JP2004224661A - 発電・水素生成組合せプラント - Google Patents

発電・水素生成組合せプラント Download PDF

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Abstract

【課題】発電プラントで発生する蒸気を巧みに利用して原燃料から効率よく水素リッチな燃料改質ガスを生成する発電・水素生成組合せプラントを提供する。
【解決手段】本発明に係る発電・水素生成組合せプラントは、発電プラント3と水素生成プラント4とを備え、発電プラント3からの熱を水素生成プラント4に間接的に与え、原燃料から水素リッチな燃料ガスを生成する構成にした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電プラントで使用する蒸気を巧みに利用して原燃料を水素リッチな燃料ガスに改質させる発電・水素生成組合せプラントに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の電力産業分野や自動車産業分野等では、化石燃料枯渇に対応して省エネルギ化、COやNOxの濃度増加に伴う環境保全等から燃料の多様化が促進されており、その一つに水素ガスの利用技術がある。
【0003】
この水素ガスの利用技術には、例えば、燃料電池発電プラントや水素燃焼発電プラントがある。
【0004】
前者は、炭化系水素等から改質させた水素リッチな燃料改質ガスと酸素とを電気化学的に反応させ、直接電気エネルギを発生させるものであり、例えば特開2001−85040号公報等数多くの発明が開示されている。
【0005】
また、後者は、高圧の水素ガスと純酸素ガスを燃焼させ高温の水蒸気を発生させ、発生した高温の水蒸気をタービンで膨張仕事をさせ、その際に発生する動力で発電機を駆動して発電を行うものであり、例えば特開平11−36820号公報等数多くの発明が開示されている。
【0006】
前者、後者ともにNOx,SOx,COなどの環境汚染物質や温暖化効果ガスを発生させない極めてクリーンなエネルギを使用する点で、21世紀の新エネルギ推進政策の一環として研究開発の成果が注目されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−85040号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平11−36820号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、燃料電池発電プラントや水素燃焼発電プラントに燃料として供給する水素ガスは、水の電気分解により製造することが提案されている。
【0010】
この水の電気分解による水素製造は、図5に示すように、容器45内に、例えば水酸化ナトリウム等の水に溶解する電解質液47を充填し、充填する電解質液47に陽極48と陰極49とを浸漬する構成になっている。そして、陽極48で発生する酸素ガスは、酸素捕集部50に集められ、酸素取出し口51から取り出される。また、陰極49で発生する水素ガスは、水素捕集部52に集められ、水素取出し口53から取り出される。
【0011】
水の電気分解による水素製造では、必要なコストの大半が電力である。
【0012】
現在の原子力発電プラントや火力発電プラントでは、熱に交換される核分裂エネルギや石油、天然ガス等の燃料エネルギの約50%程度しか電力に変換されていない。特に、原子力発電プラントの場合、熱利用効率は30数%程度である。
【0013】
このため、水の電気分解による水素製造では、エネルギの利用効率が極めて悪く、コスト高につながる等の問題点を含んでいた。
【0014】
一方、燃料から水素ガスを生成する場合、メチルエーテルやメタノール等の含酸素炭化水素は、低温、低圧で水蒸気改質ができるため、コスト的に有利である。
【0015】
また、メチルエーテルやメタノール等の含酸素炭化水素は、中小ガス田、炭素ガスやCO含有量の多いガス田のメタンから製造されるため、その量が比較的多い。
【0016】
本発明は、このような点に着目してなされたもので、発電プラントで発生する蒸気を巧みに利用し、原燃料から効率よく水素リッチな燃料改質ガスを生成する発電・水素生成組合せプラントを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る発電・水素生成組合せプラントは、上述の目的を達成するために、請求項1に記載したように、発電プラントと水素生成プラントとを備え、発電プラントからの熱を水素生成プラントに間接的に与え、原燃料から水素リッチな燃料ガスを生成する構成にしたものである。
