JP2004224997A - 粘着シート - Google Patents
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Abstract
【課題】剥離シートに離けい剤をコーティングせず、該剥離シートを紙製として低価格とリサイクル化を図り、また粘着シート本体から剥離シートを剥離しても粘着剤が剥離シート側に残らないようにすること。更に、剥離シートの離けい性(剥離性)の向上を図ること。
【解決手段】粘着シート1は、粘着剤5をコーティングしている粘着シート本体2と、この粘着シート本体2の粘着面7に剥離自在に貼っている剥離シート3とで構成している。粘着シート本体2は、ベースシート4と、このベースシート4の一面に略全面にわたって粘着剤5を塗布した粘着剤層6とで構成している。ベースシート4は例えば、紙材、不織布、繊維製品、合成樹脂製のフィルムなどである。剥離シート3は離けい剤を塗布せず、再生紙やクラフト紙を採用している。
【選択図】 図1
【解決手段】粘着シート1は、粘着剤5をコーティングしている粘着シート本体2と、この粘着シート本体2の粘着面7に剥離自在に貼っている剥離シート3とで構成している。粘着シート本体2は、ベースシート4と、このベースシート4の一面に略全面にわたって粘着剤5を塗布した粘着剤層6とで構成している。ベースシート4は例えば、紙材、不織布、繊維製品、合成樹脂製のフィルムなどである。剥離シート3は離けい剤を塗布せず、再生紙やクラフト紙を採用している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘着シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、一方の面に剥離シートが貼られている粘着シートが数多く製造・販売されている。ここで、一面に接着剤、あるいは粘着剤が塗布されているシートを粘着シート本体と称し、この粘着シート本体の一面に塗布されている粘着剤が使用前に不必要に接着しないように剥離シートが粘着剤の面に貼られている。そして、前記粘着シート本体と剥離シートで粘着シートとする。
【0003】
現在使用されている粘着シート(あるいは粘着加工シート)の粘着シート本体の材料としては、合成樹脂製のフィルムや紙材、不織布が用いられており、粘着シート本体の粘着剤の塗布面から剥離シートが容易に剥離できるように、この剥離シートは、合成樹脂製のフィルムや紙にシリコン等の離けい剤をコーティングしたものが使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように剥離シートの一面には離けい剤がコーティングされているので、剥離シート自体の価格が高く、そのため、粘着シートも高くなるという問題があった。また、剥離シートには離けい剤がコーティングされているので、剥離後の剥離シートを焼却などの廃棄を行なう場合には、環境面やリサイクルなどの面で問題があった。
【0005】
また、従来の粘着シートは、異質シート(例えば、フィルムと紙、特殊コートされた紙とフィルム)の組み合わせのため、ユーザーが巻き取り使用の場合には大きなトラブル(問題)は無いが、カットされた単判シートして使用する際にはカールが発生し、印刷適正や貼り付け適正が極めて悪いものになっている。
そこで、かかる問題を解消すべく従来、単判仕上げ品として粘着シートを生産する場合は、その断裁工程で、巻き取り状態の粘着加工仕上げ品(貼合してあるもの)を一旦剥離し、断裁直前で再び再貼合するという製法上の工夫が成されている。
【0006】
本発明は上述の問題点に鑑みて提供したものであって、少なくとも以下に示す目的を達成すべく粘着シートを提供するものである。
▲1▼ 剥離シートに離けい剤をコーティングせず、該剥離シートを紙製として低価格とリサイクル化を図ること。
▲2▼ 粘着シート本体から剥離シートを剥離しても粘着剤が剥離シート側に残らないようにすること。
▲3▼ 剥離シートの離けい性(剥離性)の向上を図ること。
▲4▼ 粘着シートを被接着面に接着した後の粘着シートを剥がしても、被接着面には粘着剤が残らない粘着シートを提供すること。
▲5▼ 永久接着などの強固な接着ではなく、強固な接着が求められない場合に適した粘着シートであって、ガラス、布、木、ステンレス、タイル等に容易に接着でき、しかも、10回以上の再剥離、再接着を可能した粘着シートを提供すること。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の請求項1記載の粘着シートでは、紙材、合成樹脂製のフィルム、不織布などからなるベースシート4の一方の面に被接着面に粘着剤5が移行せず再剥離、再接着が可能な該粘着剤5をコーティングして粘着剤層6を設けた粘着シート本体2と、この粘着シート本体2の粘着剤層6の粘着面7に離けい剤を塗布していない紙シートからなり剥離自在に貼合している剥離シート3とで構成されていることを特徴としている。
【0008】
かかる構成とすることで、剥離シート3には離けい剤を使用せず紙シートを用いているので、剥離シート3を安価にでき、粘着シート本体2から剥離した剥離シート3のリサイクル化も可能となり、また、粘着剤5が被接着面に移行せず、再剥離、再接着が可能なため、強固な接着が求められない場合には好適例であり、ガラス、布、木、ステンレス、タイルなどのほとんどのものに接着でき、安価な粘着シートを提供することができる。また、この粘着シートの用途として、ラベル、ポスター、カレンダー、型紙の固定用、アルミてんぷらガード、台所用品など、多方面に活用できるものである。
【0009】
請求項2記載の粘着シートでは、前記剥離シート3の貼合面に凹凸面10を形成していることを特徴としている。
これにより、粘着シート本体2からの剥離シート3の離けい性を向上させることができる。
【0010】
請求項3記載の粘着シートでは、紙材、合成樹脂製のフィルム、不織布などからなるベースシート4の一方の面に被接着面に粘着剤5が移行せず再剥離、再接着が可能な該粘着剤5をコーティングして粘着剤層6を設けた粘着シート本体2を2枚形成し、両粘着シート本体2の粘着剤層6の粘着面7同士を貼合していることを特徴としている。
【0011】
かかる構成とすることで、剥離シート3を全く使用しない粘着シートを提供でき、安価な粘着シートを提供することができる。また、剥がした粘着シート本体2であって使用しない粘着シート本体2は、粘着剤層6の粘着面7にコピー用紙などの一般の紙を貼合しておくことで、不用意に他の箇所に接着することもなく、また、該紙を粘着面7から剥離しても、粘着剤5は紙に移行せず、粘着シート本体2を使用することができる。さらには、請求項1で述べた作用効果も発揮するものである。
【0012】
