JP2004225859A - 減揺装置 - Google Patents

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Makoto Fujiyoshi
誠 藤吉
Kozo Oba
厚三 大場
Tatsuya Kenta
達也 堅多
Toshio Matsunaga
登志夫 松永
Mitsunori Murakami
光功 村上
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Abstract

【課題】揺れる物体の中心部に支柱部材などが設けられている場合に対処し得る減揺装置を提供する。
【解決手段】浮体2上に立設されたポスト13の上端に風力発電装置3が設けられてなる風力発電設備に風などの外力が作用した際に、当該浮体に発生する揺れを減少させるための減揺装置であって、静止状態の浮体2上のポスト13の回りで旋回自在に配置されるとともにそれぞれ半径方向で設けられた2個のアーム体23,24と、これら各アーム体その長手方向で移動自在に設けられた重錘25,26と、浮体に設けられた傾斜計31と、上記各アーム体を旋回させる旋回装置27,28と、上記各重錘を移動させる移動装置29,30と、上記傾斜計にて検出された傾斜角度を入力して当該浮体の揺れを減少させ得るように各アーム体の旋回装置および重錘の移動装置に旋回指令および移動指令を出力する制御装置34とから構成したものである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、物体に設けられてその揺れを減じさせるための減揺装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
揺れる物体、例えば洋上に浮遊された浮体の揺れを減少させる技術として船舶を対象にした減揺装置がある(例えば、特許文献1参照)。
この減揺装置は、船舶上にターンテーブルを旋回自在に設けるとともに、このターンテーブル上に中央部が下方に膨らむように湾曲された底板を有するケーシングを配置し、且つこのケーシング内に重錘をその湾曲方向で移動自在に配置しておき、そして上記ケーシングの方向を船舶の揺れ方向に合わせて変更し得るようになし、この状態におけるケーシング内を移動自在な重錘により、その揺れを減少させるようにしたものである。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−202293号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の構成によると、船舶の揺れ方向に合わせてケーシングを旋回させるとともにこのケーシング内で重錘を移動させるようにしているため、例えば中心に支柱部材などの障害物が存在する場合、重錘が両側に移動することができず、したがってこのような構成を採用することができないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、揺れる物体の中心部に支柱部材などが設けられている場合に対処し得る減揺装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る減揺装置は、物体に取り付けられて外力が作用した際に、当該物体に発生する揺れを減少させるための減揺装置であって、
静止状態の物体における鉛直軸心回りで旋回自在に配置されるとともにそれぞれ半径方向で設けられた少なくとも2個のアーム体と、物体に設けられて当該物体の傾斜角度を検出する傾斜計と、上記各アーム体を旋回させる旋回装置と、上記傾斜計にて検出された傾斜角度を入力して当該物体の揺れを減少させ得るように上記各アーム体の旋回装置に旋回指令を出力する制御装置とから構成したものである。
【0007】
また、請求項2に係る減揺装置は、物体に取り付けられて外力が作用した際に、当該物体に発生する揺れを減少させるための減揺装置であって、
静止状態の物体における鉛直軸心回りで旋回自在に配置されるとともにそれぞれ半径方向で設けられた少なくとも2個のアーム体と、これら各アーム体の少なくとも1個にその長手方向で移動自在に設けられた重錘と、物体に設けられて当該物体の傾斜角度を検出する傾斜計と、上記各アーム体を旋回させる旋回装置と、上記重錘を移動させる移動装置と、上記傾斜計にて検出された傾斜角度を入力して当該物体の揺れを減少させ得るように上記各アーム体の旋回装置および重錘の移動装置に旋回指令および移動指令を出力する制御装置とから構成したものである。
