JP2004226461A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、ユーザ使用時常に補正制御が行われ、かつばらつき量に追従した、より正確な制御が可能となる定着装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の定着装置は、トナー定着用の定着ヒータ(10)と、定着ヒータ(10)の近傍に配置され検出温度により抵抗値が変化する温度検出素子(11)とを具備する定着ユニット(12)を有する。更に、本発明の定着装置は、定着ユニットが新品であるか否かを検出する新品検出手段(13)と、一定の制御時間内での定着ヒータの点灯dutyを可変とすることで適正な定着ヒータの出力を得、所定条件下での温度−時間特性を求め、当該特性の傾きに合わせ点灯dutyを演算補正する定着ヒータ点灯duty演算補正手段(14)と、定着ヒータのばらつきに関わらず常に最適な定着ヒータの出力を得る最適化処理手段(15)とを有している。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は定着装置及び画像形成装置に関し、詳細には複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関わり、特にトナー定着用の熱定着装置の通電制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特許第2,867,766号明細書
【特許文献2】特開平10−161466号公報
【特許文献3】特開2000−147942号公報
従来、ヒータを用いた定着ユニットを有する画像形成装置において、所定の制御時間内におけるヒータの点灯時間(点灯duty)を可変とすることで適正なヒータ出力を得るという制御方法が一般的に用いられている。例えば、定着ユニット内の温度検出素子が取り付けられている位置の温度が、予め定められた設定温度となるようヒータ点灯を制御する場合、設定温度と現在温度とのギャップや温度上昇の勾配に合わせヒータの点灯dutyを変更して制御することにより、素早くかつ不必要なオーバーシュートを生じず、温度を設定温度に到達・維持させることを可能にできる。但し、上記点灯dutyを決定する際の定数というのは、制御系を構成する要素のばらつきを考慮して設計されるものではあるが、そのばらつきが大きい程、制御の正確性、追従性は下がる傾向にあり、その考慮したばらつき量を越えた場合、所望のヒータ出力を得られないという不具合が生じる。例えば、制御系を構成する温度検知素子、ヒータといったもののばらつきは部品仕様として管理されているので、これらの要素のばらつきで、出力設計仕様をはずれることはないが、もう一つの要素である電源事情といった場合、定格入力(日本国内であればAC100V)の±何%と規定して設計しても、ユーザのあらゆる条件を網羅しきれるものではなく、場合によっては所望のヒータ出力が得られないという不具合が生じる。
【0003】
そこで、これらを解消するため、従来よりいくつかの提案がなされている。その一つとして、上記特許文献1には、通電開始から制御温度までの温度上昇率を算出し、予め用意された制御パターンを選択することで、ヒータ抵抗値のばらつきを補正するものが提案されている。また、上記特許文献2によれば、サーミスタ出力の時間遅れ対策のために昇温勾配を測定して、サーミスタ出力を補正していることが前提であり、その昇温勾配により入力電圧の変動を検知し、ヒータのON/OFFdutyを補正している。更に、上記特許文献3には、所定時間内におけるヒータ点灯時間と温度上昇データから温度制御方式を求める画像形成装置が提案されている。これにより、熱定着装置の熱伝導性などの特性ばらつきに対し、適正な温度制御が可能となり、熱定着装置の交換をされても常に最適な温度制御が実現できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1では、ばらつき補正目的の対象、補正操作の対象が同一であるが、制御パターンを用意するのではなく演算補正を行っているため、ばらつき量に追従した正確な制御が可能となるが、必要な補正データの収集タイミングが異なっており、定着装置がある温度以下の場合での通電開始時毎回となっている。そのため、補正データの収集時は補正制御できないので、例えば、朝一の電源ON時はこの制御が働かないことになる。また、上記特許文献2によれば、補正データの収集タイミングが待機時に行われているため、補正データの収集時は補正制御できないので、例えば朝一の電源ON時はこの制御が働かないことになる。更に、上記特許文献3によれば、複雑な演算処理により補正を行っており、そのため制御を行うマイコンの負荷が非常に重い。また、電源ON時は、定着制御以外もイニシャル動作中のため、できればマイコン負荷としては軽くしておく必要がある。
