JP2004228082A - 微小空洞共振器式oledデバイス - Google Patents

微小空洞共振器式oledデバイス Download PDF

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Abstract

【課題】 輝度効率及び色質を改良した微小空洞共振器式OLEDデバイスを提供すること。
【解決手段】 (a)基板、(b)該基板の一表面上に配置された金属底部電極層、(c)該金属底部電極層の上に配置された有機EL要素、及び(d)該有機EL要素の上に配置された金属上部電極層を含んで成る微小空洞共振器式OLEDデバイスであって、該金属電極層の一方が半透明であり、その他方が実質的に不透明かつ反射性であり、該不透明かつ反射性である金属電極層の材料がAg、Au、Al又はこれらの合金から選択され、該半透明である金属電極層の材料がAg、Au又はこれらの合金から選択され、そして該半透明である金属電極層の厚さ及び該発光層の位置が、該微小空洞共振器式OLEDデバイスの発光出力が該微小空洞共振器を具備しない同等なデバイスよりも高くなるように選定されている、ことを特徴とする微小空洞共振器式OLEDデバイス。
【選択図】 図3−a

Description

本発明は、微小空洞共振器(microcavity)効果を有する有機発光ダイオード(OLED)に関する。
有機電場発光(EL)デバイス又は有機発光ダイオード(OLED)は、印加電位差に応じて発光する電子デバイスである。Tang他(Applied Physics Letters, 51, 913 (1987), Journal of Applied Physics, 65, 3610 (1989)、及び譲受人共通の米国特許第4769292号明細書)において高効率OLEDが実証されている。その後、高分子材料をはじめとし、層構造の異なる数多くのOLEDが開示され、デバイス性能も向上してきている。図1に、従来の上面発光型OLEDの略横断面図を示す。デバイス101には、基板10、反射性底部電極12、有機EL要素14、及び透明上部電極層16が含まれる。有機EL要素は、正孔注入層14a、正孔輸送層14b、発光層14c、電子輸送層14d及び電子注入層14eをはじめとする1又は2以上の二次層を含む場合がある。図1では、反射性底部電極12がアノードで、透明上部電極層16がカソードであるが、その逆配置も可能であり、その場合、有機EL要素14の二次層の順序も反対となる。
OLEDデバイスのメリットパラメータの重要な特徴は輝度出力効率である。それは、OLEDを駆動させて所望レベルの光出力を送り出すのに必要な電流又は電力の大きさを決定する。さらに、OLEDデバイスの寿命は動作電流に反比例するので、光出力レベルを一定とした場合、出力効率の高いOLEDデバイスほど長持ちする。
OLEDデバイスの輝度出力効率を潜在的に高めることができる方法として、微小空洞共振器効果を利用する方法がある。微小空洞共振器効果を利用したOLEDデバイス(微小空洞共振器式OLEDデバイス)は、従来技術において開示されている(米国特許第6406801号及び同第5780174号明細書並びに特開平11−288786号公報)。微小空洞共振器式OLEDデバイスでは、一方が半透明である2枚の高反射鏡の間に有機EL要素が配置される。反射鏡は、微小空洞共振器内に配置された有機ELの放出特性を強く変更するファブリ・ペロー微小空洞共振器を形成する。当該空洞共振器の共振波長に相当する波長に近い放出は、半透明鏡を通して増強されるが、その他の波長のものは抑制される。OLEDデバイスに微小空洞共振器を使用すると、放出帯域幅が減少し、放出の色純度が向上することが示されている(米国特許第6326224号明細書)。微小空洞共振器はまた、OLEDデバイスからの放出の角度分布を劇的に変更させる。微小空洞共振器の使用により輝度出力が増強され得るとの示唆もある(Yokoyama, Science, Vol. 256 (1992) p.66; Jordan他、Appl. Phys. Lett. 69, (1996) p. 1997)。しかしながら、報告されている事例のほとんどは、反射鏡の少なくとも一方が四分の一波長スタック(QWS)である。QWSは、各層の厚さが四分の一波長である高屈折率誘電体薄膜と低屈折率誘電体薄膜とを交互に積み重ねてなる多層スタックであり、所望の波長範囲にわたり、高反射率、低透過率及び低吸収率を有するように調節することができる。
図2に、QWSに基づく従来の微小空洞共振器式OLEDデバイスの例の略横断面図を示す。デバイス102には、基板10、半透明反射体としてのQWS18、透明導電性底部電極12、有機EL要素14、及び反射性上部電極16が含まれる。典型的なQWS18は、TiO2:SiO2:TiO2:SiO2:TiO2の形態のものであり、ここでTiO2のn=2.45、SiO2のn=1.5である(R.H. Jordan他、APL 69, 1997 (1996))。
各材料の厚さは、550nmの緑色放出の場合の四分の一波長に相当するそれぞれ56nm及び92nmである。動作に際して、共振波長の550nmに中心を有する狭い帯域の光だけが、QWS層を通り微小空洞共振器式OLEDデバイスから出てくる。放出のピーク高さは、微小空洞共振器を具備しない同等なデバイスと比べ大幅に高くなり得るが、可視波長範囲の全体にわたり積算した総合輝度は、増加する場合としない場合とがある。
一般に、有用な微小空洞共振器効果を達成するためには、非吸収性の誘電体で構築されたQWSが必要であると考えられている。横山他(Science V256, p.66 (1992))は、彼のよく参照される論文に、具体的に、金属鏡の代わりにQWSを使用することを推奨している。しかしながら、QWSは構造が複雑な上、製造コストも高い。共振帯域幅が極めて狭く、その結果、QWSに基づく微小空洞共振器は当該共振波長においては放出ピーク高さを大幅に増加させることができるが、可視波長範囲全体にわたり積算された総合輝度の向上度合いははるかに小さく、実際には、微小空洞共振器を具備しない同等のデバイスより減少してしまう場合もある。さらに、誘電体層は導電性ではない。OLEDデバイスを形成するためには、QWSと当該有機層との間に別個独立した透明導電性電極層を配置する必要がある。このように追加される導電性電極層により、構造体が一層複雑となる。導電性電極として透明導電性酸化物を使用した場合、電導度が限定されるため、多くのデバイス、特に面積の大きなデバイスでは不十分となり得る。金属薄膜を使用した場合、空洞共振器の構造がはるかに複雑化し、デバイス性能が損なわれることがある。
