JP2004224905A - 金属包装体用塗料及びその塗料を用いた金属包装体 - Google Patents

金属包装体用塗料及びその塗料を用いた金属包装体 Download PDF

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俊典 森賀
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Abstract

【課題】環境性、安全性に優れていると共に、フレーバー収着性に顕著に優れた金属包装体用塗料、及びかかる塗料から成り塗膜特性に優れた塗膜が形成された金属包装体を提供することである。
【解決手段】下記式(1)で表される溶解度パラメータδが24.6〜35MPa1/2の範囲にある塗料用樹脂から成ることを特徴とするフレーバー収着性に優れた金属包装体用塗料。
δ={Σ(xi・ΣEj)/Σ(xi・ΣVj)}1/2 …(1)
式中、xiは各モノマー単位のモル分率、Ejは原子団凝集エネルギー密度
(J/mol)、Vjは原子団モル体積(cm/mol)を示す。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属包装体用塗料及びこの金属包装体用塗料を塗装して成る金属包装体に関し、より詳細には、フレーバー収着性に顕著に優れていると共に、環境性、衛生性に優れた金属包装体用塗料及び金属包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】
缶等の金属包装体に適用される塗料は、金属素材の腐食を防止することを目的として使用され、加工性や金属に対する塗膜密着性などが要求されている。特に缶内面に使用される塗料は、加工性など以外にも内容物の風味やフレーバーを損なうことがないこと、毒性がないこと、塗料成分の溶出がないこと等が要求される。
従来、缶用塗料としては、エポキシ−フェノール系塗料、エポキシ−アミノ系塗料、エポキシ−アクリル系塗料等のエポキシ系塗料や塩化ビニル系塗料が広く使用されているが、エポキシ系塗料は環境ホルモンであるビスフェノールAを使用するものが多く、また塩化ビニル系塗料においては安定剤の問題や焼却時にダイオキシンが発生する問題があり、特に缶内面に用いる塗料においては、これらの物質を含有しない塗料が望まれている。
【0003】
上記物質を含有しない缶用塗料としては、金属との接着性に優れ、焼却時に有毒な腐食ガスを発生しないポリエステル系塗料やアクリル系塗料が使用されている。
ポリエステル系塗料としては、例えば、特許文献1には、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸80〜100モル%及びテレフタル酸以外のジカルボン酸20〜0モル%から成り、グリコール成分としてプロピレングリコール60〜100モル%及びプロピレングリコール以外のグリコール40〜0モル%から成る還元粘度0.4以上のポリエステルであることを特徴とする金属缶内面コーティング材が記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特公昭60−36548号
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの塗料においては、内容物のフレーバー成分を塗膜が吸着してしまうため、内容物が有するフレーバー特性が顕著に損なわれるという問題がある。すなわち、一般に飲料等におけるフレーバー成分は疎水性溶剤と同様の成分であるため上記塗料中のポリマー成分と相溶し、これによりフレーバー成分は塗膜中に吸着されてしまい、その結果内容物の香りが喪失してしまい、内容物の風味に劣るようになるのである。
またこのようなフレーバー成分の吸着は、ポリマーを膨潤させてしまうため、塗膜密着性や加工性等の塗膜特性をも損なうおそれがあり、上述したようなフレーバー特性と共に、このような塗膜特性を満足し得る塗料は、従来はエポキシ系塗料しかなく、エポキシ系塗料以外でこのような特性を満足し得る塗料が望まれている。
【0006】
従って本発明の目的は、環境性、安全性に優れていると共に、フレーバー収着性に顕著に優れた金属包装体用塗料、及びかかる塗料から成り塗膜特性に優れた塗膜が形成された金属包装体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、下記式(1)
δ={Σ(xi・ΣEj)/Σ(xi・ΣVj)}1/2 …(1)
式中、xiは各モノマー単位のモル分率、Ejは原子団凝集エネルギー密度(J/mol)、Vjは原子団モル体積(cm/mol)を示す。
で表される溶解度パラメータδが24.6〜35MPa1/2の範囲にある塗料用樹脂から成ることを特徴とするフレーバー収着性に優れた金属包装体用塗料が提供される。尚、上記式(1)中の原子団凝集エネルギー密度Ej(J/mol)及び原子団モル体積Vj(cm/mol)は原子団ごとに固有の値であり、参考のため表1に示す。
【0008】
【表1】
Figure 2004224905
【0009】
本発明の金属包装体用塗料においては、
1.塗料用樹脂がアクリル樹脂又はアクリル変性ポリエステル樹脂であること、
2.アクリル樹脂又は変性ポリエステル樹脂が、アクリル酸、メタクリル酸の少なくとも1種以上を含有してなること、
が好ましい。
本発明によればまた、上記金属包装体用塗料を塗装して成る金属包装体であって、塗膜に対する水の接触角が70度以下であることを特徴とするフレーバー収着性に優れた金属包装体が提供される。
【0010】
【発明の実施形態】
本発明の金属包装体用塗料においては、下記式(1)
δ={Σ(xi・ΣEj)/Σ(xi・ΣVj)}1/2 …(1)
式中、xiは各モノマー単位のモル分率、Ejは表1に示す原子団凝集エネルギー密度(J/mol)、Vjは表1に示す原子団モル体積(cm/mol)を示す。
で表される溶解度パラメータδが24.6〜35MPa1/2の範囲にある塗料用樹脂から成ることが重要な特徴である。
本発明の金属包装体用塗料においては、内容物中のフレーバー成分の塗膜への吸着を防止するために、フレーバー成分が疎水性、揮発性を有し、溶媒と同様の成分として考えられることから、ポリマーと溶媒の関係についての熱力学的考察を行うことによって、フレーバー成分の溶解度パラメータを求め、このフレーバー成分の溶解度パラメータの範囲を外した溶解度パラメータの範囲を有する樹脂から成る塗料にすることによって、フレーバー成分の吸着を防止して、フレーバー収着性を向上させるものである。
