JP2004227999A - 機器用コネクタの取付け構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ハウジング21をシールドケース11に固定するためのボルト48は、取付孔15に対するシールド電線42の貫通方向と略直角な方向に軸線を向けているので、ボルト48をねじ込んだときにハウジング21が連れ回りしたとしても、そのハウジング21の変位方向は取付孔15に対するシールド電線42の貫通方向(シールド電線42の軸線P)とほぼ同じ方向となる。したがって、シールリング30の潰れ量が周方向において不均一になる虞がなく、ボルト48の締付け動作に起因してシールリング30のシール性が低下する虞はない。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、防水機能を備えた機器用コネクタの取付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、防水機能を備えた機器用コネクタとしては、電線の端末部をハウジングに保持させ、そのハウジングを機器のケースに開口させた取付孔に嵌合し、電線の端末に固着した電線側端子を、ケース内の機器側端子に接続するようにしたものがある。この機器用コネクタにおいてハウジングをケースに固定する方法としては、ハウジングにボルト孔を形成し、このボルト孔に貫通させたボルトをケース側に設けた雌ネジ孔に螺合させて締め付ける構造がとられている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−026093号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにハウジングをボルトによってケースに固定する機器用コネクタにおいてケース内の防水を図る方法として、ハウジングの外周と取付孔の内周との隙間をシールリングでシールする手段が考えられる。
この場合、ボルトは取付孔から径方向外側にずれた位置で締め付けられ、また、ハウジングの外周と取付孔の内周との間には寸法公差分のクリアランスが空けられるのであるが、従来では、ボルトの締付け方向が取付孔の貫通方向とほぼ平行な方向となっていた。そのため、ボルトを締め付けたときに、ハウジングが、微小角度ではあるものの連れ回りして取付孔内で径方向に変位し、その結果、シールリングの潰れ量が周方向において不均一となり、良好なシール性が得られなくなることが懸念される。
【0005】
本願発明は上記事情に鑑みて創案され、ボルトの締付けに起因してシール性能が低下するのを防止することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、機器のケースに開口させた取付孔にハウジングを嵌合することで、前記ハウジングに保持された電線を前記取付孔に貫通させ、前記電線の端末に固着した電線側端子を前記ケース内に設けた機器側端子に接続し、前記ハウジングの外周と前記取付孔の内周との間をシールリングによりシールし、前記ハウジングをボルト締めにより前記ケースに固定するようにした機器用コネクタの取付け構造であって、前記ケースに設けたブラケットと前記ハウジングに設けた取付部とを面当たり状態で重ね、前記取付孔に対する前記電線の貫通方向と略直角な方向に軸線を向けた前記ボルトの締付けにより、前記ブラケットと前記取付部とを固定し、前記ブラケットと前記取付部の互いに当たり合う当接面を、前記電線の軸線を含む平面上に位置させた構成とした。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ハウジングをダイキャスト製とした構成とした。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、前記ケース及び前記ハウジングは金属製とされることでシールド機能を有しており、前記ハウジングに、前記電線による導電経路のうち前記ハウジング外に配索された領域をシールドするシールド部材を導通可能に接続した構成とした。
