JP2004221688A - 車両用スピーカーシステム及びそれを備える車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両内に取り付ける際に簡便かつ均一に行うことのできるスピーカーシステムを提供する。
【解決手段】取付時にトリム(21,53)と一体化したスピーカーシステム(31,51)であって、当該トリム(21,53)が備える着脱構造により当該トリム(21,53)とともに車両(1)内部に取付可能に構成してある。スピーカ−システムとトリムとを一体化させてあるので、両者間の相対位置が均一化する。さらに、トリムの着脱だけでスピーカ−システムを着脱できるので、取付作業が簡便化する。
【選択図】 図2
【解決手段】取付時にトリム(21,53)と一体化したスピーカーシステム(31,51)であって、当該トリム(21,53)が備える着脱構造により当該トリム(21,53)とともに車両(1)内部に取付可能に構成してある。スピーカ−システムとトリムとを一体化させてあるので、両者間の相対位置が均一化する。さらに、トリムの着脱だけでスピーカ−システムを着脱できるので、取付作業が簡便化する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用スピーカーシステムに関し、特に、車両を組み立てるとき、又は、改造等するときにおけるスピーカーユニットの取り付けを簡便かつ均一に行うことのできる車両用スピーカーシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車、トラック、バス等の車両の中で、運転者や同乗者が音楽(音響)を楽しむことは今や日常化している。その音楽は、車両内に設置されたスピーカーシステムを通して聴く。ところで、音楽を家庭で楽しむ場合、すなわち、ホームオーディオの場合は、同じスピーカーであっても、それらを置く部屋の大きさ、形状、壁の材質、家具や音響再生装置の有無等といった音響環境によって、再生音の音質に違いが出ることはよく知られている。このため、音響マニアは、いわゆるリスニングルームといわれる、音響環境の優れた特別の部屋を設けることがある。ホームオーディオであれば、そのようなオーディオルームを建築したり、既存の部屋を改造したりして、理想に近い音響環境を作り出すことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、車両内における音響再生、すなわち、カーオーディオにおいては、ホームオーディオのようなわけには行かない。スピーカーの配置は、車両の設計のときに決まってしまい、これを変更することはほとんどできないからである。さらに、運転者や同乗者は、車両の中央に座るわけではなく左右何れかに座っているため、たとえば、運転者だけが乗車しているときに、この運転者から見た左右のスピーカーは、それぞれ異なる距離を隔てたところにある。したがって、運転者は音の中心から右又は左にずれた位置で音を聴くことになる。この状態は、パワーアンプに入れた固定イコライザ−等により幾分は改善可能である。スピーカーシステムを取り付けようとする車種の音響環境に合わせて音質調整を行えば、そのようなずれを少なくすることができる。しかし、そのようにして改善したものであっても、スピーカーシステムの取り付けにバラツキがあったのでは、元も子もない。これまでは、既に車両内に固定されたトリム(車両の内壁、内張り、内装)に、そこに設けられた取付孔を使ってスピーカ−システムを取り付けていたが、スピーカーシステムのトリムに対する突出寸法や音の指向方向等のバラツキにより音にもバラツキが生じていた。このため、そのようなバラツキを補正するための調整を行う必要があり、これがはなはだ面倒であった。本発明が解決しようとする課題は、車両内に取り付ける際(新規取付、取替による取付等)に簡便かつ均一に行うことのできるスピーカーシステムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために発明者は、車両内部に既に固定されたトリムにスピーカーシステムを取り付けるという発想を捨て、トリムとスピーカーシステムとを一体のものとして捉えた。一体のものとして捉えておけば、トリムとスピーカ−システムとの相対位置(突出寸法の大小、スピーカー指向性の向き等)を常に一定に保つことができ、一定であれば、誰が取り付けてもその位置が異なることはないし、音がバラツク虞もほとんどない。本発明は、このような発想に基づいてなされたものである。その詳しい構成については、項を改めて説明する。なお、何れかの請求項に係る発明の説明に当たって行う用語の定義等は、その性質上可能な範囲において他の請求項に係る発明にも適用されるものとする。
