JP2004226325A - 温度検出器 - Google Patents
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Abstract
【課題】充分な耐久信頼性を示す安価な温度検出器を提供すること。
【解決手段】インサート成形によって検出器ハウジング(13)に固定された2本のセンサ素子支持ピン17、18を設け、この2本のセンサ素子支持ピン17、18間に温度センサ素子28を橋渡し配置し、温度センサ素子28の両側のリード線29、30を各々センサ素子支持ピン17、18に溶接によって導電固着する。
【選択図】 図5
【解決手段】インサート成形によって検出器ハウジング(13)に固定された2本のセンサ素子支持ピン17、18を設け、この2本のセンサ素子支持ピン17、18間に温度センサ素子28を橋渡し配置し、温度センサ素子28の両側のリード線29、30を各々センサ素子支持ピン17、18に溶接によって導電固着する。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、温度検出器に関し、特に、内燃機関の吸気温度・吸気圧力を検出するような圧力ゲージセンサを併置した温度検出器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の吸気温度検出等に使用される車載用の温度検出器として、NTCサーミスタ等による温度センサ素子を用いたもの、更には、1つの共通の検出器ハウジングに圧力センサ素子と温度センサ素子が配置された一体型もの、すなわち、ハウジング一体型の圧力・温度複合検出器がある(例えば、特許文献1)。複合検出器は、省スペース化のための小型化、軽量化を推進でき、車載用部品として好適である。
【0003】
従来の温度検出器では、同方向に延びた脚状の2本の接続導線(リード線)を有するボタン型のNTCサーミスタ等による温度センサ素子が用いられ、この温度センサ素子の検出器ハウジングに対する固定は、2本の接続導線を検出器ハウジングの接続管部分に締付け結合される弾性的なクリップ湾曲材により挟み込み式に行われている。
【0004】
【特許文献1】
特表2000−510956号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の温度検出器では、温度センサ素子の取り付けに、複雑形状のクリップ湾曲材が必要で、しかも、温度センサの接続導線をクリップ湾曲材によって締付けるまでの作業工程が複雑のため、コスト高になる。
【0006】
また、温度センサ素子の接続導線は、クリップ湾曲材による機械的な締付けだけで、片持ち梁の状態による固定であるため、温度センサ素子の接続導線とクリップ湾曲材との接続部について、耐振動性、耐熱衝撃性などの信頼性が懸念される。
【0007】
温度センサ素子の配置環境が、圧力変動や流れ(例えば、吸気流)がない静的環境であれば、比較的長い脚状の接続導線のクリップ固定だけでも、耐久性を得ることができるが、圧力・温度複合検出器では、温度センサ素子の配置環境は、圧力変動や流れがある動的環境となり、接続導線の機械的な締付けだけによる温度センサ素子の取り付けでは、接続導線の疲労破壊等により充分な耐久性を確保することが難しい。更に、車載使用では、走行振動による常時繰返し応力に対し、接続導線が早期に破損する虞れがある。
【0008】
この発明は、上述の如き問題点を解消するためになされたもので、その目的とするところは、圧力・温度複合検出器でも、車載使用でも、充分な耐久信頼性を示し、しかも、部品点数の削減、製造工程の簡略化により安価な温度検出器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明による温度検出器は、インサート成形によって検出器ハウジングに固定された2本のセンサ素子支持ピンを有し、前記2本のセンサ素子支持ピン間に温度センサ素子が橋渡し配置され、当該温度センサ素子の両側のリード線が各々前記センサ素子支持ピンに導電固着されている。
【0010】
