JP2004228836A - 信号レベル検出装置 - Google Patents
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Abstract
【構成】入力信号の信号レベルを検出する電圧検出型の対数増幅器1と、前記入力信号の平均レベルとピークレベルとの比からなるピ−クファクタを求めるピークファクタ演算手段2と、予め各ピークファクタ値の対応に前記対数増幅器1で検出された信号レベルに対する補正値を記憶している補正テーブル3と、前記対数増幅器1で検出された信号レベルを前記補正テーブル3から読み出したピークファクタ対応の補正値で補正する補正手段4とを備える。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は信号レベル検出装置に関し、更に詳しくは無線受信機における受信電界強度の検出に適用して好適なるものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、無線機における受信電界強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)の検出精度への要求が高まっており、例えばCDMA(Code Division Multiple Access )方式の移動通信システムでは、基地局と移動局間の距離に起因する伝送品質の劣化(即ち、遠近問題)を解決すべく、通常、±1dB以下の検出精度が必要とされている。
【0003】
また、最小限のハードウェアに各種変調方式のソフトウェアをダウンロードすることにより複数変調方式に対応可能な所謂ソフトウェア無線機の実現も研究されており、該ソフトウェア無線機を使用して違法無線機からの送出電波有無を判定するには、受信電界強度につき±数dB以下の検出精度が要求されている。
【0004】
係る状況の下、受信電界強度(以下、RSSIと称す)の検出には、検出ダイナミックレンジが広いこと、及び検出デバイスの低価格等の理由により、対数増幅器を使用した電圧検出型のRSSI検出器が広く用いられている。
【0005】
図5(A)に一例のRSSI検出器のブロック図を示す。図において、RSSI検出器21は、複数の差動アンプ211を多段に縦列接続した対数増幅器(ログアンプ)として構成され、入力信号SIG+IN,SIG−INの振幅が大きいほど飽和するアンプ211の数が増加し、リニア動作するアンプ211の数が減少する。逆に、入力信号の振幅が小さいほど飽和するアンプ211の数が減少し、リニア動作するアンプ211の数が増加する。この状態で、各アンプ212は、飽和したアンプ211の出力を例えば「1」に正規化するように調整されており、各アンプ212の出力信号を加算部(Σ)213で加算することにより出力電圧LOGOUTを生成している。
【0006】
図5(B)にRSSI検出器21の入力電界−出力電圧特性を示す。一般に、市販のRSSI検出器にはリニア動作する領域とノンリニア動作する領域とが含まれるが、この例では入力電界が−70dBm〜−20dBmの範囲内における出力電圧はリニア特性を示すが、その前/後の各領域ではノンリニア特性を示している。正確なRSSIはリニア領域で検出するのが好ましいが、実用の無線システムでは、ノンリニア領域の受信レベルが入力する場合も少なくない。
【0007】
一般に、このようなRSSI検出器21の出力電圧は、所定の変換テーブルによって対応する受信電界強度(RSSI)値に変換される。図6(A)に一例の変換テーブルを示す。図において、RSSI検出器21の各検出電圧(V)に対応して、メモリ(変換テーブル)の入力アドレス(hex)、該アドレスに記憶されているRSSIデータ(dBm)及び又は該RSSIデータに対応するhexデータ(hex)が示されている。例えば、RSSI検出器21の出力電圧=0.84Vの場合は、メモリの入力アドレス=80hexで あり、出力のRSSI=−50dBmと同定(推定)される。また同様にして、出力電圧=1.26Vの場合は、出力のRSS=−30dBmと同定される。
【0008】
なお、変換精度向上のためにテーブルの各データ間を直線近似等により補間する場合もある。図6(B)に直線補間したグラフ図を示す。こうすれば、上記の出力電圧0.84V→53dBmに、また出力電圧1.26V→−32dBmとより精密に同定される。