【0005】
(請求項1に記載した発明の特徴)
請求項1に記載した発明に係る車両用スピーカーシステム(以下、「請求項1のシステム」という)は、まず取付時にトリムと一体化している。すなわち、スピーカ−システムにトリムが付属している。両者は完全に一体に構成したものでもよいし、物理的に別体のものを一体化させたものでもよい。そして、当該トリムが備える着脱構造により当該トリムとともに車両内部に取付可能である。本明細書における「スピーカーシステム」とは、単数又は複数のスピーカーと、それ又はそれらに合わせて設計されたエンクロージャーと、により構成されるシステムのことをいう。スピーカーシステムは、モノラルでもステレオでもよい。スピーカーシステムは、単数でも複数でもよい。1つのトリムに複数個のスピーカーシステムを設けることもできる。
【0006】
請求項1のシステムによれば、スピーカーシステムとトリムが一体化しているので、トリムを固定するだけでスピーカーシステムを車両内に設置することができる。スピーカーシステムとトリムが一体化しているので、両者間の相対位置が変化しない。よって、スピーカーシステムの取り付けを簡便かつ均一に行うことができる。スピーカーシステムの取り付けは、車両製造時に新規に取り付ける場合、改造等のために既存のトリムと交換する際に取り付ける場合等に行う。
【0007】
(請求項2に記載した発明の特徴)
請求項2に記載した発明に係る車両用スピーカーシステム(以下、「請求項2のシステム」という)は、請求項1のシステムであって、前記トリムに対する三次元的相対位置が、取付対象である特定車両の音響環境に合わせて設計してある。すなわち、特定車両、たとえば、AメーカーのB機種なら、そのB機種に合わせて設計してある。したがって、B機種用のスピーカーシステムは、B機種とは異なるD機種用のスピーカーシステムとは異なっている。「三次元的相対位置」とは、トリムの表面方向の相対位置に加え、たとえば、トリムに対して突出又は埋没する厚み方向の位置、さらに、スピーカーの指向方向等を併せた総合的相対位置のことをいう。
【0008】
請求項2のシステムは、車両の設計時に決まってしまう車両内の空間の形状や体積、さらに内装器具(シート、操作パネル、ハンドル等)等の存在という音響環境を考慮した上で設計してある。このため、請求項1のシステムの作用効果に加え、当該車両の音響環境に可及的に適合した音響再生を行うことができる。
【0009】
(請求項3に記載した発明の特徴)
請求項3に記載した発明に係るスピーカーシステム(以下、「請求項3のシステム」という)は、請求項2のシステムであって、前記トリムの形状及び/又は材質が、取付対象である特定車両の音響環境に合わせて選定してある。
【0010】
すなわち、請求項3のシステムによれば、請求項2のシステムの作用効果に加え、トリムについても音響環境に合わせて製造されている。このため、車両内の音響環境により適応しており、その分、より高品質な音響再生を可能とする。
【0011】
(請求項4に記載した発明の特徴)
請求項4に記載した発明に係るスピーカーシステム(以下、「請求項4のシステム」という)は、請求項1乃至3の何れかのシステムであって、車両進行方向の左右それぞれに取り付けてあり、すなわち、ステレオであり、一方と他方とを非対称に構成してある。
【0012】
請求項4のシステムによれば、請求項1乃至3の何れかのシステムの作用効果に加え、一方と他方とを非対称に構成することにより、右または左に座った者に左右のバランスのとれた音響を提供することができる。たとえば、国産車は右ハンドルである。したがって、運転手は進行方向右側に座る。右ドアに付けたスピーカーシステムは左ドアに付けたスピーカ−システムより近い。したがって、右ドア側から出る音が、左ドア側からでる音より早く到達する。左右にあるスピーカーシステムを非対称にすることにより、つまり、運転者との距離の違いに応じて構成することにより、この左右から出てくる音の到達時間を可及的に揃え、これにより、バランスのとれた音響再生を行う。
【0013】
(請求項5に記載した発明の特徴)
請求項5に記載した発明に係る車両(以下、「請求項5の車両」という)は、請求項4に記載の車両用スピーカーシステムを内部に備える。車両には、自家用車や商用車のような小型車両のほか、トラック、バス等の大型車両も含まれる。
【0014】
