JP4732918B2 - 基板処理方法および基板処理装置 - Google Patents
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Description
枚葉式の洗浄処理を実施するための装置は、複数本のチャックピンでウエハをほぼ水平に保持しつつ、そのウエハを回転させるスピンチャックを備えている。そして、ウエハがスピンチャックに保持されて回転されつつ、その回転状態のウエハの表面に薬液が供給される。この薬液による処理の後には、ウエハの表面に純水が供給されて、その純水で薬液を洗い流すための純水リンス処理が行われる。また、純水リンス処理後のウエハの表面には純水が付着しているので、スピンチャックによるウエハの回転速度が上昇されて、ウエハの表面の純水を振り切って乾燥させるためのスピンドライ処理が行われる。
この方法では、純水が付着した基板に対する水溶性アルコールの供給が行われた後、水溶性アルコールの供給を停止し、その基板上に水溶性アルコールが液膜を形成して滞留した状態が維持される。そして、基板上に水溶性アルコールが滞留した状態から、基板の回転速度が上昇されて、その基板上の水溶性アルコールを振り切るスピンドライ処理が行われる。
請求項2記載の発明は、前記純水リンス処理工程に引き続いて、基板上に純水が液膜を形成して滞留した状態を維持する純水パドル工程(S3)をさらに含み、前記水溶性アルコール供給工程は、前記純水パドル工程に引き続いて行われることを特徴とする、請求項1記載の基板処理方法である。
請求項3記載の発明は、前記水溶性アルコール供給工程は、前記純水リンス処理工程の終了前に開始されることを特徴とする、請求項1記載の基板処理方法である。
請求項4記載の発明は、前記純水リンス処理工程に先立って、回転状態の基板に薬液を供給して、基板に対して薬液による処理を実施する薬液処理工程(S1)をさらに含み、前記純水リンス処理工程は、前記薬液処理工程後の基板に付着している薬液を純水で洗い流す工程であることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の基板処理方法である。
請求項5記載の発明は、前記薬液は、ふっ酸であることを特徴とする、請求項4記載の基板処理方法である。
たとえば、シリコン基板に対してふっ酸による処理が行われる場合、ふっ酸による処理後の基板の表面は疎水性を示すが、前述したように、基板に純水が付着した状態でスピンドライ処理が行われるのを防止することができるので、そのような場合でも、ウォータマークの発生を防止することができる。
基板の表面が疎水性を示す場合でも、前述したように、基板に純水が付着した状態でスピンドライ処理が行われるのを防止することができるので、ウォータマークの発生を防止することができる。
請求項7記載の発明は、基板(W)をほぼ水平に保持する基板保持手段(1)と、前記基板保持手段に保持された基板を回転させる基板回転手段(5)と、前記基板保持手段に保持された基板に純水を供給する純水供給手段(3,12)と、前記基板保持手段に保持された基板に水溶性アルコールを供給する水溶性アルコール供給手段(4,13)と、前記基板回転手段による回転状態の基板に対して、前記純水供給手段により純水が供給され、前記水溶性アルコール供給手段により水溶性アルコールが供給された後に、水溶性アルコールの供給が停止されて当該基板上に水溶性アルコールが液膜を形成して滞留した状態が維持され、その後、前記基板回転手段による当該基板の回転速度が上昇されて、基板上の水溶性アルコールが振り切られるように、前記基板回転手段、前記純水供給手段および前記水溶性アルコール供給手段を制御する制御手段(14)とを含むことを特徴とする、基板処理装置である。
図1は、この発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を示す図解的な側面図である。
この基板処理装置は、ウエハWを1枚ずつ処理する枚葉式の装置であり、ウエハWをほぼ水平に保持するスピンチャック1と、スピンチャック1に保持されたウエハWの表面(上面)に薬液を供給するための薬液ノズル2と、スピンチャック1に保持されたウエハWの表面に純水を供給するための純水ノズル3と、スピンチャック1に保持されたウエハWの表面に水溶性アルコールを供給するための水溶性アルコールノズル4とを備えている。
複数個の挟持部材7によってウエハWを挟持した状態で、モータ5が駆動されると、その駆動力によってスピンベース6が鉛直軸線まわりに回転され、そのスピンベース6とともに、ウエハWがほぼ水平な姿勢を保った状態で鉛直軸線まわりに回転される。