【0009】
しかるに、このような電圧検出型のRSSI検出器21では、ログアンプが入力の電圧波形に依存する特性を有するため、入力信号の電圧波形に応じて出力電圧値にオフセット(誤差)が生じる。図7(A)に各種入力波形に対する出力電圧のオフセット値の態様を示す。ここでは、入力信号がDC信号又は矩形信号の場合を基準として他の各種入力信号波形に対する出力電圧のオフセット(誤差)値が示されている。
【0010】
更に、CDMA受信機では、コード多重数の増加によって各コードの拡散信号が夫々の初期位相に従って電圧加算され、受信波形が変化するため、同一の受信電力でも、コード多重数によってRSSI検出器21の出力電圧にオフセットが生じてしまい、RSSI値の検出誤差を生じる。図7(B)にN−CDMAシステムにおけるコード多重数に応じた入力電界−出力電圧特性を示す。図によれば、単一コードに対して10コードでは約4dB程度の誤差が生じている。従来のCDMA通信では、受信チャネル多重数に関わらず単一の変換テーブルを使用してRSSI値を同定するため、チャネル多重数に応じた誤差を生じていた。
【0011】
このように、従来の電圧検出型RSSI検出器の出力電圧は、CDMAシステムの場合はコード多重数(即ち、同時通信中のユーザ数)に応じた検出誤差が、また複数変調方式を有する通信システムでは、使用する変調方式に応じた検出誤差が生じていた。
【0012】
かかる状況の下、従来は、以下の様な受信電界強度補償方法が知られている(特許文献1)。即ち、端末局では、同一キャリアの多重数(即ち、信号波形の相違)に応じた補償用パラメータを基地局に送信すると共に、該基地局ではその受信信号につき自局で検出したRSSI信号を前記端末局から受信した補償用パラメータを使用して補正するものである。また、従来は、予め標準信号発生器の出力レベルを測定することで、規定値からの検出誤差を補正するような補正テーブルを作成し、これをROMに記憶して使用するものが知られている(特許文献2)。
【0013】
【特許文献1】
特開2002−190789
【0014】
【特許文献2】
特開平11−68607号公報(段落「0037」、図4)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来方式では、基地局側で送信局(端末局)から送られる補償用パラメータを受信しないと、RSSI値の正しい補償が行えないため、送信局側に課される負担が大きい。また、複数変調方式を有する通信システムでは、受信局側で変調方式数分の変換テーブルを備えておく必要があり、回路規模の増大を招いていた。
【0016】
本発明は上記従来技術の問題点に鑑みなされたもので、その目的とする所は、簡単な構成で電圧検出型信号レベル検出器の検出誤差を適正に補正可能な信号レベル検出装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は例えば図1の構成により解決される。即ち、本発明(1)の信号レベル検出装置は、入力信号の信号レベルを検出する電圧検出型の対数増幅器1と、前記入力信号の平均レベルとピークレベルとの比からなるピ−クファクタを求めるピークファクタ演算手段2と、予め各ピークファクタ値の対応に前記対数増幅器1で検出された信号レベルに対する補正値を記憶している補正テーブル3と、前記対数増幅器1で検出された信号レベルを前記補正テーブル3から読み出したピークファクタ対応の補正値で補正する補正手段4と、を備えるものである。
【0018】
本発明(1)によれば、電圧検出型対数増幅器の検出誤差を、受信側で独自に求めたピ−クファクタ値に基づいて補正できるため、送信側に補償用パラメータ等を送信させる負担を必要としない。また、前記対数増幅器の検出誤差を、入力信号波形の差異の情報によらず、入力信号波形の特性を良く表す単一かつ共通のピークファクタ値に基いて補正するため、簡単な構成により様々な入力信号波形のレベル検出に適正に対処できる。
【0019】