【0011】
すなわち、ポリマー溶液の熱力学を用いてフレーバー成分の微分分子希釈自由エネルギーΔGを表すと、下記式(2)
ΔG=RT[ln(1−v)+(1−1/x)v+χv ] …(2)
式中、R:気体定数、T:絶対温度、v:ポリマーの体積分率、x:フレーバー成分とポリマーの分子体積比(x=1000)、χ:ポリマーとフレーバー成分間の相互作用パラメータ
のように表すことができ、かかる微分分子希釈自由エネルギーΔGが負(ΔG<0)であれば、ポリマー中へのフレーバー成分の膨潤・溶解が進行すると考えられることから、ΔG>0となるように、ポリマーとフレーバー成分間の相互作用パラメータχを設定することによりフレーバー成分の塗膜中への移行が防止される。
図1は、ポリマーとフレーバー成分間の相互作用パラメータχを1〜6まで変化させた場合のポリマーの体積分率vと微分分子希釈自由エネルギーΔGとの関係を示す図である。この図1から明らかなように、χ=5のとき0.5%の吸着が生じ、χ=6では吸着が生じていないことから、χ≧5であることが吸着を抑制する上で好ましいことが理解される。
【0012】
一方、ポリマーとフレーバー成分間の相互作用パラメータχは、溶解度パラメータδと下記式(3)の関係にある。
χ=V(δ−δ/RT+0.34 …(3)
式中、V:フレーバー成分のモル体積、δ:フレーバー成分の溶解度パラメータ、δ:ポリマーの溶解度パラメータ
内容物のフレーバー成分は分かっており、フレーバー成分としてデカン酸エチルを選択した場合、上記式(3)においてV=232.4cm/mol、δ=17.7MPa1/2の値が既知であり、この値を用いて上記式(3)からδとχの関係を求めたのが図2である。この図2からχ≧5となるのは、δ≧24.6であることから、溶解度パラメータ24.6以上の樹脂から成ることにより、フレーバー成分の吸着が有効に抑制された塗料とすることが可能になるのである。
フレーバー成分として特にデカン酸エチルを選択する理由は、疎水性が強く内容物の大部分を占める水との相互作用を考慮する必要が小さいためである。経験的にも塗膜に最も収着されやすいことがわかっており、さらに、香気感の閾値が著しく小さく、その量の増減が人間に知覚されやすい物質であること、にもよる。(リナロール等のフレーバー成分では、水との相互作用が大きく、水中にある程度安定に存在できるため、フレーバー成分、水、高分子の3成分系での理論的整理が必要となり、前記理論とのずれが大きくなると考えられる。)
一方、樹脂の溶解度パラメータがある値を超えて大きくなると水に対する溶解・膨潤性が大きくなり、塗膜の耐水性が問題となるようになる。耐水性の観点からは、樹脂の水に対する膨潤性は15%以下に押さえることが好ましく、前記式(2)からχ≧1.5である必要を生じる。水に対しては、前記式(3)においてV=18cm/mol、δ=47.9MPa1/2の値が既知であり、χ≧1.5となるのは、δ≦35であることから、溶解度パラメータ35以下の樹脂から成ることにより、耐水性を有する塗料とすることが可能になるのである。
【0013】
本発明においては、金属包装体用塗料を構成する塗料用樹脂が有すべき溶解度パラメータが24.6〜35MPa1/2の範囲、特に25〜30MPa1/2の範囲にあることが特に重要である。すなわち上述したように、塗料用樹脂が有すべき溶解度パラメータは内容物のフレーバー成分の溶解度パラメータとの関係があるため、フレーバー成分として考えられる種々の成分について実験を行った結果、後述する実施例から明らかなように、溶解度パラメータが24.6MPa1/2よりも小さい場合には、いずれのフレーバー成分に対してもフレーバー収着性に劣っており(比較例1〜5)、一方、溶解度パラメータが35MPa1/2よりも大きい場合には、内容物の水分を吸収するようになってしまい、包装体用塗料として実用に供しないようになる(比較例6)。
これに対し、溶解度パラメータが24.6〜35MPa1/2の範囲にある塗料用樹脂から成る実施例は、フレーバー収着性に優れているだけでなく、塗膜の硬化性、耐湿熱性、密着性、加工性等の塗膜特性にも優れていることが明らかである。
【0014】
[金属包装体用塗料]
本発明の金属包装体用塗料に用いる塗料用樹脂としては、溶解度パラメータが上述した範囲にある限り、従来公知の塗料用樹脂を用いることができるが、環境性、安全性の他、塗膜密着性や加工性等の塗膜特性の見地から、アクリル樹脂乃至アクリル変性ポリエステル樹脂であることが特に好ましい。また、本発明の金属包装体用塗料は、上記アクリル樹脂乃至アクリル変性ポリエステル樹脂を溶剤型塗料乃至水性塗料として用いることができるが、環境性、安全性の見地からは、水性塗料とすることが特に好ましい。
【0015】
(アクリル樹脂)
アクリル樹脂を構成する不飽和単量体としては以下のものが挙げられる。
溶解度パラメータを増大させる傾向を有する極性基含有単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸等のα,β−不飽和カルボン酸、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸等の不飽和カルボン酸、また無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸等のα,β不飽和カルボン酸無水物、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物等の不飽和カルボン酸の無水物、メチロールアクリルアミド、ブトキシメチルメチルアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド乃至そのN−メチロール化物等の機能誘導体、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル等の水酸基含有単量体等を挙げることができる。この中でも特に、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メチロールアクリルアミドを好適に用いることができる。
【0016】
溶解度パラメータを減少させる傾向を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル等の(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体等を挙げることができる。中でもアクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、スチレンを好適に用いることができる。
