JP2004224044A - 画像記録装置及びその画像記録装置の記録ヘッドのメンテナンス方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】1つの吸引ノズルで、流路抵抗が異なるインク吐出ノズルとインク非吐出ノズルに合わせて気泡やゴミ等の吸引を行うことができ、簡易な構成で容易に記録ヘッド内部及び表面をメンテナンスする。
【解決手段】インクを吐出するインク吐出ノズル24と気泡抜きのためのインク非吐出ノズル23とをインクジェットヘッド201に設けた画像記録装置のインクジェットヘッド201のインク吐出ノズル面に吸引ノズル27が当接又は近接してインクジェットヘッド201のメンテナンスのための吸引を行うためにインク吐出面側を移動し、吸引ノズル27がインク吐出ノズルに24対応する位置のときは第1の吸引力で吸引し、吸引ノズルがインク非吐出ノズル23に対応する位置のときは第2の吸引力で吸引するように吸引ノズル27の吸引力を制御する。
【選択図】 図4
【解決手段】インクを吐出するインク吐出ノズル24と気泡抜きのためのインク非吐出ノズル23とをインクジェットヘッド201に設けた画像記録装置のインクジェットヘッド201のインク吐出ノズル面に吸引ノズル27が当接又は近接してインクジェットヘッド201のメンテナンスのための吸引を行うためにインク吐出面側を移動し、吸引ノズル27がインク吐出ノズルに24対応する位置のときは第1の吸引力で吸引し、吸引ノズルがインク非吐出ノズル23に対応する位置のときは第2の吸引力で吸引するように吸引ノズル27の吸引力を制御する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸引ノズルが記録ヘッドの表面を当接又は近接しながら移動して記録ヘッドのメンテナンスを行う画像記録装置及びその画像記録装置の記録ヘッドのメンテナンス方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像記録装置の記録ヘッド、例えば、インクジェットヘッド内のインク室等に生じた気泡等を、インクの供給を行うインク室を加圧することでインク吐出口からインクを排出したり、吸引ノズルやキャップ手段を介して吐出口から吸引してインクを除去するインクジェットヘッドのメンテナンス方法及び機構が知られている。このメンテナンス方法は、インク充填時や何らかの作用によりインク室内に気泡等が混入した場合に、インクジェットヘッドの両端部に設けたインク非吐出ノズルなどからなる気泡抜き孔からインクジェットヘッドの印字性能を維持するため吸引ノズルで気泡等を抜く方法である。このように気泡等を抜くことにより、専用の気泡抜き方法が必要なく簡単な方法で気泡抜きができる。
また、一個のキャッピング部材に第1のキャップと第2のキャップを設け、電磁弁の切替えにより別々の吸引経路で気泡等の吸引を行う技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−220970号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の方法を用いると吸引ノズルの吸引圧は隣接しているインク吐出ノズルからの空気やゴミ等を吸引しない吸引力で一定となっている。従って、この吸引ノズルの吸引力だとインク吐出ノズルより流路抵抗の大きいインク非吐出ノズルから気泡等を吸い出すことができない。また、気泡等を吸い出せるように吸引ノズルの吸引力をインク非吐出ノズル用に設定するとインク吐出ノズルに対しては吸引力が強すぎてインク吐出ノズル内に形成されたメニスカスを壊してしまう。また、後者の技術では電磁弁の切替えにより別々の吸引経路で気泡等の吸引を行うため複雑な構成となってしまう。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、1つの吸引ノズルで、流路抵抗が異なるインク吐出ノズルとインク非吐出ノズルに合わせて気泡やゴミ等の吸引を行い、簡易な構成で容易に記録ヘッドの内部及び表面をメンテナンスすることができる画像記録装置及びその画像記録装置の記録ヘッドのメンテナンス方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、インクを吐出するインク吐出ノズルと気泡抜きのためのインク非吐出ノズルとを記録ヘッドに設けた画像記録装置の記録ヘッドのインク吐出ノズル面に吸引ノズルが当接又は近接して記録ヘッドのメンテナンスのための吸引を行うためにインク吐出面側を移動し、吸引ノズルがインク吐出ノズルに対応する位置のときは第1の吸引力で吸引し、吸引ノズルがインク非吐出ノズルに対応する位置のときは第2の吸引力で吸引するように吸引ノズルの吸引を制御するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施例)
図1は画像記録装置であるインクジェット記録装置1の内部構成を示す断面図である。インクジェット記録装置1は、記録媒体である用紙Pにカラー印刷を行うものである。用紙Pは、例えば、普通紙、光沢紙、OHPシートなどが用いられる。
【0008】
インクジェット記録装置1は、ドラム2、印字ユニット3、手差しトレイ4、ペーパーカセット5、給紙機構6、排紙機構7、インク供給システム8、制御部9を有している。ドラム2は外周に用紙を保持しながら所定の速度で回転する。印字ユニット3は用紙にカラー印刷を行う。手差しトレイ4は載置された用紙Pを1枚ずつ給紙する。ペーパーカセット5は用紙Pを収容する。給紙機構6は、手差しトレイ4、あるいは、ペーパーカセット5から供給される用紙Pをドラム2と接するように給紙する。排紙機構7はドラム2により印刷が行われた用紙Pを排紙する。このように排紙機構7により排紙された用紙Pは、排紙スイッチ10により排紙トレイ11、あるいは、インクジェット記録装置1の上部に設けられた排紙トレイ12に用紙搬送機構13により排出される。インク供給システム8はインクの供給を実行する。制御部9はインクジェット記録装置1の各装置を総括的に制御する。
【0009】
図1に示すように、ドラム2は筐体14の略中央に配置されている。手差しトレイ4はドラム2の下方に、筐体14の一方の壁面から延出して配置されている。また、ペーパーカセット5はドラム2の下方に配置されている。給紙機構6はドラム2の上流に位置している。印字ユニット3はドラム2の上側に配置されている。排紙機構7はドラム2の下流に配置されている。ドラム2は軸Xで保持されている。ドラム2は図2の矢印Rで示す回転方向に応じて用紙Pを周面に巻きつける。