また本発明(2)の信号レベル検出装置は、受信信号の信号レベルを検出する電圧検出型の対数増幅器と、前記対数増幅器の検出出力を対応する受信電界強度データに変換する変換手段と、前記受信信号の平均レベルとピークレベルとの比からなるピ−クファクタを求めるピークファクタ演算手段と、予め各ピークファクタ値の対応に前記変換された受信電界強度データに対する補正値を記憶している補正テーブルと、前記対数増幅器で検出され、かつ前記変換手段で変換された受信電界強度データを前記補正テーブルから読み出したピークファクタ対応の補正値で補正する補正手段と、を備えるものである。従って、受信電界強度に変換後の検出データを適正に補正できる。
【0020】
本発明(3)では、上記本発明(1)又は(2)において、対数増幅器で検出された信号レベルが所定の閾値範囲を超える場合は、その旨を外部に通知するものである。従って、対数増幅器の検出特性がノンリニア領域にあるような場合を外部に通知でき、信号レベル検出装置の信頼性向上につながる。
【0021】
本発明(4)では、上記本発明(3)において、対数増幅器で検出された信号レベルが所定の閾値範囲を超える場合は、補正手段による補正を行わないものである。従って、対数増幅器の検出特性がノンリニア領域にあるような場合の検出出力には補正を加えないことにより、外部では、不必要に補正する前の元の検出データを忠実に把握できる。
【0022】
本発明(5)では、上記本発明(1)又は(2)において、入力信号は受信RF信号を中間周波に周波数変換及び直交復調したベースバンド信号である。従って、ベースバンド帯域の信号レベルを適正に検出できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に好適なる実施の形態を詳細に説明する。なお、全図を通して同一符号は同一又は相当部分を示すものとする。
【0024】
図2は第1の実施の形態による受信部のブロック図で、例えばPDC(Personal Digital Cellular)方式による受信部への適用例を示している。図において、11はアンテナ、12はRF帯域のバンドパスフィルタ(BPF)、13は低雑音アンプ(LNA)、14は局部発振器(Lo)、15は周波数変換部(MIX)、16は中間周波帯域のバンドパスフィルタ(BPF)、17は中間周波増幅器(IFA)、18はA/D変換器(A/D)、19はQPSK等による直交復調部、21は例えば上記図5(A)に示したような対数増幅器を含む電圧検出型のRSSI検出部、22はA/D変換器、23はRSSI検出部21の検出電圧を対応するRSSI値に変換するための変換テーブル(例えば上記図6(A)の変換テーブルに相当)である。
【0025】
更に本第1の実施の形態は、RSSI検出部21の検出電圧に係る検出データRSSIdを復調ベースバンド信号に基き求めたピークファクタ値対応の補正電圧データで補正すると共に、該補正後の信号電圧データRSSIhで変換テーブル23をアクセスし、適正なRSSI値RSSItに変換する場合を示している。これに関係する構成を述べると、30は補正データ生成部、31はピークレベル検出部、32は平均レベル検出部、33はピークファクタ演算部、34は予め各ピークファクタ値の対応にRSSI検出部21で検出された検出電圧RSSIdに対する補正値を記憶している補正テーブル、35は加算器(補正部)、36はRSSI検出部21の検出電圧RSSIdと所定閾値THdとを比較する比較部、37は比較部36の比較結果(範囲内/外)に基きRSSI検出部21の検出電圧データRSSId又はデータ「0」を選択するセレクタ(SEL)である。
【0026】
係る構成により、今、少なくともナイキスト周波数でサンプリングされた直交復調データをI,Qとすると、これらの時系列からなる各時点の瞬時パワーはI1 2+Q1 2,I2 2+Q2 2,I3 2+Q3 2,…等により表される。この状態で、ピークレベル検出部31は、所定区間に渡る各瞬時パワーのピーク値を検出する。例えば、各瞬時パワーの大きさを順に比較して最大のものを検出し、保持する。この場合に、検出区間は、固定とし、又は外部より設定可能としてもよい。また検出周期は、所定区間毎にピークレベルを検出し、又はピーク検出する区間を順次スライドさせる移動ピーク検出としてもよい。
【0027】
平均レベル検出部32は、所定区間に渡る各瞬時パワーの平均値を求める。この場合に、平均区間は、固定とし、又は外部より設定可能としてもよい。また平均周期は、所定区間毎に平均化し、又は平均化する区間を順次スライドさせる移動平均としてもよい。好ましくは、上記ピークを検出する区間、周期と平均を求める区間、周期とを合わせる。