請求項4記載の粘着シートでは、紙材、合成樹脂製のフィルム、不織布などからなるベースシート4の一方の面に被接着面に粘着剤5が移行せず再剥離、再接着が可能な該粘着剤5をコーティングして粘着剤層6を設けた粘着シート本体2を2枚形成し、両粘着シート本体2のベースシート4の面に形成した粘着剤層6は互いに重ならないようにずらして形成し、前記粘着剤層6を介して2枚の粘着シート本体2を貼合していることを特徴としている。
【0013】
かかる構成とすることで、2枚の粘着シート本体2を形成しているにも関わらず、ほぼ1枚分の粘着剤5の量ですみ、粘着シート本体2を安価に製造することができる。
【0014】
請求項5記載の粘着シートでは、一方の粘着シート本体2のベースシート4の面には所定の間隔毎に粘着剤層6をストライプ状に形成し、他方の粘着シート本体2のベースシート4の面には前記粘着剤層6とは重ならないように所定の間隔毎に粘着剤層6を形成していることを特徴としている。
これにより、ベースシート4に粘着剤5をコーティングする場合にも容易にでき、しかも、2枚の粘着シート本体2を形成しているにも関わらず、ほぼ1枚分の粘着剤5の量ですみ、粘着シート本体2を安価に製造することができる。
【0015】
請求項6記載の粘着シートでは、紙材、合成樹脂製のフィルム、不織布などからなるベースシート4の両方の面に被接着面に粘着剤5が移行せず再剥離、再接着が可能な該粘着剤5をそれぞれコーティングして粘着剤層6を両面に設けた粘着シート本体2と、この粘着シート本体2の両面の粘着剤層6の粘着面7に離けい剤を塗布していない紙シートからなり剥離自在にそれぞれ貼合している剥離シート3とで構成されていることを特徴としている。
【0016】
かかる構成とすることで、粘着シート本体2の両面の粘着剤層6により、例えば、玄関マットや台所マットなどに使用でき、滑り防止を確実に行なうことができる。
【0017】
請求項7記載の粘着シートでは、前記剥離シート3の貼合面に凹凸面10を形成していることを特徴としている。
これにより、粘着シート本体2からの剥離シート3の離けい性を向上させることができる。
【0018】
請求項8記載の粘着シートでは、前記粘着剤5の総量に対して1〜2%の撥水剤を添加していることを特徴としている。
これにより、粘着シート本体2の耐水性を向上させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1〜図3は第1の実施形態を示し、粘着シート1は、粘着剤をコーティングしている粘着シート本体2と、この粘着シート本体2の粘着剤面に剥離自在に貼っている剥離シート3とで構成されている。
【0020】
図3は粘着シート1の要部拡大断面図を示し、この粘着シート1の粘着シート本体2は、ベースシート4と、このベースシート4の一面に略全面にわたって粘着剤5を塗布(コーティング)した粘着剤層6とで構成されている。
粘着シート本体2のベースシート4の材料としては、例えば、紙材、不織布、繊維製品、合成樹脂製のフィルムなどであり、材料は特に限定されるものではなく、どのような物でも良い。
【0021】
上記粘着剤層6の粘着剤5は、昭和高分子株式会社製の水性アクリル系樹脂(PSASE6210)、または林化学工業株式会社製の再剥離型アクリル系水性粘着剤(品名:ユニゾール RS−200)を用いている。本発明の目的を達成するのに、この2つの粘着剤5が最も好適例である。しかし、種々実験をした結果、後者の方が後述する性能が良かった。
【0022】
上記の林化学工業株式会社製の再剥離型アクリル系水性粘着剤(品名:ユニゾール RS−200)の性状は、以下のとおりである。
▲1▼ 外観:乳白色粘稠液
▲2▼ 組成:アクリル樹脂の調製品
▲3▼ 粘度:コーティング用に調整
▲4▼ イオン性:アニオン
▲5▼ pH:中性(7±2)
▲6▼ 溶媒:水を含有 〜70%
【0023】
粘着シート1の剥離シート3は、従来とは異なり離けい剤をコーティングしていないものであり、材料としては、再生紙やクラフト紙を採用している。そして、離けい剤を塗布していないので、粘着シート本体2から剥離した剥離シート3をリサイクル可能とし、剥離シート3自体のコストを安価にし、粘着シート1自体を低価格化している。
【0024】
粘着シート1の使用前の形態では、一般の粘着シートの場合と同様に粘着シート本体2の粘着面7に剥離シート3が剥離自在に接着されている。そして、使用する場合には、図2に示すように、剥離シート3を粘着面7から剥がしていき、粘着シート本体2の粘着面7を所望の箇所に貼り付ける。
【0025】
本発明の粘着シート本体2の粘着剤5は上述した粘着剤を使用しているので、永久接着などのような強固な接着が求められない場合に好適例であり、ガラス、布、木、ステンレス、タイルなどの殆どのものに接着できる。
【0026】
また、上記の粘着剤5を粘着剤層6として使用していることで、粘着剤5をベースシート4に一度コーティングし、乾燥、成膜させると、コーティングした粘着樹脂(粘着剤5)は、被接着面には100%移行しないことを発明者が発見したものである。
そのため、粘着シート本体2の粘着面7から剥離した剥離シート3の面には、粘着剤5が一切残っておらず、剥離シート3のリサイクル化を容易にしている。また、被接着面に粘着シート本体2を接着させた後に、粘着シート本体2を被接着面から剥がした場合でも、被接着面には粘着シート本体2の粘着剤5が残っておらず、粘着シート本体2を剥がした後の被接着面は綺麗な状態となっている。さらに、実験結果では、粘着シート本体2は、10回以上の再剥離、再接着が可能であった。
【0027】
また、被接着面から剥がした後の粘着シート本体2の粘着面7には、一般のコピー用紙のような紙を貼っておいても、粘着シート本体2を被接着面に再接着を行なう場合でも、紙を粘着面7から剥がしても、紙が粘着面7に貼りついて該紙が破けることもなく、しかも、粘着剤5が紙に残るということも実験結果から確認することが出来た。
【0028】
(第2の実施の形態)
先の実施形態では、剥離シート3が粘着シート本体2の粘着面7に全面にわたって粘着しているので、剥離シート3を剥がすのに少し力がいる恐れがある。そこで、この実施形態では、図4に示すように、粘着シート本体2の粘着面7に粘着される剥離シート3の面に凹凸面10を施したものである。
この凹凸面10は、例えば、CM型や絹目型等のエムボス加工を行なうことで、形成している。これにより、粘着シート本体2の粘着面7と剥離シート3との接着面積が小さくなって、粘着シート本体2から剥離シート3を剥がす場合の離けい性を向上させることができる。
【0029】
(第3の実施の形態)
