JP2004226611A - 光分岐結合装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】拡張性にすぐれた光分岐結合装置を提供する。
【解決手段】本光分岐結合装置は、矩形状の透光性媒体1と、透光性媒体の一端に配置された複数の光ファイバ2と、透光性媒体の他端に配置された少なくとも1本の光ファイバ3とを備える。透光性媒体1の一端には、光を拡散する透過拡散部4が形成されており、透光性媒体1の他端の光ファイバの配置されていない領域には、光を反射する反射部(又は光を反射拡散する反射拡散部)5が形成されている。このような光分岐結合装置を複数具備し、各光分岐結合装置間を光ファイバ3で接続することにより、光分岐結合装置の連結システムを形成することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】本光分岐結合装置は、矩形状の透光性媒体1と、透光性媒体の一端に配置された複数の光ファイバ2と、透光性媒体の他端に配置された少なくとも1本の光ファイバ3とを備える。透光性媒体1の一端には、光を拡散する透過拡散部4が形成されており、透光性媒体1の他端の光ファイバの配置されていない領域には、光を反射する反射部(又は光を反射拡散する反射拡散部)5が形成されている。このような光分岐結合装置を複数具備し、各光分岐結合装置間を光ファイバ3で接続することにより、光分岐結合装置の連結システムを形成することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の回路基板またはデバイス間において光信号の伝送を担う透光性媒体を使用した光分岐結合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数の回路基板間やデバイス間の信号の授受は、電気接続で行われるのが通例であった。しかしながら電気接続では、チャネル間のスキュー、クロストークの発生、ファンアウトの増大等により信号伝送の高速化に対して対応が困難である(例えば、非特許文献1)。
【非特許文献1】
黒川隆志、「光インタコネクションの概観」,情報処理,Vol.41,No.9,pp.1004−1007(2000)
【0003】
一方、次に示す特許文献1には、各回路基板の表裏両面に発光/受光デバイスを配置し、隣接する回路基板上の発光/受光デバイス間を空間的に光で結合した光データ・バスが提案されている。
【特許文献1】
特開平2−41042号公報
しかし、この技術は、隣接回路基板間の通信毎に光/電気変換を必要とするため、高コストかつ大レイテンシーであり、また自由空間伝播を用いているため、位置決めが厳しく、クロストークや埃などに弱いという欠点がある。
また、次に示す特許文献2には、プレート表面に配置された回折格子、反射素子により構成された光路を介して回路基板間を光学的に結合する技術が提案されている。
【特許文献2】
特開昭61−196210号公報
しかしながら、この技術では、1点から発せられた光を固定された1点にしか接続できないため、多対多の接続を行うことができないという問題がある。
【0004】
このような問題を解決するものとして、例えば次の特許文献3、特許文献4および特許文献5に示すような光分岐装置が提案されている。
【特許文献3】
特開平9−184941号公報
【特許文献4】
特開2000−241655号公報
【特許文献5】
特開2000−329962号公報
これらの光分岐装置は、入射信号光を透過して出射するか、または入射信号光を全て反射するように構成されている。
分岐または結合機能を有する、側面がテーパ形状の導光路は、例えば次の特許文献6に記載されている。
【特許文献6】
特開平7−191226号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、光信号処理装置(バックプレーン)においては、1つのバックプレーンだけではユニット(モジュール、回路基板など)接続数が十分ではなく、より多くのユニット接続数が要求される場合がある。このような場合、複数のバックプレーン間を相互に接続し全体システムを拡張する必要がある。しかし従来、バックプレーン間の接続方法については十分なものがなく、このためシステムを容易に拡張することができる光分岐結合装置が望まれていた。
従って本発明の目的は、拡張性にすぐれた光分岐結合装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、矩形状の透光性媒体と、透光性媒体の一端に配置された複数の第1の光ファイバと、透光性媒体の他端に配置された少なくとも1本の第2の光ファイバとを備え、透光性媒体の他端の光ファイバの配置されていない領域に光を反射する反射部又は光を反射拡散する反射拡散部が形成されている光分岐結合装置により、達成される。
【0007】
また、本発明に係る光分岐結合装置の連結システムは、矩形状の透光性媒体と、透光性媒体の一端に配置された複数の第1の光ファイバと、透光性媒体の他端に配置された少なくとも1本の第2の光ファイバとを備え、透光性媒体の他端の光ファイバの配置されていない領域に光を反射する反射部又は光を反射拡散する反射拡散部が形成されている光分岐結合装置を複数具備し、光分岐結合装置間が第2の光ファイバにより接続されているものである。
【0008】
ここで、透光性媒体の一端には光を拡散する拡散部を形成することができる。第2の光ファイバは透光性媒体の他端の概略中央部に配置することができる。矩形状の透光性媒体の両側面のうち少なくとも一方に傾斜部を設けることができる。第2の光ファイバのコア径は第1の光ファイバのコア径よりも大きくすることができる。第2の光ファイバを2本以上設けることができる。矩形状の透光性媒体の上面および下面の少なくとも一方に傾斜部を設けることができる。複数の第1の光ファイバは透光性媒体の一端に2次元に配置することができる。透光性媒体と光ファイバとは突き当てにより光結合することができる。光ファイバはプラスチック光ファイバを用いることができる。拡散部または反射拡散部はレンチキュラレンズで構成することができる。矩形状の透光性媒体の幅をa、長さをbとしたときに、b/a≧7とすることが好ましく、さらに好ましくはb/a≧10とされる。少なくとも1つの光分岐結合装置における透光性媒体の他端と第2の光ファイバとの間に拡散部を設けることができる。透光性媒体と光ファイバとはコネクタにより接続することができる。少なくとも1つの光分岐結合装置における第2の光ファイバにO/EおよびE/O変換回路を接続することができる。
このように、光分岐結合装置に光の透過と反射を組み合わせた形態を用いることにより、拡張性にすぐれた光分岐結合装置を得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る分岐結合装置の一実施例を示す図で、(a)は本実施例の斜視図、(b)はその平面図、(c)はその側面図、(d)は本実施例の変形例の斜視図、(e)はその平面図、(f)はその側面図である。
本実施例の分岐結合装置は、図1(a)〜(c)に示すように、矩形状の透光性媒体1と、透光性媒体1の一端に配置された8本の光ファイバ2と、透光性媒体1の他端に配置された1本の光ファイバ3とを備える。透光性媒体1の一端には、光を透過し拡散する透過拡散部4が形成されており、透光性媒体1の他端の光ファイバ3の配置されていない領域には、光を反射する反射部(又は光を反射拡散する反射拡散部)5が形成されている。
【0010】
次に動作を説明する。例えば、図1において8本の光ファイバ2のうちのある1本の光ファイバ2から入射された信号光は、透過拡散部4を透過し拡散され、透光性媒体1の他端部に概略均等に伝送され、一部の信号光は、他端部に配置された1本の光ファイバ3より出射され、他の信号光は、反射部(又は反射拡散部)5で反射(および拡散)されて透光性媒体1を逆方向に進み、透過拡散部4を介して8本の光ファイバ2より出射される。
ここで、図示のように、矩形状の透光性媒体1の幅をa、長さをbとしたとき、両者の関係はb/a≧5であることが好ましい。
また、同様な構成で、透過拡散部4を用いない場合は、b/a≧7であることが好ましく、さらに好ましくはb/a≧10とされる。これは、透光性媒体1内を信号光が均等に伝送されるようにするためである。また、本実施例では、光ファイバ3は、透光性媒体1の他端の端部に配置されている。この光ファイバ3は、本例では1本であるが、2本以上設けてもよい。
【0011】
