JP2004226728A - ポジ型レジスト組成物 - Google Patents

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知也 佐々木
Kazuyoshi Mizutani
一良 水谷
Shinichi Kanna
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Abstract

【課題】160nm以下、特にFエキシマレーザー光(157nm)の露光光源の使用に好適なポジ型レジスト組成物を提供することであり、具体的には157nmの光源使用時に十分な透過性を示し、アルカリ現像液親和性、ラインエッジラフネスの諸特性に優れたポジ型レジスト組成物を提供する。
【解決手段】(A)特定構造の繰り返し単位を有する、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂及び
(B)活性光線又は放射線の作用により酸を発生する化合物
を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超LSI、高容量マイクロチップの製造などのマイクロリソグラフィープロセスや、その他のフォトファブリケーションプロセスに好適に用いられるポジ型レジスト組成物に関するものである。更に詳しくは、160nm以下の真空紫外光を使用して高精細化したパターンを形成し得るポジ型レジスト組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
集積回路はその集積度を益々高めており、超LSIなどの半導体基板の製造においては、クオーターミクロン以下の線幅から成る超微細パターンの加工が必要とされるようになってきた。パターンの微細化を図る手段の一つとして、レジストのパターン形成の際に使用される露光光源の短波長化が知られている。
【0003】
例えば64Mビットまでの集積度の半導体素子の製造には、現在まで高圧水銀灯のi線(365nm)が光源として使用されてきた。この光源に対応するポジ型レジストとしては、ノボラック樹脂と感光物としてのナフトキノンジアジド化合物を含む組成物が、数多く開発され、0.3μm程度までの線幅の加工においては十分な成果をおさめてきた。また256Mビット以上集積度の半導体素子の製造には、i線に代わりKrFエキシマレーザー光(248nm)が露光光源として採用されてきた。
更に1Gビット以上の集積度の半導体製造を目的として、近年より短波長の光源であるArFエキシマレーザー光(193nm)の使用、更には0.1μm以下のパターンを形成する為にF2エキシマレーザー光(157nm)の使用が検討されている。
【0004】
これら光源の短波長化に合わせ、レジスト材料の構成成分及びその化合物構造も大きく変化している。
KrFエキシマレーザー光による露光用のレジスト組成物として、248nm領域での吸収の小さいポリ(ヒドロキシスチレン)を基本骨格とし酸分解基で保護した樹脂を主成分として用い、遠紫外光の照射で酸を発生する化合物(光酸発生剤)を組み合わせた組成物、所謂化学増幅型レジストが開発されてきた。
【0005】
また、ArFエキシマレーザー光(193nm)露光用のレジスト組成物として、193nmに吸収を持たない脂環式構造をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した酸分解性樹脂を使用した化学増幅型レジストが開発されてきている。
【0006】
エキシマレーザー光(157nm)に対しては、上記脂環型樹脂においても157nm領域の吸収が大きく、目的とする0.1μm以下のパターンを得るには不十分であることが判明し、これに対し、フッ素原子(パーフルオロ構造)を導入した樹脂が157nmに十分な透明性を有することが非特許文献1(Proc. SPIE. Vol.3678. 13頁(1999))にて報告され、有効なフッ素樹脂の構造が非特許文献2(Proc. SPIE. Vol.3999. 330頁(2000))、非特許文献3(Proc. SPIE. Vol.3999. 357頁(2000))、非特許文献4(Proc. SPIE. Vol.3999. 365頁(2000))、特許文献1(国際公開−00/17712号パンフレット)等に提案され、フッ素含有樹脂を含有するレシスト組成物の検討がなされてきている。
【0007】
しかしながら、従来のフッ素樹脂を含有するレジスト組成物は、アルカリ現像液との親和性、ラインエッジラフネスの諸特性の改良が望まれていた。
ラインエッジラフネスとは、レジストの特性に起因して、レジストのラインパターンと基板界面のエッジが、ライン方向と垂直な方向に不規則に変動した形状を呈することをいう。このパターンを真上から観察すると、エッジが凸凹(±数nm〜数十nm程度)に見える。この凸凹は、エッチング工程により基板に転写されるため、凸凹が大きいと、電気特性不良を引き起こし、歩留まりを低下させることになる。
【0008】
【非特許文献1】
「プロスィーディング・オブ・エスピーアイイー(Proc. SPIE)」、第3678巻、 第13頁、(1999年)
【非特許文献2】
「プロスィーディング・オブ・エスピーアイイー(Proc. SPIE)」、第3999巻、 第330頁、(2000年)
【非特許文献3】
「プロスィーディング・オブ・エスピーアイイー(Proc. SPIE)」、第3999巻、 第357頁、(2000年)
【非特許文献4】
「プロスィーディング・オブ・エスピーアイイー(Proc. SPIE)」、第3999巻、 第365頁、(2000年)
【特許文献1】
国際公開−00/17712号パンフレット
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、160nm以下、特にFエキシマレーザー光(157nm)の露光光源の使用に好適なポジ型レジスト組成物を提供することであり、具体的には157nmの光源使用時に十分な透過性を示し、アルカリ現像液との親和性、ラインエッジラフネスの諸特性に優れたポジ型レジスト組成物を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記諸特性に留意し鋭意検討した結果、本発明の目的が以下の特定の組成物によって達成されることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は下記構成である。
【0011】
(1) (A)下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂及び
(B)活性光線又は放射線の作用により酸を発生する化合物
を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
【0012】
【化6】
Figure 2004226728
【0013】
一般式(I)中、
〜Rは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はアルキル基を表す。但し、R〜Rの内の少なくとも1つはフッ素原子である。
21〜R26は、各々独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。但し、R21〜R26の内の少なくとも1つはフッ素原子である。
27〜R32は、各々独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。但し、R27〜R32の内の少なくとも1つはフッ素原子である。
は、単結合又は2価の連結基を表す。
は、2価の連結基を表す。
Zaは、水素原子、酸分解性基又は非酸分解性の有機基を表す。
【0014】
(2) (A)成分の樹脂が、更に、下記一般式(II)、(II’)又は(III)で表される繰り返し単位を有することを特徴とする(1)に記載のポジ型レジスト組成物。
【0015】
【化7】
Figure 2004226728
【0016】
一般式(II)中、
Qは、脂環式炭化水素基を表す。
は、単結合又は2価の連結基を表す。
3aは、酸分解性基を表す。
Rbは、水素原子、アルキル基又はハロゲン原子を表す。
lは、0又は1〜3の整数を表す。
【0017】
【化8】
Figure 2004226728
【0018】
一般式(II’)中、
(IIIa)−1〜R(IIIa)−3は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基又はアルキル基を表す。
は、単結合又は2価の連結基を表す。
は、酸分解性基を表す。
【0019】
【化9】
Figure 2004226728
【0020】
一般式(III)中、
III−1〜RIII−3は、各々独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基又はアルキル基を表す。
は、2価の連結基を表す。
Zは、酸分解性基を表す。
【0021】
(3) 一般式(I)中のLが、単環又は多環のシクロアルキレン基であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のポジ型レジスト組成物。
【0022】
(4) 一般式(I)が、下記一般式(Ia)で表されることを特徴とする(1)又は(2)に記載のポジ型レジスト組成物。
【0023】
【化10】
Figure 2004226728
【0024】
一般式(Ia)中、
ARは、単環又は多環のシクロアルキレン基を表す。
は、単結合又は2価の連結基を表す。
Zaは、水素原子、酸分解性基又は非酸分解性の有機基を表す。
【0025】
以下、更に、本発明の好ましい実施の態様を挙げる。
(5) 一般式(II)が、下記一般式(IIa)又は(IIb)で表されることを特徴とする(2)〜(4)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
【0026】
【化11】
Figure 2004226728
【0027】
一般式(IIa)中、
11〜R16は、各々独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。但し、R11〜R16の内の少なくとも1つはフッ素原子である。
Xは、酸分解性基を表す。
n’は、0又は1を表す。
【0028】
【化12】
Figure 2004226728
【0029】
一般式(IIb)中、
Rcは、水素原子、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
Rcは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はアルキル基を表す。
R’は、酸分解性基を表す。
n’は、0又は1を表す。
【0030】
(6) 一般式(II’)が、下記一般式(II’a)で表されることを特徴とする(2)〜(5)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
【0031】
【化13】
Figure 2004226728
【0032】
一般式(II’a)中、
(IIIa1)−1〜R(IIIa1)−3は、一般式(II’)に於けるR(IIIa)−1〜R(IIIa)−3と同義である。
R’は、酸分解性基を表す。
【0033】
(7) 一般式(III)が、下記一般式(IIIa)で表されることを特徴とする(2)〜(6)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
【0034】
【化14】
Figure 2004226728
【0035】
一般式(IIIa)中、
1aは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、シアノ基、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。
1a及びL2aは、各々独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
Zは、酸分解性基を表す。
mは、0又は1を表す。
【0036】
(8) (A)成分の樹脂が、更に、下記一般式(II’b)で表される繰り返し単位を有することを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
【0037】
【化15】
Figure 2004226728
【0038】
一般式(II’b)中、
x1、Rx2、Ry1は、各々独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基又はアルキル基を表す。
21〜R32は、各々独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。但し、R21〜R26の内の少なくとも1つはフッ素原子であり、R27〜R32の内の少なくとも1つはフッ素原子である。
は、フェニレン基、シクロヘキシレン基、アダマンタン残基又はノルボルナン残基を表す。
は、単結合又は2価の連結基を表す。
Xは、酸分解性基を表す。
qは、0又は1を表す。
【0039】
(9) 更に、非ポリマー型溶解抑止剤を含有することを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
【0040】
(10) (B)活性光線又は放射線の作用により、酸を発生する化合物として、(B1)活性光線又は放射線の作用により有機スルホン酸を発生する化合物を含有することを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
【0041】
(11) (B1)活性光線又は放射線の作用により有機スルホン酸を発生する化合物として、活性光線又は放射線の作用により少なくとも1つのフッ素原子を有する有機スルホン酸を発生する化合物と、活性光線又は放射線の作用によりフッ素原子をもたない有機スルホン酸を発生する化合物をそれぞれ1種以上含有することを特徴とする(10)に記載のポジ型レジスト組成物。
【0042】