この発明による温度検出器によれば、素子本体の両側にリード線があるアクシャルタイプの温度センサ素子が使用され、温度センサ素子の両側のリード線が各々検出器ハウジングにインサート成形されたセンサ素子支持ピンに導電固着されることにより、温度センサ素子の固定が行われる。
【0011】
この温度センサ素子の固定は、温度センサ素子が2本のセンサ素子支持ピン間に橋渡し配置された両持ち梁の状態になり、充分な取付強度が得られる。これにより、温度センサ素子の配置環境が、圧力変動や流れがある動的環境でも、温度センサ素子が揺れ動くことがなく、リード線やセンサ素子支持ピンに繰り返し応力が作用することがなく、車載使用でも、充分な耐久信頼性が得られる。
【0012】
この発明による温度検出器では、温度センサ素子のリード線のセンサ素子支持ピンに対する導電固着は、溶接、特に、スポット溶接により、機械的に強固に行うことができる。溶接の場合には、導電固着部の腐食汚染の問題も生じることがない。
【0013】
本発明による温度検出器は、更に、前記検出器ハウジングが、前記温度センサ素子の周りを取り囲む円筒状のセンサ保護壁部を有し、前記温度センサ素子の前記リード線と前記センサ素子支持ピンとを溶接するための溶接電極棒のアクセス用開口が前記センサ保護壁部に形成されている。
【0014】
この発明による温度検出器によれば、温度センサ素子がこれを取り囲むセンサ保護壁部によって保護され、センサ保護壁部には溶接電極棒のアクセス用開口が形成されているから、アクセス用開口より溶接電極棒をリード線とセンサ素子支持ピンとの溶接部に進入させることができ、センサ保護壁部があっても支障なく溶接を行うことができる。
【0015】
この発明による温度検出器では、前記アクセス用開口は、前記センサ素子支持ピンの両側に各々設けられ、前記温度センサ素子の前記リード線の軸線方向に対して直交し、前記2本のセンサ素子支持ピンを共有するひとつの仮想平面を貫通する方向に開口している。
【0016】
これにより、溶接電極棒をアクセス用開口より溶接電極棒をリード線とセンサ素子支持ピンとの溶接部に向けて直進させるだけで、センサ保護壁部より障害を受けることなく的確に溶接を行うことができる。
【0017】
また、本発明による温度検出器は、前記検出器ハウジングが、圧力ゲージセンサのハウジングを兼ねていて圧力ゲージセンサを保持しており、前記検出器ハウジングには前記圧力ゲージセンサに圧力を導く圧力導入通路が形成されている。
【0018】
これは、本発明による温度検出器のハウジング一体型の圧力・温度複合検出器への適合であり、温度センサ素子の配置環境が、圧力変動や流れがある動的環境となっても、温度センサ素子が揺れ動くことがなく、リード線やセンサ素子支持ピンに繰り返し応力が作用することがなく、充分な耐久信頼性が得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照してこの発明の実施形態を詳細に説明する。
図1〜図6はこの発明による温度検出器をハウジング一体型の圧力・温度複合検出器として実施した一つの実施形態を示している。
【0020】
圧力・温度複合検出器は、樹脂成形品による検出器ハウジング11を有している。検出器ハウジング11は、圧力センサ収容室形成部12、圧力導入通路形成部13、コネクタケース部15を一体成形されている。なお、検出器ハウジング11には、取付片部14も一体成形されている。
【0021】
検出器ハウジング11には、複数個の黄銅製のコネクタ端子片16と、2本のステンレス鋼製のセンサ素子支持ピン17、18とがインサート成形されている。すなわち、複数個のコネクタ端子片16と、2本のセンサ素子支持ピン17、18は、検出器ハウジング11のインサート成形によって検出器ハウジング11に固定されている。複数個のコネクタ端子片16のうち、2本のコネクタ端子片16A、16Bは延長されてセンサ素子支持ピン17、18に導通接続されている。
【0022】