また、本実施例の変形例は、図1(d)〜(f)に示すように、光ファイバ3を透光性媒体1の他端の概略中央部に配置したものである。その他の構成および動作は上述の図1(a)〜(c)の実施例と同様である。なお、透光性媒体1の他端における光ファイバ3の配置位置は、その端部や中央部だけでなく、それ以外の場所でもよい。
【0012】
図2は本発明に係る分岐結合装置の他の実施例を示す図で、(a)は本実施例の斜視図、(b)はその平面図、(c)はその側面図、(d)は本実施例の変形例の斜視図、(e)はその平面図、(f)はその側面図である。
本実施例の分岐結合装置は、図2(a)〜(c)に示すように、透光性媒体11の一方の側面が傾斜部を有するものである。その他の構成および動作は上述の図1(a)〜(c)の実施例と同様である。
また、本実施例の変形例は、図2(d)〜(f)に示すように、透光性媒体12の両方の側面が傾斜部を有するものであり、かつ光ファイバ3を透光性媒体12の他端の概略中央部に配置したものである。その他の構成および動作は上述の図1(a)〜(c)の実施例と同様である。
透光性媒体11、12の他端に配置される光ファイバ3への信号光強度を大きくしたい場合、図2に示すように、透光性媒体11、12の両側面のうち少なくとも一方をテーパ形状とすることが有効である。
【0013】
図3は本発明に係る分岐結合装置の他の実施例を示す図で、(a)は本実施例の斜視図、(b)はその平面図、(c)はその側面図、(d)は本実施例の変形例の斜視図、(e)はその平面図、(f)はその側面図である。
本実施例の分岐結合装置は、図3(a)〜(c)に示すように、透光性媒体13の上面が傾斜部を有するものである。透光性媒体13の他端に配置される光ファイバ31のコア径(太さ)は、透光性媒体13の他端の厚さに応じて大きくされている。その他の構成および動作は上述の図1(a)〜(c)の実施例と同様である。
また、本実施例の変形例は、図3(d)〜(f)に示すように、透光性媒体13の上面が傾斜部を有するものであり、かつ光ファイバ31を透光性媒体13の他端の概略中央部に配置したものである。その他の構成および動作は上述の図1(a)〜(c)の実施例と同様である。
透光性媒体13の傾斜部は上面でなく下面または上面と下面の両面に設けてもよい。透光性媒体13の他端に配置される光ファイバ3への信号光強度を大きくしたい場合、図3に示すように、透光性媒体13の上面と下面の少なくとも一方を傾斜をつけてテーパ形状とすることが有効である。
【0014】
図4は本発明に係る分岐結合装置の他の実施例を示す図で、(a)は本実施例の斜視図、(b)はその平面図、(c)はその側面図、(d)は本実施例の変形例の斜視図、(e)はその平面図、(f)はその側面図である。
本実施例の分岐結合装置は、図4(a)〜(c)に示すように、透光性媒体14の一方の側面および上面が傾斜部を有するものである。透光性媒体14の他端に配置される光ファイバ31のコア径(太さ)は、透光性媒体14の他端の厚さに応じて大きくされている。その他の構成および動作は上述の図1(a)〜(c)の実施例と同様である。
また、本実施例の変形例は、図4(d)〜(f)に示すように、透光性媒体15の一方の側面および上面が傾斜部を有するものであり、かつ光ファイバ31を透光性媒体15の他端の概略中央部に配置したものである。その他の構成および動作は上述の図1(a)〜(c)の実施例と同様である。
透光性媒体14、15の傾斜部は一方の側面だけでなく両側面に設けてもよく、また上面でなく下面または上面と下面の両面に設けてもよい。透光性媒体14、15の他端に配置される光ファイバ31への信号光強度を一層大きくしたい場合、図4に示すように、透光性媒体の両側面の少なくとも一方および上面と下面の少なくとも一方をテーパ形状とすることが有効である。
【0015】
図5は本発明に係る分岐結合装置の他の実施例を示す図で、(a)は本実施例の斜視図、(b)はその平面図、(c)はその側面図、(d)は本実施例の変形例の斜視図、(e)はその平面図、(f)はその側面図である。
本実施例の分岐結合装置は、図5(a)〜(c)に示すように、透光性媒体16の下面が傾斜部を有するものである。複数の光ファイバ2は、厚みを増した透光性媒体16の一端に2次元に配置されている。即ち、光ファイバ2は、透光性媒体16の幅方向に8本、厚さ方向に2本の計16本が設けられている。その他の構成および動作は上述の図1(d)〜(f)の実施例と同様である。
また、本実施例の変形例は、図5(d)〜(f)に示すように、透光性媒体17の厚みを全体的に増したものであり、複数の光ファイバ2は、厚みを増した透光性媒体17の一端に2次元に配置されており、光ファイバ31は、透光性媒体17の他端の厚さに応じて、そのコア径(太さ)が大きくされている。その他の構成および動作は上述の図1(d)〜(f)の実施例と同様である。
透光性媒体16の傾斜部は上面でなく下面または上面と下面の両面に設けてもよい。図5の実施例は、透光性媒体の一端に配置される光ファイバ2の本数を増加する場合に有効である。
【0016】
本発明は、以上に示した実施例に限定されるものではない。透光性媒体の他端に配置される光ファイバ2の数は、8本以上であってもよいし8本以下であってよい。また、これらの光ファイバは入出射のいずれかを担うものであり任意である。透光性媒体の他端に配置される光ファイバ3も1本に限定されるものではなく、2本以上でもよい。
【0017】
図6は、2つのバックプレーン間を接続する信号処理装置の一例を示す図である。本例では、図示のように、2つのバックプレーン51、61が備えられており、各バックプレーン51、61には、それぞれ光分岐結合装置52、62が配置され、また4枚の電気/光変換基板53、63がそれぞれ電気コネクタ57,67を介して接続されている。各電気/光変換基板53、63には、送信用と受信用の複数の光ファイバ54、64が光コネクタ55、65を介して接続されている。各光コネクタ55、65の内部には、図示しない発光素子、受光素子及び駆動回路等が内蔵されている。一方、光分岐結合装置52、62は光ファイバ56により連結されている。本例では、光分岐結合装置52、62が8ビット(8層)積層されており、従って両装置を連結するための光ファイバ56も8本で構成されている。
このような光分岐結合装置の連結システムは、機能上、1つのバックプレーンだけではユニット(モジュール、回路基板など)接続数が十分でない場合、複数のバックプレーンを接続するときに有効である。光分岐結合装置51、61としては、例えば図1〜図5に示したものを使用することができる。
【0018】
図7(a)、(b)は、本発明に係る光分岐結合装置の連結システムの一実施例を示す図である。本実施例は、図1(a)〜(c)に示す光分岐結合装置を2つ連結したものであるが、本実施例ではさらに透光性媒体の他端と光ファイバとの間に透過拡散部を備えている。
即ち、本実施例の分岐結合装置は、図7(a)に示すように、矩形状の透光性媒体1a、1bと、透光性媒体の一端に配置された8本の光ファイバ2a、2bと、透光性媒体1a、1bを連結する1本の光ファイバ3とを備える。透光性媒体の一端には、光を透過し拡散する透過拡散部4a、4bが形成されており、透光性媒体の他端の光ファイバ3の配置されていない領域には、光を反射する反射部(又は光を反射拡散する反射拡散部)5a、5bが形成されている。透光性媒体1a、1bの他端と光ファイバ3との間には、それぞれ透過拡散部6a、6bが形成されている。
【0019】
上述した図6に示す2つのバックプレーンを接続した信号処理装置において、例えば図7(a)に示す分岐結合装置の連結システムを用いた場合、1つ目のバックプレーンで受信する信号光強度に対し、2つ目のバックプレーンで受信する信号光強度は極端に小さくなる。
この問題を解決するため、図8に示すように、2つのバックプレーン間、即ち透光性媒体1a、1b間を結ぶ光ファイバ3a、3bの前後にO/E(光/電気),E/O(電気/光)変換回路7a、7bを加え、2つ目のバックプレーン(透光性媒体)への信号強度を増加させる方法を用いることができる。本例では、O/E,E/O変換回路7a、7bと透光性媒体1a、1bとの間を結ぶ光ファイバは信号光の上りと下り用に2本設けられているが、1本の光ファイバに上りと下り用の信号光が伝送されるように構成することもできる。
しかし、図8に示す方法は、O/E,E/O変換回路を備えるためコストアップにつながる。そこで、上述した図2〜図5に示す分岐結合装置を用いることによりO/E,E/O変換回路が不要となり、コスト面での改善が可能となる。