(12) (B)活性光線又は放射線の作用により酸を発生する化合物として、更に、(B2)活性光線又は放射線の作用によりカルボン酸を発生する化合物を含有することを特徴とする(10)又は(11)に記載のポジ型レジスト組成物。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
[1](A)一般式(I)で表される繰り返し単位を有する、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂
本発明のポジ型レジスト組成物は、一般式(I)で表される繰り返し単位を有する、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂(以下、「酸分解性樹脂」ともいう)を含有する。
【0044】
一般式(I)中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はアルキル基を表す。但し、R〜Rの内の少なくとも1つはフッ素原子である。R21〜R26は、各々独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。但し、R21〜R26の内の少なくとも1つはフッ素原子である。R27〜R32は、各々独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。但し、R27〜R32の内の少なくとも1つはフッ素原子である。Lは、単結合又は2価の連結基を表す。Lは、2価の連結基を表す。Zaは、水素原子、酸分解性基又は非酸分解性の有機基を表す。
【0045】
〜Rのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。
【0046】
〜R、R21〜R26、R27〜R32のアルキル基としては、炭素数1〜4個の直鎖状若しくは分岐状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基等を挙げることができる。
〜R、R21〜R26、R27〜R32のアルキル基は、ハロゲン原子等の更なる置換基を有していてもよい。
【0047】
〜Rは、フッ素原子であることが好ましい。
21〜R26、R27〜R32は、フッ素原子であることが好ましい。
【0048】
及びLの2価の連結基としては、例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、スルフォンアミド基、ウレタン基、ウレア基及びこれらの組み合わせを挙げることができる。アルキレン基は、炭素数1〜8個のアルキレン基が好ましく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等を挙げることができる。シクロアルキレン基は、炭素数5〜15個のシクロアルキレン基が好ましく、例えば、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、ノルボルナン残基、アダマンタン残基、トリシクロデカン残基、テトラシクロドデカン残基等を挙げることができる。アリーレン基は、炭素数6〜15個のアリーレン基が好ましく、例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基等を挙げることができる。アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基は、フッ素原子等の置換基を有していてもよい。
【0049】
は、エチレン基等のアルキレン基及びアルキレン基とエーテル基との組み合わせが好ましい。
は、シクロヘキシレン基、ノルボルナン残基、アダマンタン残基が好ましく、シクロヘキシレン基、アダマンタン残基がより好ましい。
【0050】
Zaの酸分解性基は、酸の作用により分解し、水酸基、カルボキシル基等の親水性基が形成され、アルカリ現像液に対する溶解度が増大するものであれば限定されないが、−C(R11a)(R12a)(R13a)、−C(R14a)(R15a)(OR16a)、−CO−O(R11a)(R12a)(R13a)で示される基が好ましい。
【0051】
11a〜R13aは、それぞれ独立して、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基を表す。R14aおよびR15aは、それぞれ独立して、水素原子またはアルキル基を表す。R16aは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基を表す。また、R11a、R12a、R13aのうちの2つ、またはR14a、R15a、R16aのうちの2つが結合して環を形成してもよい。
11a〜R13a、R14a、R15a、R16aのアルキル基としては、炭素数1〜8個のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基等を挙げることができる。
11a〜R13a、R16aのシクロアルキル基としては、単環型でもよく、多環型でのよい。単環型としては、炭素数3〜8個のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロブチル基、シクロオクチル基等を挙げることができる。多環型としては、炭素数6〜20個のシクロアルキル基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトシクロドデシル基、アンドロスタニル基等を挙げることができる。尚、シクロアルキル基中の炭素原子の一部が、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
11a〜R13a、R16aのアリール基としては、炭素数6〜10個のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、ナフチル基、アントリル基、9,10−ジメトキシアントリル基等を挙げることができる。
11a〜R13a、R16aのアラルキル基としては、炭素数7〜12のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
11a〜R13a、R16aのアルケニル基としては、炭素数2〜8個のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シクロヘキセニル基等を挙げることができる。
11a〜R13a、R14a、R15a、R16aが有していてもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等を挙げることができる。
酸分解性基の好ましい具体例としては、t−ブチル基、t−アミル基、1−アルキル−1−シクロヘキシル基、2−アルキル−2−アダマンチル基、2−アダマンチル−2−プロピル基、2−(4−メチルシクロヘキシル)−2−プロピル基等の3級アルキル基、1−アルコキシ−1−エトキシ基、1−アルコキシ−1−メトキシ基、テトラヒドロピラニル基等のアセタール基、t−アルキルカルボニル基、t−アルキルカルボニルメチル基等が好ましく挙げられる。
【0052】
Zaの非酸分解性の有機基とは、酸の作用により分解することのない有機基であり、例えば、酸の作用により分解することのない、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミド基、シアノ基等を挙げることができる。アルキル基は、炭素数1〜10個の直鎖状、分岐状、環状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等を挙げることができる。アリール基は、炭素数6〜14のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等を挙げることができる。アラルキル基は、炭素数6〜12個のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、クミル基等を挙げることができる。アルコキシ基及びアルコキシカルボニル基に於けるアルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基等を挙げることができる。Zaのアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基は、水酸基等の置換基を有していてもよい。
【0053】
一般式(I)は、一般式(Ia)で表されることが好ましい。
一般式(Ia)中、ARは、単環又は多環のシクロアルキレン基を表す。Lは、単結合又は2価の連結基を表す。Zaは、水素原子、酸分解性基又は非酸分解性の有機基を表す。
【0054】
ARの単環又は多環のシクロアルキレン基は、一般式(I)に於けるLのシクロアルキレン基と同様のものを挙げることができ、シクロへキシレン基、ノルボルナン残基、アダマンタン残基が好ましく、シクロへキシレン基、アダマンタン残基がより好ましい。
及びZaは、一般式(I)に於けるL及びZaと同義である。
【0055】
一般式(I)で表される繰り返し単位に相当する単量体は、例えば、各種アルコールと市販の試薬を用い、縮合反応等、常法により合成することができる。
【0056】
以下、一般式(I)、(Ia)で表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0057】
【化16】
Figure 2004226728
【0058】
【化17】
Figure 2004226728
【0059】
【化18】
Figure 2004226728
【0060】
【化19】
Figure 2004226728
【0061】
【化20】
Figure 2004226728
【0062】
【化21】
Figure 2004226728
【0063】
【化22】
Figure 2004226728
【0064】
(A)成分の樹脂は、更に、一般式(II)、(II’)又は(III)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。
【0065】
一般式(II)中、Qは、脂環式炭化水素基を表す。Lは、単結合又は2価の連結基を表す。V3aは、酸分解性基を表す。Rbは、水素原子、アルキル基又はハロゲン原子を表す。lは、0又は1〜3の整数を表す。
【0066】
Qとしての脂環式炭化水素基は、脂環を構成している少なくとも一つの原子が、樹脂の主鎖に含まれて存在し、脂環を構成している他のひとつの原子がLと結合している基である。
Qとしての脂環式炭化水素基としては、単環型でも良く、多環型でも良い。
単環型としては炭素数3〜8個のものであって、例えばシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基を好ましく挙げることができる。多環型としては炭素数6〜20個のものであって、例えばアダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基、アンドロスタニル基等を好ましく挙げることができる。尚、シクロアルキル基は、環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたものも含むものとする。
【0067】
の2価の連結基は、一般式(I)に於けるL、Lの2価の連結基と同様のものを挙げることができる。
【0068】
3aの酸分解性基としては、酸の作用により分解し、水酸基、カルボキシル基等の親水性基が形成され、アルカリ現像液に対する溶解度が増大する基であれば限定されるものではなく、−OC(R11a)(R12a)(R13a)、−OC(R14a)(R15a)(OR16a)、−O−CO−O(R11a)(R12a)(R13a)、−CO−OC(R11a)(R12a)(R13a)、−CO−OC(R14a)(R15a)(OR16a)で示される基であるのが好ましい。
11a〜R13aは、それぞれ独立して、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基を表す。R14aおよびR15aは、それぞれ独立して、水素原子またはアルキル基を表す。R16aは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基またはアリール基を表す。また、R11a、R12a、R13aのうちの2つ、またはR14a、R15a、R16aのうちの2つが結合して環を形成してもよい。
11a〜R13a、R14a、R15a、R16aのアルキル基としては、炭素数1〜8個のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基等を挙げることができる。
11a〜R13a、R16aのシクロアルキル基としては、単環型でもよく、多環型でのよい。単環型としては、炭素数3〜8個のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロブチル基、シクロオクチル基等を挙げることができる。多環型としては、炭素数6〜20個のシクロアルキル基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトシクロドデシル基、アンドロスタニル基等を挙げることができる。尚、シクロアルキル基中の炭素原子の一部が、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
11a〜R13a、R16aのアリール基としては、炭素数6〜10個のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、ナフチル基、アントリル基、9,10−ジメトキシアントリル基等を挙げることができる。
11a〜R13a、R16aのアラルキル基としては、炭素数7〜12のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
11a〜R13a、R16aのアルケニル基としては、炭素数2〜8個のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シクロヘキセニル基等を挙げることができる。