圧力センサ収容室形成部12には圧力センサ収容室19が形成され、圧力導入通路形成部13には一端にて圧力センサ収容室19に開口した圧力導入通路20が形成されている。圧力センサ収容室19には、ピエゾ素子等による圧力ゲージ素子やダイヤフラム(図示省略)等を内蔵した圧力センサパッケージ21が接着剤等によって固定されている。圧力導入通路20は他端にて圧力導入通路形成部13の先端より外部に開口し、この開口端より圧力を圧力センサパッケージ21に導く。
【0023】
圧力センサパッケージ21の圧力ゲージセンサ用電源端子22、GND端子23、圧力に比例した電圧を出力する信号端子24は、各々、アルミ細線25によって対応するコネクタ端子片16、16Aに導通接続されている。
【0024】
圧力センサパッケージ21は耐候性のゲル26で覆われ、圧力センサ収容室19は検出器ハウジング11に接着剤等によって接着されるカバー部材27によって密閉される。
【0025】
センサ素子支持ピン17、18は、圧力導入通路20の両側にあって圧力導入通路形成部13の先端より外方に、所定長さ、互いに所定間隔をおいて互いに平行に突出している。この2本のセンサ素子支持ピン17、18の先端部に温度センサ素子28が取り付けられている。
【0026】
温度センサ素子28は、素子本体の両側にリード線29、30があるアクシャルタイプのNTCサーミスタ等により構成されている。温度センサ素子28は2本のセンサ素子支持ピン17、18の先端部間に橋渡し配置され、両側のリード線29、30が各々センサ素子支持ピン17、18の先端部にスポット溶接によって導電固着されている。
【0027】
この取付構造により、温度センサ素子28が2本のセンサ素子支持ピン17、18間に橋渡し配置された両持ち梁の状態になり、充分な取付強度が得られる。これにより、温度センサ素子28の配置環境が、圧力変動や流れがある動的環境でも、温度センサ素子が揺れ動くことがなく、リード線29、30やセンサ素子支持ピン17、18に繰り返し応力が作用することがなく、温度センサ素子接続部の耐振動性、耐熱衝撃性、耐腐食性などの耐久信頼性が改善される。
【0028】
特に、この実施形態のような圧力・温度複合検出器への適合において、温度センサ素子の配置環境が、圧力変動や流れがある動的環境となっても、温度センサ素子28が揺れ動くことがなく、リード線29、30やセンサ素子支持ピン17、18に繰り返し応力が作用することがなく、充分な耐久信頼性が得られる。
【0029】
圧力導入通路形成部13の先端部には温度センサ素子28の周りを取り囲む円筒状のセンサ保護壁部31が一体成形されている。センサ保護壁部31は温度センサ素子28に外部より不用意な衝撃や力が作用しないように保護する。
【0030】
センサ保護壁部31には、リード線17、18とセンサ素子支持ピン29、30とをスポット溶接するための一対の溶接電極棒100、101のためのアクセス用開口32、33が形成されている。
【0031】
アクセス用開口32、33は、所定の大きさ(長方形)をもってセンサ素子支持ピン29、30の両側に各々設けられ、温度センサ素子28のリード線29、30の軸線方向(図5、図6で見て左右方向)およびセンサ素子支持ピン17、18の突出方向(図3〜図6で見て上下方向)に対して直交し、2本のセンサ素子支持ピン17、18を共有するひとつの仮想平面(図5、図6の紙面と平行な面)を直角に貫通する方向に開口している。
【0032】
温度センサ素子28がセンサ保護壁部31によって取り囲まれていても、センサ保護壁部31にはアクセス用開口32、33が形成されているから、アクセス用開口32、33より溶接電極棒100、101をリード線29、30とセンサ素子支持ピン17、18との溶接部に進入させることができ、溶接電極棒100、101をアクセス用開口32、33よりその溶接部に向けて直進させるだけで、センサ保護壁部31より障害を受けることなく、リード線29、30とセンサ素子支持ピン17、18との溶接を、容易に、的確に行うことができる。
【0033】