【0010】
印字ユニット3は、4つのノズルユニット20C(シアン)、20Y(イエロー)、20M(マゼンダ)、20B(ブラック)がドラム2の周面上に、用紙Pに印字を行う上流側から下流側にこの順で配置されて構成されている。各ノズルユニット20C、20Y、20M、20Bはインク供給システム8から色に応じたインクが供給される。各ノズルユニット20C、20Y、20M、20Bは、複数のインクジェットヘッドがドラムのX軸方向に配置されて構成されている。
【0011】
図3は、上述のように構成されたインクジェット記録装置1のノズルユニットのメンテナンス機構を示し、図4はインクジェットヘッドの内部構造を示している。
【0012】
上述した各色のノズルユニット20C、20Y、20M、20Bは、複数のインクジェットヘッド例えば、3個のインクジェットヘッド201、202、203が図示しない基板などにその長手方向が前述したX軸の軸方向と並行となるように取り付けられて構成されている。
【0013】
このインクジェットヘッド201、202、203に共通する内部構造を、図4を参照して説明する。図4はインクジェットヘッド201の一方の端部を示している。
【0014】
インクジェットヘッド201の内部には、インクを充填する共通インク室21が設けられており、この共通インク室21の端部の断面の形状は、略コ形状で端部側の一部に段差部を設けたものとなっている。共通インク室21にはインクが充填されると共にインク充填時や何らかの作用により生じた気泡やゴミ等22が混入している。
【0015】
インクジェットヘッド201の底部には、端部側にインク非吐出ノズル23が1つ配置されており、そのインク非吐出ノズル23から所定間隔で複数のインク吐出ノズル24が配置されている。なお、図示しないが、前記端部の反対側の端部にもインク非吐出ノズル23が1つ配置されている。インク非吐出ノズル23は、所定の流路長さ及び所定の流路径のインク非吐出ノズル部25を介して共通インク室21と連通している。このインク非吐出ノズル23とインク非吐出ノズル部25は気泡抜き孔を構成している。また、各インク吐出ノズル24は、所定の流路長さ及び所定の流路径の各インク吐出ノズル部26を介して、共通インク室21と連通している。なお、この実施の形態では、インク非吐出ノズル部25、インク吐出ノズル部26の流路長さや流路径などで決定される流路抵抗は、インク非吐出ノズル部25の方が大きいものとする。
【0016】
ここで、流路抵抗について詳細に説明しておく。インク非吐出ノズル部25、インク吐出ノズル部26からインクを吸引する際に、液体であるインクが流路を移動する際に液体の移動を妨げようとする作用、すなわち、流路抵抗が生じる。流路抵抗は、例えば、粘性をもった液体(粘性流体)と流路内壁との摩擦力(粘性抵抗)である。液体の粘性については、Poiseuilleの法則が知られている。Poiseuilleの法則は、流路は管内半径a、流路長さlとし、流体は粘性係数ηの水平定常流としたときに、t秒間に流れる流体の体積をV、水平定常流の両端の圧力差(流路管の入り口と出口の圧力差)をΔpとすれば=(πa4tΔp)/(8lV)の関係が成り立つ法則である。上式を変形するとV=(πa4tΔp)/8lηとなる。このことから流路内の流量は流路長さlに反比例し、流路管内半径aに比例することがわかる。
【0017】
インクジェットヘッド201の下側にはヘッドノズル面を保護する保護部材28が設けられている。吸引ノズル27を利用してヘッドノズル面をメンテナンスする際、吸引ノズル27が直接ヘッドノズル面に接触すると、ヘッドノズル面に傷、破損が生じ、ヘッドの基本特性を維持できなくなる。ヘッドノズル面の外側に保護部材28を設けることにより、これを回避している。この保護部材28は、印字面とヘッドとのギャップを調整するときに、ヘッドノズル面に生じるダメージも防止できる。また、インクジェットヘッド201の輸送時にも同様にヘッドノズル面に外力が加わる可能はあるが、この場合も保護部材28でノズル面を保護できる。なお、保護部材28は全てのインクジェットヘッドに設けられている。
【0018】
また、インク非吐出ノズル23、各インク吐出ノズル24がインク吐出面に配置されたインクジェットヘッド201のメンテナンスを実行するときには、吸引ノズル27がインク吐出面に当接するようになっている。なお、メンテナンス時に吸引ノズル27がインク吐出面に近接する構成としても良い。
【0019】
続いて、図3を参照して、各インクジェットヘッド201、202、203のメンテナンス機構について説明する。各インクジェットヘッド201、202、203のインク吐出面の下側に、各インクジェットヘッド201、202、203が配列された方向と略平行となるようにメンテナンス駆動部30が設けられている。このメンテナンス駆動部30に沿って吸引ノズル27が往復移動する。この吸引ノズル27の位置を検出すための位置検出センサ29a、29b、29c、29d、29e、29fが設けられている。この各位置検出センサ29a、29b、29c、29d、29e、29fは、吸引ノズル27がメンテナンス駆動部30を移動するときに、インク非吐出ノズル23に対応する位置に位置したことを検出するために設けられている。すなわち、図3で示すように6ヶ所配置する構成となっている。なお、各位置検出センサ29a、29b、29c、29d、29e、29fは、例えば、オプトインタラプタなどであり、発光素子から発光される光を受光素子で受光する構成となっており、その間を吸引ノズル27が通過するようになっている。
【0020】
吸引ノズル27は吸引用チューブ34を介して吸引ポンプ31とつながれている。この吸引用チューブ34は、吸引ポンプ31が吸引する圧力を調整する圧力調整弁32が設けられた吸引インク回収ビン33を通過する。
【0021】
次に図5を参照して、インクジェット記録装置1の印字ユニット3のメンテナンスを行う制御構成を説明する。
【0022】
CPU41、メモリ42、コントロールパネル43、メンテナンス制御部44がI/Oポート45に接続されている。CPU41はバスライン46を介してROM47と接続されている。メンテナンス制御部44は、メンテナンス駆動部30、圧力調整弁32、吸引ポンプ31、タイマ部48、位置検出センサ29a、29b、29c、29d、29e、29fと接続されている。
【0023】
CPU41は、ROM47に記憶された制御プログラムに基づいてインクジェット記録装置1として動作を実現する。コントロールパネル43は、CPU41の制御の下、ユーザに対し情報を報知したり、ユーザから指示を受付ける。