【0005】
本発明はこれらの問題点を解決するためのものであり、制御系設計において制御系構成要素のばらつきを考慮しなくてすむようにし、構成要素のばらつきを考慮するが故の設計難易性の改善、構成要素の考慮したばらつきを越えた時の制御不能状態といった不具合を発生させないようにし、ユーザ使用時常に補正制御が行われ、かつばらつき量に追従した、より正確な制御が可能となる定着装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記問題点を解決するために、本発明の定着装置は、トナー定着用の定着ヒータと、該定着ヒータの近傍に配置され検出温度により抵抗値が変化する温度検出素子とを具備する定着ユニットを有する。更に、本発明の定着装置は、定着ユニットが新品であるか否かを検出する新品検出手段と、一定の制御時間内での定着ヒータの点灯dutyを可変とすることで適正な定着ヒータの出力を得、所定条件下での温度−時間特性を求め、当該特性の傾きに合わせ点灯dutyを演算補正する定着ヒータ点灯duty演算補正手段と、定着ヒータのばらつきに関わらず常に最適な定着ヒータの出力を得る最適化処理手段とを有している。そして、定着ヒータを含む定着ユニットを新品に交換された時には、新品検出手段による新品検知動作を行い、その動作中に自動的に定着ヒータ点灯duty演算補正手段による演算補正を行う。そして、最適化処理手段による定着ヒータの出力の最適化を行う。よって、適正な定着ヒータの出力を得られ、素早くかつ不必要なオーバーシュートを生じず温度を設定温度に到達・維持させることができると共に、ユーザ使用時常に補正制御が行われ、かつばらつき量に追従した、より正確な制御が可能となる定着装置を提供できる。
【0007】
また、最適化処理手段による最適化を行いその結果最適値が得られなかった時にエラー表示を行うことにより、最適化できない異常時、劣悪環境下での使用を止めることができ、商品としての品質信頼性保持が可能となる。
【0008】
更に、定着ユニットが新品でない場合、温度検出素子で検出された温度がある一定値以下であれば、意図的に定着ヒータ点灯duty演算補正手段による演算補正を行い、定着ヒータの出力の最適化を行う。よって、最適化ができなかった場合に呼ばれるサービスマンの異常解析、対処が容易になると共に、ユーザが使用環境を変える場合ユーザ調整モードとして用意しておくことで新品ユニットでない場合でも使用環境を変える場合に対処することが可能であり、ヒータの状態管理もされているので、正確な補正データの収集が可能であり、より最適化されたヒータ制御が可能となる。
【0009】
また、別の発明としての画像形成装置は、上記記載の定着装置を有し、電子写真式で形成したトナー像を記録部材に加熱溶着させることに特徴がある。よって、適正な定着ヒータの出力が得られ、素早くかつ不必要なオーバーシュートを生じず温度を設定温度に到達・維持させることができ、良質なトナー像を記録部材に定着して形成することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の定着装置は、図1に示すように、トナー定着用の定着ヒータ10と、定着ヒータ10の近傍に配置され検出温度により抵抗値が変化する温度検出素子11とを具備する定着ユニット12を有する。更に、本発明の定着装置は、定着ユニットが新品であるか否かを検出する新品検出手段13と、一定の制御時間内での定着ヒータの点灯dutyを可変とすることで適正な定着ヒータの出力を得、所定条件下での温度−時間特性を求め、当該特性の傾きに合わせ点灯dutyを演算補正する定着ヒータ点灯duty演算補正手段14と、定着ヒータのばらつきに関わらず常に最適な定着ヒータの出力を得る最適化処理手段15とを有している。
【0011】
【実施例】