次に、図5及び図6により第3の実施形態を説明する。上述したように、粘着剤5をベースシート4の面に一度コーティングし、乾燥、成膜させると、コート面の粘着樹脂は他面に100%移行しないことを発見したので、両粘着シート本体2ともフラットなものであれば、粘着面7同士を貼合しても、互いの粘着シート本体2同士の剥離性は少し劣るものの剥離は可能であり、接着効果も全く変わらないことを発見した。
【0030】
すなわち、この実施形態では、先の実施形態とは異なり、剥離シート3を使用しない粘着シート1としたものである。なお、粘着シート本体2を構成しているベースシート4や粘着剤5は先の実施形態と同じである。
図5及び図6に示すように、粘着シート本体2の粘着面7同士を接着させることで、2枚の粘着シート本体2で構成される粘着シート1の表面はベースシート4の面となり、粘着面7は外部には露出せず、ベースシート4が剥離シートの機能を持つことになり、不用意に他面に接着することはない。
【0031】
また、剥離シートが不要となるので、その分価格を安価にすることができ、しかも、1枚の大きさの粘着シート1で、2枚分の粘着シート本体2とすることができる。剥がした一方の粘着シート本体2を使用し、使用しない他方の粘着シート本体2の粘着面7には、コピー用紙などの身近にある紙を剥離シートの変わりとして貼合しておくことで、粘着面7が不用意に他に接着することもない。
【0032】
(第4の実施の形態)
先の第3の実施形態では、粘着シート本体2の粘着面7同士が全面にわたって接着しているので、粘着シート本体2を剥がしにくい恐れがある。そこで、この実施形態では図7〜図9に示すように、粘着シート本体2を製造する際に、両粘着シート本体2に粘着剤5を、例えば、ストライプ模様に塗布し、両粘着シート本体2を貼り合わせた時に粘着剤5(粘着面7)同士が接着しないようにしておくことで、剥離性の悪さを解消することができる。
【0033】
すなわち、一方の粘着シート本体2には粘着剤5を所定の間隔毎(例えば、10mm毎)にコーティングし、他方の粘着シート本体2には粘着剤5を一方の粘着シート本体2の粘着剤5とは重ならないように、同様にして所定の間隔毎(例えば、10mm毎)にコーティングする。図8及び図9に示すように、両粘着シート本体2を貼り合わせた場合には、両粘着シート本体2の粘着剤5が互いにずれた状態となり、粘着剤5の粘着面7は他方の粘着シート本体2のベースシート4の面に接着し、粘着面7同士は接着しないようにしている。
これにより、粘着シート本体2を剥がす場合には、粘着面7同士が接着していないので、粘着シート本体2を容易に剥がすことができ、剥離性を向上させることができる。なお、粘着面7の幅は、例えば8mm〜9mm程度しているが、任意の幅寸法で良いのはもちろんである。
【0034】
なお、粘着剤5をベースシート4の面にコーティングする模様はストライプ模様に限らず、互いの粘着剤5の粘着面7同士が接着しないような構成であればどのような形状でも良い。
図10はその一例を示し、粘着剤5を矩形状にコーティングし、それを多数設けたものであり、他方の粘着シート本体2には、一方の粘着剤5(粘着面7)とはずらした状態で粘着剤5をコーティングしたものである。図11は、粘着面7の形状を円形とした場合であり、両粘着シート本体2の粘着剤5の粘着面7は、互いに接着しないようにしている。これにより、両粘着シート本体2を容易に剥離することができる。なお、粘着シート1の展開図を示す図10及び図11において、実線で示す粘着剤5は一方の粘着シート本体2側を示し、破線で示す粘着剤5は他方の粘着シート本体2側を示すものである。
【0035】
この実施形態では、粘着剤層6が互いに接着しないようにずらしてベースシート4に成膜しているので、2枚の粘着シート本体2を形成しているにも関わらず、ほぼ1枚分の粘着剤5の量ですみ、粘着シート本体2を安価に製造することができる。
【0036】
(第5の実施の形態)
次に、第5の実施形態を図12及び図13により説明する。本実施形態では、1枚のベースシート4の両面に全面にわたって粘着剤5をそれぞれコーティングし、両面に粘着面7を形成した粘着シート本体2としたものである。そして、両面の粘着面7にはそれぞれ剥離シート3を剥離自在に接着して粘着シート1を構成している。
この実施形態におけるベースシート4、粘着剤5、剥離シート3は先の実施形態と同じものを用いている。この粘着シート1は、両面の粘着機能を発揮することができ、例えば、玄関マットや台所マットの滑り止め防止用として用いることができる。
【0037】
すなわち、粘着シート1の両面の剥離シート3をそれぞれ剥離し、粘着シート本体2の下面の粘着面7を床面に接着し、上面の粘着面7に玄関マットや台所マットを接着させることで、玄関マットや台所マットを確実に固定することができる。
また、玄関マットや台所マットを選択する場合に、玄関マットや台所マットを粘着シート本体2から剥がしても、粘着シート本体2の粘着剤5が玄関マットや台所マットには移行しないので、汚れだけを落とすことができる。さらに、粘着シート本体2は、再剥離、再接着が何回も可能なため、玄関マットや台所マットを何回も選択して、再使用が可能となる。
【0038】
図14は、粘着シート本体2の粘着面7に接着している剥離シート3の面に先の実施形態と同様な方法で凹凸面10を形成したものであり、剥離シート3の剥離性を向上させることができる。
【0039】
図15は、上記各実施形態の粘着シート本体2を形成すべく、ベースシート4の面に粘着剤5をコーティングする場合の製法の一例を示すものである。連続して移送されるベースシート4の上面に、粘着剤5を塗布した回転自在なローラ15にてコーティングしていき、次工程の乾燥装置20にて、粘着剤5を乾燥させてベースシート4の面に粘着剤層6を成膜するものである。
なお、ベースシート4の両面に粘着剤5をコーティングする場合には、ベースシート4の上下からローラ15を配置して粘着剤5をコーティングする。
【0040】
ここで、ベースシート4への粘着剤5の塗布方法は以下のような条件を行なっている。
粘着剤5の塗布量:10g〜20g/m2
塗布速度:20m〜50m/毎分
乾燥装置20における温度:100℃〜150℃
そして、粘着剤5の塗布量が多いほど、接着強度は上がった。また、乾燥温度が高いほど、接着強度を上げることができた。なお、粘着剤5を連続的に移行した乾燥させない場合では、乾燥装置20内で、温度を130℃で30秒くらいの工程で乾燥させるようにしても良い。
【0041】
なお、粘着剤5の塗布量は、17〜18g/m2 が好適例であるが、被接着面が凹凸状となっている場合には、凹凸具合に応じて20g/m2 以上の粘着剤5をベースシート4の面にコーティングするようにしても良い。
【0042】
また、粘着剤5に該粘着剤5の総量に対して1〜2%の撥水剤を混入(添加)させることで、粘着シート本体2の耐水性を向上させることができた。
【0043】