【0020】
図7(b)は、透光性媒体の一端に配置された8本の光ファイバ2a、2bの5番目の光ファイバより信号光を入射し、その他の光ファイバから出射する場合の例を示す図である。本例におけるシミュレーション結果(光ファイバの吸収損失は含まない)では、1つ目のバックプレーン(透光性媒体)での最大挿入損失が14.6dBであるのに対し、2つ目のバックプレーン(透光性媒体)での最大挿入損失は28.9dBとなる。また、均一性を2つのバックプレーンに接続される全ての出力部における、最大挿入損失(dB)−最小挿入損失(dB)で定義すると、均一性は14.7dBとなり非常に大きい。各部の構成部品としては、例えば、各バックプレーンの入出射を担う光ファイバ及び2つのバックプレーン間を接続する光ファイバは、φ0.5mmのSI(ステップインデックス型)POF(プラスチック光ファイバ)、透光性媒体は、サイズが4×20×0.5mm(w×l×t)のポリオレフィン、透過拡散部には横方向の広がり角40°、縦方向の広がり角0.2°、反射拡散部には、上述の透過拡散部に反射部を形成したものが用いられる。
この2つのバックプレーン(透光性媒体)間の均一性は、図2〜図5に示す分岐結合装置を用いることで改善可能となる。その構成例を次の図9〜図12を用いて説明する。
【0021】
図9は、本発明に係る光分岐結合装置の連結システムの他の実施例を示す図である。本実施例は、図3(a)〜(c)に示す光分岐結合装置を2つ連結したものである。即ち、本実施例の分岐結合装置は、矩形状の透光性媒体13a、13bと、透光性媒体の一端に配置された8本の光ファイバ2a、2bと、透光性媒体13a、13bを連結する1本の光ファイバ31とを備える。透光性媒体の一端には、光を透過し拡散する透過拡散部4a、4bが形成されており、透光性媒体の他端の光ファイバ31の配置されていない領域には、光を反射する反射部(又は光を反射拡散する反射拡散部)5a、5bが形成されている。
【0022】
図10は、本発明に係る光分岐結合装置の連結システムの他の実施例を示す図である。本実施例は、図4(a)〜(c)に示す光分岐結合装置を2つ連結したものである。即ち、本実施例の分岐結合装置は、矩形状の透光性媒体14a、14bと、透光性媒体の一端に配置された8本の光ファイバ2a、2bと、透光性媒体14a、14bを連結する1本の光ファイバ31とを備える。透光性媒体の一端には、光を透過し拡散する透過拡散部4a、4bが形成されており、透光性媒体の他端の光ファイバ31の配置されていない領域には、光を反射する反射部(又は光を反射拡散する反射拡散部)5a、5bが形成されている。
【0023】
図11は、本発明に係る光分岐結合装置の連結システムの他の実施例を示す図である。本実施例は、図3(a)〜(c)に示す光分岐結合装置を2つ連結したものであるが、本実施例ではさらに透光性媒体の他端と光ファイバとの間に透過拡散部を備えている。即ち、本実施例の分岐結合装置は、矩形状の透光性媒体13a、13bと、透光性媒体の一端に配置された8本の光ファイバ2a、2bと、透光性媒体13a、13bを連結する1本の光ファイバ31とを備える。透光性媒体の一端には、光を透過し拡散する透過拡散部4a、4bが形成されており、透光性媒体の他端の光ファイバ31の配置されていない領域には、光を反射する反射部(又は光を反射拡散する反射拡散部)5a、5bが形成されている。透光性媒体13a、13bの他端と光ファイバ31との間には、それぞれ透過拡散部6a、6bが形成されている。
【0024】
図12は、本発明に係る光分岐結合装置の連結システムの他の実施例を示す図である。本実施例は、図4(a)〜(c)に示す光分岐結合装置を2つ連結したものであるが、本実施例ではさらに透光性媒体の他端と光ファイバとの間に透過拡散部を備えている。即ち、本実施例の分岐結合装置は、矩形状の透光性媒体14a、14bと、透光性媒体の一端に配置された8本の光ファイバ2a、2bと、透光性媒体14a、14bを連結する1本の光ファイバ31とを備える。透光性媒体の一端には、光を透過し拡散する透過拡散部4a、4bが形成されており、透光性媒体の他端の光ファイバ31の配置されていない領域には、光を反射する反射部(又は光を反射拡散する反射拡散部)5a、5bが形成されている。透光性媒体14a、14bの他端と光ファイバ31との間には、それぞれ透過拡散部6a、6bが形成されている。
【0025】
図13は、本発明に係る光分岐結合装置の連結システムの他の実施例を示す図である。本実施例は、図7に示す光分岐結合装置の連結システムと同様な構成であるが、透光性媒体1a、1b間を結ぶ光ファイバ(3a、3b)が2本設けられている点で異なる。
図14は、本発明に係る光分岐結合装置の連結システムの他の実施例を示す図である。本実施例は、図11に示す光分岐結合装置の連結システムと同様な構成であるが、透光性媒体13a、13b間を結ぶ光ファイバ(31a、31b)が2本設けられている点で異なる。
以上の構成では、連結部の光ファイバを複数用いることで、2つのバックプレーン(透光性媒体)間の均一性の向上が可能となる。
【0026】
以上説明した図9〜図12の実施例は、バックプレーン間を結ぶ光ファイバのサイズ(コア径)を大きく構成した例を示しており、図13および図14の実施例は、バックプレーン間を結ぶ光ファイバが2本で構成される例を示している。図9〜図14の実施例は、全ての形態を網羅して示している訳ではなく、バックプレーン間を結ぶ光ファイバの数は2本以上でも良いし、透光性媒体の側面部をテーパ状にしても良い。
【0027】
図15(a)、(b)は、それぞれ2つのバックプレーン間の均一性、および2つのバックプレーン各々の最大挿入損失を示す図である。同図(a)、(b)の横軸において、▲1▼は図7(b)の場合、▲2▼は図16の場合、▲3▼は図17の場合、▲4▼は図18の場合をそれぞれ示す。図7(b)に示す光分岐結合装置の連結システムの構成については上述したとおりであるので、以下、図16〜図17に示す光分岐結合装置の連結システムの構成について説明する。
【0028】
図16は、図12に対応する構成をもつ光分岐結合装置の連結システムを示す図で、(a)は平面図、(b)はそこで用いられる透光性媒体の平面図、(c)は同側面図である。本例において、光ファイバ2a、2bのコア径はそれぞれφ=0.48mm(ファイバ径φ=0.5mm)、光ファイバ31のコア径はφ=0.96mm(ファイバ径φ=1mm)である。透光性媒体14の寸法は、一端の幅が4mm、その厚みが0.5mm、他端の幅が3mm、その厚みが1mm、長さが20mmである。
【0029】
図17は、図16において透光性媒体間の光ファイバを2本とした光分岐結合装置の連結システムを示す図で、(a)は平面図、(b)はそこで用いられる透光性媒体の平面図、(c)は同側面図である。本例において、光ファイバ2a、2bのコア径はそれぞれφ=0.48mm(ファイバ径φ=0.5mm)、光ファイバ31a、31bのコア径はそれぞれφ=0.96mm(ファイバ径φ=1mm)である。透光性媒体14の寸法は、一端の幅が4mm、その厚みが0.5mm、他端の幅が3mm、その厚みが1mm、長さが20mmである。
【0030】
図18は、図17に対応する構成をもつ光分岐結合装置の連結システムを示す図で、(a)は平面図、(b)はそこで用いられる透光性媒体の平面図、(c)は同側面図である。本例において、光ファイバ2a、2bのコア径はそれぞれφ=0.48mm(ファイバ径φ=0.5mm)、光ファイバ31a、31bのコア径はそれぞれφ=0.96mm(ファイバ径φ=1mm)である。透光性媒体14の寸法は、一端の幅が4mm、その厚みが0.5mm、他端の幅が2.5mm、その厚みが1mm、長さが20mmである。
【0031】
上述した図7(b)および図16〜図18の光分岐結合装置の連結システムにおける均一性(2つのバックプレーンの均一性)および挿入損失は、図15(a)、(b)に示すとおりである。ここでは、ファイバの吸収損失を含まない値を示している。
即ち、均一性は図7(b)および図16〜図18において、それぞれ14.7dB、10.0dB、3.8dB、2.4dBであり、図18の形態では均一性を2.4dBまで改善可能である。挿入損失は、第1のバックプレーンでは、図7(b)および図16〜図18において、それぞれ14.6dB、15.8dB、18.8dB、20.9dBであり、第2のバックプレーンでは、それぞれ28.9dB、25.2dB、22.1dB、21.5dBであった。
【0032】