樹脂製の検出器ハウジング11の線膨張率とインサート成形された金属製のセンサ素子支持ピン17、18と線膨張率との差が大きいため、使用温度環境下(−30〜120℃)では、検出器ハウジング11とセンサ素子支持ピン17、18との境界部に微小な隙間が発生し、この隙間部で圧力漏れが発生し、圧力測定の誤差の要因となる可能性がある。この対策として、センサ素子支持ピン17、18の根元部に軟接着剤34を塗布、硬化する。
【0034】
【発明の効果】
以上の説明から理解される如く、この発明による温度検出器によれば、温度センサ素子が2本のセンサ素子支持ピン間に橋渡し配置された両持ち梁の状態になり、充分な取付強度が得られ、温度センサ素子の配置環境が、圧力変動や流れがある動的環境でも、温度センサ素子が揺れ動くことがなく、リード線やセンサ素子支持ピンに繰り返し応力が作用することがなく、車載使用でも、充分な耐久信頼性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による温度検出器をハウジング一体型の圧力・温度複合検出器として実施した一つの実施形態を示す底面図である。
【図2】この発明による温度検出器をハウジング一体型の圧力・温度複合検出器として実施した一つの実施形態を示す平面図である。
【図3】図1の線A−A、図2の線C−Cに沿った断面図である。
【図4】この発明による温度検出器をハウジング一体型の圧力・温度複合検出器として実施した一つの実施形態の要部を示す斜視図である。
【図5】図1の線B−Bに沿った断面図である。
【図6】図1のD矢視図である。
【符号の説明】
11 検出器ハウジング
12 圧力センサ収容室形成部
13 圧力導入通路形成部
15 コネクタケース部
17、18 センサ素子支持ピン
19 圧力センサ収容室
20 圧力導入通路
21 圧力センサパッケージ
28 温度センサ素子
29、30 リード線
31 センサ保護壁部
32、33 アクセス用開口
【発明の属する技術分野】
この発明は、温度検出器に関し、特に、内燃機関の吸気温度・吸気圧力を検出するような圧力ゲージセンサを併置した温度検出器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の吸気温度検出等に使用される車載用の温度検出器として、NTCサーミスタ等による温度センサ素子を用いたもの、更には、1つの共通の検出器ハウジングに圧力センサ素子と温度センサ素子が配置された一体型もの、すなわち、ハウジング一体型の圧力・温度複合検出器がある(例えば、特許文献1)。複合検出器は、省スペース化のための小型化、軽量化を推進でき、車載用部品として好適である。
【0003】
従来の温度検出器では、同方向に延びた脚状の2本の接続導線(リード線)を有するボタン型のNTCサーミスタ等による温度センサ素子が用いられ、この温度センサ素子の検出器ハウジングに対する固定は、2本の接続導線を検出器ハウジングの接続管部分に締付け結合される弾性的なクリップ湾曲材により挟み込み式に行われている。
【0004】
【特許文献1】
特表2000−510956号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の温度検出器では、温度センサ素子の取り付けに、複雑形状のクリップ湾曲材が必要で、しかも、温度センサの接続導線をクリップ湾曲材によって締付けるまでの作業工程が複雑のため、コスト高になる。
【0006】
また、温度センサ素子の接続導線は、クリップ湾曲材による機械的な締付けだけで、片持ち梁の状態による固定であるため、温度センサ素子の接続導線とクリップ湾曲材との接続部について、耐振動性、耐熱衝撃性などの信頼性が懸念される。
【0007】
温度センサ素子の配置環境が、圧力変動や流れ(例えば、吸気流)がない静的環境であれば、比較的長い脚状の接続導線のクリップ固定だけでも、耐久性を得ることができるが、圧力・温度複合検出器では、温度センサ素子の配置環境は、圧力変動や流れがある動的環境となり、接続導線の機械的な締付けだけによる温度センサ素子の取り付けでは、接続導線の疲労破壊等により充分な耐久性を確保することが難しい。更に、車載使用では、走行振動による常時繰返し応力に対し、接続導線が早期に破損する虞れがある。
