通してフィルタリングし、フィルタリング済みの目標信号を得る段階を有する。
【0013】
(5)上記の重みは時間的に変化する。
【0014】
(6)次の時点での重みは、ゲイン要素、前記入力信号、および前記偏差を掛け合わせて2倍した結果と、現在の時点での重みとの和で与えられる。
【0015】
(7)上記のゲイン要素は、前記適応フィルタのゲイン要素である。
【0016】
(8)上記のサーボ制御系の前記回転子イナーシャは、負荷モータの回転子イナーシャと駆動モータ回転子イナーシャとの和と、前記モデルモータの回転子イナーシャとの比で与えられる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本実施の形態で開示される方法は、モデル系と実際の系とを比較し、相対的な信号を得る。適応フィルタおよび最小二乗平均(Least Mean Square:LMS)法が、制御対象のパラメータを得るために使用される。
【0018】
開示される方法によれば、モータ機構制御回路が、仮想的に回転子イナーシャが既知である理想的なモデルモータとみなされる。このモデルモータでの速度コントローラ出力が、適応フィルタへの入力信号の一つとなる。また、結合系における駆動モータでの速度コントローラ出力と、上記のモデルモータでの速度コントローラ出力とが比較され、両者の間の偏差の量が適応フィルタの目標信号として決定される。負荷モータの回転子イナーシャは、所定のアルゴリズムを用いて適応フィルタによって推定される。
【0019】
上述の目標を達成するために開示される方法を具体的に説明すれば、この方法は、適応フィルタのための2つの入力信号として、モデルモータの電流信号に応じた入力信号と、サーボ制御システムからの目標信号とを決定する。モデルモータの電流信号に応じた入力信号は、少なくとも一つの遅延信号(遅延入力信号)を得るために少なくとも一つの遅延部を通過する。各遅延信号には、対応する重みが乗じられて、重み付け済み出力信号としてシンセサイザによって出力される。重み付け済み出力信号と上記の目標信号との間の偏差が決定され、次の時点での新たな重みを決定するためにフィードバックされる。この開示される方法は、入力信号と目標信号を用いる適応フィルタでの重みを算出するためにLMS法を用いる。これらのパラメータから、本発明は、モデルモータ、駆動モータ、および負荷モータ間での回転子イナーシャの比率を決定する。
【0020】
本発明は、以下の詳細な説明から十分に理解される。以下の記述は、説明のために与えられるものであって、本発明は、これらの場合に限定されるものではない。以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0021】
最初に、負荷モータの回転子イナーシャ(rotor inertia)を推定するために本発明で用いられる適応フィルタおよび最小二乗平均(Least Mean Square:LMS)法を説明する。この適応フィルタは、負荷モータのイナーシャを推定するための主要構成要素である。LMS法は、この適応フィルタによって用いられる主要なアルゴリズムである。
【0022】
最初に、単一入力の適応トランスバーサルフィルタを考慮する。
【0023】
【数1】
【0024】
ここで、ykは、実際の出力信号であり、xkは、実際の入力信号であり、さらに、wlkは、信号の重みである。
【0025】
図1に示されているように、第1遅延入力信号Xk−1は、入力信号Xkが遅延部11を通過した後の信号である。第2遅延入力信号Xk−2は、第1遅延入力信号Xk−1が遅延部12を通過した後の信号である。信号Xk−Lは、第L番目の遅延部13を経て処理された後の第L番目の遅延入力信号である。上記の式(1)は、複数の遅延信号と、単一入力の適応トランスバーサルフィルタのための対応する「重み」の内積を示している。そして、シンセサイザ14は、複数の遅延信号と、出力のための対応づけられている「重み」を結びつける。したがって、上式では、実際の入力信号ベクトルを表すために、Xk=〔xk xk−1 … xk−L〕Tを用い、実際の信号重みベクトルを表すために、Wk=〔w0k w1k … wLk〕Tを用いている。
【0026】
次に、遅延信号に乗じられる重み、目標信号(目標出力)dk、および偏差(目標信号と重み付け済みの出力信号との差)ek=dk−ykを決定する方法を説明する。複数の遅延信号に対する「重み」w0k,w1k,w2k,…,およびwLkは、最小二乗平均(LMS)法を用いて得られる。偏差信号ekは、出力信号ykと目標出力dkとを結びつけることによってシンセサイザ15によって得られる。図面に示されるとおり、偏差信号ekは、次式で与えられる。
【0027】
【数2】
【0028】