2つのバックプレーンを接続されるユニット数は、上記に限定されるものではなく、図6では、1つのユニット(電気光変換基板)が送受信両方を担う形態を示しているが、どちらか一方でもよい。また、バックプレーン同士の接続数も2つ以上でも構成可能である。また図中、各バックプレーンは同数の分岐数の接続例を示しているが、それぞれの導光路の分岐数は、接続されるユニット(モジュール、回路基板など)の数により決まる為、必ずしも同数である必要はなく、任意である。導光路(透光性媒体)の分岐数も上記の例に制限されるものではなく、光伝送に十分な効率が得られる限り、任意であり、同様にバックプレーンの接続数及び光ファイバの長さ(増設距離)も任意である。
また、本発明の光分岐結合装置に形成される拡散部には、例えばビーム整形ディヒュザー(POC社製)やレンチキュラレンズが用いられる。このレンチキュラレンズは、透光性媒体と別部品とされてもよく、また透光性媒体の端部に直接形成されてもよい。
【0033】
図19は、拡散部にレンチキュラレンズを用いた光分岐結合装置の一例を示す図で、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は(b)の一部拡大図である。本例では、図示のように、透過拡散部4、反射拡散部5および透過拡散部6にレンチキュラレンズ8が形成されている。光はレンチキュラレンズ8を構成する微細な凹凸部で拡散される。透過拡散部4および透過拡散部6では、光はレンチキュラレンズ8を透過し拡散され、反射拡散部5ではレンチキュラレンズ8と反射ミラー9とにより反射拡散される。
【0034】
本発明の光分岐結合装置で用いられる透光性媒体としては、例えばポリオレフィン(n=1.53)を射出成形等で作製したものが用いられるが、使用する発光素子の波長領域での吸収損失が十分に小さい材料であればこれに限らず、作製方法も切削研磨等の方法でも良い。光ファイバは、POFに限らず、石英ファイバでも良い。また、POFは、SIに限らずGI(グレーテッドインデックス型)でも良い。反射部は、Al等の鏡面反射でも、鏡面反射と拡散を組み合わせた反射拡散でも良い。光ファイバの接続方法は、導光路(透光性媒体)に突き当てて固定しても良いし、光ファイバをフェルールに固定し(プラグ)、導光路側の光コネクタ(レセプタクル)に嵌合させる形態でも良い。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、拡張性にすぐれた光分岐結合装置を得ることができる。このような分岐結合装置を用いることで、信号処理装置の内部への伝送と、外部への伝送の構成が容易になる。信号処理装置(バックプレーン)間での信号強度の均一性を向上することができる。また増設の為の、発光素子あるいは受光素子を必要としない構成も可能であり、コスト及び消費電力の低減が可能となる。数mから数10m離れた位置にあるバックプレーン間の信号伝送が可能となり、例えば、室内または工場内にフレキシブルに設置ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る分岐結合装置の一実施例を示す図で、(a)は本実施例の斜視図、(b)はその平面図、(c)はその側面図、(d)は本実施例の変形例の斜視図、(e)はその平面図、(f)はその側面図である。
【図2】本発明に係る分岐結合装置の他の実施例を示す図で、(a)は本実施例の斜視図、(b)はその平面図、(c)はその側面図、(d)は本実施例の変形例の斜視図、(e)はその平面図、(f)はその側面図である。
【図3】本発明に係る分岐結合装置の他の実施例を示す図で、(a)は本実施例の斜視図、(b)はその平面図、(c)はその側面図、(d)は本実施例の変形例の斜視図、(e)はその平面図、(f)はその側面図である。
【図4】本発明に係る分岐結合装置の他の実施例を示す図で、(a)は本実施例の斜視図、(b)はその平面図、(c)はその側面図、(d)は本実施例の変形例の斜視図、(e)はその平面図、(f)はその側面図である。
【図5】本発明に係る分岐結合装置の他の実施例を示す図で、(a)は本実施例の斜視図、(b)はその平面図、(c)はその側面図、(d)は本実施例の変形例の斜視図、(e)はその平面図、(f)はその側面図である。
【図6】2つのバックプレーン間を接続する信号処理装置の一例を示す図である。
【図7】(a)、(b)は本発明に係る光分岐結合装置の連結システムの一実施例を示す図である。
【図8】本発明に係る光分岐結合装置の連結システムの他の実施例を示す図である。
【図9】本発明に係る光分岐結合装置の連結システムの他の実施例を示す図である。
【図10】本発明に係る光分岐結合装置の連結システムの他の実施例を示す図である。
【図11】本発明に係る光分岐結合装置の連結システムの他の実施例を示す図である。
【図12】本発明に係る光分岐結合装置の連結システムの他の実施例を示す図である。
【図13】本発明に係る光分岐結合装置の連結システムの他の実施例を示す図である。
【図14】本発明に係る光分岐結合装置の連結システムの他の実施例を示す図である。
【図15】(a)、(b)はそれぞれ2つのバックプレーン間の均一性、および2つのバックプレーンでの最大挿入損失を示す図である。
【図16】図12に対応する構成をもつ光分岐結合装置の連結システムを示す図で、(a)は平面図、(b)はそこで用いられる透光性媒体の平面図、(c)は同側面図である。
【図17】図16において透光性媒体間の光ファイバを2本とした光分岐結合装置の連結システムを示す図で、(a)は平面図、(b)はそこで用いられる透光性媒体の平面図、(c)は同側面図である。
【図18】図17に対応する構成をもつ光分岐結合装置の連結システムを示す図で、(a)は平面図、(b)はそこで用いられる透光性媒体の平面図、(c)は同側面図である。
【図19】拡散部にレンチキュラレンズを用いた光分岐結合装置の一例を示す図で、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は(b)の一部拡大図である。
【符号の説明】
1 透光性媒体
2 光ファイバ
3 光ファイバ
4 透過拡散部
5 反射部又は反射拡散部
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の回路基板またはデバイス間において光信号の伝送を担う透光性媒体を使用した光分岐結合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数の回路基板間やデバイス間の信号の授受は、電気接続で行われるのが通例であった。しかしながら電気接続では、チャネル間のスキュー、クロストークの発生、ファンアウトの増大等により信号伝送の高速化に対して対応が困難である(例えば、非特許文献1)。
【非特許文献1】
黒川隆志、「光インタコネクションの概観」,情報処理,Vol.41,No.9,pp.1004−1007(2000)
【0003】
一方、次に示す特許文献1には、各回路基板の表裏両面に発光/受光デバイスを配置し、隣接する回路基板上の発光/受光デバイス間を空間的に光で結合した光データ・バスが提案されている。
【特許文献1】
特開平2−41042号公報
しかし、この技術は、隣接回路基板間の通信毎に光/電気変換を必要とするため、高コストかつ大レイテンシーであり、また自由空間伝播を用いているため、位置決めが厳しく、クロストークや埃などに弱いという欠点がある。
また、次に示す特許文献2には、プレート表面に配置された回折格子、反射素子により構成された光路を介して回路基板間を光学的に結合する技術が提案されている。
【特許文献2】
特開昭61−196210号公報
しかしながら、この技術では、1点から発せられた光を固定された1点にしか接続できないため、多対多の接続を行うことができないという問題がある。
【0004】
このような問題を解決するものとして、例えば次の特許文献3、特許文献4および特許文献5に示すような光分岐装置が提案されている。
【特許文献3】
特開平9−184941号公報
【特許文献4】
特開2000−241655号公報
【特許文献5】
特開2000−329962号公報
これらの光分岐装置は、入射信号光を透過して出射するか、または入射信号光を全て反射するように構成されている。
分岐または結合機能を有する、側面がテーパ形状の導光路は、例えば次の特許文献6に記載されている。
【特許文献6】
