JP2004228203A - 基板の乾燥方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】親水性の強度が異なる表面を有する基板であっても,ウォーターマークの発生を防止でき,かつ,スループットが良好な基板の乾燥方法を提供する。
【解決手段】基板Wの表面に付着した液体DIWを除去する基板処理方法において,前記基板Wの表面は,親水性の強度が互いに異なる部分10,11を有し,基板Wを回転させることにより,親水性が弱い部分10から液体DIWを除去し,回転速度を上昇させて基板Wを回転させることにより,親水性の強度が強い部分11から液体DIWを除去することとした。
【選択図】 図7
【解決手段】基板Wの表面に付着した液体DIWを除去する基板処理方法において,前記基板Wの表面は,親水性の強度が互いに異なる部分10,11を有し,基板Wを回転させることにより,親水性が弱い部分10から液体DIWを除去し,回転速度を上昇させて基板Wを回転させることにより,親水性の強度が強い部分11から液体DIWを除去することとした。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,例えば半導体ウェハやLCD基板用ガラス等の基板を乾燥処理する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば半導体デバイスの製造プロセスにおいては,半導体ウェハ(以下,「ウェハ」という。)に薬液や純水(DIW)等の処理液を供給して,ウェハに付着したパーティクル,有機汚染物,金属不純物のコンタミネーションを除去する一連の洗浄処理工程が行われる。かかる洗浄処理においては,ウェハに薬液を供給して処理する薬液処理,純水を供給してウェハから薬液を洗い流すリンス処理等が行われ,リンス処理の後,ウェハに付着した純水を除去してウェハを乾燥させる乾燥処理が行われる。ウェハを乾燥させる処理としては,ウェハを回転させてウェハから純水を振り切る方法や,窒素(N2)ガスをウェハに向かって吐出して純水を吹き飛ばす方法や,ウェハをオーブンによって加熱して純水を蒸発させる方法が知られている。
【0003】
ウェハを回転させてウェハから純水を振り切り乾燥させる方法として,例えば,最初にウェハを低速回転させ,ウェハ表面上に付着している純水の液膜を除去し,次にウェハを高速回転させ,ウェハ表面上に残留している純水を完全に除去する方法が提案されている(特許文献1参照)。かかる方法によれば,ウェハから振り飛ばされる純水の量が多い段階では低速回転させるので,ウェハの周りを囲む壁面で純水が跳ね返りウェハに再付着することを防止できる。また,純水の液膜を除去した後は高速回転させるので,純水を確実に除去できる。さらに,ウォーターマーク(パーティクル)の発生を低減できる。
【0004】
【先行技術文献】
【特許文献1】
特開平8−195375
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,従来の乾燥処理においては,例えばシリコン(Si)基板等の表面に酸化シリコン(SiO)等の層によりパターンが形成されている場合,ウォーターマークの発生を抑制することが困難であった。つまり,ウェハを低速で回転させるとウォーターマークの発生を抑制できるが,ウェハが乾燥するまでに長時間を要し,スループットが低下する問題があった。また,窒素ガスによって乾燥させる方法を用いると,ウェハの表面全体が均質な疎水性を有する場合は,ウォーターマークの発生を効果的に防止できるが,例えばシリコン基板等の表面に酸化シリコン(SiO)等の親水性の層によりパターンが形成されている場合は,シリコン等の疎水性の部分にウォーターマークが発生してしまう。オーブンによって加熱する方法も,疎水性の表面にウォーターマークが発生する問題があった。
【0006】
従って本発明の目的は,親水性の強度が異なる表面を有する基板であっても,ウォーターマークの発生を防止でき,かつ,スループットが良好な基板の乾燥方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために,本発明によれば,基板の表面に付着した液体を除去する基板の乾燥方法であって,前記基板の表面は,親水性の強度が互いに異なる部分を有し,基板を回転させることにより,前記部分のうち親水性が弱い部分から液体を除去し,その後,回転速度を上昇させ,前記部分のうち親水性が強い部分から液体を除去することを特徴とする,基板の乾燥方法が提供される。
【0008】
本発明において,基板とは,半導体ウェハやLCD基板用ガラス等の基板などが例示され,その他,CD基板,プリント基板,セラミック基板などでも良い。また液体とは,例えば純水等である。
【0009】
この基板の乾燥方法にあっては,最初に基板を低速で回転させると,ウェハ表面全体を液膜状に覆うように付着している純水の大半が振り飛ばされるが,親水性が弱い部分(疎水性が強い部分)では液体が多数の粒状に付着し,親水性が強い部分では液体が液膜状に付着した状態になる。そして,基板を低速でさらに回転させ続けると,疎水性が強い部分では,複数の粒状の液体が遠心力によって移動して互いに集まり,より大きな塊となる。これらの塊は,さらに疎水性が強い部分に付着していた粒状の液体を集めながら,遠心力によって疎水性が強い部分の表面上を移動していき,やがて,親水性が強い部分に集められる。こうして,粒状の液体が疎水性の強い部分から移動して除去されるので,疎水性の強い部分において粒状の液体が蒸発することによって生じるウォーターマークの発生を,より好ましく防止できる。疎水性が強い部分から液体が除去されたら,続いて,最初の回転速度より高速で基板を回転させることにより,親水性の強い部分に液膜状に残留した液体を遠心力で振り切り蒸発させる。このように基板を高速で回転させることにより,親水性の強い部分を短時間で乾燥させることができる。従って,低速回転を最後まで継続して乾燥させる場合よりも,スループットを向上させることができる。
【0010】
前記親水性が強い部分から前記液体を除去するに際し,少なくとも前記親水性が弱い部分に液体が再付着しない回転速度で回転させることが好ましい。即ち,基板を過剰に高速回転させると,親水性が強い部分に液膜状に集まった液体が壊れて飛散し,疎水性が強い部分に再付着してしまう。このような再付着が発生しない程度の回転速度に抑えることにより,疎水性が強い部分にウォーターマークが発生することを防止できる。
【0011】
また,回転する基板の表面に,液面の移動が起因する円状の模様が現れた際に,一度,基板の回転速度を上昇させることが好ましい。即ち,基板の回転を開始する前は,基板の表面全体が液体に覆われており,基板の表面に形成されたパターンが見えにくい状態となっているが,基板の低速回転により,疎水性の強い部分から流体が移動し除去されると,パターンに沿った模様が基板表面に観察される状態になる。基板を回転させている状態では,このパターンに沿った模様が回転して,複数の略同心円状の模様として観察される。このような模様が現れる回転速度と処理時間を調べることにより,疎水性の強い部分から流体を除去できる回転速度と処理時間を決定できる。
【0012】
前記円状の模様の色が変化した際に,回転数を低下させ,基板の回転を停止させることが好ましい。親水性の強い部分は,流体が付着した状態と,流体が付着していない状態とでは,異なった色で観察される。従って,総ての略同心円状の模様の色が十分に変化する回転速度と処理時間を調べることにより,親水性の強い部分から流体が完全に除去できる回転速度と処理時間を決定できる。
【0013】
さらに,本発明によれば,基板の表面に付着した液体を除去する基板の乾燥方法であって,前記基板の表面は,親水性の強度が互いに異なる部分を有し,基板を回転させることにより,前記部分のうち親水性が弱い部分から液体を除去し,その後,基板をオーブンによって加熱することにより,前記部分のうち親水性が強い部分から液体を除去することを特徴とする,基板の乾燥方法が提供される。
【0014】
この基板の乾燥方法にあっては,最初に基板を低速で回転させ,液体が疎水性の強い部分から除去するので,疎水性の強い表面上で液体が蒸発してウォーターマークが発生することを防止できる。一方,親水性の強い表面上では,基板を低速で回転させても液体が移動しにくく,表面に残留する。疎水性の強い表面上から液体が除去されたら,基板をオーブン内に搬入して,オーブンによって加熱することにより,親水性の強い表面から純水を蒸発させる。このように基板をオーブン内で加熱する間,次の基板を回転させて処理することができる。従って,スループットを向上させることができる。
【0015】
前記親水性が弱い部分から液体を除去するに際し,前記親水性が弱い部分に液体の塊を形成し,前記液体の塊を遠心力によって前記親水性が強い部分に移動させることが好ましい。即ち,基板の回転速度が高いと,液体が疎水性の強い部分から親水性の強い部分に移動する前に,疎水性の強い部分において液体の粒が蒸発してしまい,ウォーターマークが発生する虞がある。これを防止するため,最初の基板の回転速度は十分に低速にすることが好ましい。
【0016】
前記基板をカメラなどの撮影装置によって撮影することにより,前記基板の表面の状態を検出することが好ましい。この場合,カメラの画像によって略同心円状の模様の出現や,略同心円状の模様の色の変化を検出し,この検出結果に基づいて,基板の回転速度や,基板の回転速度を上昇させたり回転を停止させる時間を決定することができる。
【0017】