図2は本発明の一実施例に係る定着装置の制御回路を示す回路図である。同図において、定着ユニット1は、温度検出素子であるサーミスタ2及び制御対象である定着ヒータ3を具備しており、定着ヒータ3はトライアックのような双方向スイッチング素子7、図示していないが安全回路としての電流検知ヒューズ等を介し、商用交流電源8に接続されている。スイッチング素子7のドライブには入出力の絶縁されたフォトカプラ等がよく用いられ、2次側電源で動作するCPU5によりON/OFF制御させる。また、ベースエンジンコントロールユニット(以下BCUと略す)4はCPU5を有している。一方、サーミスタ2は、制御すべき定着装置のローラ表面(ベルト表面)近傍に配置されている。このサーミスタ2は検出温度により抵抗値が変化する特性を有しており、電圧変換が行われ、BCU4に搭載されたCPU5のA/D入力に取り込み温度として検知される。以上のような制御系の構成により、定着ユニット1のローラ(ベルト)表面温度が予め決められた設定温度に推移できるよう、または保持できるよう、CPU5がヒータON/OFFの制御を行うことで可能となる。
【0012】
以下、図2の制御回路による制御について説明する。基本制御としては公知の自動制御技術であり、例えばP制御を例にすると、先ず図2のサーミスタ2によって温度を検知し、その検知温度と設定目標温度との差分を求め、その差分に比例定数Kpを乗算した値によりヒータの点灯duty(時間)を決定する。定着ヒータのON/OFF制御を示すタイムチャートである図3を用いて説明すると、ある制御単位時間tごとにサーミスタ温度を検知し、tサイクル中の任意%の時間(t,t,t,…)を点灯させるかの値を算出し、ON/OFF制御する。このとき、設定温度との差が大きいほど点灯時間は長くなり、設定温度との差が小さいほど点灯時間は短くなる。なお、制御単位時間は、CPU性能、点灯時間の必要設定分解能から決まることになる。
【0013】
以上の説明は基本制御をP制御とした場合であるが、制御系をそのままで、マイコンにより温度推移、温度変化率も考慮して点灯dutyを決めれば、PI制御、PID制御となる。それぞれの制御の定数Kp,Ki,Kdの設計としては、制御系を構成する要素の持つ公差(ばらつき)を考慮してなされるのが一般的である。しかしながら、その考慮により発生するばらつきは、制御操作の対象に掛かってくることになり、すなわち本制御系ではデューティ制御後のヒータ出力、すなわち供給するヒータ熱量が装置ごとにばらつくことになる。
【0014】
本発明では、上記のような制御系要素のばらつきが制御操作量に影響しないよう補正するものであり、具体的には、制御系要素のであるヒータ出力のばらつき(公差)によって、ヒータ熱量が変動しないよう補正するものである。
【0015】
次に、図4は調整モード時図2の定着ユニット1内のサーミスタ2の検知温度−時間特性を示す特性図である。以下、図4を用いて本実施例における補正のための制御を説明する。本発明では、その使用環境での最適な制御を実現するため、ヒータ点灯dutyに補正処理を行うが、その補正処理のための事前データ収集を行う調整モードを用意している。動作としては、先ずヒータをONさせ、サーミスタ検知温度がある温度からある温度に到達するまでの時間をカウントし、ヒータをOFFさせている。図4の例では50℃から100℃までの温度推移時間を計測しており、ヒータON後サーミスタ検知温度を図2のCPU5が監視しており、50℃を検知後CPU5内のタイマをスタートさせ(時刻a)、100℃検知でタイマをストップさせてヒータOFFとしている(時刻b)。その計測された時間tは、t=b−aとなる。なお、この調整モードでのヒータ出力としては固定のdutyとしておく必要があり、そのdutyとしてはサーミスタの検知温度の推移が図4のような1次直線となるdutyを選択する。また、図4中の50℃−100℃間の時間を測定しているが、サーミスタの特性として検出温度−電圧の特性がリニアで誤差の少ない区間であれば問題ない。このような設定下で計測された時間tは、予め測定しておいたヒータ出力公差±0品:Wでの温度推移時間tより、公差を含んだヒータでの出力Wが、下式より求まる。
【0016】
W=a・(t/t)・W (1)
【0017】
ここで、aは任意定数となっているが、ヒータ出力のばらつきによる上式(1)の特性を予め測定しておくことで、その制御系固有の値として求めておくことができる。
【0018】
これより、ヒータ点灯dutyの補正係数αは、下式(2)となる。
【0019】
α=W/W
=1/(a・(t/t)) (2)
【0020】
本発明では、通常のヒータduty制御に対し、(2)式で得られたαを乗算することになる。
【0021】