特開平7−191226号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、光信号処理装置(バックプレーン)においては、1つのバックプレーンだけではユニット(モジュール、回路基板など)接続数が十分ではなく、より多くのユニット接続数が要求される場合がある。このような場合、複数のバックプレーン間を相互に接続し全体システムを拡張する必要がある。しかし従来、バックプレーン間の接続方法については十分なものがなく、このためシステムを容易に拡張することができる光分岐結合装置が望まれていた。
従って本発明の目的は、拡張性にすぐれた光分岐結合装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、矩形状の透光性媒体と、透光性媒体の一端に配置された複数の第1の光ファイバと、透光性媒体の他端に配置された少なくとも1本の第2の光ファイバとを備え、透光性媒体の他端の光ファイバの配置されていない領域に光を反射する反射部又は光を反射拡散する反射拡散部が形成されている光分岐結合装置により、達成される。
【0007】
また、本発明に係る光分岐結合装置の連結システムは、矩形状の透光性媒体と、透光性媒体の一端に配置された複数の第1の光ファイバと、透光性媒体の他端に配置された少なくとも1本の第2の光ファイバとを備え、透光性媒体の他端の光ファイバの配置されていない領域に光を反射する反射部又は光を反射拡散する反射拡散部が形成されている光分岐結合装置を複数具備し、光分岐結合装置間が第2の光ファイバにより接続されているものである。
【0008】
ここで、透光性媒体の一端には光を拡散する拡散部を形成することができる。第2の光ファイバは透光性媒体の他端の概略中央部に配置することができる。矩形状の透光性媒体の両側面のうち少なくとも一方に傾斜部を設けることができる。第2の光ファイバのコア径は第1の光ファイバのコア径よりも大きくすることができる。第2の光ファイバを2本以上設けることができる。矩形状の透光性媒体の上面および下面の少なくとも一方に傾斜部を設けることができる。複数の第1の光ファイバは透光性媒体の一端に2次元に配置することができる。透光性媒体と光ファイバとは突き当てにより光結合することができる。光ファイバはプラスチック光ファイバを用いることができる。拡散部または反射拡散部はレンチキュラレンズで構成することができる。矩形状の透光性媒体の幅をa、長さをbとしたときに、b/a≧7とすることが好ましく、さらに好ましくはb/a≧10とされる。少なくとも1つの光分岐結合装置における透光性媒体の他端と第2の光ファイバとの間に拡散部を設けることができる。透光性媒体と光ファイバとはコネクタにより接続することができる。少なくとも1つの光分岐結合装置における第2の光ファイバにO/EおよびE/O変換回路を接続することができる。
このように、光分岐結合装置に光の透過と反射を組み合わせた形態を用いることにより、拡張性にすぐれた光分岐結合装置を得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る分岐結合装置の一実施例を示す図で、(a)は本実施例の斜視図、(b)はその平面図、(c)はその側面図、(d)は本実施例の変形例の斜視図、(e)はその平面図、(f)はその側面図である。
本実施例の分岐結合装置は、図1(a)〜(c)に示すように、矩形状の透光性媒体1と、透光性媒体1の一端に配置された8本の光ファイバ2と、透光性媒体1の他端に配置された1本の光ファイバ3とを備える。透光性媒体1の一端には、光を透過し拡散する透過拡散部4が形成されており、透光性媒体1の他端の光ファイバ3の配置されていない領域には、光を反射する反射部(又は光を反射拡散する反射拡散部)5が形成されている。
【0010】
次に動作を説明する。例えば、図1において8本の光ファイバ2のうちのある1本の光ファイバ2から入射された信号光は、透過拡散部4を透過し拡散され、透光性媒体1の他端部に概略均等に伝送され、一部の信号光は、他端部に配置された1本の光ファイバ3より出射され、他の信号光は、反射部(又は反射拡散部)5で反射(および拡散)されて透光性媒体1を逆方向に進み、透過拡散部4を介して8本の光ファイバ2より出射される。
ここで、図示のように、矩形状の透光性媒体1の幅をa、長さをbとしたとき、両者の関係はb/a≧5であることが好ましい。
また、同様な構成で、透過拡散部4を用いない場合は、b/a≧7であることが好ましく、さらに好ましくはb/a≧10とされる。これは、透光性媒体1内を信号光が均等に伝送されるようにするためである。また、本実施例では、光ファイバ3は、透光性媒体1の他端の端部に配置されている。この光ファイバ3は、本例では1本であるが、2本以上設けてもよい。
【0011】
また、本実施例の変形例は、図1(d)〜(f)に示すように、光ファイバ3を透光性媒体1の他端の概略中央部に配置したものである。その他の構成および動作は上述の図1(a)〜(c)の実施例と同様である。なお、透光性媒体1の他端における光ファイバ3の配置位置は、その端部や中央部だけでなく、それ以外の場所でもよい。
【0012】
図2は本発明に係る分岐結合装置の他の実施例を示す図で、(a)は本実施例の斜視図、(b)はその平面図、(c)はその側面図、(d)は本実施例の変形例の斜視図、(e)はその平面図、(f)はその側面図である。
本実施例の分岐結合装置は、図2(a)〜(c)に示すように、透光性媒体11の一方の側面が傾斜部を有するものである。その他の構成および動作は上述の図1(a)〜(c)の実施例と同様である。
また、本実施例の変形例は、図2(d)〜(f)に示すように、透光性媒体12の両方の側面が傾斜部を有するものであり、かつ光ファイバ3を透光性媒体12の他端の概略中央部に配置したものである。その他の構成および動作は上述の図1(a)〜(c)の実施例と同様である。
透光性媒体11、12の他端に配置される光ファイバ3への信号光強度を大きくしたい場合、図2に示すように、透光性媒体11、12の両側面のうち少なくとも一方をテーパ形状とすることが有効である。
【0013】
図3は本発明に係る分岐結合装置の他の実施例を示す図で、(a)は本実施例の斜視図、(b)はその平面図、(c)はその側面図、(d)は本実施例の変形例の斜視図、(e)はその平面図、(f)はその側面図である。
本実施例の分岐結合装置は、図3(a)〜(c)に示すように、透光性媒体13の上面が傾斜部を有するものである。透光性媒体13の他端に配置される光ファイバ31のコア径(太さ)は、透光性媒体13の他端の厚さに応じて大きくされている。その他の構成および動作は上述の図1(a)〜(c)の実施例と同様である。
また、本実施例の変形例は、図3(d)〜(f)に示すように、透光性媒体13の上面が傾斜部を有するものであり、かつ光ファイバ31を透光性媒体13の他端の概略中央部に配置したものである。その他の構成および動作は上述の図1(a)〜(c)の実施例と同様である。
透光性媒体13の傾斜部は上面でなく下面または上面と下面の両面に設けてもよい。透光性媒体13の他端に配置される光ファイバ3への信号光強度を大きくしたい場合、図3に示すように、透光性媒体13の上面と下面の少なくとも一方を傾斜をつけてテーパ形状とすることが有効である。
【0014】
図4は本発明に係る分岐結合装置の他の実施例を示す図で、(a)は本実施例の斜視図、(b)はその平面図、(c)はその側面図、(d)は本実施例の変形例の斜視図、(e)はその平面図、(f)はその側面図である。
本実施例の分岐結合装置は、図4(a)〜(c)に示すように、透光性媒体14の一方の側面および上面が傾斜部を有するものである。透光性媒体14の他端に配置される光ファイバ31のコア径(太さ)は、透光性媒体14の他端の厚さに応じて大きくされている。その他の構成および動作は上述の図1(a)〜(c)の実施例と同様である。
また、本実施例の変形例は、図4(d)〜(f)に示すように、透光性媒体15の一方の側面および上面が傾斜部を有するものであり、かつ光ファイバ31を透光性媒体15の他端の概略中央部に配置したものである。その他の構成および動作は上述の図1(a)〜(c)の実施例と同様である。
透光性媒体14、15の傾斜部は一方の側面だけでなく両側面に設けてもよく、また上面でなく下面または上面と下面の両面に設けてもよい。透光性媒体14、15の他端に配置される光ファイバ31への信号光強度を一層大きくしたい場合、図4に示すように、透光性媒体の両側面の少なくとも一方および上面と下面の少なくとも一方をテーパ形状とすることが有効である。
【0015】