このように、本発明の粘着シート1の用途して、ラベル、ポスター、カレンダー、型紙の固定用、アルミてんぷらガード、台所用品など多方面に活用できるものである。また、両面に粘着剤層6を設けた場合には、上述したように玄関マットや台所マット用として活用することができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載の粘着シートによれば、剥離シートには離けい剤を使用せず紙シートを用いているので、剥離シートを安価にでき、粘着シート本体から剥離した剥離シートのリサイクル化も可能となり、また、粘着剤が被接着面に移行せず、再剥離、再接着が可能なため、強固な接着が求められない場合には好適例であり、ガラス、布、木、ステンレス、タイルなどのほとんどのものに接着でき、安価な粘着シートを提供することができる。また、この粘着シートの用途として、ラベル、ポスター、カレンダー、型紙の固定用、アルミてんぷらガード、台所用品など、多方面に活用できるものである。
【0045】
請求項2記載の粘着シートによれば、前記剥離シートの貼合面に凹凸面を形成しているので、粘着シート本体からの剥離シートの離けい性を向上させることができる。
【0046】
請求項3記載の粘着シートによれば、剥離シートを全く使用しない粘着シートを提供でき、安価な粘着シートを提供することができる。また、剥がした粘着シート本体であって使用しない粘着シート本体は、粘着剤層の粘着面にコピー用紙などの一般の紙を貼合しておくことで、不用意に他の箇所に接着することもなく、また、該紙を粘着面から剥離しても、粘着剤は紙に移行せず、粘着シート本体を使用することができる。さらには、請求項1で述べた作用効果も発揮するものである。
【0047】
請求項4記載の粘着シートによれば、2枚の粘着シート本体を形成しているにも関わらず、ほぼ1枚分の粘着剤の量ですみ、粘着シート本体を安価に製造することができる。
【0048】
請求項5記載の粘着シートによれば、一方の粘着シート本体のベースシートの面には所定の間隔毎に粘着剤層をストライプ状に形成し、他方の粘着シート本体のベースシートの面には前記粘着剤層とは重ならないように所定の間隔毎に粘着剤層を形成していることで、ベースシートに粘着剤をコーティングする場合にも容易にでき、しかも、2枚の粘着シート本体を形成しているにも関わらず、ほぼ1枚分の粘着剤の量ですみ、粘着シート本体を安価に製造することができる。
【0049】
請求項6記載の粘着シートによれば、紙材、合成樹脂製のフィルム、不織布などからなるベースシートの両方の面に被接着面に粘着剤が移行せず再剥離、再接着が可能な該粘着剤をそれぞれコーティングして粘着剤層を両面に設けた粘着シート本体と、この粘着シート本体の両面の粘着剤層の粘着面に離けい剤を塗布していない紙シートからなり剥離自在にそれぞれ貼合している剥離シートとで構成されているので、粘着シート本体の両面の粘着剤層により、例えば、玄関マットや台所マットなどに使用でき、滑り防止を確実に行なうことができる。
【0050】
請求項7記載の粘着シートによれば、前記剥離シートの貼合面に凹凸面を形成しているので、粘着シート本体からの剥離シートの離けい性を向上させることができる。
【0051】
また、請求項8記載の粘着シートによれば、前記粘着剤の総量に対して1〜2%の撥水剤を添加しているので、粘着シート本体の耐水性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における粘着シートの分解斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における粘着シートの斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における粘着シートの要部拡大断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における粘着シートの要部拡大断面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態における粘着シートの分解斜視図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態における粘着シートの要部拡大断面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態における粘着シートの展開図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態における粘着シートの要部拡大断面図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態における粘着シートの要部拡大断面図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態における粘着シートの他の例の説明図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態における粘着シートのさらに他の例の説明図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態における粘着シートの要部拡大断面図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態における粘着シートの要部拡大断面図である。
【図14】本発明の第5の実施の形態における粘着シートの要部拡大断面図である。
【図15】本発明の実施の形態における粘着剤をベースシートに塗布する場合の製法を示す図である。
【符号の説明】
1 粘着シート
2 粘着シート本体
3 剥離シート
4 ベースシート
5 粘着剤
6 粘着剤層
7 粘着面
10 凹凸面
20 乾燥装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘着シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、一方の面に剥離シートが貼られている粘着シートが数多く製造・販売されている。ここで、一面に接着剤、あるいは粘着剤が塗布されているシートを粘着シート本体と称し、この粘着シート本体の一面に塗布されている粘着剤が使用前に不必要に接着しないように剥離シートが粘着剤の面に貼られている。そして、前記粘着シート本体と剥離シートで粘着シートとする。
【0003】
