JP2004223717A - 液体噴射装置並びにそれを備えた記録装置及び記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】微振動制御時の消費電力及び騒音を低減できる液体噴射装置を提供する。
【解決手段】複数のノズル開口を有するヘッド部材と、ノズル開口毎にノズル開口部と連通した圧力室に圧力変動を生じさせる圧力発生手段と、圧力発生手段を駆動する駆動パルス信号を選択し、圧力発生手段に供給するスイッチ手段と、駆動パルス信号を複数含んでなる駆動信号を生成する駆動信号生成手段とを備えた液体噴射装置であって、駆動信号は、圧力発生手段の振動が逆位相となるように微振動させる微振動パルス信号を含む。隣り合うノズル開口部と連通した圧力室に圧力変動を生じさせる圧力発生手段の振動が逆位相となるように微振動パルスを印加するので、圧力発生手段の振動によって発生する音が打ち消し合うように作用し、印加する微振動パルスの周波数を低下させても騒音を低減でき、消費電力を小さくし得る。
【選択図】 図6
【解決手段】複数のノズル開口を有するヘッド部材と、ノズル開口毎にノズル開口部と連通した圧力室に圧力変動を生じさせる圧力発生手段と、圧力発生手段を駆動する駆動パルス信号を選択し、圧力発生手段に供給するスイッチ手段と、駆動パルス信号を複数含んでなる駆動信号を生成する駆動信号生成手段とを備えた液体噴射装置であって、駆動信号は、圧力発生手段の振動が逆位相となるように微振動させる微振動パルス信号を含む。隣り合うノズル開口部と連通した圧力室に圧力変動を生じさせる圧力発生手段の振動が逆位相となるように微振動パルスを印加するので、圧力発生手段の振動によって発生する音が打ち消し合うように作用し、印加する微振動パルスの周波数を低下させても騒音を低減でき、消費電力を小さくし得る。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノズル開口から液体を噴射させるヘッド部材を備えた液体噴射装置並びに該液体噴射装置を備えた記録装置及び記録方法に関し、例えば、ノズル開口からインク滴を吐出させて記録を行う記録ヘッドを備えたインクジェット式記録装置のノズル開口におけるインクの増粘を防止することができる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット式プリンタやインクジェット式プロッタ等のインクジェット式記録装置は、記録ヘッドを主走査方向に沿って移動させると共に記録紙を副走査方向に沿って移動させ、この移動に連動して記録ヘッドのノズル開口からインク滴を吐出させることにより、記録紙上に画像や文字を記録する。このインク滴の吐出は、例えば、ノズル開口に連通した圧力発生室の区画壁に当接して設けられた圧電部材を伸縮させることによって圧力発生室を膨張・収縮させることで行われる。
【0003】
ところで、記録ヘッドのノズル開口部分では、インクが空気に曝されているので、インク溶媒(例えば、水)が徐々に蒸発する。このインク溶媒の蒸発によりノズル開口部分のインク粘度が上昇し、記録画像の画質を悪化させる。すなわち、当該部分のインク粘度が上昇すると、吐出されたインク滴が正規の方向からずれた方向に飛翔し得る。このため、インクジェット式記録装置では、ノズル開口部分のインクの増粘を防止する対策がなされている。
【0004】
この増粘対策の一つに、メニスカスの微振動によるインクの撹拌がある。ここで、メニスカスとは、ノズル開口にて露出したインクの自由表面のことである。このインクの撹拌では、インク滴が吐出されないように、インク滴の吐出方向と、この吐出方向とは反対側の引込方向とにメニスカスを交互に移動させる。このメニスカスの移動もまた、圧力発生室を膨張・収縮させることにより行う。メニスカスを微振動させることにより、ノズル開口部分のインクが撹拌されるので、インクの増粘が防止される。
【0005】
このインクの撹拌は、例えば、記録ヘッドを搭載したキャリッジの主走査開始直後における加速期間中や、1行の記録期間中、すなわち印字中において行われる。加速期間中における撹拌では、メニスカスを微振動させるための微振動駆動信号を記録ヘッドに供給し、全てのノズル開口のメニスカスを微振動させる。印字中における撹拌では、インク滴を吐出させるための吐出駆動信号から微振動パルスを生成し、この生成した微振動パルスを記録ヘッドに供給する。これにより、インク滴を吐出しないノズル開口についてインクの撹拌が行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−334660号公報
また、上記インクの撹拌は、例えば、キャリッジがホームポジションに位置して給紙待ちしている状態あるいは圧電部材の駆動用IC等が発熱したときにキャリッジがホームポジションに位置して温度低下待ちしている状態である印字休止時において行われる。印字休止時における攪拌では、飛翔インク滴の形成に必要な閾値電圧以下で圧電部材を駆動し、全てのノズル開口のメニスカスを微振動させる(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献2】
特開昭57−61576号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
近年、高精細な記録を達成するために、記録ヘッドのノズル開口数を増加させたインクジェット式記録装置が開発されている。ところが、このようなインクジェット式記録装置では、ノズル開口数の増加に伴って圧電部材も増加しているため、印字休止であるにも拘らず、上記インクの攪拌に伴う圧電部材等の消費電力は大きなものになってしまう。このインクの攪拌に伴う圧電部材等の消費電力を小さくするには、微振動パルスの周波数を低下させればよい。ところが、微振動パルスの周波数を低下させると、人間の可聴域と重なるため、インクの攪拌に伴う圧電部材等の騒音が間題となる。
【0009】
本発明は、上述した事情からなされたものであり、本発明の目的は、微振動制御時の消費電力及び騒音を顕著に低減することができる液体噴射装置並びにそれを備えた記録装置及び記録方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数のノズル開口を有するヘッド部材と、前記ノズル開口毎にノズル開口部と連通した圧力室に圧力変動を生じさせる圧力発生手段と、前記圧力発生手段を駆動する駆動パルス信号を選択し、前記圧力発生手段に供給するスイッチ手段と、前記パルス信号を複数含んでなる駆動信号を生成する駆動信号生成手段とを備えた液体噴射装置であって、前記駆動信号は、前記圧力発生手段の振動が逆位相となるように微振動させる微振動パルス信号を含むことを特徴としている。本発明によれば、隣り合うノズル開口部と連通した圧力室に圧力変動を生じさせる圧力発生手段の振動が打ち消し合うように作用するため、微振動パルス信号の周波数を低下させても騒音を低減させることができ、駆動信号生成手段等の消費電力を小さくすることができる。
【0011】
前記微振動パルス信号は、同一のノズル開口列において隣り合うノズル開口部と連通した圧力室に圧力変動を生じさせる圧力発生手段の振動が逆位相となるように微振動させるものであることを特徴としている。本発明によれば、ノズル開口数が増加しても、簡易な制御構成により、圧力発生手段に印加する微振動パルスの周波数を低下させることができ、駆動信号生成手段等の消費電力を小さくすることができる。
【0012】
前記微振動パルス信号は、隣り合うノズル開口列において隣り合うノズル開口部と連通した圧力室に圧力変動を生じさせる圧力発生手段の振動が逆位相となるように微振動させるものであることを特徴といる。本発明によれば、複数色の記録に対応した装置であっても、各色の圧力発生手段に印加する微振動パルスの周波数を低下させることができ、駆動信号生成手段等の消費電力を小さくすることができる。
【0013】
前記液体噴射装置を有し、前記液体としてインク滴を噴射して記録する記録装置であって、前記駆動信号生成手段は、記録休止時に、隣り合う前記ノズル開口部と連通した圧力室に圧力変動を生じさせる圧力発生手段の振動が逆位相となるように前記微振動パルス信号を印加することを特徴としている。本発明によれば、上記各作用効果を奏する記録装置を提供することができる。
【0014】
ノズル開口からインク滴を噴射して記録する記録方法であって、記録休止時に、隣り合うノズル開口部と連通した圧力室に圧力変動を生じさせる圧力発生手段の振動が逆位相となるように微振動パルスを印加して、前記ノズル開口部分のインクの増粘を防止することを特徴としている。本発明によれば、上記各作用効果を奏する記録方法を提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。本実施の形態の液体噴射装置は、インクジェット式プリンタ(インクジェット式記録装置)に適用される。
【0016】
まず、本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本実施形態のインクジェット式プリンタの機能ブロック図である。図1に示すように、このインクジェット式プリンタは、プリンタコントローラ141とプリントエンジン142とを備えている。
【0018】
プリンタコントローラ141は、図示しないホストコンピュータ等からの印刷データ等を受信するインタフェース(以下、外部I/Fという)143と、各種データの記憶等を行うRAM144と、各種データ処理のためのルーチン等を記憶したROM145と、CPU等から成る制御部146と、クロック信号(CK)を発生する発振回路147と、記録ヘッド8へ供給する駆動信号(COM)を生成する駆動信号生成回路148と、後に詳述する印字データ(SI)、プログラム(パターン)データ(SP)及び駆動信号等をプリントエンジン142に送信するためのインタフェース(以下、内部I/Fという)149とを備えている。
【0019】
駆動信号生成回路148は、図2及び図3に示すように、中ドット(インク滴の量は約13pl)の第1駆動パルスDP1、小ドット(インク滴の量は約6pl)の第2駆動パルスDP2、中ドット(インク滴の量は約13pl)の第3駆動パルスDP3、無ドット(インク滴の吐出無し)[微振動]の第4及び第5駆動パルスDP4及びDP5を一定の時間間隔で複数配置した駆動信号を印刷周期単位で繰り返し生成する。
【0020】
再び、図1を参照して、外部I/F143は、例えばキャラクタコード、グラフィック関数、イメージデータのいずれか1つ又は複数のデータから成る印刷データをホストコンピュータ等から受信する。また、外部I/F143は、ホストコンピュータに対してビジー信号(BUSY)やアクノリッジ信号(ACK)等を出力する。
【0021】
RAM144は、入力バッファ、出力バッファ及びワークメモリ等として利用されるものである。入力バッファには、外部I/F143がホストコンピュータ等から受信した印刷データが一時的に記憶される。出力バッファには、記録ヘッド8へシリアル転送される印刷用イメージデータとしての印字データ(SI)が展開される。印字データ(SI)は、ホストコンピュータ(図示せず)等から供給される印刷信号に含まれる印刷データをイメージバッファに展開し、供給された印刷用イメージデータであり、各ノズル列毎に別々に転送される。ROM145は、制御部146によって実行される各種制御ルーチン、フォントデータ及びグラフィック関数、各種手続き等を記憶している。
【0022】
制御部146は、データ展開手段として機能し、印刷データを印字データに展開する。即ち、入力バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ROM145内のフォントデータやグラッフィック関数等を参照して複数ビットの印字データに展開する。尚、本実施形態における印字データは、後述するように3ビットのデータで構成される。この展開された印字データは出力バッファに記憶されて、記録ヘッド8の1行分に相当する印字データが得られると、この1行分の印字データ(SI)は、内部I/F149を介して記録ヘッド8にシリアル伝送される。