図5は本発明に係る分岐結合装置の他の実施例を示す図で、(a)は本実施例の斜視図、(b)はその平面図、(c)はその側面図、(d)は本実施例の変形例の斜視図、(e)はその平面図、(f)はその側面図である。
本実施例の分岐結合装置は、図5(a)〜(c)に示すように、透光性媒体16の下面が傾斜部を有するものである。複数の光ファイバ2は、厚みを増した透光性媒体16の一端に2次元に配置されている。即ち、光ファイバ2は、透光性媒体16の幅方向に8本、厚さ方向に2本の計16本が設けられている。その他の構成および動作は上述の図1(d)〜(f)の実施例と同様である。
また、本実施例の変形例は、図5(d)〜(f)に示すように、透光性媒体17の厚みを全体的に増したものであり、複数の光ファイバ2は、厚みを増した透光性媒体17の一端に2次元に配置されており、光ファイバ31は、透光性媒体17の他端の厚さに応じて、そのコア径(太さ)が大きくされている。その他の構成および動作は上述の図1(d)〜(f)の実施例と同様である。
透光性媒体16の傾斜部は上面でなく下面または上面と下面の両面に設けてもよい。図5の実施例は、透光性媒体の一端に配置される光ファイバ2の本数を増加する場合に有効である。
【0016】
本発明は、以上に示した実施例に限定されるものではない。透光性媒体の他端に配置される光ファイバ2の数は、8本以上であってもよいし8本以下であってよい。また、これらの光ファイバは入出射のいずれかを担うものであり任意である。透光性媒体の他端に配置される光ファイバ3も1本に限定されるものではなく、2本以上でもよい。
【0017】
図6は、2つのバックプレーン間を接続する信号処理装置の一例を示す図である。本例では、図示のように、2つのバックプレーン51、61が備えられており、各バックプレーン51、61には、それぞれ光分岐結合装置52、62が配置され、また4枚の電気/光変換基板53、63がそれぞれ電気コネクタ57,67を介して接続されている。各電気/光変換基板53、63には、送信用と受信用の複数の光ファイバ54、64が光コネクタ55、65を介して接続されている。各光コネクタ55、65の内部には、図示しない発光素子、受光素子及び駆動回路等が内蔵されている。一方、光分岐結合装置52、62は光ファイバ56により連結されている。本例では、光分岐結合装置52、62が8ビット(8層)積層されており、従って両装置を連結するための光ファイバ56も8本で構成されている。
このような光分岐結合装置の連結システムは、機能上、1つのバックプレーンだけではユニット(モジュール、回路基板など)接続数が十分でない場合、複数のバックプレーンを接続するときに有効である。光分岐結合装置51、61としては、例えば図1〜図5に示したものを使用することができる。
【0018】
図7(a)、(b)は、本発明に係る光分岐結合装置の連結システムの一実施例を示す図である。本実施例は、図1(a)〜(c)に示す光分岐結合装置を2つ連結したものであるが、本実施例ではさらに透光性媒体の他端と光ファイバとの間に透過拡散部を備えている。
即ち、本実施例の分岐結合装置は、図7(a)に示すように、矩形状の透光性媒体1a、1bと、透光性媒体の一端に配置された8本の光ファイバ2a、2bと、透光性媒体1a、1bを連結する1本の光ファイバ3とを備える。透光性媒体の一端には、光を透過し拡散する透過拡散部4a、4bが形成されており、透光性媒体の他端の光ファイバ3の配置されていない領域には、光を反射する反射部(又は光を反射拡散する反射拡散部)5a、5bが形成されている。透光性媒体1a、1bの他端と光ファイバ3との間には、それぞれ透過拡散部6a、6bが形成されている。
【0019】
上述した図6に示す2つのバックプレーンを接続した信号処理装置において、例えば図7(a)に示す分岐結合装置の連結システムを用いた場合、1つ目のバックプレーンで受信する信号光強度に対し、2つ目のバックプレーンで受信する信号光強度は極端に小さくなる。
この問題を解決するため、図8に示すように、2つのバックプレーン間、即ち透光性媒体1a、1b間を結ぶ光ファイバ3a、3bの前後にO/E(光/電気),E/O(電気/光)変換回路7a、7bを加え、2つ目のバックプレーン(透光性媒体)への信号強度を増加させる方法を用いることができる。本例では、O/E,E/O変換回路7a、7bと透光性媒体1a、1bとの間を結ぶ光ファイバは信号光の上りと下り用に2本設けられているが、1本の光ファイバに上りと下り用の信号光が伝送されるように構成することもできる。
しかし、図8に示す方法は、O/E,E/O変換回路を備えるためコストアップにつながる。そこで、上述した図2〜図5に示す分岐結合装置を用いることによりO/E,E/O変換回路が不要となり、コスト面での改善が可能となる。
【0020】
図7(b)は、透光性媒体の一端に配置された8本の光ファイバ2a、2bの5番目の光ファイバより信号光を入射し、その他の光ファイバから出射する場合の例を示す図である。本例におけるシミュレーション結果(光ファイバの吸収損失は含まない)では、1つ目のバックプレーン(透光性媒体)での最大挿入損失が14.6dBであるのに対し、2つ目のバックプレーン(透光性媒体)での最大挿入損失は28.9dBとなる。また、均一性を2つのバックプレーンに接続される全ての出力部における、最大挿入損失(dB)−最小挿入損失(dB)で定義すると、均一性は14.7dBとなり非常に大きい。各部の構成部品としては、例えば、各バックプレーンの入出射を担う光ファイバ及び2つのバックプレーン間を接続する光ファイバは、φ0.5mmのSI(ステップインデックス型)POF(プラスチック光ファイバ)、透光性媒体は、サイズが4×20×0.5mm(w×l×t)のポリオレフィン、透過拡散部には横方向の広がり角40°、縦方向の広がり角0.2°、反射拡散部には、上述の透過拡散部に反射部を形成したものが用いられる。
この2つのバックプレーン(透光性媒体)間の均一性は、図2〜図5に示す分岐結合装置を用いることで改善可能となる。その構成例を次の図9〜図12を用いて説明する。
【0021】
図9は、本発明に係る光分岐結合装置の連結システムの他の実施例を示す図である。本実施例は、図3(a)〜(c)に示す光分岐結合装置を2つ連結したものである。即ち、本実施例の分岐結合装置は、矩形状の透光性媒体13a、13bと、透光性媒体の一端に配置された8本の光ファイバ2a、2bと、透光性媒体13a、13bを連結する1本の光ファイバ31とを備える。透光性媒体の一端には、光を透過し拡散する透過拡散部4a、4bが形成されており、透光性媒体の他端の光ファイバ31の配置されていない領域には、光を反射する反射部(又は光を反射拡散する反射拡散部)5a、5bが形成されている。
【0022】
図10は、本発明に係る光分岐結合装置の連結システムの他の実施例を示す図である。本実施例は、図4(a)〜(c)に示す光分岐結合装置を2つ連結したものである。即ち、本実施例の分岐結合装置は、矩形状の透光性媒体14a、14bと、透光性媒体の一端に配置された8本の光ファイバ2a、2bと、透光性媒体14a、14bを連結する1本の光ファイバ31とを備える。透光性媒体の一端には、光を透過し拡散する透過拡散部4a、4bが形成されており、透光性媒体の他端の光ファイバ31の配置されていない領域には、光を反射する反射部(又は光を反射拡散する反射拡散部)5a、5bが形成されている。
【0023】
図11は、本発明に係る光分岐結合装置の連結システムの他の実施例を示す図である。本実施例は、図3(a)〜(c)に示す光分岐結合装置を2つ連結したものであるが、本実施例ではさらに透光性媒体の他端と光ファイバとの間に透過拡散部を備えている。即ち、本実施例の分岐結合装置は、矩形状の透光性媒体13a、13bと、透光性媒体の一端に配置された8本の光ファイバ2a、2bと、透光性媒体13a、13bを連結する1本の光ファイバ31とを備える。透光性媒体の一端には、光を透過し拡散する透過拡散部4a、4bが形成されており、透光性媒体の他端の光ファイバ31の配置されていない領域には、光を反射する反射部(又は光を反射拡散する反射拡散部)5a、5bが形成されている。透光性媒体13a、13bの他端と光ファイバ31との間には、それぞれ透過拡散部6a、6bが形成されている。
【0024】