前記基板の表面は,シリコンからなる部分と酸化シリコンからなる部分を有することが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の好ましい実施の形態を説明する。図1及び図2は,本発明にかかる基板の乾燥方法を実施する基板処理装置1の構成を示している。基板処理装置1は,基板としてのウェハWを保持して回転させるスピンチャック2と,スピンチャック2に保持されたウェハWの上方に移動して薬液や純水DIW等の処理液を供給するノズル3を備えている。また,スピンチャック2に保持されたウェハWの周囲を包囲するように形成され,ウェハWの周囲に飛散した処理液を受け止めるカップ4が設けられている。スピンチャック2,ノズル3,カップ4は,基板処理装置1のチャンバー(図示せず)の内部に密閉可能な状態で収納されている。
【0019】
ウェハWは略円盤形状をしたシリコン基板である。ウェハWの略円形の表面には,半導体デバイスが形成される。基板処理装置1において処理するウェハWの表面には,シリコンの層を下地としてその上に酸化シリコンからなるパターンが形成されている。即ち,ウェハWの表面は,図3に示すように,シリコン層10と,シリコン層10の上に形成された複数の酸化シリコン層11によって構成されている。複数の酸化シリコン層11は,シリコン層10の表面に形成した酸化シリコンの膜を,パターンに沿ってエッチングすることにより作成される。各酸化シリコン層11同士の間は,酸化シリコンの膜が取り除かれてシリコン層10の表面が露出した状態となっている。
【0020】
シリコン層10の表面は,親水性の強度が弱い性質,即ち,疎水性が強い性質を有する。各酸化シリコン層11の表面,即ち,シリコン層10に接していない上面と側面は,親水性の強度が強い性質を有する。このように,ウェハWの表面には,親水性が弱い部分と親水性が強い部分とが存在している。
【0021】
スピンチャック2は,図1に示すように,略円盤形状のウェハWを略水平な姿勢で支持するチャック本体15と,このチャック本体15の底部に固着された回転筒体16によって構成されている。回転筒体16は,回転中心軸が略垂直になるように配置されている。回転筒体16の下部には,回転筒体16を回転させる回転駆動装置17が接続されている。
【0022】
チャック本体15には,ウェハWの周縁の複数箇所にそれぞれ当接させる複数の保持部材20が装着されている。これら保持部材20は,図2に示すように,ウェハWの中央部を囲むように配置されている。ウェハWの周縁に各保持部材20の上部をそれぞれ当接させることにより,ウェハWを周縁にて保持し,半導体デバイスが形成されるウェハWの表面を上面として略水平に支持する構成となっている。
【0023】
回転駆動装置17を駆動すると,回転筒体16の回転中心軸を中心として,スピンチャック2とウェハWを一体的に回転させることができる。これにより,ウェハWは,ウェハWの中央部を中心として,略水平面内で回転させられる。
【0024】
回転駆動装置17の駆動は,図1に示す制御部21の命令によって制御される。制御部21には,後に詳細に説明する薬液処理,リンス処理,乾燥処理等の各処理に応じたスピンチャック2の回転速度(回転数)や,各処理に要する時間等の種々の情報が予め記憶されている。この制御部21による回転駆動装置17の制御によって,ウェハWを各処理に応じた所定の回転速度で,所定時間回転させることができる。
【0025】
ノズル3は,スピンチャック2に保持されたウェハWの上方にて略水平面内で回動するノズルアーム23の先端に備えられており,処理液を吐出する吐出口24を下方に向けた状態で取り付けられている。図2に示すように,ウェハWの上方にてノズルアーム23を往復するように回動させることにより,ノズル3をウェハWの中央部上方から周縁部上方までの間を往復するように移動(スキャン)させることができる。
【0026】
スピンチャック2によってウェハWを回転させながら,ウェハWの表面の上方でノズル3を往復移動させることにより,ウェハWの表面全体に処理液を供給することができる。
【0027】
カップ4は,図1に示すように,チャック本体15の下方からウェハWの周縁部上方を包囲するように形成されている。ウェハWに供給された処理液は,ウェハWの周囲でカップ4に受け止められ,カップ4の下部に落下し,カップ4の下方に設けられた図示しない処理液排出路によってカップ4の内側から排液される。
【0028】
基板処理装置1においては,最初にスピンチャック2に保持されたウェハWにノズル3から薬液を供給して薬液処理を行い,次に,薬液の供給を停止してスピンチャック2によってウェハWを回転させ,ウェハWから薬液を振り飛ばして除去する。続いて,回転するウェハWにノズル3からリンス液として純水DIWを供給してリンス処理を行う。即ち,ウェハWに残留した薬液を純水DIWによって洗い流すようにして除去する。最後に,純水DIWの供給を停止してスピンチャック2によってウェハWを回転させ,ウェハWから純水DIWを振り飛ばして除去し,さらに,ウェハWの回転速度を上昇させ,ウェハWから純水DIWを蒸発させるようにしてウェハWを乾燥させる。
【0029】
ここで,本発明にかかる乾燥処理におけるウェハWの回転速度の制御について説明する。図4は,ウェハWの乾燥処理を開始してから経過した時間とその時間における回転数との関係を示したグラフである。図4において,縦軸はウェハWの回転数を示し,横軸は処理時間を示している。図4に示すように,乾燥処理においては,先ず,例えば約500〜800rpm程度の回転数で所定時間ウェハWを回転させて第1の乾燥処理を行い,その後,ウェハWの回転速度を上昇させ,例えば約1000〜2000rpm程度の回転数で所定時間ウェハWを回転させ,第2の乾燥処理を行う。このように,ウェハWの乾燥処理においては,第1の乾燥処理と,第1の乾燥処理後に第1の乾燥処理より高い回転速度によって乾燥させる第2の乾燥処理とが行われる。
【0030】
純水供給後,乾燥処理開始前のウェハWの表面は,図5に示すように,シリコン層10と複数の酸化シリコン層11が純水DIWの液膜に覆われ,浸漬した状態となっている。
【0031】
第1の乾燥処理における回転速度,即ち,第2の乾燥処理時より低い約500〜800rpm程度の回転数によってウェハWを回転させると,ウェハWの表面においては,純水DIWの大半は遠心力によってウェハWの外周に向かって移動して,ウェハWの周囲に振り飛ばされる。所定時間回転させると,図6に示すように,ウェハWの表面全体を覆っていた純水DIWの液膜は無くなるが,疎水性が強いシリコン層10の表面には純水DIWが無数の粒状に付着し,親水性が強い酸化シリコン層11の表面には純水DIWが液膜状に付着した状態になる。
【0032】
さらにウェハWを第1の乾燥処理における回転速度で回転させ続けると,図7に示すように,シリコン層10の表面では,複数の純水DIWの粒が遠心力によって移動して,互いに近づいて集まることにより,より大きな塊が形成される。これらの純水DIWの塊は,遠心力によってシリコン層10の表面上をそれぞれ移動し,親水性が強い酸化シリコン層11の表面に集まる。
【0033】
即ち,シリコン層10の表面に付着している粒状の純水DIWは,比較的大きなものであれば,低速回転で発生する遠心力により移動するが,微小なものや,ウェハWの回転中心に近いものは,低速回転で発生する遠心力によっては移動し難い場合や,移動する速度が遅い場合がある。この場合,微小な純水DIWの粒が付着した場所で蒸発したり,あるいは,シリコン層10の表面上で移動している途中で蒸発して,シリコン層10の表面で粒状の純水DIWが蒸発することによって生じるウォーターマークが発生してしまう。しかし,移動し難い純水DIWの粒があっても,移動する純水DIWの粒や塊に吸収されるので,純水DIWの粒を確実に集めることができる。
【0034】
一方,酸化シリコン層11の表面は,親水性が強いため純水DIWが粒状にならず,液膜状に付着した状態になっている。シリコン層10の表面上を移動する純水DIWの粒や塊は,酸化シリコン層11の下部に集まる。酸化シリコン層11の表面は親水性であり純水を吸い付け易く,酸化シリコン層11の下部に集まった純水DIWは,酸化シリコン層11の表面の液膜中に吸収される。このようにして,シリコン層10表面上の純水DIWの粒や塊が酸化シリコン層11の表面に集まる。
【0035】
そして,第1の乾燥処理における回転速度でウェハWを所定時間回転させると,図7に示すように,シリコン層10の表面から純水DIWの粒や塊が確実に除去される。これにより,シリコン層10の表面は露出した状態となる。酸化シリコン層11の表面は純水DIWの液膜に覆われた状態となる。
【0036】
次に,純水DIWがシリコン層10の表面から除去された後,第2の乾燥処理における回転速度,即ち,第1の乾燥処理時より高い約1000〜2000rpm程度の回転数によってウェハWを回転させる。即ち,高速回転させることにより,酸化シリコン層11の表面に付着した純水DIWの液膜を蒸発させ,図8に示すように,酸化シリコン層11の表面の純水DIWを減少させていく。そして,この回転速度でウェハWを所定時間回転させると,図3に示すように,酸化シリコン層11の表面から純水DIWが確実に除去され,ウェハWの表面全体を十分に乾燥させることができる。
【0037】