【0008】
この発明は、上述の如き問題点を解消するためになされたもので、その目的とするところは、圧力・温度複合検出器でも、車載使用でも、充分な耐久信頼性を示し、しかも、部品点数の削減、製造工程の簡略化により安価な温度検出器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明による温度検出器は、インサート成形によって検出器ハウジングに固定された2本のセンサ素子支持ピンを有し、前記2本のセンサ素子支持ピン間に温度センサ素子が橋渡し配置され、当該温度センサ素子の両側のリード線が各々前記センサ素子支持ピンに導電固着されている。
【0010】
この発明による温度検出器によれば、素子本体の両側にリード線があるアクシャルタイプの温度センサ素子が使用され、温度センサ素子の両側のリード線が各々検出器ハウジングにインサート成形されたセンサ素子支持ピンに導電固着されることにより、温度センサ素子の固定が行われる。
【0011】
この温度センサ素子の固定は、温度センサ素子が2本のセンサ素子支持ピン間に橋渡し配置された両持ち梁の状態になり、充分な取付強度が得られる。これにより、温度センサ素子の配置環境が、圧力変動や流れがある動的環境でも、温度センサ素子が揺れ動くことがなく、リード線やセンサ素子支持ピンに繰り返し応力が作用することがなく、車載使用でも、充分な耐久信頼性が得られる。
【0012】
この発明による温度検出器では、温度センサ素子のリード線のセンサ素子支持ピンに対する導電固着は、溶接、特に、スポット溶接により、機械的に強固に行うことができる。溶接の場合には、導電固着部の腐食汚染の問題も生じることがない。
【0013】
本発明による温度検出器は、更に、前記検出器ハウジングが、前記温度センサ素子の周りを取り囲む円筒状のセンサ保護壁部を有し、前記温度センサ素子の前記リード線と前記センサ素子支持ピンとを溶接するための溶接電極棒のアクセス用開口が前記センサ保護壁部に形成されている。
【0014】
この発明による温度検出器によれば、温度センサ素子がこれを取り囲むセンサ保護壁部によって保護され、センサ保護壁部には溶接電極棒のアクセス用開口が形成されているから、アクセス用開口より溶接電極棒をリード線とセンサ素子支持ピンとの溶接部に進入させることができ、センサ保護壁部があっても支障なく溶接を行うことができる。
【0015】
この発明による温度検出器では、前記アクセス用開口は、前記センサ素子支持ピンの両側に各々設けられ、前記温度センサ素子の前記リード線の軸線方向に対して直交し、前記2本のセンサ素子支持ピンを共有するひとつの仮想平面を貫通する方向に開口している。
【0016】
これにより、溶接電極棒をアクセス用開口より溶接電極棒をリード線とセンサ素子支持ピンとの溶接部に向けて直進させるだけで、センサ保護壁部より障害を受けることなく的確に溶接を行うことができる。
【0017】
また、本発明による温度検出器は、前記検出器ハウジングが、圧力ゲージセンサのハウジングを兼ねていて圧力ゲージセンサを保持しており、前記検出器ハウジングには前記圧力ゲージセンサに圧力を導く圧力導入通路が形成されている。
【0018】
これは、本発明による温度検出器のハウジング一体型の圧力・温度複合検出器への適合であり、温度センサ素子の配置環境が、圧力変動や流れがある動的環境となっても、温度センサ素子が揺れ動くことがなく、リード線やセンサ素子支持ピンに繰り返し応力が作用することがなく、充分な耐久信頼性が得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照してこの発明の実施形態を詳細に説明する。
図1〜図6はこの発明による温度検出器をハウジング一体型の圧力・温度複合検出器として実施した一つの実施形態を示している。
【0020】
圧力・温度複合検出器は、樹脂成形品による検出器ハウジング11を有している。検出器ハウジング11は、圧力センサ収容室形成部12、圧力導入通路形成部13、コネクタケース部15を一体成形されている。なお、検出器ハウジング11には、取付片部14も一体成形されている。