複数の偏差信号は、実際の各出力信号ykと各目標出力信号dkとの間の偏差の二乗をとって最小となるように、最小二乗平均(LMS)法を用いて推定される。
【0029】
遅延信号の重みに関する偏差の二乗の微分は、次式のように定義される。
【0030】
【数3】
【0031】
この式において、最急降下法(steepest−descent method)を用いて、一般解を、以下のように表現することができる。
【0032】
【数4】
【0033】
ここで、μは、適応フィルタの安定性および収束速度を決定するためのゲイン要素(ゲインファクタ)であり、Lをフィルタレベルとしたときに、次の関係を満たす。
【0034】
【数5】
【0035】
また、式(3)を式(4)に代入することによって、次の式が得られる。
【0036】
【数6】
【0037】
これが要求されるLMSアルゴリズムである。換言すれば、目標信号と出力信号との間の偏差の信号は、次の時点の信号の重みを推定するためにフィードバックされる。したがって、次の時点に処理が移ったとき、遅延信号と関連づけられる「重み」も時間的に変化する。一旦、システムが定常状態に達すると、負荷モータの回転子イナーシャを推定することができる。
【0038】
入力信号とサーボ制御システムからの目標信号(要求信号)を適応フィルタの入力として得るために、適応フィルタの性質を用いることができる。最小二乗平均(LMS)法を用いて、遅延信号と遅延部の後の関連付けられる「重み」とが結合されて、この結果、負荷の回転子イナーシャが推定される。
【0039】
図2に示されるとおり、次式のための目標信号dkと出力信号を得ることが必要である。
【0040】
【数7】
【0041】
目標信号は、既知の回転子イナーシャを有するモデルモータを参照して得られる。図2に示されるとおり、モデルモータの速度信号104は、数学モデル21によって模擬的に作られる。速度信号104は、シンセサイザ31にフィードバックされる。シンセサイザ31は、命令信号100と速度信号104とに応じて偏差信号101を出力する。偏差信号101がゲイン制御器(ゲインコントローラ)41を通過することによって増幅されてゲイン信号102が得られる。一方、ゲイン制御器42は、ゲイン信号102を電流信号103に変換する。電流信号103は、モデルモータの処理を制御するために数式モデル21に入力される。既知の回転子イナーシャを有するモデルモータは、既知のパラメータを持ったシステムモデルに相当する。このシステムモデルにおいて実際のシステムと比較するために既知のパラメータを用いることができる。入力信号301は、ゲイン制御器41から出力されたゲイン信号102であり、バンドパスフィルタ51に出力される。
【0042】
目標信号の供給源は、図3に示される。駆動モータの数学モデル22から出力された速度信号111(第1速度信号)と、負荷モータの数学モデル23から出力された速度信号112(第2速度信号)は、シンセサイザ36によって結合されて合成速度信号114となる。合成速度信号114は、それからゲイン制御器47によって増幅されてゲイン信号115となり、このゲイン信号115は、シンセサイザ35および37へフィードバックされる。
【0043】
シンセサイザ35が、ゲイン信号109とゲイン信号115とを結合させた後に、合成信号110は、駆動モータの数学モデル22において速度を制御するために出力される。同様に、シンセサイザ37は、ゲイン信号115とゲイン信号116とを結合して、負荷モータ23を駆動するために合成信号113を出力する。ゲイン信号116は、ゲイン信号109と同様である。
【0044】
目標信号は、シンセサイザ34の合成信号108から生じる。合成信号108は、ゲイン信号107と図2で上述したゲイン信号102とを結合することによって得られる。ゲイン制御器46を通過した後に、合成信号108は、ゲイン信号109として出力される。一方、ゲイン信号107は、ゲイン制御器45によって出力される。このように、目標信号は、ゲイン信号102とゲイン信号107とを結合することによってシンセサイザ34によって出力された合成信号108から得られる。なお、ゲイン信号107は、偏差信号105から生じる。ここで、偏差信号105は、モデルモータの数学モデル21から出力される速度信号104と、駆動モータの数学モデル22から出力される速度信号111とに関係付けられており、シンセサイザ32によって出力される。この偏差信号105は、最初に比例制御器(Pコントローラ)43および積分制御器(Iコントローラ)44に分配された後に、それぞれがシンセサイザ33に入力される。この結果、合成信号106が形成される。合成信号106は、ゲイン制御器45によってゲイン信号107として出力される。この結果、シンセサイザ34は、ゲイン信号102に対してゲイン信号107を結合して、出力のための目標信号302を形成することができる。目標信号302は、負荷モータの回転子イナーシャを推定するためにバンドパスフィルタ52に出力される。
