JP2004224747A - 腸疾患治療薬 - Google Patents

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Hirotaka Nakatsuji
博尊 中辻
Toshio Maki
俊雄 真木
Masahiro Murata
正弘 村田
Hideaki Kihara
秀晃 木原
Hirohisa Uchida
裕久 内田
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Abstract

【課題】腸疾患の治療に有用な、さらに詳しくは、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)および過敏性腸症候群の治療に有用であり、かつ、中枢神経系に対する作用の少ない安全性の高い薬剤を提供すること。
【解決手段】下記一般式(1)で表されるピペリジン誘導体またはその薬学的に許容される塩を有効成分とする腸疾患治療薬。
【化1】
Figure 2004224747

(式中、nは2または3の整数を示し、Yは水素原子またはハロゲン原子を示し、Xはホルミル基、アセチル基または水素原子を示す。)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピペリジン誘導体を有効成分とする腸疾患治療薬に関するものである。更に詳しくは、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎など)および過敏性腸症候群などの治療薬に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
腸疾患は腸に関与する疾患であり、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)、過敏性腸症候群、十二指腸潰瘍、急性腸炎、蛋白漏出性腸症、大腸癌、イレウス(腸閉塞)、虫垂炎、出血性大腸炎、腸結核、腸ベーチェット、大腸憩室症が挙げられる。
中でも、クローン病および潰瘍性大腸炎は、原因が不明である一方で、患者数が年々増加している炎症性消化管疾患である。病気の原因としては、細菌やウイルス感染、遺伝的素因、消化管の血管やリンパ管の障害などが推測されているが、真の原因はいまだ明らかにされていない。
一方、過敏性腸症候群は、ストレスなどの要因によって引き起こされ、腹痛や下痢、便秘、ガス過多を主症状する疾患である。
現在、クローン病の治療として、異常に活性化した免疫反応を是正するため、消化管に負荷を与える食事性抗原の暴露を減少させる栄養療法が一般的であるが、最近、消化管局所で活性が増加している炎症性サイトカインを中和することを目的とした抗サイトカイン療法(TNF−α抗体、IL−6受容体抗体)が行われるようになってきた。
潰瘍性大腸炎の薬物治療は、白血球からの炎症起因物質(炎症性サイトカイン、ロイコトリエン、活性酸素など)の産生を抑制することが知られている5−アミノサリチル酸(商品名:ペンタサ)やサラゾスルファピリジン(商品名:サラゾピリン)が一般的に使用されており、中等症以上の患者に対しては、副腎皮質ホルモン(商品名:プレドニン、リンデロンなど)、免疫抑制剤のシクロスポリン(商品名:サンディミュン)やFK506(商品名:プログラフ)が使用されている。
しかしながら、上記薬剤は、効果及び副作用のどちらかの点で、十分とは言えず、さらに炎症性腸疾患の全容が解明されたとはいえない現状においては、治療効果の向上のためこの分野における更なる薬剤が望まれている。
【0003】
一般式(1)で示されるピペリジン誘導体は、セロトニン拮抗作用及び抗血小板作用を持つことが知られており(特開平8−3135号公報)、血栓溶解薬(WO98/37888号公報)、間歇性跛行治療薬(WO00/51604号公報)、糖尿病性神経障害治療薬(US6262076号特許公報)として有用であることが、これまでの鋭意検討結果、公知となっている。また、本薬剤は、中枢に対する作用が弱く安全性の高い薬剤であることも公知となっている(特開平8−3135号公報)。
しかしながら、一般式(1)で示されるピペリジン誘導体に関する腸疾患治療薬としての有用性についてはこれまでのところ報告はない。
また、炎症性腸疾患において血小板の機能が活性化されていることが報告されて、本治療に関して抗血小板薬の使用の可能性が示唆されている(Collins CEら、Gastroenterology 1994 106(4):840−5)が、十分な治療効果を有する薬剤は見い出されていない。また、(3−アミノプロポキシ)ビベンジル類である下記の構造式で表されるセロトニン拮抗剤(一般名「塩酸サルポグレラート」)が、腸管の運動機能を改善することが報告されているが(特開2000−239163号公報)、化学構造が大きく異なるうえ、炎症性腸疾患に関して有効であるという実験データは示されていない。