現在使用されている粘着シート(あるいは粘着加工シート)の粘着シート本体の材料としては、合成樹脂製のフィルムや紙材、不織布が用いられており、粘着シート本体の粘着剤の塗布面から剥離シートが容易に剥離できるように、この剥離シートは、合成樹脂製のフィルムや紙にシリコン等の離けい剤をコーティングしたものが使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように剥離シートの一面には離けい剤がコーティングされているので、剥離シート自体の価格が高く、そのため、粘着シートも高くなるという問題があった。また、剥離シートには離けい剤がコーティングされているので、剥離後の剥離シートを焼却などの廃棄を行なう場合には、環境面やリサイクルなどの面で問題があった。
【0005】
また、従来の粘着シートは、異質シート(例えば、フィルムと紙、特殊コートされた紙とフィルム)の組み合わせのため、ユーザーが巻き取り使用の場合には大きなトラブル(問題)は無いが、カットされた単判シートして使用する際にはカールが発生し、印刷適正や貼り付け適正が極めて悪いものになっている。
そこで、かかる問題を解消すべく従来、単判仕上げ品として粘着シートを生産する場合は、その断裁工程で、巻き取り状態の粘着加工仕上げ品(貼合してあるもの)を一旦剥離し、断裁直前で再び再貼合するという製法上の工夫が成されている。
【0006】
本発明は上述の問題点に鑑みて提供したものであって、少なくとも以下に示す目的を達成すべく粘着シートを提供するものである。
▲1▼ 剥離シートに離けい剤をコーティングせず、該剥離シートを紙製として低価格とリサイクル化を図ること。
▲2▼ 粘着シート本体から剥離シートを剥離しても粘着剤が剥離シート側に残らないようにすること。
▲3▼ 剥離シートの離けい性(剥離性)の向上を図ること。
▲4▼ 粘着シートを被接着面に接着した後の粘着シートを剥がしても、被接着面には粘着剤が残らない粘着シートを提供すること。
▲5▼ 永久接着などの強固な接着ではなく、強固な接着が求められない場合に適した粘着シートであって、ガラス、布、木、ステンレス、タイル等に容易に接着でき、しかも、10回以上の再剥離、再接着を可能した粘着シートを提供すること。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の請求項1記載の粘着シートでは、紙材、合成樹脂製のフィルム、不織布などからなるベースシート4の一方の面に被接着面に粘着剤5が移行せず再剥離、再接着が可能な該粘着剤5をコーティングして粘着剤層6を設けた粘着シート本体2と、この粘着シート本体2の粘着剤層6の粘着面7に離けい剤を塗布していない紙シートからなり剥離自在に貼合している剥離シート3とで構成されていることを特徴としている。
【0008】
かかる構成とすることで、剥離シート3には離けい剤を使用せず紙シートを用いているので、剥離シート3を安価にでき、粘着シート本体2から剥離した剥離シート3のリサイクル化も可能となり、また、粘着剤5が被接着面に移行せず、再剥離、再接着が可能なため、強固な接着が求められない場合には好適例であり、ガラス、布、木、ステンレス、タイルなどのほとんどのものに接着でき、安価な粘着シートを提供することができる。また、この粘着シートの用途として、ラベル、ポスター、カレンダー、型紙の固定用、アルミてんぷらガード、台所用品など、多方面に活用できるものである。
【0009】
請求項2記載の粘着シートでは、前記剥離シート3の貼合面に凹凸面10を形成していることを特徴としている。
これにより、粘着シート本体2からの剥離シート3の離けい性を向上させることができる。
【0010】
請求項3記載の粘着シートでは、紙材、合成樹脂製のフィルム、不織布などからなるベースシート4の一方の面に被接着面に粘着剤5が移行せず再剥離、再接着が可能な該粘着剤5をコーティングして粘着剤層6を設けた粘着シート本体2を2枚形成し、両粘着シート本体2の粘着剤層6の粘着面7同士を貼合していることを特徴としている。
【0011】
かかる構成とすることで、剥離シート3を全く使用しない粘着シートを提供でき、安価な粘着シートを提供することができる。また、剥がした粘着シート本体2であって使用しない粘着シート本体2は、粘着剤層6の粘着面7にコピー用紙などの一般の紙を貼合しておくことで、不用意に他の箇所に接着することもなく、また、該紙を粘着面7から剥離しても、粘着剤5は紙に移行せず、粘着シート本体2を使用することができる。さらには、請求項1で述べた作用効果も発揮するものである。
【0012】
請求項4記載の粘着シートでは、紙材、合成樹脂製のフィルム、不織布などからなるベースシート4の一方の面に被接着面に粘着剤5が移行せず再剥離、再接着が可能な該粘着剤5をコーティングして粘着剤層6を設けた粘着シート本体2を2枚形成し、両粘着シート本体2のベースシート4の面に形成した粘着剤層6は互いに重ならないようにずらして形成し、前記粘着剤層6を介して2枚の粘着シート本体2を貼合していることを特徴としている。
【0013】
かかる構成とすることで、2枚の粘着シート本体2を形成しているにも関わらず、ほぼ1枚分の粘着剤5の量ですみ、粘着シート本体2を安価に製造することができる。
【0014】
請求項5記載の粘着シートでは、一方の粘着シート本体2のベースシート4の面には所定の間隔毎に粘着剤層6をストライプ状に形成し、他方の粘着シート本体2のベースシート4の面には前記粘着剤層6とは重ならないように所定の間隔毎に粘着剤層6を形成していることを特徴としている。
これにより、ベースシート4に粘着剤5をコーティングする場合にも容易にでき、しかも、2枚の粘着シート本体2を形成しているにも関わらず、ほぼ1枚分の粘着剤5の量ですみ、粘着シート本体2を安価に製造することができる。
【0015】
請求項6記載の粘着シートでは、紙材、合成樹脂製のフィルム、不織布などからなるベースシート4の両方の面に被接着面に粘着剤5が移行せず再剥離、再接着が可能な該粘着剤5をそれぞれコーティングして粘着剤層6を両面に設けた粘着シート本体2と、この粘着シート本体2の両面の粘着剤層6の粘着面7に離けい剤を塗布していない紙シートからなり剥離自在にそれぞれ貼合している剥離シート3とで構成されていることを特徴としている。
【0016】
かかる構成とすることで、粘着シート本体2の両面の粘着剤層6により、例えば、玄関マットや台所マットなどに使用でき、滑り防止を確実に行なうことができる。
【0017】
請求項7記載の粘着シートでは、前記剥離シート3の貼合面に凹凸面10を形成していることを特徴としている。
これにより、粘着シート本体2からの剥離シート3の離けい性を向上させることができる。
【0018】
請求項8記載の粘着シートでは、前記粘着剤5の総量に対して1〜2%の撥水剤を添加していることを特徴としている。
これにより、粘着シート本体2の耐水性を向上させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1〜図3は第1の実施形態を示し、粘着シート1は、粘着剤をコーティングしている粘着シート本体2と、この粘着シート本体2の粘着剤面に剥離自在に貼っている剥離シート3とで構成されている。