【0028】
そして、ピークファクタ演算部33は、前記求めたピ−ク値と平均値との比(例えばピ−ク値/平均値)からなるピークファクタを求め、これを補正テーブル34に提供する。これにより補正テーブル34からは、該ピークファクタ値対応の補正値(補正用電圧データ)が読み出される。なお、補正テーブルについては後述する。
【0029】
一方、RSSI検出部21の検出電圧はA/D変換器22によりA/D変換され 検出データRSSIdとして出力される。そして、今、セレクタ37が端子a側を選択しているとすると、加算器35ではRSSI検出部21の検出電圧データRSSIdに補正テーブル34からの補正用電圧データが加算されて、該補正後の電圧データRSSIhが変換テーブル23に加えられ、こうして、変換テーブル23からは正しいRSSIデータRSSItが読み出される。なお、より高精度が必要な場合は、変換テーブル23内の各データ間を直線等により補間して使用してもよい。また、補正テーブル34についても同様に補間して使用可能である。
【0030】
更に、比較器36はRSSI検出部21の検出データRSSIdと所定閾値とを比較しており、検出データRSSIdが所定の閾値範囲を超えるか否かを判別している。例えば、入力電力が−70dBm以下の範囲ではRSSI検出部21の検出限界により、及び入力電力が−20dBm以上の範囲ではRSSI検出部21に対する過入力特性により、RSSI検出特性が入力電力に対してリニアな検出特性ではなくなる。この様な場合には、もはや外部に正しいRSSI値を提供できないため、その旨を外部(上位の制御部等)に通知する。またセレクタ37の選択を入力端子b側に切替えることにより、検出データRSSIdの補正を行わないようにする。
【0031】
図3は第2の実施の形態による受信部のブロック図であり、上記図2がRSSI検出部21の検出電圧RSSIdを補正したのに対して、図3は変換テーブル23により変換後のRSSI値RSSItを補正する場合を示している。従って、この場合の補正テーブル34は、入力のピークファクタ値に対応して、変換テーブル23からの出力パワーRSSItを補正するための補正パワーデータを出力するものである。その他の点については、上記図2で述べたものと同様でよい。
【0032】
次に補正テーブル34について説明する。補正テーブル34は、RSSI検出部21の検出誤差が、その入力信号と直接的又は間接的に関係のある信号のピークファクタ値との関係で一律に補正できるものであれば、この補正テーブル34を様々に構成できる。この場合に、各ピークファクタ値に対する補正値の導出は、例えば標準信号発生器等から電力(信号レベル)一定を保持しつつピークファクタ値のみを変化させた試験信号をRSSI検出部21に入力すると共に、その元となる基準信号を該RSSI検出部21に入力した場合との間で出力に表れる誤差レベルを測定することにより、該誤差レベルをゼロにする様な補正値として容易に導出できる。
【0033】
この点、上記各実施の形態では、例えばQPSKの復調ベースバンド信号につきピークファクタを求めたが、他の様々な信号波形についてもそのナイキストサンプル値に基き同様の扱いでピークファクタを求められる。
【0034】
また、上記各実施の形態では、中間周波信号のRSSI検出電圧RSSIdをその直交復調ベースバンド信号についてのピークファクタ値に基き得られた補正データで補正する場合を示したが、これに限らない。他にも、例えば図の点線で示す如く、中間周波信号のRSSI検出電圧RSSIdを該中間周波信号(A/D変換出力)についてのピークファクタ値に基き得られた補正データで補正するように構成してもよい。後者の如く、RSSI検出部21の入力信号と補正データ生成部30の入力信号とが共通の場合は、入力信号波形の相違により生じる検出誤差をより直接的にかつ効果的に補正できる利点がある。勿論、他の任意周波数段の信号レベルを検出する場合にも適用可能である。
【0035】
また、上記実施の形態ではPDC方式による受信部への適用例を述べたが、これに限らない。本発明は、入力信号が、複数チャネル分の信号をコード拡散多重した所謂CDMA信号である場合に適用しても好適である。以下、これを説明する。
