JP2004225331A - 床材剥離機 - Google Patents
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Abstract
【目的】低振動、低騒音で剥離作業の良好な床材剥離機を提供することを目的とする。
【構成】床材剥離機1に刃板5を取り付けた複数の刃物ブラケット6を設け、この刃物ブラケット6には揺動運動の軸受となる軸受部10を設け、この軸受部10は車台2フレームの左右の側面にそれぞれ軸端を固定された揺動軸11によって揺動自在に支持されている。そして、中央の刃物ブラケットと左右の刃物ブラケットは互いに反対方向に揺動する構成となっている。またさらに、刃板がたわんだ状態で剥離を行う構成ともなっている。
【選択図】 図1
【構成】床材剥離機1に刃板5を取り付けた複数の刃物ブラケット6を設け、この刃物ブラケット6には揺動運動の軸受となる軸受部10を設け、この軸受部10は車台2フレームの左右の側面にそれぞれ軸端を固定された揺動軸11によって揺動自在に支持されている。そして、中央の刃物ブラケットと左右の刃物ブラケットは互いに反対方向に揺動する構成となっている。またさらに、刃板がたわんだ状態で剥離を行う構成ともなっている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は床材剥離機に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、低振動で、しかも硬質床材の剥離作用に優れた丈夫で耐久力のある床材剥離機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、コンクリート等の床台上に接着剤によって貼り付けられた塩化ビニル製タイルやリノリウムシート等を貼り替えのために剥離する際に、手押しハンドルを備えたモータ駆動の床材剥離機が使用されてきている。
【0003】
この床材剥離機には様々なタイプのものが提案されているが、主要には、たとえば実開昭53−162527号、実開昭59−22859号に示されているように、刃物ブラケット先端に取付けた刃板を前後に揺動させ、床台と床材との間に刃板を打込んで接着剤層を切断して床材を剥離する方式からなるものと、特開昭60−59262号に示されているように、刃物ブラケット先端の刃板を左右に揺動させる方式のものとがある。
【0004】
また、実開平3−33151に示されるように、複数の刃物ブラケットを各々独立に水平摺動させるという床材剥離機が提案されてもいる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来の床材剥離機の場合には依然として解決すべき課題が残されていた。すなわち、一枚の刃板を前後に揺動させる方式のものは、硬質の床材が強固に床に固着している場合でも刃板の打ち込みによってこの固着状態を解消し、比較的容易に床材を剥離することができるものの、作業中の振動とこれにより発生する振動音が大きく、作業者や近隣に及ぼす影響は好ましくない。
また、この方式の場合には刃先が摩耗しやすいという欠点があった。また、1枚の刃板で剥離を行うため、床材をより剥がそうと刃先に荷重がかかるように重りを刃先上部付近の本体部に取り付けたりもしていた。このため、さらに刃先の摩耗がしやすくなり、また、工事現場への運搬も重量がかなり重くなってしまってもいた。
【0006】
これに対して刃板を左右に揺動する方式のものはこのような欠点を改善したものではあるが、軟質の接着剤で貼付けた軟質床材を剥離する場合には適用することができるものの、強固に固着した硬い床材の剥離には不向きで、作業効率に劣るという欠点がある。
【0007】
一方、実開平3−33151に示されるものは、複数の刃物ブラケットを各々独立に水平摺動させるもので、硬質床材の剥離作用に優れており、低振動、低騒音の床材剥離機が実現される。しかし、刃物ブラケットを水平摺動させるために、スライド軸には刃板が剥離する際の反動力がかかることによりスライド軸間の平行が狂ったり、スライド軸が曲がったりする問題が発生していた。
【0008】
このスライド軸は、高速に刃物ブラケットが水平方向へ摺動するため、径を太くする等強度を上げるということに対して制限が多く存在し、また、床材剥離作業はコンクリートや床材の砕粉の飛び交うホコリの多い環境での作業であるため、スライド軸部の潤滑も防塵を考慮した構造が必要となり、装置を複雑化させる要因となっている。
【0009】