これにより、ヒータの(許容公差内での)ばらつきに影響されることなく、公差±0品ヒータ出力と同等な出力が得られ、素早く、かつ不必要なオーバーシュートを生じずに温度を設定温度に到達・維持させることが可能となる。なお、調整モードの実施タイミングとしては、ばらつき補正の対象がその機械特有の部品ばらつきであるため、工場出荷時に最低限行われる必要がある。工場出荷時のみであれば、通常制御中は上記(2)式で求められたαを点灯デューティに乗算するのみであるのでマイコン負荷も少なく、時々刻々と環境温度が変化するようであれば、より頻繁に、例えば電源ON時毎や待機時などに補正のためのデータ収集を行い、αを更新することで対応が可能である。ただし、ばらつきを発生するのは機械というよりは、機械に使われているヒータという部品であるのでその部品交換時、もしくは定着ユニットとしてのユニット交換時には、図5に示す制御フローに従って工場出荷時と同様な調整を行う。すなわち、定着ユニットが新品か否かを判定し(ステップS101)、新品であれば(ステップS101;YES)ヒータ出力の最適化処理を行う(ステップS102)。そして最適化ができたか否かを判定する(ステップS103)。なお、定着ユニットが新品かの判定に関しては、寿命管理として用いられている新品検知方法を流用するのが、コストアップを招かずに実現できる安易な方法と言える。例えば、ユニットを初めて動かしたときの回転動作でメカ的に信号の状態(導通・非道通)を変えるものや、ヒューズなどを搭載してユニットに初めて火が入ったことによる熱でヒューズ前後の信号状態(導通・非道通)を変えるものがある。その他には操作パネルから新品情報を入力するものなど種々様々な方法があるが、そのユニットとして寿命管理に用いている方法を流用すればよい。この新品ユニットに初めて火が入るタイミングというのは、その新品ユニット内のヒータは常温であり、ヒータ特性が一番安定した状態と言える。既知技術のように、ユーザ使用(プリント)時毎回では、直前に何枚プリントしたかにより機内温度、ヒータの雰囲気温度がかわってしまい、不安定でどういう特性を持ったヒータかを判別するのは困難である。
【0022】
また、複写機、プリンタといった商品は一度設置されると移動されることは稀であるため、設置した一番はじめに、設置環境、特に入力電圧のばらつきも併せて検知することで、有効な環境ばらつきデータをとることが可能である。特に入力電圧とヒータ出力というのは、一般的に比例関係にあるため、上記(1)式や(2)式におけるaを操作することで、安易に補正演算可能となる。なお、上記までのフローは、補正が成功した場合についてである。図5にも示してあるが、ユニット不良、または設置環境が劣悪の場合は(ステップS103;NO)、その商品の品質維持のため、機械を止めることが必要であり、その場合、操作パネルにエラー表示を行い(ステップS104)、ユーザに状態チェック、またはサービスマンを呼ぶことを促せる。また、サービスマンが呼ばれた場合は、エラー解析、対処が必要となるのだが、上記エラーが起こった場合、新品ではないという履歴が残る場合がある。この場合の再調整のため、本発明では新品検知時に関わらず、意図的に調整モードに入れるようになっている。この調整モードに入れる動作は、ユニットが新品ではないけれど、設置環境を変える場合に有効であり、ユーザ調整モードとして用意することで対応可能となる。
【0023】
なお、ヒータが常温環境(一番特性の安定した環境)下で調整を行いたいため、本発明では調整モードに入ったときの、サーミスタ2の検出値で監視を行い、常温環境下での調整かも管理する。
【0024】
以上により、使用環境の入力電圧ばらつきや、ヒータの(許容公差内での)ばらつきに影響されることなく、定格電圧下の公差±0品ヒータ出力と同等な出力が得られることになるので、制御系設計としても部品ばらつきを考慮しなくてもすむので非常により容易なものとなる。また、結果として得られる温度制御もより正確なものとなり、定着温度を設定温度に素早く、かつ不必要なオーバーシュートを生じずに、到達・維持させることが可能となる。
【0025】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内の記載であれば多種の変形や置換可能であることは言うまでもない。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の定着装置は、トナー定着用の定着ヒータと、該定着ヒータの近傍に配置され検出温度により抵抗値が変化する温度検出素子とを具備する定着ユニットを有する。更に、本発明の定着装置は、定着ユニットが新品であるか否かを検出する新品検出手段と、一定の制御時間内での定着ヒータの点灯dutyを可変とすることで適正な定着ヒータの出力を得、所定条件下での温度−時間特性を求め、当該特性の傾きに合わせ点灯dutyを演算補正する定着ヒータ点灯duty演算補正手段と、定着ヒータのばらつきに関わらず常に最適な定着ヒータの出力を得る最適化処理手段とを有している。そして、定着ヒータを含む定着ユニットを新品に交換された時には、新品検出手段による新品検知動作を行い、その動作中に自動的に定着ヒータ点灯duty演算補正手段による演算補正を行う。そして、最適化処理手段による定着ヒータの出力の最適化を行う。よって、適正な定着ヒータの出力を得られ、素早くかつ不必要なオーバーシュートを生じず温度を設定温度に到達・維持させることができると共に、ユーザ使用時常に補正制御が行われ、かつばらつき量に追従した、より正確な制御が可能となる定着装置を提供できる。