【0036】
図4はピークファクタに基く補正の効果を示す図で、W−CDMA方式におけるコード拡散多重信号に適用した場合を示している。上記の如く、CDMA受信機では、コード多重数の増加によって各コードの拡散信号が夫々の初期位相に従って電圧加算され、受信波形が変化するため、同一の受信電力でも、コード多重数によってRSSI検出部21の出力電圧にオフセットが生じてしまう。本発明ではこの場合の信号レベルも適正に検出・補正できる。
【0037】
図4において、横軸は入力信号波形のピークファクタ(対数値で表示)、縦軸は該信号の信号レベル(出力パワー)dBmである。但し、△印は入力信号(既知)の信号レベル、×は補正前(実測)の出力パワー、●は補正後(目標)の出力パワーを夫々示す。このグラフを見ると、補正前の出力パワー×が各ピークファクタの値に応じて比較的大きく変動しているのに対して、補正後の出力パワー●は、ピークファクタの全区間に渡って入力の信号レベル△とほぼ一致しており、よって高い補正効果が得られている。この様な補正テーブル34は、各ピークファクタ値における目標の出力パワー●(即ち、既知の入力パワー△)から実測の出力パワー×を差し引くことで容易に生成できる。
【0038】
また、この補正テーブル34は、ピークファクタの小さいレンジでは0.125ピッチで作成されているのに対して、大きいレンジでは1.0ピッチで作成されている。これは、ピークファクタの小さいレンジでは僅かなピークファクタの変化でも補正データが比較的に大きく変動するのに対して、ピークファクタの大きいレンジでは補正データがあまり変化しないという事実に基いている。従って、この様な補正テーブル34は、ピークファクタの小さいレンジでは密なピッチで作成し、またピークファクタの大きいレンジでは粗く作成できる。即ち、横軸を対数目盛にできる。従って、広いダイナミックレンジに渡るような各ピークファクタ値に対応する補正値を、より少ないアドレスの補正テーブルにコンパクトに収容できる。
【0039】
この様に、上記各実施の形態では、各種信号波形の入力をこれらに共通の尺度であるピークファクタで特定する構成により、どのような信号波形に対しても使用できるような共通の補正テーブル34を生成できる。この補正テーブル34は、ROM等により固定的に設けても、又はRAM等により外部から設定個可能に設けてもよい。
【0040】
なお、上記各実施の形態では。補正テーブル34を採用したが、これに限らない。ピークファクタ値と補正値との間を数式で関係付けられる場合は、求めたピークファクタ値より演算式を用いて補正値を発生してもよい.
また、上記本発明に好適なる複数の実施の形態を述べたが、本発明思想を逸脱しない範囲内で各部の構成、制御、処理及びこれらの組み合わせの様々な変更が行えることは言うまでも無い。
【0041】
(付記1)(1) 入力信号の信号レベルを検出する電圧検出型の対数増幅器と、前記入力信号の平均レベルとピークレベルとの比からなるピ−クファクタを求めるピークファクタ演算手段と、予め各ピークファクタ値の対応に前記対数増幅器で検出された信号レベルに対する補正値を記憶している補正テーブルと、前記対数増幅器で検出された信号レベルを前記補正テーブルから読み出したピークファクタ対応の補正値で補正する補正手段と、を備えることを特徴とする信号レベル検出装置。
【0042】
(付記2)(2) 受信信号の信号レベルを検出する電圧検出型の対数増幅器と、前記対数増幅器の検出出力を対応する受信電界強度データに変換する変換手段と、前記受信信号の平均レベルとピークレベルとの比からなるピ−クファクタを求めるピークファクタ演算手段と、予め各ピークファクタ値の対応に前記変換された受信電界強度データに対する補正値を記憶している補正テーブルと、前記対数増幅器で検出され、かつ前記変換手段で変換された受信電界強度データを前記補正テーブルから読み出したピークファクタ対応の補正値で補正する補正手段と、を備えることを特徴とする信号レベル検出装置。
【0043】
(付記3)(3) 対数増幅器で検出された信号レベルが所定の閾値範囲を超える場合は、その旨を外部に通知することを特徴とする付記1又は2に記載の信号レベル検出装置。
【0044】