文献上、QWSを金属鏡に代える試みは、あまり成功していない。Berggrem他(Synthetic Metals 76 (1996) 121)は、Al鏡とCa-Al系半透明鏡を使用して微小空洞共振器を構築したPLEDについて検討している。帯域幅が多少狭くなり、微小空洞共振器効果が示唆されたが、微小空洞共振器を具備したデバイスの外部量子効率は、微小空洞共振器を具備しない同等なデバイスと比べ3分の1になった。
高田他(Appl. Phys. Lett. 63, 2032 (1993))は、半透明(36nm)Agカソードと250nmのMgAgアノードを使用して微小空洞共振器式OLEDデバイスを構築している。角度分布の変化及び放出帯域幅の縮小が観測されたが、放出強度は、非空洞共振器タイプと比べて有意に低下した。著者は、単純な平面空洞共振器と放出スペクトルの幅広い放出色素との組合せでは、微小空洞共振器内に光を閉じ込めるのに十分ではないと結論付け、新規の空洞共振器構造の開発を奨励した。
Jean他(Appl. Phys. Lett., Vol. 81, (2002) 1717)は、100nmのAlをアノードとし、30nmのAlを半透明カソードとして使用して微小空洞共振器構造を構築したOLED構造について検討している。強い微小空洞共振器効果により放出帯域幅が狭くなり、角度依存性の変化が観察されたが、輝度効率の向上については一切提案されなかった。実際、デバイスの放出帯域幅が極端に狭いことから判断すると、輝度効率は低下した可能性が非常に高い。
欧州特許出願公開第1154676号明細書に、光反射性材料からなる第1電極と、有機発光層と、半透明反射層と、透明材料からなる第2電極とを有する、空洞共振器構造を形成する有機ELデバイスが記載されている。その目的は、広範囲の視角にわたり十分な色再現範囲を達成することであった。その目的は、微小空洞共振器効果を低下させることで放出帯域幅を拡大することにより達成された。複数の反射により共振波長放出が増強されることが示唆されているが、その示唆を裏付ける実際の又は模擬のデータは一切ない。すべての実施例でCr反射性アノードが使用されている。本発明のモデル計算が示すように、Crのような低反射率アノードを使用した場合、輝度の増強はほとんど期待できない。
Lu他(Appl. Phys. Lett. Vol. 81, 3921 (2002))に、微小空洞共振器効果によって性能が向上したと著者等が主張する上面発光型OLEDデバイスが記載されている。しかしながら、彼等の性能データは、微小空洞共振器に特徴的な角度依存性をほとんど示していない。分光データは一切示されていないが、底面発光型構造と上面発光型構造との間の色座標の相同性から、微小空洞共振器式OLEDデバイスにおいて予測される帯域幅縮小効果もほとんどないことが示唆される。実際、本発明者らのモデル計算により、彼等の構造体では有意な微小空洞共振器効果は得られないことが確認された。したがって、観測された放出増強は、非微小空洞共振器式OLEDデバイスにおいて典型的に見られる通常の適当な干渉効果の結果である可能性が非常に高い。放出増強の大きさは非常に小さく、また色質の向上もなかった。著者等はまた、高反射率アノードと透明カソードを使用することによって最良の効率が達成されることを示唆しているが、後者は明らかに本発明の教示に反するものである。
米国特許第6406801号明細書 米国特許第5780174号明細書 特開平11−288786号公報 米国特許第6326224号明細書 欧州特許出願公開第1154676号明細書 M. Berggren他、「Polymer light-emitting diodes placed in microcavities」、Synthetic Metals、第76巻、第121-123頁、1996年 R.H. Jordan他、「Efficiency enhancement of microcavity organic light emitting diodes」、Appl. Phys. Letter、第69巻、第14号、第1997-1999頁、1996年9月30日 Noriyuki Takada他、「Control of emission characteristics in organic thin-film electroluminescent diodes using an optical-microcavity structure」、Appl. Physics Letter、第63巻、第15号、第2032-2034頁、1993年10月11日 H. Yokoyama、「Physics and device applications of optical microcavities」、Science、第256巻、第66-70頁、1992年4月3日
本発明の目的は、輝度効率及び色質を改良した微小空洞共振器式OLEDデバイスを提供することにある。
本発明の別の目的は、容易に製造することができる微小空洞共振器式OLEDデバイスを提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、電力損を減らすため内部直列抵抗の低い微小空洞共振器式OLEDデバイスを提供することにある。
上記の目的は、
(a)基板、
(b)該基板の一表面上に配置された金属底部電極層、
(c)該金属底部電極層の上に配置された有機EL要素、及び
(d)該有機EL要素の上に配置された金属上部電極層