薬液ノズル2は、スピンチャック1の上方でほぼ水平に延びるアーム8の先端に取り付けられている。この薬液ノズル2には、薬液バルブ9を介して、薬液としてのふっ酸(HF)が供給されるようになっている。
薬液ノズル2からスピンチャック1に保持されたウエハWの表面にふっ酸が供給されつつ、アーム駆動機構11からアーム支持軸10に駆動力が入力されて、アーム8が所定角度範囲内で揺動されることにより、ウエハWの表面上におけるふっ酸の供給位置がスキャン(移動)される。
水溶性アルコールノズル4は、スピンチャック1の上方で、その吐出口をスピンチャック1に向けて配置されている。この水溶性アルコールノズル4には、水溶性アルコールバルブ13を介して、水溶性アルコールとしてのIPA(イソプロピルアルコール)が供給されるようになっている。水溶性アルコールノズル4に供給されるIPAは、その吐出口から吐出されて、スピンチャック1に保持されたウエハWの表面の中央部に供給される。
この基板処理装置は、マイクロコンピュータを含む制御装置14を備えている。制御装置14は、予め定められたプログラムに従って、モータ5およびアーム駆動機構11の駆動を制御し、また、薬液バルブ9、純水バルブ12および水溶性アルコールバルブ13の開閉を制御する。
ウエハWの処理に際しては、搬送ロボット(図示せず)により、この基板処理装置にウエハWが搬入されてきて、そのウエハWがスピンチャック1に受け渡される。
スピンチャック1にウエハWが保持されると、まず、モータ5が駆動されて、スピンチャック1によるウエハWの回転が開始される。次に、薬液バルブ9が開かれて、薬液ノズル2から回転状態のウエハWの表面にふっ酸が供給される。このとき、薬液ノズル2がウエハWの回転中心上と周縁部上との間で往復移動するように、アーム8がウエハWの上方で揺動される。これにより、ウエハWの表面上におけるふっ酸の供給位置がウエハWの回転中心からウエハWの周縁部に至る範囲内を円弧状の軌跡を描きつつ往復移動し、ウエハWの表面の全域にふっ酸がむらなく供給される。このふっ酸の供給によって、ウエハWの表面から不要なシリコン酸化膜などが除去されていく(ふっ酸処理:ステップS1)。
ふっ酸処理が所定のふっ酸処理時間(たとえば、30〜120秒間)にわたって続けられると、薬液バルブ9が閉じられて、薬液ノズル2からウエハWへのふっ酸の供給が停止される。そして、純水バルブ12が開かれて、純水ノズル3からウエハWの表面の中央部に純水が供給される。このとき、ふっ酸処理から引き続いて、ウエハWが回転されており、ウエハWの表面上に供給された純水は、ウエハWの回転による遠心力を受けて、ウエハWの表面上を周縁に向けて流れる。これによって、ウエハWの表面の全域に純水が行き渡り、ウエハWの表面上のふっ酸が純水によって洗い流される(純水リンス処理:ステップS2)。
そして、このスピンドライ処理が所定のスピンドライ処理時間(たとえば、15秒間)にわたって続けられると、モータ5が停止されて、スピンベース6(ウエハW)が静止した後、搬送ロボットによって、この基板処理装置から処理済みのウエハWが搬出される。
IPAの供給により、ウエハWの表面上の純水が押し流されて排除され、その後、ウエハWの表面上にIPAが滞留している間に、ウエハWの表面に残留している純水がIPAに溶け込む。そのため、ウエハWに純水が付着した状態でスピンドライ処理が行われるのを防止することができ、酸素を含む雰囲気下であっても、ウォータマークの発生を防止することができる。
そのうえ、この基板処理装置では、ウエハWに付着しているふっ酸が純水で洗い流された後、ウエハWに対するIPAの供給が開始されるまでの間、ウエハWの表面上に純水が液膜を形成して滞留した状態が維持され、そのウエハWの表面に酸素を含む雰囲気が接することがないので、ウォータマークの発生を一層防止することができる。
このグラフには、純水リンス処理工程に引き続いてスピンドライ処理工程(乾燥)を実施した場合(プロセス1)、純水リンス処理工程に引き続いて純水パドル処理工程を実施し、この純水パドル処理工程に引き続いてスピンドライ処理工程を実施した場合(プロセス2)、純水リンス処理工程に引き続いてIPAパドル処理工程を実施し、ウエハWの表面にIPAが貯留された状態を10秒間にわたって維持した後、スピンドライ処理工程を実施した場合(プロセス3)、純水リンス処理工程に引き続いて純水パドル処理工程およびIPAリンス処理工程をこの順に実施し、IPAリンス処理工程に引き続いてIPAパドル処理工程を実施し、ウエハWの表面にIPAが貯留された状態を10秒間にわたって維持した後、スピンドライ処理工程を実施した場合(プロセス4)、純水リンス処理工程に引き続いて純水パドル処理工程およびIPAリンス処理工程をこの順に実施し、IPAリンス処理工程に引き続いてIPAパドル処理工程を実施し、ウエハWの表面にIPAが貯留された状態を5秒間にわたって維持した後、スピンドライ処理工程を実施した場合(プロセス5)、および、純水リンス処理工程に引き続いて純水パドル処理工程およびIPAリンス処理工程をこの順に実施し、IPAリンス処理工程に引き続いてIPAパドル処理工程を実施し、ウエハWの表面にIPAが貯留された状態を3秒間にわたって維持した後、スピンドライ処理工程を実施した場合(プロセス6)に、プロセス1〜6のそれぞれにおけるスピンドライ処理後のウエハWの表面に発生したウォータマークの数を計測した結果が示されている。
また、処理の対象となる基板は、ウエハWに限らず、化合物半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、プラズマディプレイパネル用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板および磁気/光ディスク用基板などの他の種類の基板であってもよい。他の種類の基板が処理対象とされる場合に、その基板の表面が疎水性を示していても、基板に純水が付着した状態でスピンドライ処理が行われるのを防止することができるので、ウォータマークの発生を防止することができる。ここで、疎水性を示す表面としては、シリコン膜が形成された表面、Low−k膜が形成された表面などを例示することができる。
3 純水ノズル
4 水溶性アルコールノズル
5 モータ
12 純水バルブ
13 水溶性アルコールバルブ
14 制御装置
W ウエハ
Claims (7)
- 回転状態の基板に純水を供給して、基板に付着している残留物を純水で洗い流す純水リンス処理工程と、
純水が付着している基板に水溶性アルコールを供給する水溶性アルコール供給工程と、
前記水溶性アルコール供給工程に引き続いて、水溶性アルコールの供給を停止して基板上に水溶性アルコールが液膜を形成して滞留した状態を維持する水溶性アルコールパドル工程と、
前記水溶性アルコールパドル工程に引き続いて、基板の回転速度を上昇させて、基板上の水溶性アルコールを振り切るスピンドライ処理工程とを含むことを特徴とする、基板処理方法。 - 前記純水リンス処理工程に引き続いて、基板上に純水が液膜を形成して滞留した状態を維持する純水パドル工程をさらに含み、
前記水溶性アルコール供給工程は、前記純水パドル工程に引き続いて行われることを特徴とする、請求項1記載の基板処理方法。 - 前記水溶性アルコール供給工程は、前記純水リンス処理工程の終了前に開始されることを特徴とする、請求項1記載の基板処理方法。
- 前記純水リンス処理工程に先立って、回転状態の基板に薬液を供給して、基板に対して薬液による処理を実施する薬液処理工程をさらに含み、
前記純水リンス処理工程は、前記薬液処理工程後の基板に付着している薬液を純水で洗い流す工程であることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の基板処理方法。 - 前記薬液は、ふっ酸であることを特徴とする、請求項4記載の基板処理方法。
- 前記純水リンス処理工程は、疎水性を示す基板の表面に純水を供給して、基板の表面に付着している残留物を純水で洗い流す工程であることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の基板処理方法。
- 基板をほぼ水平に保持する基板保持手段と、
前記基板保持手段に保持された基板を回転させる基板回転手段と、
前記基板保持手段に保持された基板に純水を供給する純水供給手段と、
前記基板保持手段に保持された基板に水溶性アルコールを供給する水溶性アルコール供給手段と、
前記基板回転手段による回転状態の基板に対して、前記純水供給手段により純水が供給され、前記水溶性アルコール供給手段により水溶性アルコールが供給された後に、水溶性アルコールの供給が停止されて当該基板上に水溶性アルコールが液膜を形成して滞留した状態が維持され、その後、前記基板回転手段による当該基板の回転速度が上昇されて、基板上の水溶性アルコールが振り切られるように、前記基板回転手段、前記純水供給手段および前記水溶性アルコール供給手段を制御する制御手段とを含むことを特徴とする、基板処理装置。
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