【化2】
Figure 2004224747
【0004】
【特許文献1】
特開平8−3135号公報
【特許文献2】
WO98/37888号公報
【特許文献3】
WO00/51604号公報
【特許文献4】
US6262076号特許公報
【特許文献5】
特開2000−239163号公報
【非特許文献1】
Collins CEら、Gastroenterology 1994 106(4):840−5
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、腸疾患の治療に有用な、さらに詳しくは、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)および過敏性腸症候群の治療に有用であり、かつ、中枢神経系に対する作用の少ない安全性の高い薬剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、経口投与によっても評価が可能な腸疾患評価方法を実施し、これを用いて鋭意研究を重ねた結果、思いがけず、特開平8−3135号公報に記載のセロトニン拮抗薬または抗血小板薬として知られる特定のピペリジン誘導体が、腸疾患に極めて高い治療効果を示すことを見い出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、一般式(1)で表されるピペリジン誘導体またはその塩を有効成分として含有する腸疾患治療薬である。
【0007】
【化3】
Figure 2004224747
【0008】
(式中、nは2または3の整数を示し、Yは水素原子またはハロゲン原子を示し、Xはホルミル基、アセチル基または水素原子を示す。)
なお、一般式(1)における化合物のうち、nが2の整数であり、Yが水素原子であり、Xがホルミル基である化合物が特に有効である。
また、一般式(1)の化合物は、特に炎症性腸疾患および過敏性腸症候群の治療に有効である。
【0009】
【発明の実施の形態】
上記一般式(1)で表されるピペリジン誘導体は公知の化合物であり、例えば特開平8−3135号公報記載の方法等によって製造することができる。一例を示せば、一般式(1)に包含される化合物において特に有用な下記式(2)で示される1−ホルミル−N−(2−(4−(5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イリデン)−1−ピペリジニル))エチルイソニペコチン酸アミドは、ジ−t−ブチルジカーボネートと2−アミノエチルブロマイド臭化水素酸塩とを炭酸水素ナトリウムの存在下に反応させ、N−t−ブトキシカルボニル−2−ブロモエチルアミンを得る。次にこの化合物と4−(5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イリデン)ピペリジンをトリエチルアミン等の塩基存在下に縮合し、4−(5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イリデン)−1−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ)エチル)ピペリジンを得る。さらに得られた化合物を、4M塩酸/ジオキサンなどによるt−ブトキシカルボニル基を除去した化合物と1−ホルミルイソニペコチン酸を1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド等の縮合剤を用いて縮合することにより目的の化合物を得ることができる。
【0010】
【化4】
Figure 2004224747
【0011】
このような製造方法により得られた化合物は、フリー体またはその塩として単離生成される。単離生成は、抽出、濃縮、留去、特開平9−176119号公報に記載されているような結晶化、各種クロマトグラフィー等によって行うことができる。
また一般式(1)のピペリジン誘導体の薬学的に許容される塩としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸、蟻酸、酢酸、乳酸、サリチル酸、マンデル酸、クエン酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、タンニン酸、リンゴ酸、トシル酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などの有機酸との酸付加塩を挙げることができる。
一般式(1)のピペリジン誘導体またはその薬学的に許容される塩を腸疾患治療薬として用いる場合、その剤形としては錠剤、散剤、丸剤、顆粒剤、糖衣剤、乳化剤、カプセル剤、溶液剤、注射剤、坐剤等があげられる。これらの製剤は、通常の製剤化で用いられる坦体や賦形剤、その他の製剤助剤を用いて常法に従って製造することができる。
【0012】