【0023】
また、制御部146は、タイミング信号発生手段の一部を構成し、内部I/F149を通じて記録ヘッド8にラッチ信号(LAT)やチャンネル信号(CH)を供給する。これらのラッチ信号やチャンネル信号は、後述する駆動信号(COM)を構成する第1駆動パルスDP1〜第5駆動パルスDP5の供給開始タイミングを規定する。
【0024】
ここで、図4をも参照して、プリントエンジン142の機械的構成について詳しく述べる。
【0025】
プリントエンジン142は、紙送り機構111、キャリッジ機構112及び記録ヘッド8から構成されている。紙送り機構111は、図4(a)に示すように、紙送りモータ26及び紙送りローラ31等から成り、印刷用紙18等の記録媒体を順次送り出して副走査を行うものである。
【0026】
キャリッジ機構112は、図4(a)に示すように、記録ヘッド8を搭載するキャリッジ21と、このキャリッジ21をタイミングベルト24を介して走行させるキャリッジモータ25等からなり、記録ヘッド8を主走査させるものである。
【0027】
キャリッジ機構112は、図4(a)乃至図4(c)に示すように、ガイド部材20に移動自在に取り付けられ記録ヘッド8及びインクカートリッジ19を搭載可能なキャリッジ21と、駆動プーリー22と従動プーリー23との間に架け渡されると共にキャリッジ21に接続されたタイミングベルト24と、記録紙幅方向に平行な状態で(主走査方向に沿って)プリンタ筐体32に架設されたリニアエンコーダ27と、キャリッジ21に取り付けられリニアエンコーダ27の複数のスリット28を検出可能なスリット検出器29とを備えている。本実施の形態のリニアエンコーダ27は、透明な薄板状部材であり、図4(b)に示すように、スリット28は360dpiのピッチで形成されている。スリット検出器29は、例えば、フォトインタラプタによって構成されている。
【0028】
このようなキャリッジ機構112によれば、キャリッジモータ25の作動により、記録紙18の幅方向(主走査方向)に沿ってキャリッジ21が往復移動する。これにより、キャリッジ21に搭載された記録ヘッド8が、主走査方向に沿って移動する。このキャリッジ21の移動は、ホームポジション側の基準位置を起点にして行われる。ここでホームポジションとは、電源が投入されていない場合や、記録を行わない状態が長時間に亘る場合等において、キャリッジ21を待機させる位置である。本実施の形態では、図4(a)における右端部にホームポジションが設けられている。当該ホームポジションには、記録ヘッド8のノズル開口51(後述)におけるインク溶媒の蒸発を防止するキャッピング機構30が設けられている。
【0029】
一方、基準位置は、ホームポジションから少し左側の位置に設定されている。具体的には、記録紙18の右側縁とキャッピング機構30との間に、基準位置が設定されている。キャリッジ21が移動すると、キャリッジ21と共にスリット検出器29も移動する。この移動に伴って、スリット検出器29は、リニアエンコーダ27の複数のスリット28を順次検出し、スリット28のピッチに応じたパルス状の検出信号を出力する。このスリット検出器29からの検出信号に基づいて、制御部146は記録ヘッド8の位置を認識する。
【0030】
具体的には、制御部146は、キャリッジ21が基準位置に位置付けられた状態で位置カウンタのカウント値をリセットし、キャリッジ21の移動に伴って出力されるスリット検出器29からの立ち上がりパルス(検出信号)を受信し、パルスの受信毎に位置カウンタをカウントアップする。これにより、位置カウンタのカウント値が、キャリッジ21の位置、すなわち、記録ヘッド8の走査位置を示すヘッド位置情報となる。ここで、位置カウンタは、例えば、RAM144のワークメモリ144Bに設けられるが、カウンタを別個に設けても良い。
【0031】
次に、記録ヘッド8について説明する。例示した記録ヘッド8は、図5(a)に示すように、アクチュエータユニット33と、流路ユニット34とから概略構成されている。また、例示した記録ヘッド8は、たわみ振動モードの圧電振動子36を圧力発生素子として用いている。ここで、たわみ振動モードの圧電振動子36とは、その充電により収縮して、圧力発生室36をその容積が少なくなるように変形させ、その放電により伸長して、圧力発生室36をその容積が増えるように変形させるものである。
【0032】
アクチュエータユニット33は、第1の蓋部材37、スペーサ部材38、第2の蓋部材39、圧電振動子36等から構成されている。流路ユニット34は、インク供給口形成基板40、インク室形成基板41及びノズルプレート42等から構成されている。そして、アクチュエータユニット33と流路ユニット34とを接着層43によって一体化することにより、記録ヘッド8が構成されている。なお、接着層43は、熱溶着フィルムや適宜の接着剤等で構成される。
【0033】
第1の蓋部材37は、一般に弾性を有するセラミックの薄板であり、本実施の形態では、厚さが6マイクロメートル程度のジルコニア(ZrO2)によって構成されている。第1の蓋部材37の裏面(上面)には、圧電振動子36の共通電極44が形成され、この共通電極44に圧電振動子36が積層されている。この圧電振動子36の裏面(上面)には、圧電振動子36の駆動電極45が設けられている。
【0034】
スペーサ部材38は、圧力発生室36となる通孔を有するセラミック板であり、この場合、厚さが100マイクロメートル程度の板状のジルコニアによって構成されている。第2の蓋部材39は、図5(a)における左側に供給側連通孔46としての通孔を有しており、同図における右側に第1ノズル連通孔47としての通孔を有するセラミック材である。第2の蓋部材39は、例えば、板状のジルコニアによって構成される。
【0035】
スペーサ部材38の裏面(上面)には第1の蓋部材37が、前面(下面)には第2の蓋部材39が、それぞれ配置されている。すなわち、第1の蓋部材37と第2の蓋部材39とで、スペーサ部材38を挟んでいる。なお、これらの第1の蓋部材37、第2の蓋部材39及びスペーサ部材38は、粘土状のセラミックス材料を所定の形状に成型した後に積層して焼成することにより、一体化した態様で形成される。
【0036】
上記したインク供給口形成基板40は、左側にインク供給口48としての通孔を有し、右側に第1ノズル連通孔47としての通孔を有する板状部材である。また、インク室形成基板41は、インク室49としての通孔を有すると共に、右側に第2ノズル連通孔50としての通孔を有する板状部材である。ノズルプレート42は、右側に多数(例えば、96個)のノズル開口51を副走査方向に沿って開設した薄い板状部材であり、例えば、ステンレス板によって構成される。このノズル開口51は、ドット形成密度に対応した所定ピッチで開設されている。なお、図5(a)では、1列分のノズル開口51(及び圧力発生室39)のみが図示されているが、実際は、例えば図2に示すように6列となっている。
【0037】
インク室形成基板41の前面側(下面側)にはノズルプレート42が、裏面側(上面側)にはインク供給口形成基板40が、それぞれ配置されている。インク室形成基板41とノズルプレート42との間、及びインク室形成基板41とインク供給口形成基板40との間には、それぞれ接着層43が設けられており、結果として、インク供給口形成基板40、インク室形成基板41及びノズルプレート42が一体化されて、流路ユニット34が構成されている。
【0038】
このような構成を有する記録ヘッド8では、流路ユニット34のインク室49と、アクチュエータユニット33の供給側連通孔46とが、インク供給口48を通じて連通する。また、供給側連通孔46と第1ノズル連通孔47とが、圧力発生室36を介して連通する。さらに、第2ノズル連通孔50を介して、ノズル開口51と第1ノズル連通孔47が連通する。これにより、インク室49から圧力発生室36を通ってノズル開口51に至る一連のインク流路が形成される。なお、インク室49には、図示しないインク供給通路を通じて、インクカートリッジ19からのインク(液体)が供給される。本実施の形態においては、各ノズル開口51に供給されるインクは全て共通である。
【0039】
圧力発生室36の容積を変化させることにより、ノズル開口51からインク滴を吐出させることができる。具体的には、圧電振動子36を充電すると、圧電振動子36が電界とは直交する方向に縮み、第1の蓋部材37が変形し、この第1の蓋部材37の変形に伴って圧力発生室36が収縮する。一方、充電された圧電振動子36を放電すると、圧電振動子36が電界とは直交する方向に伸長し、第1の蓋部材37が戻り方向に変形して圧力発生室36を膨張させる。圧力発生室36を一旦膨張させた後に急激に収縮させると、圧力発生室36内におけるインク圧力が急激に上昇し、図5(b)に一点鎖線で示すように、ノズル開口51からインク滴が吐出される。
【0040】
また、インク滴が吐出されない程度に圧力発生室36を膨張・収縮させることにより、ノズル開口51の開口部分のインクを撹拌することができ、当該部分におけるインクの粘度の増加を防止できる。すなわち、インク滴が吐出されない程度に圧力発生室36を膨張・収縮させると、図5(b)に示すように、メニスカス52(ノズル開口51にて露出したインクの自由表面)が、インク吐出方向である下方向とインク引き込み方向である上方向とに交互に移動して微振動し、結果的にノズル開口部分のインクが撹拌される。
【0041】
図6(a)は、記録ヘッド8におけるノズル列構造を示す図である。
【0042】
図6(a)に示すように、記録ヘッド8は、ブラック(BK)インク吐出用のノズル列BK、シアン(C)インク吐出用のノズル列C、ライトシアン(LC)インク吐出用のノズル列LC、マゼンタ(M)インク吐出用のノズル列M、ライトマゼンタ(LM)インク吐出用のノズル列LM、イエロー(Y)インク吐出用のノズル列Yの6つのノズル列を備えている。各色インク吐出用のノズル列BK、C、LC、M、LM、Yは、それぞれ縦(副走査方向)に当該色のインク吐出用ノズルを96個有している。ここで、記録ヘッド8は、図4(a)に示したように、プリンタ装置本体に対して、フレキシブルフラットケーブル(Flexible Flat Cable、以下、FFCと呼ぶ)を介して回路接続されている。
【0043】
記録ヘッド8は、図6(a)に示したノズル列構造や、図5に示した圧力発生室、更にはインク流路系等を含む機械的構成の他、図1に示す駆動回路系151を備えている。この記録ヘッド8の駆動回路系151は、第1シフトレジスタ152、第2シフトレジスタ153及び第3シフトレジスタ154からなるシフトレジスタと、第1ラッチ回路155、第2ラッチ回路156及び第3ラッチ回路157からなるラッチ回路と、デコーダ158、制御ロジック159と、レベルシフタ160と、スイッチ回路161と、圧電振動子36とを備えて構成されている。そして、各シフトレジスタ152、153、154、各ラッチ回路155、156、157、デコーダ158、スイッチ回路161、及び、圧電振動子36は、それぞれ記録ヘッド8の各色ノズル列BK、C、LC、M、LM、Yそれぞれの各ノズル開口[1、2、3、4、5、6、・・・][図6(a)参照]に対応して複数設けられる。例えば、各色ノズル列BK、C、LC、M、LM、Yそれぞれが、図7に示すように、第1シフトレジスタ152A〜152Nと、第2シフトレジスタ153A〜153N、第3シフトレジスタ154A〜154N、第1ラッチ回路155A〜155Nと、第2ラッチ回路156A〜156Nと、第3ラッチ回路157A〜157Nと、デコーダ158A〜158Nと、スイッチ回路161A〜161Nと、圧電振動子36A〜36Nとから構成される。なお、この図7において、レベルシフタ160(図1参照)は省略されているが、このレベルシフタ160も同様に複数設けられている。