【0024】
メンテナンス制御部44は、メンテナンス制御を行うための制御回路である。メンテナンス制御部は、メンテナンス駆動部、圧力調整弁、吸引ポンプ、タイマ部、位置検出センサを制御してメンテナンスを実行する。
【0025】
前記メモリ42には各種データや設定などが記憶される。例えば、色毎のインクジェットヘッド毎に定められたメンテナンス開始位置やメンテナンスを行うインクジェットヘッドの順序などが記憶されている。また、メモリ42はインク非吐出ノズル23から吸引を行う吸引時間の設定や圧力調整弁32の開閉による吸引圧力の設定などが記憶されている。吸引圧力の設定は、例えば、吸引ノズル27がインク吐出ノズル24から吸引を行うときは、弁を開いて吸引圧力を弱くし、吸引ノズル27がインク非吐出ノズル23から吸引を行うときは弁を絞り吸引圧力を強くする設定が記憶される。なお、この圧力調整弁の開きの調整は、インク非吐出ノズル部25、インク吐出ノズル部26の流路長さや流路径などで決定される流路抵抗を考慮して定められるものとする。
【0026】
メンテナンス駆動部30は、上述したように吸引ノズル27を所定の方向に沿って往復動作させる。吸引ポンプ31は所定の圧力で吸引動作を行う。
圧力調整弁32は、メンテナンス制御部44に制御され吸引インク回収ビン33内の真空度を調整することにより吸引ノズル27の吸引圧力を調整する。
タイマ部48は時間情報を生成する。位置検知センサ部29は位置検知センサ29a〜2fからなり、上述したように、吸引ノズル27がインク非吐出ノズル23に位置しているか否かを検知する。例えば、吸引ノズル27の位置がインク非吐出ノズル23に対応する位置であれば位置検知センサはONとなり、吸引ノズルの位置がインク非吐出ノズル23に対応する位置でなければOFFとなる。
【0027】
続いてメンテナンス制御部44が実行するメンテナンスの処理を図6のフローチャートを参照して説明する。
【0028】
先ずステップST101において、メンテナンス制御部44は、メンテナンス処理を実行するか否かを判断する。この判断でYESなら処理はステップST102へ進み、NOなら待機状態となる。このメンテナンス処理を行うタイミングは、例えば、コントロールパネル43からメンテナンス開始の指示を受付けたり、または、電源投入後に予めメンテナンスを実行する設定がされている場合などがある。
【0029】
ステップST102において、メンテナンス制御部44は、メンテナンス駆動部30を制御して吸引ノズル27を退避位置からメンテナンス開始位置へ移動する。ステップST103において、メンテナンス制御部44は吸引ポンプ31の吸引動作を開始する。また、このとき、メンテナンス制御部44は圧力調整弁32を全開する。これにより、吸引ノズル27から吸引が開始される。ステップST104において、メンテナンス制御部44は、メンテナンス駆動部30を制御して吸引ノズル27をインクジェットヘッドのインク吐出面に当接する。なお、吸引ノズル27がインクジェットヘッドのインク吐出面に近接する構成としても良い。
【0030】
ステップST105において、メンテナンス制御部44は位置検知センサ部29が吸引ノズル27を検知しているか否かを判断する。この判断でYESなら処理はステップST106へ進み、NOなら処理はステップST108へ進む。
【0031】
ステップST106において、メンテナンス制御部44は、メモリ42からインク非吐出ノズル23からインクを吸引する設定を選択して読出し、圧力調整弁32を絞る。すなわち、インク非吐出ノズル23から吸引を行うために吸引力を強くする。
【0032】
ステップST107において、メンテナンス制御部44は、タイマ部48で計時される時間に基づいて、メモリ42に記憶されているインク非吐出ノズル23から吸引を行う吸引時間が経過したか否かを判断する。経過するまで吸引を行い、経過したことを判断するとステップST108へ進む。
【0033】
ステップST108において、メンテナンス制御部44は、メモリ42からインク吐出ノズル24からインクを吸引する設定を選択して読出し、圧力調整弁32を開く。すなわち、インク吐出ノズル24から吸引を行うために吸引力を弱くする。そして、ステップST109において、メンテナンス制御部44は、メンテナンス駆動部30を制御して吸引ノズル27をインクジェットヘッドのインク吐出表面に当接させながらスライド移動させる。これにより、インク吐出側の表面に付着したインク、ゴミなどを除去することができる。
【0034】
続いてステップST110において、メンテナンス制御部44は、位置検知センサ部29で吸引ノズル27を検知したか否かを判断する。このときに、吸引ノズル27を検知する位置検知センサは前記検知を行ったセンサと反対側の端部に配置された位置検知センサである。この判断で位置検知センサ部29が吸引ノズル27を検知するまで吸引ノズル27のスライド移動が行われる。吸引ノズル27が検知されるとステップST111へ進む。
【0035】
ステップST111において、メンテナンス制御部44は、メモリ42からインク非吐出ノズル23からインクを吸引する設定を選択して読出し、圧力調整弁32を絞る。すなわち、インク非吐出ノズル23から吸引を行うために吸引力を強くする。
【0036】
ステップST112において、メンテナンス制御部44は、タイマ部48で計時される時間に基づいて、メモリ42に記憶されているインク非吐出ノズル23から吸引を行う吸引時間が経過したか否かを判断する。経過するまで吸引を行い、経過したことを判断するとステップST113へ進む。
【0037】
ステップST113において、メンテナンス制御部44は、吸引ノズル27をインクジェットヘッドのインク吐出面から離間させる。これにより、インクジェットヘッドの1つがメンテナンスされる。
【0038】
ステップST114において、メンテナンス制御部44は、メンテナンス処理を終了するか否かを判断する。すなわち各色毎に設けられた3つのインクジェットヘッドの全てのメンテナンスが終了したか否かを判断する。この判断でNOなら処理はステップST102へ戻る。このとき、ステップST102においては、メンテナンス制御部44は、吸引ノズル27を次のインクジェットヘッドのメンテナンス開始位置へ移動する。また、前記判断でYESなら処理はステップST115へ進む。
【0039】
ステップST115において、メンテナンス制御部44は、吸引ポンプ31の吸引動作を停止する。ステップST116において、メンテナンス制御部44は、メンテナンス駆動部30を制御して吸引ノズル27を退避位置へ移動する。これによりメンテナンス処理は終了する。