この発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、従来の床材剥離機の欠点を解消し、低振動で強固に貼り付けられた硬い床材でも容易に剥離することのできる、かつ丈夫で耐久性のある新しい床材剥離機を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1は、車台フレームの前端に床材剥離用の刃板を備えた刃物ブラケットを配置した床材剥離機において、刃物ブラケットを複数有し、それぞれの刃物ブラケットが揺動軸に軸支され、異なる方向に偏心している連結部を有する偏心回転軸に連結した複数のコネクティングロッドをそれぞれ刃物ブラケットに結合し、偏芯回転軸の回転により刃物ブラケットをそれぞれ前後に揺動自在としてなることを特徴とする床材剥離機である。
【0011】
本発明により、複数の刃物ブラケットに設けた刃板を揺動させて効率的な床材の剥離作業が行えるのである。刃物ブラケットを複数としているため、従来の1つの刃物ブラケットの場合に比べて、一つの刃板に作用する剥離力がアップするため、従来と同じ刃巾、同じ動力でより剥離力を向上させることができる。
【0012】
本件発明の請求項2は、刃板をたわませた状態で刃物ブラケットを揺動させることを特徴とする請求項1記載の床材剥離機である。
【0013】
従来の揺動タイプの床材剥離機では刃板の刃先の摩耗が早く、剥離作業中に刃板を交換したり、刃板を研いだりすることを頻繁に行わねばならなかったが、刃板をたわませた状態とすることにより、刃板の刃先の摩耗を抑えながら、揺動によりきれいに床面から床材を剥離させることができるのである。
【0014】
本件発明の請求項3は、複数の刃物ブラケットが3個であって、中央の刃物ブラケットとその左右両側の刃物ブラケットとが反対方向に揺動し、かつ、中央の刃物ブラケットの重量と左右の刃物ブラケットの重量和が等しいもしくは略等しいことを特徴とする請求項1、請求項2記載の床材剥離機である。
【0015】
左右の刃物ブラケットが中央の刃物ブラケットと反対方向に揺動するので、揺動運動で発生する振動や騒音を低く抑えることができる。
【0016】
本件発明の請求項4は、床材剥離機に駆動源を搭載し、自走式装置としてなることを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の床材剥離機である。
【0017】
床材剥離機を自走式とすることで剥離作業中に作業者が手を離せる状態とでき、剥離作業を進行させながら他の作業をすることが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の一例を外観形状として例示したものである。この図1に示したように、床材剥離機1は、車台2フレームの後部に左右一対の車輪3および手押しハンドル4を備え、その前端に床材剥離用の刃板5を有する刃物ブラケット6を配置している。この実施の形態においては、並列配置した3個の刃物ブラケット6が各々前後に揺動する構成としている。
【0019】
この刃物ブラケット6は、車台2フレームに設けたモータ7の回転をベルト等で伝達し、偏心回転軸8およびコネクティングロッド9を介して揺動軸11を支点として前後に揺動運動をするように構成されている。
【0020】
図2は、刃物ブラケット6および刃板5の動きを例示した模式断面図である。
この図2に示したように、刃物ブラケット6には揺動運動の軸受となる軸受部10を設け、この軸受部10は車台2フレームの左右の側面にそれぞれ軸端を固定された揺動軸11によって揺動自在に支持されている。この場合、軸受部10は必要に応じてベアリング等の適宜な摩擦低減手段を用いてもよい。
【0021】
一方、偏心回転軸8には、図3に示したように、異なる方向に偏心(X)(Y)している連結部によって複数のコネクティングロッド9を連結し、さらにこのコネクティングロッド9は刃物ブラケット6に結合している。このような構成において、偏心回転軸8の回転にともなって、これに連結するコネクティングロッド9が前後動する。この前後動は、揺動軸11の存在によって刃物ブラケット6の前後方向への揺動運動となる。そして、刃板5の前後揺動運動によってその床材と床台の間への打ち込み作用が生じるため、固着されている硬質床材の剥離も容易となる。
【0022】
図3は、図1に対応して、3個の刃物ブラケット6a、6b、6cと刃板5a、5b、5cを有する剥離機の偏心回転にともなう動きを例示した模式平面図である。この図3の状態では、中央部に位置する刃物ブラケット5bの偏心Xとその左右両側に隣接配置した刃物ブラケット5a、5cの偏心Yとは逆方向を向き、その偏心量は同じに設定されている。このため、図中の実線矢印で示した方向に各々の刃物ブラケット6a、6b、6cは揺動運動する。次いで点線矢印の方向へと揺動運動する。
【0023】