【0020】
図3は粘着シート1の要部拡大断面図を示し、この粘着シート1の粘着シート本体2は、ベースシート4と、このベースシート4の一面に略全面にわたって粘着剤5を塗布(コーティング)した粘着剤層6とで構成されている。
粘着シート本体2のベースシート4の材料としては、例えば、紙材、不織布、繊維製品、合成樹脂製のフィルムなどであり、材料は特に限定されるものではなく、どのような物でも良い。
【0021】
上記粘着剤層6の粘着剤5は、昭和高分子株式会社製の水性アクリル系樹脂(PSASE6210)、または林化学工業株式会社製の再剥離型アクリル系水性粘着剤(品名:ユニゾール RS−200)を用いている。本発明の目的を達成するのに、この2つの粘着剤5が最も好適例である。しかし、種々実験をした結果、後者の方が後述する性能が良かった。
【0022】
上記の林化学工業株式会社製の再剥離型アクリル系水性粘着剤(品名:ユニゾール RS−200)の性状は、以下のとおりである。
▲1▼ 外観:乳白色粘稠液
▲2▼ 組成:アクリル樹脂の調製品
▲3▼ 粘度:コーティング用に調整
▲4▼ イオン性:アニオン
▲5▼ pH:中性(7±2)
▲6▼ 溶媒:水を含有 〜70%
【0023】
粘着シート1の剥離シート3は、従来とは異なり離けい剤をコーティングしていないものであり、材料としては、再生紙やクラフト紙を採用している。そして、離けい剤を塗布していないので、粘着シート本体2から剥離した剥離シート3をリサイクル可能とし、剥離シート3自体のコストを安価にし、粘着シート1自体を低価格化している。
【0024】
粘着シート1の使用前の形態では、一般の粘着シートの場合と同様に粘着シート本体2の粘着面7に剥離シート3が剥離自在に接着されている。そして、使用する場合には、図2に示すように、剥離シート3を粘着面7から剥がしていき、粘着シート本体2の粘着面7を所望の箇所に貼り付ける。
【0025】
本発明の粘着シート本体2の粘着剤5は上述した粘着剤を使用しているので、永久接着などのような強固な接着が求められない場合に好適例であり、ガラス、布、木、ステンレス、タイルなどの殆どのものに接着できる。
【0026】
また、上記の粘着剤5を粘着剤層6として使用していることで、粘着剤5をベースシート4に一度コーティングし、乾燥、成膜させると、コーティングした粘着樹脂(粘着剤5)は、被接着面には100%移行しないことを発明者が発見したものである。
そのため、粘着シート本体2の粘着面7から剥離した剥離シート3の面には、粘着剤5が一切残っておらず、剥離シート3のリサイクル化を容易にしている。また、被接着面に粘着シート本体2を接着させた後に、粘着シート本体2を被接着面から剥がした場合でも、被接着面には粘着シート本体2の粘着剤5が残っておらず、粘着シート本体2を剥がした後の被接着面は綺麗な状態となっている。さらに、実験結果では、粘着シート本体2は、10回以上の再剥離、再接着が可能であった。
【0027】
また、被接着面から剥がした後の粘着シート本体2の粘着面7には、一般のコピー用紙のような紙を貼っておいても、粘着シート本体2を被接着面に再接着を行なう場合でも、紙を粘着面7から剥がしても、紙が粘着面7に貼りついて該紙が破けることもなく、しかも、粘着剤5が紙に残るということも実験結果から確認することが出来た。
【0028】
(第2の実施の形態)
先の実施形態では、剥離シート3が粘着シート本体2の粘着面7に全面にわたって粘着しているので、剥離シート3を剥がすのに少し力がいる恐れがある。そこで、この実施形態では、図4に示すように、粘着シート本体2の粘着面7に粘着される剥離シート3の面に凹凸面10を施したものである。
この凹凸面10は、例えば、CM型や絹目型等のエムボス加工を行なうことで、形成している。これにより、粘着シート本体2の粘着面7と剥離シート3との接着面積が小さくなって、粘着シート本体2から剥離シート3を剥がす場合の離けい性を向上させることができる。
【0029】
(第3の実施の形態)
次に、図5及び図6により第3の実施形態を説明する。上述したように、粘着剤5をベースシート4の面に一度コーティングし、乾燥、成膜させると、コート面の粘着樹脂は他面に100%移行しないことを発見したので、両粘着シート本体2ともフラットなものであれば、粘着面7同士を貼合しても、互いの粘着シート本体2同士の剥離性は少し劣るものの剥離は可能であり、接着効果も全く変わらないことを発見した。
【0030】
すなわち、この実施形態では、先の実施形態とは異なり、剥離シート3を使用しない粘着シート1としたものである。なお、粘着シート本体2を構成しているベースシート4や粘着剤5は先の実施形態と同じである。
図5及び図6に示すように、粘着シート本体2の粘着面7同士を接着させることで、2枚の粘着シート本体2で構成される粘着シート1の表面はベースシート4の面となり、粘着面7は外部には露出せず、ベースシート4が剥離シートの機能を持つことになり、不用意に他面に接着することはない。
【0031】
また、剥離シートが不要となるので、その分価格を安価にすることができ、しかも、1枚の大きさの粘着シート1で、2枚分の粘着シート本体2とすることができる。剥がした一方の粘着シート本体2を使用し、使用しない他方の粘着シート本体2の粘着面7には、コピー用紙などの身近にある紙を剥離シートの変わりとして貼合しておくことで、粘着面7が不用意に他に接着することもない。
【0032】
(第4の実施の形態)
先の第3の実施形態では、粘着シート本体2の粘着面7同士が全面にわたって接着しているので、粘着シート本体2を剥がしにくい恐れがある。そこで、この実施形態では図7〜図9に示すように、粘着シート本体2を製造する際に、両粘着シート本体2に粘着剤5を、例えば、ストライプ模様に塗布し、両粘着シート本体2を貼り合わせた時に粘着剤5(粘着面7)同士が接着しないようにしておくことで、剥離性の悪さを解消することができる。
【0033】
すなわち、一方の粘着シート本体2には粘着剤5を所定の間隔毎(例えば、10mm毎)にコーティングし、他方の粘着シート本体2には粘着剤5を一方の粘着シート本体2の粘着剤5とは重ならないように、同様にして所定の間隔毎(例えば、10mm毎)にコーティングする。図8及び図9に示すように、両粘着シート本体2を貼り合わせた場合には、両粘着シート本体2の粘着剤5が互いにずれた状態となり、粘着剤5の粘着面7は他方の粘着シート本体2のベースシート4の面に接着し、粘着面7同士は接着しないようにしている。
これにより、粘着シート本体2を剥がす場合には、粘着面7同士が接着していないので、粘着シート本体2を容易に剥がすことができ、剥離性を向上させることができる。なお、粘着面7の幅は、例えば8mm〜9mm程度しているが、任意の幅寸法で良いのはもちろんである。