請求項5の車両によれば、請求項4のシステムを内部に備えているので、右または左に座った者に左右のバランスのとれた音響を提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のスピーカーボックスの実施態様を図面に基づき具体的に説明する。図1は、スピーカーボックスを搭載した車両の側面図である。図2は、図1に示す車両の一部を拡大した分解斜視図である。図3は、図2に示すスピーカーシステムを取り付けた状態を示す斜視図である。図4は、図2に示すA−A断面図である。
【0016】
(スピーカーシステムの取付場所)
図1乃至3を参照しながら説明する。スピーカーシステムを備える車両について説明する。車両1は、その左右にフロンドア3,3を備えている。両フロンドドア3,3は、ほぼ対称に作ってあるので、以下の説明では進行方向を見て左側のフロントドア3についてだけ説明する。したがって、特に断らない限り、右側のフロントドア3も左側のフロントドア3と左右の違いはあるが同じ構造を有しているものとする。符合7はダッシュボード5に隣接するフレームを、符合9は、車両後部に設けたリアトレーを、それぞれ示している。
【0017】
(フロントドアの構造)
図1乃至4に基づいて説明する。フロントドア3は、車両本体2の外壁の一部を構成するアウターパネル11と、同じく内壁の一部を構成するインナーパネル13と、を備え、車両本体2に対して水平に開閉するように取り付けてある。インナーパネル13の室内側には、ドアトリム(トリム)21を取り付けてある。ドアトリム21のインナーパネル13への取り付けは、着脱構造(図示を省略)を介して行う。着脱構造の代表的なものは、ネジ止めであるが、これ以外の構造を適宜採用することができる。
【0018】
(ドアトリムとスピーカ−システム)
ドアトリム21は、一般には合成樹脂をブロー成形したものを用いる。ドアトリム21は、インナーパネル13に取付可能な大きさ及び形状に形成してあり、同乗者が肘を乗せられるように構成したアームレスト23と、小物を収納可能に形成したポケット25とを備えている。なお、符合17は、フロントドア3を開閉するときに操作するプルハンドルを示している。詳細は省略するが、プルハンドル17は、ドアロック(図示を省略)と連動可能に構成してある。
【0019】
スピーカ−システム31は、ドアトリム21を車両に取り付ける際に、このドアトリム21と一体化させてある。換言すると、スピーカ−システム31とドアトリム21とがユニット化している。ユニット化させたのは、スピーカーシステム31とドアトリム21との三次元的相対位置を常に一定に保ち、ドアトリム21を取り付けるだけで、このドアトリム21に対して理想的な三次元的相対位置にあるスピーカーシステム31を車両1内に取り付けられるようにするためである。スピーカーシステム31とドアトリム21との三次元的相対位置は、それらを取り付けようとする車種(たとえば、AメーカーのB車種)の室内音響環境に合わせて設定しておく。つまり、これまでは、ドアトリムをフロントドアに取り付けた後に、そのドアトリムに設けた孔を使ってスピーカ−システムを取り付ける方法がとられていた。これでは作業は煩雑であるし、スピーカーシステムの相対位置を微調整する必要があったが、上記したドアトリム21のようにスピーカーシステム31とともにユニット化してあれば、両者の相対位置が一定であるため簡便かつ均一にスピーカ−システムの取り付けを行うことができる。
【0020】
スピーカ−システム31は、車両1の左右両方に設けてステレオとして動作可能に構成してある。このとき、左側のスピーカ−システム31(運転手から遠い側)のユニットと、右側のスピーカーシステム31(運転手に近い側)のユニットとを非対称に構成し、前者と運転手との間の距離と後者と運転手との間の距離との違いを、埋め合わせるように構成するとよい。つまり、スピーカ−システム31とドアトリム21との三次元的相対位置を異ならせることにより、スピーカーから出る音の位相等を変化させ、この変化により距離の違いを補正するのである。
【0021】
なお、図2及び4に示すように、スピーカーシステム31は、アウターパネル11とインナーパネル13(図2参照)との間に形成される内部空間15内に突出するエンクロージャー33と、このエンクロージャー33に組み込まれたスピーカー35と、により構成してあり、低音を増強するためにバスレフ37とを備えている。本実施形態ではバスレフ方式のスピーカ−システムを採用したが、これに限る必要はない。たとえば、複合型の2ウウェイや3ウェイのスピーカ−システムや同軸型(ダブルコーン型)のスピーカ−システム等を適宜用いることができる。
【0022】