【0008】
また、請求項3に係る減揺装置は、請求項1または2に記載の減揺装置において、アーム体を2個設けるとともに、両アーム体を一直線上に位置させるようにしたものである。
また、請求項4に係る減揺装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の減揺装置において、海面上に浮遊する浮体に具備されたものである。
【0009】
さらに、請求項5に係る減揺装置は、請求項4に記載の減揺装置において、浮体に設けられて潮流の方向および流速を測定する潮流計並びに/または風の方向および風速を測定する風向風速計を具備するとともに、上記潮流計にて測定された潮流の方向および流速並びに/または風向風速計にて測定された風の方向および風速を制御装置に入力して、浮体の揺れを制御するように構成したものである。
【0010】
上記の各構成によると、例えば浮体上に、当該浮体の揺れが減少するように、少なくとも2個のアーム体を鉛直軸心回りで旋回自在に設けたので、例えば旋回中心に軸体などの邪魔物がある場合でも、支障無くアーム体を設置して浮体の揺れを減少させることができる。
また、任意のアーム体にその長手方向で移動自在な重錘を配置したので、浮体の揺れをより確実に減少させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態に係る減揺装置を、図1〜図7に基づき説明する。
本第1の実施の形態においては、洋上に浮かべられて設置される風力発電設備の減揺装置として説明する。
【0012】
まず、風力発電設備の全体構成を図面に基づき説明する。
この風力発電設備は、図1〜図3に示すように、所定海域の海面上(洋上)に浮遊されるとともに複数本の係留索1を介して係留された浮体2と、この浮体2上に立設された風力発電装置3とから構成されるとともに、この浮体2には、当該浮体2の揺れを減少させるための減揺装置4が設けられている。勿論、各係留索1の先端はアンカー5が取り付けられて海底に固定されており、また浮体2には、上記減揺装置4以外に、フィンなどの揺れ制止板(図示せず)が具備されている。
【0013】
また、上記浮体2は、所定半径の円周上に配置されるとともに連結材11により互いに連結された6個(6個に限定されるものではない)の浮力材である円柱状部材12と、その中心位置で立設された風力発電装置3支持用の支柱部材(以下、ポストという)13とから構成されている。この風力発電装置3は、ポスト13の上端部に風の方向に合わせて自由に旋回し得るように、すなわち風見鶏のように設置されている。
【0014】
なお、図5に示すように、揺れ制御を説明するために、便宜上、浮体2には、その静止状態において、x軸とy軸とが設定されるともに、これら両x−y軸により構成される水平面と直交するポスト13の軸心方向(鉛直軸心でもある)がz軸とされ、また、x軸回りの回転角度をピッチ角ψと称し、y軸回りの回転角度をロール角θと称する。なお、原点から見たx軸方向の反時計回りをピッチ角ψの正方向とし、同じく原点から見たy軸方向の反時計回りをロール角θの正方向とする。さらに、上記三次元直交座標(x,y,z)を球面座標系(r,α,β)で表す場合には、x軸からの角度をα、z軸からの角度をβ、原点Oからの距離をrとする。
【0015】
次に、上記減揺装置3を詳細に説明する。
この減揺装置3は、浮体2の上面で且つポスト13の周囲に配置された内側円形レール21および外側円形レール22に案内されて当該ポスト13の回りで旋回自在に設けられた半径方向に延びる一対のアーム体23,24と、これら各アーム体23,24にそれぞれ長手方向(半径方向)で移動自在に設けられた重錘25,26と、上記各アーム体23,24を旋回させる旋回装置27,28と、上記重錘25,26を移動させる移動装置29,30と、浮体2に設けられた傾斜計31と、同じく浮体2側(例えば、ポストの底部)に設けられて海流の速度および方向を測定する潮流計32と、同じく浮体2側に設けられて風速および風の向きを測定する風向風速計33と、上記傾斜計31、潮流計32および風向風速計33による検出値を入力して上記旋回装置27,28および移動装置19,30を制御して浮体2の揺れを抑制する制御装置34とから構成されている。