また、この例の場合、中央に位置する刃物ブラケット6bの移動重量を左右に隣接する刃物ブラケット6a、6cの重量の和と略等しくすると、逆方向への揺動運動によるバランスによって剥離機の振動と、発生する振動音は低減されることとなる。このことはさらに多数の刃物ブラケットを用いる場合にも同様である。もちろん刃板の重量も合わせて等しくしておいてもよいことはいうまでもない。
【0024】
このような構成にして動かす場合には、モータ7の回転力は刃物ブラケット6a、6cもしくは刃物ブラケット6bへ集中され、各々の刃板5a、5cもしくは刃板5bには大きな剥離力が働くことになる。刃板5aおよび5cの刃幅を等しく、かつ刃板5bの刃幅の1/2としておくとよいのである。このため従来の1枚の刃板で剥離をする場合には、重りを乗せたりして剥離力を向上させていたが、本発明の床材剥離機においてはそのような重りは不要となる。もちろん重りの使用を制限するということではなく、重りを使用してもかまわない。
【0025】
さらに、刃板5の厚みをなるべく薄いものとし、刃物ブラケット6からの突出量をある程度突出させて図4に示すように刃板5が多少たわんだ状態となるようにしておく。床材剥離機1は刃板5の刃と左右に設けられた車輪3で支えられているため、刃板5が揺動運動すると、刃先は床面(床下地面)を削ろうとする。
床面(床下地面)は硬いコンクリート等であるから従来の揺動では刃先の摩耗が早くなってしまっていたが、刃板5をたわませておくことで、刃先が床面(床下地面)を削ろうとする力を逃がしつつ、床材を剥離するようになり、この結果刃先の摩耗を抑えることが可能となる。上記のように刃物ブラケット6を3つ設けた場合に、それぞれの刃板5a、5b、5cを図4のようにたわませておくことで、刃先の寿命が長く、低振動で良く剥離することができる床材剥離機の提供が可能となるのである。また、床面(床下地面)が木等である場合においても、刃先で床面(床下地面)を傷つけることを防ぐようになるのである。刃板のたわみは、床材剥離機が停止している状態でたわむような刃板としてもよいし、床材剥離機を動作させた時の抵抗によってたわむという刃板のどちらでもよい。
【0026】
上記では偏芯量のXとYは同一であるとして説明したが同一としなくともよい。その場合には、例えばYを小さくした場合には左右の刃物ブラケットの重量を重くして振動が低減される重量にしておくとよいのである。
【0027】
さらに本発明の床材剥離機1に走行用の駆動源を設け、自走式としてもよい。そうすると、剥離作業中に作業者が手を離して他の作業を行うことまでができるようになる。ただし、床材剥離機の動作が見えるところで他の作業を行うことが望ましい。
【0028】
もちろん、この発明は以上の例に限定されることはない。その細部、その他の構造は適宜なものとなし得る。
【0029】
【発明の効果】
この複数の刃物ブラケットに揺動運動を行わせる床材剥離機は複数の刃物ブラケットの駆動と重量とをバランスさせることによって、低振動、低騒音の床材剥離機が実現される。しかも剥離作用も良好である。さらに刃板をたわませておくことにより刃先の摩耗を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の外観の一例を示した斜視図
【図2】本発明の刃物ブラケットの動きを例示した模式断面図
【図3】本発明の複数の刃物ブラケットを用いる場合の動きを例示した平面図
【図4】刃板がたわんだ状態を説明する側面図
【符号の説明】
1 床材剥離機
2 車台
3 車輪
4 手押しハンドル
5 刃板
5a、5b、5c 刃板
6 刃物ブラケット
6a、6b、6c 刃物ブラケット
7 モータ
8 偏心回転軸
9 コネクティングロッド
10 軸受部
11 揺動軸
【産業上の利用分野】
この発明は床材剥離機に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、低振動で、しかも硬質床材の剥離作用に優れた丈夫で耐久力のある床材剥離機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、コンクリート等の床台上に接着剤によって貼り付けられた塩化ビニル製タイルやリノリウムシート等を貼り替えのために剥離する際に、手押しハンドルを備えたモータ駆動の床材剥離機が使用されてきている。
【0003】
この床材剥離機には様々なタイプのものが提案されているが、主要には、たとえば実開昭53−162527号、実開昭59−22859号に示されているように、刃物ブラケット先端に取付けた刃板を前後に揺動させ、床台と床材との間に刃板を打込んで接着剤層を切断して床材を剥離する方式からなるものと、特開昭60−59262号に示されているように、刃物ブラケット先端の刃板を左右に揺動させる方式のものとがある。
【0004】