11a〜R13a、R14a、R15a、R16aが有していてもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等を挙げることができる。
酸分解性基の好ましい具体例としては、t−ブチル基、t−アミル基、1−アルキル−1−シクロヘキシル基、2−アルキル−2−アダマンチル基、2−アダマンチル−2−プロピル基、2−(4−メチルシクロヘキシル)−2−プロピル基等の3級アルキル基、1−アルコキシ−1−エトキシ基、1−アルコキシ−1−メトキシ基、テトラヒドロピラニル基等のアセタール基、t−アルキルカルボニル基、t−アルキルカルボニルメチル基等が好ましく挙げられる。
【0069】
Rbのアルキル基は、炭素数1〜3個のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等を挙げることができる。Rbのアルキル基は、フッ素原子等の置換基を有していてもよい。
Rbのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。
【0070】
一般式(II)は、一般式(IIa)又は(IIb)で表されることが好ましい。
【0071】
一般式(IIa)中、R11〜R16は、各々独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。但し、R11〜R16の内の少なくとも1つはフッ素原子である。Xは、酸分解性基を表す。n’は、0又は1を表す。
【0072】
11〜R16のアルキル基は、炭素数1〜3個のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等を挙げることができる。R11〜R16のアルキル基は、フッ素原子等の置換基を有していてもよい。
Xの酸分解性基は、酸の作用により分解し、水酸基、カルボキシル基等の親水性基が形成され、アルカリ現像液に対する溶解度が増大するものであれば限定されないが、−C(R11a)(R12a)(R13a)、−C(R14a)(R15a)(OR16a)、−CO−O(R11a)(R12a)(R13a)で示される基が好ましい。R11a〜R16aは、一般式(II)中のV3aに於けるR11a〜R16aと同様のものである。
【0073】
一般式(IIb)中、Rcは、水素原子、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。Rcは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はアルキル基を表す。R’は、酸分解性基を表す。
n’は、0又は1を表す。
【0074】
Rcの少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜5個のアルキル基が好ましく、例えば、パーフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、モノフルオロメチル基、パーフルオロメチル基、テトラフルオロメチル基等を挙げることができる。
Rcのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、沃素原子、臭素原子を挙げることができる。
Rcのアルキル基は、炭素数1〜8個のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基等を挙げることができる。Rcのアルキル基は、フッ素原子等の置換基を有していてもよい。
R’の酸分解性基は、酸の作用により分解し、水酸基、カルボキシル基等の親水性基が形成され、アルカリ現像液に対する溶解度が増大するものであれば限定されないが、−C(R11a)(R12a)(R13a)、−C(R14a)(R15a)(OR16a)、−CO−O(R11a)(R12a)(R13a)で示される基が好ましい。R11a〜R16aは、一般式(II)中のV3aに於けるR11a〜R16aと同様のものである。
【0075】
以下、一般式(II)(IIa)、(IIb)で表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0076】
【化23】
Figure 2004226728
【0077】
【化24】
Figure 2004226728
【0078】
【化25】
Figure 2004226728
【0079】
一般式(II’)中、R(IIIa)−1〜R(IIIa)−3は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基又はアルキル基を表す。Lは、単結合又は2価の連結基を表す。Vは、酸分解性基を表す。
【0080】
(IIIa)−1〜R(IIIa)−3のアルキル基は、炭素数1〜3個のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等を挙げることができる。R(IIIa)−1〜R(IIIa)−3のアルキル基は、フッ素原子等の置換基を有していてもよい。
【0081】
の2価の連結基としては、例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、スルフォンアミド基、ウレタン基、ウレア基及びこれらの組み合わせを挙げることができる。アルキレン基は、炭素数1〜8個のアルキレン基が好ましく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等を挙げることができる。シクロアルキレン基は、炭素数5〜15個のシクロアルキレン基が好ましく、例えば、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、ノルボルナン残基、アダマンタン残基、トリシクロデカン残基、テトラシクロドデカン残基等を挙げることができる。アリーレン基は、炭素数6〜15個のアリーレン基が好ましく、例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基等を挙げることができる。アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基は、フッ素原子等の置換基を有していてもよい。
【0082】
の酸分解性基は、一般式(II)に於けるV3aの酸分解性基と同様のものである。
【0083】
一般式(II’)は、一般式(II’a)で表されることが好ましい。
一般式(II’a)中、R(IIIa1)−1〜R(IIIa1)−3は、一般式(II’)に於けるR(IIIa)−1〜R(IIIa)−3と同義である。
R’は、酸分解性基を表す。R’の酸分解性基は、一般式(IIb)に於けるR’の酸分解性基と同様のものである。
【0084】
以下、一般式(II’)(II’a)で表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0085】
【化26】
Figure 2004226728
【0086】
【化27】
Figure 2004226728
【0087】
【化28】
Figure 2004226728
【0088】
【化29】
Figure 2004226728
【0089】
【化30】
Figure 2004226728
【0090】
【化31】
Figure 2004226728
【0091】
【化32】
Figure 2004226728
【0092】
【化33】
Figure 2004226728
【0093】
一般式(III)中、RIII−1〜RIII−3は、各々独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基又はアルキル基を表す。Lは、2価の連結基を表す。Zは、酸分解性基を表す。
【0094】
III−1〜RIII−3のアルキル基は、炭素数1〜3個のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等を挙げることができる。RIII−1〜RIII−3のアルキル基は、フッ素原子等の置換基を有していてもよい。
の2価の連結基としては、置換基を有していてもよい、2価の、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、エーテル基、カルボニル基若しくはこれらの組み合わせ又は−O−CO−R22a−、−CO−O−R22b−、−CO−N(R22c)−R22d−等が挙げられる。
22a、R22bおよびR22dは、同じでも異なっていてもよく、単結合またはエーテル基、エステル基、アミド基、ウレタン基若しくはウレイド基を有していてもよい、2価の、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基若しくはアリーレン基を表す。R22cは、水素原子または置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基若しくはアリール基を表す。
アルキレン基としては、直鎖状および分岐状アルキレン基を挙げることができ、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜8個のものが挙げられる。
シクロアルキレン基としては、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基等の単環の残基、またはノルモルナン骨格、アダマンタン骨格等の多環の残基が挙げられる(炭素数5〜12)。
アルケニレン基としては、好ましくは置換基を有していても良いエテニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基等の炭素数2〜6個のものが挙げられる。
アリーレン基としては、好ましくは置換基を有していても良いフェニレン基、トリレン基、ナフチレン基等の炭素数6〜15個のものが挙げられる。
中に、脂環骨格を含むのが好ましく、また少なくとも1つのフッ素原子を含むのも好ましい。脂環骨格としては、C〜C20のものが挙げられる。具体的にはシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、ノルボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられ、好ましくはシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、ノルボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンであり、より好ましくはシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、ノルボルナンである。また、脂環骨格中には少なくとも1つのフッ素原子を含有することが好ましい。
特には、単結合を含まない連結基、アルキレン基、または、シクロアルキレン基中の置換基にフッ素化アルキル基も含む連結基、若しくは、フッ素原子を含む連結基であるのが好ましい。
Zの酸分解性基は、一般式(II)に於けるV3aの酸分解性基と同様のものである。
【0095】
一般式(III)は、一般式(IIIa)で表されることが好ましい。
【0096】
一般式(IIIa)中、R1aは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、シアノ基、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。L1a及びL2aは、各々独立に、単結合又は2価の連結基を表す。Zは、酸分解性基を表す。mは、0又は1を表す。
【0097】
1aのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。
1aのアルキル基及びアルコキシ基に於けるアルキル基としては、炭素数1〜8個のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基等を挙げることができる。
1aのアリール基としては、炭素数6〜10個のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、ナフチル基、アントリル基、9,10−ジメトキシアントリル基等を挙げることができる。
1aのアラルキル基としては、炭素数7〜12のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
1aのアルキル基、アリール基、アラルキル基は、フッ素原子等の置換基を有していてもよい。
1aは、水素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基、水酸基、シアノ基、メチル基、エチル基であることが好ましい。
1a及びL2aの2価の連結基は、一般式(I)に於けるL、Lの2価の連結基と同様のものである。
Zの酸分解性基は、一般式(II)に於けるV3aの酸分解性基と同様のものである。
【0098】
以下、一般式(III)、(IIIa)で表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0099】
【化34】
Figure 2004226728
【0100】
【化35】
Figure 2004226728
【0101】
【化36】
Figure 2004226728
【0102】
(A)成分の樹脂は、更に、一般式(II’b)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。
【0103】
一般式(II’b)中、Rx1、Rx2、Ry1は、各々独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基又はアルキル基を表す。R21〜R32は、各々独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。但し、R21〜R26の内の少なくとも1つはフッ素原子であり、R27〜R32の内の少なくとも1つはフッ素原子である。Zは、フェニレン基、シクロヘキシレン基、アダマンタン残基又はノルボルナン残基を表す。Lは、単結合又は2価の連結基を表す。Xは、酸分解性基を表す。qは、0又は1を表す。