を含んで成る微小空洞共振器式OLEDデバイスであって、該金属電極層の一方が半透明であり、その他方が実質的に不透明かつ反射性であり、該不透明かつ反射性である金属電極層の材料がAg、Au、Al又はこれらの合金から選択され、該半透明である金属電極層の材料がAg、Au又はこれらの合金から選択され、そして該半透明である金属電極層の厚さ及び該発光層の位置が、該微小空洞共振器式OLEDデバイスの発光出力が該微小空洞共振器を具備しない同等なデバイスよりも高くなるように選定されている、ことを特徴とする微小空洞共振器式OLEDデバイスを提供することによって達成される。
本発明の別の態様として、該微小空洞共振器の外側に、該半透明である金属電極層に隣接するように高屈折率吸収低減層を配置することにより、微小空洞共振器式OLEDデバイスの性能が一層向上する。
該金属底部電極層を半透明のものにすることができ、その場合、本発明による微小空洞共振器式OLEDデバイスは底面発光型となる。別態様として、該金属上部電極を半透明のものにすることができ、その場合には、本発明による微小空洞共振器式OLEDデバイスは上面発光型となる。
該金属底部電極をアノードとし、かつ、該金属上部電極をカソードとすることができる。別態様として、該金属底部電極をカソードとし、かつ、該金属上部電極をアノードとすることができる。いずれの場合にしても、正孔注入層及び正孔輸送層がアノード側に、そして電子注入層及び電子輸送層がカソード側にそれぞれ近くなるように、有機EL要素を適宜配向させる。
本発明による微小空洞共振器式OLEDデバイスは、間に挟まれた複数の層の全光学厚によって決まる共振波長を有する。有機EL要素を起源とし微小空洞共振器式OLEDデバイスから出てくる放出は、当該共振波長の近くでは増強され、その他の部分では抑制されるため、放出帯域幅は狭くなる。微小空洞共振器効果はまた、OLEDデバイスからの放出光の角度分布を変化させる。従来型の非微小空洞共振器式OLEDデバイスでは、有機EL要素が放出した光の約80%が有機層と基板とにトラップされる。微小空洞共振器を具備すると、このようにトラップされる光の百分率が、角度分布の変化により減少し、当該デバイスからの光出力が高くなる。輝度向上の利益は、QWSに基づく微小空洞共振器式OLEDデバイスでは報告されているが、金属鏡だけに基づく微小空洞共振器式OLEDデバイスとして顕著な輝度向上を達成したという報告はまだない。
従来技術の教示や失敗に終わった試みに鑑みると、広範囲にわたるモデル化及び実験作業を通して、高性能微小空洞共振器式OLEDデバイスを金属鏡だけで実際に製造できたことは、まったく意外な発見であった。反射性金属電極と半透明金属電極の両方についてその材料選択が重要であること、そして該半透明金属電極の厚さもまた重要であることを見出した。反射性電極としては、Ag、Au、Al及びこれらの合金(これらの金属の少なくとも1種が50原子%以上含まれる合金)をはじめとするわずかな種類の金属しか、好適には使用されない。その他の金属を使用すると、微小空洞共振器効果による、輝度出力向上及び色質改善という利益がはるかに減少する。同様に、半透明電極についても、Ag、Au、Al及びこれらの合金をはじめとするわずかな種類の材料しか、好適には使用されない。半透明電極の厚さ範囲も限定される。層が薄すぎると有意な微小空洞共振器効果が得られず、また層が厚すぎると輝度出力が低下する。さらに、微小空洞共振器内における発光層の位置も、輝度出力に強い影響を及ぼすので、最適化する必要がある。
金属鏡は、QWSより構造が簡素であり、加工製作が容易である。電極としても機能する2枚の金属鏡を使用するので、別個独立の透明導電性電極を使用する必要がない。半透明金属電極のシート導電率は、従来技術で使用されている透明導電性電極よりもはるかに高くなり得る。導電率の向上は、特にデバイス面積が大きい場合、OLEDデバイスにおける抵抗損を減少させる。適切に設計された金属鏡を使用した放出帯域幅は、QWSを使用して得られるものより広くなるため、輝度出力が増加する。その一方、放出帯域幅はなお、優れた色質を提供するに十分な狭さを維持する。
金属電極として好適な材料のすべてが良好な電荷注入性を提供するわけではないため、有機EL要素は、アノードに隣接する正孔注入層及び/又はカソードに隣接する電子注入層を含むことが好ましい。正孔注入層として使用するのに好適な材料には、譲受人共通の米国特許第4720432号明細書に記載されているポルフィリン系化合物や、譲受人共通の米国特許第6208075号明細書に記載されているプラズマ蒸着フルオロカーボンポリマーが含まれる。有機ELデバイスにおいて有用であることが報告されている別の正孔注入材料が、欧州特許出願公開第0891121号及び同第1029909号明細書並びにTokito他のJ. Phys. D. Vol. 29 (1996) 2750に記載されている。米国特許第5608287号、同第5776622号、同第5776623号、同第6137223号及び同第6140763号明細書に記載されているものをはじめとする電子注入層を使用することもでき、これらの記載事項を本明細書の一部とする。電子注入層としては、アルカリ金属及びアルカリ金属ドープ型電子輸送性材料、例えばLi又はCsドープ型Alq、を有効に使用することもできる。
場合によっては、金属電極に使用される材料が、化学的相互作用、電気移動その他の原因で、OLEDデバイスを不安定化させてしまうことがある。このような不安定化を防止するため、適当なバリヤ層を使用することができる。ここでもまた、良好な電子又は正孔注入層が存在することにより、このような目的に対する材料選択の幅が広がる。
有機EL要素は少なくとも1層の発光層を有するが、通常は、それが複数の層を含む。有機EL要素の一例は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層を含むことができる。これらの層の中には、省略できるもの、又は合体できるものもある。有機EL要素は、低分子型OLED材料に基づくものであっても、高分子型OLED材料に基づくものであってもよい。高分子型OLED材料に基づくデバイスはPLEDと称されることが多い。