【0040】
従って、インク非吐出ノズル23とインク吐出ノズル24の異なる流路抵抗であっても、それぞれに適した吸引力となるように圧力調整弁32の開閉が調整される。そして、位置検知センサ部29の吸引ノズル27の検知に基づいて、吸引ノズル27がインク非吐出ノズル23に位置しているとインク非吐出ノズル23に適した吸引に、インク吐出ノズル24に位置しているとインク吐出ノズル24に適した吸引となるように圧力調整弁32の調整が行われる。
【0041】
上述のように、流路抵抗が大きいインク非吐出ノズル23から吸引を行うときには、圧力調整弁32を絞り吸引ノズル27の吸引圧力を強くする。これにより、共通インク室21内に生じた気泡、ゴミ等をインク非吐出ノズル23から吸い出すことが出来る。また、流路抵抗の小さいインク吐出ノズル24から吸引を行うときには、圧力調整弁32を開き吸引圧力を弱くする。これにより、吸引を行うインク吐出ノズル24に隣接するインク吐出ノズルからの空気やゴミ等の吸い込みを防止できる。
【0042】
なお、インク非吐出ノズル23とインク吐出ノズル24とを圧力調整弁32により調整する構成としている。しかしながら、インク非吐出ノズル23とインク非吐出ノズル23とで吸引圧力を同じにして、吸引時間を調整する構成としても良い。
【0043】
このように、インクジェット記録装置1は、1つの吸引ノズルで、流路抵抗が異なるインク非吐出ノズル23とインク吐出ノズル24に合わせて共通インク室21内部から気泡やゴミ等の吸引を行うことができる。また、インクジェットヘッドのインク吐出側の表面に付着したインク、ゴミなどを除去することができ、インク吐出ノズル内のメニスカスを壊さずに、簡易な構成で容易なインクジェットヘッドのメンテナンスを行うことができる。
【0044】
(第2の実施例)
次に第2の実施例について述べる。なお、前述した第1の実施例と同一部分には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0045】
この実施例のインクジェットヘッド201´の端部は、図7に示すように構成されている。インク非吐出ノズル部25の流路長さがL1、流路径がΦAであり、インク吐出ノズル部26の流路長さがL2、流路径がΦBとなり、また、吸引ノズル27の吸引力によってt秒間にインク吐出ノズル部26を流れる流量をV1、流路径ΦA、流路長さL1、t秒間にインク非吐出ノズル部25を流れる流量をV2、流路径ΦB、流路長さL2とした時、V1=V2となるように構成されている。すなわち、インクの流路抵抗が同じになるように構成されている。従って、インク非吐出ノズル部25がインク吐出ノズル部26より流路が長い分、流路径を大きくする構成となっている。
【0046】
そして、インク非吐出ノズル23から吸引ノズル27で吸引する時間とインク吐出ノズル24から吸引ノズル27で吸引する時間を異なるように制御する。
【0047】
このように構成しても第1の実施例と同様な効果を奏することができる。また、インク非吐出ノズル23とインク吐出ノズル24と吸引ノズル27の吸引力を同じにすることができるため圧力調整弁32を省くことができる。
【0048】
なお、上述の各実施例において、カラー印字を行うインクジェット記録装置に本発明を適用した場合で説明したが、モノクロ印字を行うインクジェット記録装置にも適用できる。
【0049】
なお、この発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化でき、また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を変形できるものである。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、1つの吸引ノズルで、流路抵抗が異なるインク吐出ノズルとインク非吐出ノズルに合わせて気泡やゴミ等の吸引を行うことができ、簡易な構成で容易に記録ヘッド内部及び表面をメンテナンスすることができる画像記録装置及びその画像記録装置の記録ヘッドのメンテナンス方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるインクジェット記録装置の内部構成を示す図。
【図2】同実施の形態におけるドラムとノズルユニットの配置関係を示す図。
【図3】同実施の形態におけるインクジェットヘッドのメンテナンスの構成を説明するための図。
【図4】同実施の形態におけるインクジェットヘッドの端部の断面を示す図。
【図5】同実施の形態におけるインクジェット記録装置の概略的な制御部を示す図。
【図6】同実施の形態におけるメンテナンス処理を示すフローチャート。
【図7】本発明の第2の実施の形態におけるインクジェットヘッドの端部の断面を示す図。
【符号の説明】
1…画像記録装置、201、202、203…インクジェットヘッド、27…吸引ノズル、29…位置検出センサ、30…メンテナンス駆動部、31…吸引ポンプ、32…圧力調整弁、44…メンテナンス制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸引ノズルが記録ヘッドの表面を当接又は近接しながら移動して記録ヘッドのメンテナンスを行う画像記録装置及びその画像記録装置の記録ヘッドのメンテナンス方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像記録装置の記録ヘッド、例えば、インクジェットヘッド内のインク室等に生じた気泡等を、インクの供給を行うインク室を加圧することでインク吐出口からインクを排出したり、吸引ノズルやキャップ手段を介して吐出口から吸引してインクを除去するインクジェットヘッドのメンテナンス方法及び機構が知られている。このメンテナンス方法は、インク充填時や何らかの作用によりインク室内に気泡等が混入した場合に、インクジェットヘッドの両端部に設けたインク非吐出ノズルなどからなる気泡抜き孔からインクジェットヘッドの印字性能を維持するため吸引ノズルで気泡等を抜く方法である。このように気泡等を抜くことにより、専用の気泡抜き方法が必要なく簡単な方法で気泡抜きができる。
