JP2004227157A - 携帯型電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】使用者が充電のための特別な動作を行わなくとも、通常に操作しているだけで自動的に発電がなされ、充電が行われるようにすること。
【解決手段】使用者が機器に所定の動作を行わせるための操作ボタンを有する携帯型電子機器において、使用者が操作ボタンに触れることにより電極間の非晶質半導体に温度勾配を生じさせて起電圧を発生させる熱発電手段と、熱発電手段で発生した電圧を検波整流し直流電位に変換する検波整流手段と、検波整流手段の直流電位により充電され負荷を駆動する2次電池とを、具備する。
【選択図】 図1
【解決手段】使用者が機器に所定の動作を行わせるための操作ボタンを有する携帯型電子機器において、使用者が操作ボタンに触れることにより電極間の非晶質半導体に温度勾配を生じさせて起電圧を発生させる熱発電手段と、熱発電手段で発生した電圧を検波整流し直流電位に変換する検波整流手段と、検波整流手段の直流電位により充電され負荷を駆動する2次電池とを、具備する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リモコン送信器、携帯電話機やPHS等の携帯通信機器、電子手帳等の情報携帯端末などといった、可搬性を備えた携帯型電子機器に係り、特に、発電機能を備えた携帯型電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の携帯型電子機器は、一般的に、乾電池(1次電池)、もしくは、外部充電器による充電が可能な2次電池を、電源として用いており、操作途中に電池切れ(電源電圧の低下)が発生した場合には、電池交換、もしくは、再充電を余儀なくされていた。
【0003】
このような不都合に対処するため、発電機能を備えた携帯型電子機器が、特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された技術では、圧電発電装置を携帯型電子機器に内蔵し、携帯電話機などの携帯型電子機器全体に揺動が与えられると、これに呼応して可動する可動体などにより、圧電セラミックス素子に発電動作を行わせるようにしている。
【0004】
なお、携帯型電子機器への適用例ではないが、温度変化によって発電を行う機能をもつ熱発電素子も、知られている(特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−186678号公報
【0006】
【特許文献2】
特開昭59−80982号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1に記載された技術は、携帯型電子機器に与えられる揺動を利用して発電を行うものであるが、携帯型電子機器に揺動が与えられない、もしくは、わずかな時間しか揺動が与えられない場合には、発電による充電機能が発現されないという問題があり、使用者が、意図的に、携帯型電子機器に揺動を与えるように配慮しなければならない。なお、前記特許文献2に記載の技術は、前記したように携帯型電子機器への適用例ではない。
【0008】
本発明はそのような状況に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、使用者が充電のための特別な動作を行わなくとも、通常に操作しているだけで自動的に発電がなされ、充電が行われるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記した目的を達成するため、使用者が機器に所定の動作を行わせるための操作ボタンを有する携帯型電子機器において、
使用者が操作ボタンに触れることにより電極間の非晶質半導体に温度勾配を生じさせて起電圧を発生させる熱発電手段、および/または、操作ボタンの下部に配設されて磁石とコイルとばねとを有すると共に、使用者が操作ボタンを押圧することによって生じる磁石とコイルとの相対振動により起電圧を発生させる振動発電手段と、
熱発電手段または振動発電手段で発生した電圧を検波整流し直流電位に変換する検波整流手段と、
検波整流手段の直流電位により充電され負荷を駆動する2次電池とを、
具備した構成をとる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
【0011】
図1〜図4は本発明の第1実施形態に係り、図1は本第1実施形態の携帯型電子機器の要部構成を示す図、図2は本第1実施形態の携帯型電子機器で用いる熱発電器の構成例を示す図、図3は本第1実施形態の携帯型電子機器で用いる操作ボタンと熱発電器との関係を示す図、図4は本第1実施形態の携帯型電子機器で用いる操作ボタンを操作している様子を示す図である。