なお、上記各アーム体23,24については、それぞれ内端部にポスト13の根元部に旋回自在に外嵌する穴部23a,24aが形成されて、各アーム体23,24が確実にポスト13の回りで旋回し得るようにされている。また、上記傾斜計31では、ピッチ角ψおよびロール角θが検出される。また、上記各アーム体23,24同士および重各錘25,26同士の重さ(質量)が等しくされており、またアーム体23,24を配置しない状態での風力発電設備全体の重心は、浮体2の中心線(ポストの中心軸であり、アーム体の旋回中心でもある)上に位置するようにされている。
【0016】
したがって、上記各旋回装置31,32は、各アーム体23,24の両端側にそれぞれ2輪1組で設けられた走行車輪41,42と、これら走行車輪41,42の内、所定の車輪1組を回転させる電動機43,44とから構成され、また上記各移動装置29,30は、各重錘25,26の両端部にそれぞれ設けられた移動車輪45,46と、これら移動車輪45,46の内、所定の車輪を回転させる電動機47,48とから構成されている。なお、両アーム体23,24の内端部では互いに重なるため、例えば一方のアーム体23の根元部が、他方のアーム体24の根元部上に走行車輪(図示せず)を介して旋回可能に支持されている。また、各アーム体23,24の走行車輪41,42については、例えば外側(外周側)に配置された車輪が駆動される。
【0017】
勿論、アーム体23,24および重錘25,26の駆動方式は、上記の他に、種々考えられる。例えば、各アーム体23,24については、ポスト13側にリングギアを設けるとともに、各アーム体23,24の内端側に当該リングギアに噛合するピニオンをそれぞれ設け、これら各ピニオンを回転させることにより各アーム体23,24を旋回させることもできる。また、各重錘25,26については、その移動車輪45,46を電動機47,48で駆動せずに、各アーム体23,24側にラック歯が形成されたラック体をその長手方向で配置するとともに、各重錘25,26側に当該ラック歯に噛合するピニオンをそれぞれ設けておき、これら各ピニオンを電動機により回転させることにより移動させるようにしてもよい。また、アーム体23,24および重錘25,26を移動させるのに車輪41,42,45,46を用いたが、例えばリニアガイド方式を用いて、旋回および移動させることもできる。さらに、図1に示すように、両アーム体23,24を同一水平面内で旋回自在となるように設けているため、両アーム体23,24同士の内端側同士が衝突する部分ではそれ以上旋回させることができず、デッドスペースが生じることになるが、両アーム体23,24同士を高さが異なる位置で旋回自在に設けることにより、自由に交差させてデッドスペースを無くすこともできる。
【0018】
上記旋回装置27,28の電動機43,44を駆動することにより、各アーム体23,24を、ポスト13の回りで任意の角度位置に旋回させることができ、また移動装置29,30の電動機47,48を駆動することにより、各アーム体23,24における各重錘25,26を、ポスト13側を内端位置として半径方向で任意の位置に移動させることができる。
【0019】
例えば、各アーム体23,24を浮体2の揺れる方向、すなわちポスト13の傾斜方向に旋回させるとともに、各重錘25,26を揺れる方向と反対側に移動させることにより、当該浮体2の揺れを減少させることができる。
次に、上記旋回装置27,28および移動装置29,30を制御して、浮体2の揺れを減少させる、すなわちポストの傾斜を抑制するための制御装置34について説明する。
【0020】