【0021】
検出器ハウジング11には、複数個の黄銅製のコネクタ端子片16と、2本のステンレス鋼製のセンサ素子支持ピン17、18とがインサート成形されている。すなわち、複数個のコネクタ端子片16と、2本のセンサ素子支持ピン17、18は、検出器ハウジング11のインサート成形によって検出器ハウジング11に固定されている。複数個のコネクタ端子片16のうち、2本のコネクタ端子片16A、16Bは延長されてセンサ素子支持ピン17、18に導通接続されている。
【0022】
圧力センサ収容室形成部12には圧力センサ収容室19が形成され、圧力導入通路形成部13には一端にて圧力センサ収容室19に開口した圧力導入通路20が形成されている。圧力センサ収容室19には、ピエゾ素子等による圧力ゲージ素子やダイヤフラム(図示省略)等を内蔵した圧力センサパッケージ21が接着剤等によって固定されている。圧力導入通路20は他端にて圧力導入通路形成部13の先端より外部に開口し、この開口端より圧力を圧力センサパッケージ21に導く。
【0023】
圧力センサパッケージ21の圧力ゲージセンサ用電源端子22、GND端子23、圧力に比例した電圧を出力する信号端子24は、各々、アルミ細線25によって対応するコネクタ端子片16、16Aに導通接続されている。
【0024】
圧力センサパッケージ21は耐候性のゲル26で覆われ、圧力センサ収容室19は検出器ハウジング11に接着剤等によって接着されるカバー部材27によって密閉される。
【0025】
センサ素子支持ピン17、18は、圧力導入通路20の両側にあって圧力導入通路形成部13の先端より外方に、所定長さ、互いに所定間隔をおいて互いに平行に突出している。この2本のセンサ素子支持ピン17、18の先端部に温度センサ素子28が取り付けられている。
【0026】
温度センサ素子28は、素子本体の両側にリード線29、30があるアクシャルタイプのNTCサーミスタ等により構成されている。温度センサ素子28は2本のセンサ素子支持ピン17、18の先端部間に橋渡し配置され、両側のリード線29、30が各々センサ素子支持ピン17、18の先端部にスポット溶接によって導電固着されている。
【0027】
この取付構造により、温度センサ素子28が2本のセンサ素子支持ピン17、18間に橋渡し配置された両持ち梁の状態になり、充分な取付強度が得られる。これにより、温度センサ素子28の配置環境が、圧力変動や流れがある動的環境でも、温度センサ素子が揺れ動くことがなく、リード線29、30やセンサ素子支持ピン17、18に繰り返し応力が作用することがなく、温度センサ素子接続部の耐振動性、耐熱衝撃性、耐腐食性などの耐久信頼性が改善される。
【0028】
特に、この実施形態のような圧力・温度複合検出器への適合において、温度センサ素子の配置環境が、圧力変動や流れがある動的環境となっても、温度センサ素子28が揺れ動くことがなく、リード線29、30やセンサ素子支持ピン17、18に繰り返し応力が作用することがなく、充分な耐久信頼性が得られる。
【0029】
圧力導入通路形成部13の先端部には温度センサ素子28の周りを取り囲む円筒状のセンサ保護壁部31が一体成形されている。センサ保護壁部31は温度センサ素子28に外部より不用意な衝撃や力が作用しないように保護する。
【0030】
センサ保護壁部31には、リード線17、18とセンサ素子支持ピン29、30とをスポット溶接するための一対の溶接電極棒100、101のためのアクセス用開口32、33が形成されている。
【0031】
アクセス用開口32、33は、所定の大きさ(長方形)をもってセンサ素子支持ピン29、30の両側に各々設けられ、温度センサ素子28のリード線29、30の軸線方向(図5、図6で見て左右方向)およびセンサ素子支持ピン17、18の突出方向(図3〜図6で見て上下方向)に対して直交し、2本のセンサ素子支持ピン17、18を共有するひとつの仮想平面(図5、図6の紙面と平行な面)を直角に貫通する方向に開口している。
【0032】