【0104】
x1、Rx2、Ry1は、一般式(II’)に於けるR(IIIa)−1〜R(IIIa)−3と同様のものである。
21〜R32は、一般式(I)に於けるR21〜R32と同様のものである。
の2価の連結基は、一般式(I)に於けるL、Lの2価の連結基と同様のものを挙げることができる。
Xは、一般式(IIa)に於けるXと同様のものである。
【0105】
以下、一般式(II’b)で表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0106】
【化37】
Figure 2004226728
【0107】
酸分解性基は、酸の作用により分解して水酸基、カルボキシル基等の親水性基となることにより、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する。(A)成分の樹脂は、酸の作用により酸分解性基が分解して水酸基、カルボキシル基等の親水性基となることにより、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する。
(A)成分の樹脂は、一般式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIb)、(II’)、(II’a)、(III)、(IIIa)、(II’b)で表される繰り返し単位の内部に酸分解性基をもつことができる。
【0108】
(A)成分の樹脂は、一般式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(IIb)、(II’)、(II’a)、(III)、(IIIa)、(II’b)で表される繰り返し単位以外に、他の共重合成分による繰り返し単位の内部に酸分解性基を有していてもよい。
【0109】
上記具体例で表される繰り返し単位は、各々1種で使用しても良いし、複数を混合して用いても良い。
【0110】
(A)成分の樹脂は、更に、他の共重合モノマーを共重合させてもよい。
使用することができる共重合モノマーとしては、例えば、上記以外のアクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸エステル類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、スチレン類、クロトン酸エステル類、シクロへキセン、ノルボルネン、テトラシクロドデカン等の単環又は多環の環状オレフィン類(任意の位置にアルキル基、フッ素原子、塩素原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、−C(CFOH基等が置換していてもよい)などから選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物を挙げることができる。
【0111】
(A)成分の樹脂中、一般式(I)、(Ia)で表される繰り返し単位の含有量は、通常3〜95モル%、好ましくは5〜80モル%、より好ましくは7〜70モル%である。
(A)成分の樹脂中、酸分解性基を有する繰り返し単位の含有量は、通常3〜95モル%、好ましくは5〜90モル%、より好ましくは10〜80モル%である。
【0112】
樹脂(A)の好ましい分子量は、重量平均で1,000〜200,000であり、更に好ましくは3,000〜200,000の範囲で使用される。最も好ましくは3,000より50,000である。分子量分布(分散度)は1〜10であり、好ましくは1〜3、更に好ましくは1〜2の範囲のものが使用される。最も好ましくは1〜1.7である。分子量分布の小さいものほど塗布性、感度、コントラストに優れる。本発明においては、分子量が1000以下の樹脂の割合が20%以下であることが好ましく、より好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下である。また、樹脂(A)中の残存モノマーの割合は10%以下が好ましく、より好ましくは7%以下、さらに好ましくは5%以下である。
【0113】
樹脂(A)の添加量は組成物の全固形分を基準として、一般的に50〜99.5質量%、好ましくは60〜98質量%、更に好ましくは65〜95質量%の範囲で使用される。
【0114】
樹脂(A)は、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種を、一括であるいは反応途中で反応容器に仕込み、これを必要に応じ反応溶媒、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、さらには後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのような、各種モノマーを溶解させ得る溶媒に溶解させ均一とした後、窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で必要に応じ加熱、市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は20質量%以上であり、好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上である。反応温度は10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは50〜100℃である。尚、モノマーによってはアニオン重合を利用した場合により好適に合成できる。重合法については、日本化学会編「実験化学講座28、高分子合成」(丸善)、日本化学会編「新実験化学講座19、高分子化学」(丸善)に記載されている。
尚、重合反応の反応性が低い場合やモノマーが常温、常圧でガスである場合、反応容器を密閉して加圧条件で行った方がより好適に合成できる場合もある。また、モノマーによってはパラジウム等の遷移金属触媒を用いて重合した場合により好適に合成できる。
【0115】
本発明において、(A)成分の樹脂中に含まれるNa、K、Ca、Fe,Mg等のメタル成分は少量であることが好ましい。具体的には、樹脂中に含まれるメタル種含有量が各300ppb以下であることが好ましく、より好ましくは200ppb以下、さらに好ましくは100ppb以下である。
【0116】
[2](B)活性光線又は放射線の作用により酸を発生する化合物
本発明のポジ型レジスト組成物は、活性光線又は放射線、特にFエキシマレーザー光の作用により酸を発生する化合物を含有する。
活性光線又は放射線の作用により酸を発生する化合物は、一般に、活性光線又は放射線の作用により分解して酸を発生する化合物(光酸発生剤)として使用されているものから選択することができる。
即ち、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている公知の光(400〜200nmの紫外線、遠紫外線、特に好ましくは、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光)、ArFエキシマレーザー光、Fエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線またはイオンビームにより酸を発生する化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
【0117】
このような化合物としては、たとえば S. I. Schlesinger, Photogr. Sci. Eng., 18, 387 (1974)、T. S. Bal et al, Polymer, 21, 423(1980)等に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号、同 Re 27,992号、特開平3−140140号等に記載のアンモニウム塩、D. C. Necker et al,Macromolecules,17, 2468(1984)、C. S. Wen et al, Teh, Proc. Conf. Rad. Curing ASIA, p478 Tokyo,Oct(1988)、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号等に記載のホスホニウム塩、J. V. Crivello et al, Macromorecules, 10(6), 1307(1977)、Chem.& Eng. News, Nov. 28, p31(1988)、欧州特許第104,143号、同339,049号、同第410,201号、特開平2−150848号、特開平2−296514 号等に記載のヨードニウム塩、J. V. Crivello et al, Polymer J. 17, 73(1985)、J. V. Crivello et al., J.Org. Chem., 43, 3055(1978)、W. R. Watt et al, J. Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 22, 1789(1984)、J. V. Crivello et al, Polymer Bull., 14, 279(1985)、J. V. Crivello et al, Macromorecules, 14(5), 1141(1981)、J. V. Crivello et al, J. Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 17, 2877(1979)、欧州特許第370,693号、同161,811号、同410,201号、同339,049号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同3,902,114号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、獨国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号等に記載のスルホニウム塩、J. V. Crivello et al, Macromorecules, 10(6), 1307(1977)、J. V. Crivello et al, J. Polymer Sci., Polymer Chem. Ed., 17, 1047(1979)等に記載のセレノニウム塩、C. S. Wen et al, Teh, Proc. Conf. Rad. Curing ASIA, p478 Tokyo, Oct(1988)等に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩、米国特許第3,905,815号、特公昭46−4605号、特開昭48−36281号、特開昭55−32070号、特開昭60−239736号、特開昭61−169835号、特開昭61−169837号、特開昭62−58241号、特開昭62−212401号、特開昭63−70243号、特開昭63−298339号等に記載の有機ハロゲン化合物、K. Meier et al, J. Rad. Curing, 13(4), 26(1986)、T. P. Gill et al, Inorg. Chem., 19, 3007(1980)、D. Astruc,Acc. Chem. Res., 19(12), 377(1896)、特開平2−161445号等に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、S. Hayase et al, J. Polymer Sci., 25, 753(1987)、E. Reichmanis et al, J. Pholymer Sci., Polymer Chem. Ed., 23, 1(1985)、Q. Q. Zhuetal, J. Photochem., 36, 85, 39, 317(1987)、B. Amit et al, Tetrahedron Lett.,(24)2205(1973)、D. H. R. Barton et al, J. Chem Soc., 3571(1965)、P. M. Collins et al, J. Chem. Soc., Perkin I, 1695(1975)、M. Rudinstein et al, Tetrahedron Lett., (17), 1445(1975)、J. W. Walker et al, J. Am. Chem. Soc., 110, 7170(1988)、S. C. Busman et al, J. Imaging Technol., 11(4), 191(1985)、H. M. Houlihan et al, Macromolecules, 21, 2001(1988)、P. M.Collins et al, J. Chem. Soc., Chem. Commun., 532(1972)、S. Hayase et al, Macromolecules, 18, 1799(1985)、E. Reichmanis et al, J. Electrochem. Soc., Solid State Sci. Technol., 130(6)、F. M. Houlihan et al, Macromolcules, 21,2001(1988)、欧州特許第0290,750号、同046,083号、同156,535号、同271,851号、同0,388,343号、米国特許第3,901,710号、同4,181,531号、特開昭60−198538号、特開昭53−133022号等に記載の0−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、M.TUNOOKA et al, Polymer Preprints Japan, 35(8)、G. Berneret al, J. Rad. Curing, 13(4)、 W. J. Mijs et al, Coating Technol., 55(697),45(1983), Akzo、H. Adachi et al, Polymer Preprints, Japan, 37(3)、欧州特許第0199,672号、同84515号、同044,115号、同618,564号、同0101,122号、米国特許第4,371,605号、同4,431,774 号、特開昭64−18143号、特開平2−245756号、特開平3−140109号等に記載のイミノスルフォネ−ト等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、特開昭61−166544号等に記載のジスルホン化合物等を挙げることができる。