【0012】
図1において、1は操作ボタン、2は操作ボタン1に内蔵された熱発電器、3は検波整流器、4は2次電池、5は2次電池4の負荷として接続された電子機器回路である。
【0013】
熱発電器2が内蔵される操作ボタン1は、携帯型電子機器に備えられた任意の操作ボタンであればよいが、使用頻度の高い操作ボタンが選択されることが望ましい。また、熱発電器2が内蔵される操作ボタン1は、単一であっても複数であってもよく、複数の操作ボタン1にそれぞれ熱発電器2が内蔵される場合には、各熱発電器2が検波整流器3にそれぞれ接続されるように結線する。熱発電器2が内蔵された操作ボタン1は、他の操作ボタンと同様に、操作ボタン1を押すことによって、図示せぬ可動接点と固定接点とが導通して、所定の動作を携帯型電子機器に指示するようになっている。
【0014】
本第1実施形態では、熱発電器2が内蔵された操作ボタン1に使用者が手指を触れることにより、熱発電器2によって発電が行われるようになっている。熱発電器2の内部構造は、例えば図2に示すように、ガラス基体21の上部に酸化すず又はインジウム電極22を形成し、その上部に非晶質半導体23、金電極24を、順次積層した構造となっている。そして、操作ボタン1を手指で押すことで(操作ボタン1に手指を触れることで)、酸化すず又はインジウム電極22と金電極24との間に温度勾配を生じさせるようにしておけば、両電極22、24間に起電圧が発生することになる。このため、操作ボタン1は熱伝導性のよい材料で形成し、操作ボタン1の熱を効率よく金電極24に伝える構造をとるようにされる。
【0015】
上記のように熱発電器2で発生された起電圧は、検波整流器3において、検波整流されて直流電位に変換され、この直流電位により2次電池4を充電する。そして、2次電池4は、負荷として接続された電子機器回路5を駆動するようになっている。
【0016】
なお、図4の(a)は操作ボタン1を押していない状態を示しており、このとき、操作ボタン1は復帰ばね11により非押下位置にある。図4の(b)は操作ボタン1を押している状態を示しており、このとき、操作ボタン1は復帰ばね11に抗して押下位置にあり、図示せぬ可動接点を固定接点に導通させており、また、ボタン上部の温度変化により、熱発電器2に起電圧を生じさせている。
【0017】
図5および図6は本発明の第2実施形態に係り、図5は本第2実施形態の携帯型電子機器の要部構成を示す図、図6は本第2実施形態の携帯型電子機器で用いる操作ボタンを操作している様子を示す図である。なお、図5において、図1に示し前記した第1実施形態と均等な構成要素には、同一符号を付してある。
【0018】
図5、図6において、6は、操作ボタン1の下部に配設された振動発電器で、磁石とコイルとばねとを有し、使用者が操作ボタン1を押圧することによって生じる磁石とコイルとの相対振動により、起電圧を生じさせるようになっている。
【0019】
振動発電器6が配設される操作ボタン1は、携帯型電子機器に備えられた任意の操作ボタンであればよいが、使用頻度の高い操作ボタンが選択されることが望ましい。また、振動発電器6が配設される操作ボタン1は、単一であっても複数であってもよく、複数の操作ボタン1にそれぞれ振動発電器6が配設される場合には、各振動発電器6が検波整流器3にそれぞれ接続されるように結線する。振動発電器6が配設された操作ボタン1は、他の操作ボタンと同様に、操作ボタン1を押すことによって、図示せぬ可動接点と固定接点とが導通して、所定の動作を携帯型電子機器に指示するようになっている。
【0020】
本第2実施形態では、その下部に振動発電器6が配設された操作ボタン1を、使用者が押す/離すという動作により、振動発電器6によって発電が行われるようになっており、振動発電器6は、例えば図6に示すように、可動磁石61と誘導コイル62と板バネ63とを有したものとなっている。可動磁石61は、誘導コイル62の内部を上下動可能なように保持されており、操作ボタン1により押し下げ可能であると共に、押し下げられた際には板バネ63を弾性変位させるようになっており、使用者が操作ボタン1を押した後、操作ボタン1から手指などを離すと、板バネ63により可動磁石61が上下に所定期間振動し、これによって、誘導コイル62に起電圧を発生させるようになっている。
【0021】
上記のように振動発電器6で発生された起電圧は、検波整流器3において、検波整流されて直流電位に変換され、この直流電位により2次電池4を充電する。そして、2次電池4は、負荷として接続された電子機器回路5を駆動するようになっている。
【0022】