本発明によると、微小空洞共振器の共振波長を調整するために、有機EL要素の厚さを変化させることができる。さらに、微小空洞共振器の共振波長を調整するための追加的手段として、透明導電性スペーサ層を使用することができる。透明導電性スペーサ層は、金属電極の一方と有機EL要素との間に配置することができる。該スペーサ層は、放出光に対して透明であること、そして当該金属電極と有機EL要素との間で電荷キャリヤを搬送するように導電性であること、が必要である。薄膜貫通電導度のみが重要であるため、バルク抵抗率としては約108Ω-cm未満であれば十分である。例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、亜鉛錫酸化物(ZTO)、酸化錫(SnOx)、酸化インジウム(InOx)、酸化モリブデン(MoOx)、酸化テルル(TeOx)、酸化アンチモン(SbOx)及び酸化亜鉛(ZnOx)のような多くの金属酸化物を使用することができる。
図3−aに、本発明による底面発光型微小空洞共振器式OLEDデバイス103aの略横断面図を示す。微小空洞共振器式OLEDデバイス103aは、基板10、半透明金属底部アノード12T(層)、透明導電性スペーサ層20、有機EL要素14、及び反射性金属上部カソード16Rを含む。2枚の金属電極が微小空洞共振器の反射鏡として機能する。発生した光は半透明金属底部アノード12T及び基板10を通して放出されるので、基板10は透明でなければならず、そしてガラス又はプラスチックから選択することができる。反射性金属上部カソード16R及び半透明金属底部アノード12Tは、どちらもAg、Au、Al又はこれらの合金の中から選ばれる。反射性金属上部カソード16Rの厚さは、それが実質的に不透明かつ反射性となるように、光学濃度が1.5以上となるように選定される。半透明金属底部アノード12Tの厚さは、当該微小空洞共振器式OLEDデバイス103aからの所定の波長における輝度出力が最適化されるように選定される。好適な厚さは、当該アノード及び当該カソードとして選ばれた材料に依存する。有機EL要素14は、少なくとも発光層14cを含み、そして1又は2以上の追加層、例えば正孔注入層14a(図示なし)、正孔輸送層14b、電子輸送層14d及び電子注入層14e(図示なし)を含むことができる。これらの層の詳細な説明については後述する。有機EL要素14の全体の厚さは、当該デバイスから放出されるべき所定の波長において微小空洞共振器式OLEDデバイス103aが共振を起こすように選定される。当該厚さは下記の方程式を満たす。
Figure 2004228082
上式中、ni及びLiは、それぞれ有機EL要素14における第n番目の二次層の屈折率及び厚さであり、ns及びLsは、それぞれ透明導電性スペーサ層20の屈折率及び厚さであて0であってもよいものであり、Qm1及びQm2は、2つある有機EL要素/金属電極界面におけるそれぞれの位相シフト(単位ラジアン)であり、λは、当該デバイスから放出されるべき所定の波長であり、そしてmは負でない整数である。mは、実用上小さいことが好ましく、典型的には2未満である。
金属電極間の全厚が、微小空洞共振器の共振波長を決定する上で最も重要な因子である。しかしながら、共振波長、特に共振の強さ(したがって当該デバイスの効率となる)はまた、発光層と2つの電極の各々との間の距離にも左右される。具体的には、デバイス性能を最適化するためには、反射性金属上部カソード16Rと発光層(の中心)との間の距離が下記の方程式をおよそ満たすことが必要である。
Figure 2004228082
上式中、ni及びLiは、それぞれ有機EL要素14における第n番目の二次層の屈折率及び厚さであり、Qm1は、有機EL要素/金属カソード界面における位相シフト(単位ラジアン)であり、λは、当該デバイスから放出されるべき所定の波長であり、そしてmDは負でない整数である。方程式1とは対照的に、ここでの合計値は、発光層(の中心)と反射性金属上部カソード16Rとの間にある層についてのみである。透明導電性スペーサ層20が金属電極間に配置される場合には、その厚さを含めるべきである。半透明金属底部アノード12Tと発光層との間の距離についても類似の方程式を記述することができる。しかしながら、この第3の方程式は、方程式1と方程式2を満たすことにより満たされることが保証されるので、追加の制約が付与されることは一切ない。
半透明金属底部アノード12Tによる光吸収を可能な限り低くすることが望まれるので、半透明金属底部アノード12Tと基板10との間に吸収低減層22を追加することが有用である(後述する実施例においてさらに説明する)。吸収低減層の目的は、半透明金属底部アノード12T自体の内部で光波によって生じる電界(すなわち光波の吸収)を低減することである。良好な近似として、この結果は、この吸収低減層22と基板10の間の界面で反射して返される光波の電界で、当該デバイスを通過して出てくる光の電場を弱め合うように干渉させ、すなわち部分的に相殺させることにより、最良に達成される。その場合、基本的な光学的考慮により、下記の方程式がおよそ満たされる時に(吸収低減層の屈折率が基板より高い場合に)このことが起こることが示唆される。
Figure 2004228082
上式中、nA及びLAは、それぞれ吸収低減層の屈折率及び厚さであり、nT及びLTは、それぞれ半透明金属底部アノードの屈折率実部及び厚さであり、そしてmAは負でない整数である。mAは、実用上小さいことが好ましく、通常は0、典型的には2未満である。デバイス構成の別態様として、半透明金属底部アノード12Tがカソードであり、かつ、金属上部電極16Rがアノードであってもよい。このような場合、有機EL要素14は、正孔注入層及び正孔輸送層がアノード側に、そして電子注入層及び電子輸送層がカソード側にそれぞれ近くなるように、適宜配向される。