即ち,第1の乾燥処理により,純水DIWをシリコン層10の表面から移動させて除去し,シリコン層10の表面を露出させ,回転速度を上昇させた第2の乾燥処理によって,純水DIWを酸化シリコン層11の表面から除去する。こうして,ウェハWの表面全体を乾燥させる。かかる方法によれば,第1の乾燥処理により,純水DIWをシリコン層10の表面から移動させるので,シリコン層10の表面では純水DIWが蒸発しない。従って,シリコン層10の表面にウォーターマークが発生することを防止できる。また,第2の乾燥処理においては,純水DIWを酸化シリコン層11の表面で蒸発させるが,親水性である酸化シリコン層11の表面で純水DIWを蒸発させても,ウォーターマークが形成される虞は無い。ウォーターマークの発生を防止することにより,ウェハWの品質を高め,処理の信頼性を向上させることができる。
【0038】
なお,純水DIWがシリコン層10の表面から除去された後,第1の乾燥処理における回転速度によってウェハWの回転を継続しても,酸化シリコン層11の表面に付着した純水DIWを蒸発させて除去することが可能である。しかし,この場合,純水DIWの蒸発を終了させるまで,長時間回転させる必要があり,スループットが悪化する。これに対し,本発明のように,回転速度を上昇させて第2の乾燥処理を行うことにより,短時間で純水DIWの蒸発を終了させることができ,スループットを向上させることができる。
【0039】
一方,第1の乾燥処理において回転速度を過剰に高くすると,シリコン層10の表面上で純水DIWが移動する前に,シリコン層10の表面上において純水DIWの粒が蒸発してしまう。この場合,シリコン層10の表面にウォーターマークが発生してしまう。従って,第1の乾燥処理においては,シリコン層10の表面上から純水DIWの粒が蒸発しないような,なるべく低い回転速度を選択することが重要である。勿論,必要以上に低回転にすると,純水DIWの粒を効率的に集めることが困難となりスループットが低下したり,あるいは,純水DIWの粒を確実に集めることが困難となるので,低すぎない回転速度を選択することも重要である。
【0040】
また,第2の乾燥処理において回転速度を過剰に高くすると,酸化シリコン層11の表面に集まった純水DIWの液膜が壊れて,細かい液滴となって飛散し,シリコン層10の表面に純水DIWの粒となって再付着してしまう。この場合,シリコン層10の表面上において純水DIWの粒が蒸発し,シリコン層10の表面にウォーターマークが発生してしまう。従って,第2の乾燥処理においては,酸化シリコン層11からの表面に集まった純水DIWがシリコン層10の表面に再付着しないような,高すぎない回転速度を選択することが重要である。
【0041】
第1の乾燥処理及び第2の乾燥処理における各処理時間や回転速度は,ウェハWの洗浄処理を行う前に,ダミーウェハW’を用いた試験によって最適な値をそれぞれ決定し,各決定値を制御部21に記憶させておく。次に,かかる試験について説明する。図9に示すように,スピンチャック2によってダミーウェハW’を保持し,スピンチャック2に保持されたダミーウェハW’の上方にカメラ30を設置する。ダミーウェハW’は,ウェハWと同じ構造の基板であり,表面にはウェハWと同じ構造のパターンが形成されており,この表面を上面とした状態でスピンチャック2によって保持される。このダミーウェハW’に純水DIWによるリンス処理を行い,乾燥処理を行う。乾燥処理中,ウェハWの表面をカメラ30によって撮影し,撮影した画像からウェハWの表面の状態を検出する。カメラ30は,例えばCCDカメラなど高速用のものを用いることが好ましい。なお,図示はしないが,カメラ30によって撮影した画像を画面に表示するモニターや,カメラ30によって撮影した画像を記録する記録機器や,カメラ30によって撮影した画像の解析を行う画像解析装置などが適宜備えられている。
【0042】
ダミーウェハW’の表面を上方から目視すると,シリコン層10と複数の酸化シリコン層11が純水DIWに覆われた状態では,ダミーウェハW’の表面に明確な模様は観察されない。従って,カメラ30によって撮影した画像には,明確な模様は現れない。
【0043】
シリコン層10の表面から純水DIWが除去され,酸化シリコン層11の表面が純水DIWに覆われた状態では,シリコン層10の表面が露出した部分と酸化シリコン層11が純水DIWに覆われた部分とが異なる色彩として観察される。ダミーウェハW’が回転している状態では,図10に示すように,ダミーウェハW’の表面にダミーウェハW’の中央を中心とした複数の略同心円状の模様が観察される。酸化シリコン層11の表面が純水DIWに覆われた部分は,青色に近い色として観察される。カメラ30によって撮影した画像には,青色に近い色をした複数の略同心円状の模様が現れる。
【0044】
さらに,シリコン層10の表面及び酸化シリコン層11の表面から純水DIWが除去された状態では,図11に示すように,前述の図10に示す酸化シリコン層11の表面のみが純水DIWに覆われた状態とほぼ同じ形状の模様が観察されるが,酸化シリコン層11の表面が露出した部分は,純水DIWに覆われた状態とは異なる色彩として観察される。即ち,酸化シリコン層11の表面が純水DIWに覆われた状態は,青色に近い色として観察されるのに対し,酸化シリコン層11の表面が露出した状態は,灰色に近い色として観察される。カメラ30によって撮影した画像には,灰色に近い色をした複数の略同心円状の模様が現れる。
【0045】
以上のような,カメラ30の撮影した画像の特徴の変化を検出することにより,シリコン層10と複数の酸化シリコン層11が純水DIWに覆われた状態と,シリコン層10の表面のみから純水DIWが除去された状態と,シリコン層10の表面及び酸化シリコン層11の表面から純水DIWが除去された状態とを識別することができる。このカメラ30の撮影した画像の変化に基づき,第1の乾燥処理及び第2の乾燥処理の各処理時間及び各回転速度を決定する。即ち,ダミーウェハW’を任意の回転速度で回転させ,シリコン層10と複数の酸化シリコン層11が純水DIWに覆われた状態から,シリコン層10の表面のみから純水DIWが除去された状態に変化した時間を計測することにより,ウェハWの第1の乾燥処理の処理時間及び回転速度を決定する。また,シリコン層10の表面のみから純水DIWが除去された状態から,ダミーウェハW’を任意の回転速度で回転させ,酸化シリコン層11の表面から純水DIWが除去された状態に変化した時間を計測することにより,ウェハWの第2の乾燥処理の処理時間及び回転速度を決定する。
【0046】
このようにして決定した第1の乾燥処理及び第2の乾燥処理の各処理時間及び各回転速度を図1に示す制御部21に記憶させる。制御部21は,記憶した値に基づいて回転駆動装置17に制御信号を送信して,制御を行う。即ち,第1の乾燥処理中,回転するウェハWの表面に複数の略同心円状の模様が現れた際,制御部21から回転駆動装置17に制御信号が送信され,ウェハWの回転速度が上昇し,第2の乾燥処理における回転速度になる。そして,第2の乾燥処理中,複数の略同心円状の模様の色が青色に近い色から灰色に近い色に変化した際,制御部21から回転駆動装置17に制御信号が送信され,ウェハWの回転が停止させられ,第2の乾燥処理が終了する。
【0047】
次に,基板処理装置1を用いたウェハWの処理について説明する。先ず,基板処理装置1の図示しないチャンバーに形成された開口からウェハWを搬入し,ウェハWをスピンチャック2によって保持する。ウェハWは,酸化シリコン層11が形成された表面を上面とした状態で保持される。ウェハWを搬入後,チャンバーの開口をシャッターによって閉じ,チャンバー内を密閉状態とする。
【0048】
先ず,ノズル3をウェハWの上方に移動させ,ウェハWを回転させながらノズル3から薬液を吐出させ,ウェハWの表面全体に薬液を供給し,薬液によってウェハWの表面を処理する。その後,薬液処理時よりもウェハWの回転速度を上昇させ,薬液を振り飛ばすようにしてウェハW表面から除去する。
【0049】
続いて,薬液を振り飛ばす間よりウェハWの回転速度を低下させ,ウェハWを回転させながらノズル3から純水DIWを吐出させ,ウェハWの表面全体に純水DIWを供給し,純水DIWによってウェハWの表面をリンス処理する。その後,リンス処理時よりもウェハWの回転速度を上昇させ,薬液を振り飛ばすようにしてウェハW表面から除去する。
【0050】
次に,ウェハWの乾燥処理を行う。先ず,ウェハWの回転速度を例えば図4に示すように約500〜800rpm程度の回転数にしてウェハWを回転させ,第1の乾燥処理を行う。これにより,ウェハWの表面全体を覆っていた純水DIWの液膜を除去し,さらに,シリコン層10に付着している純水DIWの粒を遠心力によって集め,純水DIWの塊を形成し,純水DIWの粒や塊を遠心力によって移動させ,酸化シリコン層11の表面に集める。こうして,シリコン層10の表面から純水DIWを除去する。純水DIWは図7に示すように酸化シリコン層11の表面に集まるように残留し,シリコン層10の表面が露出し,酸化シリコン層11の表面が純水DIWに覆われた状態となる。第1の乾燥処理の処理時間経過後,ウェハWの表面を目視すると,図10に示すように,青色に近い色をした複数の略同心円状の模様が観察される。
【0051】
第1の乾燥処理の処理時間経過後,ウェハWの回転速度を上昇させ,例えば図4に示すように約1000〜2000rpm程度の回転数にして,第2の乾燥処理を行う。これにより,酸化シリコン層11の表面から純水DIWを除去する。純水DIWは図8に示すように酸化シリコン層11の表面から次第に蒸発し,第2の乾燥処理の処理時間経過後,図3に示すように,酸化シリコン層11の表面から純水DIWが十分に除去された状態となる。このとき,ウェハWの表面を目視すると,図11に示すように,灰色に近い色をした複数の略同心円状の模様が観察される。
【0052】
第2の乾燥処理の処理時間経過後,スピンチャック2を減速させ,スピンチャック2及びウェハWの回転を停止させる。そして,基板処理装置1の図示しないチャンバーに形成された開口を開き,スピンチャック2からウェハWを受け取り,開口からウェハWを搬出する。
