JP2004221850A - 低熱膨張材料を用いた非放射性誘電体線路および応用素子 - Google Patents

低熱膨張材料を用いた非放射性誘電体線路および応用素子 Download PDF

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Tomoko Suzuki
友子 鈴木
Atsushi Omote
篤志 表
Masaaki Suzuki
正明 鈴木
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Abstract

【課題】動作特性が温度変化に影響されず安定したNRDガイドおよびその応用素子を供給することを目的とする。
【解決手段】NRDガイドの誘電体11に低熱膨張材料を用い、熱変動による寸法の変化を最小限に抑え防ぐ方法を用いることにより、カットオフ周波数などの特性値が変化せず、モードの安定したNRDガイドおよびその応用素子を供給することが可能となる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、平行平体間に誘電体線路を設けた非放射性誘電体線路(以降これをNRDガイドと呼ぶ)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
NRDガイドおよびその応用素子は、導電体の平行平板の間隔を半波長以下にしたとき、平行平板間に誘電体線路を挿入すると、電磁波は平板の壁面に平行な電磁波は遮断され、誘電体線路に沿って電磁波が伝播する性質を利用している(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
誘電体線路には、従来、加工がしやすいテフロン(R)やポリスチレンなどの高分子からなる誘電体を用いていた。応用展開としては、損失の減少のために、NRDガイドの誘電体部に別の誘電体を設ける工夫をしているものもある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−163712号公報
【非特許文献1】
T.Yoneyama and S.Nishida,”Nonradiative Dielectric Wavegaide for Millimeter Wave Integrated Circuits”,IEEE Trans. Microwave Theory Tech.,1981−1,MTT−29, 11, p.1188−1192
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のNRDガイドおよびその応用素子では導電体の間に、テフロン(R)やポリスチレンなどの高分子からなる誘電体を用いていたが、これらの誘電体は熱膨張係数が大きく、熱変動により、カットオフ周波数などの特性値が変化してしまい、特に、寸法精度を要求される誘電率の高い材料を用いたNRDガイド素子では動作の安定性に課題があった。
【0006】
本発明は、低熱膨張材料を誘電体として用いることで、温度による寸法変化を最小限に抑え、カットオフ周波数などの特性値が変化せず、モードの安定したNRDガイドおよびその応用素子を供給することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明は、NRDガイドの誘電体に低熱膨張材料を用い、熱変動による寸法の変化を最小限に抑え防ぐ方法を用いたものである。
【0008】
これにより、カットオフ周波数などの特性値が変化せず、モードの安定したNRDガイドおよびその応用素子を供給することが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の発明は、誘電体を低熱膨張係数材料としたことを特徴とするNRDガイドであり、動作特性が温度変化に影響されず安定するという作用を有する。
【0010】
本発明の第2の発明は、誘電体が低熱膨張セラミックであることを特徴とするNRDガイドであり、動作特性が温度変化に影響されず安定するという作用を有する。
【0011】
本発明の第3の発明は、低熱膨張セラミックが、負の熱膨張係数をもつ物質AM、正の熱膨張係数をもつ物質RMO、あるいは(A)(MO(2X+Y=3、X=0〜1.5)の構造をもつ物質のいずれかの組み合わせであり、AはZr,Hfまたはこれらの混合系で示される4価の金属元素、RはMg,Ca,Sr,Ba,Raまたはこれらの混合系で示される2価の金属元素、MはW,Moから選択される6価の金属元素で定義される物質であることを特徴とする材料であり、動作特性が温度変化に影響されず安定するという作用を有する。
【0012】
本発明の第4の発明は、低熱膨張セラミックが、負の熱膨張係数をもつ物質HfW、正の熱膨張係数をもつ物質MgWO、あるいは(HfMg)(WO(2X+Y=3、X=0〜1.5)の構造をもつ物質のいずれかの組み合わせでありからなる物質であることを特徴とする材料であり、動作特性が温度変化に影響されず安定するという作用を有する。
【0013】
本発明の第5の発明は、モードサプレッサ、サーキュレータ、方向性結合器、多分岐素子、モード変換器などの受動回路素子において、NRDガイド部分の誘電体を、温度安定性のよい低熱膨張材料とすることにより、動作特性が温度変化に影響されず安定するという作用を有する。
【0014】
本発明の第6の発明は、発振器、変調器、復調器、増幅器などの能動回路素子において、NRDガイド部分の誘電体を、温度安定性のよい低熱膨張材料とすることにより、動作特性が温度変化に影響されず安定するという作用を有する。
【0015】
本発明の第7の発明は、アンテナにおいて、NRDガイド部分の誘電体を、温度安定性のよい低熱膨張材料とすることにより、動作特性が温度変化に影響されず安定するという作用を有する。
