JP2017109719A - 風力発電用浮体 - Google Patents

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Abstract

【課題】浮体動揺を少なくするため、浮体の浮心が移動するのにあわせて、重りを移動させて重心の移動を図り、減揺モーメントを能動的に作り出す風力発電用浮体を提供する。
【解決手段】風力発電用浮体1にかかる浮力の中心である浮心と、浮体へ搭載される風力発電設備の重量および浮体の重量の全合計重量の重心とを結ぶ直線を中心軸とし、その中心軸の廻りを回転する複数個の重り27,47,67を設け、その重りを二群に分け、最初の一群の重り27,47を同じ方向に同じ回転速度で回転させ、次の重りの一群67を前記方向と反対方向で前期回転数と同じ回転数で回転させ、各重りの回転半径81,82、回転速度を調節可能とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、風力発電用浮体に関する。
風力発電用浮体は、浮体が傾斜したとき復元力の発生形態によって三種類に分類されている。(非特許文献1)
第一分類は、平面型である。
第二分類は、柱状型である。
第三分類は、係留安定型である。
風力発電設備を搭載する浮体は、風、水流、波によって動揺する。この浮体の動揺によって、浮体は一方向に傾斜し、次の時点で反対方向に傾斜する。浮体が傾斜した時、これを元に戻そうとする復元力が作用する。復原力の大きさは、復原モーメントとしてあらわされる。復原モーメントは、モーメントの中心軸から距離と距離寸法に直角に作用する力の大きさの積としてあらわされる。浮体はできるだけ傾斜が少ないことが、風力発電装置にとって望ましい。この浮体傾斜をできるだけ小さくするには、できるだけ大きな復原モーメントを得る構造の浮体にする必要がある。復元モーメントを大きくするには、モーメントを構成する、重りを増大させるか、腕の長さを長くするかの二つの解決策がある。重りを急激に増大させることは困難であるため、おのずと腕の長さを長くする必要がある。
復元モーメントを大きくするために、腕の長さを水平方向に長くしたものが、平面型の浮体になる。腕の長さを鉛直方向に長くしたものが、柱状型浮体になる。浮体に傾斜モーメントが作用した時に、浮体の係留索から外力を得て、傾斜モーメントに対抗する対抗モーメントを作って浮体傾斜を軽減させるのが係留型浮体である。
日本風力発電協会誌 2012−8月 15p 測候時報 78.5 2011 198p
風力発電設備に供する浮体は、風速変動、水流速変動、波浪により浮体を傾斜させようとする傾斜モーメントを受け、浮体の姿勢を一定に保つために工夫がなされている。風や水流が一定流速であれば、風力発電設備の浮体であっても、それほど技術的課題が存在しているわけではない。
浮体をある方向に傾斜させ次の瞬間その反対方向に傾斜させるように、浮体を交互に傾斜させようとする交互傾斜モーメントが作用することが課題であり、このことが風車ローター、ナセルに強度上の負担をかけるだけでなく、発電出力低減の原因となっている。浮体設計においては浮体動揺を少なくすることが重要課題になっている。
平面型、柱状型の浮体においては、浮体が傾斜して初めて復元モーメントが発生する。すなわち、浮体を傾斜させる傾斜モーメントが作用して、浮体が傾斜した結果、静水面に浮かぶ姿勢に浮体を戻そうとする復元モーメントが生み出されている。本来、風車側からすれば浮体は傾かないことが望ましい。しかしながら、平面型、柱状型に分類される浮体は、傾斜することが前提になっており、傾斜を許容するが傾斜をできるだけ少なくするという受動的対策にならざるを得ないという基本的特性を持っている。
一方、係留安定型浮体は傾斜しなくても傾斜モーメントに対応する対抗モーメントを係留索から得ることができ、係留索による効果で動揺は少ないという特性を持っているが、平面型、柱状型の浮体よりも強固な係留アンカーが必要になるという課題がある。
課題を解決する手段
本発明は、風力発電用浮体にかかる浮力の中心である浮心と、浮体へ搭載される風力発電設備の重量および浮体の重量の全合計重量の重心とを結ぶ直線を中心軸とし、その中心軸の廻りを回転する複数個の重りを設け、その重りを二群に分け、最初の一群の重りを同じ方向に同じ回転速度で回転させ、次の重りの一群を前記方向と反対方向で前期回転数と同じ回転数で回転させ、各重りの回転半径、回転速度を調節可能とする風力発電用浮体とすることによって、従来の風力発電用浮体の課題を解決する。