なお、本第2実施形態においては、操作ボタン1の下部に配設した振動発電器6の板バネ63とは別個に、操作ボタン1を非押圧位置に復帰させる復帰バネが設けられている。これは、いわゆるチャタリングを防止するためである。
【0023】
図7は、本発明の第3実施形態に係る携帯型電子機器の要部構成を示す図である。なお、図7において、図1に示し前記した第1実施形態、および、図5に示し前記した第2実施形態と均等な構成要素には、同一符号を付してある。
【0024】
図7において、7は操作ボタン1の押下速度を検出する速度センサー、8は、速度センサー7からの制御信号に基づき、前記した熱発電器2の出力または前記した振動発電器6の出力を択一選択して、前記検波整流器3に供給するスイッチである。
【0025】
本第3実施形態においては、操作ボタン1の内部には、前記した熱発電器2が内蔵されていると共に、操作ボタン1の下部には、前記した振動発電器6と、操作ボタン1が押される速度を検出する速度センサー7とが配設されている。
【0026】
本第3実施形態においても、熱発電器2、振動発電器6、速度センサー7が設けられる操作ボタン1は、携帯型電子機器に備えられた任意の操作ボタンであればよいが、使用頻度の高い操作ボタンが選択されることが望ましい。また、熱発電器2、振動発電器6、速度センサー7が設けられる操作ボタン1は、単一であっても複数であってもよく、複数の操作ボタン1にそれぞれ構成要素2、6、7が設けられる場合には、各操作ボタン1に対応してスイッチ8を設けて、各スイッチ8が検波整流器3にそれぞれ接続されるように結線する。熱発電器2、振動発電器6、速度センサー7が設けらた操作ボタン1は、他の操作ボタンと同様に、操作ボタン1を押すことによって、図示せぬ可動接点と固定接点とが導通して、所定の動作を携帯型電子機器に指示するようになっている。
【0027】
本第3実施形態では、操作ボタン1が押されると熱発電器2と振動発電器6の双方で起電力が発生する。この熱発電器2からの出力と振動発電器6からの出力は、操作ボタン1の押下速度に応じて、スイッチ8によって択一選択されて検波整流器3に供給される。スイッチ8は、速度センサー7からの制御信号によって切り替えられ、操作ボタン1を押す速度が所定の速度以上であれば、熱発電手段2の出力を選択し、操作ボタン1を押す速度が所定の速度未満であれば、振動発電手段6の出力を選択するようになっている。なお、速度センサー7としては、加速度センサー、角速度センサー、流速度センサーを用いることができる。
このように本第3実施形態では、操作ボタン1の押し方によりいずれかの発電器で発生した起電圧を、検波整流器3において検波整流して直流電位に変換し、この直流電位により2次電池4を充電する。そして、2次電池4は、負荷として接続された電子機器回路5を駆動する。
【0028】
なお、本第3実施形態においては、スイッチ8によって熱発電器2の起電力または振動発電器6の起電力を択一選択するようにしているが、熱発電器2の起電力と振動発電器6の起電力を同時に利用するように構成してもよく、この場合には、操作ボタンを押す1回の動作で、2種類の発電器の起電力によって同時に充電を行うことができ、効率のよい充電を行うことが可能になる。
【0029】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、操作ボタンに触るだけあるいは押すだけで発電を行うことができ、使用者が充電を意識することなく、かつ、充電のための他の特別な労力を伴うことなく、2次電池に充電を行うことができる。よって、外部から充電を行うことなく、機器の駆動に必要な電源を供給することが可能となる。これにより、発電が必要なときには、操作ボタンに触れるまたは押すだけで良い電池交換不要の電子機器が作られるだけでなく、操作ボタンの付いたどのような機器にでも採用することができ、操作ボタンを有する携帯型電子機器の利便性を向上することができる。総じて、操作ボタンを利用した充電であるので、使用者が機器を操作するという日常の使用形態において、特に使用者が充電しているということを意識することなく、簡単・確実に機器の充電が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る携帯型電子機器の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る携帯型電子機器で用いる熱発電器の構成例を示す断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る携帯型電子機器で用いる操作ボタンと熱発電器との関係を示す説明図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る携帯型電子機器で用いる操作ボタンを操作している様子を示す説明図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る携帯型電子機器の要部構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る携帯型電子機器で用いる操作ボタンを操作している様子を示す説明図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る携帯型電子機器の要部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 操作ボタン