図2及び3において、符合51は、他のスピーカ−システムを示している。スピーカーシステム51は、取付時においてフレームトリム(トリム)53とユニット化させてあり、着脱構造(図示を省略)を介してフレーム7に着脱可能に構成してある。スピーカーシステム51にあっても、スピーカ−システム31と同様に、トリムの着脱だけで求める位置にスピーカ−システム51を取付可能に構成してある。さらに、リアトレー9とスピーカーシステムを一体化させておくこともできる。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、車両内に取り付ける際(新規取付、取替による取付等)に簡便かつ均一に行うことのできるスピーカーシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スピーカーボックスを搭載した車両の側面図である。
【図2】図1に示す車両の一部を拡大した分解斜視図である。
【図3】図2に示すスピーカーシステムを取り付けた状態を示す斜視図である。
【図4】図2に示すA−A断面図である。
【符号の説明】
1 車両
2 車両本体
5 ダッシュボード
7 フレーム
9 リアトレー
11 アウターパネル
13 インナーパネル
15 内部空間
17 プルハンドル
21 ドアトリム(トリム)
23 アームレスト
25 ポケット
31,51 スピーカ−システム
33 エンクロージャー
35 スピーカー
53 フレームトリム(トリム)
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用スピーカーシステムに関し、特に、車両を組み立てるとき、又は、改造等するときにおけるスピーカーユニットの取り付けを簡便かつ均一に行うことのできる車両用スピーカーシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車、トラック、バス等の車両の中で、運転者や同乗者が音楽(音響)を楽しむことは今や日常化している。その音楽は、車両内に設置されたスピーカーシステムを通して聴く。ところで、音楽を家庭で楽しむ場合、すなわち、ホームオーディオの場合は、同じスピーカーであっても、それらを置く部屋の大きさ、形状、壁の材質、家具や音響再生装置の有無等といった音響環境によって、再生音の音質に違いが出ることはよく知られている。このため、音響マニアは、いわゆるリスニングルームといわれる、音響環境の優れた特別の部屋を設けることがある。ホームオーディオであれば、そのようなオーディオルームを建築したり、既存の部屋を改造したりして、理想に近い音響環境を作り出すことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、車両内における音響再生、すなわち、カーオーディオにおいては、ホームオーディオのようなわけには行かない。スピーカーの配置は、車両の設計のときに決まってしまい、これを変更することはほとんどできないからである。さらに、運転者や同乗者は、車両の中央に座るわけではなく左右何れかに座っているため、たとえば、運転者だけが乗車しているときに、この運転者から見た左右のスピーカーは、それぞれ異なる距離を隔てたところにある。したがって、運転者は音の中心から右又は左にずれた位置で音を聴くことになる。この状態は、パワーアンプに入れた固定イコライザ−等により幾分は改善可能である。スピーカーシステムを取り付けようとする車種の音響環境に合わせて音質調整を行えば、そのようなずれを少なくすることができる。しかし、そのようにして改善したものであっても、スピーカーシステムの取り付けにバラツキがあったのでは、元も子もない。これまでは、既に車両内に固定されたトリム(車両の内壁、内張り、内装)に、そこに設けられた取付孔を使ってスピーカ−システムを取り付けていたが、スピーカーシステムのトリムに対する突出寸法や音の指向方向等のバラツキにより音にもバラツキが生じていた。このため、そのようなバラツキを補正するための調整を行う必要があり、これがはなはだ面倒であった。本発明が解決しようとする課題は、車両内に取り付ける際(新規取付、取替による取付等)に簡便かつ均一に行うことのできるスピーカーシステムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために発明者は、車両内部に既に固定されたトリムにスピーカーシステムを取り付けるという発想を捨て、トリムとスピーカーシステムとを一体のものとして捉えた。一体のものとして捉えておけば、トリムとスピーカ−システムとの相対位置(突出寸法の大小、スピーカー指向性の向き等)を常に一定に保つことができ、一定であれば、誰が取り付けてもその位置が異なることはないし、音がバラツク虞もほとんどない。本発明は、このような発想に基づいてなされたものである。その詳しい構成については、項を改めて説明する。なお、何れかの請求項に係る発明の説明に当たって行う用語の定義等は、その性質上可能な範囲において他の請求項に係る発明にも適用されるものとする。