また、一個のキャッピング部材に第1のキャップと第2のキャップを設け、電磁弁の切替えにより別々の吸引経路で気泡等の吸引を行う技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−220970号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の方法を用いると吸引ノズルの吸引圧は隣接しているインク吐出ノズルからの空気やゴミ等を吸引しない吸引力で一定となっている。従って、この吸引ノズルの吸引力だとインク吐出ノズルより流路抵抗の大きいインク非吐出ノズルから気泡等を吸い出すことができない。また、気泡等を吸い出せるように吸引ノズルの吸引力をインク非吐出ノズル用に設定するとインク吐出ノズルに対しては吸引力が強すぎてインク吐出ノズル内に形成されたメニスカスを壊してしまう。また、後者の技術では電磁弁の切替えにより別々の吸引経路で気泡等の吸引を行うため複雑な構成となってしまう。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、1つの吸引ノズルで、流路抵抗が異なるインク吐出ノズルとインク非吐出ノズルに合わせて気泡やゴミ等の吸引を行い、簡易な構成で容易に記録ヘッドの内部及び表面をメンテナンスすることができる画像記録装置及びその画像記録装置の記録ヘッドのメンテナンス方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、インクを吐出するインク吐出ノズルと気泡抜きのためのインク非吐出ノズルとを記録ヘッドに設けた画像記録装置の記録ヘッドのインク吐出ノズル面に吸引ノズルが当接又は近接して記録ヘッドのメンテナンスのための吸引を行うためにインク吐出面側を移動し、吸引ノズルがインク吐出ノズルに対応する位置のときは第1の吸引力で吸引し、吸引ノズルがインク非吐出ノズルに対応する位置のときは第2の吸引力で吸引するように吸引ノズルの吸引を制御するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施例)
図1は画像記録装置であるインクジェット記録装置1の内部構成を示す断面図である。インクジェット記録装置1は、記録媒体である用紙Pにカラー印刷を行うものである。用紙Pは、例えば、普通紙、光沢紙、OHPシートなどが用いられる。
【0008】
インクジェット記録装置1は、ドラム2、印字ユニット3、手差しトレイ4、ペーパーカセット5、給紙機構6、排紙機構7、インク供給システム8、制御部9を有している。ドラム2は外周に用紙を保持しながら所定の速度で回転する。印字ユニット3は用紙にカラー印刷を行う。手差しトレイ4は載置された用紙Pを1枚ずつ給紙する。ペーパーカセット5は用紙Pを収容する。給紙機構6は、手差しトレイ4、あるいは、ペーパーカセット5から供給される用紙Pをドラム2と接するように給紙する。排紙機構7はドラム2により印刷が行われた用紙Pを排紙する。このように排紙機構7により排紙された用紙Pは、排紙スイッチ10により排紙トレイ11、あるいは、インクジェット記録装置1の上部に設けられた排紙トレイ12に用紙搬送機構13により排出される。インク供給システム8はインクの供給を実行する。制御部9はインクジェット記録装置1の各装置を総括的に制御する。
【0009】
図1に示すように、ドラム2は筐体14の略中央に配置されている。手差しトレイ4はドラム2の下方に、筐体14の一方の壁面から延出して配置されている。また、ペーパーカセット5はドラム2の下方に配置されている。給紙機構6はドラム2の上流に位置している。印字ユニット3はドラム2の上側に配置されている。排紙機構7はドラム2の下流に配置されている。ドラム2は軸Xで保持されている。ドラム2は図2の矢印Rで示す回転方向に応じて用紙Pを周面に巻きつける。
【0010】
印字ユニット3は、4つのノズルユニット20C(シアン)、20Y(イエロー)、20M(マゼンダ)、20B(ブラック)がドラム2の周面上に、用紙Pに印字を行う上流側から下流側にこの順で配置されて構成されている。各ノズルユニット20C、20Y、20M、20Bはインク供給システム8から色に応じたインクが供給される。各ノズルユニット20C、20Y、20M、20Bは、複数のインクジェットヘッドがドラムのX軸方向に配置されて構成されている。
【0011】
図3は、上述のように構成されたインクジェット記録装置1のノズルユニットのメンテナンス機構を示し、図4はインクジェットヘッドの内部構造を示している。
【0012】
上述した各色のノズルユニット20C、20Y、20M、20Bは、複数のインクジェットヘッド例えば、3個のインクジェットヘッド201、202、203が図示しない基板などにその長手方向が前述したX軸の軸方向と並行となるように取り付けられて構成されている。
【0013】
このインクジェットヘッド201、202、203に共通する内部構造を、図4を参照して説明する。図4はインクジェットヘッド201の一方の端部を示している。
【0014】
インクジェットヘッド201の内部には、インクを充填する共通インク室21が設けられており、この共通インク室21の端部の断面の形状は、略コ形状で端部側の一部に段差部を設けたものとなっている。共通インク室21にはインクが充填されると共にインク充填時や何らかの作用により生じた気泡やゴミ等22が混入している。
【0015】
インクジェットヘッド201の底部には、端部側にインク非吐出ノズル23が1つ配置されており、そのインク非吐出ノズル23から所定間隔で複数のインク吐出ノズル24が配置されている。なお、図示しないが、前記端部の反対側の端部にもインク非吐出ノズル23が1つ配置されている。インク非吐出ノズル23は、所定の流路長さ及び所定の流路径のインク非吐出ノズル部25を介して共通インク室21と連通している。このインク非吐出ノズル23とインク非吐出ノズル部25は気泡抜き孔を構成している。また、各インク吐出ノズル24は、所定の流路長さ及び所定の流路径の各インク吐出ノズル部26を介して、共通インク室21と連通している。なお、この実施の形態では、インク非吐出ノズル部25、インク吐出ノズル部26の流路長さや流路径などで決定される流路抵抗は、インク非吐出ノズル部25の方が大きいものとする。
【0016】
ここで、流路抵抗について詳細に説明しておく。インク非吐出ノズル部25、インク吐出ノズル部26からインクを吸引する際に、液体であるインクが流路を移動する際に液体の移動を妨げようとする作用、すなわち、流路抵抗が生じる。流路抵抗は、例えば、粘性をもった液体(粘性流体)と流路内壁との摩擦力(粘性抵抗)である。液体の粘性については、Poiseuilleの法則が知られている。Poiseuilleの法則は、流路は管内半径a、流路長さlとし、流体は粘性係数ηの水平定常流としたときに、t秒間に流れる流体の体積をV、水平定常流の両端の圧力差(流路管の入り口と出口の圧力差)をΔpとすれば=(πa4tΔp)/(8lV)の関係が成り立つ法則である。上式を変形するとV=(πa4tΔp)/8lηとなる。このことから流路内の流量は流路長さlに反比例し、流路管内半径aに比例することがわかる。