【0018】
また、本発明に係る発電・水素生成組合せプラントは、上述の目的を達成するために、請求項2に記載したように、発電プラントから発生させる熱は、原子炉から発生させる蒸気であることを特徴とするものである。
【0019】
また、本発明に係る発電・水素生成組合せプラントは、上述の目的を達成するために、請求項3に記載したように、発電プラントは蒸気タービンを備えたものである。
【0020】
また、本発明に係る発電・水素生成組合せプラントは、上述の目的を達成するために、請求項4に記載したように、水素生成プラントは、原燃料と水蒸気で水素リッチな燃料ガスを生成する改質器を備えるとともに、この改質器に熱を与える熱媒体循環手段を備えたものである。
【0021】
また、本発明に係る発電・水素生成組合せプラントは、上述の目的を達成するために、請求項5に記載したように、水素生成プラントは、改質器から生成された水素リッチな燃料ガスを熱源として原燃料を加熱させる熱交換器を備えたものである。
【0022】
また、本発明に係る発電・水素生成組合せプラントは、上述の目的を達成するために、請求項6に記載したように、発電プラントからの熱を水素生成プラントに間接的に与える手段は、熱交換器と熱媒体循環手段とであることを特徴とするものである。
【0023】
また、本発明に係る発電・水素生成組合せプラントは、上述の目的を達成するために、請求項7に記載したように、発電プラントは、原子炉から発生する超臨界圧蒸気を高圧蒸気タービンに供給し、ここで膨張仕事を終えたタービン排気を熱媒体循環手段からの熱媒体を熱交換させる第1熱交換器を備えたものである。
【0024】
また、本発明に係る発電・水素生成組合せプラントは、上述の目的を達成するために、請求項8に記載したように、発電プラントは、水素生成プラントで原燃料に水を加えた混合燃料を原子炉から発生した蒸気で熱交換させる第2熱交換器を備えたものである。
【0025】
また、本発明に係る発電・水素生成組合せプラントは、上述の目的を達成するために、請求項9に記載したように、熱交換器は、直列配置した第1熱交換器と第2熱交換器とを備えたものである。
【0026】
また、本発明に係る発電・水素生成組合せプラントは、上述の目的を達成するために、請求項10に記載したように、原子炉は、熱交換器と蒸気発生器とで構成する蒸気循環系を備え、発生した蒸気を前記蒸気循環系内に循環させる構成にしたものである。
【0027】
また、本発明に係る発電・水素生成組合せプラントは、上述の目的を達成するために、請求項11に記載したように、発電プラントは、熱交換器および蒸気タービンに供給する蒸気量を変えることにより水素生成プラントから生成される水素リッチな燃料ガスの生成量を調整する構成にしたものである。
【0028】
また、本発明に係る発電・水素生成組合せプラントは、上述の目的を達成するために、請求項12に記載したように、発電プラントと水素生成プラントとを備え、発電プラントからの熱を水素生成プラントに間接的に与え、原燃料から水素リッチな燃料ガスを生成する構成にするとともに、前記発電プラントの原子炉からの熱を利用して前段側に前記水素生成プラントを配置し、後段側に前記発電プラントの蒸気タービンを配置する構成にしたものである。
【0029】
また、本発明に係る発電・水素生成組合せプラントは、上述の目的を達成するために、請求項13に記載したように、原子炉は軽水炉であることを特徴とするものである。
【0030】
また、本発明に係る発電・水素生成組合せプラントは、上述の目的を達成するために、請求項14に記載したように、原燃料は、メタノール、エタノール、ジメチルエーテルのうち、いずれかを選択した含水素炭化水素であることを特徴とするものである。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る発電・水素生成組合せプラントの実施形態を図面および図面に付した符号を引用して説明する。
【0032】
図1は、本発明に係る発電・水素生成組合せプラントの第1実施形態を示す概略系統図である。
【0033】