【0044】
そして、記録ヘッド8は、プリンタコントローラ141からの印字データ(SI)に基づいてインク滴を吐出する。即ち、プリンタコントローラ141からの印字データ(SI)は、発振回路147からのクロック信号(CK)に同期して、内部I/F149から第1シフトレジスタ152、第2シフトレジスタ153、及び第3シフトレジスタ154にシリアル伝送される。本実施形態では、この印字データ(SI)は3ビットのデータであり、非記録[微振動]、小ドット、中ドット、大ドットからなる4階調を表す階調情報によって構成されるが、非記録[微振動]は、第4駆動パルスにより励起される微振動Aと、この微振動Aの波形を逆位相の波形から成る第5駆動パルスにより励起される微振動Bの2つの微振動波形を含む。本実施形態では、図2からも明らかなように、非記録[微振動A]が階調情報(000)であり、非記録[微振動B]が階調情報(001)であり、小ドット階調情報(010)であり、中ドットが階調情報(100)であり、大ドットが階調情報(110)である。
【0045】
印字データ(SI)は、各ノズル開口[1、2、3、4、5、6、・・・][図6(a)参照]毎に設定される。そして、全てのノズル開口に関し、図2に示すような最下位ビットのデータが第1シフトレジスタ152(152A〜152N)に入力され、同様に、全てのノズル開口に関し、図2に示すような中位ビットのデータが第2シフトレジスタ153(153A〜153N)に入力される。また、全てのノズル開口に関し、図2に示すような最上位ビットのデータが第3シフトレジスタ154(154A〜154N)に入力される。
【0046】
図1に示すように、第1シフトレジスタ152には第1ラッチ回路155が電気的に接続され、第2シフトレジスタ153には第2ラッチ回路156が電気的に接続され、第3シフトレジスタ154には第3ラッチ回路157が電気的に接続されている。そして、プリンタコントローラ141からのラッチ信号(LAT)が各ラッチ回路155、156、157に入力されると、第1ラッチ回路155は、図2に示した印字データ(SI)の最下位ビットのデータをラッチし、第2ラッチ回路156は、図2に示した印字データ(SI)の中位ビットのデータをラッチし、第3ラッチ回路157は、図2に示した印字データ(SI)の最上位ビットのデータをラッチする。このような動作をする第1シフトレジスタ152及び第1ラッチ回路155の組、第2シフトレジスタ153及び第2ラッチ回路156の組、第3シフトレジスタ154及び第3ラッチ回路157の組は、それぞれが記憶回路を構成し、デコーダ158に入力される前の印字データ(SI)を一時的に記憶する。
【0047】
ここで、駆動信号生成回路148が生成する駆動信号(COM)について説明しておく。本実施形態における駆動信号生成回路148は、図2に示すように、異なる5つの駆動パルスDP1〜DP5を印刷周期内で配置した一連の駆動信号を生成する。
【0048】
この駆動信号(COM)は、期間T1に配置された(つまり、期間T1で発生する)第1駆動パルスDP1と、期間T1の後の期間T2に配置された第2駆動パルスDP2と、期間T2の後の期間T3に配置された第3駆動パルスDP3と、期間T3の後の期間T4に配置された第4駆動パルスDP4と、期間T4の後の期間T5に配置された第5駆動パルスDP5とを有し、印刷周期TAで繰り返し発生される信号である。この駆動信号において、第1駆動パルスDP1、第2駆動パルスDP2、第3駆動パルスDP3、第4駆動パルスDP4、及び、第5駆動パルスDP5は、それぞれ図2に示すような波形形状とされており、圧電振動子36に供給されることにより記録ヘッド8のノズル開口から所定量(それぞれ、約13pl、約6pl、約13pl、0pl、0pl)のインク滴を吐出させる。即ち、ここで、第1駆動パルスDP1及び第3駆動パルスDP3は、同一のパルス形状を有し、約13plの中程度のインク滴を吐出する。この第1駆動パルスDP1、第3駆動パルスDP3によって得られるドット径は、中程度の大きさになるため、これら第1駆動パルスDP1及び第3駆動パルスDP3を「中ドットパルス」として表現することもできる。第2駆動パルスDP2は、第1駆動パルスDP1や第3駆動パルスDP3よりも小さい台形波から成り、約6plの小さいインク滴を吐出する。この第2駆動パルスDP2によって小さいドット径が得られるため、この第2駆動パルスDP2を「小ドットパルス」として表現し得る。第4駆動パルスDP4は、各色ヘッド部中央のノズル穴付近のインクを微振動させてインクの粘度の増大を防止するためのものであり、この第4駆動パルスDP4によってインク滴は吐出されない。この第4駆動パルスDP4は、「微振動Aパルス」として表現可能である。また、第5駆動パルスDP5も、各色ヘッド部中央のノズル穴付近のインクを微振動させてインクの粘度の増大を防止するためのものであり、この第5駆動パルスDP5によってインク滴は吐出されない。この第5駆動パルスDP5は、上述した第4駆動パルスDP4と逆位相の波形であり、「微振動Bパルス」として表現可能である。
【0049】
次に、5ビットのパルス選択情報をスイッチ回路161等に与える構成について、図2を参照しつつ説明する。
【0050】
まず、出力バッファ144Cに記憶された各ノズル毎の3ビットの印字データ(SI)[最上位、中位、最下位]は、記録ヘッド8内のデコーダ158によって、上述した5ビットのパルス選択情報(D1,D2,D3,D4,D5)に翻訳される。ここで、D1は、第1駆動パルスDP1の選択信号、D2は、第2駆動パルスDP2の選択信号、D3は、第3駆動パルスDP3の選択信号、D4は、第4駆動パルスDP4の選択信号、D5は、第5駆動パルスDP5の選択信号である。この5ビットのパルス選択情報は、一印刷周期内に記録ヘッド8の各ノズルに対応したスイッチ回路161に与えられる。尚、図2に示すように、全ノズルについての3ビットの印字データ(SI)は、一印刷周期内で各シフトレジスタ152、153、154に転送され、次のラッチ信号によって各ラッチ回路155、156、157にラッチされる。即ち、ある印刷周期で実行されるべき印字データ(SI)は、直前の印刷周期内で記録ヘッド8に転送される。
【0051】
そして、転送された印字データ(SI)は、各駆動パルスの発生タイミングに応じて5ビットのパルス選択情報に翻訳される。各駆動パルスの発生タイミングは、図3に示すチャンネル信号(CH)とラッチ信号(LAT)によって検出される。即ち、第1駆動パルスDP1の発生タイミングはラッチ信号(LAT)によって、第2駆動パルスDP2の発生タイミングはチャンネル信号(CH1)によって、第3駆動パルスDP3の発生タイミングはチャンネル信号(CH2)によって、第4駆動パルスDP4の発生タイミングはチャンネル信号(CH3)、第5駆動パルスDP5の発生タイミングはチャンネル信号(CH4)によって、それぞれ検出される。
【0052】
各駆動パルスの発生が検出されると、デコーダ158は、当該パルスに対応した選択信号をスイッチ回路161に出力する。即ち、例えば、ラッチ信号(LAT)によって第1駆動パルスDP1の発生が検出された時には、ノズル毎にD1のデータを出力し、チャンネル信号(CH1)によって第2駆動パルスDP2の発生が検出された時には、ノズル毎にD2のデータを出力する。これにより、例えば、ノズルに与えられたD1の値が「1」の場合は、第1駆動パルスDP1に従って圧電振動子36が伸縮するため、該ノズルから約13pl相当のインク滴が吐出され、このインク滴が記録紙に着弾して中ドットの記録ドットが形成される。一方、与えられたD1の値が「0」であるノズルは、第1駆動パルスDP1が圧電振動子36に印加されないため、インク滴を吐出しない。
【0053】
以上のように、4段階のドット階調を行う場合、特開平10−81013号公報に記載されているように、真理値表に対応するプログラム(パターン)データ(SP)を組み合わせ回路等に入力することを介して印字データ(階調値)と駆動パルスとの組み合わせを自由に設定することが可能である。この時、2値の印字データを転送するごとに、25ビットのプログラム(パターン)データ(SP)を送ることが考えられる。図2(b)は、かかるプログラム(パターン)データ(SP)の25ビットの構成を示す。即ち、プログラム(パターン)データ(SP)は、印字データ(SI)と選択される駆動パルスDP1〜DP5との関係を規定するデータであり、例えば、図2(b)に示すように、プログラム(パターン)データ(SP)は、[0001000001100000010011000]から成る25ビットのデータが送られる。ここで、このプログラム(パターン)データ(SP)は、図2(a)に示すように、第5駆動パルスにおける大ドットの印字データ4を最上位ビットデータ(TOP)として、次に、印字データ3、2、1、0に対応するプログラムデータ(SP)を順次送る。従って、図2(b)示すように、プログラムデータ(SP)は、TOPから(00010)となる。次に、第5の駆動パルスのプログラムデータ(SP)に追従し、第4の駆動パルスの印字データ4から印字データ0までのプログラムデータ(00001)が送られる。以下、第3、第2、第1駆動パルスに対応するプログラムデータが送られ、図2(a)に示すように、最下位のビットデータ(BOTTOM)までを順次送る。従って、図2(b)示すように、プログラムデータ(SP)は、[0001000001100000010011000]の25ビットから成るパルス選択情報となる。以上のように、駆動パルス毎にまとめてプログラムデータ(SP)を送ることで、印字周期内の時系列毎に駆動パルスの生成が可能となるため、効率よく駆動データを構成することができる。また、上記では第5駆動パルスにおける大ドットの印字データ4を最上位ビットデータ(TOP)としたが、印字周期内の時系列毎に駆動パルスを生成できれば良く、従って、第1駆動パルスにおける微振動Aの印字データ0を最上位ビットデータ(TOP)とし、第5駆動パルスにおける大ドットの印字データ4を最下位のビットデータ(BOTTOM)としても良い。
【0054】
以上により、上記のプログラム(パターン)データ(SP)に基づいて、図2(a)に示すように、各印字データ(SI)[H,M,L]に対応したパルス選択情報が得られる。即ち、印字データ(000)には、パルス選択情報(00010)、印字データ(001)には、パルス選択情報(00001)、印字データ(010)には、パルス選択情報(01000)、印字データ(100)には、パルス選択情報(10000)、印字データ(110)には、パルス選択情報(10100)が、それぞれ対応して得られる。これらパルス選択情報は、駆動信号(COM)を構成する各駆動パルスDP1〜DP5に各ビットを対応させた複数ビットで構成されている。そして、各ビットの内容〔例えば、(0)、(1)、(0)〕に応じて圧電振動子36に対する各駆動パルスの供給あるいは非供給が選択される。即ち、パルス選択情報の最上位ビットが第1駆動パルスDP1に対応し、2番目のビットが第2駆動パルスDP2に対応し、3番目のビットが第3駆動パルスDP3に対応し、4番目のビットが第4駆動パルスDP4に対応し、最下位ビットが第5駆動パルスDP5に対応している。そして、パルス選択情報の最上位ビットが(1)の場合には、最初のタイミング信号の発生時である期間T1の開始時から2番目のタイミング信号の発生時である期間T2の開始時までの間スイッチ回路161が接続状態になる。2番目のビットが(1)の場合には、期間T2の開始時から3番目のタイミング信号の発生時である期間T3の開始時までの間スイッチ回路161が接続状態になる。3番目のビットが(1)の場合には、期間T3の開始時から4番目のタイミング信号の発生時である期間T4の開始時までの間スイッチ回路161が接続状態になる。4番目のビットが(1)の場合には、期間T4の開始時から5番目のタイミング信号の発生時である期間T5の開始時までの間スイッチ回路161が接続状態になる。同様に、最下位ビットが(1)の場合には、期間T5の開始時から次の印刷周期TAにおける期間T1の開始時までの間スイッチ回路161が接続状態になる。