【0053】
かかる基板の乾燥方法にあっては,第1の乾燥処理においてウェハWを低速回転させることにより,純水DIWをシリコン層10の表面から移動させて除去するので,シリコン層10の表面から純水DIWが蒸発することを防止できる。これにより,シリコン層10の表面にウォーターマークが発生することを防止できる。第1の乾燥処理において酸化シリコン層11の表面に残留した純水DIWは,第2の乾燥処理においてウェハWを高速回転させることにより,酸化シリコン層11の表面から短時間で蒸発させることができる。これにより,ウェハWの表面全体を十分に乾燥させることができる。第2の乾燥処理においては,酸化シリコン層11の表面からシリコン層10の表面に純水DIWが再付着することを防止できるので,シリコン層10の表面で純水DIWが蒸発してウォーターマークが発生する虞が無い。ウォーターマークの発生を防止することにより,ウェハWの品質を高め,処理の信頼性を向上させることができる。また,第2の乾燥処理を短時間で行うことにより,乾燥処理時間全体を短縮して,スループットを向上させることができる。
【0054】
以上,本発明の好適な実施の形態の一例を示したが,本発明はここで説明した形態に限定されないことは勿論であり,適宜変更実施することが可能である。例えば,本発明は,略円盤形状の半導体ウェハを処理する場合に限定されず,LCD基板用ガラス等,種々の基板を処理する方法に適用できる。また,シリコン層10の上に酸化シリコン層11が形成された基板に限定されず,表面に親水性の強度が互いに異なる部分が存在する種々の材質によって形成された種々のものに適用できる。
【0055】
ウェハWを回転させる機構は,スピンチャック2のようにウェハWを周縁にて保持するものに限定されず,ウェハWの回転速度を変化させることができる種々のものが適用できる。
【0056】
基板処理装置1は,薬液と純水DIWを用いる洗浄処理を行う装置として説明したが,かかる装置に限定されない。また,本実施の形態においては純水DIWを除去する乾燥処理として説明したが,他の種々の液体を除去する方法にも適用できる。
【0057】
ウェハWの回転速度は,本実施の形態に示した範囲に限定されない。第1の乾燥処理及び第2の乾燥処理の各処理に最適な処理時間や回転速度は,ウェハWの大きさやパターンの形状,その他の条件に応じて異なる値が選択される。
【0058】
本実施の形態では,CCDカメラなど高速用のカメラ30を用いてダミーウェハW’の表面の状態を撮影することとしたが,ダミーウェハW’の表面の状態を撮影する撮影装置は,CCDカメラに限定されない。例えばビデオカメラなど,種々の撮影装置を用いることができる。ダミーウェハW’の表面の状態の識別は,カメラ30によって撮影した画像の解析を行う画像解析装置を用いて行うほか,図示しないモニターに表示された画像を目視によって観察して判断することにより行っても良い。また,ダミーウェハW’の表面の状態は,撮影装置による撮影以外の方法によって検出しても良い。例えば,ダミーウェハW’の表面を直接目視によって観察して,ダミーウェハW’の表面の状態を判断することにより検出しても良い。
【0059】
本実施の形態では,ウェハWの処理の前に,予めダミーウェハW’を用いて試験を行い,第1の乾燥処理及び第2の乾燥処理の各処理に最適な処理時間や回転速度を決定し,制御部21に記憶させた値に基づいて制御を行うこととしたが,ウェハWの処理の間,ウェハWの表面の状態を検出しながら,検出した状態に応じて回転速度を変化させ,第1の乾燥処理から第2の乾燥処理に切り換えるようにしても良い。例えば,図12に示すように,スピンチャック2に保持され処理が施されているウェハWの上方にカメラ30を設置する。制御部21は,回転駆動装置17に制御信号を送信すると共に,カメラ30が撮影したウェハWの表面の画像を分析して,画像に現れた模様の形状や色彩を識別できる構成とする。第1の乾燥処理及び第2の乾燥処理に最適な各回転速度は,予めダミーウェハW’を用いた試験によって決定し,制御部21に記憶させておく。
【0060】
第1の乾燥処理中,回転するウェハWの表面に複数の略同心円状の模様が現れた際は,制御部21は,カメラ30が撮影した画像の分析結果に基づいて,第2の乾燥処理に切り換える判断を行う。この判断に基づいて,回転駆動装置17に制御信号を送信して,ウェハWの回転速度を上昇させ,第2の乾燥処理における回転速度にする制御を行う。第2の乾燥処理中,複数の略同心円状の模様の色が青色に近い色から灰色に近い色に変化した際には,制御部21は,カメラ30が撮影した画像の分析結果に基づいて,第2の乾燥処理を終了させる判断を行う。この判断に基づいて,回転駆動装置17に制御信号を送信して,ウェハWの回転を停止させ,第2の乾燥処理を終了させる制御を行う。このように,制御部21によってウェハWの表面の状態を分析することにより,回転速度を上昇させるタイミングを判断させることが可能である。
【0061】
本実施の形態においては,ウェハWを高速回転させることにより,酸化シリコン層11の表面に付着した純水DIWを蒸発させることとしたが,ウェハWをオーブンによって加熱することにより,酸化シリコン層11の表面に付着した純水DIWを蒸発させても良い。例えば,基板処理装置1とオーブンを備えた図示しない処理システムを構成し,第1の乾燥処理を行った後,基板処理装置1からウェハWを搬出して,図示しないオーブンに搬入する。基板処理装置1から搬出されるウェハWの表面は,シリコン層10の表面から純水DIWが除去されてシリコン層10の表面が露出した状態となっている。また,酸化シリコン層11の表面は純水DIWに覆われている。酸化シリコン層11の表面の純水DIWが崩れてシリコン層10の表面に純水DIWが再付着しないように,基板処理装置1からオーブンへ静かにウェハWを移動させる。そして,ウェハWをオーブンによって加熱して,酸化シリコン層11の表面から純水DIWを蒸発させる。この場合も,シリコン層10の表面から純水DIWが蒸発することを防止できるので,シリコン層10の表面にウォーターマークが発生することを防止できる。また,基板処理装置1からオーブンへウェハWを移動させた後,次のウェハWを基板処理装置1に搬入して処理することができる。即ち,基板処理装置1とオーブンにおいて,それぞれの処理を並行して行うことができる。従って,スループットを向上させることができる。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば,基板の表面の親水性の強度が弱い部分から純水を移動させることにより,親水性の強度が弱い部分から液体が蒸発することを防止できる。これにより,親水性の強度が弱い部分にウォーターマークが発生することを防止できる。ウォーターマークの発生を防止することにより,ウェハWの品質を高め,処理の信頼性を向上させることができる。また,親水性の強度が弱い部分から液体を移動させて除去した後は,基板を高速回転させることにより,親水性の強度が強い部分から液体を短時間で蒸発させることができる。これにより,ウェハWの表面全体を短時間で十分に乾燥できる。従って,スループットを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基板処理装置の概要を示す概略縦断面図である。
【図2】基板処理装置の概要を示す概略横断面図である。
【図3】ウェハの表面の構造を示す概略断面図である。
【図4】ウェハの回転速度(回転数)と時間の関係を示すグラフである。
【図5】乾燥処理前のウェハの表面の状態を示す概略断面図である。
【図6】第1の乾燥処理中のウェハの表面の状態を示す概略断面図である。
【図7】第1の乾燥処理後のウェハの表面の状態を示す概略断面図である。
【図8】第2の乾燥処理中のウェハの表面の状態を示す概略断面図である。
【図9】ウェハの表面の状態を検出するカメラを備えた状態を説明する概略縦断面図である。
【図10】第1の乾燥処理によって回転するウェハの表面に現れる模様を説明する概略平面図である。
【図11】第2の乾燥処理によって回転するウェハの表面に現れる模様を説明する概略平面図である。
【図12】ウェハの表面の状態を検出することにより回転速度を変化させる構成を説明する概略縦断面図である。
【符号の説明】
DIW 純水
W ウェハ
W’ ダミーウェハ
1 基板処理装置
2 スピンチャック
3 ノズル
4 カップ
10 シリコン層
11 酸化シリコン層
17 回転駆動装置
21 制御部
30 カメラ
【発明の属する技術分野】
本発明は,例えば半導体ウェハやLCD基板用ガラス等の基板を乾燥処理する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば半導体デバイスの製造プロセスにおいては,半導体ウェハ(以下,「ウェハ」という。)に薬液や純水(DIW)等の処理液を供給して,ウェハに付着したパーティクル,有機汚染物,金属不純物のコンタミネーションを除去する一連の洗浄処理工程が行われる。かかる洗浄処理においては,ウェハに薬液を供給して処理する薬液処理,純水を供給してウェハから薬液を洗い流すリンス処理等が行われ,リンス処理の後,ウェハに付着した純水を除去してウェハを乾燥させる乾燥処理が行われる。ウェハを乾燥させる処理としては,ウェハを回転させてウェハから純水を振り切る方法や,窒素(N2)ガスをウェハに向かって吐出して純水を吹き飛ばす方法や,ウェハをオーブンによって加熱して純水を蒸発させる方法が知られている。
【0003】