【0017】
インクジェットヘッド201の下側にはヘッドノズル面を保護する保護部材28が設けられている。吸引ノズル27を利用してヘッドノズル面をメンテナンスする際、吸引ノズル27が直接ヘッドノズル面に接触すると、ヘッドノズル面に傷、破損が生じ、ヘッドの基本特性を維持できなくなる。ヘッドノズル面の外側に保護部材28を設けることにより、これを回避している。この保護部材28は、印字面とヘッドとのギャップを調整するときに、ヘッドノズル面に生じるダメージも防止できる。また、インクジェットヘッド201の輸送時にも同様にヘッドノズル面に外力が加わる可能はあるが、この場合も保護部材28でノズル面を保護できる。なお、保護部材28は全てのインクジェットヘッドに設けられている。
【0018】
また、インク非吐出ノズル23、各インク吐出ノズル24がインク吐出面に配置されたインクジェットヘッド201のメンテナンスを実行するときには、吸引ノズル27がインク吐出面に当接するようになっている。なお、メンテナンス時に吸引ノズル27がインク吐出面に近接する構成としても良い。
【0019】
続いて、図3を参照して、各インクジェットヘッド201、202、203のメンテナンス機構について説明する。各インクジェットヘッド201、202、203のインク吐出面の下側に、各インクジェットヘッド201、202、203が配列された方向と略平行となるようにメンテナンス駆動部30が設けられている。このメンテナンス駆動部30に沿って吸引ノズル27が往復移動する。この吸引ノズル27の位置を検出すための位置検出センサ29a、29b、29c、29d、29e、29fが設けられている。この各位置検出センサ29a、29b、29c、29d、29e、29fは、吸引ノズル27がメンテナンス駆動部30を移動するときに、インク非吐出ノズル23に対応する位置に位置したことを検出するために設けられている。すなわち、図3で示すように6ヶ所配置する構成となっている。なお、各位置検出センサ29a、29b、29c、29d、29e、29fは、例えば、オプトインタラプタなどであり、発光素子から発光される光を受光素子で受光する構成となっており、その間を吸引ノズル27が通過するようになっている。
【0020】
吸引ノズル27は吸引用チューブ34を介して吸引ポンプ31とつながれている。この吸引用チューブ34は、吸引ポンプ31が吸引する圧力を調整する圧力調整弁32が設けられた吸引インク回収ビン33を通過する。
【0021】
次に図5を参照して、インクジェット記録装置1の印字ユニット3のメンテナンスを行う制御構成を説明する。
【0022】
CPU41、メモリ42、コントロールパネル43、メンテナンス制御部44がI/Oポート45に接続されている。CPU41はバスライン46を介してROM47と接続されている。メンテナンス制御部44は、メンテナンス駆動部30、圧力調整弁32、吸引ポンプ31、タイマ部48、位置検出センサ29a、29b、29c、29d、29e、29fと接続されている。
【0023】
CPU41は、ROM47に記憶された制御プログラムに基づいてインクジェット記録装置1として動作を実現する。コントロールパネル43は、CPU41の制御の下、ユーザに対し情報を報知したり、ユーザから指示を受付ける。
【0024】
メンテナンス制御部44は、メンテナンス制御を行うための制御回路である。メンテナンス制御部は、メンテナンス駆動部、圧力調整弁、吸引ポンプ、タイマ部、位置検出センサを制御してメンテナンスを実行する。
【0025】
前記メモリ42には各種データや設定などが記憶される。例えば、色毎のインクジェットヘッド毎に定められたメンテナンス開始位置やメンテナンスを行うインクジェットヘッドの順序などが記憶されている。また、メモリ42はインク非吐出ノズル23から吸引を行う吸引時間の設定や圧力調整弁32の開閉による吸引圧力の設定などが記憶されている。吸引圧力の設定は、例えば、吸引ノズル27がインク吐出ノズル24から吸引を行うときは、弁を開いて吸引圧力を弱くし、吸引ノズル27がインク非吐出ノズル23から吸引を行うときは弁を絞り吸引圧力を強くする設定が記憶される。なお、この圧力調整弁の開きの調整は、インク非吐出ノズル部25、インク吐出ノズル部26の流路長さや流路径などで決定される流路抵抗を考慮して定められるものとする。
【0026】
メンテナンス駆動部30は、上述したように吸引ノズル27を所定の方向に沿って往復動作させる。吸引ポンプ31は所定の圧力で吸引動作を行う。
圧力調整弁32は、メンテナンス制御部44に制御され吸引インク回収ビン33内の真空度を調整することにより吸引ノズル27の吸引圧力を調整する。
タイマ部48は時間情報を生成する。位置検知センサ部29は位置検知センサ29a〜2fからなり、上述したように、吸引ノズル27がインク非吐出ノズル23に位置しているか否かを検知する。例えば、吸引ノズル27の位置がインク非吐出ノズル23に対応する位置であれば位置検知センサはONとなり、吸引ノズルの位置がインク非吐出ノズル23に対応する位置でなければOFFとなる。
【0027】
続いてメンテナンス制御部44が実行するメンテナンスの処理を図6のフローチャートを参照して説明する。
【0028】
先ずステップST101において、メンテナンス制御部44は、メンテナンス処理を実行するか否かを判断する。この判断でYESなら処理はステップST102へ進み、NOなら待機状態となる。このメンテナンス処理を行うタイミングは、例えば、コントロールパネル43からメンテナンス開始の指示を受付けたり、または、電源投入後に予めメンテナンスを実行する設定がされている場合などがある。
【0029】
ステップST102において、メンテナンス制御部44は、メンテナンス駆動部30を制御して吸引ノズル27を退避位置からメンテナンス開始位置へ移動する。ステップST103において、メンテナンス制御部44は吸引ポンプ31の吸引動作を開始する。また、このとき、メンテナンス制御部44は圧力調整弁32を全開する。これにより、吸引ノズル27から吸引が開始される。ステップST104において、メンテナンス制御部44は、メンテナンス駆動部30を制御して吸引ノズル27をインクジェットヘッドのインク吐出面に当接する。なお、吸引ノズル27がインクジェットヘッドのインク吐出面に近接する構成としても良い。