【0055】
従って、小ドットの印字データ(010)に基づき、対応する圧電振動子36には、第2駆動パルスDP2が供給される。同様に、中ドットの印字データ(100)に基づいて、対応する圧電振動子36には、第1駆動パルスDP1が供給され、大ドットの印字データ(110)に基づいて、対応する圧電振動子36には、第1駆動パルスDP1及び第3駆動パルスDP3が供給される。
【0056】
一方、微振動Aの印字データ(000)に基づき、対応する圧電振動子36には、第4駆動パルスDP4が供給される。また、微振動Bの印字データ(001)に基づき、対応する圧電振動子36には、第5駆動パルスDP5が供給される。
【0057】
さて、制御部146は、ホストコンピュータ等からの印刷データを3ビットの階調情報から成る印字データ(SI)に展開し、記録ヘッド8にシリアル伝送する。
【0058】
各ラッチ回路155、156、157でラッチされた印字データは、デコーダ158に入力される。このデコーダ158は翻訳手段として機能し、3ビットの印字データを翻訳してパルス選択情報を生成する。本実施形態のデコーダ158には、制御ロジック159から上述したパルス選択信号が入力されており、このパルス選択信号に基づいてパルス選択情報を生成する。
【0059】
デコーダ158によって翻訳されたパルス選択情報は、上位ビット側から順に、タイミング信号によって規定されるタイミングが到来する毎にレベルシフタ160に入力される。例えば、印刷周期TAにおける最初のタイミング(T1の開始時)ではパルス選択情報の最上位ビットのデータがレベルシフタ160に入力され、2番目のタイミング(T2の開始時)ではパルス選択情報における2番目のビットのデータがレベルシフタ160に入力される。このレベルシフタ160は、電圧増幅器として機能し、パルス選択情報が(1)の場合には、スイッチ回路161を駆動できる電圧、たとえは数十ボルト程度の電圧に昇圧された電気信号を出力する。レベルシフタ160で昇圧された(1)のパルス選択情報は、スイッチ手段として機能するスイッチ回路161に供給される。このスイッチ回路161の入力側には、駆動信号生成回路148からの駆動信号(COM)が供給されており、スイッチ回路161の出力側には圧電振動子36が接続されている。
【0060】
パルス選択情報は、スイッチ回路161の作動、つまり、第1〜第5駆動パルスDP1〜DP5の圧電振動子36への選択的な供給を制御する。例えば、スイッチ回路161に加わるパルス選択情報が(1)である期間中は、スイッチ回路161が接続状態になって当該駆動パルスが圧電振動子36に供給され、この駆動パルスに応じて圧電振動子36の電位レベルが変化する。一方、スイッチ回路161に加わるパルス選択情報が、(0)の期間中は、レベルシフタ160からはスイッチ回路161を作動させる電気信号が出力されない。このため、スイッチ回路161が切断状態になって圧電振動子36へは駆動パルスが供給されない。
【0061】
従って、図2(a)に示すように、パルス選択情報如何により、第1駆動パルスDP1、第2駆動パルスDP2、第3駆動パルスDP3、第4駆動パルスDP4、及び/又は第5駆動パルスDP5を選択的に圧電振動子36に供給することができる。これにより、まず、プリントヘッド10のノズル開口からそれぞれ所定量(約13pl、約6pl、約13pl)のインク滴を吐出させることが可能である。また、微振動Aの波形又は微振動Bの波形(どちらも、インク吐出は無し[0pl、0pl])を選択的に圧電振動子36に供給することができる。
【0062】
本実施形態では、複数のノズル開口は、図6(b)に示すように、同一のノズル開口列、すなわちBK(ブラック)インクを吐出するノズル開口列あるいはC(シアン)インクを吐出するノズル開口列あるいはLC(ライトシアン)インクを吐出するノズル開口列あるいはM(マゼンタ)インクを吐出するノズル開口列あるいはLM(ライトマゼンタ)インクを吐出するノズル開口列あるいはY(イエロー)インクを吐出するノズル開口列において一つ置きのノズル開口群、すなわち奇数番目1、3、5、・・・のノズル開口群Aと、偶数番目2、4、6、・・・のノズル開口群Bに分けられている。
【0063】
そして、各ノズル開口群A,Bに対応するシフトレジスタ群には、微振動Aの波形に対応する印字データ(000)、微振動Bの波形に対応する印字データ(001)がそれぞれ供給される。
これにより、同一のノズル開口列において隣り合うノズル開口に対応する圧電振動子36A〜36Nの微振動が逆位相となるので相互に打ち消し合うように作用するため、圧電振動子36A〜36Nに印加する微振動波形の周波数を例えば17kHzから4kHz〜5kHzに低下させても騒音を低減させることができ、圧電振動子36A〜36N等の消費電力を小さくすることができる。
【0064】
なお、上記実施形態では、同一のノズル開口列において一つ置きのノズル開口群に分けたが、一つ置きのノズル開口列、すなわちBK(ブラック)インクを吐出するノズル開口列とLC(ライトシアン)インクを吐出するノズル開口列とLM(ライトマゼンタ)インクを吐出するノズル開口列でなるノズル開口群A、及びC(シアン)インクを吐出するノズル開口列とM(マゼンタ)インクを吐出するノズル開口列とY(イエロー)インクを吐出するノズル開口列とでなるノズル開口群Bに分けても同様の効果を奏する。
【0065】
本実施形態では、図2(a)に示すように、微振動Aの波形と微振動Bの波形は、微振動電位と中間電位との間で電位が切り替わる連続した2つの台形状のパルスが一定周期で表れる信号によって構成されている。従って、2つのノズル開口群A,Bの対応する圧電振動子36に台形状のパルスがずれた位相で供給される。これにより、各ノズル開口群A,Bのノズル開口51のメニスカスは、各々4kHz〜5kHzの周波数で微振動されても、圧電振動子36A〜36Nの振動によって発生する音は相互に打ち消し合うように作用するため、騒音を低減させることができ、圧電振動子36A〜36N等の消費電力を小さくすることができる。
【0066】
即ち、上述したように、印字外微振動においても、図2(a)、(b)において示した多値制御を行うことで、例えば、隣り合うノズルに図6(b)に示したような位相が逆の微振動波形を交互に印加することが可能となる。これにより、圧電振動子36A〜36Nの振動によって発生する音の波形は、図6(c)に示すようになり、発生する音を大幅に低減することができる。
【0067】
なお、上記の実施の形態では、いわゆるたわみ振動モードの圧電振動子36を使用した記録ヘッド8を例示したが、この記録ヘッド8に代えて、縦振動モードの圧電振動子73を使用した記録ヘッド70を用いてもよい。図8に示すように、縦振動モードの記録ヘッド70においては、例えばプラスチックからなる箱体状のケース71の収納室72内に、櫛歯状の圧電振動子73が一方の開口から挿入されて櫛歯状先端部73aが他方の開口に臨んでいる。その他方の開口側のケース71の表面(下面)には流路ユニット74が接合され、櫛歯状先端部73aは、それぞれ流路ユニヅト74の所定部位に当接固定されている。
【0068】
圧電振動子73は、圧電体73bを挟んで共通内部電極73cと個別内部電極73dとを交互に積層した板状の振動子板をドット形成密度に対応させて櫛歯状に切断して構成してある。そして、共通内部電極73cと個別内部電極73dとの間に電位差を与えることにより、各圧電振動子73は、積層方向と直交する振動子長手方向に伸縮する。流路ユニット74は、流路形成板75を間に挟んでノズルプレート76と弾性板77を両側に積層することにより構成されている。
【0069】
流路形成板75は、ノズルプレート76に複数開設したノズル開口80とそれぞれ連通して圧力発生室隔壁を隔てて列設された複数の圧力発生室81と、各圧力発生室81の少なくとも一端に連通する複数のインク供給部82と、全インク供給部82が連通する細長い共通インク室83とが形成された板材である。例えば、シリコンウエハーをエッチング加工することにより、細長い共通インク室83が形成され、共通インク室83の長手方向に沿って圧力発生室81がノズル開口80のピッチに合わせて形成され、各圧力発生室81と共通インク室83との間に溝状のインク供給部82が形成される。
【0070】
なお、この場合、圧力発生室81の一端にインク供給部82が接続し、このインク供給部82とは反対側の端部近傍でノズル開口80が位置するように配置されている。また、共通インク室83は、インクカートリッジに貯留されたインクを圧力発生室81に供給するための室であり、その長手方向のほぼ中央にインク供給管84が連通している。弾性板77は、ノズルプレート76とは反対側の流路形成板75の面に積層され、ステンレス板87の下面側にPPS等の高分子体フィルムを弾性体膜88としてラミネート加工した二重構造である。そして、圧力発生室81に対応した部分のステンレス板87をエッチング加工して、圧電振動子73を当接固定するためのアイランド部89が形成されている。
【0071】
上記の構成を有する記録ヘッド70では、圧電振動子73を振動子長手方向に伸長させることにより、アイランド部89がノズルプレート76側に押圧され、アイランド部89周辺の弾性体膜88が変形して圧力発生室81が収縮する。また、圧力発生室81の収縮状態から圧電振動子73を長手方向に収縮させると、弾性体膜88の弾性により圧力発生室81が膨張する。圧力発生室81を一旦膨張させてから収縮させることにより、圧力発生室81内のインク圧力が高まって、ノズル開口80からインク滴が吐出される。このような記録ヘッド70でも、インク滴が吐出しない程度に圧電振動子73を伸縮させることによりメニスカスを微振動させることができ、ノズル開口部分のインクを撹拌することができる。
【0072】
なお、以上の説明は、3個のシフトレジスタを備えたプリンタを例示したが、本発明は、2個以上の複数のシフトレジスタを備えたプリンタに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のプリンタ構成を示す概略ブロック図である。
【図2】(a)は、駆動信号とこれにより生成される駆動パルスを示す図であり、(b)は、その多値制御を行うためのプログラムデータを示す図である。
【図3】駆動信号を示す図である。
【図4】図1のインクジェット式プリンタの斜視図である。
【図5】記録ヘッドの構造を示す図である。
【図6】選択されたノズル開口群と微振動信号を示す図である。
【図7】記録ヘッドにおける電気的構成を示すブロック図である。
【図8】縦振動モードの圧電振動子を用いた記録ヘッドを示す図である。
【符号の説明】
8 記録ヘッド、 11 紙送り機構、 12、キャリッジ機構
141 プリンタコントローラ、 142 プリントエンジン、
143 外部インターフェース、 144 RAM、 145 ROM、
146 制御部、 147 発振回路、 148 駆動信号生成回路、
149 内部インターフェース
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノズル開口から液体を噴射させるヘッド部材を備えた液体噴射装置並びに該液体噴射装置を備えた記録装置及び記録方法に関し、例えば、ノズル開口からインク滴を吐出させて記録を行う記録ヘッドを備えたインクジェット式記録装置のノズル開口におけるインクの増粘を防止することができる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット式プリンタやインクジェット式プロッタ等のインクジェット式記録装置は、記録ヘッドを主走査方向に沿って移動させると共に記録紙を副走査方向に沿って移動させ、この移動に連動して記録ヘッドのノズル開口からインク滴を吐出させることにより、記録紙上に画像や文字を記録する。このインク滴の吐出は、例えば、ノズル開口に連通した圧力発生室の区画壁に当接して設けられた圧電部材を伸縮させることによって圧力発生室を膨張・収縮させることで行われる。