表1に示すEj及びVjから各モノマー単位の溶解度パラメータを計算するとメタクリル酸単位は25.6MPa1/2、アクリル酸は28.7、アクリルアミドは39.3、メチロールアクリルアミドは38.9、メタクリル酸メチルは20.3、アクリル酸エチルは20.9、スチレンは21.6MPa1/2となる。溶解度パラメータが24.7MPa1/2以上、35MPa1/2以下となるように各モノマー単位を組み合わせることでフレーバー収着性に優れたアクリル樹脂を構成することができる。
【0017】
アクリル樹脂の合成には通常のラジカル重合法を用いれば良く、有機溶剤乃至水を媒体として溶液重合、乳化重合、又は懸濁重合等を行うことで合成することができる。モノマー成分100重量部に対して0.5乃至7重量部程度の過酸化ベンゾイル等のラジカル重合開始剤などの存在の下、50乃至130℃で1乃至4時間重合を行うことにより合成される。
アクリル樹脂は水酸基、メチロール基、アミノ基、カルボキシル基等の架橋性官能基を導入して自己硬化性として単独で使用することが可能であるし、後述するフェノール樹脂、アミノ樹脂等の熱硬化性樹脂と組み合わせて使用することも可能である。自己硬化性とするためには、アクリル樹脂100g当たり60mmol以上、特に90mmol以上の架橋性官能基を含有していることが、架橋による網目構造の形成による塗膜硬化を促進させ、硬化に伴う分子量を増大させることができる点で好ましい。
また、上記アクリル樹脂は後述するポリエステル樹脂と組み合わせて使用することが可能であり、ポリエステル樹脂の変性剤としても使用できる。ポリエステル樹脂の溶解度パラメータは一般的に22〜24MPa1/2と低めであり、溶解度パラメータの大きなアクリル樹脂で変性することにより容易にポリエステル樹脂の溶解度パラメータを高め、フレーバー収着性を抑制することが可能となる。
【0018】
(アクリル変性ポリエステル樹脂)
アクリル変性ポリエステル樹脂を構成するポリエステル樹脂について以下に説明する。
ポリエステル樹脂を構成するポリカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸や、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸、また1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸等を挙げることができる。
またポリアルコールとしては、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタジオール等の他、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、p−キシリレングリコール等の脂環族ポリアルコールや1,2−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルアルコール等の側鎖を有するポリアルコールなどを挙げることができる。
また、3官能以上のポリカルボン酸又はポリオールを共重合することもでき、3官能以上のポリカルボン酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物等を挙げることができ、3官能以上のポリオールとしては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等を挙げることができる。
ビスヒドロキシフェニルペンタノイック酸等のジフェノール酸、安息香酸等の一塩基酸もポリエステル樹脂の成分として使用することができる。
【0019】
ポリエステル樹脂は、3000乃至30000、特に5000乃至10000の数平均分子量(Mn)、30℃以上、特に40〜65℃のガラス転移点(Tg)を有することが好ましい。
ポリエステル樹脂の酸価には別に制約はないが、ポリエステル樹脂を水性化する場合には、酸価が10mgKOH/g以上あることが好ましい。
すなわち、ポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)が上記範囲を下回ると、加熱殺菌に必要な耐湿熱性が低下する傾向があると共に、腐食成分に対するバリヤー性が低下し、缶等の金属包装体の耐腐食性が不十分なものとなる。
また、ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)が上記範囲を下回ると、上記範囲内にある場合に比して、硬化性、耐湿熱性、加工性、耐デント性、溶出性が低下し、一方上記範囲を上回ると、上記範囲にある場合に比して、塗料粘度が著しく高くなり塗装作業性に劣るようになり、適正な塗膜を形成することが困難になる。
ポリエステル樹脂は、エステル交換法や直接エステル化法による通常の高分子量ポリエステルの製造方法により製造される。ただし食品用途に使用される場合には、衛生上問題となる重金属や化合物を触媒、添加剤として使用することは避けるべきである。
【0020】
上述したポリエステル樹脂の中でも、本発明においては、テレフタル酸又はイソフタル酸の少なくとも1種から成るジカルボン酸成分とポリオール成分からなる芳香族ポリエステル樹脂を用いることが特に好ましい。
最も好適には、テレフタル酸が80乃至20モル%、イソフタル酸が20乃至80モル%から成るジカルボン酸成分と、エチレングリコール乃至ブチレングリコールが40乃至80モル%、CHDMが60乃至20モル%から成るポリオール成分からなる芳香族ポリエステル樹脂が好ましい。
表1に示すEj及びVjから芳香族ポリエステル樹脂の溶解度パラメータを計算すると、一般に23.5乃至24.5MPa1/2の範囲に溶解度パラメータが分布しており、ポリエステル樹脂単独ではフレーバー収着性に優れた塗膜を得るのが困難であることがわかる。参考として、テレフタル酸乃至イソフタル酸とエチレングリコールからなるセグメント単位が25.4MPa1/2、テレフタル酸乃至イソフタル酸とプロピレングリコールからなるセグメント単位が24.3、テレフタル酸乃至イソフタル酸とCHDMからなるセグメント単位が23.9、テレフタル酸乃至イソフタル酸とブチレングリコールからなるセグメント単位が23.5MPa1/2となる溶解度パラメータを有することを示す。塗料用の芳香族ポリエステル樹脂は、通常これらのセグメントの混合組成となるので、上記範囲の溶解度パラメータを有することが理解される。
【0021】