温度センサ素子28がセンサ保護壁部31によって取り囲まれていても、センサ保護壁部31にはアクセス用開口32、33が形成されているから、アクセス用開口32、33より溶接電極棒100、101をリード線29、30とセンサ素子支持ピン17、18との溶接部に進入させることができ、溶接電極棒100、101をアクセス用開口32、33よりその溶接部に向けて直進させるだけで、センサ保護壁部31より障害を受けることなく、リード線29、30とセンサ素子支持ピン17、18との溶接を、容易に、的確に行うことができる。
【0033】
樹脂製の検出器ハウジング11の線膨張率とインサート成形された金属製のセンサ素子支持ピン17、18と線膨張率との差が大きいため、使用温度環境下(−30〜120℃)では、検出器ハウジング11とセンサ素子支持ピン17、18との境界部に微小な隙間が発生し、この隙間部で圧力漏れが発生し、圧力測定の誤差の要因となる可能性がある。この対策として、センサ素子支持ピン17、18の根元部に軟接着剤34を塗布、硬化する。
【0034】
【発明の効果】
以上の説明から理解される如く、この発明による温度検出器によれば、温度センサ素子が2本のセンサ素子支持ピン間に橋渡し配置された両持ち梁の状態になり、充分な取付強度が得られ、温度センサ素子の配置環境が、圧力変動や流れがある動的環境でも、温度センサ素子が揺れ動くことがなく、リード線やセンサ素子支持ピンに繰り返し応力が作用することがなく、車載使用でも、充分な耐久信頼性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による温度検出器をハウジング一体型の圧力・温度複合検出器として実施した一つの実施形態を示す底面図である。
【図2】この発明による温度検出器をハウジング一体型の圧力・温度複合検出器として実施した一つの実施形態を示す平面図である。
【図3】図1の線A−A、図2の線C−Cに沿った断面図である。
【図4】この発明による温度検出器をハウジング一体型の圧力・温度複合検出器として実施した一つの実施形態の要部を示す斜視図である。
【図5】図1の線B−Bに沿った断面図である。
【図6】図1のD矢視図である。
【符号の説明】
11 検出器ハウジング
12 圧力センサ収容室形成部
13 圧力導入通路形成部
15 コネクタケース部
17、18 センサ素子支持ピン
19 圧力センサ収容室
20 圧力導入通路
21 圧力センサパッケージ
28 温度センサ素子
29、30 リード線
31 センサ保護壁部
32、33 アクセス用開口
Claims (5)
- インサート成形によって検出器ハウジングに固定された2本のセンサ素子支持ピンを有し、前記2本のセンサ素子支持ピン間に温度センサ素子が橋渡し配置され、当該温度センサ素子の両側のリード線が各々前記センサ素子支持ピンに導電固着されていることを特徴とする温度検出器。
- 前記温度センサ素子の前記リード線は前記センサ素子支持ピンに溶接されていることを特徴とする請求項1に記載の温度検出器。
- 前記検出器ハウジングは、前記温度センサ素子の周りを取り囲む円筒状のセンサ保護壁部を有し、前記温度センサ素子の前記リード線と前記センサ素子支持ピンとを溶接するための溶接電極棒のアクセス用開口が前記センサ保護壁部に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の温度検出器。
- アクセス用開口は、前記センサ素子支持ピンの両側に各々設けられ、前記温度センサ素子の前記リード線の軸線方向に対して直交し、前記2本のセンサ素子支持ピンを共有するひとつの仮想平面を貫通する方向に開口していることを特徴とする請求項3に記載の温度検出器。
- 前記検出器ハウジングは、圧力ゲージセンサのハウジングを兼ねていて圧力ゲージセンサを保持しており、前記検出器ハウジングには前記圧力ゲージセンサに圧力を導く圧力導入通路が形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の温度検出器。
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