【0003】
ところで、記録ヘッドのノズル開口部分では、インクが空気に曝されているので、インク溶媒(例えば、水)が徐々に蒸発する。このインク溶媒の蒸発によりノズル開口部分のインク粘度が上昇し、記録画像の画質を悪化させる。すなわち、当該部分のインク粘度が上昇すると、吐出されたインク滴が正規の方向からずれた方向に飛翔し得る。このため、インクジェット式記録装置では、ノズル開口部分のインクの増粘を防止する対策がなされている。
【0004】
この増粘対策の一つに、メニスカスの微振動によるインクの撹拌がある。ここで、メニスカスとは、ノズル開口にて露出したインクの自由表面のことである。このインクの撹拌では、インク滴が吐出されないように、インク滴の吐出方向と、この吐出方向とは反対側の引込方向とにメニスカスを交互に移動させる。このメニスカスの移動もまた、圧力発生室を膨張・収縮させることにより行う。メニスカスを微振動させることにより、ノズル開口部分のインクが撹拌されるので、インクの増粘が防止される。
【0005】
このインクの撹拌は、例えば、記録ヘッドを搭載したキャリッジの主走査開始直後における加速期間中や、1行の記録期間中、すなわち印字中において行われる。加速期間中における撹拌では、メニスカスを微振動させるための微振動駆動信号を記録ヘッドに供給し、全てのノズル開口のメニスカスを微振動させる。印字中における撹拌では、インク滴を吐出させるための吐出駆動信号から微振動パルスを生成し、この生成した微振動パルスを記録ヘッドに供給する。これにより、インク滴を吐出しないノズル開口についてインクの撹拌が行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−334660号公報
また、上記インクの撹拌は、例えば、キャリッジがホームポジションに位置して給紙待ちしている状態あるいは圧電部材の駆動用IC等が発熱したときにキャリッジがホームポジションに位置して温度低下待ちしている状態である印字休止時において行われる。印字休止時における攪拌では、飛翔インク滴の形成に必要な閾値電圧以下で圧電部材を駆動し、全てのノズル開口のメニスカスを微振動させる(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献2】
特開昭57−61576号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
近年、高精細な記録を達成するために、記録ヘッドのノズル開口数を増加させたインクジェット式記録装置が開発されている。ところが、このようなインクジェット式記録装置では、ノズル開口数の増加に伴って圧電部材も増加しているため、印字休止であるにも拘らず、上記インクの攪拌に伴う圧電部材等の消費電力は大きなものになってしまう。このインクの攪拌に伴う圧電部材等の消費電力を小さくするには、微振動パルスの周波数を低下させればよい。ところが、微振動パルスの周波数を低下させると、人間の可聴域と重なるため、インクの攪拌に伴う圧電部材等の騒音が間題となる。
【0009】
本発明は、上述した事情からなされたものであり、本発明の目的は、微振動制御時の消費電力及び騒音を顕著に低減することができる液体噴射装置並びにそれを備えた記録装置及び記録方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数のノズル開口を有するヘッド部材と、前記ノズル開口毎にノズル開口部と連通した圧力室に圧力変動を生じさせる圧力発生手段と、前記圧力発生手段を駆動する駆動パルス信号を選択し、前記圧力発生手段に供給するスイッチ手段と、前記パルス信号を複数含んでなる駆動信号を生成する駆動信号生成手段とを備えた液体噴射装置であって、前記駆動信号は、前記圧力発生手段の振動が逆位相となるように微振動させる微振動パルス信号を含むことを特徴としている。本発明によれば、隣り合うノズル開口部と連通した圧力室に圧力変動を生じさせる圧力発生手段の振動が打ち消し合うように作用するため、微振動パルス信号の周波数を低下させても騒音を低減させることができ、駆動信号生成手段等の消費電力を小さくすることができる。
【0011】
前記微振動パルス信号は、同一のノズル開口列において隣り合うノズル開口部と連通した圧力室に圧力変動を生じさせる圧力発生手段の振動が逆位相となるように微振動させるものであることを特徴としている。本発明によれば、ノズル開口数が増加しても、簡易な制御構成により、圧力発生手段に印加する微振動パルスの周波数を低下させることができ、駆動信号生成手段等の消費電力を小さくすることができる。
【0012】
前記微振動パルス信号は、隣り合うノズル開口列において隣り合うノズル開口部と連通した圧力室に圧力変動を生じさせる圧力発生手段の振動が逆位相となるように微振動させるものであることを特徴といる。本発明によれば、複数色の記録に対応した装置であっても、各色の圧力発生手段に印加する微振動パルスの周波数を低下させることができ、駆動信号生成手段等の消費電力を小さくすることができる。
【0013】
前記液体噴射装置を有し、前記液体としてインク滴を噴射して記録する記録装置であって、前記駆動信号生成手段は、記録休止時に、隣り合う前記ノズル開口部と連通した圧力室に圧力変動を生じさせる圧力発生手段の振動が逆位相となるように前記微振動パルス信号を印加することを特徴としている。本発明によれば、上記各作用効果を奏する記録装置を提供することができる。
【0014】
ノズル開口からインク滴を噴射して記録する記録方法であって、記録休止時に、隣り合うノズル開口部と連通した圧力室に圧力変動を生じさせる圧力発生手段の振動が逆位相となるように微振動パルスを印加して、前記ノズル開口部分のインクの増粘を防止することを特徴としている。本発明によれば、上記各作用効果を奏する記録方法を提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。本実施の形態の液体噴射装置は、インクジェット式プリンタ(インクジェット式記録装置)に適用される。
【0016】
まず、本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本実施形態のインクジェット式プリンタの機能ブロック図である。図1に示すように、このインクジェット式プリンタは、プリンタコントローラ141とプリントエンジン142とを備えている。
【0018】
プリンタコントローラ141は、図示しないホストコンピュータ等からの印刷データ等を受信するインタフェース(以下、外部I/Fという)143と、各種データの記憶等を行うRAM144と、各種データ処理のためのルーチン等を記憶したROM145と、CPU等から成る制御部146と、クロック信号(CK)を発生する発振回路147と、記録ヘッド8へ供給する駆動信号(COM)を生成する駆動信号生成回路148と、後に詳述する印字データ(SI)、プログラム(パターン)データ(SP)及び駆動信号等をプリントエンジン142に送信するためのインタフェース(以下、内部I/Fという)149とを備えている。
【0019】
駆動信号生成回路148は、図2及び図3に示すように、中ドット(インク滴の量は約13pl)の第1駆動パルスDP1、小ドット(インク滴の量は約6pl)の第2駆動パルスDP2、中ドット(インク滴の量は約13pl)の第3駆動パルスDP3、無ドット(インク滴の吐出無し)[微振動]の第4及び第5駆動パルスDP4及びDP5を一定の時間間隔で複数配置した駆動信号を印刷周期単位で繰り返し生成する。
【0020】
再び、図1を参照して、外部I/F143は、例えばキャラクタコード、グラフィック関数、イメージデータのいずれか1つ又は複数のデータから成る印刷データをホストコンピュータ等から受信する。また、外部I/F143は、ホストコンピュータに対してビジー信号(BUSY)やアクノリッジ信号(ACK)等を出力する。
【0021】
RAM144は、入力バッファ、出力バッファ及びワークメモリ等として利用されるものである。入力バッファには、外部I/F143がホストコンピュータ等から受信した印刷データが一時的に記憶される。出力バッファには、記録ヘッド8へシリアル転送される印刷用イメージデータとしての印字データ(SI)が展開される。印字データ(SI)は、ホストコンピュータ(図示せず)等から供給される印刷信号に含まれる印刷データをイメージバッファに展開し、供給された印刷用イメージデータであり、各ノズル列毎に別々に転送される。ROM145は、制御部146によって実行される各種制御ルーチン、フォントデータ及びグラフィック関数、各種手続き等を記憶している。
【0022】
制御部146は、データ展開手段として機能し、印刷データを印字データに展開する。即ち、入力バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ROM145内のフォントデータやグラッフィック関数等を参照して複数ビットの印字データに展開する。尚、本実施形態における印字データは、後述するように3ビットのデータで構成される。この展開された印字データは出力バッファに記憶されて、記録ヘッド8の1行分に相当する印字データが得られると、この1行分の印字データ(SI)は、内部I/F149を介して記録ヘッド8にシリアル伝送される。
【0023】
また、制御部146は、タイミング信号発生手段の一部を構成し、内部I/F149を通じて記録ヘッド8にラッチ信号(LAT)やチャンネル信号(CH)を供給する。これらのラッチ信号やチャンネル信号は、後述する駆動信号(COM)を構成する第1駆動パルスDP1〜第5駆動パルスDP5の供給開始タイミングを規定する。
【0024】
ここで、図4をも参照して、プリントエンジン142の機械的構成について詳しく述べる。
【0025】
プリントエンジン142は、紙送り機構111、キャリッジ機構112及び記録ヘッド8から構成されている。紙送り機構111は、図4(a)に示すように、紙送りモータ26及び紙送りローラ31等から成り、印刷用紙18等の記録媒体を順次送り出して副走査を行うものである。
【0026】
キャリッジ機構112は、図4(a)に示すように、記録ヘッド8を搭載するキャリッジ21と、このキャリッジ21をタイミングベルト24を介して走行させるキャリッジモータ25等からなり、記録ヘッド8を主走査させるものである。
【0027】
キャリッジ機構112は、図4(a)乃至図4(c)に示すように、ガイド部材20に移動自在に取り付けられ記録ヘッド8及びインクカートリッジ19を搭載可能なキャリッジ21と、駆動プーリー22と従動プーリー23との間に架け渡されると共にキャリッジ21に接続されたタイミングベルト24と、記録紙幅方向に平行な状態で(主走査方向に沿って)プリンタ筐体32に架設されたリニアエンコーダ27と、キャリッジ21に取り付けられリニアエンコーダ27の複数のスリット28を検出可能なスリット検出器29とを備えている。本実施の形態のリニアエンコーダ27は、透明な薄板状部材であり、図4(b)に示すように、スリット28は360dpiのピッチで形成されている。スリット検出器29は、例えば、フォトインタラプタによって構成されている。
【0028】
このようなキャリッジ機構112によれば、キャリッジモータ25の作動により、記録紙18の幅方向(主走査方向)に沿ってキャリッジ21が往復移動する。これにより、キャリッジ21に搭載された記録ヘッド8が、主走査方向に沿って移動する。このキャリッジ21の移動は、ホームポジション側の基準位置を起点にして行われる。ここでホームポジションとは、電源が投入されていない場合や、記録を行わない状態が長時間に亘る場合等において、キャリッジ21を待機させる位置である。本実施の形態では、図4(a)における右端部にホームポジションが設けられている。当該ホームポジションには、記録ヘッド8のノズル開口51(後述)におけるインク溶媒の蒸発を防止するキャッピング機構30が設けられている。