アクリル変性ポリエステル樹脂を得る方法としては、以下の(1)から(3)の変性法が一般的であるが、これに制限されるものではない。
ポリエステル樹脂のアクリル変性は、(1)不飽和カルボン酸乃至その無水物を必須成分とする単量体のグラフト変性、(2)カルボキシル基含有アクリル樹脂をポリエステル樹脂末端に結合させること、(3)ポリエステル樹脂とカルボキシル基含有アクリル樹脂との混合、によって行うことができる。
【0022】
(1)不飽和カルボン酸乃至その無水物を必須成分とする単量体のグラフト変性によるアクリル変性
ポリエステル樹脂の存在下に、不飽和カルボン酸乃至その無水物を必須成分とする単量体をラジカル重合させて、ポリエステル樹脂をアクリル変性することが可能である。用いる単量体としては、アクリル樹脂のところで前述したものを使用すればよい。
アクリル系単量体のポリエステル樹脂へのグラフト重合は、下記の有機溶媒中で、不活性雰囲気下に、5〜15重量%の過酸化物ベンゾイル等の有機過酸化物開始剤の存在下に100乃至130℃の反応温度で行う。アクリル系単量体及び開始剤は有機溶媒中に溶解した状態で反応系に添加することができ、反応系を不活性雰囲気に維持するために、窒素ガスを用いることができる。
【0023】
重合反応は無溶剤下で行うことも可能であるが、一般には、溶剤の存在下に行うのがよい。重合に用いる好適な溶剤は、例えばグリコールエーテル、アルコール、ケトン、アセテート、芳香族炭化水素、及びこれらのあらゆる組み合わせを含む。
ポリエステル樹脂のアクリル系単量体によるグラフト変性を容易、確実に行わせるためには、ポリエステル樹脂に不飽和基を導入することが好ましい。
不飽和基を導入したポリエステル樹脂を用いる場合は、アクリル系単量体のグラフト重合時の開始剤は過酸化物に限定されることなく、アゾ系開始剤等の一般的ラジカル重合開始剤を使用することができる。
アクリル変性ポリエステル樹脂の溶解度パラメータが24.7乃至35MPa1/2の範囲内となるように上述のアクリル単量体を選定して使用することが重要であり、アクリル変性ポリエステル樹脂の酸価としては、30乃至600、特に100乃至500mgKOH/gの範囲にあることがフレーバー収着性の観点から好ましい。
【0024】
(2)カルボキシル基含有アクリル樹脂のポリエステル樹脂末端への結合によるアクリル変性
ポリエステル樹脂の末端にカルボキシル基含有アクリル樹脂を結合させることにより、ポリエステル樹脂をアクリル変性することが可能となる。
カルボキシル基含有アクリル樹脂のポリエステル樹脂末端への結合は、予め合成したアクリル樹脂のカルボキシル基とポリエステル樹脂の末端水酸基とのエステル化反応を利用する等、従来既知の官能基反応を利用して行うことができる。また、ポリイソシアネート等を介在させて行うことも可能であるし、ポリエステル樹脂末端に不飽和結合を導入したマクロモノマーを合成し、これとアクリル単量体とを重合反応を行わせることでも調整できる。
【0025】
用いるカルボキシル基含有アクリル樹脂としては、上述したアクリル系単量体から成るものを好適に使用することができ、1000乃至30000の数平均分子量を有することが好ましい。
ポリエステル樹脂とカルボキシル基含有アクリル樹脂の重量比は、90:10乃至10:90であることが好ましい。アクリル変性ポリエステル樹脂の溶解度パラメータが24.7乃至35MPa1/2の範囲内となるように上記アクリル単量体の種類、量を選定して使用すればよく、アクリル変性ポリエステル樹脂の酸価としては、30乃至600、特に100乃至500mgKOH/gの範囲にあることがフレーバー収着性の観点から好ましい。
【0026】
(3)ポリエステル樹脂とカルボキシル基含有アクリル樹脂との混合によるアクリル変性
上記ポリエステル樹脂と上記アクリル樹脂との単純ブレンドによってアクリル変性を行うことも可能である。この場合もアクリル変性ポリエステル樹脂の溶解度パラメータが24.6乃至35MPa1/2の範囲内となるようにアクリル樹脂の組成、配合量を選定して使用することが重要となる。
ポリエステル樹脂とアクリル樹脂の両者の混合は、溶液同士、分散体同士、溶液と分散体の何れの組合せにおいても行うことができる。
【0027】
(溶剤型塗料)
本発明の金属包装体用塗料においては、上記アクリル樹脂乃至アクリル変性ポリエステル樹脂に、フェノール樹脂、アミノ樹脂等の熱硬化性樹脂を組み合わせて、溶剤型塗料とすることができる。
【0028】
(フェノール樹脂)
フェノール樹脂は、フェノール類とホルムアルデヒド乃至その機能誘導体から誘導される樹脂であるが、フェノール類として石炭酸及び/又はメタクレゾールを主体とするフェノール類、特にレゾール型のフェノール樹脂を用いることが特に好ましい。
石炭酸、メタクレゾール以外のフェノール類としては、特に限定されないが、単環1価フェノール類を好適に用いることができ、例えば、m−エチルフェノール、3,5−キシレノール、m−メトキシフェノール等の3官能性フェノール類;o−クレゾール、p−クレゾール、p−tertブチルフェノール、p−エチルフェノール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール、p−tert−アミルフェノール、p−ノニルフェノール、p−フェニルフェノール、p−シクロヘキシルフェノール等の2官能性フェノール;2,4−キシレノール、2,6−キシレノール等の1官能性フェノール類;を挙げることができる。
【0029】
一方、反応に用いるホルムアルデヒドは一般にホルマリン溶液として入手できるものが使用され、一方ホルムアルデヒドの機能誘導体としては、パラホルムアルデヒド、トリオキサンなどが挙げられる。
【0030】
また、レゾール型フェノール樹脂は、それ自体公知の方法、すなわち、上述したフェノール類とホルムアルデヒドとを塩基性触媒の存在下に反応させることにより得られる。フェノールに対するアルデヒドの使用量には特に制限はなく、従来レゾール型樹脂の製造に使用されている量比で用いることができ、例えばフェノール類1モル当たり1モル以上、特に2乃至6モルの量比のアルデヒドを好適に用いることができるが、1モルよりも少ないアルデヒドを用いても特に不都合はない。
【0031】
また、レゾール型フェノール樹脂のメチロール基をアルキルエーテル化したものを用いることができる。アルキルエーテル化に用いられるアルコールとしては、炭素原子数1〜4個のアルコールを好適に使用することができ、好適なアルコールの例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等を挙げることができる。