【0045】
本システムが、図2に示されるように入力信号301を決定するとともに、図3に示されるように目標信号302を決定した後に、負荷回転子イナーシャの推定が実行される。図4は、負荷回転子イナーシャを推定するためのシステムのブロック図を示している。図2に示される適応フィルタの出力信号は、まず1または複数の遅延器からそれぞれの遅延信号を得て、次に、それらの遅延信号に対して対応する重みを乗じることによって算出される。図4の実施例では、推定のために1つの遅延器が用いられている場合が示されるが、好適には複数の遅延器が用いられる。
【0046】
入力信号301がバンドパスフィルタ51を通過して、フィルタリング済み入力信号303が送出される。そして、遅延入力信号304は、遅延器53によって出力される。図では、2つの乗算器54,53が存在する。これらは、重み付け済み出力信号307を出力する。具体的には、フィルタリング済み入力信号303と遅延入力信号304は、それぞれ対応する「重み」が乗じられて重み付けされ、重み付け済み入力信号305と重み付け済み遅延入力信号306になる。入力信号305と重み付け済み遅延入力信号306は、シンセサイザ38によって結合されて、上記の重み付け済み出力信号307が生成される。重み付け済み入力信号305は、Xk信号に対応する「重み」を乗ずることによって得られる。重み付け済み遅延入力信号(遅延信号)306は、(Xk−1)信号に対応する重みを乗ずることによって得られる。複数の遅延信号がある場合には、複数の遅延信号に対して、それぞれ対応する重みを乗じて、最終的に重み付け済み出力信号を出力する。
【0047】
一方、目標信号302はバンドパスフィルタ52に入力されることによって、フィルタリング済み目標信号308として送出される。シンセサイザ39は、重み付け済み出力信号307をフィルタリング済み目標信号308に結合させて、両者の間の偏差である合成信号309を出力する。合成信号309は、式(6)を利用して次の時点での「重み」w1,w2を算出するために使われるべく、乗算器54,55にそれぞれフィードバックされる。入力信号301と目標信号302は、推定されるべき信号を得るためにバンドパスフィルタに送出される。
【0048】
したがって、駆動モータが負荷モータを駆動するとき、入力信号であるモデルモータ電流信号301が得られるとともに、駆動モータ電流信号とモデルモータ電流信号とを合成して求められた両者の偏差である目標信号302が得られる。適応フィルタは、現在の時点での出力から次の時点での電流を決定するために、次の時点での「重み」w1,w2をチューニングして合成信号309を調整することによって、合成信号309を推定して出力する。次の時点での「重み」は、ゲイン要素、入力信号301、および合成信号309(重み付け済み出力信号と目標信号との間の偏差)を掛け合わせて2倍した結果と、現在の時点での「重み」との和で与えられる。換言すれば、フィルタリング済み入力信号303の重みは、w1(k+1)=w1(k)+2*c*x1(k)*e(k)であり、遅延信号304の重みは、w2(k+1)=w2(k)+2*c*x2(k)*e(k)である。
【0049】
開示された本実施の形態の方法は、たとえば、50*2*pi/(s+50*2*pi)*s/(s+2*2*pi)の特性因子を有するバンドパスフィルタを用いている。この収束定数は、0.5よりも小さい。
【0050】
以下に、シミュレーションおよび実験を行ったいくつかの実施例を提供する。図5は、速度指令入力の時間応答図である。図6は、外部トルク摂動の時間応答図である。この試験状態は、アタッチメント1および2でのものに一致しており、Jは、駆動モータの回転子イナーシャであり、Jmは、モデルモータの回転子イナーシャであり、JLは、負荷モータの回転子イナーシャであり、Gは交流サーボドライバの速度制御電流ゲインである。
【0051】
(第1の実施例)
J=9e−5,G=1,Jm=2J,およびJL=Jである。推定結果は、W1+W2≒0.8であり、図7に示される時間応答図を有する。
【0052】
第2の実施例
J=9e−5,G=1,Jm=2J,およびJL=10Jである。推定結果は、W1+W2≒4.5であり、図8に示される時間応答図を有する。
【0053】
第3の実施例
J=9e−5,G=10,Jm=2J,およびJL=Jである。推定結果は、W1+W2≒0.9であり、図9に示される時間応答図を有する。
【0054】
第4の実施例