2 熱発電器
3 検波整流器
4 2次電池
5 電子機器回路(負荷)
6 振動発電器
7 速度センサー
8 スイッチ
11 復帰ばね
21 ガラス基体
22 酸化すず又はインジウム電極
23 非晶質半導体
24 金電極
61 可動磁石
62 誘導コイル
63 板バネ
【発明の属する技術分野】
本発明は、リモコン送信器、携帯電話機やPHS等の携帯通信機器、電子手帳等の情報携帯端末などといった、可搬性を備えた携帯型電子機器に係り、特に、発電機能を備えた携帯型電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の携帯型電子機器は、一般的に、乾電池(1次電池)、もしくは、外部充電器による充電が可能な2次電池を、電源として用いており、操作途中に電池切れ(電源電圧の低下)が発生した場合には、電池交換、もしくは、再充電を余儀なくされていた。
【0003】
このような不都合に対処するため、発電機能を備えた携帯型電子機器が、特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された技術では、圧電発電装置を携帯型電子機器に内蔵し、携帯電話機などの携帯型電子機器全体に揺動が与えられると、これに呼応して可動する可動体などにより、圧電セラミックス素子に発電動作を行わせるようにしている。
【0004】
なお、携帯型電子機器への適用例ではないが、温度変化によって発電を行う機能をもつ熱発電素子も、知られている(特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−186678号公報
【0006】
【特許文献2】
特開昭59−80982号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1に記載された技術は、携帯型電子機器に与えられる揺動を利用して発電を行うものであるが、携帯型電子機器に揺動が与えられない、もしくは、わずかな時間しか揺動が与えられない場合には、発電による充電機能が発現されないという問題があり、使用者が、意図的に、携帯型電子機器に揺動を与えるように配慮しなければならない。なお、前記特許文献2に記載の技術は、前記したように携帯型電子機器への適用例ではない。
【0008】
本発明はそのような状況に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、使用者が充電のための特別な動作を行わなくとも、通常に操作しているだけで自動的に発電がなされ、充電が行われるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記した目的を達成するため、使用者が機器に所定の動作を行わせるための操作ボタンを有する携帯型電子機器において、
使用者が操作ボタンに触れることにより電極間の非晶質半導体に温度勾配を生じさせて起電圧を発生させる熱発電手段、および/または、操作ボタンの下部に配設されて磁石とコイルとばねとを有すると共に、使用者が操作ボタンを押圧することによって生じる磁石とコイルとの相対振動により起電圧を発生させる振動発電手段と、
熱発電手段または振動発電手段で発生した電圧を検波整流し直流電位に変換する検波整流手段と、
検波整流手段の直流電位により充電され負荷を駆動する2次電池とを、
具備した構成をとる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
【0011】
図1〜図4は本発明の第1実施形態に係り、図1は本第1実施形態の携帯型電子機器の要部構成を示す図、図2は本第1実施形態の携帯型電子機器で用いる熱発電器の構成例を示す図、図3は本第1実施形態の携帯型電子機器で用いる操作ボタンと熱発電器との関係を示す図、図4は本第1実施形態の携帯型電子機器で用いる操作ボタンを操作している様子を示す図である。
【0012】
図1において、1は操作ボタン、2は操作ボタン1に内蔵された熱発電器、3は検波整流器、4は2次電池、5は2次電池4の負荷として接続された電子機器回路である。