【0118】
本発明に於いては、(B)活性光線又は放射線の作用により、酸を発生する化合物として、(B1)活性光線又は放射線の作用により有機スルホン酸を発生する化合物を使用することが好ましい。
本発明に於いては、(B1)活性光線又は放射線の作用により有機スルホン酸を発生する化合物として、(B1a)活性光線又は放射線の作用により少なくとも1つのフッ素原子を有する有機スルホン酸を発生する化合物と、(B1b)活性光線又は放射線の作用によりフッ素原子をもたない有機スルホン酸を発生する化合物をそれぞれ1種以上使用することが好ましい。
本発明に於いては、(B)活性光線又は放射線の作用により酸を発生する化合物として、(B1)活性光線又は放射線の作用により有機スルホン酸を発生する化合物とともに、更に、(B2)活性光線又は放射線の作用によりカルボン酸を発生する化合物を使用することが好ましい。(B2)活性光線又は放射線の作用によりカルボン酸を発生する化合物としては、(B2a)活性光線又は放射線の作用により少なくとも1つのフッ素原子を有するカルボン酸を発生する化合物と、(B2b)活性光線又は放射線の作用によりフッ素原子をもたないカルボン酸を発生する化合物とを挙げることができる。
【0119】
(B1)成分に対し、(B2)成分を組み合わせることで塗布性、コントラストを高めることがきる。
上記(B1)成分及び(B2)成分の、有機スルホン酸及びカルボン酸は、脂肪族又は芳香族のいずれでもよい。
(B1)成分の、有機スルホン酸は、炭素数1〜20であるのが好ましく、より好ましくは2〜16であり、更に好ましくは3〜12である。
【0120】
(B1a)活性光線又は放射線の作用により少なくとも1つのフッ素原子を有する有機スルホン酸を発生する化合物
活性光線又は放射線の作用により少なくとも1つのフッ素原子を有する有機スルホン酸を発生する化合物としては、例えば、下記の一般式(PAG3)で表されるヨードニウム塩、又は一般式(PAG4)で表されるスルホニウム塩を挙げることができる。
【0121】
【化38】
Figure 2004226728
【0122】
式中、Ar、Arは、各々独立に、置換もしくは未置換のアリール基を示す。R203、R204、R205は、各々独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。
は、少なくとも1つのフッ素原子を有するスルホン酸アニオンを示す。
またR203、R204、R205のうちの2つおよびAr、Arはそれぞれの単結合または置換基を介して結合してもよい。
【0123】
Ar、Ar、R203、R204、R205としてのアリール基としては、好ましくは、炭素数6〜14のアリール基、アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基である。
好ましい置換基としては、アリール基に対しては炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜9のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜9のアルキルカルボニルアミノ基、ニトロ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子およびフェニルチオ基であり、アルキル基に対しては炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数5〜14のアリール基、炭素数6〜15のアリールカルボニル基、カルボキシル基およびハロゲン原子を挙げることができる。
【0124】
のスルホン酸アニオンとしては、好ましくは、少なくとも1つのフッ素原子を有する炭素数1〜20の脂肪族炭化水素および炭素数5〜20の芳香族炭化水素を挙げることができる。これらは置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、炭素数1〜10のフッ素置換していてもよいアルコキシ基、炭素数2〜11のフッ素置換していてもよいアルコキシカルボニル基、フェニルアミノ基、フェニルカルボニル基、ハロゲン原子、水酸基を挙げることができる。芳香族炭化水素に対しては、さらに炭素数1〜15のアルキル基を挙げることができる。
【0125】
以下に具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0126】
【化39】
Figure 2004226728
【0127】
【化40】
Figure 2004226728
【0128】
【化41】
Figure 2004226728
【0129】
【化42】
Figure 2004226728
【0130】
【化43】
Figure 2004226728
【0131】
【化44】
Figure 2004226728
【0132】
【化45】
Figure 2004226728
【0133】
【化46】
Figure 2004226728
【0134】
【化47】
Figure 2004226728
【0135】
(B1b)活性光線又は放射線の作用によりフッ素をもたない有機スルホン酸を発生する化合物
活性光線又は放射線の作用によりフッ素をもたない有機スルホン酸を発生する化合物として、例えば、先の一般式(PAG3)及び(PAG4)に於いて、Zがフッ素原子を有しないスルホン酸アニオンであるヨードニウム塩およびスルホニウム塩を挙げることができる。
【0136】
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0137】
【化48】
Figure 2004226728
【0138】
【化49】
Figure 2004226728
【0139】
【化50】
Figure 2004226728
【0140】
【化51】
Figure 2004226728
【0141】
また、下記一般式(PAG5)で表されるジスルホン誘導体または一般式(PAG6)で表されるイミノスルホネート誘導体も挙げることができる。
【0142】
【化52】
Figure 2004226728
【0143】
式中、Ar、Arは各々独立に置換もしくは未置換のアリール基を示す。R206は置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。Aは置換もしくは未置換のアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基を示す。
【0144】
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0145】
【化53】
Figure 2004226728
【0146】
【化54】
Figure 2004226728
【0147】
また、下記一般式(PAG7)で表されるジアゾジスルホン誘導体を挙げることができる。
【0148】
【化55】
Figure 2004226728
【0149】
式中、Rは、直鎖、分岐または環状アルキル基、あるいは置換していてもよいアリール基を表す。
【0150】
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0151】
【化56】
Figure 2004226728
【0152】
上記(B1a)及び(B1b)で説明した化合物は、過ヨウ素酸塩を用いて芳香族化合物を反応させ、得られたヨードニウム塩を対応するスルホン酸に塩交換することにより合成可能である。
また、アリールマグネシウムブロミドなどのアリールグリニャール試薬と置換または無置換のフェニルスルホキシドを反応させ、得られたトリアリールスルホニウムハライドを対応するスルホン酸と塩交換する方法で合成できる。また、置換または無置換のフェニルスルホキシドと対応する芳香族化合物をメタンスルホン酸/五酸化二リンあるいは塩化アルミニウムなどの酸触媒を用いて縮合、塩交換する方法、ジアリールヨードニウム塩とジアリールスルフィドを酢酸銅などの触媒を用いて縮合、塩交換する方法などによって合成できる。
塩交換は、いったんハライド塩に導いた後に酸化銀などの銀試薬を用いてスルホン酸塩に変換する方法、あるいはイオン交換樹脂を用いることでも塩交換できる。また、塩交換に用いるスルホン酸あるいはスルホン酸塩は、市販のものを用いるか、あるいは市販のスルホン酸ハライドの加水分解などによって得ることができる。
【0153】
(B2a)活性光線又は放射線の作用により少なくとも1つのフッ素を有するカルボン酸を発生する化合物
少なくとも1つのフッ素原子を有するカルボン酸としては、少なくとも1つのフッ素原子を有する脂肪族カルボン酸及び少なくとも1つのフッ素原子を有する芳香族カルボン酸を挙げることができる。
【0154】
少なくとも1つのフッ素を有する脂肪族カルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、イソ酪酸、バレリアン酸、トリメチル酢酸、カプロン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸等の脂肪族カルボン酸のフッ素置換物が挙げられる。これらは、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン原子を置換基として有していてもよい。また、その脂肪族鎖の中に酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、カルボキシル基、スルホニル基などの連結基を含んでいるものが好ましい。
【0155】
好ましいフッ素置換された脂肪族カルボン酸として、下記の一般式で表されるものを挙げることができる。
L−(CH(CF(CH−COOH
【0156】
一般式中、Lは、水素原子またはフッ素原子を表す。pおよびrは、各々独立に0〜15の整数、qは1〜15の整数を表す。この一般式におけるアルキル鎖の水素原子またはフッ素原子は、フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基(好ましくは炭素数1〜5)、フッ素原子で置換されていてもよいアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5)、または、水酸基で置換されていてもよい。
上記フッ素置換された脂肪族カルボン酸としては、好ましくはその炭素数が2〜20、より好ましくは4〜20である飽和脂肪族カルボン酸のフッ素置換物であることが好ましい。この炭素数を4個以上とすることで、発生するカルボン酸分解性の拡散性が低下し、露光から後加熱までの経時による線幅変化をより抑制できる。なかでも、炭素数4〜18個の直鎖または分岐飽和脂肪族カルボン酸のフッ素置換物が好ましい。
【0157】
少なくとも1つのフッ素を有する芳香族族カルボン酸としては、炭素数が7〜20、より好ましくは7〜15、更に好ましくは7〜11である芳香族カルボン酸のフッ素置換物であることが好ましい。具体的には、安息香酸、置換安息香酸、ナフトエ酸、置換ナフトエ酸、アントラセンカルボン酸、置換アントラセンカルボン酸(ここで、置換基としてはアルキル基、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、アリール基、アシル基、アシルオキシ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリールチオ基が挙げられる)等の芳香族カルボン酸のフッ素置換物が挙げられる。なかでも、安息香酸、置換安息香酸のフッ素置換物が好ましい。
【0158】
これらフッ素原子で置換された脂肪族又は芳香族のカルボン酸は、カルボキシル基以外の骨格に存在する水素原子の1個以上がフッ素原子で置換されたものであり、特に好ましくはカルボキシル基以外の骨格に存在する水素原子すべてがフッ素原子で置換された脂肪族あるいは芳香族のカルボン酸(パーフルオロ飽和脂肪族カルボン酸あるいはパーフルオロ芳香族カルボン酸)である。これにより、感度が一層優れるようになる。
【0159】
好ましくは、上記のようなフッ素原子で置換された脂肪族又は芳香族カルボン酸のアニオンをカウンターアニオンとして有するオニウム塩化合物(スルホニウム塩、ヨードニウム塩等)、カルボン酸エステル基を有するイミドカルボキシレート化合物あるいはニトロベンジルエステル化合物等が挙げられる。
より好ましくは下記一般式(I’)〜(III’)で表される化合物が挙げられる。これにより、感度、解像力、露光マージンが一層優れるようになる。この化合物に活性光線または放射線を照射することより、下記一般式(I’)〜(III’)のXに相当する少なくとも1つのフッ素原子で置換された飽和脂肪族あるいは芳香族のカルボン酸を発生し、光酸発生剤として機能する。
【0160】
【化57】
Figure 2004226728
【0161】
(上記式中、R 〜R37は、各々独立に、水素原子、直鎖、分岐あるいは環状アルキル基、直鎖、分岐あるいは環状アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、または−S−R38基を表す。ここでR38は直鎖、分岐、環状アルキル基またはアリール基を表す。Xは、少なくとも1つのフッ素原子で置換された脂肪族あるいは芳香族のカルボン酸のアニオンである。)