レゾール型フェノール樹脂のアルキルエーテル化は、一般にレゾール型フェノール樹脂、アルコール、酸触媒の存在下に100乃至130℃の温度で加熱し、縮合水を除きながら1乃至10時間程度の反応を行えばよい。
本発明に用いるフェノール樹脂は、数平均分子量(Mn)が400乃至2000の範囲に、重量平均分子量(Mw)が900乃至9000の範囲にあることが好ましい。
またレゾール型フェノール樹脂は、ベンゼン環1核当たり0.5乃至3個のメチロール基或いはエーテル化メチロール基を有していることが好ましい。
特に好適なレゾール型フェノール樹脂は、石炭酸及び/またはm−クレゾール1モルに対し、3乃至6モルの過剰のホルムアルデヒドを反応させ、更にアルキルエーテル化した数平均分子量(Mn)が500乃至1500の範囲、ベンゼン環1核当たりのメチロール基乃至エーテル化メチロール基濃度が1.2乃至2.2の範囲にあるレゾール型フェノール樹脂である。
【0032】
フェノール樹脂(B)とアクリル樹脂乃至変性ポリエステル樹脂から成る塗料用樹脂(A)との割合は、A:B=95:5乃至60:40であることが好ましく、塗料用樹脂とフェノール樹脂の相溶性を向上させると共に、良好な網目構造の形成を可能にし、密着性を向上させるために、後述するアミノ樹脂を0乃至10重量%の割合で配合することが好ましい。
【0033】
(アミノ樹脂)
アミノ樹脂は、下記化学式(1)
【化1】
Figure 2004224905
の化合物或いは、下記化学式(2)
【化2】
Figure 2004224905
の化合物と、ホルムアルデヒドとを縮合させることにより得られた樹脂が使用され、特にメタノール、エタノール、n−ブタノール、iso −ブタノール等で、エーテル化したエーテル化アミノ樹脂が好適に使用される。これらのアミノ樹脂はメタノール、ブタノール、キシロール等の溶媒中に溶解させた溶液の形で市販されており、この溶液を添加して塗料の形成に用いる。
【0034】
アミノ樹脂としては、特にベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂をあげることができ、これらを単独で用いてもよいし、またベンゾグアナミン樹脂とメラミン樹脂をブレンドして用いることもできる。
またアミノ樹脂としては、樹脂100グラム当り、塩基性窒素原子濃度が5乃至20グラム原子、特に8乃至17グラム原子で、メチロール基及びエーテル化メチロール基の濃度が0.5乃至1.9ミリモル、特に0.7乃至1.7ミリモルの範囲内にあるものが、前記特性の点で好都合である。
【0035】
アクリル樹脂乃至変性ポリエステル樹脂から成る塗料用樹脂(A)とアミノ樹脂(C)の配合割合は、A:C=95:5乃至60:40の範囲にあることが好ましい。
【0036】
(酸触媒)
アクリル樹脂乃至アクリル変性ポリエステル樹脂と上述した熱硬化性樹脂からなる塗料においては、硬化の目的で、酸触媒を配合することが好ましい。酸触媒が配合されていることにより、硬化性、耐湿熱性等の塗膜性能を焼付け条件に左右されることなく向上させることが可能となる。
酸触媒の配合量は塗膜物性に大きな影響を与え、好適には樹脂成分100重量部当たり0.01乃至0.7重量部、特に0.05乃至0.5重量部の量で含有することが望ましい。酸触媒の量が上記範囲を下回ると、塗膜の耐腐食性や耐熱性が不十分であり、一方酸触媒の量が上記範囲を上回ると、やはり耐腐食性が低下したり、塗膜の加工性が低下したりする傾向がある。
【0037】
熱硬化性樹脂の硬化用酸触媒としては、それ自体公知の酸触媒が使用され、例えばリン酸等の無機酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の有機酸、乃至それらのアミン中和物等が使用される。勿論、これらは単独でも或いは2種以上の組合せでも使用することができる。
【0038】
(溶剤)
溶剤は樹脂成分100重量部当たり180乃至400重量部の量で含有して成ることが好ましい。即ち、溶剤の量が上記範囲を下回ると、塗装作業性が低下したり、或いは密着性や耐腐食性に優れた塗膜を形成させることが困難となる。一方、溶剤の量が上記範囲を上回ると、十分な厚みの塗膜を形成させることが難しくなり、また多量の溶媒を必要とし、塗料の焼き付けにも熱エネルギーを多く必要とするため、経済的に好ましくない。
溶剤としては、前述した樹脂成分を溶解可能なものであれば、それ自体公知の任意のものを用いることができる。以下のものを好適に使用することができるが、勿論この例に限定されない。
イソプロピルアルコール(IPA)、酢酸イソブチル、n−ブタノール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(GIP)、エチレングリコールモノブチルエーテル、メトキシプロピルアセテート、シクロヘキサノン、ソルベッソ100、DBE(二塩基酸エステル)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(BDG)、ブチルジグリコールアセテート等の溶剤で沸点の異なるものを多種混合して使用する。
本発明においては、塗膜にピンホール等の塗膜欠陥が生じないように、沸点の異なる2種以上の溶剤を混合して用いるのが特に好ましい。
【0039】
また塗料粘度としては、#4フォード・カップ粘度(25℃)で15乃至150秒の範囲が好適である。
【0040】
(水性塗料)
本発明の金属包装体用塗料においては、上記アクリル樹脂乃至アクリル変性ポリエステル樹脂を水性塗料として用いることが特に好ましい。
不飽和カルボン酸乃至その無水物を必須成分としたアクリル樹脂は、水を媒体とした溶液重合乃至乳化重合、溶剤中での重合後に媒体を水に転換することによって、容易に水性塗料とすることができる。必要に応じてカルボキシル基を後述の塩基で中和することにより、水性塗料の安定性や粘性・流動性を調整できる。水性塗料は、前述のように架橋性官能基を導入して自己硬化性とすることができるし、フェノール樹脂、アミノ樹脂等の熱硬化性樹脂とアクリル樹脂を前述の範囲で組み合わせて硬化性を付与し使用することができる。
【0041】
アクリル変性ポリエステル樹脂を水性塗料化する方法について以下に説明する。
本発明においては、上記(1)及び(2)により生成されるアクリル変性ポリエステル樹脂を、後述するように、塩基性化合物で中和した後、水を添加して乳化させることによって、アクリル変性ポリエステル樹脂の水分散体を調製する。アクリル変性ポリエステル樹脂中のカルボン酸成分を中和し、自己乳化性の組成物とするために、塩基性の化合物を用いる。塩基性化合物としては、アミン類、例えば、脂肪族、脂環族、芳香族の1級、2級或いは3級アミンを用いることができる。