また、実開平3−33151に示されるように、複数の刃物ブラケットを各々独立に水平摺動させるという床材剥離機が提案されてもいる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来の床材剥離機の場合には依然として解決すべき課題が残されていた。すなわち、一枚の刃板を前後に揺動させる方式のものは、硬質の床材が強固に床に固着している場合でも刃板の打ち込みによってこの固着状態を解消し、比較的容易に床材を剥離することができるものの、作業中の振動とこれにより発生する振動音が大きく、作業者や近隣に及ぼす影響は好ましくない。
また、この方式の場合には刃先が摩耗しやすいという欠点があった。また、1枚の刃板で剥離を行うため、床材をより剥がそうと刃先に荷重がかかるように重りを刃先上部付近の本体部に取り付けたりもしていた。このため、さらに刃先の摩耗がしやすくなり、また、工事現場への運搬も重量がかなり重くなってしまってもいた。
【0006】
これに対して刃板を左右に揺動する方式のものはこのような欠点を改善したものではあるが、軟質の接着剤で貼付けた軟質床材を剥離する場合には適用することができるものの、強固に固着した硬い床材の剥離には不向きで、作業効率に劣るという欠点がある。
【0007】
一方、実開平3−33151に示されるものは、複数の刃物ブラケットを各々独立に水平摺動させるもので、硬質床材の剥離作用に優れており、低振動、低騒音の床材剥離機が実現される。しかし、刃物ブラケットを水平摺動させるために、スライド軸には刃板が剥離する際の反動力がかかることによりスライド軸間の平行が狂ったり、スライド軸が曲がったりする問題が発生していた。
【0008】
このスライド軸は、高速に刃物ブラケットが水平方向へ摺動するため、径を太くする等強度を上げるということに対して制限が多く存在し、また、床材剥離作業はコンクリートや床材の砕粉の飛び交うホコリの多い環境での作業であるため、スライド軸部の潤滑も防塵を考慮した構造が必要となり、装置を複雑化させる要因となっている。
【0009】
この発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、従来の床材剥離機の欠点を解消し、低振動で強固に貼り付けられた硬い床材でも容易に剥離することのできる、かつ丈夫で耐久性のある新しい床材剥離機を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1は、車台フレームの前端に床材剥離用の刃板を備えた刃物ブラケットを配置した床材剥離機において、刃物ブラケットを複数有し、それぞれの刃物ブラケットが揺動軸に軸支され、異なる方向に偏心している連結部を有する偏心回転軸に連結した複数のコネクティングロッドをそれぞれ刃物ブラケットに結合し、偏芯回転軸の回転により刃物ブラケットをそれぞれ前後に揺動自在としてなることを特徴とする床材剥離機である。
【0011】
本発明により、複数の刃物ブラケットに設けた刃板を揺動させて効率的な床材の剥離作業が行えるのである。刃物ブラケットを複数としているため、従来の1つの刃物ブラケットの場合に比べて、一つの刃板に作用する剥離力がアップするため、従来と同じ刃巾、同じ動力でより剥離力を向上させることができる。
【0012】
本件発明の請求項2は、刃板をたわませた状態で刃物ブラケットを揺動させることを特徴とする請求項1記載の床材剥離機である。
【0013】
従来の揺動タイプの床材剥離機では刃板の刃先の摩耗が早く、剥離作業中に刃板を交換したり、刃板を研いだりすることを頻繁に行わねばならなかったが、刃板をたわませた状態とすることにより、刃板の刃先の摩耗を抑えながら、揺動によりきれいに床面から床材を剥離させることができるのである。
【0014】
本件発明の請求項3は、複数の刃物ブラケットが3個であって、中央の刃物ブラケットとその左右両側の刃物ブラケットとが反対方向に揺動し、かつ、中央の刃物ブラケットの重量と左右の刃物ブラケットの重量和が等しいもしくは略等しいことを特徴とする請求項1、請求項2記載の床材剥離機である。
【0015】
左右の刃物ブラケットが中央の刃物ブラケットと反対方向に揺動するので、揺動運動で発生する振動や騒音を低く抑えることができる。
【0016】
本件発明の請求項4は、床材剥離機に駆動源を搭載し、自走式装置としてなることを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の床材剥離機である。
【0017】