【0034】
なお、粘着剤5をベースシート4の面にコーティングする模様はストライプ模様に限らず、互いの粘着剤5の粘着面7同士が接着しないような構成であればどのような形状でも良い。
図10はその一例を示し、粘着剤5を矩形状にコーティングし、それを多数設けたものであり、他方の粘着シート本体2には、一方の粘着剤5(粘着面7)とはずらした状態で粘着剤5をコーティングしたものである。図11は、粘着面7の形状を円形とした場合であり、両粘着シート本体2の粘着剤5の粘着面7は、互いに接着しないようにしている。これにより、両粘着シート本体2を容易に剥離することができる。なお、粘着シート1の展開図を示す図10及び図11において、実線で示す粘着剤5は一方の粘着シート本体2側を示し、破線で示す粘着剤5は他方の粘着シート本体2側を示すものである。
【0035】
この実施形態では、粘着剤層6が互いに接着しないようにずらしてベースシート4に成膜しているので、2枚の粘着シート本体2を形成しているにも関わらず、ほぼ1枚分の粘着剤5の量ですみ、粘着シート本体2を安価に製造することができる。
【0036】
(第5の実施の形態)
次に、第5の実施形態を図12及び図13により説明する。本実施形態では、1枚のベースシート4の両面に全面にわたって粘着剤5をそれぞれコーティングし、両面に粘着面7を形成した粘着シート本体2としたものである。そして、両面の粘着面7にはそれぞれ剥離シート3を剥離自在に接着して粘着シート1を構成している。
この実施形態におけるベースシート4、粘着剤5、剥離シート3は先の実施形態と同じものを用いている。この粘着シート1は、両面の粘着機能を発揮することができ、例えば、玄関マットや台所マットの滑り止め防止用として用いることができる。
【0037】
すなわち、粘着シート1の両面の剥離シート3をそれぞれ剥離し、粘着シート本体2の下面の粘着面7を床面に接着し、上面の粘着面7に玄関マットや台所マットを接着させることで、玄関マットや台所マットを確実に固定することができる。
また、玄関マットや台所マットを選択する場合に、玄関マットや台所マットを粘着シート本体2から剥がしても、粘着シート本体2の粘着剤5が玄関マットや台所マットには移行しないので、汚れだけを落とすことができる。さらに、粘着シート本体2は、再剥離、再接着が何回も可能なため、玄関マットや台所マットを何回も選択して、再使用が可能となる。
【0038】
図14は、粘着シート本体2の粘着面7に接着している剥離シート3の面に先の実施形態と同様な方法で凹凸面10を形成したものであり、剥離シート3の剥離性を向上させることができる。
【0039】
図15は、上記各実施形態の粘着シート本体2を形成すべく、ベースシート4の面に粘着剤5をコーティングする場合の製法の一例を示すものである。連続して移送されるベースシート4の上面に、粘着剤5を塗布した回転自在なローラ15にてコーティングしていき、次工程の乾燥装置20にて、粘着剤5を乾燥させてベースシート4の面に粘着剤層6を成膜するものである。
なお、ベースシート4の両面に粘着剤5をコーティングする場合には、ベースシート4の上下からローラ15を配置して粘着剤5をコーティングする。
【0040】
ここで、ベースシート4への粘着剤5の塗布方法は以下のような条件を行なっている。
粘着剤5の塗布量:10g〜20g/m2
塗布速度:20m〜50m/毎分
乾燥装置20における温度:100℃〜150℃
そして、粘着剤5の塗布量が多いほど、接着強度は上がった。また、乾燥温度が高いほど、接着強度を上げることができた。なお、粘着剤5を連続的に移行した乾燥させない場合では、乾燥装置20内で、温度を130℃で30秒くらいの工程で乾燥させるようにしても良い。
【0041】
なお、粘着剤5の塗布量は、17〜18g/m2 が好適例であるが、被接着面が凹凸状となっている場合には、凹凸具合に応じて20g/m2 以上の粘着剤5をベースシート4の面にコーティングするようにしても良い。
【0042】
また、粘着剤5に該粘着剤5の総量に対して1〜2%の撥水剤を混入(添加)させることで、粘着シート本体2の耐水性を向上させることができた。
【0043】
このように、本発明の粘着シート1の用途して、ラベル、ポスター、カレンダー、型紙の固定用、アルミてんぷらガード、台所用品など多方面に活用できるものである。また、両面に粘着剤層6を設けた場合には、上述したように玄関マットや台所マット用として活用することができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載の粘着シートによれば、剥離シートには離けい剤を使用せず紙シートを用いているので、剥離シートを安価にでき、粘着シート本体から剥離した剥離シートのリサイクル化も可能となり、また、粘着剤が被接着面に移行せず、再剥離、再接着が可能なため、強固な接着が求められない場合には好適例であり、ガラス、布、木、ステンレス、タイルなどのほとんどのものに接着でき、安価な粘着シートを提供することができる。また、この粘着シートの用途として、ラベル、ポスター、カレンダー、型紙の固定用、アルミてんぷらガード、台所用品など、多方面に活用できるものである。
【0045】
請求項2記載の粘着シートによれば、前記剥離シートの貼合面に凹凸面を形成しているので、粘着シート本体からの剥離シートの離けい性を向上させることができる。
【0046】
請求項3記載の粘着シートによれば、剥離シートを全く使用しない粘着シートを提供でき、安価な粘着シートを提供することができる。また、剥がした粘着シート本体であって使用しない粘着シート本体は、粘着剤層の粘着面にコピー用紙などの一般の紙を貼合しておくことで、不用意に他の箇所に接着することもなく、また、該紙を粘着面から剥離しても、粘着剤は紙に移行せず、粘着シート本体を使用することができる。さらには、請求項1で述べた作用効果も発揮するものである。
【0047】
請求項4記載の粘着シートによれば、2枚の粘着シート本体を形成しているにも関わらず、ほぼ1枚分の粘着剤の量ですみ、粘着シート本体を安価に製造することができる。
【0048】
請求項5記載の粘着シートによれば、一方の粘着シート本体のベースシートの面には所定の間隔毎に粘着剤層をストライプ状に形成し、他方の粘着シート本体のベースシートの面には前記粘着剤層とは重ならないように所定の間隔毎に粘着剤層を形成していることで、ベースシートに粘着剤をコーティングする場合にも容易にでき、しかも、2枚の粘着シート本体を形成しているにも関わらず、ほぼ1枚分の粘着剤の量ですみ、粘着シート本体を安価に製造することができる。
【0049】