【0029】
一方、基準位置は、ホームポジションから少し左側の位置に設定されている。具体的には、記録紙18の右側縁とキャッピング機構30との間に、基準位置が設定されている。キャリッジ21が移動すると、キャリッジ21と共にスリット検出器29も移動する。この移動に伴って、スリット検出器29は、リニアエンコーダ27の複数のスリット28を順次検出し、スリット28のピッチに応じたパルス状の検出信号を出力する。このスリット検出器29からの検出信号に基づいて、制御部146は記録ヘッド8の位置を認識する。
【0030】
具体的には、制御部146は、キャリッジ21が基準位置に位置付けられた状態で位置カウンタのカウント値をリセットし、キャリッジ21の移動に伴って出力されるスリット検出器29からの立ち上がりパルス(検出信号)を受信し、パルスの受信毎に位置カウンタをカウントアップする。これにより、位置カウンタのカウント値が、キャリッジ21の位置、すなわち、記録ヘッド8の走査位置を示すヘッド位置情報となる。ここで、位置カウンタは、例えば、RAM144のワークメモリ144Bに設けられるが、カウンタを別個に設けても良い。
【0031】
次に、記録ヘッド8について説明する。例示した記録ヘッド8は、図5(a)に示すように、アクチュエータユニット33と、流路ユニット34とから概略構成されている。また、例示した記録ヘッド8は、たわみ振動モードの圧電振動子36を圧力発生素子として用いている。ここで、たわみ振動モードの圧電振動子36とは、その充電により収縮して、圧力発生室36をその容積が少なくなるように変形させ、その放電により伸長して、圧力発生室36をその容積が増えるように変形させるものである。
【0032】
アクチュエータユニット33は、第1の蓋部材37、スペーサ部材38、第2の蓋部材39、圧電振動子36等から構成されている。流路ユニット34は、インク供給口形成基板40、インク室形成基板41及びノズルプレート42等から構成されている。そして、アクチュエータユニット33と流路ユニット34とを接着層43によって一体化することにより、記録ヘッド8が構成されている。なお、接着層43は、熱溶着フィルムや適宜の接着剤等で構成される。
【0033】
第1の蓋部材37は、一般に弾性を有するセラミックの薄板であり、本実施の形態では、厚さが6マイクロメートル程度のジルコニア(ZrO2)によって構成されている。第1の蓋部材37の裏面(上面)には、圧電振動子36の共通電極44が形成され、この共通電極44に圧電振動子36が積層されている。この圧電振動子36の裏面(上面)には、圧電振動子36の駆動電極45が設けられている。
【0034】
スペーサ部材38は、圧力発生室36となる通孔を有するセラミック板であり、この場合、厚さが100マイクロメートル程度の板状のジルコニアによって構成されている。第2の蓋部材39は、図5(a)における左側に供給側連通孔46としての通孔を有しており、同図における右側に第1ノズル連通孔47としての通孔を有するセラミック材である。第2の蓋部材39は、例えば、板状のジルコニアによって構成される。
【0035】
スペーサ部材38の裏面(上面)には第1の蓋部材37が、前面(下面)には第2の蓋部材39が、それぞれ配置されている。すなわち、第1の蓋部材37と第2の蓋部材39とで、スペーサ部材38を挟んでいる。なお、これらの第1の蓋部材37、第2の蓋部材39及びスペーサ部材38は、粘土状のセラミックス材料を所定の形状に成型した後に積層して焼成することにより、一体化した態様で形成される。
【0036】
上記したインク供給口形成基板40は、左側にインク供給口48としての通孔を有し、右側に第1ノズル連通孔47としての通孔を有する板状部材である。また、インク室形成基板41は、インク室49としての通孔を有すると共に、右側に第2ノズル連通孔50としての通孔を有する板状部材である。ノズルプレート42は、右側に多数(例えば、96個)のノズル開口51を副走査方向に沿って開設した薄い板状部材であり、例えば、ステンレス板によって構成される。このノズル開口51は、ドット形成密度に対応した所定ピッチで開設されている。なお、図5(a)では、1列分のノズル開口51(及び圧力発生室39)のみが図示されているが、実際は、例えば図2に示すように6列となっている。
【0037】
インク室形成基板41の前面側(下面側)にはノズルプレート42が、裏面側(上面側)にはインク供給口形成基板40が、それぞれ配置されている。インク室形成基板41とノズルプレート42との間、及びインク室形成基板41とインク供給口形成基板40との間には、それぞれ接着層43が設けられており、結果として、インク供給口形成基板40、インク室形成基板41及びノズルプレート42が一体化されて、流路ユニット34が構成されている。
【0038】
このような構成を有する記録ヘッド8では、流路ユニット34のインク室49と、アクチュエータユニット33の供給側連通孔46とが、インク供給口48を通じて連通する。また、供給側連通孔46と第1ノズル連通孔47とが、圧力発生室36を介して連通する。さらに、第2ノズル連通孔50を介して、ノズル開口51と第1ノズル連通孔47が連通する。これにより、インク室49から圧力発生室36を通ってノズル開口51に至る一連のインク流路が形成される。なお、インク室49には、図示しないインク供給通路を通じて、インクカートリッジ19からのインク(液体)が供給される。本実施の形態においては、各ノズル開口51に供給されるインクは全て共通である。
【0039】
圧力発生室36の容積を変化させることにより、ノズル開口51からインク滴を吐出させることができる。具体的には、圧電振動子36を充電すると、圧電振動子36が電界とは直交する方向に縮み、第1の蓋部材37が変形し、この第1の蓋部材37の変形に伴って圧力発生室36が収縮する。一方、充電された圧電振動子36を放電すると、圧電振動子36が電界とは直交する方向に伸長し、第1の蓋部材37が戻り方向に変形して圧力発生室36を膨張させる。圧力発生室36を一旦膨張させた後に急激に収縮させると、圧力発生室36内におけるインク圧力が急激に上昇し、図5(b)に一点鎖線で示すように、ノズル開口51からインク滴が吐出される。
【0040】
また、インク滴が吐出されない程度に圧力発生室36を膨張・収縮させることにより、ノズル開口51の開口部分のインクを撹拌することができ、当該部分におけるインクの粘度の増加を防止できる。すなわち、インク滴が吐出されない程度に圧力発生室36を膨張・収縮させると、図5(b)に示すように、メニスカス52(ノズル開口51にて露出したインクの自由表面)が、インク吐出方向である下方向とインク引き込み方向である上方向とに交互に移動して微振動し、結果的にノズル開口部分のインクが撹拌される。
【0041】
図6(a)は、記録ヘッド8におけるノズル列構造を示す図である。
【0042】
図6(a)に示すように、記録ヘッド8は、ブラック(BK)インク吐出用のノズル列BK、シアン(C)インク吐出用のノズル列C、ライトシアン(LC)インク吐出用のノズル列LC、マゼンタ(M)インク吐出用のノズル列M、ライトマゼンタ(LM)インク吐出用のノズル列LM、イエロー(Y)インク吐出用のノズル列Yの6つのノズル列を備えている。各色インク吐出用のノズル列BK、C、LC、M、LM、Yは、それぞれ縦(副走査方向)に当該色のインク吐出用ノズルを96個有している。ここで、記録ヘッド8は、図4(a)に示したように、プリンタ装置本体に対して、フレキシブルフラットケーブル(Flexible Flat Cable、以下、FFCと呼ぶ)を介して回路接続されている。
【0043】
記録ヘッド8は、図6(a)に示したノズル列構造や、図5に示した圧力発生室、更にはインク流路系等を含む機械的構成の他、図1に示す駆動回路系151を備えている。この記録ヘッド8の駆動回路系151は、第1シフトレジスタ152、第2シフトレジスタ153及び第3シフトレジスタ154からなるシフトレジスタと、第1ラッチ回路155、第2ラッチ回路156及び第3ラッチ回路157からなるラッチ回路と、デコーダ158、制御ロジック159と、レベルシフタ160と、スイッチ回路161と、圧電振動子36とを備えて構成されている。そして、各シフトレジスタ152、153、154、各ラッチ回路155、156、157、デコーダ158、スイッチ回路161、及び、圧電振動子36は、それぞれ記録ヘッド8の各色ノズル列BK、C、LC、M、LM、Yそれぞれの各ノズル開口[1、2、3、4、5、6、・・・][図6(a)参照]に対応して複数設けられる。例えば、各色ノズル列BK、C、LC、M、LM、Yそれぞれが、図7に示すように、第1シフトレジスタ152A〜152Nと、第2シフトレジスタ153A〜153N、第3シフトレジスタ154A〜154N、第1ラッチ回路155A〜155Nと、第2ラッチ回路156A〜156Nと、第3ラッチ回路157A〜157Nと、デコーダ158A〜158Nと、スイッチ回路161A〜161Nと、圧電振動子36A〜36Nとから構成される。なお、この図7において、レベルシフタ160(図1参照)は省略されているが、このレベルシフタ160も同様に複数設けられている。
【0044】
そして、記録ヘッド8は、プリンタコントローラ141からの印字データ(SI)に基づいてインク滴を吐出する。即ち、プリンタコントローラ141からの印字データ(SI)は、発振回路147からのクロック信号(CK)に同期して、内部I/F149から第1シフトレジスタ152、第2シフトレジスタ153、及び第3シフトレジスタ154にシリアル伝送される。本実施形態では、この印字データ(SI)は3ビットのデータであり、非記録[微振動]、小ドット、中ドット、大ドットからなる4階調を表す階調情報によって構成されるが、非記録[微振動]は、第4駆動パルスにより励起される微振動Aと、この微振動Aの波形を逆位相の波形から成る第5駆動パルスにより励起される微振動Bの2つの微振動波形を含む。本実施形態では、図2からも明らかなように、非記録[微振動A]が階調情報(000)であり、非記録[微振動B]が階調情報(001)であり、小ドット階調情報(010)であり、中ドットが階調情報(100)であり、大ドットが階調情報(110)である。
【0045】
印字データ(SI)は、各ノズル開口[1、2、3、4、5、6、・・・][図6(a)参照]毎に設定される。そして、全てのノズル開口に関し、図2に示すような最下位ビットのデータが第1シフトレジスタ152(152A〜152N)に入力され、同様に、全てのノズル開口に関し、図2に示すような中位ビットのデータが第2シフトレジスタ153(153A〜153N)に入力される。また、全てのノズル開口に関し、図2に示すような最上位ビットのデータが第3シフトレジスタ154(154A〜154N)に入力される。
【0046】
図1に示すように、第1シフトレジスタ152には第1ラッチ回路155が電気的に接続され、第2シフトレジスタ153には第2ラッチ回路156が電気的に接続され、第3シフトレジスタ154には第3ラッチ回路157が電気的に接続されている。そして、プリンタコントローラ141からのラッチ信号(LAT)が各ラッチ回路155、156、157に入力されると、第1ラッチ回路155は、図2に示した印字データ(SI)の最下位ビットのデータをラッチし、第2ラッチ回路156は、図2に示した印字データ(SI)の中位ビットのデータをラッチし、第3ラッチ回路157は、図2に示した印字データ(SI)の最上位ビットのデータをラッチする。このような動作をする第1シフトレジスタ152及び第1ラッチ回路155の組、第2シフトレジスタ153及び第2ラッチ回路156の組、第3シフトレジスタ154及び第3ラッチ回路157の組は、それぞれが記憶回路を構成し、デコーダ158に入力される前の印字データ(SI)を一時的に記憶する。