この制御装置34は、図6に示すように、浮体2に設けられた傾斜計31にて検出されたピッチ角ψおよびロール角φを入力して、球面座標系でのポスト13のx軸に対する(水平面内での)傾斜角度(以下、方位角と称する)αとz軸に対する(鉛直面内での)傾斜角度(以下、傾斜角と称する)βを求める傾斜方向演算部(この演算機能を傾斜計に持たせることもできる)51と、浮体2の目標姿勢[鉛直軸に対するポストの傾斜角(発電効率に基づき定められ、例えばゼロ度にされる)]を設定する目標設定部52と、この目標設定部52からの目標値および傾斜方向演算部51からの方位角αおよび傾斜角βを入力してその偏差信号(偏差角度信号)を求める角度減算部(比較部ともいう)53と、この角度減算部53にて求められた偏差信号を入力して各アーム体23,24の基準線であるx軸からの旋回角度を演算するアーム旋回角度演算部54と、同じく偏差信号を入力して各アーム体23,24における各重錘25,26の基準位置である内端側から移動距離を演算する重錘移動距離演算部55と、上記傾斜方向演算部51からの傾斜角βを入力して予め設定された設定角Kと比較して傾斜が小さいかまたはそれ以上かを判断する(例えば、風の影響を判断する)とともにその判断結果を上記アーム旋回角度演算部54および重錘移動距離演算部55に出力する傾斜角判断部56と、上記潮流計32にて検出された潮流の方向および速度を入力してこれらに起因して発生する揺れ相当角度を演算するとともにこれを打ち消すための各アーム体23,24の旋回角度および重錘25,26の移動距離を演算するための潮流による修正量演算部61と、風向風速計33にて検出された風向および風速を入力してこれらに起因して発生する揺れ相当角度を演算するとともにこれを打ち消すための各アーム体23,24の旋回角度および重錘25,26の移動距離を演算するための風による修正量演算部62と、これら潮流および風による修正量演算部61,62にて求められた各旋回角度をアーム旋回角度演算部54から出力される旋回角度信号にそれぞれ加算する第1および第2角度加算部63,64と、上記潮流および風による修正量演算部61,62にて求められた各移動距離を上記重錘移動距離演算部55から出力される移動距離信号にそれぞれ加算する第1および第2距離加算部65,66とから構成されている。勿論、上記第2角度加算部64および第2距離加算部66およびから出力された旋回角度信号および移動距離信号は、制御指令として旋回装置27,28および移動装置29,30の各駆動部(電動機の制御部)にそれぞれ出力される。
【0021】
なお、上記アーム旋回角度演算部54および重錘移動距離演算部55においては、傾斜計31に基づき傾斜方向演算部51にて得られた方位角αおよび傾斜角βが入力されてPID制御が行われている。すなわち、フィードバック制御が行われている。
また、上記潮流による修正量演算部61および風による修正量演算部62においては、潮流計32および風向風速計33にて得られた各流体の方向および速度による外乱を打ち消すための修正量が求められており、これら修正量が制御指令に加算されて、潮流および風による浮体2への影響を迅速に打ち消し得るようにフィードフォワード制御が行われている。なお、傾斜計31,潮流計32および風向風速計33からの検出データについては、移動平均処理を行うようにしてもよい。
【0022】
上記傾斜方向演算部51においては、傾斜計31から入力されたピッチ角ψおよびロール角θに基づき、球面座標系でのポスト13の方位角αと傾斜角βが下記の(1)式および(2)式にて求められる。
【0023】
【数1】
tanα=−tanψ/sinθ・・・(1)
sinβ=cosθ×cosψ・・・(2)
また、上記アーム旋回角度演算部54および重錘移動距離演算部55においては、後述するが、ポスト13の傾斜角βが所定の設定角よりも小さいかまたはそれ以上であるかを判断して、すなわち微風などの弱風状態か強風状態かを判断して、弱風モードと強風モードとのいずれかに切り替えて、ポスト13の傾斜の抑制制御、すなわち当該浮体2の揺れを効果的に減少させるように制御している。
【0024】
次に、上記制御装置34での制御動作を、図7のフローチャートに基づき説明する。
なお、上述したように、この制御動作においては、フィードバック制御とフィードフォワード制御とが具備されて、外乱に対して迅速に対処するように考慮されているが、最初に、フィードバック制御について説明し、その後、フィードフォワード制御について説明する。
【0025】
まず、フィードバック制御について説明する。
傾斜方向演算部51にて、傾斜計31から入力されたピッチ角ψおよびロール角φに基づき方位角αと傾斜角βが求められる(ステップ1)。
次に、傾斜角判断部56において、傾斜角βが予め決められた設定値Kと比較され(ステップ2)、小さい場合には弱風状態であると判断されて弱風モード(ステップ3)に進み、それ以上である場合には強風状態であると判断されて強風モード(ステップ4)に進む。