微小空洞共振器を利用してOLEDデバイスの出力を増強する上での本発明の有効性については下記の実施例において実証する。理論的予測に基づく例では、所与のデバイスにより得られる電場発光(EL)スペクトルを、平面多層形デバイスにおけるランダム配向の放出ダイポールについてマクスウェル方程式を解く光学モデルを使用して予測する(O.H. Crawford, J. Chem. Phys. 89, 6017 (1988); K.B. Kahen, Appl. Phys. Lett. 78, 1649 (2001))。ダイポール放出スペクトルは、多くの場合、波長とは無関係であると仮定されているので、微小空洞共振器の特性自体を研究することができる。その他の場合、ダイポール放出スペクトルは、発光体のフォトルミネセンス(PL)スペクトル測定値によって与えられるものと仮定され、2〜3ナノメートルの小さな青シフトを含む。この放出は、正孔輸送層に接する発光層の最初の10nmにおいて均一に起こるものと仮定される。各層について、モデルでは、分光エリプソメトリーで測定するか又は文献値を採用した波長依存性複素屈折率を使用する(Handbook of Optical Constants of Solids, E.D. Palik編 (Academic Press, 1985); Handbook of Optical Constants of Solids II, E.D. Palik編 (Academic Press, 1991); CRC Handbook of Chemistry and Physics, 83, D.R. Lide編 (CRC Press, Boca Raton, 2002))。ELスペクトルが得られたら、当該スペクトルのCIE色度及び輝度(一定率まで)を計算することは簡単である。ELスペクトル予測値とELスペクトル測定値との対比を多数行ったところ、当該モデル予測が非常に正確であることが確認された。
例1
例1では、本発明による図3−aに示したような底部発光型微小空洞共振器式OLEDデバイス103aの輝度出力の理論予測値を、下記の2種の比較用デバイスと比較する。
(a)微小空洞共振器を具備しないOLEDデバイス103b
(b)微小空洞共振器の反射鏡の一方にQWSを使用した微小空洞共振器式OLEDデバイス103c
図3−bに示したOLEDデバイス103bは、構成上、半透明金属底部アノード12TであるAgアノードを透明導電性ITOアノード12aに置き換えたことを除き、微小空洞共振器式OLEDデバイス103aと同等とした。このデバイスは、微小空洞共振器を具備しないOLEDデバイスを代表するものであるが、多層形デバイスにおいては常に多少の光学干渉効果が存在している。
図3−cに示したOLEDデバイス103cは、構成上、基板10と透明導電性ITOアノード12aの間にQWS反射鏡18を配置したことを除き、OLEDデバイス103bと同等とした。このQWS反射鏡18は、TiO2:SiO2:TiO2:SiO2:TiO2の形態のものであり、ここでTiO2のn=2.45、SiO2のn=1.5である。TiO2の厚さは56nmとし、そしてSiO2の厚さは92nmとした(R.H. Jordan他、APL 69, 1997 (1996)に従う)。このデバイスは、典型的なQWS系微小空洞共振器式OLEDデバイスを代表するものである。
これら3種のデバイスのすべてにおいて、基板10はガラスとした。反射性金属上部カソード16Rは、400nmのAg層とした。有機EL要素14は、NPB系正孔輸送層14b、10nmの発光層14c及びAlq系電子輸送層14dを含むものと仮定した。発光層14cの出力に波長依存性はないものと仮定した。このように仮定することにより、発光体の個別具体的特性とは無関係に微小空洞共振器の特性自体を評価することが容易となり、当該結論を一般的にいずれの発光体に対しても適用することができる。しかしながら、波長依存性のない発光体を使用すると、微小空洞共振器の有利な効果が過小評価される。透明導電性スペーサ層20の厚さは、3種すべてのデバイスについて0であると仮定した。
すべての層の厚さを、各デバイスの輝度出力が最大となるように最適化した。輝度出力は、可視波長範囲380nm〜780nmの全域にわたり積算した。
計算結果を表1にまとめた。これらの結果は、半透明反射鏡としてQWSを使用した微小空洞共振器式OLEDデバイス103cでは、微小空洞共振器を具備しないOLEDデバイス103bと比較して、実際に輝度出力が増大し、かつ、放出帯域幅(半値全幅FWHM)が狭くなったことを示している。輝度値は0.239(任意単位)から0.385へと向上した。しかしながら、Ag反射鏡だけを使用した微小空洞共振器式OLEDデバイス103aでは、ピーク輝度高さが微小空洞共振器式OLEDデバイス103cの半分以下であったにもかかわらず、意外にも、輝度出力(0.425)が一層良好になることを示した。全Ag型微小空洞共振器式OLEDデバイス103aの放出帯域幅は、QWSを具備したOLEDデバイス103cよりはるかに大きくなったが、それでも良好な色純度を得るには十分な小ささであった。
Figure 2004228082
例2
例2は、吸収低減層22による有利な効果を例証するものである。
図3−dに、底面発光型微小空洞共振器式OLEDデバイス103dの略横断面図を示す。微小空洞共振器式OLEDデバイス103dは、構成上、基板10と半透明金属底部アノード12Tの間に吸収低減層22を配置したことを除き、微小空洞共振器式OLEDデバイス103aと同等とした。本例では、吸収低減層22としてITOを選んだ。本発明者の計算によると、輝度出力を高める上での吸収低減層22の効果は、より高い屈折率の材料を使用した場合に向上するであろうことが示された。例4から明らかなように、輝度出力は、吸収低減層22が、ガラスではなく、直に空気に接している場合にも向上し得る。例1の場合と同様に、すべての層の厚さを最適化した。計算結果を表2にまとめた。吸収低減層22を挿入したことにより、全Ag型微小空洞共振器式OLEDデバイス103aの輝度出力が、約0.425から約0.453へ増大したことがわかる。
Figure 2004228082
例3
例3では、本発明による上部発光型微小空洞共振器式OLEDデバイス104aの輝度出力の理論予測値を、下記の2種の比較用デバイスと比較する。
(a)微小空洞共振器を具備しないOLEDデバイス104b