は、好ましくはパーフルオロ脂肪族カルボン酸あるいはパーフルオロ芳香族カルボン酸のアニオンであり、特に好ましくは炭素数4個以上のフッ素置換アルキルカルボン酸のアニオンである。
【0162】
上記一般式(I’)〜(III’)における、R〜R38の直鎖、分岐アルキル基としては、置換基を有してもよい、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基のような炭素数1〜4個のものが挙げられる。環状アルキル基としては、置換基を有してもよい、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような炭素数3〜8個のものが挙げられる。
〜R37のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基のような炭素数1〜4個のものが挙げられる。
〜R37のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。
38のアリール基としては、フェニル基、トリル基、メトキシフェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜14個のものが挙げられる。アリール基は置換基を有してもよい。
これらの置換基として好ましくは、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、沃素原子)、炭素数6〜10個のアリール基、炭素数2〜6個のアルケニル基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基等が挙げられる。
【0163】
本発明で使用される一般式(I’)〜(III’)で表されるヨードニウム化合物あるいはスルホニウム化合物は、その対アニオンXとして、少なくとも1つのフッ素原子で置換された飽和脂肪族又は芳香族カルボン酸のアニオンを有する。これらのアニオンは、該カルボン酸(−COOH)の水素原子が離脱したアニオン(−COO)である。
【0164】
以下に、具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
一般式(I’)で表される光酸発生剤の具体例(I−1f)〜(I〜6f):
【0165】
【化58】
Figure 2004226728
【0166】
一般式(II’)で表される光酸発生剤の具体例(II−1f)〜(II〜13f):
【0167】
【化59】
Figure 2004226728
【0168】
【化60】
Figure 2004226728
【0169】
一般式(III’)で表される光酸発生剤の具体例(III−1f)〜(III〜3f):
【0170】
【化61】
Figure 2004226728
【0171】
その他の光酸発生剤の具体例(IV−1f)〜(V〜4f):
【0172】
【化62】
Figure 2004226728
【0173】
上記一般式(I’)で表される化合物は、過ヨウ素酸塩を用いて芳香族化合物を反応させ、得られたヨードニウム塩を対応するカルボン酸に塩交換することにより合成可能である。
一般式(II’)、一般式(III’)で表される化合物は、例えば、アリールマグネシウムブロミドなどのアリールグリニャール試薬と置換または無置換のフェニルスルホキシドを反応させ、得られたトリアリールスルホニウムハライドを対応するカルボン酸と塩交換する方法で合成できる。また、置換または無置換のフェニルスルホキシドと対応する芳香族化合物をメタンスルホン酸/五酸化二リンあるいは塩化アルミニウムなどの酸触媒を用いて縮合、塩交換する方法、ジアリールヨードニウム塩とジアリールスルフィドを酢酸銅などの触媒を用いて縮合、塩交換する方法などによって合成できる。
塩交換は、いったんハライド塩に導いた後に酸化銀などの銀試薬を用いてカルボン酸塩に変換する方法、あるいはイオン交換樹脂を用いることでも塩交換できる。また、塩交換に用いるカルボン酸あるいはカルボン酸塩は、市販のものを用いるか、あるいは市販のカルボン酸ハライドの加水分解などによって得ることができる。
【0174】
アニオン部分としてのフッ素置換されたカルボン酸は、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)もしくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれるものを用いたものも好ましい。これらのフルオロ脂肪族化合物の製造法に関しては、例えば、「フッ素化合物の合成と機能」(監修:石川延男、発行:株式会社シーエムシー、1987)の117〜118ページや、「Chemistry of Organic Fluorine Compounds II」(Monograph 187,Ed by Milos Hudlicky and Attila E. Pavlath, American Chemical Society 1995)の747−752ページに記載されている。テロメリゼーション法とは、沃化物等の連鎖移動常数の大きいアルキルハライドをテローゲンとして、テトラフルオロエチレン等のフッ素含有ビニル化合物のラジカル重合を行い、テロマーを合成する方法である(Scheme−1に例を示した)。テロマー法による合成においては炭素鎖長の異なる複数の化合物の混合物が得られるが、これを混合物のまま使用してもよいし、精製して用いてもよい。
【0175】
(B2b)活性光線又は放射線の作用によりフッ素をもたないカルボン酸を発生する化合物
活性光線又は放射線の作用によりフッ素をもたないカルボン酸を発生する化合物としては、例えば、下記一般式(AI)〜(AV)で示される化合物を挙げることができる。
【0176】
【化63】
Figure 2004226728
【0177】
上記式において、R301 〜R337は、各々独立に水素原子、直鎖、分岐あるいは環状アルキル基、直鎖、分岐あるいは環状アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、または−S−R基を表す。Rは直鎖、分岐、環状アルキル基またはアリール基を表す。
上記式(AV)中のRa、Rbは、各々独立に水素原子、ニトロ基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい、アルキル基、アルコキシ基を表す。また、上記式(AIV)中のRc、Rdは、各々独立にハロゲン原子、置換基を有していてもよい、アルキル基またはアリール基を表す。RcとRdとが結合して芳香環、単環あるいは多環の環状炭化水素(これらの環内には酸素原子、窒素原子を含んでいてもよい)を形成してもよい。Y、Yは、炭素原子を表し、Y−Y結合は、単結合でも2重結合でもよい。上記Xは、下記式で示されるカルボン酸化合物がアニオンになったものを表す。X、Xは、各々独立に、下記式で示されるカルボン酸化合物がカルボキシル基部分でエステル基となったものを表す。
【0178】
【化64】
Figure 2004226728
【0179】
【化65】
Figure 2004226728
【0180】
上記式中、R338は、炭素数1〜30の直鎖状、分岐状あるいは環状のアルキル基(ここで、アルキル基の鎖中に酸素原子、窒素原子を含んでいてもよい)、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルケニル基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキニル基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状あるいは環状のアルコキシル基、前記アルキル基の水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子および/または水酸基で置換された基、前記アルケニル基の水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子および/または水酸基で置換された基、あるいは炭素数6〜20の置換もしくは非置換のアリール基を示す。ここで、アリール基の置換基としてはアルキル基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子を挙げることができる。
【0181】
339は、単結合あるいは、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状あるいは環状のアルキレン基(ここで、アルキレン基の鎖中に酸素原子、窒素原子を含んでいてもよい)、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルケニレン基、前記アルキレン基の水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子および/または水酸基で置換された基、前記アルケニレン基の水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子で置換された基、あるいは炭素数2〜20のアルコキアルキレン基を示し、複数存在するR338、R339は相互に同一でも異なってもよい。
【0182】
340は水酸基またはハロゲン原子を示し、複数存在するR340は相互に同一でも異なってもよい。m、n、pおよびqは各々独立に、0〜3の整数で、m+n≦5、p+q≦5である。zは0または1である。
【0183】
前記一般式(AI)〜(AV)における、R301〜R337、Ra、Rb、Rc、Rd、Rにおける直鎖、分岐アルキル基としては、置換基を有してもよい、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基のような炭素数1〜4個のものが挙げられる。環状アルキル基としては、置換基を有してもよい、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような炭素数3〜8個のものが挙げられる。
301〜R337、Ra、Rbのアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基のような炭素数1〜4個のものが挙げられる。
301〜R337、Ra、Rb、Rc、Rdのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。
、Rc、Rdのアリール基としては、フェニル基、トリル基、メトキシフェニル基、ナフチル基のような置換基を有してもよい炭素数6〜14個のものが挙げられる。
これらの置換基として好ましくは、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、沃素原子)、炭素数6〜10個のアリール基、炭素数2〜6個のアルケニル基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基等が挙げられる。
【0184】
RcとRdとが結合して形成する、芳香環、単環あるいは多環の環状炭化水素(これらの環内には酸素原子、窒素原子を含んでいてもよい)としては、ベンゼン構造、ナフタレン構造、シクロヘキサン構造、ノルボルネン構造、オキサビシクロ構造等が挙げられる。
【0185】
本発明で使用され得る一般式(AI)〜(AIII)で表されるスルホニウム、ヨードニウム化合物は、その対アニオンXとして、上記式(C1)〜(C10)で示されるカルボン酸化合物のうち少なくとも1種の化合物のカルボキシル基(−COOH)がアニオン(−COO)となったものを含む。
本発明で使用される一般式(AIV)〜(AV)で表される化合物は、置換基X、Xとして、上記式(C1)〜(C10)で示されるカルボン酸化合物のうち少なくとも1種の化合物のカルボキシル基(−COOH)がエステル基(−COO−)となった置換基を含む。
【0186】
338における、炭素数1〜30の直鎖状、分岐状あるいは環状のアルキル基(ここで、アルキル基の鎖中に酸素原子、窒素原子を含んでいてもよい)としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ドデシル、1−エトキシエチル、アダマンチル等が挙げられる。
炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルケニル基としては、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、シクロヘキセン等が挙げられる。
炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキニル基としては、アセチレン、プロペニレン等が挙げられる。
炭素数1〜20の直鎖状、分岐状あるいは環状のアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシ、イソブトキシ、ドデシルオキシ等が挙げられる。
炭素数6〜20の置換もしくは非置換のアリール基としては、フェニル、ナフチル、アントラニル等が挙げられる。
アリール基の置換基としてはアルキル基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子を挙げることができる。
【0187】
339における、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状あるいは環状のアルキレン基(ここで、アルキレン基の鎖中に酸素原子、窒素原子を含んでいてもよい)、としては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、エトキシエチレン、シクロヘキシレン等が挙げられる。
炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルケニレン基としては、ビニレン、アリレン等が挙げられる。
【0188】
具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0189】