【0013】
熱発電器2が内蔵される操作ボタン1は、携帯型電子機器に備えられた任意の操作ボタンであればよいが、使用頻度の高い操作ボタンが選択されることが望ましい。また、熱発電器2が内蔵される操作ボタン1は、単一であっても複数であってもよく、複数の操作ボタン1にそれぞれ熱発電器2が内蔵される場合には、各熱発電器2が検波整流器3にそれぞれ接続されるように結線する。熱発電器2が内蔵された操作ボタン1は、他の操作ボタンと同様に、操作ボタン1を押すことによって、図示せぬ可動接点と固定接点とが導通して、所定の動作を携帯型電子機器に指示するようになっている。
【0014】
本第1実施形態では、熱発電器2が内蔵された操作ボタン1に使用者が手指を触れることにより、熱発電器2によって発電が行われるようになっている。熱発電器2の内部構造は、例えば図2に示すように、ガラス基体21の上部に酸化すず又はインジウム電極22を形成し、その上部に非晶質半導体23、金電極24を、順次積層した構造となっている。そして、操作ボタン1を手指で押すことで(操作ボタン1に手指を触れることで)、酸化すず又はインジウム電極22と金電極24との間に温度勾配を生じさせるようにしておけば、両電極22、24間に起電圧が発生することになる。このため、操作ボタン1は熱伝導性のよい材料で形成し、操作ボタン1の熱を効率よく金電極24に伝える構造をとるようにされる。
【0015】
上記のように熱発電器2で発生された起電圧は、検波整流器3において、検波整流されて直流電位に変換され、この直流電位により2次電池4を充電する。そして、2次電池4は、負荷として接続された電子機器回路5を駆動するようになっている。
【0016】
なお、図4の(a)は操作ボタン1を押していない状態を示しており、このとき、操作ボタン1は復帰ばね11により非押下位置にある。図4の(b)は操作ボタン1を押している状態を示しており、このとき、操作ボタン1は復帰ばね11に抗して押下位置にあり、図示せぬ可動接点を固定接点に導通させており、また、ボタン上部の温度変化により、熱発電器2に起電圧を生じさせている。
【0017】
図5および図6は本発明の第2実施形態に係り、図5は本第2実施形態の携帯型電子機器の要部構成を示す図、図6は本第2実施形態の携帯型電子機器で用いる操作ボタンを操作している様子を示す図である。なお、図5において、図1に示し前記した第1実施形態と均等な構成要素には、同一符号を付してある。
【0018】
図5、図6において、6は、操作ボタン1の下部に配設された振動発電器で、磁石とコイルとばねとを有し、使用者が操作ボタン1を押圧することによって生じる磁石とコイルとの相対振動により、起電圧を生じさせるようになっている。
【0019】
振動発電器6が配設される操作ボタン1は、携帯型電子機器に備えられた任意の操作ボタンであればよいが、使用頻度の高い操作ボタンが選択されることが望ましい。また、振動発電器6が配設される操作ボタン1は、単一であっても複数であってもよく、複数の操作ボタン1にそれぞれ振動発電器6が配設される場合には、各振動発電器6が検波整流器3にそれぞれ接続されるように結線する。振動発電器6が配設された操作ボタン1は、他の操作ボタンと同様に、操作ボタン1を押すことによって、図示せぬ可動接点と固定接点とが導通して、所定の動作を携帯型電子機器に指示するようになっている。
【0020】
本第2実施形態では、その下部に振動発電器6が配設された操作ボタン1を、使用者が押す/離すという動作により、振動発電器6によって発電が行われるようになっており、振動発電器6は、例えば図6に示すように、可動磁石61と誘導コイル62と板バネ63とを有したものとなっている。可動磁石61は、誘導コイル62の内部を上下動可能なように保持されており、操作ボタン1により押し下げ可能であると共に、押し下げられた際には板バネ63を弾性変位させるようになっており、使用者が操作ボタン1を押した後、操作ボタン1から手指などを離すと、板バネ63により可動磁石61が上下に所定期間振動し、これによって、誘導コイル62に起電圧を発生させるようになっている。
【0021】
上記のように振動発電器6で発生された起電圧は、検波整流器3において、検波整流されて直流電位に変換され、この直流電位により2次電池4を充電する。そして、2次電池4は、負荷として接続された電子機器回路5を駆動するようになっている。
【0022】
なお、本第2実施形態においては、操作ボタン1の下部に配設した振動発電器6の板バネ63とは別個に、操作ボタン1を非押圧位置に復帰させる復帰バネが設けられている。これは、いわゆるチャタリングを防止するためである。
【0023】