本発明による浮体は、従来技術の背景にある平面型、柱状型浮体が傾斜して初めて復元モーメントが受動的に発生するのに比較して、浮体の浮心が移動するのにあわせて、重りを移動させて重心の移動を図り、浮体が傾こうとする傾斜モーメントに対する対抗モーメントを能動的に作り出している。また浮体外部に浮体傾斜の軽減する手段を求めている従来の係留安定型に比較して、浮体外部の助勢手段に寄らず、浮体内部の重心移動で傾斜モーメントに対する対抗モーメントを作り出している。この意味において、本発明による課題解決手段は、従来の分類には無い重心移動型に分類される浮体である。
発明の効果
浮体に及ぼす傾斜モーメントは、風、水流、波の変動要素によって影響され、結果的にその総合した影響が、浮体をある方向に傾けようとするものである。その結果によって浮体が傾斜し、傾斜することによって浮体にかかる浮力の中心である浮心と重心の位置関係が移動して浮体が動揺することになる。浮体に風や水流の変動が作用したとしても、最終的には浮体における浮心移動として現れるので、各種変動要素を波の変動要素に置き換えて考えることができる。
以下変動要素の代表として波の場合について述べる。
波の山と谷の高さである波高、ある波の山から次の波の山が通過するまでの時間である周期および波が近寄る方向である波向が、波を特定する数値的表現である。(非特許文献2)
すなわち、波高、周期、波向に対応して、浮体を望ましき姿勢、一般的にはナセルを支える風車塔が鉛直である姿勢に保つことができれば、浮体全体を風力発電にとって望ましき姿勢に保つことができる。
波が浮体に近寄る状況を見てみると以下のようになる。
浮体に波の山が右方から近寄ってくる時、浮体は左に傾斜し(図1)、波の谷が近寄ってくるとき時、浮体は右に傾斜する(図2)。浮体は、波の近寄ってくる方向と直角な方向から浮体を見ると、浮体の傾斜は、左に右に繰り返されることになる。このように左右に傾斜が繰り返される場合、浮体を傾斜させようとする傾斜モーメントに対し、対抗モーメントを作り出し、傾斜モーメントを打ち消すことができれば、浮体は望ましい姿勢である風車塔を鉛直に保つことができる。
傾斜モーメントの原因である浮心の移動が右に移動した場合、浮体の重心の移動も右に移動して対抗モーメントを作り出し(図3)、浮心の移動が左に移動した場合、浮体の重心の移動も左に移動して対抗モーメントを作り出すと(図4)、浮体は傾斜モーメントと対抗モーメントは打ち消し合い、傾斜し無い姿勢で保持される。ことのようにするには、浮力の中心である浮心の移動と同時に浮体内の重りを交互に左右に移動して重心の移動をさせなければならない。重りを左右に移動する場合、重りの加速、停止を繰り返す往復動運動をさせなければならない。このように、左右に重心移動を行うことは、動力を消費することなる。
本発明は、課題を解決する手段に述べたように、浮体内に回転する重りを設け、重りを二つの群に分けて、各群の重りを反対方向に回転運動をさせるようにしている。この二つの重りの群はそれぞれが回転しても、お互いが衝突しないように、回転軸の上下でずらして配置している。本来は重りの往復直線運動によるところを、二つの群の重りをそれぞれ反対方向の回転運動に置き換えることによって、往復直線運動と同じ効果を得ることを可能にしている。しかもこのことによって、回転運動では一定速度運動になるので、往復運動のように加速減速によるエネルギー消費はなされないので、省エネルギー効果をもたらしている。
ところで、浮体に近づく波向はその時々によって変わり、それによって浮心の移動による傾斜モーメントの方向も同様に一定ではない。このことによって、重心の移動による対抗モーメントの方向も、波向に追従しながら変化させなければならない。前記課題の解決手段に述べたごとく、回転重りの回転速度は調節可能にしているので、傾斜モーメントの方向にあわせて、対抗モーメントの方向を調整できる。その変更手順の一例を示すと以下のようになる。
浮体を上方から水面を見る状況で、東の方向の波向から、北東に波向が変化した場合、回転重りの第一群が左回転の場合、その左回転速度ωをαラジアン/秒だけ増速させ、ω+αラジアン/秒で回転させる。同時に回転重りのもう一方のである第二群を右回転させ、その右回転速度ωをαラジアン/秒だけ減速させ、ω−αラジアン/秒で回転させる。このようにすると、第一群と第二群の重りの位相合致点は次第に北東方向に移動する。そして、重りの位相合致点が北東方向になった時点で、第一群、第二群の回転速度をどちらもωに戻すと、第一群、第二群の重りの位相合致方向は北東で静定することになる。