【化66】
Figure 2004226728
【0190】
【化67】
Figure 2004226728
【0191】
【化68】
Figure 2004226728
【0192】
【化69】
Figure 2004226728
【0193】
上記光酸発生剤、すなわち一般式(AI)、一般式(AII)、一般式(AIII)で表される化合物は、米国特許第3,734,928号明細書に記載の方法、Macromolecules, vol. 10, 1307(1977), Journal of Organic Chemistry, vol. 55, 4222(1990), J. Radiat. Curing, vol. 5(1), 2(1978) に記載の方法などを用い、更にカウンターアニオンを交換することにより合成できる。一般式(AIV)、一般式(AV)で表される化合物は、N−ヒドロキシイミド化合物とカルボン酸クロリドを塩基性条件で反応させる、あるいはニトロベンジルアルコールとカルボン酸クロリドを塩基性条件下反応させることにより得られる。
【0194】
(B)成分の使用量は、組成物全固形分に対し、通常0.5〜20質量%、好ましくは0.75〜15質量%、より好ましくは1〜10質量%の範囲である。
(B1)成分と(B2)成分の使用量の質量比は、通常1/1〜50/1、好ましくは1/1〜10/1、特に好ましくは2/1〜5/1である。
(B1)成分及び(B2)成分は各々複数種含有してもよい。
【0195】
[3]溶剤(C成分)
本発明の組成物は、好ましくは上記各成分を溶解する溶剤に溶かして支持体上に塗布する。ここで使用する溶剤としては、1−メトキシ−2−プロパノールアセテート(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、1−メトキシ−2−プロパノール(プロピレングリコールモノメチルエーテル)、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等が好ましく、1−メトキシ−2−プロパノールアセテート、1−メトキシ−2−プロパノールが特に好ましい。これらの溶剤は、単独あるいは混合して使用される。混合して使用する場合、1−メトキシー2−プロパノールアセテートを含むもの、または1−メトキシ−2−プロパノールを含むものが好ましい。
ポジ型レジスト組成物中の固形分濃度は、5〜15質量%とすることが好ましく、7〜13質量%とすることがより好ましい。
【0196】
[4]界面活性剤(D成分)
本発明のポジ型レジスト組成物は、更に(D)フッ素系および/またはシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤およびシリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することが好ましい。
本発明のポジ型レジスト組成物が上記(D)界面活性剤とを含有することにより、250nm以下、特に220nm以下の露光光源の使用時に、良好な感度および解像度で、密着性および現像欠陥の少ないレジストパターンを与えることが可能となる。
これらの(D)界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同 5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)等のフッ素系界面活性剤またはシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
【0197】
また、界面活性剤としては、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)もしくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を有する重合体を用いた界面活性剤を用いることが出来る。フルオロ脂肪族化合物は、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することが出来る。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレートおよび/または(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)基など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(またはメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(またはメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
例えば、市販の界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(大日本インキ化学工業(株)製)を挙げることができる。さらに、C13基を有するアクリレート(またはメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(またはメタクリレート)との共重合体、C13基を有するアクリレート(またはメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(またはメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(またはメタクリレート)との共重合体、C17基を有するアクリレート(またはメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(またはメタクリレート)との共重合体、C17基を有するアクリレート(またはメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(またはメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(またはメタクリレート)との共重合体、などを挙げることができる。
(D)界面活性剤の使用量は、ポジ型レジスト組成物全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.001〜1質量%である。
【0198】
[5]酸拡散抑制剤(E)
本発明の組成物には、活性光線または放射線の照射後、加熱処理までの経時による性能変動(パターンのT−top形状形成、感度変動、パターン線幅変動等)や塗布後の経時による性能変動、更には活性光線または放射線の照射後、加熱処理時の酸の過剰な拡散(解像度の劣化)を防止する目的で、酸拡散抑制剤を添加することが好ましい。酸拡散抑制剤としては、有機塩基性化合物であり、例えば塩基性窒素を含有する有機塩基化合物であり、共役酸のpKa値で4以上の化合物が好ましく使用される。
具体的には下記式(A)〜(E)の構造を挙げることができる。
【0199】
【化70】
Figure 2004226728
【0200】
ここで、R250 、R251 およびR252 は、同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜20個のアルキル基、炭素数1〜6個のアミノアルキル基、炭素数1〜6個のヒドロキシアルキル基または炭素数6〜20個の置換もしくは非置換のアリール基を表し、ここで、R251とR252は、互いに結合して環を形成してもよい。
253 、R254 、R255 およびR256 は、同一でも異なってもよく、炭素数1〜20個のアルキル基を表す。
更に好ましい化合物は、一分子中に異なる化学的環境の窒素原子を2個以上有する含窒素塩基性化合物であり、特に好ましくは、置換もしくは未置換のアミノ基と窒素原子を含む環構造の両方を含む化合物もしくはアルキルアミノ基を有する化合物である。
【0201】
好ましい具体例としては、置換もしくは未置換のグアニジン、置換もしくは未置換のアミノピリジン、置換もしくは未置換のアミノアルキルピリジン、置換もしくは未置換のアミノピロリジン、置換もしくは未置換のインダゾール、イミダゾール、置換もしくは未置換のピラゾール、置換もしくは未置換のピラジン、置換もしくは未置換のピリミジン、置換もしくは未置換のプリン、置換もしくは未置換のイミダゾリン、置換もしくは未置換のピラゾリン、置換もしくは未置換のピペラジン、置換もしくは未置換のアミノモルフォリン、置換もしくは未置換のアミノアルキルモルフォリン等が挙げられる。好ましい置換基は、アミノ基、アミノアルキル基、アルキルアミノ基、アミノアリール基、アリールアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、水酸基、シアノ基である。
【0202】
特に好ましい化合物として、グアニジン、1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3,−テトラメチルグアニジン、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4,5−ジフェニルイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−ジエチルアミノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−アミノ−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、2−アミノ−5−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリジン、3−アミノエチルピリジン、4−アミノエチルピリジン、
【0203】
3−アミノピロリジン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、2−イミノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、5−アミノ−3−メチル−1−p−トリルピラゾール、ピラジン、2−(アミノメチル)−5−メチルピラジン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、N−アミノモルフォリン、N−(2−アミノエチル)モルフォリンなどが挙げられるがこれに限定されるものではない。
これらの含窒素塩基性化合物は、単独であるいは2種以上一緒に用いられる。
【0204】
酸発生剤と有機塩基性化合物の組成物中の使用割合は、(酸発生剤)/(有機塩基性化合物)(モル比)=2.5〜300であることが好ましい。該モル比が2.5未満では低感度となり、解像力が低下する場合があり、また、300を越えると露光後加熱処理までの経時でレジストパターンの太りが大きくなり、解像力も低下する場合がある。(酸発生剤)/(有機塩基性化合物)(モル比)は、好ましくは5.0〜200、更に好ましくは7.0〜150である。
【0205】
[6]非ポリマー型溶解抑止剤(X)
本発明のポジ型レジスト組成物には、さらに非ポリマー型溶解抑止剤を含有することが特に好ましい。ここで、非ポリマー型溶解抑止剤とは、3000以下の分子量を有する化合物に少なくとも2つ以上の酸分解性基が存在し、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する化合物のことである。特に、母核中にフッ素原子が置換しているのが透明性の観点から好ましい。
添加量は、組成物中のポリマーに対して3〜50質量%が好ましく、より好ましくは5〜40質量%、さらに好ましくは7〜30質量%である。(X)成分を添加することにより感度、コンラストがさらに向上する。
【0206】
以下に、(X)成分の具体例を以下に示すが、本発明はこれら具体例に限定されるものではない。
【0207】
【化71】
Figure 2004226728
【0208】
[7]両性イオン化合物(Y)
本発明のポジ型レジスト組成物には、さらに両性イオン化合物を含有することが好ましい。ここで、両性イオン化合物とは1分子中にカチオン部とアニオン部を同時に含む化合物を示す。具体的にはアラニン、フェニルアラニン、アスパラギン、グリシン、バリンなどのアミノ酸の両性イオンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
添加量は、上記(B1)成分に対して3〜70モル%が好ましく、より好ましくは5〜50モル%、さらに好ましくは7〜40モル%である。
(Y)成分を添加することにより感度、コントラストがさらに向上する。
【0209】
精密集積回路素子の製造などにおいてレジスト膜上へのパターン形成工程は、基板(例:シリコン/二酸化シリコン皮覆、ガラス基板、ITO基板等の透明基板等)上に、本発明の感光性樹脂組成物を塗布し、次に活性光線又は放射線描画装置を用いて照射を行い、加熱、現像、リンス、乾燥することにより良好なレジストパターンを形成することができる。
【0210】
本発明のポジ型レジスト組成物のアルカリ現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノーアミン等のアルコ−ルアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類、等のアルカリ類の水溶液を使用することができる。更に、上記アルカリ類の水溶液にイソプロピルアルコール等のアルコール類、ノニオン系等の界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
これらのアルカリ現像液の中で好ましくは第四アンモニウム塩、更に好ましくは、テトラメチルアンモニウムヒドロオキシド、コリンである。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、0.1〜20質量%とすることが好ましい。
アルカリ現像液のpHは、10.0〜15.0とすることが好ましい。
【0211】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明がこれにより限定されるものではない。