床材剥離機を自走式とすることで剥離作業中に作業者が手を離せる状態とでき、剥離作業を進行させながら他の作業をすることが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の一例を外観形状として例示したものである。この図1に示したように、床材剥離機1は、車台2フレームの後部に左右一対の車輪3および手押しハンドル4を備え、その前端に床材剥離用の刃板5を有する刃物ブラケット6を配置している。この実施の形態においては、並列配置した3個の刃物ブラケット6が各々前後に揺動する構成としている。
【0019】
この刃物ブラケット6は、車台2フレームに設けたモータ7の回転をベルト等で伝達し、偏心回転軸8およびコネクティングロッド9を介して揺動軸11を支点として前後に揺動運動をするように構成されている。
【0020】
図2は、刃物ブラケット6および刃板5の動きを例示した模式断面図である。
この図2に示したように、刃物ブラケット6には揺動運動の軸受となる軸受部10を設け、この軸受部10は車台2フレームの左右の側面にそれぞれ軸端を固定された揺動軸11によって揺動自在に支持されている。この場合、軸受部10は必要に応じてベアリング等の適宜な摩擦低減手段を用いてもよい。
【0021】
一方、偏心回転軸8には、図3に示したように、異なる方向に偏心(X)(Y)している連結部によって複数のコネクティングロッド9を連結し、さらにこのコネクティングロッド9は刃物ブラケット6に結合している。このような構成において、偏心回転軸8の回転にともなって、これに連結するコネクティングロッド9が前後動する。この前後動は、揺動軸11の存在によって刃物ブラケット6の前後方向への揺動運動となる。そして、刃板5の前後揺動運動によってその床材と床台の間への打ち込み作用が生じるため、固着されている硬質床材の剥離も容易となる。
【0022】
図3は、図1に対応して、3個の刃物ブラケット6a、6b、6cと刃板5a、5b、5cを有する剥離機の偏心回転にともなう動きを例示した模式平面図である。この図3の状態では、中央部に位置する刃物ブラケット5bの偏心Xとその左右両側に隣接配置した刃物ブラケット5a、5cの偏心Yとは逆方向を向き、その偏心量は同じに設定されている。このため、図中の実線矢印で示した方向に各々の刃物ブラケット6a、6b、6cは揺動運動する。次いで点線矢印の方向へと揺動運動する。
【0023】
また、この例の場合、中央に位置する刃物ブラケット6bの移動重量を左右に隣接する刃物ブラケット6a、6cの重量の和と略等しくすると、逆方向への揺動運動によるバランスによって剥離機の振動と、発生する振動音は低減されることとなる。このことはさらに多数の刃物ブラケットを用いる場合にも同様である。もちろん刃板の重量も合わせて等しくしておいてもよいことはいうまでもない。
【0024】
このような構成にして動かす場合には、モータ7の回転力は刃物ブラケット6a、6cもしくは刃物ブラケット6bへ集中され、各々の刃板5a、5cもしくは刃板5bには大きな剥離力が働くことになる。刃板5aおよび5cの刃幅を等しく、かつ刃板5bの刃幅の1/2としておくとよいのである。このため従来の1枚の刃板で剥離をする場合には、重りを乗せたりして剥離力を向上させていたが、本発明の床材剥離機においてはそのような重りは不要となる。もちろん重りの使用を制限するということではなく、重りを使用してもかまわない。
【0025】
さらに、刃板5の厚みをなるべく薄いものとし、刃物ブラケット6からの突出量をある程度突出させて図4に示すように刃板5が多少たわんだ状態となるようにしておく。床材剥離機1は刃板5の刃と左右に設けられた車輪3で支えられているため、刃板5が揺動運動すると、刃先は床面(床下地面)を削ろうとする。
床面(床下地面)は硬いコンクリート等であるから従来の揺動では刃先の摩耗が早くなってしまっていたが、刃板5をたわませておくことで、刃先が床面(床下地面)を削ろうとする力を逃がしつつ、床材を剥離するようになり、この結果刃先の摩耗を抑えることが可能となる。上記のように刃物ブラケット6を3つ設けた場合に、それぞれの刃板5a、5b、5cを図4のようにたわませておくことで、刃先の寿命が長く、低振動で良く剥離することができる床材剥離機の提供が可能となるのである。また、床面(床下地面)が木等である場合においても、刃先で床面(床下地面)を傷つけることを防ぐようになるのである。刃板のたわみは、床材剥離機が停止している状態でたわむような刃板としてもよいし、床材剥離機を動作させた時の抵抗によってたわむという刃板のどちらでもよい。
【0026】
上記では偏芯量のXとYは同一であるとして説明したが同一としなくともよい。その場合には、例えばYを小さくした場合には左右の刃物ブラケットの重量を重くして振動が低減される重量にしておくとよいのである。
【0027】
さらに本発明の床材剥離機1に走行用の駆動源を設け、自走式としてもよい。そうすると、剥離作業中に作業者が手を離して他の作業を行うことまでができるようになる。ただし、床材剥離機の動作が見えるところで他の作業を行うことが望ましい。