【0008】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記ハウジングは、複数の筒状保持部と、この複数の筒状保持部の端部を一体化させた形態であって前記取付孔への嵌合を可能とされた嵌合部とを有し、前記電線は、導体を包囲するシールド層を備えたシールド電線とされ、複数本の前記シールド電線を、夫々、前記筒状保持部内に保持するとともに、前記シールド層を前記筒状保持部に対して導通可能に接続した構成とした。
【0009】
【発明の作用及び効果】
[請求項1の発明]
ハウジングをケースに固定するためのボルトは、取付孔に対する電線の貫通方向と略直角な方向に軸線を向けているので、ボルトをねじ込んだときにハウジングが連れ回りしたとしても、そのハウジングの変位方向は取付孔に対する電線の貫通方向とほぼ同じ方向となる。したがって、シールリングの潰れ量が周方向において不均一になる虞がなく、ボルトの締付け動作に起因してシールリングのシール性が低下する虞はない。
【0010】
また、ブラケットと取付部の互いに当たり合う当接面、即ちボルト締め箇所が電線の軸線からずれている場合(例えば、電線の軸線が前後方向であって、当接面がそれよりも上方に位置する水平面である場合)には、電線のうちハウジングから導出された部分に対して上下方向の外力が付与されたときに、当接面(ボルト締め箇所)を略支点としてハウジングを概ね前後方向に揺動させようとするモーメント力が生じ、ハウジングが傾きつつ概ね前後方向に変位することが懸念される。しかし、本発明では、ブラケットと取付部の当接面(ボルト締め箇所)が電線の軸線を含む平面上に位置するので、電線に外力が付与されたとしても、ハウジングを概ね前後方向に揺動させようとするモーメント力は殆ど発生せず、ハウジングの傾きや変位を回避することができる。
【0011】
[請求項2の発明]
ハウジングはダイキャスト製なので強度及び剛性に優れている。これにより、電線に外力が付与されたときに、ハウジングの取付部が変形することに起因してハウジングが揺動することが確実に防止される。
[請求項3の発明]
電線による導電経路のうちハウジング外に配索された領域はシールド手段によってシールドされ、電線のうちハウジングを貫通する領域はハウジングによってシールドされ、電線のうちケースの内部に収容された領域はケースによってシールドされる。シールド部材とハウジングは、取付部とブラケットとの当接によってケースに対して導通可能に接続されているので、電線による導電経路を確実にシールドすることができる。
【0012】
[請求項4の発明]
複数本のシールド電線を1つのハウジングにより導通可能に保持したので、1本のシールド電線を1つのハウジングで保持して各ハウジングを個別に取付孔に嵌合する構造に比べると、取付孔に対する嵌合の作業性がよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
[実施形態1]
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図6を参照して説明する。
機器10は、金属製のシールドケース11(本発明の構成要件であるケース)の内部に機器本体12と、この機器本体12に設けられた複数(本実施形態では3つ)の機器側端子13とを収容したものである。機器側端子13は左右(水平)に一定ピッチで並列して配置され、各機器側端子13の先端部には、夫々、上下方向に貫通するボルト孔14が貫通されている。また、シールドケース11の側壁には、3つの機器側端子13と対応する横長の略長円形若しくは略楕円形をなす取付孔15が前後方向に貫通して形成されている。さらに、シールドケース11の外壁面からは、取付孔15を挟んでその左右両側に位置する一対のブラケット16が突出されている。ブラケット16はシールドケース11と一体に形成され、各ブラケット16の上面は水平且つ平坦な当接面16Sとなっていて、その一対のブラケット16の当接面16S同士は互いに同じ高さに位置している。また、各ブラケット16には、夫々、上下方向に貫通するとともに当接面16Sに開口された雌ネジ孔17が形成されている。
【0014】
機器用コネクタ20は、ハウジング21と、機器側端子13と同数(本実施形態では3つ)の電線側端子38とを備えており、ハウジング21は電線側端子38と同数のシールド電線42(本発明の構成要件である電線)の端末部(前端部)を保持し、各電線側端子38は、夫々、シールド電線42の端末部に固着されている。