【0030】
ステップST105において、メンテナンス制御部44は位置検知センサ部29が吸引ノズル27を検知しているか否かを判断する。この判断でYESなら処理はステップST106へ進み、NOなら処理はステップST108へ進む。
【0031】
ステップST106において、メンテナンス制御部44は、メモリ42からインク非吐出ノズル23からインクを吸引する設定を選択して読出し、圧力調整弁32を絞る。すなわち、インク非吐出ノズル23から吸引を行うために吸引力を強くする。
【0032】
ステップST107において、メンテナンス制御部44は、タイマ部48で計時される時間に基づいて、メモリ42に記憶されているインク非吐出ノズル23から吸引を行う吸引時間が経過したか否かを判断する。経過するまで吸引を行い、経過したことを判断するとステップST108へ進む。
【0033】
ステップST108において、メンテナンス制御部44は、メモリ42からインク吐出ノズル24からインクを吸引する設定を選択して読出し、圧力調整弁32を開く。すなわち、インク吐出ノズル24から吸引を行うために吸引力を弱くする。そして、ステップST109において、メンテナンス制御部44は、メンテナンス駆動部30を制御して吸引ノズル27をインクジェットヘッドのインク吐出表面に当接させながらスライド移動させる。これにより、インク吐出側の表面に付着したインク、ゴミなどを除去することができる。
【0034】
続いてステップST110において、メンテナンス制御部44は、位置検知センサ部29で吸引ノズル27を検知したか否かを判断する。このときに、吸引ノズル27を検知する位置検知センサは前記検知を行ったセンサと反対側の端部に配置された位置検知センサである。この判断で位置検知センサ部29が吸引ノズル27を検知するまで吸引ノズル27のスライド移動が行われる。吸引ノズル27が検知されるとステップST111へ進む。
【0035】
ステップST111において、メンテナンス制御部44は、メモリ42からインク非吐出ノズル23からインクを吸引する設定を選択して読出し、圧力調整弁32を絞る。すなわち、インク非吐出ノズル23から吸引を行うために吸引力を強くする。
【0036】
ステップST112において、メンテナンス制御部44は、タイマ部48で計時される時間に基づいて、メモリ42に記憶されているインク非吐出ノズル23から吸引を行う吸引時間が経過したか否かを判断する。経過するまで吸引を行い、経過したことを判断するとステップST113へ進む。
【0037】
ステップST113において、メンテナンス制御部44は、吸引ノズル27をインクジェットヘッドのインク吐出面から離間させる。これにより、インクジェットヘッドの1つがメンテナンスされる。
【0038】
ステップST114において、メンテナンス制御部44は、メンテナンス処理を終了するか否かを判断する。すなわち各色毎に設けられた3つのインクジェットヘッドの全てのメンテナンスが終了したか否かを判断する。この判断でNOなら処理はステップST102へ戻る。このとき、ステップST102においては、メンテナンス制御部44は、吸引ノズル27を次のインクジェットヘッドのメンテナンス開始位置へ移動する。また、前記判断でYESなら処理はステップST115へ進む。
【0039】
ステップST115において、メンテナンス制御部44は、吸引ポンプ31の吸引動作を停止する。ステップST116において、メンテナンス制御部44は、メンテナンス駆動部30を制御して吸引ノズル27を退避位置へ移動する。これによりメンテナンス処理は終了する。
【0040】
従って、インク非吐出ノズル23とインク吐出ノズル24の異なる流路抵抗であっても、それぞれに適した吸引力となるように圧力調整弁32の開閉が調整される。そして、位置検知センサ部29の吸引ノズル27の検知に基づいて、吸引ノズル27がインク非吐出ノズル23に位置しているとインク非吐出ノズル23に適した吸引に、インク吐出ノズル24に位置しているとインク吐出ノズル24に適した吸引となるように圧力調整弁32の調整が行われる。
【0041】
上述のように、流路抵抗が大きいインク非吐出ノズル23から吸引を行うときには、圧力調整弁32を絞り吸引ノズル27の吸引圧力を強くする。これにより、共通インク室21内に生じた気泡、ゴミ等をインク非吐出ノズル23から吸い出すことが出来る。また、流路抵抗の小さいインク吐出ノズル24から吸引を行うときには、圧力調整弁32を開き吸引圧力を弱くする。これにより、吸引を行うインク吐出ノズル24に隣接するインク吐出ノズルからの空気やゴミ等の吸い込みを防止できる。
【0042】
なお、インク非吐出ノズル23とインク吐出ノズル24とを圧力調整弁32により調整する構成としている。しかしながら、インク非吐出ノズル23とインク非吐出ノズル23とで吸引圧力を同じにして、吸引時間を調整する構成としても良い。
【0043】
このように、インクジェット記録装置1は、1つの吸引ノズルで、流路抵抗が異なるインク非吐出ノズル23とインク吐出ノズル24に合わせて共通インク室21内部から気泡やゴミ等の吸引を行うことができる。また、インクジェットヘッドのインク吐出側の表面に付着したインク、ゴミなどを除去することができ、インク吐出ノズル内のメニスカスを壊さずに、簡易な構成で容易なインクジェットヘッドのメンテナンスを行うことができる。
【0044】
(第2の実施例)
次に第2の実施例について述べる。なお、前述した第1の実施例と同一部分には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0045】
この実施例のインクジェットヘッド201´の端部は、図7に示すように構成されている。インク非吐出ノズル部25の流路長さがL1、流路径がΦAであり、インク吐出ノズル部26の流路長さがL2、流路径がΦBとなり、また、吸引ノズル27の吸引力によってt秒間にインク吐出ノズル部26を流れる流量をV1、流路径ΦA、流路長さL1、t秒間にインク非吐出ノズル部25を流れる流量をV2、流路径ΦB、流路長さL2とした時、V1=V2となるように構成されている。すなわち、インクの流路抵抗が同じになるように構成されている。従って、インク非吐出ノズル部25がインク吐出ノズル部26より流路が長い分、流路径を大きくする構成となっている。
【0046】
そして、インク非吐出ノズル23から吸引ノズル27で吸引する時間とインク吐出ノズル24から吸引ノズル27で吸引する時間を異なるように制御する。