ウェハを回転させてウェハから純水を振り切り乾燥させる方法として,例えば,最初にウェハを低速回転させ,ウェハ表面上に付着している純水の液膜を除去し,次にウェハを高速回転させ,ウェハ表面上に残留している純水を完全に除去する方法が提案されている(特許文献1参照)。かかる方法によれば,ウェハから振り飛ばされる純水の量が多い段階では低速回転させるので,ウェハの周りを囲む壁面で純水が跳ね返りウェハに再付着することを防止できる。また,純水の液膜を除去した後は高速回転させるので,純水を確実に除去できる。さらに,ウォーターマーク(パーティクル)の発生を低減できる。
【0004】
【先行技術文献】
【特許文献1】
特開平8−195375
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,従来の乾燥処理においては,例えばシリコン(Si)基板等の表面に酸化シリコン(SiO)等の層によりパターンが形成されている場合,ウォーターマークの発生を抑制することが困難であった。つまり,ウェハを低速で回転させるとウォーターマークの発生を抑制できるが,ウェハが乾燥するまでに長時間を要し,スループットが低下する問題があった。また,窒素ガスによって乾燥させる方法を用いると,ウェハの表面全体が均質な疎水性を有する場合は,ウォーターマークの発生を効果的に防止できるが,例えばシリコン基板等の表面に酸化シリコン(SiO)等の親水性の層によりパターンが形成されている場合は,シリコン等の疎水性の部分にウォーターマークが発生してしまう。オーブンによって加熱する方法も,疎水性の表面にウォーターマークが発生する問題があった。
【0006】
従って本発明の目的は,親水性の強度が異なる表面を有する基板であっても,ウォーターマークの発生を防止でき,かつ,スループットが良好な基板の乾燥方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために,本発明によれば,基板の表面に付着した液体を除去する基板の乾燥方法であって,前記基板の表面は,親水性の強度が互いに異なる部分を有し,基板を回転させることにより,前記部分のうち親水性が弱い部分から液体を除去し,その後,回転速度を上昇させ,前記部分のうち親水性が強い部分から液体を除去することを特徴とする,基板の乾燥方法が提供される。
【0008】
本発明において,基板とは,半導体ウェハやLCD基板用ガラス等の基板などが例示され,その他,CD基板,プリント基板,セラミック基板などでも良い。また液体とは,例えば純水等である。
【0009】
この基板の乾燥方法にあっては,最初に基板を低速で回転させると,ウェハ表面全体を液膜状に覆うように付着している純水の大半が振り飛ばされるが,親水性が弱い部分(疎水性が強い部分)では液体が多数の粒状に付着し,親水性が強い部分では液体が液膜状に付着した状態になる。そして,基板を低速でさらに回転させ続けると,疎水性が強い部分では,複数の粒状の液体が遠心力によって移動して互いに集まり,より大きな塊となる。これらの塊は,さらに疎水性が強い部分に付着していた粒状の液体を集めながら,遠心力によって疎水性が強い部分の表面上を移動していき,やがて,親水性が強い部分に集められる。こうして,粒状の液体が疎水性の強い部分から移動して除去されるので,疎水性の強い部分において粒状の液体が蒸発することによって生じるウォーターマークの発生を,より好ましく防止できる。疎水性が強い部分から液体が除去されたら,続いて,最初の回転速度より高速で基板を回転させることにより,親水性の強い部分に液膜状に残留した液体を遠心力で振り切り蒸発させる。このように基板を高速で回転させることにより,親水性の強い部分を短時間で乾燥させることができる。従って,低速回転を最後まで継続して乾燥させる場合よりも,スループットを向上させることができる。
【0010】
前記親水性が強い部分から前記液体を除去するに際し,少なくとも前記親水性が弱い部分に液体が再付着しない回転速度で回転させることが好ましい。即ち,基板を過剰に高速回転させると,親水性が強い部分に液膜状に集まった液体が壊れて飛散し,疎水性が強い部分に再付着してしまう。このような再付着が発生しない程度の回転速度に抑えることにより,疎水性が強い部分にウォーターマークが発生することを防止できる。
【0011】
また,回転する基板の表面に,液面の移動が起因する円状の模様が現れた際に,一度,基板の回転速度を上昇させることが好ましい。即ち,基板の回転を開始する前は,基板の表面全体が液体に覆われており,基板の表面に形成されたパターンが見えにくい状態となっているが,基板の低速回転により,疎水性の強い部分から流体が移動し除去されると,パターンに沿った模様が基板表面に観察される状態になる。基板を回転させている状態では,このパターンに沿った模様が回転して,複数の略同心円状の模様として観察される。このような模様が現れる回転速度と処理時間を調べることにより,疎水性の強い部分から流体を除去できる回転速度と処理時間を決定できる。
【0012】
前記円状の模様の色が変化した際に,回転数を低下させ,基板の回転を停止させることが好ましい。親水性の強い部分は,流体が付着した状態と,流体が付着していない状態とでは,異なった色で観察される。従って,総ての略同心円状の模様の色が十分に変化する回転速度と処理時間を調べることにより,親水性の強い部分から流体が完全に除去できる回転速度と処理時間を決定できる。
【0013】
さらに,本発明によれば,基板の表面に付着した液体を除去する基板の乾燥方法であって,前記基板の表面は,親水性の強度が互いに異なる部分を有し,基板を回転させることにより,前記部分のうち親水性が弱い部分から液体を除去し,その後,基板をオーブンによって加熱することにより,前記部分のうち親水性が強い部分から液体を除去することを特徴とする,基板の乾燥方法が提供される。
【0014】
この基板の乾燥方法にあっては,最初に基板を低速で回転させ,液体が疎水性の強い部分から除去するので,疎水性の強い表面上で液体が蒸発してウォーターマークが発生することを防止できる。一方,親水性の強い表面上では,基板を低速で回転させても液体が移動しにくく,表面に残留する。疎水性の強い表面上から液体が除去されたら,基板をオーブン内に搬入して,オーブンによって加熱することにより,親水性の強い表面から純水を蒸発させる。このように基板をオーブン内で加熱する間,次の基板を回転させて処理することができる。従って,スループットを向上させることができる。
【0015】
前記親水性が弱い部分から液体を除去するに際し,前記親水性が弱い部分に液体の塊を形成し,前記液体の塊を遠心力によって前記親水性が強い部分に移動させることが好ましい。即ち,基板の回転速度が高いと,液体が疎水性の強い部分から親水性の強い部分に移動する前に,疎水性の強い部分において液体の粒が蒸発してしまい,ウォーターマークが発生する虞がある。これを防止するため,最初の基板の回転速度は十分に低速にすることが好ましい。
【0016】
前記基板をカメラなどの撮影装置によって撮影することにより,前記基板の表面の状態を検出することが好ましい。この場合,カメラの画像によって略同心円状の模様の出現や,略同心円状の模様の色の変化を検出し,この検出結果に基づいて,基板の回転速度や,基板の回転速度を上昇させたり回転を停止させる時間を決定することができる。
【0017】
前記基板の表面は,シリコンからなる部分と酸化シリコンからなる部分を有することが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の好ましい実施の形態を説明する。図1及び図2は,本発明にかかる基板の乾燥方法を実施する基板処理装置1の構成を示している。基板処理装置1は,基板としてのウェハWを保持して回転させるスピンチャック2と,スピンチャック2に保持されたウェハWの上方に移動して薬液や純水DIW等の処理液を供給するノズル3を備えている。また,スピンチャック2に保持されたウェハWの周囲を包囲するように形成され,ウェハWの周囲に飛散した処理液を受け止めるカップ4が設けられている。スピンチャック2,ノズル3,カップ4は,基板処理装置1のチャンバー(図示せず)の内部に密閉可能な状態で収納されている。
【0019】
ウェハWは略円盤形状をしたシリコン基板である。ウェハWの略円形の表面には,半導体デバイスが形成される。基板処理装置1において処理するウェハWの表面には,シリコンの層を下地としてその上に酸化シリコンからなるパターンが形成されている。即ち,ウェハWの表面は,図3に示すように,シリコン層10と,シリコン層10の上に形成された複数の酸化シリコン層11によって構成されている。複数の酸化シリコン層11は,シリコン層10の表面に形成した酸化シリコンの膜を,パターンに沿ってエッチングすることにより作成される。各酸化シリコン層11同士の間は,酸化シリコンの膜が取り除かれてシリコン層10の表面が露出した状態となっている。
【0020】
シリコン層10の表面は,親水性の強度が弱い性質,即ち,疎水性が強い性質を有する。各酸化シリコン層11の表面,即ち,シリコン層10に接していない上面と側面は,親水性の強度が強い性質を有する。このように,ウェハWの表面には,親水性が弱い部分と親水性が強い部分とが存在している。
【0021】
スピンチャック2は,図1に示すように,略円盤形状のウェハWを略水平な姿勢で支持するチャック本体15と,このチャック本体15の底部に固着された回転筒体16によって構成されている。回転筒体16は,回転中心軸が略垂直になるように配置されている。回転筒体16の下部には,回転筒体16を回転させる回転駆動装置17が接続されている。
【0022】