(b)微小空洞共振器の反射鏡の一方にQWSを使用した微小空洞共振器式OLEDデバイス104c
図4−aに、本発明による上部発光型微小空洞共振器式OLEDデバイス104aの一例の略横断面図を示す。微小空洞共振器式OLEDデバイス104aは、ガラス基板10、反射性Agアノード12R、透明導電性スペーサ層20、有機EL要素14及び半透明Agカソード16Tを含む。
図4−bに示したOLEDデバイス104bは、構成上、半透明Agカソード16Tを、50nm以上の厚さが要求される透明導電性ITOカソード16aに置き換えたことを除き、微小空洞共振器式OLEDデバイス104aと同等とした。デバイス内に反射鏡が1枚しかないので、OLEDデバイス104bは、微小空洞共振器を具備しないOLEDデバイスを代表するものであるが、多層形デバイスにおいては、特にITOカソードと空気との界面において、常に多少の光学干渉効果が存在している。
図4−cに示したOLEDデバイス104cは、構成上、50nm以上の厚さが要求される透明導電性ITOカソード16aの上にQWS反射鏡18を配置したことを除き、OLEDデバイス104bと同等とした。このQWS反射鏡18は、TiO2:SiO2:TiO2:SiO2:TiO2の形態のものであり、ここでTiO2のn=2.45、SiO2のn=1.5である。TiO2の厚さは56nmとし、SiO2の厚さは92nmとした(R.H. Jordan他、APL 69, 1997 (1996)に従う)。このデバイスは、典型的なQWS系微小空洞共振器式OLEDデバイスを代表するものである。
これら3種のデバイスのすべてにおいて、反射性アノード層12Rは400nmのAg層とした。有機EL要素14は、NPB系正孔輸送層14b、10nmの発光層14c及びAlq系電子輸送層14dを含むものと仮定した。発光層14cの出力に波長依存性はないものと仮定した。このように仮定することにより、発光体の個別具体的特性とは無関係に微小空洞共振器の特性自体を評価することが容易となり、当該結論を一般的にいずれの発光体に対しても適用することができる。透明導電性スペーサ層20はITO製とした。すべての層の厚さを、各デバイスの輝度出力が最大となるように最適化した。輝度出力は、可視波長範囲380nm〜780nmの全域にわたり積算した。
Figure 2004228082
表3に、これら3種のデバイスの計算された特性を示す。反射鏡の一方にQWSを使用した微小空洞共振器式OLEDデバイス104cは、非常に強い微小空洞共振効果を示した。その輝度ピーク高さは、微小空洞共振器を具備しないOLEDデバイス104bの値3.4と比較して、18.9(任意単位)へと大幅に増加した。しかしながら、FWHMがはるかに狭いため、輝度出力全体としては、実際にやや大きくなった程度にすぎなかった。このITOカソードの最小厚を、カソードに要求される導電率を得るため50nmよりさらに大きな値(例えば、100nm)に設定したならば、当該QWS系デバイスはQWSを具備しないデバイスより実際に輝度が低くなる。なぜなら、QWSの空洞共振器厚を当該最低オーダー極大(lowest order maximum)において最適化することができないからである。一方、両方の電極にAgを使用した微小空洞共振器式OLEDデバイス104aは、その他2種の比較用デバイスより、輝度出力が顕著に向上することが示された。
例4
例4は、吸収低減層22による有利な効果を例証するものである。
図4−dに、上面発光型微小空洞共振器式OLEDデバイス104dの略横断面図を示す。微小空洞共振器式OLEDデバイス104dは、構成上、半透明カソード層16Tの上に吸収低減層22を配置したことを除き、微小空洞共振器式OLEDデバイス104aと同等とした。本例では、吸収低減層22の例としてZnS:20%SiO2を選んだ。本発明者の計算によると、輝度出力を高める上での吸収低減層の効果は、より高い屈折率の材料を使用した場合に向上するであろうことが示された。すべての層の厚さを輝度出力に対して最適化した。計算結果を表4にまとめた。吸収低減層22を挿入したことにより、微小空洞共振器式OLEDデバイスの輝度出力が、約0.411から約0.500へ増大したことがわかる。
Figure 2004228082
例5
例5は、反射性金属電極層として使用される各種材料を比較するものである。
表5に、図4−dにより製作したデバイスであるが、反射性金属底部アノード12Rに種々の材料を使用したものの輝度出力の計算値を示す。すべのデバイスについて、半透明カソード層16TはAg薄層とした。有機EL要素14は、NPB系正孔輸送層14b、10nmの発光層14c及びAlq系電子輸送層14dを含むものと仮定した。発光層の出力に波長依存性はないものと仮定した。このように仮定することにより、発光体の個別具体的特性とは無関係に微小空洞共振器の特性自体を評価することが容易となり、当該結論を一般的にいずれの発光体に対しても適用することができる。透明導電性スペーサ層20にはITO層を使用し、また吸収低減層22にはZnS:(20%)SiO2系誘電体層を使用した。NPB正孔輸送層14bを除くすべての層の厚さを、輝度出力が最大となるように最適化した。正孔輸送層14bの厚さは、すべてのデバイスについて、30nmの一定とした。
Figure 2004228082
表5に、種々の反射性アノード材料を使用して製作したデバイスの計算された特性を示す。アノード材料の選択が、デバイスの輝度効率に大きな影響を与えた。アノード材料の反射率と輝度出力との間に直接的な相関があるように見える。反射率が最低であるZrアノードと反射率が最高であるAgアノードとの間には、輝度出力に5倍を超える差があった。MoやZrのような最低反射率アノードの場合には、半透明カソードが存在しないときに最適輝度が得られた。アノードとしてAg、Al、Au及びMgAgを使用した場合を除き、FWHMは非常に大きくなり、しかも微小空洞共振による輝度増強もほとんどなかった。
例6
例6は、カソード材料がデバイス性能に及ぼす影響について例証するものである。