このようにして、前記課題を解決する手段における、回転速度の調節可能機能によって、浮体に近づく波の波向に対して、回転重りの位相合致点を一致させることができる。すなわち第一群、第二群の重りの回転速度機能をそれぞれ調節することによって、任意の波向に対して浮体は対応できる効果を持つことになる。
また、浮体に寄せる波の山から山の時間である周期と、一群二群の重りの回転周期を同一にすることによって、浮心移動による傾斜モーメントに対する重心移動による対抗モーメントを同期させることができる。傾斜モーメントの最大値と対抗モーメントの最大値を一致させるように波の周期、重りの回転周期を一致させる。このことによって、浮体の浮心の移動に対して、これにあわせて積極的に浮体の重心を対抗移動することができるので、このことが、浮体が傾斜しない状態を保持できる効果となっている。
浮体にかかる傾斜モーメントの大きさは波の表面の傾斜角度の大小によって決まる。波長が同じでもその波の波高の大小によって、波の表面の傾斜角度が違うこととなる。その結果、波長が一定でも波高によって、浮体にかかる傾斜モーメントの程度が決まることとなり、浮体が作り出す対抗モーメントもこれに追従する必要がある。
対抗モーメントの大きさは、全重りの重量とおもりの回転軸からの距離によってあらわされる。対抗モーメントを調節するには、重りの作用する腕の長さである回転軸周りの回転半径を調節すればよい。波高の大小に対応する対抗モーメントを作り出すには、重りの回転半径を調節することによって可能になる。課題を解決する手段の半径調整機能はこのような効果を持っている。
本発明による風力発電用浮体は、浮体が傾斜して初めて復元力を発生させる方法ではなく、浮心移動による傾斜モーメントの発生と同時進行で対抗モーメントを作り出すことができる。すなわち、平面型、柱状型浮体のように受動的に浮体傾斜に対する対抗モーメントを生み出すのではなく、能動的、同時的に対抗モーメントを作り出し、浮体を波の動揺にたいして、風力発電設備を鉛直に保つ効果を持っている。
本発明による浮体は、浮体にかかる動揺を防止する機能を持っており、その機能を、波の周期と同期する回転重りで解決するために、重りを往復運動にして解決する場合よりエネルギー損失が少ない。また変化する波向に対しては反転する回転重りの回転速度を増減することによって調節可能であり、波の周期に対しては回転する重りの回転速度を調節することによって対応可能であり、波高の大小に対しては、回転重りの回転半径を調節することによって、波に対する最適な対抗モーメントを作りだし、浮体の姿勢を望ましい姿勢に保つ効果を有している。
本発明は傾斜モーメントに対抗する対抗モーメントを時間差なく作り出して、動揺の根源ともいえる、波高 波の周期、波向に対し、重心の移動を回転重りの回転半径、回転速度、回転速度の増減生成により能動的に、浮体を風力発電設備が望ましい姿勢を保つことができるものである。
このように本発明による浮体は、自らの姿勢を適正に保つことでき、浮体を水平方向に拡大しなければならない従来の平面型浮体、あるいは鉛直下方に長くしなければならない柱状型浮体の要請から解放されることになる。
本発明による浮体は、その大きさを必要にして十分な寸法形状にすることが可能になり、ドック建造が可能な製造、曳航、洋上設置、運転開始後のドック帰還メンテナンスが容易になり、結果的には浮体式風力発電の経済性に貢献できることとなる。
従来の浮体に右方から波の山が近寄った時の浮体状態図 従来の浮体に右方から波の谷が近寄った時の浮体状態図 本発明の浮体に右方から波の山が近寄った時の浮体状態図 本発明の浮体に右方から波の谷が近寄った時の浮体状態図 本発明による浮体立面図 本発明による浮体平面図 本発明による浮体内の重り移動状態図
本発明を実施するための形態を、図面によって説明する。
図1は、風力発電用浮体に波の山が右方から近寄った場合を示す。浮体1の上に風車塔2およびナセル3およびローター4が載っている。波の山が右方から近寄った場合、静水面に浮かんでいた時の浮心6は浮体の右の方の浮心7に移動する。一方風力発電用浮体の全重心8は浮心の移動とは無関係に従来どおり浮体中心線5の上に存在する。そして、浮体1は浮心7と重心8が鉛直線上に並ぶまで浮体1は鉛直軸に対して左側に傾斜することになる。
