JP2004225588A - ウォーターポンプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】羽根車を回転させるステータアセンブリ70を両端が解放された筒状のハウジング60内に収蔵し、前記ハウジング60の前記羽根車取付側と反対の側に、ヒートシンク52を備えた基板アッセンブリ50と少なくとも1個の電解コンデンサ42とを収蔵したエンドアッセンブリ10を装着したウォーターポンプであって、前記エンドアッセンブリ10の膨出外形基準面Sを持つ外表面を、配置された前記電解コンデンサ42に近づけるように凹ませた。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はウォーターポンプに関するものであり、主に自動車等に用いられて冷却水を循環させる電動ブラシレスウォーターポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のウォーターポンプは、有底筒状のハウジングの底部側に基板アッセンブリやステータアッセンブリ収蔵した部分と、この部分とシールされた羽根車部分とから構成されており、前者部分には熱伝導性の良好なポッティング材が充填され、後者部分には水が流れるようになっている。
【0003】
特に、ステータアッセンブリのステータ巻き線による大きな発熱は、羽根車側を流れる水によって冷却されるが、十分でなく基板アッセンブリあるいはその近傍におかれるパワー回路部の電解コンデンサに熱影響がある。このため、ポッティング剤を充填し、これで熱を外気に放出していた。(例えば特許文献1参照)
【0004】
【特許文献1】
特開2002−225089号公報(図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のウォーターポンプでは、電解コンデンサの自己発熱とステータアッセンブリの発熱によって温度上昇もかなりあり、温度定格が厳しい電解コンデンサは、高温環境では寿命が短くなる傾向が一般的で、高価な高温度保証品を使用せざるを得なかった。
【0006】
そこで、本発明は、電解コンデンサと外気までの距離を積極的に縮め、外気への温度放出を効果的にし、電解コンデンサの、ひいては本体の寿命を延ばし、あるいは低価格の電解コンデンサの使用ができるようにしたウォターポンプを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、羽根車を回転させるステータアセンブリを両端が開放された筒状のハウジング内に収蔵し、前記ハウジングの前記羽根車取付側と反対の側に、ヒートシンクを備えた基板アッセンブリと少なくとも1個の電解コンデンサとを収蔵したエンドアッセンブリを装着したウォーターポンプであって、前記エンドアッセンブリの膨出外形基準面を持つ外表面を、配置された前記電解コンデンサに近づけるように凹ませたことを特徴とするウォーターポンプとしている。
【0008】
このように構成された請求項1記載のものでは、前記ハウジングの放熱を良くすることができるので、電解コンデンサの寿命、ひいては本体の寿命を延ばしたウォターポンプを提供することができる。あるいは、低価格の電解コンデンサを用いることもできるので従来と同じ性能であっても原価を低減したウォターポンプを提供できる。
【0009】
また、外形を小さくできるので、コンパクトなウォターポンプを提供することができるし、ポッティング材の量を減らすことができ、軽量化した、原価低減したウォターポンプを提供できる。
【0010】
また、請求項2記載の発明は、請求項1において、前記凹ませた部位にフィンを形成したことを特徴とするウォーターポンプとしている。
【0011】
このように構成された請求項2記載のものでは、放熱をより一層良好にしたので請求項1の効果を一層良くしたウォターポンプを提供することができる。
【0012】
また、請求項3記載の発明は、請求項2において、前記フィンは、前記ヒートシンクのフィンを外気にさらす開口周縁を最高位とする膨出外形基準面に沿った形状に形成されていることを特徴とするウォーターポンプとしている。
【0013】
このように構成された請求項3記載のものでは、請求項2記載の効用に加え、外形が膨出外形基準面で安定的形状のため、資材管理も安定して効果的に並べられ、荷崩れを起こす心配もない。
【0014】
さらに、請求項1〜3のいずれか1項において、前記エンドアッセンブリは、前記基板アッセンブリを装着し、前記ハウジングに接続されるインナケースアッセンブリ及び前記ハウジングと反対側を塞ぐエンドキャップから構成され、前記凹部は前記エンドキャップに形成されていることを特徴とするウォーターポンプとしている。
【0015】
このように構成された請求項4記載のものでは、請求項1〜3記載の効用に加え、エンドキャップ及びインナケースそれぞれの製造が容易であり、組み付けも容易である。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。図1はウォターポンプの要部の縦断面図であり、図2は図1の全体斜視図であり、図3はインナケースアッセンブリの平面図である。
【0017】
図1及び図2に示すように、本発明のウォーターポンプは、エンドアッセンブリ10とこれに続くハウジングアッセンブリ20と羽根車アッセンブリ80とから大きく構成されている。ハウジングアッセンブリ20は、図示しない羽根車81を回転させるステータアセンブリ20を両端が開放された筒状、ここでは円筒状のハウジング60内に収蔵しており、ハウジング60の羽根車81取付側と反対の側に、エンドアッセンブリ10を装着している。
【0018】
このエンドアッセンブリ10は、少なくとも1個の電解コンデンサ42や基板アッセンブリ40を一緒に収蔵する有底筒状のものであっても良く、その膨出外形基準面Sを持つ外表面を、配置された電解コンデンサ40に近付けるように凹ましている。一方、このエンドアッセンブリ10は、基板アッセンブリ50を装着したインナケースアッセンブリ40の軸方向端末をエンドキャップ30で塞ぐ様に作られても良く、その場合は、このエンドキャップ30の外表面が凹まされている。
【0019】