【0026】
弱風モードにおいては、両アーム体23,24が180度の位相を維持して一体的に移動される(この意味で固定モードと称することもできる)とともに、一方のアーム体23の重錘25の位置が内端側に固定された状態で且つ他方の重錘26が移動されて制御が行われる。
すなわち、両アーム体23,24の旋回角度Pおよび半径位置(移動距離)Qが、下記の(3)式〜(6)式を満足するように制御される。但し、沿え字の1は一方のアーム体23を表し、沿え字の2は他方のアーム体24を表し、またkは制御出力における経時的段階を表す[例えば、kは今回の出力値とすると、(k−1)は前回の出力値を表す]。
【0027】
【数2】
1,k=A・P1,k−1+(1−A)×α・・・(3)
2,k=A・P2,k−1−(1−A)×α・・・(4)
1,k=B(定数で、中心から内端位置までの最小距離を表す)・・・(5)
(t)=K×{1+1/T×∫dt+T×d/dt}×e(t)・・・(6)但し、上記(3)式および(4)式中のAは一次遅れの時定数を、(6)式中の右辺第1項はPID制御を表す式であり、e(t)(偏差信号)はポストの目標姿勢角(ゼロ)と傾斜角βとの差を表す。
【0028】
重錘26の半径方向の移動については、(6)式で示したように、ポスト13の傾斜角βがゼロとなるようにPID制御が行われる。
このように、弱風モードにおいては、2個のアーム体23,24が、180度の位相を維持した状態でポスト13が傾斜する方位角αに合致するように旋回されるとともに、他方のアーム体24に設けられた重錘26が、ポスト13の傾斜角βがゼロとなるように半径方向で移動される。
【0029】
一方、強風モードにおいては、両アーム体23,24が、それぞれ旋回される(この意味で可動モードと称することもできる)とともに、両アーム体23,24における重錘25,26の位置がそれぞれ半径方向で移動される(例えば、図4参照)。
すなわち、両アーム体23,24の旋回角度Pおよび半径位置(移動距離)Qが、下記の(7)式〜(10)式を満足するように制御される。なお、沿え字は、上記の弱風モードの場合と同様である。
【0030】
【数3】
1,k=A・P1,k−1+(1−A)α−E・・・(7)
2,k=A・P2,k−1−(1−A)α+E・・・(8)
(t)=K×{1+1/T×∫dt+T×d/dt}×e(t)・・・(9)
(t)=K×{1+1/T×∫dt+T×d/dt}×e(t)・・・(10)
但し、上記(7)式および(8)式中のEはアーム体同士が接近した際の接近不可範囲(角度)を表し、(9)式および(10)式中のe(t)およびe(t)(偏差信号)は、ポストの目標姿勢角(ゼロ)と傾斜角βとの差を表す。
【0031】
このように、強風モードにおいては、(7)式および(8)式に基づき各アーム体23,24がそれぞれ旋回されるとともに、(9)式および(10)式に基づき各アーム体23,24に設けられた重錘25,26がポスト13の傾斜角βがゼロとなるようにそれぞれ半径方向で移動される。
次に、フィードフォワード制御について説明する。
【0032】
潮流による修正量演算部61においては、下記の(11)式により修正量yが出力される。なお、沿え字は上述した場合と同様である。
【0033】
【数4】
(k+1)=C×y(k)+D×u(k)・・・(11)
但し、y(k)は「潮流による修正量演算部」から出力される修正量、u(k)は潮流計から入力される方向および流速などの入力値、CおよびDは定数を表す。
【0034】
また、風による修正量演算部62においては、下記の(12)式により修正量yが出力される。
【0035】
【数5】
(k+1)=C×y(k)+D×u(k)・・・(12)
但し、y(k)は「風による修正量演算部」から出力される修正量、u(k)は風向風速計から入力される風の方向および風速などの入力値、CおよびDは定数を表す。
【0036】
このフィードフォワード制御により、潮流および風などの外乱によるポスト13の傾斜、すなわち浮体2の揺れを、先行してすなわち迅速に減少(抑制)させることができる。