表6−Aに、図4により製作したデバイスであるが、半透明金属上部アノード12Rに種々の材料を使用したものの輝度出力の計算値を示す。すべのデバイスについて、反射性アノード層12Rは400nmのAg層とした。有機EL要素14は、NPB系正孔輸送層14b、10nmの発光層14c及びAlq系電子輸送層14dを含むものと仮定した。発光層の出力に波長依存性はないものと仮定した。このように仮定することにより、発光体の個別具体的特性とは無関係に微小空洞共振器の特性自体を評価することが容易となり、当該結論を一般的にいずれの発光体に対しても適用することができる。透明導電性スペーサ層20にはITO層を使用したが、吸収低減層22は使用しなかった。NPB正孔輸送層14bを除くすべての層の厚さを、輝度出力が最大となるように最適化した。正孔輸送層14bの厚さは、すべてのデバイスについて、30nmの一定とした。また、電子輸送層14dの厚さは20nm以上であるように制限した。後者の制限がないと、最適化アルゴリズムは、電子輸送層について非現実的なほど小さな厚さを選定してしまう。
Figure 2004228082
表6−Aは、半透明カソード16Tの材料選択がデバイス性能に有意な影響を及ぼしたことを示している。半透明カソード16TとしてAu及びAgを使用したデバイスだけが、微小空洞共振増強効果を示した。カソードとして他の材料を使用した場合にはすべて、カソード厚が0であるときに最適性能が得られた。もちろん、これは現実的な場合にはならない。セルを完成させるためにはカソードが必要だからである。
吸収低減層を使用した場合、より多くの材料を半透明カソード16Tとして使用することができる。表6−Bに、表6−Aの場合と同様に製作したデバイスであるが、その半透明カソード16Tの上にZnS:(20%)SiO2系吸収低減層22を追加したものの輝度出力の計算値を示す。すべのデバイスについて、反射性アノード層12Rは400nmのAg層とした。有機EL要素14は、NPB系正孔輸送層14b、10nmの発光層14c及びAlq系電子輸送層14dを含むものと仮定した。発光層の出力に波長依存性はないものと仮定した。このように仮定することにより、発光体の個別具体的特性とは無関係に微小空洞共振器の特性自体を評価することが容易となり、当該結論を一般的にいずれの発光体に対しても適用することができる。透明導電性スペーサ層20にはITO層を使用し、また吸収低減層22にはZnS:(20%)SiO2系誘電体層を使用した。NPB正孔輸送層14bを除くすべての層の厚さを、輝度出力が最大となるように最適化した。正孔輸送層14bの厚さは、すべてのデバイスについて、30nmの一定とした。
Figure 2004228082
表6−Bは、半透明カソード16Tの材料選択がデバイス性能に有意な影響を及ぼしたことを示している。ここでもまた、Ag、Au、MgAg及びAlのような反射率の高い金属が最良の結果を示したが、その反射率との相関は、反射率の比較的高いAlがAu及びMgAgより結果が悪かったことから、さほど強くない。(これは、半透明電極については当該金属の吸光度も重要なパラメータになるためであると理解される。Alの屈折率の虚部は特に大きいため、吸光度が高くなる。)本検討には、半透明反射鏡としてQWSを使用した微小空洞共振器式OLEDデバイスについても含めた。該デバイスは、検討した他のすべての材料より、実際に総輝度量が減少した。ピーク高さは他のすべての材料より有意に高くなるが、FWHMが極端に小さいため、輝度出力は最低となった。
例7a(従来型OLED/比較例)
以下のように従来型の非微小空洞共振器式OLEDを製作した。透明ITO導電層をコーティングした厚さ1mmのガラス基板を、市販のガラススクラバーツールを使用して洗浄し、乾燥した。ITOの厚さは約42nmであり、該ITOのシート抵抗は約68Ω/□である。続いてITO面を酸化的プラズマで処理し、その表面をアノードとして状態調節した。その清浄なITO面上に、RFプラズマ処理室内でCHF3ガスを分解させることによってCFx系フルオロカーボン重合体の厚さ1nmの層を付着させ、正孔注入層とした。次いで、その基板を真空蒸着室内に移送し、該基板上に他のすべての層を付着させた。約10-6トルの真空度下、加熱ボートから昇華させることにより、以下の層を以下の順序で付着させた。
(1)N,N'-ジ(ナフタレン-1-イル)-N,N'-ジフェニル-ベンジジン(NPB)からなる厚さ65nmの正孔輸送層;
(2)トリス(8-ヒドロキシキノリン)アルミニウム(III)(Alq)からなる厚さ75nmの電子輸送層(発光層としても働く);
(3)Liからなる厚さ1nmの電子注入層;及び
(4)Agからなる厚さ約50nmのカソード
これらの層を付着させた後、デバイスを蒸着室から封入用ドライボックス内へ移送した。デバイス完成品の構造を、ガラス/ITO/CFx/NPB(65)/Alq(75)/Li/Agと示す。
この底面発光型デバイスは、20mA/cm2を流すのに7.1Vの駆動電圧を要し、その輝度効率は3.2cd/Aであり、FWHMは108nmであり、そして色座標はCIE-x=0.352、CIE-y=0.550である。20mA/cm2における放出スペクトルを図5に曲線aとして示す。
例7(発明例)
以下のように微小空洞共振器式OLEDを製作した。約4ミリトルのAr圧力下でのDCスパッタ処理により、Agからなる厚さ72nmのアノード層をガラス基板にコーティングした。その清浄なAg面上に、RFプラズマ処理室内でCHF3ガスを分解させることによってCFx系フルオロカーボン重合体の厚さ1nmの層を付着させ、正孔注入層とした。約10-6トルの真空度下、加熱ボートから昇華させることにより、以下の層を以下の順序で付着させた。
(1)N,N'-ジ(ナフタレン-1-イル)-N,N'-ジフェニル-ベンジジン(NPB)からなる厚さ45nmの正孔輸送層;
(2)トリス(8-ヒドロキシキノリン)アルミニウム(III)(Alq)からなる厚さ65nmの電子輸送層(発光層としても働く);
(3)Liからなる厚さ1nmの電子注入層;
(4)Agからなる厚さ約15nmのカソード;及び