【0016】
本発明の第8の発明は、高周波回路において、NRDガイド部分の誘電体を、温度安定性のよい低熱膨張材料とすることにより、動作特性が温度変化に影響されず安定するという作用を有する。
【0017】
本発明の第9の発明は、高周波回路を用いた無線装置において、NRDガイド部分の誘電体を、温度安定性のよい低熱膨張材料とすることにより、動作特性が温度変化に影響されず安定するという作用を有する。
【0018】
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0019】
(実施の形態1)
誘電体として低熱膨張材料のなかで低熱膨張セラミックを用いて、NRDガイドを作製する例として、セラミック材料にMg、W、Hfの酸化物からなる材料(以降、Lと呼ぶ)を選択した場合の実施の形態について詳しく説明する。
【0020】
まず、Lの作製方法について説明する。
【0021】
負の熱膨張材料HfWは、出発原料として、HfO(関東科学製、純度99.5%)とWO(高純度化学製、純度4Q)を使用し、HfOとWOをモル比1:2になるように、秤量、ボールミルによる混合粉砕を行った。こうして得られた原料紛を1150℃で仮焼し、HfWを作製した。同様にして正の熱膨張材料としてMgWOをMgOとWOを1:2で秤量し、ボールミルによる混合粉砕を行った。この後、原料紛を1000℃で仮焼し、MgWOを作製した。それぞれの仮焼成粉はX線回折により、十分に反応が進んでいることを確認した。
【0022】
HfWとMgWOの仮焼成粉を重量比が1:1になるように秤量し、ボールミルで十分に混合粉砕した。これをジブチルフタル酸、ポリビニルブチラル、酢酸ブチル、ブチルセルソルブの混合溶液に混錬して、ドクターブレード法でグリーンシートを作製した。
【0023】
これを1150℃の本焼成での収縮率が90%であることを考慮し、所望の厚さになるまでグリーンシートを重ね合わせてプレス機を用い60kg重で加重した。幅は所望の形状になるようにカッターで切り抜き、さらに、本焼成はそりをなるべく防ぐため、Alの板をのせた。なお、Alとは反応性があるためPtシートをはさんだ。
【0024】
他のLの作製方法として、MgO、HfO2、WO3を、モル比で1:1:3となるようにそれぞれ、原材料を秤量し、通常の方法でボールミル、乾燥、粗粉砕をおこない、原料紛を900℃で4時間仮焼作製した。これをジブチルフタル酸、ポリビニルブチラル、酢酸ブチル、ブチルセルソルブの混合溶液に混錬して、ドクターブレード法でグリーンシートを作製した。
【0025】
これを1120℃の本焼成での収縮率が90%であることを考慮し、所望の厚さになるまでグリーンシートを重ね合わせてプレス機を用い60kg重で加重した。幅は所望の形状になるようにカッターで切り抜き、さらに、本焼成はそりをなるべく防ぐため、Alの板をのせた。なお、Alとは反応性があるためPtシートをはさんだ。
【0026】
なお、このようにして作製したLの熱膨張係数を、熱膨張計で測定した結果はどちらの製造方法でも−0.5ppm/℃であった。
【0027】
図1はNRDガイドの基本構成を示す斜視図である。図1において、11は誘電体、12は導体板である。誘電体層の高さA、幅Bは、基本モードのLSM01モードが伝送されるためには、以下の(数1)式で表される定数が以下の(数2)式を満たすようにすればよい。
【0028】
【数1】
Figure 2004221850
【0029】
【数2】
Figure 2004221850
【0030】
(数2)式よりNRDガイドの固有値が求められる。位相定数βは以下の(数3)式となる。
【0031】
【数3】
Figure 2004221850
【0032】
(数1)から(数3)式により、LSM01モードを計算し、高次のモードやLSEモードと重ならない値に誘電体層の高さA、幅Bを設計すれば、単一モードでの損失の少ないNRDガイドが得られる。
【0033】
60GHz帯でのNRDガイドは、誘電体にセラミックのLを用いると、最適モードを得る寸法は、高さAが1.5mm、幅Bが1.5mmと計算される。ここで、熱膨張係数の大きい材料を用いると、モードが安定しないが、低熱膨張材料では安定している。特に、零熱膨張材料Lは非常に安定したモードが得られる。
【0034】
(実施の形態2)
次に、上記NRDガイドを用いてフィルタを作製したときの特性値についての結果を示す。図2はLを用いて作製した帯域フィルタの基本構成を示す斜視図であり、21は導体板、22は誘電体共振器、23は誘電体ストリップである。図3はその帯域フィルタのカットオフ周波数の温度特性図を示す。フィルタは、60〜60.5GHzの透過帯域を持つように設計したものであり、カットオフ周波数の温度変化を図3にプロットした。温度変化に対し遮断周波数が変化していないことがわかる。
【0035】
セラミックによるNRDガイドを用いた受動素子、能動素子、アンテナ、高周波回路、高周波回路を用いた無線装置を、同様に上記のNRDガイドを組合せて設計した。これらの特性値も温度変化による特性値の変化はなかった。
【0036】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、温度安定性に優れたNRDガイドおよびその応用素子を作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるNRDガイドの基本構成を示す斜視図
【図2】本発明の一実施の形態による帯域フィルタの基本構成を示す斜視図
【図3】本発明の一実施の形態による帯域フィルタのカットオフ周波数の温度特性図
【符号の説明】
11 誘電体
12 導体板
21 導体板
22 誘電体共振器
23 誘電体ストリップ