このように、浮体2上に、それぞれ重錘25,26が移動自在に設けられた2個のアーム体23,24を旋回自在に設けるとともに、傾斜計31により得られたポスト13の方位角(浮体の傾斜方向でもある)αおよび傾斜角(浮体の傾斜角でもある)βに基づき、それぞれの演算部54,55にて、ポスト13の傾斜角βがゼロ度となるような各アーム体23,24の旋回角度および各重錘25,26の移動距離が求められ、しかもこれらに潮流計32および風向風速計33にて検出される潮流、風の方向および潮流、風の速度についても考慮された制御指令を、各アーム体23,24および各重錘25,26の駆動部に出力させるようにしたので、ポスト13が立設された浮体2の揺れすなわち風力発電設備の揺れを減少させることができ、したがって発電効率が低下するのを防止し得るとともに、ポスト13の高さすなわち風力発電装置3の設置位置を高くすることができるので、さらなる発電効率の向上を図ることができる。
【0037】
特に、浮体2上に、当該浮体2の揺れが減少するように、2個のアーム体23,24を鉛直軸心回りで旋回自在に設けたので、旋回中心にポスト(軸体)13などの邪魔物がある場合でも、支障無くアーム体23,24を設置して浮体2の揺れを減少させることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る減揺装置を図面に基づき説明する。
【0038】
上記第1の実施の形態においては、各アーム体にそれぞれ重錘を配置したが、本第2の実施の形態では、重錘を具備しないものである。
したがって、本第2の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態の構成から、重錘およびその移動装置並びに制御系統を省略したものであるため、第1の実施の形態に係る構成部材と同一の部材について、同一番号を付してその説明を省略するとともに、揺れを減少させるための主要な制御動作についてだけ説明する。
【0039】
図8に示すように、両アーム体23,24を合成した場合の重心の方向が、傾斜方向演算部51から出力される方位角αと反対側にあればよい。したがって、アーム体23および24の方位角をα1およびα2とすると、これら両方位角α1およびα2が下記の(13)式を満足するように両アーム体23,24を旋回させればよい。
【0040】
【数6】
α+π=(α1+α2)/2・・・(13)
但し、(13)式中の角度αはラジアン(rad)を表す。
一方、これら両アーム体23,24を合成した仮想重心Gの半径方向での位置(距離)Lは、下記の(14)式により求められる。
【0041】
【数7】
L=(R+R)×cos[(α1−α2)/2]・・・(14)
但し、(14)式中のRはポスト中心からアーム体の内端までの距離であり、Rは各アーム体の長さを表す。
【0042】
したがって、傾斜したポスト13を鉛直にするようなモーメントMを発生させるように、すなわち当該モーメントMが両アーム体23,24の重さによるモーメント[2S(アーム体の重さ)×R]と等しくなるように、両アーム体23,24が旋回される。
このように、2個のアーム体23,24をそれぞれ旋回させて、これら合成に係る仮想重心Gを、ポスト13の傾斜とは反対側に位置させるようにしたので、ポスト13の傾斜を抑制することができる。すなわち、浮体2の揺れを減少させることができる。
【0043】
ところで、上記各実施の形態においては、潮流の方向および流速並びに風の方向および風速による影響を考慮したが、例えばこれらを考慮しなくてもよい。
また、上記各実施の形態においては、アーム体を2個設けたのものとして説明したが、例えば図9に示すように、移動可能な重錘71が具備されたアーム体72を3個配置することもでき、また図10に示すように、3個のアーム体72の内の1個にだけ重錘71を移動可能に設けたものでもよく、また図11に示すように、重錘が具備されないアーム体72だけを3個旋回自在に配置したものでもよい。
【0044】
さらに、上記各実施の形態においては、減揺装置を浮体に設けた場合について説明したが、例えば陸上の構造物に設置してその揺れを減少させることができる。
【0045】
【発明の効果】
以上のように本発明の各減揺装置の構成によると、例えば浮体上に、当該浮体の揺れが減少するように、少なくとも2個のアーム体を鉛直軸心回りで旋回自在に設けたので、旋回中心に軸体などの邪魔物がある場合でも、支障無くアーム体を設置して浮体の揺れを減少させることができる。