請求項6記載の粘着シートによれば、紙材、合成樹脂製のフィルム、不織布などからなるベースシートの両方の面に被接着面に粘着剤が移行せず再剥離、再接着が可能な該粘着剤をそれぞれコーティングして粘着剤層を両面に設けた粘着シート本体と、この粘着シート本体の両面の粘着剤層の粘着面に離けい剤を塗布していない紙シートからなり剥離自在にそれぞれ貼合している剥離シートとで構成されているので、粘着シート本体の両面の粘着剤層により、例えば、玄関マットや台所マットなどに使用でき、滑り防止を確実に行なうことができる。
【0050】
請求項7記載の粘着シートによれば、前記剥離シートの貼合面に凹凸面を形成しているので、粘着シート本体からの剥離シートの離けい性を向上させることができる。
【0051】
また、請求項8記載の粘着シートによれば、前記粘着剤の総量に対して1〜2%の撥水剤を添加しているので、粘着シート本体の耐水性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における粘着シートの分解斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における粘着シートの斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における粘着シートの要部拡大断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における粘着シートの要部拡大断面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態における粘着シートの分解斜視図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態における粘着シートの要部拡大断面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態における粘着シートの展開図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態における粘着シートの要部拡大断面図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態における粘着シートの要部拡大断面図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態における粘着シートの他の例の説明図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態における粘着シートのさらに他の例の説明図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態における粘着シートの要部拡大断面図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態における粘着シートの要部拡大断面図である。
【図14】本発明の第5の実施の形態における粘着シートの要部拡大断面図である。
【図15】本発明の実施の形態における粘着剤をベースシートに塗布する場合の製法を示す図である。
【符号の説明】
1 粘着シート
2 粘着シート本体
3 剥離シート
4 ベースシート
5 粘着剤
6 粘着剤層
7 粘着面
10 凹凸面
20 乾燥装置
Claims (8)
- 紙材、合成樹脂製のフィルム、不織布などからなるベースシート(4)の一方の面に被接着面に粘着剤(5)が移行せず再剥離、再接着が可能な該粘着剤(5)をコーティングして粘着剤層(6)を設けた粘着シート本体(2)と、この粘着シート本体(2)の粘着剤層(6)の粘着面(7)に離けい剤を塗布していない紙シートからなり剥離自在に貼合している剥離シート(3)とで構成されていることを特徴とする粘着シート。
- 前記剥離シート(3)の貼合面に凹凸面(10)を形成していることを特徴とする請求項1記載の粘着シート。
- 紙材、合成樹脂製のフィルム、不織布などからなるベースシート(4)の一方の面に被接着面に粘着剤(5)が移行せず再剥離、再接着が可能な該粘着剤(5)をコーティングして粘着剤層(6)を設けた粘着シート本体(2)を2枚形成し、両粘着シート本体(2)の粘着剤層(6)の粘着面(7)同士を貼合していることを特徴とする粘着シート。
- 紙材、合成樹脂製のフィルム、不織布などからなるベースシート(4)の一方の面に被接着面に粘着剤(5)が移行せず再剥離、再接着が可能な該粘着剤(5)をコーティングして粘着剤層(6)を設けた粘着シート本体(2)を2枚形成し、両粘着シート本体(2)のベースシート(4)の面に形成した粘着剤層(6)は互いに重ならないようにずらして形成し、前記粘着剤層(6)を介して2枚の粘着シート本体(2)を貼合していることを特徴とする粘着シート。
- 一方の粘着シート本体(2)のベースシート(4)の面には所定の間隔毎に粘着剤層(6)をストライプ状に形成し、他方の粘着シート本体(2)のベースシート(4)の面には前記粘着剤層(6)とは重ならないように所定の間隔毎に粘着剤層(6)を形成していることを特徴とする請求項4に記載の粘着シート。
- 紙材、合成樹脂製のフィルム、不織布などからなるベースシート(4)の両方の面に被接着面に粘着剤(5)が移行せず再剥離、再接着が可能な該粘着剤(5)をそれぞれコーティングして粘着剤層(6)を両面に設けた粘着シート本体(2)と、この粘着シート本体(2)の両面の粘着剤層(6)の粘着面(7)に離けい剤を塗布していない紙シートからなり剥離自在にそれぞれ貼合している剥離シート(3)とで構成されていることを特徴とする粘着シート。
- 前記剥離シート(3)の貼合面に凹凸面(10)を形成していることを特徴とする請求項6記載の粘着シート。
- 前記粘着剤(5)の総量に対して1〜2%の撥水剤を添加していることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の粘着シート。
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JP2006169716A (ja) * | 2004-12-13 | 2006-06-29 | Suzuko Seisakusho:Kk | 防水シート |
-
2003
- 2003-01-27 JP JP2003017110A patent/JP2004224997A/ja not_active Withdrawn
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Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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