ハウジング21は、アルミダイキャスト製のものであって、軸線を前後方向に向けた円形をなす3つ(電線側端子38と同数)の筒状保持部22を有する。3つの筒状保持部22は、機器側端子13と対応するように左右(水平)に一定ピッチで並べられている。各筒状保持部22の前後に貫通する中心孔のうち、前端部は円形の小径部23Fとされ、後端部は小径部23Fと同軸の大径部23Rとされ、小径部23Fと大径部23Rとの間はその両両径部23F,23Rと同軸の中径部23Cとされている。
【0015】
中径部23C内には、金属製の円筒形をなすカシメ筒24が、中径部23Cの内周に沿った状態(中径部23Cの内周面に面接触する状態)で収容されている。カシメ筒24は、その前端を小径部23Fと中径部23Cとの境界の段差部に対して後方から当接させることで前止まりされている。このカシメ筒24の前端部には、円筒形のストッパ25が小径部23Fと中径部23Cとの境界の段差部に後方から当接した状態で内嵌されている。大径部23Rにおける略前半部分には、円筒形のゴム栓26が装着されている。ゴム栓26は、大径部23Rと中径部23Cとの境界の段差部に対して後方から当接することにより前止まりされているとともに、大径部23Rの内周面に密着されている。また、ゴム栓26は、大径部23Rの後端に嵌着した円筒形のホルダ27によって後方への抜けを規制されている。
【0016】
上記3つの筒状保持部22は、その前端部(小径部23Fと対応する領域)において一体連なった形態とされており、この一体化された部分は、機器10の取付孔15と整合する形態、即ち横長の略楕円形(略長円形)をなす嵌合部28となっている。この嵌合部28の外周にはシール溝29が形成され、このシール溝29にはゴム製のシールリング30が装着されている。尚、シールリング30には、その後面側から後方へ突出する複数の凸部31が形成されており、この凸部31がシール溝29の後側の側面に形成されている凹部32に嵌合されることにより、シールリング30が嵌合部28に対して周方向へ遊動することなく正規の位置に位置決めされている。
【0017】
また、嵌合部28の外周のうちシール溝29(シールリング30)よりも後方の位置には、平板状のフランジ部33が形成されている。フランジ部33の前面はシールドケース11の外壁面に対して面接触可能なように平坦面とされている。フランジ部33の左右両端部には、その後面から後方へ略水平板状に延出する一対の取付部34が一体に形成されている。各取付部34の上面は水平且つ平坦な面とされ、各取付部34の下面は、水平且つ平坦であってシールドケース11のブラケット16の当接面16Sと対応する当接面34Sとされている。一対の取付部34の当接面34S同士は互いに同じ高さに位置しており、この取付部34の当接面34Sの高さは、上記小径部23F、中径部23C、大径部23R及びシールド電線42の軸心Pと同じ高さとされている。また、各取付部34には、上下方向に貫通し、且つ当接面34Sに開口するボルト孔35が形成されている。
【0018】
また、3つの筒状保持部22の後端部(大径部23Rと対応する領域)も、前端部と同様、一体に連なった形態とされ、後方から見ると概ねひょうたん形をなすように連なっている。このように3つの筒状保持部22は、その前後両端部において連なることで、軸線Pを互いに平行にした状態で互いに強固に一体化されたものとなっている。
また、各筒状保持部22のうち中径部23Cの前端部(ストッパ25)と対応する領域には、夫々、筒状保持部22の外周面及びフランジ部33の後面に連なるリブ36,37が形成されている。リブ36,37は、各筒状保持部22における上下左右の4位置に設けられ、上下に位置するリブ36は、夫々、独立した形態で設けられている。一方、左右の位置するリブ37については、中央の筒状保持部22と左側の筒状保持部22との間のリブ37が共有のものとされ、中央の筒状保持部22と右側の筒状保持部22との間のリブ37が共有のものとされている。さらに、左側の筒状保持部22の左側に設けたリブ37と、右側の筒状保持部22の右側に設けたリブ37は、取付部34に対して面一状に連続している。
【0019】