【0047】
ここで、駆動信号生成回路148が生成する駆動信号(COM)について説明しておく。本実施形態における駆動信号生成回路148は、図2に示すように、異なる5つの駆動パルスDP1〜DP5を印刷周期内で配置した一連の駆動信号を生成する。
【0048】
この駆動信号(COM)は、期間T1に配置された(つまり、期間T1で発生する)第1駆動パルスDP1と、期間T1の後の期間T2に配置された第2駆動パルスDP2と、期間T2の後の期間T3に配置された第3駆動パルスDP3と、期間T3の後の期間T4に配置された第4駆動パルスDP4と、期間T4の後の期間T5に配置された第5駆動パルスDP5とを有し、印刷周期TAで繰り返し発生される信号である。この駆動信号において、第1駆動パルスDP1、第2駆動パルスDP2、第3駆動パルスDP3、第4駆動パルスDP4、及び、第5駆動パルスDP5は、それぞれ図2に示すような波形形状とされており、圧電振動子36に供給されることにより記録ヘッド8のノズル開口から所定量(それぞれ、約13pl、約6pl、約13pl、0pl、0pl)のインク滴を吐出させる。即ち、ここで、第1駆動パルスDP1及び第3駆動パルスDP3は、同一のパルス形状を有し、約13plの中程度のインク滴を吐出する。この第1駆動パルスDP1、第3駆動パルスDP3によって得られるドット径は、中程度の大きさになるため、これら第1駆動パルスDP1及び第3駆動パルスDP3を「中ドットパルス」として表現することもできる。第2駆動パルスDP2は、第1駆動パルスDP1や第3駆動パルスDP3よりも小さい台形波から成り、約6plの小さいインク滴を吐出する。この第2駆動パルスDP2によって小さいドット径が得られるため、この第2駆動パルスDP2を「小ドットパルス」として表現し得る。第4駆動パルスDP4は、各色ヘッド部中央のノズル穴付近のインクを微振動させてインクの粘度の増大を防止するためのものであり、この第4駆動パルスDP4によってインク滴は吐出されない。この第4駆動パルスDP4は、「微振動Aパルス」として表現可能である。また、第5駆動パルスDP5も、各色ヘッド部中央のノズル穴付近のインクを微振動させてインクの粘度の増大を防止するためのものであり、この第5駆動パルスDP5によってインク滴は吐出されない。この第5駆動パルスDP5は、上述した第4駆動パルスDP4と逆位相の波形であり、「微振動Bパルス」として表現可能である。
【0049】
次に、5ビットのパルス選択情報をスイッチ回路161等に与える構成について、図2を参照しつつ説明する。
【0050】
まず、出力バッファ144Cに記憶された各ノズル毎の3ビットの印字データ(SI)[最上位、中位、最下位]は、記録ヘッド8内のデコーダ158によって、上述した5ビットのパルス選択情報(D1,D2,D3,D4,D5)に翻訳される。ここで、D1は、第1駆動パルスDP1の選択信号、D2は、第2駆動パルスDP2の選択信号、D3は、第3駆動パルスDP3の選択信号、D4は、第4駆動パルスDP4の選択信号、D5は、第5駆動パルスDP5の選択信号である。この5ビットのパルス選択情報は、一印刷周期内に記録ヘッド8の各ノズルに対応したスイッチ回路161に与えられる。尚、図2に示すように、全ノズルについての3ビットの印字データ(SI)は、一印刷周期内で各シフトレジスタ152、153、154に転送され、次のラッチ信号によって各ラッチ回路155、156、157にラッチされる。即ち、ある印刷周期で実行されるべき印字データ(SI)は、直前の印刷周期内で記録ヘッド8に転送される。
【0051】
そして、転送された印字データ(SI)は、各駆動パルスの発生タイミングに応じて5ビットのパルス選択情報に翻訳される。各駆動パルスの発生タイミングは、図3に示すチャンネル信号(CH)とラッチ信号(LAT)によって検出される。即ち、第1駆動パルスDP1の発生タイミングはラッチ信号(LAT)によって、第2駆動パルスDP2の発生タイミングはチャンネル信号(CH1)によって、第3駆動パルスDP3の発生タイミングはチャンネル信号(CH2)によって、第4駆動パルスDP4の発生タイミングはチャンネル信号(CH3)、第5駆動パルスDP5の発生タイミングはチャンネル信号(CH4)によって、それぞれ検出される。
【0052】
各駆動パルスの発生が検出されると、デコーダ158は、当該パルスに対応した選択信号をスイッチ回路161に出力する。即ち、例えば、ラッチ信号(LAT)によって第1駆動パルスDP1の発生が検出された時には、ノズル毎にD1のデータを出力し、チャンネル信号(CH1)によって第2駆動パルスDP2の発生が検出された時には、ノズル毎にD2のデータを出力する。これにより、例えば、ノズルに与えられたD1の値が「1」の場合は、第1駆動パルスDP1に従って圧電振動子36が伸縮するため、該ノズルから約13pl相当のインク滴が吐出され、このインク滴が記録紙に着弾して中ドットの記録ドットが形成される。一方、与えられたD1の値が「0」であるノズルは、第1駆動パルスDP1が圧電振動子36に印加されないため、インク滴を吐出しない。
【0053】
以上のように、4段階のドット階調を行う場合、特開平10−81013号公報に記載されているように、真理値表に対応するプログラム(パターン)データ(SP)を組み合わせ回路等に入力することを介して印字データ(階調値)と駆動パルスとの組み合わせを自由に設定することが可能である。この時、2値の印字データを転送するごとに、25ビットのプログラム(パターン)データ(SP)を送ることが考えられる。図2(b)は、かかるプログラム(パターン)データ(SP)の25ビットの構成を示す。即ち、プログラム(パターン)データ(SP)は、印字データ(SI)と選択される駆動パルスDP1〜DP5との関係を規定するデータであり、例えば、図2(b)に示すように、プログラム(パターン)データ(SP)は、[0001000001100000010011000]から成る25ビットのデータが送られる。ここで、このプログラム(パターン)データ(SP)は、図2(a)に示すように、第5駆動パルスにおける大ドットの印字データ4を最上位ビットデータ(TOP)として、次に、印字データ3、2、1、0に対応するプログラムデータ(SP)を順次送る。従って、図2(b)示すように、プログラムデータ(SP)は、TOPから(00010)となる。次に、第5の駆動パルスのプログラムデータ(SP)に追従し、第4の駆動パルスの印字データ4から印字データ0までのプログラムデータ(00001)が送られる。以下、第3、第2、第1駆動パルスに対応するプログラムデータが送られ、図2(a)に示すように、最下位のビットデータ(BOTTOM)までを順次送る。従って、図2(b)示すように、プログラムデータ(SP)は、[0001000001100000010011000]の25ビットから成るパルス選択情報となる。以上のように、駆動パルス毎にまとめてプログラムデータ(SP)を送ることで、印字周期内の時系列毎に駆動パルスの生成が可能となるため、効率よく駆動データを構成することができる。また、上記では第5駆動パルスにおける大ドットの印字データ4を最上位ビットデータ(TOP)としたが、印字周期内の時系列毎に駆動パルスを生成できれば良く、従って、第1駆動パルスにおける微振動Aの印字データ0を最上位ビットデータ(TOP)とし、第5駆動パルスにおける大ドットの印字データ4を最下位のビットデータ(BOTTOM)としても良い。
【0054】
以上により、上記のプログラム(パターン)データ(SP)に基づいて、図2(a)に示すように、各印字データ(SI)[H,M,L]に対応したパルス選択情報が得られる。即ち、印字データ(000)には、パルス選択情報(00010)、印字データ(001)には、パルス選択情報(00001)、印字データ(010)には、パルス選択情報(01000)、印字データ(100)には、パルス選択情報(10000)、印字データ(110)には、パルス選択情報(10100)が、それぞれ対応して得られる。これらパルス選択情報は、駆動信号(COM)を構成する各駆動パルスDP1〜DP5に各ビットを対応させた複数ビットで構成されている。そして、各ビットの内容〔例えば、(0)、(1)、(0)〕に応じて圧電振動子36に対する各駆動パルスの供給あるいは非供給が選択される。即ち、パルス選択情報の最上位ビットが第1駆動パルスDP1に対応し、2番目のビットが第2駆動パルスDP2に対応し、3番目のビットが第3駆動パルスDP3に対応し、4番目のビットが第4駆動パルスDP4に対応し、最下位ビットが第5駆動パルスDP5に対応している。そして、パルス選択情報の最上位ビットが(1)の場合には、最初のタイミング信号の発生時である期間T1の開始時から2番目のタイミング信号の発生時である期間T2の開始時までの間スイッチ回路161が接続状態になる。2番目のビットが(1)の場合には、期間T2の開始時から3番目のタイミング信号の発生時である期間T3の開始時までの間スイッチ回路161が接続状態になる。3番目のビットが(1)の場合には、期間T3の開始時から4番目のタイミング信号の発生時である期間T4の開始時までの間スイッチ回路161が接続状態になる。4番目のビットが(1)の場合には、期間T4の開始時から5番目のタイミング信号の発生時である期間T5の開始時までの間スイッチ回路161が接続状態になる。同様に、最下位ビットが(1)の場合には、期間T5の開始時から次の印刷周期TAにおける期間T1の開始時までの間スイッチ回路161が接続状態になる。
【0055】
従って、小ドットの印字データ(010)に基づき、対応する圧電振動子36には、第2駆動パルスDP2が供給される。同様に、中ドットの印字データ(100)に基づいて、対応する圧電振動子36には、第1駆動パルスDP1が供給され、大ドットの印字データ(110)に基づいて、対応する圧電振動子36には、第1駆動パルスDP1及び第3駆動パルスDP3が供給される。
【0056】
一方、微振動Aの印字データ(000)に基づき、対応する圧電振動子36には、第4駆動パルスDP4が供給される。また、微振動Bの印字データ(001)に基づき、対応する圧電振動子36には、第5駆動パルスDP5が供給される。
【0057】
さて、制御部146は、ホストコンピュータ等からの印刷データを3ビットの階調情報から成る印字データ(SI)に展開し、記録ヘッド8にシリアル伝送する。
【0058】
各ラッチ回路155、156、157でラッチされた印字データは、デコーダ158に入力される。このデコーダ158は翻訳手段として機能し、3ビットの印字データを翻訳してパルス選択情報を生成する。本実施形態のデコーダ158には、制御ロジック159から上述したパルス選択信号が入力されており、このパルス選択信号に基づいてパルス選択情報を生成する。
【0059】
デコーダ158によって翻訳されたパルス選択情報は、上位ビット側から順に、タイミング信号によって規定されるタイミングが到来する毎にレベルシフタ160に入力される。例えば、印刷周期TAにおける最初のタイミング(T1の開始時)ではパルス選択情報の最上位ビットのデータがレベルシフタ160に入力され、2番目のタイミング(T2の開始時)ではパルス選択情報における2番目のビットのデータがレベルシフタ160に入力される。このレベルシフタ160は、電圧増幅器として機能し、パルス選択情報が(1)の場合には、スイッチ回路161を駆動できる電圧、たとえは数十ボルト程度の電圧に昇圧された電気信号を出力する。レベルシフタ160で昇圧された(1)のパルス選択情報は、スイッチ手段として機能するスイッチ回路161に供給される。このスイッチ回路161の入力側には、駆動信号生成回路148からの駆動信号(COM)が供給されており、スイッチ回路161の出力側には圧電振動子36が接続されている。