使用する場合の投与経路は、経口、非経口のいずれであってもよく、投与量は患者の年齢、体重、状態および投与法によって異なるが、成人への一日当りの投与量としては、通常、経口投与の場合で0.01〜500mg、好ましくは0.1〜50mgであり、非経口投与の場合で1μg〜100mg、好ましくは0.01〜10mgである。なお、一般式(1)の化合物を腸疾患の治療剤として用いる場合、特に経口投与を行うことにより、本剤を有効に用いることができる。
【0013】
【実施例】
以下の実施例により本発明を詳細に説明する。これらは本発明の好ましい実施態様であり本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)ラット炎症性腸疾患モデルでの評価
雄性Wistarラット(170−190 g)を用いて、炎症性腸疾患モデルを作成した。24時間絶食の後、DNBS(2, 4−dinitorobenzen sulfonic acid, 30 mg in 0.5 ml ethanol 30%)を肛門から注腸した。注腸24時間後から1日1回、5日間、式(2)で表される化合物の塩酸塩を3 mg/kg、また比較例(陽性対照薬)として市販の潰瘍性大腸炎治療薬であるサラゾスルファピリジン(SASP)を300 mg/kgとなるよう、注腸24時間前及び2時間前、注腸24時間後から1日1回、5日間投与した。尚、式(2)で表される化合物の塩酸塩は蒸留水に、SASPは2%Tween 80 水溶液に、懸濁して経口投与した。対照群には、蒸留水をSASPと同様なスケジュールで経口投与した。注腸後、6日目に剖検し、結腸部の重量を測定した。
(結果)
結果は、8 cm当たりの単位体重当たり(100g 体重 重量)の腸重量(平均±標準誤差)で求め、表1に示した。また、同時に、便症状も観察し、スコア化(下痢:2, 軟便:1, 正常:0)し、その結果(平均±標準誤差)を表2に示した。
【0014】
【表1】表1
Figure 2004224747
【0015】
【表2】表2
Figure 2004224747
下痢:2, 軟便:1, 正常:0
##: P<0.01 vs 正常群
*:P<0.05, ** P<0.01 vs 対照群, Mann−WhitneyのU検定
【0016】
表1に示した通り、本発明で用いる薬剤である式(2)で表されるピペリジン誘導体の塩酸塩を3 mg/kg投与した群および陽性対照薬であるサラゾスルファピリジン(SASP)群は、対照群に比べ、有意に腸重量の増加を抑制した。特に、本発明で用いる薬剤である式(2)で表されるピペリジン誘導体の塩酸塩は、SASP群と異なり、発症後に投与してもほぼ同様の効果を示した。この実験結果から、本発明に係るピペリジン誘導体の塩酸塩を有効成分とする薬剤は、炎症性腸疾患の指標である腸重量を有意に抑制し、さらにこれまでに臨床で使用されている5−ASA系薬剤のSASPと異なり、発症後から投与を開始しても有意に腸重量の増加抑制効果を示すことがわかる。従って、本発明の腸疾患治療薬は、臨床においても炎症性腸疾患に対し、より効果が期待できることが明らかになった。
また、腸管運動の異常に起因する便症状も、対照群に比べ有意に改善されていることから、過敏性腸症候群に対する効果も期待できることが明らかになった。
【0017】
【発明の効果】
本発明に係るピペリジン誘導体又はその塩を有効成分とする薬剤は、腸疾患に関し、更に詳しくは、炎症に伴う腸重量の増加、および、腸管運動の異常に起因する便症状を改善することから、特に、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)および過敏性腸症候群に対して優れた治療効果が期待される薬剤である。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表されるピペリジン誘導体またはその薬学的に許容される塩を有効成分とする腸疾患治療薬。
    Figure 2004224747
    (式中、nは2または3の整数を示し、Yは水素原子またはハロゲン原子を示し、Xはホルミル基、アセチル基または水素原子を示す。)
  2. 一般式(1)において、nが2であり、Yが水素原子であり、Xがホルミル基である、請求項1記載の腸疾患治療薬。
  3. 腸疾患が炎症性腸疾患である、請求項1又は2記載の腸疾患治療薬。
  4. 腸疾患が過敏性腸症候群である、請求項1又は2記載の腸疾患治療薬。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101061684B1 (ko) 2002-07-10 2011-09-01 다이노젠 파마세우티컬스, 인코포레이티드 기능성 장 장애의 치료에서의4-(2-플루오로페닐)-6-메틸-2-(1-피페라지닐)티에노[2,3-디]피리미딘

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