図2は、風力発電用浮体に波の谷が右方から近寄った場合を示す。浮体1の上に風車塔2およびナセル3およびローター4が載っている。波の谷が右方から近寄った場合、静水面に浮かんでいた時の浮心6は浮体の左の方の浮心7に移動する。一方風力発電用浮体の全重心8は浮心の移動とは無関係に従来どおり浮体中心線5の上に存在する。そして、浮体1は浮心7と重心8が鉛直線上に並ぶまで浮体1は鉛直軸に対して右側に傾斜することになる。
図1、図2に示すように、従来の浮体は右の方から波の山や谷が浮体に近づいてくると、浮体は、それによって左右交互に傾斜することになる。
図3は、本発明による風力発電用浮体に、波の山が右方から近寄った場合を示す。浮体1の上に風車塔2およびナセル3およびローター4が載っている。波の山が右方から近寄った場合、静水面に浮かんでいた時の浮心6は浮体の右の方の浮心7に移動する。一方風力発電用浮体の全重心8は、前記、課題を解決する手段にあるように、重りを回転させて、浮体の重心位置を調節することが可能であるため、浮心6の移動と同期して、重心位置は重心9へ移動することが可能になっている。
図4は、本発明による風力発電用浮体に、波の谷が右方から近寄った場合を示す。波の谷が右方から近寄った場合、静水面に浮かんでいた時の浮心6は浮体の左の方の浮心7に移動する。一方風力発電用浮体の全重心8は、前記、課題を解決する手段にあるように、重りを回転させて、浮体の重心位置を調節することが可能であるため、浮心6の移動と同期して、重心位置は重心9へ移動することが可能になっている。
本発明によれば、図3、図4に示すように浮心の移動に応じて、重心を移動させた場合、浮心移動による傾斜モーメントと、同じモーメントである重心移動による対抗モーメントが発生させることができ、傾斜モーメントを打ち消すことができるので、波の山や谷が浮体に近づいてきても、浮体は傾斜することなく風車塔は鉛直の状態を保持できる。
図3、図4のように浮心移動に応じて重心移動を行うには、重りを波の周期に応じて左右に折り返し移動しなければならない。このように重りを左右に直線往復運動により加速減速、運動方向逆転することは運動エネルギーの損失になる。
そのために、本発明では 重りの往復運動の代わりに、重りの円運動を利用しており、重りを二つの群に分けて、各群を反対方向に回転させて、浮心の移動方向に合致した傾斜モーメントに対する、対抗モーメントを能動的に作り出している。
重りを動かす具体的内容を、図5から図6を用いて説明する。
図5において、浮体1の中心軸21には軸受22軸受23を設け、中心軸21の廻りを回転する中空円筒24を設け、中空円筒24には、歯車31、歯車32、回転速度調節モーター33が連結されて、回転速度調節モーター33の回転によって中空円筒24は回転できるようになっている。
この中空円筒24に直角に連結する軸25を設け、この軸25に外部にねじを設けた中空円筒26を設け、この中空円筒26に重り27を貫通させている。重り27の貫通部には内ねじを切っている。中空円筒26には歯車28、歯車29を連結し、回転半径調節モーター30の回転によって、重り27の中心軸21からの半径距離81であるR1を調節可能にしている。
重り27の下部にはベアリング34が設けられ、床35との間を容易に重り27が移動できるようになっている。
なお、重り27の下方にある重り47は、前記重り27の廻りの構造と同じようになっており、床55の上を重り47は、円周方向、半径方向に移動できるような構造になっている。
また、重り27の下方にある重り67は、前記重り27の廻りの構造と同じようになっており、床75の上を重り67は、円周方向、半径方向に移動できるような構造になっている。
本発明の重りは、複数個以上であるとしているが、本実施例では前記重り27、重り47、重り67のように、全体を3個の重りで構成されている場合について述べる。
本発明の実施例では、3個の重りである重り27、重り47、そして重り67の関係は次のようになっている。重りの最初の一群を、重り27と重り47の集まりとする。次の重りの一群を、重りは1個であるけれども重り67で構成されている。重り27の重さW1と重り47の重さW2の重さは同じである。最初の一群の重りの総重量と、次の一群の重り67の重さW3を、同じにする。すなわち、重り27と重り47の合計重量は、重り67の重量と同じにする。これを式で表すと、W3=W1+W2となる。