【0060】
パルス選択情報は、スイッチ回路161の作動、つまり、第1〜第5駆動パルスDP1〜DP5の圧電振動子36への選択的な供給を制御する。例えば、スイッチ回路161に加わるパルス選択情報が(1)である期間中は、スイッチ回路161が接続状態になって当該駆動パルスが圧電振動子36に供給され、この駆動パルスに応じて圧電振動子36の電位レベルが変化する。一方、スイッチ回路161に加わるパルス選択情報が、(0)の期間中は、レベルシフタ160からはスイッチ回路161を作動させる電気信号が出力されない。このため、スイッチ回路161が切断状態になって圧電振動子36へは駆動パルスが供給されない。
【0061】
従って、図2(a)に示すように、パルス選択情報如何により、第1駆動パルスDP1、第2駆動パルスDP2、第3駆動パルスDP3、第4駆動パルスDP4、及び/又は第5駆動パルスDP5を選択的に圧電振動子36に供給することができる。これにより、まず、プリントヘッド10のノズル開口からそれぞれ所定量(約13pl、約6pl、約13pl)のインク滴を吐出させることが可能である。また、微振動Aの波形又は微振動Bの波形(どちらも、インク吐出は無し[0pl、0pl])を選択的に圧電振動子36に供給することができる。
【0062】
本実施形態では、複数のノズル開口は、図6(b)に示すように、同一のノズル開口列、すなわちBK(ブラック)インクを吐出するノズル開口列あるいはC(シアン)インクを吐出するノズル開口列あるいはLC(ライトシアン)インクを吐出するノズル開口列あるいはM(マゼンタ)インクを吐出するノズル開口列あるいはLM(ライトマゼンタ)インクを吐出するノズル開口列あるいはY(イエロー)インクを吐出するノズル開口列において一つ置きのノズル開口群、すなわち奇数番目1、3、5、・・・のノズル開口群Aと、偶数番目2、4、6、・・・のノズル開口群Bに分けられている。
【0063】
そして、各ノズル開口群A,Bに対応するシフトレジスタ群には、微振動Aの波形に対応する印字データ(000)、微振動Bの波形に対応する印字データ(001)がそれぞれ供給される。
これにより、同一のノズル開口列において隣り合うノズル開口に対応する圧電振動子36A〜36Nの微振動が逆位相となるので相互に打ち消し合うように作用するため、圧電振動子36A〜36Nに印加する微振動波形の周波数を例えば17kHzから4kHz〜5kHzに低下させても騒音を低減させることができ、圧電振動子36A〜36N等の消費電力を小さくすることができる。
【0064】
なお、上記実施形態では、同一のノズル開口列において一つ置きのノズル開口群に分けたが、一つ置きのノズル開口列、すなわちBK(ブラック)インクを吐出するノズル開口列とLC(ライトシアン)インクを吐出するノズル開口列とLM(ライトマゼンタ)インクを吐出するノズル開口列でなるノズル開口群A、及びC(シアン)インクを吐出するノズル開口列とM(マゼンタ)インクを吐出するノズル開口列とY(イエロー)インクを吐出するノズル開口列とでなるノズル開口群Bに分けても同様の効果を奏する。
【0065】
本実施形態では、図2(a)に示すように、微振動Aの波形と微振動Bの波形は、微振動電位と中間電位との間で電位が切り替わる連続した2つの台形状のパルスが一定周期で表れる信号によって構成されている。従って、2つのノズル開口群A,Bの対応する圧電振動子36に台形状のパルスがずれた位相で供給される。これにより、各ノズル開口群A,Bのノズル開口51のメニスカスは、各々4kHz〜5kHzの周波数で微振動されても、圧電振動子36A〜36Nの振動によって発生する音は相互に打ち消し合うように作用するため、騒音を低減させることができ、圧電振動子36A〜36N等の消費電力を小さくすることができる。
【0066】
即ち、上述したように、印字外微振動においても、図2(a)、(b)において示した多値制御を行うことで、例えば、隣り合うノズルに図6(b)に示したような位相が逆の微振動波形を交互に印加することが可能となる。これにより、圧電振動子36A〜36Nの振動によって発生する音の波形は、図6(c)に示すようになり、発生する音を大幅に低減することができる。
【0067】
なお、上記の実施の形態では、いわゆるたわみ振動モードの圧電振動子36を使用した記録ヘッド8を例示したが、この記録ヘッド8に代えて、縦振動モードの圧電振動子73を使用した記録ヘッド70を用いてもよい。図8に示すように、縦振動モードの記録ヘッド70においては、例えばプラスチックからなる箱体状のケース71の収納室72内に、櫛歯状の圧電振動子73が一方の開口から挿入されて櫛歯状先端部73aが他方の開口に臨んでいる。その他方の開口側のケース71の表面(下面)には流路ユニット74が接合され、櫛歯状先端部73aは、それぞれ流路ユニヅト74の所定部位に当接固定されている。
【0068】
圧電振動子73は、圧電体73bを挟んで共通内部電極73cと個別内部電極73dとを交互に積層した板状の振動子板をドット形成密度に対応させて櫛歯状に切断して構成してある。そして、共通内部電極73cと個別内部電極73dとの間に電位差を与えることにより、各圧電振動子73は、積層方向と直交する振動子長手方向に伸縮する。流路ユニット74は、流路形成板75を間に挟んでノズルプレート76と弾性板77を両側に積層することにより構成されている。
【0069】
流路形成板75は、ノズルプレート76に複数開設したノズル開口80とそれぞれ連通して圧力発生室隔壁を隔てて列設された複数の圧力発生室81と、各圧力発生室81の少なくとも一端に連通する複数のインク供給部82と、全インク供給部82が連通する細長い共通インク室83とが形成された板材である。例えば、シリコンウエハーをエッチング加工することにより、細長い共通インク室83が形成され、共通インク室83の長手方向に沿って圧力発生室81がノズル開口80のピッチに合わせて形成され、各圧力発生室81と共通インク室83との間に溝状のインク供給部82が形成される。
【0070】
なお、この場合、圧力発生室81の一端にインク供給部82が接続し、このインク供給部82とは反対側の端部近傍でノズル開口80が位置するように配置されている。また、共通インク室83は、インクカートリッジに貯留されたインクを圧力発生室81に供給するための室であり、その長手方向のほぼ中央にインク供給管84が連通している。弾性板77は、ノズルプレート76とは反対側の流路形成板75の面に積層され、ステンレス板87の下面側にPPS等の高分子体フィルムを弾性体膜88としてラミネート加工した二重構造である。そして、圧力発生室81に対応した部分のステンレス板87をエッチング加工して、圧電振動子73を当接固定するためのアイランド部89が形成されている。
【0071】
上記の構成を有する記録ヘッド70では、圧電振動子73を振動子長手方向に伸長させることにより、アイランド部89がノズルプレート76側に押圧され、アイランド部89周辺の弾性体膜88が変形して圧力発生室81が収縮する。また、圧力発生室81の収縮状態から圧電振動子73を長手方向に収縮させると、弾性体膜88の弾性により圧力発生室81が膨張する。圧力発生室81を一旦膨張させてから収縮させることにより、圧力発生室81内のインク圧力が高まって、ノズル開口80からインク滴が吐出される。このような記録ヘッド70でも、インク滴が吐出しない程度に圧電振動子73を伸縮させることによりメニスカスを微振動させることができ、ノズル開口部分のインクを撹拌することができる。
【0072】
なお、以上の説明は、3個のシフトレジスタを備えたプリンタを例示したが、本発明は、2個以上の複数のシフトレジスタを備えたプリンタに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のプリンタ構成を示す概略ブロック図である。
【図2】(a)は、駆動信号とこれにより生成される駆動パルスを示す図であり、(b)は、その多値制御を行うためのプログラムデータを示す図である。
【図3】駆動信号を示す図である。
【図4】図1のインクジェット式プリンタの斜視図である。
【図5】記録ヘッドの構造を示す図である。
【図6】選択されたノズル開口群と微振動信号を示す図である。
【図7】記録ヘッドにおける電気的構成を示すブロック図である。
【図8】縦振動モードの圧電振動子を用いた記録ヘッドを示す図である。
【符号の説明】
8 記録ヘッド、 11 紙送り機構、 12、キャリッジ機構
141 プリンタコントローラ、 142 プリントエンジン、
143 外部インターフェース、 144 RAM、 145 ROM、
146 制御部、 147 発振回路、 148 駆動信号生成回路、
149 内部インターフェース
Claims (5)
- 複数のノズル開口を有するヘッド部材と、
前記ノズル開口毎にノズル開口部と連通した圧力室に圧力変動を生じさせる圧力発生手段と、前記圧力発生手段を駆動する駆動パルス信号を選択し、前記圧力発生手段に供給するスイッチ手段と、前記駆動パルス信号を複数含んでなる駆動信号を生成する駆動信号生成手段とを備えた液体噴射装置であって、
前記駆動信号は、前記圧力発生手段の振動が逆位相となるように微振動させる微振動パルス信号を含むことを特徴とする液体噴射装置。 - 前記微振動パルス信号は、同一のノズル開口列において隣り合うノズル開口部と連通した圧力室に圧力変動を生じさせる圧力発生手段の振動が逆位相となるように微振動させるものであることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
- 前記微振動パルス信号は、隣り合うノズル開口列において隣り合うノズル開口部と連通した圧力室に圧力変動を生じさせる圧力発生手段の振動が逆位相となるように微振動させるものであることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
- 請求項1〜3の何れか一項に記載の液体噴射装置を有し、前記液体としてインク滴を噴射して記録する記録装置であって、
前記駆動信号生成手段は、記録休止時に、隣り合う前記ノズル開口部と連通した圧力室に圧力変動を生じさせる圧力発生手段の振動が逆位相となるように前記微振動パルス信号を印加することを特徴とする記録装置。 - ノズル開口からインク滴を噴射して記録する記録方法であって、
記録休止時に、隣り合うノズル開口部分と連通した圧力室に圧力変動を生じさせる圧力発生手段の振動が逆位相となるように微振動パルスを印加して、前記ノズル開口部分のインクの増粘を防止することを特徴とする記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003010340A JP2004223717A (ja) | 2003-01-17 | 2003-01-17 | 液体噴射装置並びにそれを備えた記録装置及び記録方法 |
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Cited By (1)
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US8177331B2 (en) | 2008-02-21 | 2012-05-15 | Seiko Epson Corporation | Liquid jetting apparatus, liquid container, and method of controlling multiple liquid containers |
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- 2003-01-17 JP JP2003010340A patent/JP2004223717A/ja active Pending
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