【0047】
このように構成しても第1の実施例と同様な効果を奏することができる。また、インク非吐出ノズル23とインク吐出ノズル24と吸引ノズル27の吸引力を同じにすることができるため圧力調整弁32を省くことができる。
【0048】
なお、上述の各実施例において、カラー印字を行うインクジェット記録装置に本発明を適用した場合で説明したが、モノクロ印字を行うインクジェット記録装置にも適用できる。
【0049】
なお、この発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化でき、また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を変形できるものである。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、1つの吸引ノズルで、流路抵抗が異なるインク吐出ノズルとインク非吐出ノズルに合わせて気泡やゴミ等の吸引を行うことができ、簡易な構成で容易に記録ヘッド内部及び表面をメンテナンスすることができる画像記録装置及びその画像記録装置の記録ヘッドのメンテナンス方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるインクジェット記録装置の内部構成を示す図。
【図2】同実施の形態におけるドラムとノズルユニットの配置関係を示す図。
【図3】同実施の形態におけるインクジェットヘッドのメンテナンスの構成を説明するための図。
【図4】同実施の形態におけるインクジェットヘッドの端部の断面を示す図。
【図5】同実施の形態におけるインクジェット記録装置の概略的な制御部を示す図。
【図6】同実施の形態におけるメンテナンス処理を示すフローチャート。
【図7】本発明の第2の実施の形態におけるインクジェットヘッドの端部の断面を示す図。
【符号の説明】
1…画像記録装置、201、202、203…インクジェットヘッド、27…吸引ノズル、29…位置検出センサ、30…メンテナンス駆動部、31…吸引ポンプ、32…圧力調整弁、44…メンテナンス制御部
Claims (10)
- インクを吐出するインク吐出ノズルと気泡抜きのためのインク非吐出ノズルとを設けた記録ヘッドを有する画像記録装置において、
前記記録ヘッドのインク吐出ノズル面に吸引ノズルが当接又は近接し、前記記録ヘッドのインク吐出面側を移動してメンテナンスのための吸引を行う吸引部と、
前記吸引ノズルがインク吐出ノズルに対応する位置のときは第1の吸引力で、前記吸引ノズルがインク非吐出ノズルに対応する位置のときは第2の吸引力で吸引するように前記吸引部を制御する制御部とを備えたことを特徴とする画像記録装置。 - 前記吸引部は吸引力を調整するための圧力調整弁を備え、
前記制御部は前記圧力調整弁を制御し、前記第1の吸引力又は前記第2の吸引力で吸引を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。 - 前記記録ヘッドのインク吐出ノズル面に対する前記吸引ノズルの位置を検知する位置検知センサを備え、
前記制御部は前記位置検知センサで検知された吸引ノズルの位置に基づいて前記圧力調整弁を制御することを特徴とする請求項2に記載の画像記録装置。 - 前記インク吐出ノズルと前記インク非吐出ノズルの流路抵抗が同じであることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
- 時間を計時するタイマ部を備え、
前記制御部は前記タイマ部で計時される時間に基づいて前記吸引部の吸引時間を制御することを特徴とする請求項4に記載の画像記録装置。 - インクを吐出するインク吐出ノズルと気泡抜きのためのインク非吐出ノズルとを設けた記録ヘッドを有する画像記録装置の記録ヘッドのメンテナンス方法において、
前記記録ヘッドのインク吐出ノズル面に吸引ノズルが当接又は近接して前記記録ヘッドのメンテナンスのための吸引を行うためにインク吐出面側を移動し、前記吸引ノズルがインク吐出ノズルに対応する位置のときは第1の吸引力で吸引し、前記吸引ノズルがインク非吐出ノズルに対応する位置のときは第2の吸引力で吸引することを特徴とする画像記録装置の記録ヘッドのメンテナンス方法。 - 前記第1の吸引力と前記第2の吸引力とを、吸引力を調整するための圧力調整弁を調整して行うことを特徴とする請求項6に記載の画像記録装置の記録ヘッドのメンテナンス方法。
- 前記記録ヘッドのインク吐出ノズル面に対する前記吸引ノズルの位置を検知し、検知された位置に基づいて前記圧力調整弁を調整することを特徴とする請求項7に記載の画像記録装置の記録ヘッドのメンテナンス方法。
- 前記インク吐出ノズルと前記インク非吐出ノズルの流路抵抗が同じであることを特徴とする請求項6に記載の画像記録装置の記録ヘッドのメンテナンス方法。
- 吸引時間の計時を行い、計時された時間に基づいて吸引時間を制御することを特徴とする請求項9に記載の画像記録装置の記録ヘッドのメンテナンス方法。
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JP2003201718A JP2004224044A (ja) | 2002-11-26 | 2003-07-25 | 画像記録装置及びその画像記録装置の記録ヘッドのメンテナンス方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006247900A (ja) * | 2005-03-08 | 2006-09-21 | Fuji Xerox Co Ltd | 液滴吐出装置 |
JP2010504230A (ja) * | 2006-09-22 | 2010-02-12 | トーンジェット リミテッド | インク供給システム |
US8152285B2 (en) | 2009-01-20 | 2012-04-10 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Ink jet head and ink supplying method thereof |
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2003
- 2003-07-25 JP JP2003201718A patent/JP2004224044A/ja not_active Abandoned
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