本実施形態に係る発電・水素生成組合せプラントは、第1熱交換器1と第2熱交換器2とを介装させて発電プラント3からの熱を水素生成プラント4に間接的に与える構成になっている。なお、第1熱交換器1と第2熱交換器2とは、直列にして配置されている。
【0034】
発電プラント3は、例えば、軽水炉および加圧水炉のうち、いずれかのタイプの原子炉5、第1発電機6を軸結合させた高圧蒸気タービン7、第1熱交換器1、第2熱交換器2、第2発電機8を軸結合させた低圧蒸気タービン9を備え、原子炉5で発生させた、例えば温度500℃以上の超臨界圧蒸気を高圧蒸気タービン7に供給し、ここで膨張仕事をさせ、その際に発生する動力(回転トルク)で第1発電機6を駆動するとともに、膨張仕事を終えたタービン排気の一部を第1熱交換器1および第2熱交換器2を介して低圧蒸気タービン9に供給する一方、タービン排気の残りを、蒸気供給系34を介して直接、低圧蒸気タービン9に供給する。
【0035】
また、発電プラント3は、低圧蒸気タービン9に接続する復水器10、復水ポンプ11、第1給水加熱器12、第1給水ポンプ13、第2給水加熱器14、第2給水ポンプ15、第3給水加熱器16を流体の流れに沿って順に配置し、低圧蒸気タービン9で第2熱交換器2からの蒸気に膨張仕事させ、その際に発生する動力で第2発電機8を駆動するとともに、膨張仕事を終えたタービン排気を復水器10で凝縮して復水にし、その復水を復水ポンプ11を介して第1給水加熱器12で給水に再生(予熱)させ、さらに第1給水ポンプ13、第2給水加熱器14、第2給水ポンプ15、第3給水加熱器16を介して再び生成させた後、原子炉5に戻すランキンサイクルになっている。
【0036】
なお、第1給水加熱器12は、給水を再生(予熱)する熱源として低圧蒸気タービン9の抽気蒸気を用いるため、第1抽気蒸気管17を備えている。また、第2給水加熱器14は、給水を再生(予熱)する熱源として第2熱交換器2の蒸気を用いるため、第2熱交換器2の分岐蒸気管18を備えている。さらに、第3給水加熱器16は、給水を再生(予熱)する熱源として高圧蒸気タービン7の抽気蒸気を用いるため、第2抽気蒸気管19を備えている。
【0037】
一方、水素生成プラント4は、原燃料供給系20、水供給系21、改質器22、熱媒体循環系23を備え、原燃料供給系20の燃料タンク24に充填した原燃料、例えばメタノール、ジメチルエーテル、エタノール等の含酸素炭化水素をポンプ25で圧送させた後、水供給系21の水タンク26からポンプ27で圧送させた水と合流させて混合燃料とし、その混合燃料を第3熱交換器28で加熱させ、バーナ29で加熱させ、さらに第2熱交換器2で第1熱交換器1からの蒸気を熱源として加熱させた後、改質器22で、例えばCuZnAl等の改質触媒の下、混合燃料を水素リッチな水蒸気改質を行う。
【0038】
この水蒸気改質が行われている間、熱媒体循環系23は、例えば鉱物油等の熱媒体を熱媒体ポンプ30で圧送させ、第1熱交換器1で高圧蒸気タービン7からのタービン排気を熱源として加熱させ、その熱媒体を循環させながら改質器22に充填する改質触媒を150℃〜350℃の温度に加熱させる。
【0039】
改質器22では、次の反応式に基づいて水蒸気改質が行われる。
【0040】
【化1】
Figure 2004224661
【0041】
なお、ジメチルエーテル、エタノール、メタノール等の含酸素炭化水素を原燃料として選択したのは、次の理由に基づく。
【0042】
ジメチルエーテル等は、約6ataの加圧により常温で液化し、貯蔵し、運搬が容易である。しかも、受入れ設備が簡単で、受入れコストが液化天然ガス(LNG)と同等またはそれ以下になっている。
【0043】
現在、ディーゼルエンジン車の燃料である軽油の代替燃料としてジメチルエーテル等が注目されている。ジメチルエーテル等の改質条件は、300℃程度であり、原子炉から発生する蒸気を巧みに利用すると有利である。
【0044】
ジメチルエーテル(DME)等は、下記の流れに沿って生成される。
【0045】
中小ガス田や炭層の天然ガス→(CH改質)→H,CO→(DME合成)→DME→(液化タンカー輸送、貯蔵)→(DME改質)→H+CO(回収)
ここで、中小ガス田や炭層の天然ガスの改質反応は、
【化2】
Figure 2004224661
で表わされ、生成されたCOHからジメチルエーテルを以下の反応式で合成をする。
【0046】
【化3】
Figure 2004224661
【0047】