【0028】
もちろん、この発明は以上の例に限定されることはない。その細部、その他の構造は適宜なものとなし得る。
【0029】
【発明の効果】
この複数の刃物ブラケットに揺動運動を行わせる床材剥離機は複数の刃物ブラケットの駆動と重量とをバランスさせることによって、低振動、低騒音の床材剥離機が実現される。しかも剥離作用も良好である。さらに刃板をたわませておくことにより刃先の摩耗を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の外観の一例を示した斜視図
【図2】本発明の刃物ブラケットの動きを例示した模式断面図
【図3】本発明の複数の刃物ブラケットを用いる場合の動きを例示した平面図
【図4】刃板がたわんだ状態を説明する側面図
【符号の説明】
1 床材剥離機
2 車台
3 車輪
4 手押しハンドル
5 刃板
5a、5b、5c 刃板
6 刃物ブラケット
6a、6b、6c 刃物ブラケット
7 モータ
8 偏心回転軸
9 コネクティングロッド
10 軸受部
11 揺動軸
Claims (4)
- 車台フレームの前端に床材剥離用の刃板を備えた刃物ブラケットを配置した床材剥離機において、刃物ブラケットを複数有し、それぞれの刃物ブラケットが揺動軸に軸支され、異なる方向に偏心している連結部を有する偏心回転軸に連結した複数のコネクティングロッドをそれぞれ刃物ブラケットに結合し、偏芯回転軸の回転により刃物ブラケットをそれぞれ前後に揺動自在としてなることを特徴とする床材剥離機。
- 刃板をたわませた状態で刃物ブラケットを揺動させることを特徴とする請求項1記載の床材剥離機。
- 複数の刃物ブラケットが3個であって、中央の刃物ブラケットとその左右両側の刃物ブラケットとが反対方向に揺動し、かつ、中央の刃物ブラケットの重量と左右の刃物ブラケットの重量和が等しいもしくは略等しいことを特徴とする請求項1、請求項2記載の床材剥離機。
- 床材剥離機に駆動源を搭載し、自走式装置としてなることを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の床材剥離機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003013142A JP2004225331A (ja) | 2003-01-22 | 2003-01-22 | 床材剥離機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003013142A JP2004225331A (ja) | 2003-01-22 | 2003-01-22 | 床材剥離機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004225331A true JP2004225331A (ja) | 2004-08-12 |
Family
ID=32901551
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003013142A Pending JP2004225331A (ja) | 2003-01-22 | 2003-01-22 | 床材剥離機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004225331A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR200450545Y1 (ko) | 2009-04-30 | 2010-10-11 | 김정훈 | 바닥 제거 장치 |
KR101314182B1 (ko) | 2011-03-15 | 2013-10-02 | 전인택 | 바닥재 탈거 장치. |
US9592659B2 (en) | 2013-01-16 | 2017-03-14 | INTERIOR ITOH Ltd. | Sheet material detaching device and detaching method |
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2003
- 2003-01-22 JP JP2003013142A patent/JP2004225331A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR200450545Y1 (ko) | 2009-04-30 | 2010-10-11 | 김정훈 | 바닥 제거 장치 |
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