重り27の中心軸21からの半径距離R1と中心軸21からの半径距離R2は同じ半径距離とする。すなわち一群の重りの半径距離81と次の一群の重りの半径距離82は同じである。これを式で表すと、R1=R2となる。
図5において、中心軸21を右に傾けようとするモーメントM1は、式であらわすとM1=W1xR1+W2xR1=(W1+W2)xR1 となる。一方、中心軸21を左に傾けようとするモーメントM2は、式であらわすと M2=W3xR2 となる。
W1+W2=W3、R1=R2であるから、M1=M2となる。すなわち図5の状態で重りが相反対の位置になった場合は、中心軸21を右または左に傾けようとするモーメントは釣合い、中心軸21は右または左に傾くことは無く、重りが中心軸21を傾斜させる効果は零になる。一方、図5の重り67が右側に移動して、重り26、重り27、重り67が全て上下に一直線で並んだ場合は、中心軸21は右に傾斜するモーメントとしてM1+M2の大きさのモーメントを作り出すことになる。
ここで、釣合わせるのは、モーメントである。重りの重量や重りの中心軸からの距離は必ずしも厳密に同じにする必要は無い。重りの重量と半径距離の積であるモーメントを釣合せれば良い。
図6は、図5を水平真上から見た状態を示す。浮体1の中心に中心軸21があり、重り27をねじを切った中空軸26が貫通しており、歯車28、歯車29、回転半径調節モーター30の作用により、重り27は回転軸21の半径方向移動できるようになっている。また、回転速度調節モーター33の作用により重り27は周方向に回転できるようになっている。図6では重り27の真下には重り47が有り、重り27と同じ動きをするようになっている。図6では、重り27の反対方向に重り67が位置しており回転方向は重り27の方向とは反対の回転方向に回転する。
図7は、図6の状態が時間とともに変わっていく様子を示している。図6の状態は、図7−Cで東から西を見ている状態と一致している。
図7−Aは、全ての重りが同一位相の東に位置している。このことにより中心軸21は東に傾斜させようとする最大のモーメントを作り出している。この様子を立面図で見ると、図3に示す状況をあらわしており、東から波の山が近づいて、浮体にかかる浮力が東に移動して、この浮力移動による浮体傾斜モーメントに対して、重りの移動が東に集まった状態となり、浮体傾斜モーメントに対する対抗モーメントを作り出し、そのバランスによって、浮体は図3に示すように中心軸21は鉛直に保たれる状態になっている。
図7−Bは、図7−Aの状態から、重り27および重り47は反時計方向に45度、重り47は時計方向に45度回転した状態を示す。この状態で重りは全て東側に寄っているので中心軸21を東側に傾けようとする対抗モーメントは発生しているが、図7−Aの状態のモーメントよりは小さくなっている。また、この状態で南北方向の重りの重量配置のアンバランスは無いので、南北方向に浮体が傾くことは無い。
図7−Cは、図7−Aの状態から、重り27および重り47は反時計方向に90度、重り67は時計方向に90度回転した状態を示す。この状態で重り27と重り47は北側、重り67は南側を位置している。各重りは、東西南北に等分に重量配置のバランスがなされているので浮体姿勢を調整するモーメントは発生していない。すなわち浮体は、図3の山の頂点に位置している状態を示している。浮心の移動も無いので、これに対する対抗モーメントも零になる状態になっている。
図7−Dは、図7−Aの状態から、重り27および重り47は反時計方向に135度、重り67は時計方向に135度回転した状態を示す。この状態で重り27と重り47は北側、重り67は南側を位置している。この状態で重りは全て西側に寄っているので中心軸21を西側に傾けようとする対抗モーメントは発生している。モーメントの大きさとしては方向は違うが、図7−Bと同じである。また、この状態で南北方向の重りの重量配置のアンバランスは無いので、南北方向に浮体が傾くことは無い。
図7−Eは、図7−Aの状態から、重り27および重り47は反時計方向に180度、重り67は時計方向に180度回転した状態を示す。この状態は、全ての重りが同一位相の西に位置している。このことにより中心軸21は西に傾斜させようとする最大のモーメントを作り出している。この様子を立面図で見ると、図4の状況を示しており、東から波の谷が近づいて、浮体にかかる浮力が西に移動して、この浮力移動による浮体傾斜モーメントに対して、重りの移動が西に集まった状態となり、浮体傾斜モーメントに対する対抗モーメントを作り出し、そのバランスによって、浮体は図4に示すように中心軸21は鉛直に保たれる状態を示している。