【0046】
また、任意のアーム体にその長手方向で移動自在な重錘を配置したので、浮体の揺れをより確実に減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る減揺装置が具備される風力発電設備の概略側面図である。
【図2】図1のA−A矢視図である。
【図3】図1のB−B矢視図である。
【図4】同風力発電設備における減揺装置の動作を説明する概略平面図である。
【図5】同減揺装置における制御を説明するための座標系を示す図である。
【図6】同減揺装置における制御系を説明するためのブロック図である。
【図7】同減揺装置における制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る減揺装置が具備された風力発電設備の概略平面図である。
【図9】本発明の他の実施の形態に係る減揺装置が具備された風力発電設備の概略平面図である。
【図10】本発明の他の実施の形態に係る減揺装置が具備された風力発電設備の概略平面図である。
【図11】本発明の他の実施の形態に係る減揺装置が具備された風力発電設備の概略平面図である。
【符号の説明】
2 浮体
3 風力発電装置
4 減揺装置
13 支柱部材(ポスト)
21 内側円形レール
22 外側円形レール
23 アーム体
24 アーム体
25 重錘
26 重錘
27 旋回装置
28 旋回装置
29 移動装置
30 移動装置
31 傾斜計
32 潮流計
33 風向風速計
34 制御装置
43 電動機
44 電動機
47 電動機
48 電動機
51 傾斜方向演算部
52 目標設定部
53 角度減算部
54 アーム旋回角度演算部
55 重錘移動距離演算部
56 傾斜角判断部
61 潮流による修正量演算部
62 風による修正量演算部
63 第1角度加算部
64 第2角度加算部
65 第1距離加算部
66 第2距離加算部

Claims (5)

  1. 物体に取り付けられて外力が作用した際に、当該物体に発生する揺れを減少させるための減揺装置であって、
    静止状態の物体における鉛直軸心回りで旋回自在に配置されるとともにそれぞれ半径方向で設けられた少なくとも2個のアーム体と、
    物体に設けられて当該物体の傾斜角度を検出する傾斜計と、
    上記各アーム体を旋回させる旋回装置と、
    上記傾斜計にて検出された傾斜角度を入力して当該物体の揺れを減少させ得るように上記各アーム体の旋回装置に旋回指令を出力する制御装置とから構成したことを特徴とする減揺装置。
  2. 物体に取り付けられて外力が作用した際に、当該物体に発生する揺れを減少させるための減揺装置であって、
    静止状態の物体における鉛直軸心回りで旋回自在に配置されるとともにそれぞれ半径方向で設けられた少なくとも2個のアーム体と、
    これら各アーム体の少なくとも1個にその長手方向で移動自在に設けられた重錘と、
    物体に設けられて当該物体の傾斜角度を検出する傾斜計と、
    上記各アーム体を旋回させる旋回装置と、
    上記重錘を移動させる移動装置と、
    上記傾斜計にて検出された傾斜角度を入力して当該物体の揺れを減少させ得るように上記各アーム体の旋回装置および重錘の移動装置に旋回指令および移動指令を出力する制御装置とから構成したことを特徴とする減揺装置。
  3. アーム体を2個設けるとともに、両アーム体を一直線上に位置させるようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の減揺装置。
  4. 海面上に浮遊する浮体に具備されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の減揺装置。
  5. 浮体に設けられて潮流の方向および流速を測定する潮流計並びに/または風の方向および風速を測定する風向風速計を具備するとともに、上記潮流計にて測定された潮流の方向および流速並びに/または風向風速計にて測定された風の方向および風速を制御装置に入力して、浮体の揺れを制御するように構成したことを特徴とする請求項4に記載の減揺装置。
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