このジメチルエーテルを約6ataに加圧し、通常タンカーや液化タンカーで輸送すれば容易に利用できる。
【0048】
また、水素生成プラント4は、凝縮器31、水素分離装置32を備え、凝縮器31で第3熱交換器28の熱源として改質器22から供給された水素リッチな燃料ガスを冷却水で凝縮させ、凝縮後の水を水供給系21の水タンク26に供給するとともに、凝縮後の水素,CO,CO等の燃料ガスを水素分離装置32で圧力吸着変動法PSAを用いて水素とCO,CO等に分離させ、分離させた水素を、例えば燃料電池プラント等へ供給する一方、分離させた残りのCO,CO等を回収管36を介してバーナ29に燃料として供給する。
【0049】
このように、本実施形態は、生成、輸送が容易なジメチルエーテル等の含酸素炭化水素を原燃料として使用し、原子炉から発生する蒸気を巧みに利用して原燃料を水素リッチな燃料ガスに水蒸気改質させる構成にしたので、従来の水素生成の電気分解法に較べてエネルギの利用効率をより一層向上させることができる。
【0050】
また、本実施形態は、原燃料から水素リッチな燃料ガスに水蒸気改質させる際、原子炉から発生する蒸気の熱を間接的に利用する第1熱交換器1、第2熱交換器2を備えたので、放射能等が水素生成プラント4に混入することがなく安全な運転を行うことができる。
【0051】
また、本実施形態は、第1熱交換器1、第2熱交換器2を設け、設けた第1熱交換器1、第2熱交換器2に供給する蒸気量を調整することにより低圧蒸気タービン9に軸結合させた第2発電機8の出力を調整でき、電力需要が多い時間帯のとき発電量を増やし、電力需要の少ない時間帯のとき水素生成量を増やし、電力負荷の変動に応じてフレキシブルに対応させることができる。
【0052】
図2は、本発明に係る発電・水素生成組合せプラントの第2実施形態を示す概略系統図である。
【0053】
本実施形態に係る発電・水素生成組合せプラントは、第1実施形態と同様に、第1熱交換器1と第2熱交換器2とを介装させて発電プラント3からの熱を水素生成プラント4に間接的に与えるとともに、例えば、軽水炉および加圧水炉のうち、いずれかのタイプの原子炉5から発生した、例えば、超臨界圧蒸気のうち、一部の蒸気を第1熱交換器1、第2熱交換器2を介して発電機42を軸結合させた蒸気タービン33に供給し、残りの蒸気を蒸気供給系34を介して第3給水加熱器16と蒸気タービン33に直接供給する構成にしたものである。
【0054】
なお、他の構成部分は、第1実施形態の構成部分と同一なので、同一符号を付し、重複説明を省略する。
【0055】
このように、本実施形態は、発電プラント3からの熱を水素生成プラント4に間接的に与える第1熱交換器1、第2熱交換器2とを備え、原子炉5から発生した、例えば超臨界圧蒸気のうち、一部の蒸気を第1熱交換器1、第2熱交換器2を介して蒸気タービン33に供給するとともに、残りの蒸気を蒸気供給系34を介して第3給水加熱器16と蒸気タービン33に供給し、熱を余すことなく利用する構成にしたので、従来の水素生成の電気分解法に較べてエネルギの利用効率をより一層向上させることができる。
【0056】
また、本実施形態は、原燃料を水素リッチな燃料ガスに水蒸気改質させる際、原子炉から発生する蒸気の熱を間接的に利用する第1熱交換器1、第2熱交換器2を備えたので、第1実施形態と同様に、放射能等の水素生成プラントへの混入を防止でき、電力需要の増減に応じて水素リッチな燃料ガスの生成を調整することができる。
【0057】
図3は、本発明に係る発電・水素生成組合せプラントの第3実施形態を示す概略系統図である。
【0058】
本実施形態に係る発電・水素生成組合せプラントは、第1実施形態と同様に、第1熱交換器1と第2熱交換器2とを介装させて発電プラント3からの熱を水素生成プラント4に間接的に与えるとともに、発電プラント3の第1熱交換器1に供給される熱を利用して熱媒体を加熱させる熱媒体循環系23に蒸発器35を設ける一方、改質器22で含酸素炭化水素等の原燃料に水を合流させ、混合燃料とし、この混合燃料を水蒸気改質により水素リッチな燃料ガスとして生成させたものである。
【0059】
すなわち、改質器22で原燃料に水を合流させる水供給系21は、水タンク26から水をポンプ27で圧送し、第3熱交換器28、バーナ29、第2熱交換器2、蒸発器35を介して加熱、気化させ、その気化させた蒸気をマニホールド37を介して改質器22に供給し、ここで原燃料供給系20の燃料タンク24からポンプ25で圧送された原燃料に合流させ、合流させた混合燃料を、例えばCuZnAl等の改質触媒の下、水素リッチな燃料ガスに水蒸気改質させる。