(付記4)(4) 対数増幅器で検出された信号レベルが所定の閾値範囲を超える場合は、補正手段による補正を行わないことを特徴とする付記3に記載の信号レベル検出装置。
【0045】
(付記5)(5) 入力信号は受信RF信号を中間周波に周波数変換及び直交復調したベースバンド信号であることを特徴とする付記1又は2に記載の信号レベル検出装置。
【0046】
(付記6) 入力信号は複数チャネル分の信号がコード拡散多重されたCDMA信号であることを特徴とする付記1又は2に記載の信号レベル検出装置。従って、コード拡散多重されたCDMA信号の受信レベル(受信電界強度)を、そのコード多重数によらず、受信信号波形の特性をよく表す単一かつ共通のピークファクタ値に基いて、適正に補正できる。これにより、CDMAにおける高精度のリモート電力制御が可能になると共に、移動局の移動に伴う高速のレイリーフェージングに対しても安定な受信が可能となる。
【0047】
(付記7) 補正テーブルは、ピークファクタ値の対数値で参照されるアドレスに対応する補正値を記憶していることを特徴とする付記1又は2に記載の信号レベル検出装置。従って、広いダイナミックレンジに渡るような各ピークファクタ値の補正値を、より少ないアドレスの補正テーブルにコンパクトに収容できる。
【0048】
【発明の効果】
以上述べた如く本発明によれば、簡単な構成で受信レベルの検出誤差を適正に補正可能となるため、CDMA移動通信システムやソフトウェア無線機等の信頼性向上に寄与するところが極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明する図である。
【図2】第1の実施の形態による受信部のブロック図である。
【図3】第2の実施の形態による受信部のブロック図である。
【図4】ピークファクタに基く補正の効果を説明する図である。
【図5】従来技術を説明する図(1)である。
【図6】従来技術を説明する図(2)である。
【図7】従来技術を説明する図(3)である。
【符号の説明】
11 アンテナ
12 バンドパスフィルタ(BPF)
13 低雑音アンプ(LNA)
14 局部発振器(Lo)
15 周波数変換部(MIX)
16 バンドパスフィルタ(BPF)
17 中間周波増幅器(IFA)
18,22 A/D変換器(A/D)
19 直交復調部
21 RSSI検出部
23 変換テーブル
30 補正データ生成部
31 ピークレベル検出部
32 平均レベル検出部
33 ピークファクタ演算部
34 補正テーブル
35 加算器(補正部)
36 比較部
37 セレクタ(SEL)
Claims (5)
- 入力信号の信号レベルを検出する電圧検出型の対数増幅器と、
前記入力信号の平均レベルとピークレベルとの比からなるピ−クファクタを求めるピークファクタ演算手段と、
予め各ピークファクタ値の対応に前記対数増幅器で検出された信号レベルに対する補正値を記憶している補正テーブルと、
前記対数増幅器で検出された信号レベルを前記補正テーブルから読み出したピークファクタ対応の補正値で補正する補正手段と、を備えることを特徴とする信号レベル検出装置。 - 受信信号の信号レベルを検出する電圧検出型の対数増幅器と、
前記対数増幅器の検出出力を対応する受信電界強度データに変換する変換手段と、
前記受信信号の平均レベルとピークレベルとの比からなるピ−クファクタを求めるピークファクタ演算手段と、
予め各ピークファクタ値の対応に前記変換された受信電界強度データに対する補正値を記憶している補正テーブルと、
前記対数増幅器で検出され、かつ前記変換手段で変換された受信電界強度データを前記補正テーブルから読み出したピークファクタ対応の補正値で補正する補正手段と、を備えることを特徴とする信号レベル検出装置。 - 対数増幅器で検出された信号レベルが所定の閾値範囲を超える場合は、その旨を外部に通知することを特徴とする請求項1又は2に記載の信号レベル検出装置。
- 対数増幅器で検出された信号レベルが所定の閾値範囲を超える場合は、補正手段による補正を行わないことを特徴とする請求項3に記載の信号レベル検出装置。
- 入力信号は受信RF信号を中間周波に周波数変換及び直交復調したベースバンド信号であることを特徴とする請求項1又は2に記載の信号レベル検出装置。
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