電線側端子38は、前後方向に長い板状をなし、且つ板面を水平に向けた機器接続部39と、この機器接続部39の後端に連続する電線圧着部41とを有している。機器接続部39の前端部には、上下方向に貫通する円形のボルト孔40が形成されている。電線圧着部41は、機器接続部39に連なる底板と、この底板の左右両側縁から立ち上がる一対のカシメ片とからなるオープンバレル状をなし、この電線圧着部41にシールド電線42の導体43の端末部(前端部)が圧着されている。
【0020】
シールド電線42は、導体43と、導体43の外周を包囲する絶縁性樹脂からなる円筒状のコア44と、金属細線をメッシュ状に編み込んだ形態であってコア44の外周に沿わせた筒状のシールド層45(本発明の構成要件であるシールド部材)と、このシールド層45を包囲する絶縁性樹脂からなる円筒状のシース46とから構成されている。シールド電線42による導電経路(導体43)のうちハウジング21外(ハウジング21の後方)に配索された領域はシールド層45によってシールドされる。
【0021】
シールド電線42の端末部においては、導体43がコア44の前端から突出されているとともに、コア44の前端部外周が所定長さに亘って露出されている。シールド電線42の前端部はハウジング21の内部(小径部23F、中径部23C及び大径部23R)を貫通し、導体43全体及びコア44の露出領域における前端部がハウジング21の嵌合部28から前方に突出されている。ハウジング21の前方に位置する導体43は、電線側端子38の電線圧着部41に圧着されている。コア44の露出領域におけるほぼ中央部は小径部23F内に収容され、コア44の露出領域のうちの後端部は中径部23Cのストッパ25の中心孔内に収容されている。
【0022】
また、図6に示すように、シース46の前端から導出されているシールド層45の前端部は、後方へ折り返されてシース46の外周面側に重ねられ、さらに、シース46の外周とシールド層45との間には、シース46の外周面に沿った金属製の円筒形をなすスリーブ47が取り付けられている。そして、筒状保持部22のうち中径部23Cと対応する領域が、図示しないカシメ用金型により外周が六角形断面をなすようにカシメ付けられている。このカシメ付けにより、中径部23Cと一緒にカシメ筒24とスリーブ47もカシメ付けられ、このカシメ付けによりシールド層45がスリーブ47とカシメ筒24との間で導通可能に挟み付けられた状態で固定されている。また、カシメ筒24と筒状保持部22も導通可能に接続された状態となっており、これにより、シールド層45は、カシメ筒24を介してハウジング21と導通可能となっている。
【0023】
さらに、筒状保持部22の後端部においては、シース46の外周と大径部23Rの内周との隙間がゴム栓26によってシールされている。このゴム栓26により、後方からハウジング21(筒状保持部22)内に水などの異物が侵入することが防止されている。尚、ゴム栓26は、シールド電線42の外周に装着しておいた状態で筒状保持部22内に組み付けるようにしてもよい。さらに、ゴム栓26の摩擦抵抗により、シールド電線42が筒状保持部22に対して軸方向(前後方向)の遊動が規制され、シールド電線42がハウジング21に対して保持されている。
【0024】
このようにしてハウジング21にシールド電線42を固定した状態では、取付部34の当接面34Sはシールド電線42の軸線Pと同じ高さである。換言すると、取付部34の当接面34S(機器用コネクタ20を機器10に取り付けた状態では、取付部34とブラケット16の双方の当接面34S,16S)が、シールド電線42の軸線Pを含む平面上に位置している。
かかる機器用コネクタ20を機器10に取り付ける際には、シールドケース11の外から電線側端子38を取付孔15内に差し入れ、さらに、ハウジング21の嵌合部28を取付孔15に嵌合させて、フランジ部33の前面をシールドケース11の外壁面に面当たり状態で当接させる。この状態では、シールドケース11のブラケット16に対してハウジング21の取付部34が上から重ねられ、双方の当接面16S,34S同士が面当たり状態で当接するとともに、取付部34のボルト孔35がブラケット16の雌ネジ孔17に対してほぼ同軸状に整合される。そして、上からボルト孔35に差し込んだボルト48を雌ネジ孔17に螺合して締め付けると、ハウジング21がシールドケース11に対して導通可能に固定される。
【0025】