【0060】
水蒸気改質後の燃料ガスは、第3熱交換器28に熱源として与えられた後、凝縮器31で冷却水と熱交換させて凝縮される。凝縮後の水は、水供給系21の水タンク26に戻される。さらに、凝縮後の水素とCO,CO等の燃料ガスは、水素分離装置32で圧力吸着変動法を用いて水素とCO,CO等に分離させる。分離された水素は、例えば燃料発電プラント等へ供給される。また、分離されたCO,CO等は回収管36を介してバーナ29に燃料として供給される。なお、他の構成部分は、第1実施形態の構成部分と同一なので、同一符号を付して、重複説明を省略する。
【0061】
このように、本実施形態は、熱媒体循環系23に蒸発器35を備え、水供給系21からの水を蒸発器35等で気化させ、その気化させた蒸気を改質器22で原燃料に合流させた構成にしたので、原燃料の水蒸気改質をより一層促進させるとともに、従来の水素生成の電気分解法に較べてエネルギの利用効率をより一層向上させることができる。
【0062】
図4は、本発明に係る発電・水素生成組合せプラントの第4実施形態を示す概略系統図である。
【0063】
本実施形態に係る発電・水素生成組合せプラントは、発電プラント3からの熱を水素生成プラント4に間接的に与えるとともに、発電プラント3のうち、原子炉5から発生する蒸気を循環させる蒸気循環系38を備えたものである。
【0064】
この蒸気循環系38は、例えば、加圧水炉の原子炉5、第1熱交換器1、蒸気発生器39、循環ポンプ40を備え、原子炉5で発生した蒸気を第1熱交換器1に供給し、ここで水素生成プラント4の熱媒体循環系23からの熱媒体を加熱させ、さらに蒸気発生器39で蒸気を発生させる熱源として活用させた後、循環ポンプ40を介して原子炉5に戻す構成になっている。
【0065】
また、蒸気発生器39は、発生した蒸気を蒸気供給系34を介して一部を熱源として高圧給水加熱器41に供給するとともに、残りを蒸気タービン33に供給する。
【0066】
蒸気タービン33は、供給された蒸気に膨張仕事をさせ、その際に発生する動力で発電機42を駆動するとともに、膨張仕事を終えたタービン排気を復水器10で凝縮して復水にし、その復水を復水ポンプ11で圧送して低圧給水加熱器43で抽気管44からタービン抽気を熱源として再生(予熱)し、さらに給水ポンプ45、高圧給水加熱器41を介して蒸気発生器39に戻す。なお、他の構成部分は、第3実施形態の構成部分と同一なので、同一符号を付して、重複説明を省略する。
【0067】
このように、本実施形態は、発電プラント3に第1熱交換器1、蒸気発生器39、循環ポンプ40からなる蒸気循環系38を備え、原子炉5から発生した放射能を帯びた蒸気を水素生成プラント4、蒸気タービン33等に、直接、供給させない構成にしたので、放射能等が水素生成プラント4、蒸気タービン33等に混入することがなく安全な運転を行うことができる。
【0068】
【発明の効果】
以上の説明のとおり、本発明に係る発電・水素生成組合せプラントは、発電プラントから発生した蒸気の熱を水素生成プラントに間接的に与えて原燃料の水蒸気改質に寄与させたので、エネルギのより一層の有効活用を図ることができ、水素生成プラントへの間接的な熱の供給より放射能の流入を確実に防止して水素生成プラントに安全運転を行わせることができる。
【0069】
また、本発明に係る発電・水素生成組合せプラントは、発電プラントから発生した蒸気の熱を水素生成プラントに間接的に与え、原燃料の水蒸気改質に寄与させたので、発電プラントの負荷の増減に対応させて水素生成プラントの水素ガスの生成をフレキシブルに増減させることができる。
【0070】
また、本発明に係る発電・水素生成組合せプラントは、原燃料と水蒸気とを改質器で直接混合させ、混合燃料の水蒸気改質を行わせる構成にしたので、水素リッチな燃料ガスの水蒸気改質をより一層促進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る発電・水素生成組合せプラントの第1実施形態を示す概略系統図。
【図2】本発明に係る発電・水素生成組合せプラントの第2実施形態を示す概略系統図。
【図3】本発明に係る発電・水素生成組合せプラントの第3実施形態を示す概略系統図。
【図4】本発明に係る発電・水素生成組合せプラントの第4実施形態を示す概略系統図。