【0027】
また、最適化処理手段による最適化を行いその結果最適値が得られなかった時にエラー表示を行うことにより、最適化できない異常時、劣悪環境下での使用を止めることができ、商品としての品質信頼性保持が可能となる。
【0028】
更に、定着ユニットが新品でない場合、温度検出素子で検出された温度がある一定値以下であれば、意図的に定着ヒータ点灯duty演算補正手段による演算補正を行い、定着ヒータの出力の最適化を行う。よって、最適化ができなかった場合に呼ばれるサービスマンの異常解析、対処が容易になると共に、ユーザが使用環境を変える場合ユーザ調整モードとして用意しておくことで新品ユニットでない場合でも使用環境を変える場合に対処することが可能であり、ヒータの状態管理もされているので、正確な補正データの収集が可能であり、より最適化されたヒータ制御が可能となる。
【0029】
また、別の発明としての画像形成装置は、上記記載の定着装置を有し、電子写真式で形成したトナー像を記録部材に加熱溶着させることに特徴がある。よって、適正な定着ヒータの出力が得られ、素早くかつ不必要なオーバーシュートを生じず温度を設定温度に到達・維持させることができ、良質なトナー像を記録部材に定着して形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の定着装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例に係る定着装置の制御回路を示す回路図である。
【図3】定着ヒータのON/OFF制御を示すタイムチャートである。
【図4】調整モード時定着ユニット内のサーミスタの検知温度−時間特性を示す特性図である。
【図5】本発明の一実施例に係る定着装置の制御回路における制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1,12;定着ユニット、2,10;定着ヒータ、3;サーミスタ、
4;BCU、5;CPU、6;AC制御ユニット、
7;双方向スイッチング素子、8;商用交流電源、11;温度検出素子、
13;新品検出手段、14;定着ヒータ点灯duty演算補正手段、
15;最適化処理手段。

Claims (4)

  1. トナー定着用の定着ヒータと、該定着ヒータの近傍に配置され検出温度により抵抗値が変化する温度検出素子とを具備する定着ユニットを有する定着装置において、
    前記定着ユニットが新品であるか否かを検出する新品検出手段と、
    一定の制御時間内での前記定着ヒータの点灯dutyを可変とすることで適正な前記定着ヒータの出力を得、所定条件下での温度−時間特性を求め、当該特性の傾きに合わせ前記点灯dutyを演算補正する定着ヒータ点灯duty演算補正手段と、
    前記定着ヒータのばらつきに関わらず常に最適な前記定着ヒータの出力を得る最適化処理手段とを有し、
    前記定着ヒータを含む定着ユニットを新品に交換された時には、前記新品検出手段による新品検知動作を行い、その動作中に自動的に前記定着ヒータ点灯duty演算補正手段による演算補正を行い、前記最適化処理手段による前記定着ヒータの出力の最適化を行うことを特徴とする定着装置。
  2. 前記最適化処理手段による最適化を行いその結果最適値が得られなかった時にはエラー表示を行う請求項1記載の定着装置。
  3. 前記定着ユニットが新品でない場合、前記温度検出素子で検出された温度がある一定値以下であれば、意図的に前記定着ヒータ点灯duty演算補正手段による演算補正を行い、前記定着ヒータの出力の最適化を行う請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の定着装置を有し、電子写真式で形成したトナー像を記録部材に加熱溶着させることを特徴とする画像形成装置。
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