図7−Fは、図7−Aの状態から、重り27および重り47は反時計方向に225度、重り67は時計方向に225度回転した状態を示す。この状態で重り27と重り47は南側、重り67は北側を位置している。この状態で重りは全て西側に寄っているので中心軸21を西側に傾けようとする対抗モーメントは発生している。モーメントの大きさとしては方向は違うが、図7−Bと同じである。また、この状態で南北方向の重りの重量配置によるモーメントアンバランスは無いので、南北方向に浮体が傾くことは無い。
図7−Gは、図7−Aの状態から、重り27および重り47は反時計方向に270度、重り67は時計方向に270度回転した状態を示す。この状態で重り27と重り47は南側、重り67は北側を位置している。各重りは、東西南北に等分に重量配置のバランスがなされているので浮体姿勢を調整するモーメントは発生していない。すなわち浮体は、東から押し寄せる波の谷の最下位置している状態を示している。浮心の移動も無いので、これに対する対抗モーメントも零になる状態になっている。
図7−Hは、図7−Aの状態から、重り27および重り47は反時計方向に315度、重り67は時計方向に315度回転した状態を示す。この状態で重りは全て東側に寄っているので中心軸21を東側に傾けようとする対抗モーメントは発生している。この状態で南北方向の重りの重量配置のアンバランスは無いので、南北方向に浮体が傾くことは無い。
図7−Aから図7−Hは東から波の山が近づいて、浮体が山の頂上に達し、次に浮体が波の谷に達し、さらに谷から山に近づく様子を示している。図7−Hはこの後、図7−Aにつながって行き、波の山谷が近づくに速度に同期して、重り27、47、67は回転速度を決めて回転している。
波の速度がほぼ一定であれば、重りの回転速度もほぼ一定にすることになり、重りの増速や減速は無いので、運動エネルギーの消費は少ない。
また、波は東から西に近づいてきているので、南北には浮体を傾けさせようとするモーメントは波から受けないことになる。重りも、南北に位置を移動するけれども、重りの移動による南北へ傾斜させようとする対抗モーメントは、バランスしているので、重りの移動による南北へ傾く不要なモーメントは発生することが無く、浮体の中心軸21は、南北に傾斜することは無い。
本発明による浮体は、波高、波の波長、波向が種々に変化しても、その波に同期するように、浮体内部の回転重りの運動を調節することによって、常に浮体の中心軸21を傾けることなく鉛直に保持することが可能になる。
本発明では、歯車装置を用いているが、必ずしもこの方法に限定するものではなく、油圧機構、リンク機構等によって実現することもできる。
本発明による浮体を使用して洋上風力発電設備を建造した場合の一例を以下に示す。風力発電設備の浮体がコンパクトになり、風力発電設備の建造、曳航、現場設置、運営、メンテナンス等、いずれの段階においても極めて大きな効果をもたらす。
発電出力 5 MW
風車塔高 80 M
風車翼直径 140 M
風車重量 1000 TON
浮体高 38 M
浮体径 30 M
喫水高 22 M
1.浮体
2.風車塔
3.ナセル
4.ローター
5.中心軸
6.静水面での浮心
7.移動浮心
8.静水面での重心
9.移動重心
21.中心軸
22.軸受
23.軸受
24.中空円筒
25.軸
26.中空円筒
27.重り
28.歯車
29.歯車
30.回転半径調節モーター
31.歯車
32.歯車
33.回転速度調節モーター
34.ベアリング
35.床
47.重り
55.床
67.重り
75.床
81.半径距離
82.半径距離

Claims (1)

  1. 風力発電用浮体にかかる浮力の中心である浮心と、浮体へ搭載される風力発電設備の重量および浮体の重量の全合計重量の重心とを結ぶ直線を中心軸とし、その中心軸の廻りを回転する複数個の重りを設け、その重りを二群に分け、最初の一群の重りを同じ方向に同じ回転速度で回転させ、次の重りの一群を前記方向と反対方向で前記回転数と同じ回転数で回転させ、各重りの回転半径、回転速度を調節可能とする風力発電用浮体。
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