(5)Alqからなる厚さ約85nmの吸収低減層
これらの層を付着させた後、デバイスを蒸着室から封入用ドライボックス内へ移送した。デバイス完成品の構造を、ガラス/Ag/CFx/NPB(45)/Alq(65)/Li/Ag/Alqと示す。
この上面発光型デバイスは、20mA/cm2を流すのに6.9Vの駆動電圧を要し、その輝度効率は8.3cd/Aであり、FWHMは56nmであり、そして色座標はCIE-x=0.344、CIE-y=0.617である。20mA/cm2における放出スペクトルを図5に曲線bとして示す。比較例7aの結果と比較して、本発明による微小空洞共振器式デバイスは、輝度出力が顕著に向上し、FWHM帯域幅が狭くなり、しかも色が顕著に改良された。
最後に、この実験結果を、例1〜例6で使用した光学モデルから得られた理論予測と比較することが教訓となる。本例で実際に認められた輝度出力の2.6倍増は、これら2種の構造体の光学モデルから得られる予測増加量である2.57倍と極めて一致している。さらに、これら2種の構造体間のFWHM帯域幅の変化及びCIE色座標の変化についても、当該光学モデルによって、かなりの正確度で予測される。
従来型OLEDデバイスの略横断面図である。 QWSに基づく従来の微小空洞共振器式OLEDデバイスの略横断面図である。 Ag電極だけを使用した本発明による底面発光型微小空洞共振器式OLEDデバイスの略横断面図である。 微小空洞共振器を具備しない底面発光型微小空洞共振器式OLEDデバイスの略横断面図である。 QWSに基づく底面発光型微小空洞共振器式OLEDデバイスの略横断面図である。 本発明による吸収低減層を具備した底面発光型微小空洞共振器式OLEDデバイスの略横断面図である。 Ag電極だけを使用した本発明による上面発光型微小空洞共振器式OLEDデバイスの略横断面図である。 微小空洞共振器を具備しない上面発光型微小空洞共振器式OLEDデバイスの略横断面図である。 QWSに基づく上面発光型微小空洞共振器式OLEDデバイスの略横断面図である。 本発明による吸収低減層を具備した上面発光型微小空洞共振器式OLEDデバイスの略横断面図である。 微小空洞共振器を具備しないOLEDデバイスと本発明による微小空洞共振器式OLEDデバイスとを対比した放出スペクトルである。
符号の説明
10…基板
12a…透明導電性アノード
12T…半透明金属底部アノード
14…有機EL要素
14b…正孔輸送層
14c…発光層
14d…電子輸送層
16R…反射性金属上部カソード
16T…半透明カソード
18…QWS
20…透明導電性スペーサ層
22…吸収低減層

Claims (14)

  1. (a)基板、
    (b)該基板の一表面上に配置された金属底部電極層、
    (c)該金属底部電極層の上に配置された有機EL要素、及び
    (d)該有機EL要素の上に配置された金属上部電極層
    を含んで成る微小空洞共振器式OLEDデバイスであって、該金属電極層の一方が半透明であり、その他方が実質的に不透明かつ反射性であり、該不透明かつ反射性である金属電極層の材料がAg、Au、Al又はこれらの合金から選択され、該半透明である金属電極層の材料がAg、Au又はこれらの合金から選択され、そして該半透明である金属電極層の厚さ及び該発光層の位置が、該微小空洞共振器式OLEDデバイスの発光出力が該微小空洞共振器を具備しない同等なデバイスよりも高くなるように選定されている、ことを特徴とする微小空洞共振器式OLEDデバイス。
  2. 該金属電極層の両方がAgであり、かつ、該半透明電極層の厚さが10nm〜30nmの範囲内にある、請求項1に記載の微小空洞共振器式OLEDデバイス。
  3. 該金属底部電極層が半透明であり、かつ、当該光が該基板を通して放出される、請求項1に記載の微小空洞共振器式OLEDデバイス。
  4. 該半透明金属底部電極層と該基板の間に配置された高屈折率吸収低減層をさらに含む、請求項3に記載の微小空洞共振器式OLEDデバイス。
  5. 該吸収低減層の屈折率が1.6より高い、請求項4に記載の微小空洞共振器式OLEDデバイス。
  6. 該半透明金属底部電極層と該有機EL要素の間又は該有機EL要素と該金属上部電極層の間に配置された透明導電性スペーサ層をさらに含む、請求項3に記載の微小空洞共振器式OLEDデバイス。
  7. 該吸収低減層の厚さが下記方程式をおよそ満たす、請求項4に記載の微小空洞共振器式OLEDデバイス。
    2nAA+nTT=(mA+1/2)λ
    上式中、nA及びLAは、それぞれ吸収低減層の屈折率及び厚さであり、nT及びLTは、それぞれ半透明金属電極の屈折率実部及び厚さであり、そしてmAは負でない整数である。
  8. 該金属上部電極層が半透明であり、かつ、当該光が該半透明金属上部電極層を通して放出される、請求項1に記載の微小空洞共振器式OLEDデバイス。
  9. 該半透明上部電極層の上に配置された高屈折率吸収低減層をさらに含む、請求項8に記載の微小空洞共振器式OLEDデバイス。
  10. 該吸収低減層の屈折率が1.6より高い、請求項9に記載の微小空洞共振器式OLEDデバイス。
  11. 該吸収低減層の厚さが下記方程式をおよそ満たす、請求項8に記載の微小空洞共振器式OLEDデバイス。
    2nAA+nTT=(mA+1/2)λ
    上式中、nA及びLAは、それぞれ吸収低減層の屈折率及び厚さであり、nT及びLTは、それぞれ半透明金属電極の屈折率実部及び厚さであり、そしてmAは負でない整数である。
  12. 該反射性金属底部電極層と該有機EL要素の間又は該有機EL要素と該金属上部電極層の間に配置された透明導電性スペーサ層をさらに含む、請求項8に記載の微小空洞共振器式OLEDデバイス。
  13. 該底部電極層がアノードであり、かつ、該上部電極層がカソードである、請求項1に記載の微小空洞共振器式OLEDデバイス。
  14. 該底部電極層がカソードであり、かつ、該上部電極層がアノードである、請求項1に記載の微小空洞共振器式OLEDデバイス。
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