図7は、本発明の第3実施形態に係る携帯型電子機器の要部構成を示す図である。なお、図7において、図1に示し前記した第1実施形態、および、図5に示し前記した第2実施形態と均等な構成要素には、同一符号を付してある。
【0024】
図7において、7は操作ボタン1の押下速度を検出する速度センサー、8は、速度センサー7からの制御信号に基づき、前記した熱発電器2の出力または前記した振動発電器6の出力を択一選択して、前記検波整流器3に供給するスイッチである。
【0025】
本第3実施形態においては、操作ボタン1の内部には、前記した熱発電器2が内蔵されていると共に、操作ボタン1の下部には、前記した振動発電器6と、操作ボタン1が押される速度を検出する速度センサー7とが配設されている。
【0026】
本第3実施形態においても、熱発電器2、振動発電器6、速度センサー7が設けられる操作ボタン1は、携帯型電子機器に備えられた任意の操作ボタンであればよいが、使用頻度の高い操作ボタンが選択されることが望ましい。また、熱発電器2、振動発電器6、速度センサー7が設けられる操作ボタン1は、単一であっても複数であってもよく、複数の操作ボタン1にそれぞれ構成要素2、6、7が設けられる場合には、各操作ボタン1に対応してスイッチ8を設けて、各スイッチ8が検波整流器3にそれぞれ接続されるように結線する。熱発電器2、振動発電器6、速度センサー7が設けらた操作ボタン1は、他の操作ボタンと同様に、操作ボタン1を押すことによって、図示せぬ可動接点と固定接点とが導通して、所定の動作を携帯型電子機器に指示するようになっている。
【0027】
本第3実施形態では、操作ボタン1が押されると熱発電器2と振動発電器6の双方で起電力が発生する。この熱発電器2からの出力と振動発電器6からの出力は、操作ボタン1の押下速度に応じて、スイッチ8によって択一選択されて検波整流器3に供給される。スイッチ8は、速度センサー7からの制御信号によって切り替えられ、操作ボタン1を押す速度が所定の速度以上であれば、熱発電手段2の出力を選択し、操作ボタン1を押す速度が所定の速度未満であれば、振動発電手段6の出力を選択するようになっている。なお、速度センサー7としては、加速度センサー、角速度センサー、流速度センサーを用いることができる。
このように本第3実施形態では、操作ボタン1の押し方によりいずれかの発電器で発生した起電圧を、検波整流器3において検波整流して直流電位に変換し、この直流電位により2次電池4を充電する。そして、2次電池4は、負荷として接続された電子機器回路5を駆動する。
【0028】
なお、本第3実施形態においては、スイッチ8によって熱発電器2の起電力または振動発電器6の起電力を択一選択するようにしているが、熱発電器2の起電力と振動発電器6の起電力を同時に利用するように構成してもよく、この場合には、操作ボタンを押す1回の動作で、2種類の発電器の起電力によって同時に充電を行うことができ、効率のよい充電を行うことが可能になる。
【0029】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、操作ボタンに触るだけあるいは押すだけで発電を行うことができ、使用者が充電を意識することなく、かつ、充電のための他の特別な労力を伴うことなく、2次電池に充電を行うことができる。よって、外部から充電を行うことなく、機器の駆動に必要な電源を供給することが可能となる。これにより、発電が必要なときには、操作ボタンに触れるまたは押すだけで良い電池交換不要の電子機器が作られるだけでなく、操作ボタンの付いたどのような機器にでも採用することができ、操作ボタンを有する携帯型電子機器の利便性を向上することができる。総じて、操作ボタンを利用した充電であるので、使用者が機器を操作するという日常の使用形態において、特に使用者が充電しているということを意識することなく、簡単・確実に機器の充電が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る携帯型電子機器の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る携帯型電子機器で用いる熱発電器の構成例を示す断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る携帯型電子機器で用いる操作ボタンと熱発電器との関係を示す説明図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る携帯型電子機器で用いる操作ボタンを操作している様子を示す説明図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る携帯型電子機器の要部構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る携帯型電子機器で用いる操作ボタンを操作している様子を示す説明図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る携帯型電子機器の要部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 操作ボタン