J=9e−5,G=10,Jm=2J,およびJL=10Jである。推定結果は、W1+W2≒5であり、図10に示される時間応答図を有する。
【0055】
上記の4つの実施例から、負荷モータイナーシャの推定が実行可能なように、速度指令の周波数と外部の摂動とは、ほとんど同じに設定することができることがわかる。4つの実施例を比較すると、制御部のゲインは、推定結果に大きな影響を持たないことがわかる。
【0056】
開示された方法は、回転子の負荷応力を直ちに推定するために適応LMS法を用いることができる。したがって、この方法は、多くの利用性と実施の価値を持つ。
【0057】
以上のように、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明の思想および範囲内において、当業者によって種々の変形が可能であることは明らかである。
【0058】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、負荷回転子の回転子イナーシャを即時に推定する推定方法を提供することができる。駆動モータによって駆動される回転子イナーシャは、この駆動モータの出力を調整するために即時に推定され、これによって、即時の推定と正確な制御という目標が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】適応フィルタシステムのブロック図である。
【図2】本発明で使用されるモデルモータのシステムブロック図である。
【図3】駆動モータおよび負荷モータのシステムブロック図である。
【図4】負荷回転子イナーシャを推定するためのシステムブロック図である。
【図5】速度指令入力の時間応答図である。
【図6】外部トルク摂動の時間応答図である。
【図7】開示された第1の実施の形態での時間応答図である。
【図8】開示された第2の実施の形態での時間応答図である。
【図9】開示された第3の実施の形態での時間応答図である。
【図10】開示された第4の実施の形態での時間応答図である。
【符号の説明】
51,52…バンドパスフィルタ、
53…遅延部、
54,55…乗算器、
301…入力信号、
302…目標信号、
303…フィルタリング済み入力信号、
304…遅延入力信号、
305…重み付け済み入力信号、
306…重み付け済み遅延入力信号、
307…重み付け済み出力信号、
308…フィルタリング済み目標信号、
309…偏差(合成信号)。
Claims (8)
- 制御対象物を備えるサーボ制御系で用いられる負荷モータの回転子イナーシャを瞬時的に推定する回転子イナーシャ推定方法であって、
モデルモータを参照して、モデルモータの電流信号に応じて適応フィルタの入力信号を決定する段階と、
駆動モータの電流信号と前記モデルモータの電流信号との間の偏差に応じて適応フィルタの目標信号を決定する段階と、
前記入力信号に応じて複数の遅延信号を得て、当該複数の遅延信号に対して、それぞれ対応する重みを乗じて、重み付け済み出力信号を出力する段階と、
前記重み付け済み出力信号と前記目標信号との間の偏差を決定する段階と、
前記適応フィルタによって、最小二乗平均法を用いて前記入力信号と前記目標信号に応じた前記サーボ制御系の前記回転子イナーシャを決定する段階と、を有することを特徴とする回転子イナーシャ推定方法。 - 前記モデルモータの回転子イナーシャは既知であることを特徴とする請求項1に記載の回転子イナーシャ推定方法。
- さらに、前記遅延信号を得る段階の前に、前記入力信号をバンドパスフィルタに通してフィルタリングし、フィルタリング済みの入力信号を得る段階を有することを特徴とする請求項1に記載の回転子イナーシャ推定方法。
- さらに、前記偏差を決定する段階の前に、前記目標信号をバンドパスフィルタに通してフィルタリングし、フィルタリング済みの目標信号を得る段階を有することを特徴とする請求項1に記載の回転子イナーシャ推定方法。
- 前記重みは時間的に変化することを特徴とする請求項1に記載の回転子イナーシャ推定方法。
- 次の時点での重みは、ゲイン要素、前記入力信号、および前記偏差を掛け合わせて2倍した結果と、現在の時点での重みとの和で与えられることを特徴とする請求項5に記載の回転子イナーシャ推定方法。
- 前記ゲイン要素は、前記適応フィルタのゲイン要素であることを特徴とする請求項6に記載の回転子イナーシャ推定方法。
- 前記サーボ制御系の前記回転子イナーシャは、負荷モータの回転子イナーシャと駆動モータ回転子イナーシャとの和と、前記モデルモータの回転子イナーシャとの比で与えられることを特徴とする請求項1に記載の回転子イナーシャ推定方法。
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