図12は、本発明に係る光分岐結合装置の連結システムの他の実施例を示す図である。本実施例は、図4(a)〜(c)に示す光分岐結合装置を2つ連結したものであるが、本実施例ではさらに透光性媒体の他端と光ファイバとの間に透過拡散部を備えている。即ち、本実施例の分岐結合装置は、矩形状の透光性媒体14a、14bと、透光性媒体の一端に配置された8本の光ファイバ2a、2bと、透光性媒体14a、14bを連結する1本の光ファイバ31とを備える。透光性媒体の一端には、光を透過し拡散する透過拡散部4a、4bが形成されており、透光性媒体の他端の光ファイバ31の配置されていない領域には、光を反射する反射部(又は光を反射拡散する反射拡散部)5a、5bが形成されている。透光性媒体14a、14bの他端と光ファイバ31との間には、それぞれ透過拡散部6a、6bが形成されている。
【0025】
図13は、本発明に係る光分岐結合装置の連結システムの他の実施例を示す図である。本実施例は、図7に示す光分岐結合装置の連結システムと同様な構成であるが、透光性媒体1a、1b間を結ぶ光ファイバ(3a、3b)が2本設けられている点で異なる。
図14は、本発明に係る光分岐結合装置の連結システムの他の実施例を示す図である。本実施例は、図11に示す光分岐結合装置の連結システムと同様な構成であるが、透光性媒体13a、13b間を結ぶ光ファイバ(31a、31b)が2本設けられている点で異なる。
以上の構成では、連結部の光ファイバを複数用いることで、2つのバックプレーン(透光性媒体)間の均一性の向上が可能となる。
【0026】
以上説明した図9〜図12の実施例は、バックプレーン間を結ぶ光ファイバのサイズ(コア径)を大きく構成した例を示しており、図13および図14の実施例は、バックプレーン間を結ぶ光ファイバが2本で構成される例を示している。図9〜図14の実施例は、全ての形態を網羅して示している訳ではなく、バックプレーン間を結ぶ光ファイバの数は2本以上でも良いし、透光性媒体の側面部をテーパ状にしても良い。
【0027】
図15(a)、(b)は、それぞれ2つのバックプレーン間の均一性、および2つのバックプレーン各々の最大挿入損失を示す図である。同図(a)、(b)の横軸において、▲1▼は図7(b)の場合、▲2▼は図16の場合、▲3▼は図17の場合、▲4▼は図18の場合をそれぞれ示す。図7(b)に示す光分岐結合装置の連結システムの構成については上述したとおりであるので、以下、図16〜図17に示す光分岐結合装置の連結システムの構成について説明する。
【0028】
図16は、図12に対応する構成をもつ光分岐結合装置の連結システムを示す図で、(a)は平面図、(b)はそこで用いられる透光性媒体の平面図、(c)は同側面図である。本例において、光ファイバ2a、2bのコア径はそれぞれφ=0.48mm(ファイバ径φ=0.5mm)、光ファイバ31のコア径はφ=0.96mm(ファイバ径φ=1mm)である。透光性媒体14の寸法は、一端の幅が4mm、その厚みが0.5mm、他端の幅が3mm、その厚みが1mm、長さが20mmである。
【0029】
図17は、図16において透光性媒体間の光ファイバを2本とした光分岐結合装置の連結システムを示す図で、(a)は平面図、(b)はそこで用いられる透光性媒体の平面図、(c)は同側面図である。本例において、光ファイバ2a、2bのコア径はそれぞれφ=0.48mm(ファイバ径φ=0.5mm)、光ファイバ31a、31bのコア径はそれぞれφ=0.96mm(ファイバ径φ=1mm)である。透光性媒体14の寸法は、一端の幅が4mm、その厚みが0.5mm、他端の幅が3mm、その厚みが1mm、長さが20mmである。
【0030】
図18は、図17に対応する構成をもつ光分岐結合装置の連結システムを示す図で、(a)は平面図、(b)はそこで用いられる透光性媒体の平面図、(c)は同側面図である。本例において、光ファイバ2a、2bのコア径はそれぞれφ=0.48mm(ファイバ径φ=0.5mm)、光ファイバ31a、31bのコア径はそれぞれφ=0.96mm(ファイバ径φ=1mm)である。透光性媒体14の寸法は、一端の幅が4mm、その厚みが0.5mm、他端の幅が2.5mm、その厚みが1mm、長さが20mmである。
【0031】
上述した図7(b)および図16〜図18の光分岐結合装置の連結システムにおける均一性(2つのバックプレーンの均一性)および挿入損失は、図15(a)、(b)に示すとおりである。ここでは、ファイバの吸収損失を含まない値を示している。
即ち、均一性は図7(b)および図16〜図18において、それぞれ14.7dB、10.0dB、3.8dB、2.4dBであり、図18の形態では均一性を2.4dBまで改善可能である。挿入損失は、第1のバックプレーンでは、図7(b)および図16〜図18において、それぞれ14.6dB、15.8dB、18.8dB、20.9dBであり、第2のバックプレーンでは、それぞれ28.9dB、25.2dB、22.1dB、21.5dBであった。
【0032】
2つのバックプレーンを接続されるユニット数は、上記に限定されるものではなく、図6では、1つのユニット(電気光変換基板)が送受信両方を担う形態を示しているが、どちらか一方でもよい。また、バックプレーン同士の接続数も2つ以上でも構成可能である。また図中、各バックプレーンは同数の分岐数の接続例を示しているが、それぞれの導光路の分岐数は、接続されるユニット(モジュール、回路基板など)の数により決まる為、必ずしも同数である必要はなく、任意である。導光路(透光性媒体)の分岐数も上記の例に制限されるものではなく、光伝送に十分な効率が得られる限り、任意であり、同様にバックプレーンの接続数及び光ファイバの長さ(増設距離)も任意である。
また、本発明の光分岐結合装置に形成される拡散部には、例えばビーム整形ディヒュザー(POC社製)やレンチキュラレンズが用いられる。このレンチキュラレンズは、透光性媒体と別部品とされてもよく、また透光性媒体の端部に直接形成されてもよい。
【0033】
図19は、拡散部にレンチキュラレンズを用いた光分岐結合装置の一例を示す図で、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は(b)の一部拡大図である。本例では、図示のように、透過拡散部4、反射拡散部5および透過拡散部6にレンチキュラレンズ8が形成されている。光はレンチキュラレンズ8を構成する微細な凹凸部で拡散される。透過拡散部4および透過拡散部6では、光はレンチキュラレンズ8を透過し拡散され、反射拡散部5ではレンチキュラレンズ8と反射ミラー9とにより反射拡散される。
【0034】
本発明の光分岐結合装置で用いられる透光性媒体としては、例えばポリオレフィン(n=1.53)を射出成形等で作製したものが用いられるが、使用する発光素子の波長領域での吸収損失が十分に小さい材料であればこれに限らず、作製方法も切削研磨等の方法でも良い。光ファイバは、POFに限らず、石英ファイバでも良い。また、POFは、SIに限らずGI(グレーテッドインデックス型)でも良い。反射部は、Al等の鏡面反射でも、鏡面反射と拡散を組み合わせた反射拡散でも良い。光ファイバの接続方法は、導光路(透光性媒体)に突き当てて固定しても良いし、光ファイバをフェルールに固定し(プラグ)、導光路側の光コネクタ(レセプタクル)に嵌合させる形態でも良い。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、拡張性にすぐれた光分岐結合装置を得ることができる。このような分岐結合装置を用いることで、信号処理装置の内部への伝送と、外部への伝送の構成が容易になる。信号処理装置(バックプレーン)間での信号強度の均一性を向上することができる。また増設の為の、発光素子あるいは受光素子を必要としない構成も可能であり、コスト及び消費電力の低減が可能となる。数mから数10m離れた位置にあるバックプレーン間の信号伝送が可能となり、例えば、室内または工場内にフレキシブルに設置ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る分岐結合装置の一実施例を示す図で、(a)は本実施例の斜視図、(b)はその平面図、(c)はその側面図、(d)は本実施例の変形例の斜視図、(e)はその平面図、(f)はその側面図である。
【図2】本発明に係る分岐結合装置の他の実施例を示す図で、(a)は本実施例の斜視図、(b)はその平面図、(c)はその側面図、(d)は本実施例の変形例の斜視図、(e)はその平面図、(f)はその側面図である。
【図3】本発明に係る分岐結合装置の他の実施例を示す図で、(a)は本実施例の斜視図、(b)はその平面図、(c)はその側面図、(d)は本実施例の変形例の斜視図、(e)はその平面図、(f)はその側面図である。