チャック本体15には,ウェハWの周縁の複数箇所にそれぞれ当接させる複数の保持部材20が装着されている。これら保持部材20は,図2に示すように,ウェハWの中央部を囲むように配置されている。ウェハWの周縁に各保持部材20の上部をそれぞれ当接させることにより,ウェハWを周縁にて保持し,半導体デバイスが形成されるウェハWの表面を上面として略水平に支持する構成となっている。
【0023】
回転駆動装置17を駆動すると,回転筒体16の回転中心軸を中心として,スピンチャック2とウェハWを一体的に回転させることができる。これにより,ウェハWは,ウェハWの中央部を中心として,略水平面内で回転させられる。
【0024】
回転駆動装置17の駆動は,図1に示す制御部21の命令によって制御される。制御部21には,後に詳細に説明する薬液処理,リンス処理,乾燥処理等の各処理に応じたスピンチャック2の回転速度(回転数)や,各処理に要する時間等の種々の情報が予め記憶されている。この制御部21による回転駆動装置17の制御によって,ウェハWを各処理に応じた所定の回転速度で,所定時間回転させることができる。
【0025】
ノズル3は,スピンチャック2に保持されたウェハWの上方にて略水平面内で回動するノズルアーム23の先端に備えられており,処理液を吐出する吐出口24を下方に向けた状態で取り付けられている。図2に示すように,ウェハWの上方にてノズルアーム23を往復するように回動させることにより,ノズル3をウェハWの中央部上方から周縁部上方までの間を往復するように移動(スキャン)させることができる。
【0026】
スピンチャック2によってウェハWを回転させながら,ウェハWの表面の上方でノズル3を往復移動させることにより,ウェハWの表面全体に処理液を供給することができる。
【0027】
カップ4は,図1に示すように,チャック本体15の下方からウェハWの周縁部上方を包囲するように形成されている。ウェハWに供給された処理液は,ウェハWの周囲でカップ4に受け止められ,カップ4の下部に落下し,カップ4の下方に設けられた図示しない処理液排出路によってカップ4の内側から排液される。
【0028】
基板処理装置1においては,最初にスピンチャック2に保持されたウェハWにノズル3から薬液を供給して薬液処理を行い,次に,薬液の供給を停止してスピンチャック2によってウェハWを回転させ,ウェハWから薬液を振り飛ばして除去する。続いて,回転するウェハWにノズル3からリンス液として純水DIWを供給してリンス処理を行う。即ち,ウェハWに残留した薬液を純水DIWによって洗い流すようにして除去する。最後に,純水DIWの供給を停止してスピンチャック2によってウェハWを回転させ,ウェハWから純水DIWを振り飛ばして除去し,さらに,ウェハWの回転速度を上昇させ,ウェハWから純水DIWを蒸発させるようにしてウェハWを乾燥させる。
【0029】
ここで,本発明にかかる乾燥処理におけるウェハWの回転速度の制御について説明する。図4は,ウェハWの乾燥処理を開始してから経過した時間とその時間における回転数との関係を示したグラフである。図4において,縦軸はウェハWの回転数を示し,横軸は処理時間を示している。図4に示すように,乾燥処理においては,先ず,例えば約500〜800rpm程度の回転数で所定時間ウェハWを回転させて第1の乾燥処理を行い,その後,ウェハWの回転速度を上昇させ,例えば約1000〜2000rpm程度の回転数で所定時間ウェハWを回転させ,第2の乾燥処理を行う。このように,ウェハWの乾燥処理においては,第1の乾燥処理と,第1の乾燥処理後に第1の乾燥処理より高い回転速度によって乾燥させる第2の乾燥処理とが行われる。
【0030】
純水供給後,乾燥処理開始前のウェハWの表面は,図5に示すように,シリコン層10と複数の酸化シリコン層11が純水DIWの液膜に覆われ,浸漬した状態となっている。
【0031】
第1の乾燥処理における回転速度,即ち,第2の乾燥処理時より低い約500〜800rpm程度の回転数によってウェハWを回転させると,ウェハWの表面においては,純水DIWの大半は遠心力によってウェハWの外周に向かって移動して,ウェハWの周囲に振り飛ばされる。所定時間回転させると,図6に示すように,ウェハWの表面全体を覆っていた純水DIWの液膜は無くなるが,疎水性が強いシリコン層10の表面には純水DIWが無数の粒状に付着し,親水性が強い酸化シリコン層11の表面には純水DIWが液膜状に付着した状態になる。
【0032】
さらにウェハWを第1の乾燥処理における回転速度で回転させ続けると,図7に示すように,シリコン層10の表面では,複数の純水DIWの粒が遠心力によって移動して,互いに近づいて集まることにより,より大きな塊が形成される。これらの純水DIWの塊は,遠心力によってシリコン層10の表面上をそれぞれ移動し,親水性が強い酸化シリコン層11の表面に集まる。
【0033】
即ち,シリコン層10の表面に付着している粒状の純水DIWは,比較的大きなものであれば,低速回転で発生する遠心力により移動するが,微小なものや,ウェハWの回転中心に近いものは,低速回転で発生する遠心力によっては移動し難い場合や,移動する速度が遅い場合がある。この場合,微小な純水DIWの粒が付着した場所で蒸発したり,あるいは,シリコン層10の表面上で移動している途中で蒸発して,シリコン層10の表面で粒状の純水DIWが蒸発することによって生じるウォーターマークが発生してしまう。しかし,移動し難い純水DIWの粒があっても,移動する純水DIWの粒や塊に吸収されるので,純水DIWの粒を確実に集めることができる。
【0034】
一方,酸化シリコン層11の表面は,親水性が強いため純水DIWが粒状にならず,液膜状に付着した状態になっている。シリコン層10の表面上を移動する純水DIWの粒や塊は,酸化シリコン層11の下部に集まる。酸化シリコン層11の表面は親水性であり純水を吸い付け易く,酸化シリコン層11の下部に集まった純水DIWは,酸化シリコン層11の表面の液膜中に吸収される。このようにして,シリコン層10表面上の純水DIWの粒や塊が酸化シリコン層11の表面に集まる。
【0035】
そして,第1の乾燥処理における回転速度でウェハWを所定時間回転させると,図7に示すように,シリコン層10の表面から純水DIWの粒や塊が確実に除去される。これにより,シリコン層10の表面は露出した状態となる。酸化シリコン層11の表面は純水DIWの液膜に覆われた状態となる。
【0036】
次に,純水DIWがシリコン層10の表面から除去された後,第2の乾燥処理における回転速度,即ち,第1の乾燥処理時より高い約1000〜2000rpm程度の回転数によってウェハWを回転させる。即ち,高速回転させることにより,酸化シリコン層11の表面に付着した純水DIWの液膜を蒸発させ,図8に示すように,酸化シリコン層11の表面の純水DIWを減少させていく。そして,この回転速度でウェハWを所定時間回転させると,図3に示すように,酸化シリコン層11の表面から純水DIWが確実に除去され,ウェハWの表面全体を十分に乾燥させることができる。
【0037】
即ち,第1の乾燥処理により,純水DIWをシリコン層10の表面から移動させて除去し,シリコン層10の表面を露出させ,回転速度を上昇させた第2の乾燥処理によって,純水DIWを酸化シリコン層11の表面から除去する。こうして,ウェハWの表面全体を乾燥させる。かかる方法によれば,第1の乾燥処理により,純水DIWをシリコン層10の表面から移動させるので,シリコン層10の表面では純水DIWが蒸発しない。従って,シリコン層10の表面にウォーターマークが発生することを防止できる。また,第2の乾燥処理においては,純水DIWを酸化シリコン層11の表面で蒸発させるが,親水性である酸化シリコン層11の表面で純水DIWを蒸発させても,ウォーターマークが形成される虞は無い。ウォーターマークの発生を防止することにより,ウェハWの品質を高め,処理の信頼性を向上させることができる。
【0038】
なお,純水DIWがシリコン層10の表面から除去された後,第1の乾燥処理における回転速度によってウェハWの回転を継続しても,酸化シリコン層11の表面に付着した純水DIWを蒸発させて除去することが可能である。しかし,この場合,純水DIWの蒸発を終了させるまで,長時間回転させる必要があり,スループットが悪化する。これに対し,本発明のように,回転速度を上昇させて第2の乾燥処理を行うことにより,短時間で純水DIWの蒸発を終了させることができ,スループットを向上させることができる。
【0039】
一方,第1の乾燥処理において回転速度を過剰に高くすると,シリコン層10の表面上で純水DIWが移動する前に,シリコン層10の表面上において純水DIWの粒が蒸発してしまう。この場合,シリコン層10の表面にウォーターマークが発生してしまう。従って,第1の乾燥処理においては,シリコン層10の表面上から純水DIWの粒が蒸発しないような,なるべく低い回転速度を選択することが重要である。勿論,必要以上に低回転にすると,純水DIWの粒を効率的に集めることが困難となりスループットが低下したり,あるいは,純水DIWの粒を確実に集めることが困難となるので,低すぎない回転速度を選択することも重要である。
【0040】
また,第2の乾燥処理において回転速度を過剰に高くすると,酸化シリコン層11の表面に集まった純水DIWの液膜が壊れて,細かい液滴となって飛散し,シリコン層10の表面に純水DIWの粒となって再付着してしまう。この場合,シリコン層10の表面上において純水DIWの粒が蒸発し,シリコン層10の表面にウォーターマークが発生してしまう。従って,第2の乾燥処理においては,酸化シリコン層11からの表面に集まった純水DIWがシリコン層10の表面に再付着しないような,高すぎない回転速度を選択することが重要である。