【図5】従来の電気分解による水素を生成する概念図。
【符号の説明】
1 第1熱交換器
2 第2熱交換器
3 発電プラント
4 水素生成プラント
5 原子炉
6 第1発電機
7 高圧蒸気タービン
8 第2発電機
9 低圧蒸気タービン
10 復水器
11 復水ポンプ
12 第1給水加熱器
13 第1給水ポンプ
14 第2給水加熱器
15 第2給水ポンプ
16 第3給水加熱器
17 第1抽気蒸気管
18 分岐蒸気管
19 第2抽気蒸気管
20 原燃料供給系
21 水供給系
22 改質器
23 熱媒体循環系
24 燃料タンク
25 ポンプ
26 水タンク
27 ポンプ
28 第3熱交換器
29 バーナ
30 熱媒体ポンプ
31 凝縮器
32 水素分離装置
33 蒸気タービン
34 蒸気供給系
35 蒸発器
36 回収管
37 マニホールド
38 蒸気循環系
39 蒸気発生器
40 循環ポンプ
41 高圧給水加熱器
42 発電機
43 低圧給水加熱器
44 抽気管
45 給水ポンプ
46 容器
47 電解質液
48 陽極
49 陰極
50 酸素捕集部
51 酸素取出し口
52 水素捕集部
53 水素取出し口

Claims (14)

  1. 発電プラントと水素生成プラントとを備え、発電プラントからの熱を水素生成プラントに間接的に与え、原燃料から水素リッチな燃料ガスを生成する構成にしたことを特徴とする発電・水素生成組合せプラント。
  2. 発電プラントから発生させる熱は、原子炉から発生させる蒸気であることを特徴とする請求項1記載の発電・水素生成組合せプラント。
  3. 発電プラントは蒸気タービンを備えたことを特徴とする請求項1記載の発電・水素生成組合せプラント。
  4. 水素生成プラントは、原燃料と水蒸気で水素リッチな燃料ガスを生成する改質器を備えるとともに、この改質器に熱を与える熱媒体循環手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の発電・水素生成組合せプラント。
  5. 水素生成プラントは、改質器から生成された水素リッチな燃料ガスを熱源として原燃料を加熱させる熱交換器を備えたことを特徴とする請求項1記載の発電・水素生成組合せプラント。
  6. 発電プラントからの熱を水素生成プラントに間接的に与える手段は、熱交換器と熱媒体循環手段とであることを特徴とする請求項1記載の発電・水素生成組合せプラント。
  7. 発電プラントは、原子炉から発生する超臨界圧蒸気を高圧蒸気タービンに供給し、ここで膨張仕事を終えたタービン排気を熱媒体循環手段からの熱媒体を熱交換させる第1熱交換器を備えたことを特徴とする請求項1記載の発電・水素生成組合せプラント。
  8. 発電プラントは、水素生成プラントで原燃料に水を加えた混合燃料を原子炉から発生した蒸気で熱交換させる第2熱交換器を備えたことを特徴とする請求項1記載の発電・水素生成組合せプラント。
  9. 熱交換器は、直列配置した第1熱交換器と第2熱交換器とを備えたことを特徴とする請求項6,7または8記載の発電・水素生成組合せプラント。
  10. 原子炉は、熱交換器と蒸気発生器とで構成する蒸気循環系を備え、発生した蒸気を前記蒸気循環系内に循環させる構成にしたことを特徴とする請求項2,7または8記載の発電・水素生成組合せプラント。
  11. 発電プラントは、熱交換器および蒸気タービンに供給する蒸気量を変えることにより水素生成プラントから生成される水素リッチな燃料ガスの生成量を調整する構成にしたことを特徴とする請求項1記載の発電・水素生成組合せプラント。
  12. 発電プラントと水素生成プラントとを備え、発電プラントからの熱を水素生成プラントに間接的に与え、原燃料から水素リッチな燃料ガスを生成する構成にするとともに、前記発電プラントの原子炉からの熱を利用して前段側に前記水素生成プラントを配置し、後段側に前記発電プラントの蒸気タービンを配置する構成にしたことを特徴する発電・水素生成組合せプラント。
  13. 原子炉は軽水炉であることを特徴とする請求項2,7,8または12記載の発電・水素生成組合せプラント。
  14. 原燃料は、メタノール、エタノール、ジメチルエーテルのうち、いずれかを選択した含水素炭化水素であることを特徴とする請求項1,4,5,8,12または13記載の発電・水素生成組合せプラント。
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