インナケースアッセンブリ40は、図1及び図3に示すように、インナケース41に少なくとも一個の電解コンデンサ42、ここでは2個の電解コンデンサ42などが後述する開口45の短手方向両側に組み付けられて構成されている。このインナケース41は、電極44のなどをインサート成形した樹脂製で、ほぼ円筒状のものが輪切りにされた形状を呈しており、その外周の一端には電源に繋がる図示しないプラグの差し込みを受けるソケット部43が膨出して一体に成形されている
【0020】
このインナケースアセンブリ40の中心には、ほぼ長方形の開口45が形成され、この開口45に基板アッセンブリ50のヒートシンク52が貫通してインナケースアッセンブリ40に基板アッセンブリ50が装着されている。基板アッセンブリ50は、図1及び図4に示すように半導体部品を装着した長方形の基板51とこの基板51上に半導体部品を覆って短手方向両側が基板51より狭くなったコ字状断面のヒートシンク52が装着されている。このヒートシンク52は、放熱を良くするための物であり、熱伝導性を考慮してアルミ合金製にされており、その上面には多数のフィン53が設けられて一層放熱性を良好にしている。
【0021】
一方、エンドキャップ30は、図1,図2に示すように熱伝導性の良好な例えばアルミ合金で作られ、前述の膨出外形基準面Sを持った外表面を呈しており、ヒートシンク52のフィン53の周囲がシール材33を介して当接し、フィン53のみを外気にさらす開口31が形成され、この開口31周縁を最高位とする膨出外形基準面Sを呈している。エンドキャップ30の外表面は、開口31の短手方向の周囲が組み付けられた際に電解コンデンサ42に出来るだけ近付くように内部に向かって凹まされている。この凹まされた部分には、放熱性を良くするためのフィン32が設けられている。このフィン32の高さは、膨出外形基準面Sに関係なく低くても高くても良いが、一例としては、美的観点、取り扱いの容易さ、梱包性の良さ等からこの膨出外形基準面Sに揃えたものである。
【0022】
以上、ステータアッセンブリ70が組み付けられたハウジングアッセンブリ20、基板アッセンブリ50が組み付けられたインナケースアッセンブリ40及びエンドキャップ30を図1のようにアッセンブリしたウォータポンプには、断熱性の強い空気のようなものを排除し、熱伝達性に優れたポッティング材が充填されており、ステータアッセンブリ70で発生する熱はこのポッティング材で伝達され、ハウジング60やエンドキャップ30を介して外気に放出され高温になるのを防止している。特に、熱に対する規格が厳しい電解コンデンサ42は、自発熱もするのでなるべく、外表面に近いところにおかれており、特に凹まされた部分によって外表面により近づけられて、外気との間で熱交換が容易なようになって温度が下げられ、低規格、低価格のものを使用することができる。
【0023】
以上、本発明の実施の形態について図を参照してきたが、具体的な構成はこの実施例に限らず、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更があってもこの発明に含まれる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明は、ハウジングの放熱を良くすることができるので、電解コンデンサの寿命、ひいては本体の寿命を延ばしたウォターポンプを提供することができる。あるいは、低価格の電解コンデンサを用いることもできるので従来と同じ性能であっても原価を低減したウォターポンプを提供できる。
【0025】
また、外形を小さくできるので、コンパクトなウォターポンプを提供することができるし、ポッティング材の量を減らすことができ、軽量化した、原価低減したウォターポンプを提供できる。
【0026】
また、請求項2記載の発明は、凹ませた部位にフィンを形成したので、放熱をより一層良好にしたウォターポンプを提供することができる。
【0027】
また、請求項3記載の発明は、ヒートシンクのフィンを外気にさらす開口周縁を最高位とする膨出外形基準面に沿った形状にフィンを形成したので、外形が膨出外形基準面で安定的形状のため、資材管理においても安定して効果的に並べられ、荷崩れを起こす心配もない。
【0028】
さらに、請求項4記載の発明は、エンドキャップ及びインナケースそれぞれの製造が容易であり、組み付けも容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のウォータポンプの一部を省略した縦断面図である。
【図2】図1に示すウォータポンプの斜視図である。
【図3】本発明のインナケースアッセンブリの平面図である。
【図4】本発明のウォータポンプの基板アッセンブリの平面図である。
【符号の説明】
10 エンドアッセンブリ
20 ハウジングアッセンブリ
30 エンドキャップ
31 開口
32 フィン
40 インナケースアッセンブリ
41 インナケース
42 電解コンデンサ
50 基板アッセンブリ
51 基板
52 ヒートシンク
53 フィン
60 ハウジング
70 ステータアッセンブリ
80 羽根車アッセンブリ
81 羽根車
S 膨出外形基準面
Claims (4)
- 羽根車を回転させるステータアセンブリを両端が開放された筒状のハウジング内に収蔵し、前記ハウジングの前記羽根車取付側と反対の側に、ヒートシンクを備えた基板アッセンブリと少なくとも1個の電解コンデンサとを収蔵したエンドアッセンブリを装着したウォーターポンプであって、
前記エンドアッセンブリの膨出外形基準面を持つ外表面を、配置された前記電解コンデンサに近づけるように凹ませたことを特徴とするウォーターポンプ。 - 請求項1において、前記凹ませた部位にフィンを形成したことを特徴とするウォーターポンプ。
- 請求項2において、前記フィンは、前記ヒートシンクのフィンを外気にさらす開口周縁を最高位とする前記膨出外形基準面に沿った形状に形成されていることを特徴とするウォーターポンプ。
- 請求項1〜3のいずれか1項において、前記エンドアッセンブリは、前記基板アッセンブリを装着し、前記ハウジングに接続されるインナケースアッセンブリ及び前記ハウジングと反対側を塞ぐエンドキャップから構成され、前記凹部は前記エンドキャップに形成されていることを特徴とするウォーターポンプ。
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