【0041】
第1の乾燥処理及び第2の乾燥処理における各処理時間や回転速度は,ウェハWの洗浄処理を行う前に,ダミーウェハW’を用いた試験によって最適な値をそれぞれ決定し,各決定値を制御部21に記憶させておく。次に,かかる試験について説明する。図9に示すように,スピンチャック2によってダミーウェハW’を保持し,スピンチャック2に保持されたダミーウェハW’の上方にカメラ30を設置する。ダミーウェハW’は,ウェハWと同じ構造の基板であり,表面にはウェハWと同じ構造のパターンが形成されており,この表面を上面とした状態でスピンチャック2によって保持される。このダミーウェハW’に純水DIWによるリンス処理を行い,乾燥処理を行う。乾燥処理中,ウェハWの表面をカメラ30によって撮影し,撮影した画像からウェハWの表面の状態を検出する。カメラ30は,例えばCCDカメラなど高速用のものを用いることが好ましい。なお,図示はしないが,カメラ30によって撮影した画像を画面に表示するモニターや,カメラ30によって撮影した画像を記録する記録機器や,カメラ30によって撮影した画像の解析を行う画像解析装置などが適宜備えられている。
【0042】
ダミーウェハW’の表面を上方から目視すると,シリコン層10と複数の酸化シリコン層11が純水DIWに覆われた状態では,ダミーウェハW’の表面に明確な模様は観察されない。従って,カメラ30によって撮影した画像には,明確な模様は現れない。
【0043】
シリコン層10の表面から純水DIWが除去され,酸化シリコン層11の表面が純水DIWに覆われた状態では,シリコン層10の表面が露出した部分と酸化シリコン層11が純水DIWに覆われた部分とが異なる色彩として観察される。ダミーウェハW’が回転している状態では,図10に示すように,ダミーウェハW’の表面にダミーウェハW’の中央を中心とした複数の略同心円状の模様が観察される。酸化シリコン層11の表面が純水DIWに覆われた部分は,青色に近い色として観察される。カメラ30によって撮影した画像には,青色に近い色をした複数の略同心円状の模様が現れる。
【0044】
さらに,シリコン層10の表面及び酸化シリコン層11の表面から純水DIWが除去された状態では,図11に示すように,前述の図10に示す酸化シリコン層11の表面のみが純水DIWに覆われた状態とほぼ同じ形状の模様が観察されるが,酸化シリコン層11の表面が露出した部分は,純水DIWに覆われた状態とは異なる色彩として観察される。即ち,酸化シリコン層11の表面が純水DIWに覆われた状態は,青色に近い色として観察されるのに対し,酸化シリコン層11の表面が露出した状態は,灰色に近い色として観察される。カメラ30によって撮影した画像には,灰色に近い色をした複数の略同心円状の模様が現れる。
【0045】
以上のような,カメラ30の撮影した画像の特徴の変化を検出することにより,シリコン層10と複数の酸化シリコン層11が純水DIWに覆われた状態と,シリコン層10の表面のみから純水DIWが除去された状態と,シリコン層10の表面及び酸化シリコン層11の表面から純水DIWが除去された状態とを識別することができる。このカメラ30の撮影した画像の変化に基づき,第1の乾燥処理及び第2の乾燥処理の各処理時間及び各回転速度を決定する。即ち,ダミーウェハW’を任意の回転速度で回転させ,シリコン層10と複数の酸化シリコン層11が純水DIWに覆われた状態から,シリコン層10の表面のみから純水DIWが除去された状態に変化した時間を計測することにより,ウェハWの第1の乾燥処理の処理時間及び回転速度を決定する。また,シリコン層10の表面のみから純水DIWが除去された状態から,ダミーウェハW’を任意の回転速度で回転させ,酸化シリコン層11の表面から純水DIWが除去された状態に変化した時間を計測することにより,ウェハWの第2の乾燥処理の処理時間及び回転速度を決定する。
【0046】
このようにして決定した第1の乾燥処理及び第2の乾燥処理の各処理時間及び各回転速度を図1に示す制御部21に記憶させる。制御部21は,記憶した値に基づいて回転駆動装置17に制御信号を送信して,制御を行う。即ち,第1の乾燥処理中,回転するウェハWの表面に複数の略同心円状の模様が現れた際,制御部21から回転駆動装置17に制御信号が送信され,ウェハWの回転速度が上昇し,第2の乾燥処理における回転速度になる。そして,第2の乾燥処理中,複数の略同心円状の模様の色が青色に近い色から灰色に近い色に変化した際,制御部21から回転駆動装置17に制御信号が送信され,ウェハWの回転が停止させられ,第2の乾燥処理が終了する。
【0047】
次に,基板処理装置1を用いたウェハWの処理について説明する。先ず,基板処理装置1の図示しないチャンバーに形成された開口からウェハWを搬入し,ウェハWをスピンチャック2によって保持する。ウェハWは,酸化シリコン層11が形成された表面を上面とした状態で保持される。ウェハWを搬入後,チャンバーの開口をシャッターによって閉じ,チャンバー内を密閉状態とする。
【0048】
先ず,ノズル3をウェハWの上方に移動させ,ウェハWを回転させながらノズル3から薬液を吐出させ,ウェハWの表面全体に薬液を供給し,薬液によってウェハWの表面を処理する。その後,薬液処理時よりもウェハWの回転速度を上昇させ,薬液を振り飛ばすようにしてウェハW表面から除去する。
【0049】
続いて,薬液を振り飛ばす間よりウェハWの回転速度を低下させ,ウェハWを回転させながらノズル3から純水DIWを吐出させ,ウェハWの表面全体に純水DIWを供給し,純水DIWによってウェハWの表面をリンス処理する。その後,リンス処理時よりもウェハWの回転速度を上昇させ,薬液を振り飛ばすようにしてウェハW表面から除去する。
【0050】
次に,ウェハWの乾燥処理を行う。先ず,ウェハWの回転速度を例えば図4に示すように約500〜800rpm程度の回転数にしてウェハWを回転させ,第1の乾燥処理を行う。これにより,ウェハWの表面全体を覆っていた純水DIWの液膜を除去し,さらに,シリコン層10に付着している純水DIWの粒を遠心力によって集め,純水DIWの塊を形成し,純水DIWの粒や塊を遠心力によって移動させ,酸化シリコン層11の表面に集める。こうして,シリコン層10の表面から純水DIWを除去する。純水DIWは図7に示すように酸化シリコン層11の表面に集まるように残留し,シリコン層10の表面が露出し,酸化シリコン層11の表面が純水DIWに覆われた状態となる。第1の乾燥処理の処理時間経過後,ウェハWの表面を目視すると,図10に示すように,青色に近い色をした複数の略同心円状の模様が観察される。
【0051】
第1の乾燥処理の処理時間経過後,ウェハWの回転速度を上昇させ,例えば図4に示すように約1000〜2000rpm程度の回転数にして,第2の乾燥処理を行う。これにより,酸化シリコン層11の表面から純水DIWを除去する。純水DIWは図8に示すように酸化シリコン層11の表面から次第に蒸発し,第2の乾燥処理の処理時間経過後,図3に示すように,酸化シリコン層11の表面から純水DIWが十分に除去された状態となる。このとき,ウェハWの表面を目視すると,図11に示すように,灰色に近い色をした複数の略同心円状の模様が観察される。
【0052】
第2の乾燥処理の処理時間経過後,スピンチャック2を減速させ,スピンチャック2及びウェハWの回転を停止させる。そして,基板処理装置1の図示しないチャンバーに形成された開口を開き,スピンチャック2からウェハWを受け取り,開口からウェハWを搬出する。
【0053】
かかる基板の乾燥方法にあっては,第1の乾燥処理においてウェハWを低速回転させることにより,純水DIWをシリコン層10の表面から移動させて除去するので,シリコン層10の表面から純水DIWが蒸発することを防止できる。これにより,シリコン層10の表面にウォーターマークが発生することを防止できる。第1の乾燥処理において酸化シリコン層11の表面に残留した純水DIWは,第2の乾燥処理においてウェハWを高速回転させることにより,酸化シリコン層11の表面から短時間で蒸発させることができる。これにより,ウェハWの表面全体を十分に乾燥させることができる。第2の乾燥処理においては,酸化シリコン層11の表面からシリコン層10の表面に純水DIWが再付着することを防止できるので,シリコン層10の表面で純水DIWが蒸発してウォーターマークが発生する虞が無い。ウォーターマークの発生を防止することにより,ウェハWの品質を高め,処理の信頼性を向上させることができる。また,第2の乾燥処理を短時間で行うことにより,乾燥処理時間全体を短縮して,スループットを向上させることができる。
【0054】
以上,本発明の好適な実施の形態の一例を示したが,本発明はここで説明した形態に限定されないことは勿論であり,適宜変更実施することが可能である。例えば,本発明は,略円盤形状の半導体ウェハを処理する場合に限定されず,LCD基板用ガラス等,種々の基板を処理する方法に適用できる。また,シリコン層10の上に酸化シリコン層11が形成された基板に限定されず,表面に親水性の強度が互いに異なる部分が存在する種々の材質によって形成された種々のものに適用できる。
【0055】
ウェハWを回転させる機構は,スピンチャック2のようにウェハWを周縁にて保持するものに限定されず,ウェハWの回転速度を変化させることができる種々のものが適用できる。
【0056】
基板処理装置1は,薬液と純水DIWを用いる洗浄処理を行う装置として説明したが,かかる装置に限定されない。また,本実施の形態においては純水DIWを除去する乾燥処理として説明したが,他の種々の液体を除去する方法にも適用できる。