【0042】
このアミン類の具体例としては、分岐鎖アルキルアミン、例えばイソプロピルアミン、 sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、イソアミルアミン等の炭素数3乃至6、特に炭素数3乃至4の分岐鎖アルキルアミンや、複素環アミン、例えばピロリジン、ピペリジン、モルホリン等の1個の窒素原子を含む飽和複素環アミンや、モノ−、ジ−或いはトリ−エタノールアミン等のアルカノールアミン類が使用される。特に好適なアミンはジメチルエタノールアミンである。
【0043】
中和剤使用量としては、アクリル変性ポリエステル樹脂のカルボン酸の10乃至100モル%、特に好適には20乃至60モル%を中和するのに十分な量を用いる。上記の塩基性化合物は、水溶液として、反応系に添加するのが中和反応の均一性の点で好ましい。
また上記アクリル変性ポリエステル樹脂の塩基性化合物による中和は90乃至120℃の温度域で行うことが好ましいが、溶剤を使用して十分に系を低粘度化できる場合は、上記中和温度範囲に限定されるものでない。
この中和反応により、油中水型エマルジョンが先ず生成し、次いで水を添加することにより行う乳化によって、水中油型エマルジョンへの転相が行われる。
【0044】
乳化は、アクリル変性ポリエステル樹脂の中和物を70乃至95℃の温度に保持しながら、高剪断条件下でアクリル変性ポリエステル樹脂100重量部当たり少なくとも60部の水を毎時10乃至50重量部の速度で継続的に添加することにより、油中水型エマルジョンから水中油型エマルジョンに相転換することが可能となる。これにより溶剤使用量を低減化できるが、溶剤を使用して十分に系を低粘度化できる場合は、上記分散・乳化法に限定されるものでない。
【0045】
上記(3)のポリエステル樹脂とカルボキシル基含有アクリル樹脂との混合物から成るアクリル変性ポリエステル樹脂を相転換中和することによって水性塗料化することが可能である。
ポリエステル樹脂とカルボキシル基含有アクリル樹脂を混合して調製されたものを塩基で中和し、これを上述した油中水型エマルジョンから水中油型エマルジョンへの相転換を行うことによって、直接アクリル変性ポリエステル樹脂の水分散体を調製することができる。
この方法においても、油中水型エマルジョンへの中和及び水中油型エマルジョンへの乳化は、上述した(1)及び(2)により生成されるアクリル変性ポリエステル樹脂の水性塗料化の方法と同様に行うことができる。
また、酸価を10乃至50mgKOH/gとしたポリエステル樹脂は、エチレングリコールモノブチルエーテル等の親水性溶剤を必須成分とした有機溶剤に溶解し、塩基でカルボキシル基を中和して水分散を行うことができるので、水分散後に 上記アクリル樹脂の水分散体と混合して、アクリル変性ポリエステル樹脂とすることができる。
【0046】
上記方法により調製された水分散体に、その後必要に応じて、共溶剤、滑剤、粘度調整剤、レベリング剤、ぬれ改良剤、わき改良剤、その他の添加剤を加え、アミン水や水添加で粘度調整や固形分調整を行ない、脱溶剤をして減溶剤や溶剤入替えを行ってもよい。
アクリル変性ポリエステル樹脂では、通常、フェノール樹脂、アミノ樹脂等の熱硬化性樹脂と組み合わせて使用する。熱硬化性樹脂と変性ポリエステル樹脂の好適な配合範囲は前述の通りである。熱硬化性樹脂の添加は、水分散の前後どちらでもよいが、水性塗料の安定性、硬化性、加工性等の塗膜性能面から水分散前に添加するのが好ましい。
水性塗料は、最終的に、固形分10乃至40%、粘度50乃至1000cps、分散粒子径0.001乃至1μm、溶剤含有量30%以下であることが好ましい。
【0047】
本発明の金属製包装体用塗料においては、従来この種の塗料に用いられている各種の配合剤をそれ自体公知の処方によって配合することができ、例えば酸化チタン等の各種顔料、カルナバワックス、ラノリン等の滑剤、充填剤、艶消し剤、レベリング剤、シリカ、クレイ等の増粘剤等を配合することができる。
また本発明の金属製包装体用塗料は、金属板等に任意の手段、たとえば、浸漬塗り、ローラコート、スプレー塗布、はけ塗り、静電塗装、電着塗装、ワイヤーコート、フローコート、ドクターコート等で塗布することができる。
塗布量としては、10乃至200mg/dm、特に30乃至150mg/dmの塗膜量となるように塗布することが好ましい。
焼き付け条件としては一般的に、150乃至300℃の温度で0.2乃至30分の焼き付けを行うことが好ましい。
上記焼付け条件で塗膜を加熱硬化させて、膜厚にして1乃至20μm、特に3乃至15μmの範囲とすることが好ましい。
【0048】
[金属包装体]
本発明の金属包装体は、上記金属包装体用塗料を金属基体に塗装することによって得られるものである。
使用できる金属基体としては、従来公知のすべての金属基体に使用でき、例えば、ブラックプレート、各種被覆鋼板、例えばスズ、クロム、アルミニウム、亜鉛等を表面にメッキしたメッキ鋼板やその表面をクロム酸及び/又はリン酸等で化学処理乃至は陰極電解処理した鋼板、またアルミニウムの如き軽金属板等を挙げることができる。
本発明の金属包装体は、上記金属基体に前述した塗料から成る塗膜を形成した塗装金属板を、缶胴、缶蓋、キャップ等の所望の包装体形状に従来公知の製法によって形成することによって得ることができる。
また、勿論順序を逆にして、予め形成された缶胴、缶蓋等の金属包装体にスプレー塗装等によって塗布、焼き付けを行うことによって、塗膜を形成することもできる。この塗料はシングルコートとして設けても、或いはダブルコートして設けてもよい。
【0049】
以下に本発明の金属包装体の製法の一例として、缶蓋及び缶胴について詳述する。
缶蓋の場合は、本発明の塗料をコイルコーテイングによって適用でき、純アルミニウムやアルミニウム合金等に塗装して、高度の加工性を有する塗装金属素材とする。塗装金属素材を打抜き、プレス成形、或いは更にスコア加工、リベット成形、タブの取付け等を行って、缶蓋或いはイージー・オープン缶蓋に成形する。
【0050】
缶胴の場合、例えば側面継目を有するスリー・ピース缶の場合には、上述した金属基体や、ポリオレフイン等の樹脂フィルムや紙ボード等の有機質基質の表面にアルミニウム箔等を接着積層した複合金属素材等の缶用素材に予め、本発明の塗料を施し、次いで焼付した後、ハンダ付け、溶接、接着剤による接合等の手段で接合して、缶胴とする。また、側面無継目のシームレス缶の場合には、塗装金属板を深絞り成形或いは薄肉化深絞り成形に付して、塗装シームレス缶体とする。また、前記缶用素材を、しぼり加工或いはしぼり−しごき加工に賦し、成形後の缶胴に前記塗料を塗布し、焼付けて塗装シームレス缶体としてもよい。