Claims (9)

  1. 導体平行平体間に誘電体線路を設けた非放射性誘電体線路において、誘電体を低熱膨張係数材料としたことを特徴とする、非放射性誘電体線路。
  2. 誘電体はセラミックであることを特徴とする請求項1記載の非放射性誘電体線路。
  3. セラミックは、負の熱膨張係数をもつ物質AM、正の熱膨張係数をもつ物質RMO、あるいは(A)(MO(2X+Y=3、X=0〜1.5)の構造をもつ物質のいずれかの組み合わせであり、AはZr,Hfまたはこれらの混合系で示される4価の金属元素、RはMg,Ca,Sr,Ba,Raまたはこれらの混合系で示される2価の金属元素、MはW,Moから選択される6価の金属元素で定義される物質である低熱膨張材料を用いたことを特徴とする請求項2記載の非放射性誘電体線路。
  4. AはHf、RはMg、MはWである低熱膨張材料を用いたことを特徴とする請求項3記載の非放射性誘電体線路。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の非放射性誘電体線路を用いた受動回路素子。
  6. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の非放射性誘電体線路を用いた能動回路素子。
  7. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の非放射性誘電体線路を用いたアンテナ素子。
  8. 請求項5から請求項7のいずれかに記載の非放射性誘電体線路を用いた素子を少なくともひとつ含む高周波回路。
  9. 請求項8記載の高周波回路を用いたことを特徴とする無線装置。
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