【0057】
ウェハWの回転速度は,本実施の形態に示した範囲に限定されない。第1の乾燥処理及び第2の乾燥処理の各処理に最適な処理時間や回転速度は,ウェハWの大きさやパターンの形状,その他の条件に応じて異なる値が選択される。
【0058】
本実施の形態では,CCDカメラなど高速用のカメラ30を用いてダミーウェハW’の表面の状態を撮影することとしたが,ダミーウェハW’の表面の状態を撮影する撮影装置は,CCDカメラに限定されない。例えばビデオカメラなど,種々の撮影装置を用いることができる。ダミーウェハW’の表面の状態の識別は,カメラ30によって撮影した画像の解析を行う画像解析装置を用いて行うほか,図示しないモニターに表示された画像を目視によって観察して判断することにより行っても良い。また,ダミーウェハW’の表面の状態は,撮影装置による撮影以外の方法によって検出しても良い。例えば,ダミーウェハW’の表面を直接目視によって観察して,ダミーウェハW’の表面の状態を判断することにより検出しても良い。
【0059】
本実施の形態では,ウェハWの処理の前に,予めダミーウェハW’を用いて試験を行い,第1の乾燥処理及び第2の乾燥処理の各処理に最適な処理時間や回転速度を決定し,制御部21に記憶させた値に基づいて制御を行うこととしたが,ウェハWの処理の間,ウェハWの表面の状態を検出しながら,検出した状態に応じて回転速度を変化させ,第1の乾燥処理から第2の乾燥処理に切り換えるようにしても良い。例えば,図12に示すように,スピンチャック2に保持され処理が施されているウェハWの上方にカメラ30を設置する。制御部21は,回転駆動装置17に制御信号を送信すると共に,カメラ30が撮影したウェハWの表面の画像を分析して,画像に現れた模様の形状や色彩を識別できる構成とする。第1の乾燥処理及び第2の乾燥処理に最適な各回転速度は,予めダミーウェハW’を用いた試験によって決定し,制御部21に記憶させておく。
【0060】
第1の乾燥処理中,回転するウェハWの表面に複数の略同心円状の模様が現れた際は,制御部21は,カメラ30が撮影した画像の分析結果に基づいて,第2の乾燥処理に切り換える判断を行う。この判断に基づいて,回転駆動装置17に制御信号を送信して,ウェハWの回転速度を上昇させ,第2の乾燥処理における回転速度にする制御を行う。第2の乾燥処理中,複数の略同心円状の模様の色が青色に近い色から灰色に近い色に変化した際には,制御部21は,カメラ30が撮影した画像の分析結果に基づいて,第2の乾燥処理を終了させる判断を行う。この判断に基づいて,回転駆動装置17に制御信号を送信して,ウェハWの回転を停止させ,第2の乾燥処理を終了させる制御を行う。このように,制御部21によってウェハWの表面の状態を分析することにより,回転速度を上昇させるタイミングを判断させることが可能である。
【0061】
本実施の形態においては,ウェハWを高速回転させることにより,酸化シリコン層11の表面に付着した純水DIWを蒸発させることとしたが,ウェハWをオーブンによって加熱することにより,酸化シリコン層11の表面に付着した純水DIWを蒸発させても良い。例えば,基板処理装置1とオーブンを備えた図示しない処理システムを構成し,第1の乾燥処理を行った後,基板処理装置1からウェハWを搬出して,図示しないオーブンに搬入する。基板処理装置1から搬出されるウェハWの表面は,シリコン層10の表面から純水DIWが除去されてシリコン層10の表面が露出した状態となっている。また,酸化シリコン層11の表面は純水DIWに覆われている。酸化シリコン層11の表面の純水DIWが崩れてシリコン層10の表面に純水DIWが再付着しないように,基板処理装置1からオーブンへ静かにウェハWを移動させる。そして,ウェハWをオーブンによって加熱して,酸化シリコン層11の表面から純水DIWを蒸発させる。この場合も,シリコン層10の表面から純水DIWが蒸発することを防止できるので,シリコン層10の表面にウォーターマークが発生することを防止できる。また,基板処理装置1からオーブンへウェハWを移動させた後,次のウェハWを基板処理装置1に搬入して処理することができる。即ち,基板処理装置1とオーブンにおいて,それぞれの処理を並行して行うことができる。従って,スループットを向上させることができる。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば,基板の表面の親水性の強度が弱い部分から純水を移動させることにより,親水性の強度が弱い部分から液体が蒸発することを防止できる。これにより,親水性の強度が弱い部分にウォーターマークが発生することを防止できる。ウォーターマークの発生を防止することにより,ウェハWの品質を高め,処理の信頼性を向上させることができる。また,親水性の強度が弱い部分から液体を移動させて除去した後は,基板を高速回転させることにより,親水性の強度が強い部分から液体を短時間で蒸発させることができる。これにより,ウェハWの表面全体を短時間で十分に乾燥できる。従って,スループットを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基板処理装置の概要を示す概略縦断面図である。
【図2】基板処理装置の概要を示す概略横断面図である。
【図3】ウェハの表面の構造を示す概略断面図である。
【図4】ウェハの回転速度(回転数)と時間の関係を示すグラフである。
【図5】乾燥処理前のウェハの表面の状態を示す概略断面図である。
【図6】第1の乾燥処理中のウェハの表面の状態を示す概略断面図である。
【図7】第1の乾燥処理後のウェハの表面の状態を示す概略断面図である。
【図8】第2の乾燥処理中のウェハの表面の状態を示す概略断面図である。
【図9】ウェハの表面の状態を検出するカメラを備えた状態を説明する概略縦断面図である。
【図10】第1の乾燥処理によって回転するウェハの表面に現れる模様を説明する概略平面図である。
【図11】第2の乾燥処理によって回転するウェハの表面に現れる模様を説明する概略平面図である。
【図12】ウェハの表面の状態を検出することにより回転速度を変化させる構成を説明する概略縦断面図である。
【符号の説明】
DIW 純水
W ウェハ
W’ ダミーウェハ
1 基板処理装置
2 スピンチャック
3 ノズル
4 カップ
10 シリコン層
11 酸化シリコン層
17 回転駆動装置
21 制御部
30 カメラ
Claims (8)
- 基板の表面に付着した液体を除去する基板の乾燥方法であって,
前記基板の表面は,親水性の強度が互いに異なる部分を有し,
基板を回転させることにより,前記部分のうち親水性が弱い部分から液体を除去し,
その後,回転速度を上昇させ,前記部分のうち親水性が強い部分から液体を除去することを特徴とする,基板の乾燥方法。 - 前記親水性が強い部分から前記液体を除去するに際し,
前記親水性が弱い部分に液体が再付着しない回転速度で回転させることを特徴とする,請求項1に記載の基板の乾燥方法。 - 回転する基板の表面に円状の模様が現れた際に,基板の回転速度を上昇させることを特徴とする,請求項1又は2に記載の基板の乾燥方法。
- 前記円状の模様の色が変化した際に,基板の回転を停止させることを特徴とする,請求項3に記載の基板の乾燥方法。
- 基板の表面に付着した液体を除去する基板の乾燥方法であって,
前記基板の表面は,親水性の強度が互いに異なる部分を有し,
基板を回転させることにより,前記部分のうち親水性が弱い部分から液体を除去し,
その後,基板をオーブンによって加熱することにより,前記部分のうち親水性が強い部分から液体を除去することを特徴とする,基板の乾燥方法。 - 前記親水性が弱い部分から液体を除去するに際し,
前記親水性が弱い部分に液体の塊を形成し,
前記液体の塊を遠心力によって前記親水性が強い部分に移動させることを特徴とする,請求項1〜5のいずれかに記載の基板の乾燥方法。 - 前記基板を撮影することにより,前記基板の表面の状態を検出することを特徴とする,請求項1〜6のいずれかに記載の基板の乾燥方法。
- 前記基板の表面は,シリコンからなる部分と酸化シリコンからなる部分を有することを特徴とする,請求項1〜7のいずれかに記載の基板の乾燥方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003012098A JP2004228203A (ja) | 2003-01-21 | 2003-01-21 | 基板の乾燥方法 |
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JP (1) | JP2004228203A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2007072571A1 (ja) * | 2005-12-22 | 2007-06-28 | Pre-Tech Co., Ltd. | 基板の乾燥装置および洗浄装置並びに乾燥方法および洗浄方法 |
JP2008034779A (ja) * | 2006-06-27 | 2008-02-14 | Dainippon Screen Mfg Co Ltd | 基板処理方法および基板処理装置 |
CN111276423A (zh) * | 2018-12-04 | 2020-06-12 | 南亚科技股份有限公司 | 半导体晶圆干燥设备及方法 |
-
2003
- 2003-01-21 JP JP2003012098A patent/JP2004228203A/ja not_active Withdrawn
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