【0051】
本発明の金属包装体における塗膜は、塗膜に対する水の接触角が70度以下、特に30乃至60度であることが望ましい。すなわち、後述する実施例の結果から明らかなように、水の接触角が上記範囲ある場合には、そうでない場合に比してフレーバー成分の総収着率(%)が顕著に低下し、フレーバー収着性に顕著に向上するのである。
また、後述する方法で求めたMEK抽出率が、40%以下、特に20%以下となっていることが好ましい。
本発明の金属包装体用塗料から成る塗膜は、フレーバー収着性のみならず、硬化性、加工性、耐食性、密着性等の塗膜性能は勿論、安全性及び環境性にも優れ、溶出性にも優れている。
【0052】
また本発明の塗料は、金属板のみならず樹脂板や樹脂フィルム、或いはアルミニウム等の軽金属の箔、或いはこれらから成る積層体等にも用いることができ、例えば多層フィルムの最内面等に用いることによってフレーバー収着性を備えた多層フィルムとすることもできる。
【0053】
【実施例】
以下、実施例、比較例にて発明をさらに詳細に説明する。
(フレーバー収着性試験)
[試験溶液]
代表的モデルフレーバー物質として、リモネン、リナロール、デカナール、デカン酸エチルの4種を選定し、各5ppmづつ添加した5%エタノール水溶液を調整した。
[試験塗膜]
実験に使用した塗料を表2に示した。塗料をアルミ板に両面塗装後、端部を補正し、所定の焼き付けを行って試験塗膜を作製した。塗膜面積は200cm、塗膜量は約60mg/dmであった。
[収着試験]
栓付きガラス瓶にモデルフレーバー試験溶液を200ml入れ、各塗膜を4枚ずつ浸漬、密閉し、37℃で2週間保存した。
[フレーバー成分の分析]
試験塗膜は保存試料から取り出し、水洗後、水滴を取り除き、エーテル100mlに浸漬、密封、一昼夜室温保存した。これにより、塗膜に収着された成分を抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで脱水後、濃縮装置を用いて8mlまで濃縮し、内標準として40ppmシクロヘキシルアセテートエーテル溶液を2ml添加し、GC−MS分析を行った。
[データ処理]
GC−MS分析から得られた成分ピークについて、面積比(各ピーク面積値/内標準ピーク面積値)のサンプル間平均値を求めた。さらに各成分の検量線により濃度を求め、収着濃度の0日目ブランク溶液濃度に対する比率を成分収着率(%)として求めた。これの4成分間平均値を平均収着率(%)とした。
評価 ○:10%以下、△:10〜20%、×:20%以上
【0054】
(塗膜性能試験)
[硬化性:wt%]
塗膜の硬化性はMEK抽出率で評価した。
アルミニウム板に水性塗料を塗装、焼き付けして、塗装金属板を作製した。この塗装板を切り出してサンプルとし、重量測定後(W1)、塗膜2cm当たり1mlのMEK(メチルエチルケトン)を用い、沸点で1時間の抽出を行った。抽出後の塗装板を130℃−1時間の条件で乾燥し、抽出後の塗装板の重量(W2)を測定した。さらに塗膜を濃硫酸による分解法で剥離し、板の重量(W3)を測定した。塗装板のMEK抽出率は以下の式で求められる。
(MEK抽出率%)=100×(W1−W2)/(W1−W3)
評価 ○:20%未満、△:20〜40%、×:40%以上
[耐熱水性]
塗装板からサンプル片を切り出し、蒸留水中で30分間の煮沸処理を行った。煮沸処理後、乾燥させて塗膜の表面状態を目視観察し、白化の度合い・ブリスターなどの有無について評価した。
評価 ○:良好、△:若干の白化、ブリスター、ただれ等の発生、
×:著しい白化、ブリスター、ただれ等の発生
[密着性]
塗装板からサンプル片を作製し、蒸留水中で30分間の煮沸処理を行った。煮沸処理後、乾燥させた塗膜で碁盤目テープ剥離試験を行い、密着性を評価した。塗膜表面にカッターナイフで切り込みを入れ、1mm四方のマス目100個を作製し、その後碁盤目を覆うようにセロハンテープを密着させ、急激に引き剥がし、剥離の見られるマス目を数えて剥離率として評価した。
評価 ○:剥離率10%未満、△:剥離率10〜30%、×:剥離率30%以上
[溶出性:ppm]
塗装板1cmあたり2mlの蒸留水を用い、90℃−30分の熱水抽出を行い、抽出液を作製した。厚生省告示第20号で指定の方法にて過マンガン酸カリウム消費量を測定し、溶出性を評価した。
評価 ○:5ppm未満、△:5〜10ppm、×:10ppm以上
[加工性:mA]
3×3cmに切り出したサンプルの塗装面を外側にして45°の角度に折り曲げ、塗装板と同板厚の板を2枚挟んだ後、3kgの錘を30cmの高さから落下させ、折り曲げ加工を行った。加工部1cm幅に電圧6Vで4秒間通電し、4秒後の電流値を測定した。
評価 ○:50mA未満、△:50〜80mA、×:80mA以上
[耐食性]
塗装板を4×4cmに切り出し、塗膜面にクロスカットを施し、裏面及び端部の金属露出部をビニルテープで覆い、試験液に浸漬した。試験液としては缶チューハイを使用し、50℃で1週間保存後の腐食性を目視観察した。
評価 ○:腐食なし、△:部分的軽度の腐食、×:腐食
【0055】
(塗装板の作製)
表2に組成を示す各塗料を板厚0.26mmのアルミ材(5182材)に塗装し、225℃で3分間の焼き付けを行って塗膜性能試験用塗装板を作製した。塗装板の塗膜量は60mg/dmとした。
【0056】
(接触角測定)
塗膜に対する水の接触角測定は、25℃、相対湿度40%RHで実施し、約4μlの水滴の接触角を測定した。塗膜に水滴が接触した後、30秒以内の接触角の値を読みとった。
【0057】
(実施例1)
テレフタル酸(TPA)、イソフタル酸(IPA)、1,3−ブチレングリコール(1,3−BG)、CHDM、フマル酸からなる数平均分子量8000、Tg55℃の二重結合を有するポリエステル樹脂を溶剤に溶解し、アクリル酸(AA)及びスチレン(ST)でグラフト変性してアクリル変性ポリエステル樹脂を作製した。アクリル変性ポリエステル樹脂の詳細な組成はモル分率にて表2に示した。溶解度パラメータは24.6MPa1/2であった。