2 熱発電器
3 検波整流器
4 2次電池
5 電子機器回路(負荷)
6 振動発電器
7 速度センサー
8 スイッチ
11 復帰ばね
21 ガラス基体
22 酸化すず又はインジウム電極
23 非晶質半導体
24 金電極
61 可動磁石
62 誘導コイル
63 板バネ
Claims (4)
- 使用者が機器に所定の動作を行わせるための操作ボタンを有する携帯型電子機器であって、
使用者が前記操作ボタンに触れることにより電極間の非晶質半導体に温度勾配を生じさせて起電圧を発生させる熱発電手段と、
前記熱発電手段で発生した電圧を検波整流し直流電位に変換する検波整流手段と、
前記検波整流手段の直流電位により充電され負荷を駆動する2次電池とを、
具備したことを特徴とする携帯型電子機器。 - 使用者が機器に所定の動作を行わせるための操作ボタンを有する携帯型電子機器であって、
前記操作ボタンの下部に配設されて磁石とコイルとばねとを有すると共に、使用者が前記操作ボタンを押圧することによって生じる前記磁石と前記コイルとの相対振動により起電圧を発生させる振動発電手段と、
前記振動発電手段で発生した電圧を検波整流し直流電位に変換する検波整流手段と、
前記検波整流手段の直流電位により充電され負荷を駆動する2次電池とを、
具備したことを特徴とする携帯型電子機器。 - 使用者が機器に所定の動作を行わせるための操作ボタンを有する携帯型電子機器であって、
使用者が前記操作ボタンに触れることにより電極間の非晶質半導体に温度勾配を生じさせて起電圧を発生させる熱発電手段と、
前記操作ボタンの下部に配設されて磁石とコイルとばねとを有すると共に、使用者が前記操作ボタンを押圧することによって生じる前記磁石と前記コイルとの相対振動により起電圧を発生させる振動発電手段と、
前記熱発電手段の出力または前記振動発電手段の出力のいずれか一方を選択して切り替えるスイッチと、
前記熱発電手段または前記検波整流手段で発生した電圧を検波整流し直流電位に変換する検波整流手段と、
前記検波整流手段の直流電位により充電され負荷を駆動するる2次電池とを、
具備したことを特徴とする携帯型電子機器。 - 請求項3記載において、
前記スイッチは、前記操作ボタンを押す速度が所定の速度以上であれば、前記熱発電手段の出力を選択し、前記操作ボタンを押す速度が所定の速度未満であれば、前記振動発電手段の出力を選択することを特徴とする携帯型電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003012415A JP2004227157A (ja) | 2003-01-21 | 2003-01-21 | 携帯型電子機器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003012415A JP2004227157A (ja) | 2003-01-21 | 2003-01-21 | 携帯型電子機器 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2004227157A true JP2004227157A (ja) | 2004-08-12 |
Family
ID=32901032
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003012415A Pending JP2004227157A (ja) | 2003-01-21 | 2003-01-21 | 携帯型電子機器 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2004227157A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20190135887A (ko) * | 2018-05-29 | 2019-12-09 | 주식회사 씨케이머티리얼즈랩 | 버튼형 액추에이터, 이를 포함하는 버튼형 액추에이터 피드백 시스템 및 그 제어 방법 |
-
2003
- 2003-01-21 JP JP2003012415A patent/JP2004227157A/ja active Pending
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