【0212】
<モノマーの合成>
合成例1(モノマー(MA)の合成)
乾燥したフラスコ内で、1,4−ジ[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)−エチル]シクロヘキサン137.82gを無水THF400mlに溶解させ、窒素気流下で0℃に冷却した。水素化ナトリウム(60wt%)14.13gを加え、しばらく攪拌させた。その後、0℃のまま4−ブロモ−1,1,2−トリフルオロブテン41.72gを滴下し、滴下終了後、室温で30時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、酢酸エチルと水を加えて分液操作を行った。有機層を分取し硫酸マグネシウムを加えて脱水操作を行った後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して下記モノマー(MA)49.73gを得た(収率43%)。
【0213】
【化72】
Figure 2004226728
【0214】
合成例2(モノマー(MB)の合成)
乾燥したフラスコ内で、3−(5−ビシクロ[2.2.1]ヘプテン−2−イル−)1,1,1−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−オール60.07gを無水THF220mlに溶解させ、窒素気流下で0℃に冷却した。水素化ナトリウム(60wt%)9.64gを加え、しばらく攪拌させた。その後、0℃のままクロロメチル−メチルエーテル22.93gを滴下し、滴下終了後、室温で20時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、酢酸エチルと水を加えて分液操作を行った。有機層を分取し硫酸マグネシウムを加えて脱水操作を行った後、溶媒を留去し、下記モノマー(MB)59.96gを得た(収率86%)。
【0215】
【化73】
Figure 2004226728
【0216】
<樹脂(A)の合成>
合成例1(樹脂(A−1)の合成)
モノマー(MA)38.82g、モノマー(MB)23.57g、テトラヒドロフラン60g、重合開始剤AIBN0.730gをオートクレーブに添加し、系中を脱気、窒素置換した後に密閉した。その後、65度に昇温し、12時間反応させた。反応器を室温まで放冷し、粘度の高いポリマー溶液を得た。このポリマー溶液をメタノール中に滴下して粉体を取り出し、減圧下で乾燥して下記樹脂(A−1)を34.94g得た(収率56%)。得られた粉体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による重量平均分子量は10200、分散度は1.51であった。また、1H−NMR及び19F−NMR解析による組成比はモノマー(MA)/モノマー(MB)=52/48であった。
【0217】
【化74】
Figure 2004226728
【0218】
加えるモノマーを変更する以外は同様の方法で、樹脂(A−2)〜(A−10)を得た。
以下、樹脂(A−1)〜(A−10)の構造を示す。
【0219】
【化75】
Figure 2004226728
【0220】
【化76】
Figure 2004226728
【0221】
【化77】
Figure 2004226728
【0222】
下記表1に、樹脂(A−1)〜(A−10)の組成比、重量平均分子量、分散度を示す。
【0223】
【表1】
Figure 2004226728
【0224】
<比較例の樹脂>
比較例で使用した比較樹脂(1)〜(3)は、以下の通りである。
▲1▼比較樹脂(1)(KrFレジスト用樹脂) 重量平均分子量8500
【0225】
【化78】
Figure 2004226728
【0226】
▲2▼比較樹脂(2)(ArFレジスト用樹脂) 重量平均分子量8400
【0227】
【化79】
Figure 2004226728
【0228】
▲3▼比較樹脂(3) 重量平均分子量13100
【0229】
【化80】
Figure 2004226728
【0230】
<B成分の合成>
合成例1 (トリフェニルスルホニウムノナフロロブタンスルホネート(VII−4)の合成)
トリフェニルスルホニウムヨージド20gをメタノール500mlに溶解させ、これに酸化銀12.5gを加えて室温で4時間攪拌した。反応液を濾過して銀化合物を除いた後、この溶液にノナフロロブタンスルホニックアシッド14.9gを加え、この溶液を濃縮した。得られた油状物にジイソプロピルエーテル300mlを加えて十分に攪拌した後、ジイソプロピルエーテルをデカントで除く操作を2回繰り返した。得られた油状物を減圧乾燥すると目的物が18g得られた。
【0231】
合成例2 (トリフェニルスルホニウム−4−ドデシルベンゼンスルホネート(PAG4−1)の合成)
トリフェニルスルホニウムヨージド10gをメタノール500mlに溶解させ、これに酸化銀4.44gを加えて室温で4時間攪拌した。反応液を濾過して銀化合物を除いた後、この溶液に4−ドデシルベンゼンスルホニックアシッド4.67gを加え、この溶液を濃縮した。得られた油状物にジイソプロピルエーテル300mlを加えて十分に攪拌した後、ジイソプロピルエーテルをデカントで除く操作を2回繰り返した。得られた油状物を減圧乾燥すると目的物が6g得られた。
【0232】
合成例3 (トリフェニルスルホニウムノナフロロペンタノエート(II−4f)の合成)
トリフェニルスルホニウムヨージド20gをメタノール500mlに溶解させ、これに酸化銀12.5gを加えて室温で4晴間撹拌した。反応液をろ過して銀化合物を除いた後、この溶液にノナフロロペンタノイックアシッド14.9gを加え、この溶液を濃縮した。得られた油状物にジイソプロピルエーテル300mlを加えて十分に撹拌した後、ジイソプロピビルエーテルをデカントで除く操作を2回繰り返した。得られた油状物を減圧乾燥すると目的物が18g得られた。
【0233】
実施例及び比較例
○透過率の測定
樹脂(A−1)〜(A−10)又は比較樹脂(1)、(2)各1.36gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート25gに溶解し、0.1μmのポリテトラフルオロエチレンフィルターでろ過した後、スピンコーターによりフッ化カルシウムディスク上に塗布し、120℃、5分間で加熱乾燥して膜厚0.1μmの膜を得た。これらの塗膜をActon CAMS−507スペクトロメーターで吸収を測定し、157nmにおける透過率を算出した。その結果を下記表2に示す。
【0234】
【表2】
Figure 2004226728
【0235】
表2から、本発明の樹脂を用いた塗膜の透過率は、157nmに十分な透明性を有することが分かる。
【0236】
○現像液の接触角評価
樹脂(A−1)〜(A−10)又は比較樹脂(3)各1.2gと、トリフェニルスルホニウムのノナフルオロブタンスルホネート塩0.024gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)19.6gに溶解し、0.1μmのポリテトラフルオロエチレンフィルターでろ過してレジスト溶液を調製した。ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコンウエハー上に各レジスト溶液をスピンコーターにより塗布し、ウエハーを120℃で60秒間加熱乾燥して0.1μmのレジスト膜を形成させた。これらの膜に現像液(2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)を滴下し、接触角を測定した。その結果を下記表3に示す。
【0237】
【表3】
Figure 2004226728
【0238】
表3から、本発明のレジスト組成物を用いた塗膜は、現像液に対する親和性が高く、現像性に優れていることが判る。
【0239】
○画像評価
下記表4に示す、樹脂:1.2g、酸発生剤:0.030g、界面活性剤:樹脂溶液に対し100ppm、塩基性化合物:0.0012g、非ポリマー型溶解抑止剤:0.24gを溶剤19.6gに溶解した樹脂溶液を0.1μmのポリテトラフルオロエチレンフィルターで濾過しポジ型レジスト液を調製した。
【0240】
【表4】
Figure 2004226728
【0241】
表中の記号は、以下の通りである。
N−1:ヘキサメチレンテトラミン
N−2:1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン
N−3:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン
W−1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素系)
W−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素及びシリコン系)
S−1:乳酸メチル
S−2:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
S−3:プロピレングリコールモノメチルエーテル
【0242】
上記のように調製したポジ型レジスト液をスピンコータを利用して反射防止膜(DUV42−6 BrewerScience. Inc. 製)を塗布したシリコンウエハー上に均一に塗布し、120℃60秒間加熱乾燥を行い、膜厚0.1μmのポジ型レジスト膜を形成した。このレジスト膜に対し、KrFマイクロステッパーを用いラインアンドスペース用マスク(ライン幅150nm、ライン/スペース=1:1)を使用してパターン露光し、露光後すぐに130℃90秒間ホットプレート上で加熱した。更に2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液で23℃にて60秒間現像し、30秒間純粋にてリンスした後、乾燥した。このようにして得られたシリコンウエハー上のパターンを下記の方法でレジスト性能を評価した。
〔ラインエッジラフネス〕
ラインパターンの長手方向のエッジ5μmの範囲について、エッジがあるべき基準線からの距離を測長SEM((株)日立製作所製S−8840)により50ポイント測定し、標準偏差を求め、3σを算出した。値が小さいほど良好な性能であることを示す。結果を表4に示す。
表4の結果より、本発明の組成物は、ラインエッジラフネスが良好であることが判る。
【0243】
【発明の効果】
本発明により、透明性、現像液との親和性、ラインエッジラフネスの諸特性に優れたポジ型レジスト組成物を提供することができる。

Claims (4)

  1. (A)下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂及び
    (B)活性光線又は放射線の作用により酸を発生する化合物
    を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
    Figure 2004226728
    一般式(I)中、
    〜Rは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はアルキル基を表す。但し、R〜Rの内の少なくとも1つはフッ素原子である。
    21〜R26は、各々独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。但し、R21〜R26の内の少なくとも1つはフッ素原子である。
    27〜R32は、各々独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。但し、R27〜R32の内の少なくとも1つはフッ素原子である。
    は、単結合又は2価の連結基を表す。
    は、2価の連結基を表す。
    Zaは、水素原子、酸分解性基又は非酸分解性の有機基を表す。
  2. (A)成分の樹脂が、更に、下記一般式(II)、(II’)又は(III)で表される繰り返し単位を有することを特徴とする請求項1に記載のポジ型レジスト組成物。
    Figure 2004226728
    一般式(II)中、
    Qは、脂環式炭化水素基を表す。
    は、単結合又は2価の連結基を表す。
    3aは、酸分解性基を表す。
    Rbは、水素原子、アルキル基又はハロゲン原子を表す。
    lは、0又は1〜3の整数を表す。
    Figure 2004226728
    一般式(II’)中、
    (IIIa)−1〜R(IIIa)−3は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基又はアルキル基を表す。
    は、単結合又は2価の連結基を表す。
    は、酸分解性基を表す。
    Figure 2004226728
    一般式(III)中、
    III−1〜RIII−3は、各々独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基又はアルキル基を表す。
    は、2価の連結基を表す。
    Zは、酸分解性基を表す。
  3. 一般式(I)中のLが、単環又は多環のシクロアルキレン基であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポジ型レジスト組成物。
  4. 一般式(I)が、下記一般式(Ia)で表されることを特徴とする請求項1又は2に記載のポジ型レジスト組成物。
    Figure 2004226728
    一般式(Ia)中、
    ARは、単環又は多環のシクロアルキレン基を表す。
    は、単結合又は2価の連結基を表す。
    Zaは、水素原子、酸分解性基又は非酸分解性の有機基を表す。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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