【図4】本発明に係る分岐結合装置の他の実施例を示す図で、(a)は本実施例の斜視図、(b)はその平面図、(c)はその側面図、(d)は本実施例の変形例の斜視図、(e)はその平面図、(f)はその側面図である。
【図5】本発明に係る分岐結合装置の他の実施例を示す図で、(a)は本実施例の斜視図、(b)はその平面図、(c)はその側面図、(d)は本実施例の変形例の斜視図、(e)はその平面図、(f)はその側面図である。
【図6】2つのバックプレーン間を接続する信号処理装置の一例を示す図である。
【図7】(a)、(b)は本発明に係る光分岐結合装置の連結システムの一実施例を示す図である。
【図8】本発明に係る光分岐結合装置の連結システムの他の実施例を示す図である。
【図9】本発明に係る光分岐結合装置の連結システムの他の実施例を示す図である。
【図10】本発明に係る光分岐結合装置の連結システムの他の実施例を示す図である。
【図11】本発明に係る光分岐結合装置の連結システムの他の実施例を示す図である。
【図12】本発明に係る光分岐結合装置の連結システムの他の実施例を示す図である。
【図13】本発明に係る光分岐結合装置の連結システムの他の実施例を示す図である。
【図14】本発明に係る光分岐結合装置の連結システムの他の実施例を示す図である。
【図15】(a)、(b)はそれぞれ2つのバックプレーン間の均一性、および2つのバックプレーンでの最大挿入損失を示す図である。
【図16】図12に対応する構成をもつ光分岐結合装置の連結システムを示す図で、(a)は平面図、(b)はそこで用いられる透光性媒体の平面図、(c)は同側面図である。
【図17】図16において透光性媒体間の光ファイバを2本とした光分岐結合装置の連結システムを示す図で、(a)は平面図、(b)はそこで用いられる透光性媒体の平面図、(c)は同側面図である。
【図18】図17に対応する構成をもつ光分岐結合装置の連結システムを示す図で、(a)は平面図、(b)はそこで用いられる透光性媒体の平面図、(c)は同側面図である。
【図19】拡散部にレンチキュラレンズを用いた光分岐結合装置の一例を示す図で、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は(b)の一部拡大図である。
【符号の説明】
1 透光性媒体
2 光ファイバ
3 光ファイバ
4 透過拡散部
5 反射部又は反射拡散部
Claims (27)
- 矩形状の透光性媒体と、透光性媒体の一端に配置された複数の第1の光ファイバと、透光性媒体の他端に配置された少なくとも1本の第2の光ファイバとを備え、透光性媒体の他端の光ファイバの配置されていない領域に光を反射する反射部又は光を反射拡散する反射拡散部が形成されていることを特徴する光分岐結合装置。
- 透光性媒体の一端に光を拡散する拡散部が形成されていることを特徴する請求項1記載の光分岐結合装置。
- 拡散部または反射拡散部がレンチキュラレンズで構成されていることを特徴とする請求項2記載の光分岐結合装置。
- 矩形状の透光性媒体の両側面のうち少なくとも一方が傾斜部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光分岐結合装置。
- 第2の光ファイバのコア径が第1の光ファイバのコア径よりも大きいことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光分岐結合装置。
- 第2の光ファイバが2本以上設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光分岐結合装置。
- 矩形状の透光性媒体の上面および下面の少なくとも一方が傾斜部を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光分岐結合装置。
- 複数の第1の光ファイバが透光性媒体の一端に2次元に配置されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光分岐結合装置。
- 透光性媒体と光ファイバとが突き当てにより光結合されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光分岐結合装置。
- 光ファイバがプラスチック光ファイバであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の光分岐結合装置。
- 第2の光ファイバが透光性媒体の他端の概略中央部に配置されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の光分岐結合装置。
- 矩形状の透光性媒体の幅をa、長さをbとしたときに、b/a≧7であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の光分岐結合装置。
- 矩形状の透光性媒体と、透光性媒体の一端に配置された複数の第1の光ファイバと、透光性媒体の他端に配置された少なくとも1本の第2の光ファイバとを備え、透光性媒体の他端の光ファイバの配置されていない領域に光を反射する反射部又は光を反射拡散する反射拡散部が形成されている光分岐結合装置を複数具備し、光分岐結合装置間が第2の光ファイバにより接続されていることを特徴とする光分岐結合装置の連結システム。
- 少なくとも1つの光分岐結合装置における透光性媒体の一端に光を拡散する拡散部が形成されていることを特徴とする請求項13記載の光分岐結合装置の連結システム。
- 拡散部または反射拡散部がレンチキュラレンズで構成されていることを特徴とする請求項14記載の光分岐結合装置の連結システム。
- 少なくとも1つの光分岐結合装置における矩形状の透光性媒体の両側面のうち少なくとも一方が傾斜部を有することを特徴とする請求項13〜15のいずれかに記載の光分岐結合装置の連結システム。
- 少なくとも1つの光分岐結合装置における第2の光ファイバのコア径が第1の光ファイバのコア径よりも大きいことを特徴とする請求項13〜16のいずれかに記載の光分岐結合装置の連結システム。
- 第2の光ファイバが2本以上設けられていることを特徴とする請求項13〜16のいずれかに記載の光分岐結合装置の連結システム。
- 少なくとも1つの光分岐結合装置における矩形状の透光性媒体の上面および下面の少なくとも一方が傾斜部を有することを特徴とする請求項13〜18のいずれかに記載の光分岐結合装置の連結システム。
- 少なくとも1つの光分岐結合装置における透光性媒体の他端と第2の光ファイバとの間に拡散部が設けられていることを特徴とする請求項13〜19のいずれかに記載の光分岐結合装置の連結システム。
- 少なくとも1つの光分岐結合装置における複数の第1の光ファイバが透光性媒体の一端に2次元に配置されていることを特徴とする請求項13〜20のいずれかに記載の光分岐結合装置の連結システム。
- 透光性媒体と光ファイバとが突き当てにより光結合されることを特徴とする請求項13〜21のいずれかに記載の光分岐結合装置の連結システム。
- 透光性媒体と光ファイバとがコネクタにより接続されることを特徴とする請求項13〜21のいずれかに記載の光分岐結合装置の連結システム。
- 光ファイバがプラスチック光ファイバであることを特徴とする請求項13〜23のいずれかに記載の光分岐結合装置の連結システム。
- 少なくとも1つの光分岐結合装置における第2の光ファイバが透光性媒体の他端の概略中央部に配置されていることを特徴とする請求項13〜24のいずれかに記載の光分岐結合装置の連結システム。
- 少なくとも1つの光分岐結合装置における矩形状の透光性媒体の幅をa、長さをbとしたときに、b/a≧7であることを特徴とする請求項13〜25のいずれかに記載の光分岐結合装置の連結システム。
- 少なくとも1つの光分岐結合装置における第2の光ファイバにO/EおよびE/O変換回路が接続されることを特徴とする請求項13〜26のいずれかに記載の光分岐結合装置の連結システム。
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JP2015028632A (ja) * | 2013-07-30 | 2015-02-12 | ザ・ボーイング・カンパニーTheBoeing Company | プラスチック光ファイバーバスネットワーク |
-
2003
- 2003-01-22 JP JP2003013359A patent/JP2004226611A/ja not_active Withdrawn
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