さらに、各電線側端子38を、夫々、対応する機器側端子13の上に重ね合わせて、双方のボルト孔14,40同士を略同軸状に整合させる。そして、この両ボルト孔14,40に上からボルト49を差し込んでそのボルト49にナット50を螺合して締め付けると、双方の端子13,38同士が導通可能に固定される。以上により、機器10に対する機器用コネクタ20の取付けが完了する。
この取付け状態では、シールド電線42のシールド層45がハウジング21を介してシールドケース11と導通可能となる。また、シールド層45の前端部は導電性のハウジング21の内部に収容されており、さらに、ハウジング21の前面はシールドケース11の外壁面に対して面当たり状態で当接している。これにより、シールド電線42による導電経路のうちシールド層45の前端とシールドケース11の外壁との間がハウジング21によって確実にシールドされる。
【0026】
上述のように本実施形態においては、ハウジング21をシールドケース11に固定するためのボルト48が、取付孔15に対するシールド電線42の貫通方向(前後方向)と略直角な方向(上下方向)に軸線を向けている。したがって、ボルト48をねじ込んだときにハウジング21が連れ回りしたとしても、そのハウジング21の変位方向は取付孔15に対するシールド電線42の貫通方向(シールド電線42の軸線P)とほぼ同じ方向(概ね前後方向)となる。したがって、シールリング30の潰れ量が周方向において不均一になる虞がなく、ボルト48の締付け動作に起因してシールリング30のシール性が低下する虞はない。
【0027】
また、ブラケットと取付部の互いに当たり合う当接面、即ちボルト48の締め付け箇所がシールド電線42の軸線Pからずれている場合(例えば、シールド電線42の軸線Pが前後方向であって、当接面がそれよりも上方に位置する水平面である場合)には、シールド電線42のうちハウジング21から後方へ導出された部分に対して上下方向の外力が付与されたときに、当接面(ボルト締め箇所)を略支点としてハウジング21を概ね前後方向に揺動させようとするモーメント力が生じ、ハウジング21が傾きつつ概ね前後方向に変位することが懸念される。しかし、本実施形態では、ブラケット16と取付部34の当接面16S,34S(ボルト48の締め付け箇所)がシールド電線42の軸線Pを含む平面上に位置するので、シールド電線42のうちハウジング21から後方へ導出された部分に対して上下方向の外力が付与されたとしても、ハウジング21を概ね前後方向に揺動させようとするモーメント力は殆ど発生せず、ハウジング21の傾きや変位を回避することができる。
【0028】
また、ハウジング21はダイキャスト製なので強度及び剛性に優れている。これにより、シールド電線42に外力が付与されたときに、ハウジング21の取付部34が変形することに起因してハウジング21が揺動する、ということが確実に防止されている。しかも、筒状保持部22の外周とフランジ部33の後面とをリブ36,37によって連結・補強しているので、筒状保持部22に対してフランジ部33及び取付部34が正規の位置及び向きに保たれる。これにより、シールドケース11及び取付孔15に対するハウジング21の位置及び向きが正規の状態に保たれ、ひいては、取付孔15に対する嵌合部28の位置及び向きが正規の状態に保たれ、シールリング30によるシール性能が確実に発揮される。
【0029】
また、3本のシールド電線42を1つのハウジング21により導通可能に保持したので、1本のシールド電線を1つのハウジングで保持して各ハウジングを個別に取付孔に嵌合する構造に比べると、取付孔15に対する嵌合の作業性に優れている。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0030】
(1)上記実施形態では複数本の電線を1つのハウジングに保持させたが、本発明によれば、1本の電線を1つハウジングで保持させてもよい。
(2)上記実施形態ではシールド電線を用いたが、本発明によれば、シールド機能を有しない非シールド電線を用い、複数本の非シールド電線を1つの筒状のシールド部材で一括してシールドしてもよい。この場合、複数本の非シールド電線を1つのハウジングで保持させてもよく、1本の電線を1つのハウジングで保持させてもよい。
【0031】
(3)上記実施形態ではハウジングを導電性とし、このハウジングをシールドケースに接続することでハウジングにシールド機能を持たせたが、本発明によれば、ハウジングにシールド機能を持たせず、ハウジング以外のシールド部材をケースに接続してもよい。