溶解度パラメータの計算法を以下に示す。TPA及びIPAモノマー単位(−OOC−Phenyl−COO−)の凝集エネルギー密度の総和:ΣEjを67,940J/mol、原子団モル体積の総和:ΣVjを88.4cm/molと計算した。また1,3−BG及びCHDMモノマー単位をそれぞれ−CHCHCH(CH)−、−CH−環状へキシレン−CH−として、ΣEj及びΣVjを計算した。AA及びSTモノマー単位についても同様に計算し、結果は表2に示した通りである。次に、各モノマー単位のΣEj及びΣVjに、各モノマー単位のモル分率:xiを乗じたxi・ΣEj及びxi・ΣVjを求め、最後に各モノマー単位の寄与の総和:Σ(xi・ΣEj)及びΣ(xi・ΣVj)を求め、前者を後者で除した商の平方根をとって、アクリル変性ポリエステル樹脂の溶解度パラメータ:{Σ(xi・ΣEj)/Σ(xi・ΣVj)}1/2を24.6MPa1/2と計算した。
【0058】
上記アクリル変性ポリエステル樹脂に硬化剤として昭和高分子社製のフェノール樹脂、ショウノールBRL−2854を添加し、アミン中和後、水分散を行い、金属包装体用水性塗料を調整した。アクリル変性ポリエステル樹脂中のポリエステル樹脂とアクリル樹脂の重量比は約79:21であり、アクリル変性ポリエステル樹脂とフェノール樹脂の配合比は90:10であった。
得られた水性塗料を塗装、焼き付けし、塗膜性能評価用試験サンプルを作製して、塗膜性能試験を実施した。その結果、MEK抽出率は2.3%、耐熱水性試験では何らの異常も見られず良好であり、密着性試験での剥離率は0%であった。溶出性試験での溶出量は1.2ppmであり、加工性試験では23mA、耐食性試験においても一切腐食は見られず、何れの項目においても良好な結果が得られた。
フレーバー収着性の試験では、平均収着率が18%となり、実用域の収着率を示した。また、塗膜に対する水の接触角は68度であった。
塗膜性能試験結果及びフレーバー収着試験結果は表2にまとめて示した。
【0059】
(実施例2〜7)
表2に詳細な組成を示す実施例2〜7の塗料を用い、塗装板を作製して、各種塗膜性能評価を実施した。実施例2〜7の塗膜の溶解度パラメータは、実施例1と同様にして計算し、24.9〜28.0MPa1/2の範囲の値であった。
実施例2〜7は全て水性塗料の例である。実施例2及び4では数平均分子量8000、Tg55℃、酸価1.5mgKOH/gのポリエステル樹脂を表2に組成を示すアクリル樹脂でグラフト変性した。実施例3及び7は水性アクリル塗料の例であり、実施例5及び6では数平均分子量7500、酸価2mgKOH/g、Tg59℃のポリエステル樹脂を表2に組成を示すアクリル樹脂でグラフト変性を行った。
【0060】
実施例2〜6では良好な塗膜性能を示し、実施例7の塗膜では溶解度パラメータが28.0MPa1/2と高くなり、若干親水性が強くなって耐熱水性、溶出性、加工性、耐食性が劣ってくる傾向を示したものの、実用域の塗膜性能が得られた。
フレーバー収着性は、溶解度パラメータの増大とともに良好となり、25MPa1/2を超えたところで極めて良好なレベルとなり、さらに25.5MPa1/2以上ではほとんど収着が起こらないレベルとなった。塗膜に対する水の接触角も61〜50度の範囲となって、溶解度パラメータの増大に対応して減じる傾向を示した。
表2に結果の詳細を示した。
【0061】
(比較例1〜5)
表2に詳細な組成を示す比較例1〜5の塗料を用い、塗装板を作製して、各種塗膜性能評価を実施した。比較例1〜5の塗膜の溶解度パラメータは23.0〜24.5MPa1/2の範囲であり、塗膜に対する水の接触角は75〜85度と高めの分布を示した。
比較例1〜5では良好な塗膜性能を示したものの、フレーバー収着性が著しく劣る結果となった。
【0062】
比較例1は水性ポリエステル塗料の例であり、数平均分子量8500、Tg54℃、酸価16mgKOH/gのポリエステル樹脂を使用した。
比較例2は溶剤型ポリエステル塗料の例であり、数平均分子量13000、Tg80℃、酸価2mgKOH/gのポリエステル樹脂を使用した。
比較例3及び4はアクリル変性ポリエステル塗料の例であり、比較例3はグラフト変性を行った例であり、比較例4はブレンドの例である。組成が不適切であると溶解度パラメータが小さくなり、高いフレーバー収着性を示すのが理解される。
比較例5は水性アクリル塗料の例であるが、組成により溶解度パラメータ値が不適切となると、高いフレーバー収着性を示すのが理解される。
【0063】
(比較例6)
比較例6は塗料樹脂として著しく溶解度パラメータの高いポリビニルアルコール樹脂を使用した例である。表2に組成及び評価結果を示すように溶解度パラメータが35MPa1/2を超えて大きくなる場合は、フレーバー収着性が良好であっても耐熱水性、溶出性、加工性、耐食性の塗膜性能が著しく劣ってくることが理解される。
【0064】
【表2】
Figure 2004224905
【0065】
【発明の効果】
本発明の金属包装体用塗料は、上記式(1)で表される溶解度パラメータδが24.6〜35MPa1/2の範囲にある塗料用樹脂から成ることにより、かかる塗料により形成される塗膜は、優れたフレーバー収着性を有すると共に、塗膜密着性、加工性、硬化性、耐食性等の塗膜特性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリマーとフレーバー成分間の相互作用パラメータχを1〜6まで変化させた場合のポリマーの体積分率vと微分分子希釈自由エネルギーΔGとの関係を示す図である
【図2】上記式(3)においてフレーバー成分としてデカン酸エチルを選択した場合のδとχの関係を示す図である。

Claims (4)

  1. 下記式(1)で表される溶解度パラメータδが24.6〜35MPa1/2の範囲にある塗料用樹脂から成ることを特徴とするフレーバー収着性に優れた金属包装体用塗料。
    δ={Σ(xi・ΣEj)/Σ(xi・ΣVj)}1/2 …(1)
    式中、xiは各モノマー単位のモル分率、Ejは原子団凝集エネルギー密度
    (J/mol)、Vjは原子団モル体積(cm/mol)を示す。
  2. 前記塗料用樹脂がアクリル樹脂又はアクリル変性ポリエステル樹脂である請求項1記載の金属包装体用塗料。
  3. 前記アクリル樹脂又はアクリル変性ポリエステル樹脂が、メタクリル酸、アクリル酸の少なくとも1種以上を含有して成る請求項2記載の金属包装体用塗料。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の金属包装体用塗料を塗装して成る金属包装体であって、塗膜に対する水の接触角が70度以下であることを特徴とするフレーバー収着性に優れた金属包装体。
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