(4)上記実施形態ではハウジングをケースに固定する手段としてシールドケースのブラケットに雌ネジ孔を形成し、その雌ネジ孔にボルトを螺合したが、本発明によれば、ハウジングの取付部に雌ネジ孔を形成し、その雌ネジ孔にボルトを螺合してもよい。
【0032】
(5)上記実施形態ではハウジングをケースに固定する手段としてボルトをブラケットに形成した雌ネジ孔に螺合したが、本発明によれば、ケースのブラケットとハウジングの取付部にボルトを貫通させ、そのボルトを別体のナットに螺合してもよい。
(6)上記実施形態ではシールド機能を具備した構造に適用した例を説明したが、本発明は、シールド機能を有しない構造にも適用できる。
(7)上記実施形態ではハウジングを金属製としたが、本発明によればハウジングを合成樹脂製としてもよい。この場合、樹脂モールド成形によってハウジングと電線側端子とを一体化させる構造としてもよい。
【0033】
(8)上記実施形態ではシールリングをハウジングの外周に装着したが、本発明によれば、シールリングは取付孔の内周に装着してもよい。
(9)上記実施形態では取付部をハウジングに一体に形成したが、本発明によれば、取付部とハウジングとを別体部品として双方を導通可能に組み付ける構造としてもよい。
(10)上記実施形態ではブラケットをケースに一体に形成したが、本発明によれば、ブラケットとケースとを別体部品として双方を導通可能に組み付ける構造としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1において機器用コネクタを機器に取り付けた状態をあらわす縦断面図
【図2】機器用コネクタの縦断面図
【図3】機器用コネクタを機器に取り付けた状態をあらわす水平断面図
【図4】機器用コネクタの正面図
【図5】機器用コネクタの背面図
【図6】ハウジングとシールド電線との接続部分をあらわす部分拡大縦断面図
【符号の説明】
10…機器
11…シールドケース(ケース)
13…機器側端子
15…取付孔
16…ブラケット
16S…当接面
20…機器用コネクタ
21…ハウジング
22…筒状保持部
28…嵌合部
30…シールリング
34…取付部
34S…当接面
38…電線側端子
42…シールド電線(電線)
43…導体
45…シールド層(シールド部材)
48…ボルト
Claims (4)
- 機器のケースに開口させた取付孔にハウジングを嵌合することで、前記ハウジングに保持された電線を前記取付孔に貫通させ、
前記電線の端末に固着した電線側端子を前記ケース内に設けた機器側端子に接続し、
前記ハウジングの外周と前記取付孔の内周との間をシールリングによりシールし、
前記ハウジングをボルト締めにより前記ケースに固定するようにした機器用コネクタの取付け構造であって、
前記ケースに設けたブラケットと前記ハウジングに設けた取付部とを面当たり状態で重ね、
前記取付孔に対する前記電線の貫通方向と略直角な方向に軸線を向けた前記ボルトの締付けにより、前記ブラケットと前記取付部とを固定し、
前記ブラケットと前記取付部の互いに当たり合う当接面を、前記電線の軸線を含む平面上に位置させたことを特徴とする機器用コネクタの取付け構造。 - 前記ハウジングをダイキャスト製としたことを特徴とする請求項1記載の機器用コネクタの取付け構造。
- 前記ケース及び前記ハウジングは金属製とされることでシールド機能を有しており、
前記ハウジングに、前記電線による導電経路のうち前記ハウジング外に配索された領域をシールドするシールド部材を導通可能に接続したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の機器用コネクタの取付け構造。 - 前記ハウジングは、複数の筒状保持部と、この複数の筒状保持部の端部を一体化させた形態であって前記取付孔への嵌合を可能とされた嵌合部とを有し、
前記電線は、導体を包囲するシールド層を備えたシールド電線とされ、
複数本の前記シールド電線を、夫々、前記筒状保持部内に保持するとともに、前記シールド層を前記筒状保持部に対して導通可能に接続したことを特徴とする請求項3記載の機器用コネクタの取付け構造。
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