【0005】
(請求項1に記載した発明の特徴)
請求項1に記載した発明に係る車両用スピーカーシステム(以下、「請求項1のシステム」という)は、まず取付時にトリムと一体化している。すなわち、スピーカ−システムにトリムが付属している。両者は完全に一体に構成したものでもよいし、物理的に別体のものを一体化させたものでもよい。そして、当該トリムが備える着脱構造により当該トリムとともに車両内部に取付可能である。本明細書における「スピーカーシステム」とは、単数又は複数のスピーカーと、それ又はそれらに合わせて設計されたエンクロージャーと、により構成されるシステムのことをいう。スピーカーシステムは、モノラルでもステレオでもよい。スピーカーシステムは、単数でも複数でもよい。1つのトリムに複数個のスピーカーシステムを設けることもできる。
【0006】
請求項1のシステムによれば、スピーカーシステムとトリムが一体化しているので、トリムを固定するだけでスピーカーシステムを車両内に設置することができる。スピーカーシステムとトリムが一体化しているので、両者間の相対位置が変化しない。よって、スピーカーシステムの取り付けを簡便かつ均一に行うことができる。スピーカーシステムの取り付けは、車両製造時に新規に取り付ける場合、改造等のために既存のトリムと交換する際に取り付ける場合等に行う。
【0007】
(請求項2に記載した発明の特徴)
請求項2に記載した発明に係る車両用スピーカーシステム(以下、「請求項2のシステム」という)は、請求項1のシステムであって、前記トリムに対する三次元的相対位置が、取付対象である特定車両の音響環境に合わせて設計してある。すなわち、特定車両、たとえば、AメーカーのB機種なら、そのB機種に合わせて設計してある。したがって、B機種用のスピーカーシステムは、B機種とは異なるD機種用のスピーカーシステムとは異なっている。「三次元的相対位置」とは、トリムの表面方向の相対位置に加え、たとえば、トリムに対して突出又は埋没する厚み方向の位置、さらに、スピーカーの指向方向等を併せた総合的相対位置のことをいう。
【0008】
請求項2のシステムは、車両の設計時に決まってしまう車両内の空間の形状や体積、さらに内装器具(シート、操作パネル、ハンドル等)等の存在という音響環境を考慮した上で設計してある。このため、請求項1のシステムの作用効果に加え、当該車両の音響環境に可及的に適合した音響再生を行うことができる。
【0009】
(請求項3に記載した発明の特徴)
請求項3に記載した発明に係るスピーカーシステム(以下、「請求項3のシステム」という)は、請求項2のシステムであって、前記トリムの形状及び/又は材質が、取付対象である特定車両の音響環境に合わせて選定してある。
【0010】
すなわち、請求項3のシステムによれば、請求項2のシステムの作用効果に加え、トリムについても音響環境に合わせて製造されている。このため、車両内の音響環境により適応しており、その分、より高品質な音響再生を可能とする。
【0011】
(請求項4に記載した発明の特徴)
請求項4に記載した発明に係るスピーカーシステム(以下、「請求項4のシステム」という)は、請求項1乃至3の何れかのシステムであって、車両進行方向の左右それぞれに取り付けてあり、すなわち、ステレオであり、一方と他方とを非対称に構成してある。
【0012】
請求項4のシステムによれば、請求項1乃至3の何れかのシステムの作用効果に加え、一方と他方とを非対称に構成することにより、右または左に座った者に左右のバランスのとれた音響を提供することができる。たとえば、国産車は右ハンドルである。したがって、運転手は進行方向右側に座る。右ドアに付けたスピーカーシステムは左ドアに付けたスピーカ−システムより近い。したがって、右ドア側から出る音が、左ドア側からでる音より早く到達する。左右にあるスピーカーシステムを非対称にすることにより、つまり、運転者との距離の違いに応じて構成することにより、この左右から出てくる音の到達時間を可及的に揃え、これにより、バランスのとれた音響再生を行う。
【0013】
(請求項5に記載した発明の特徴)
請求項5に記載した発明に係る車両(以下、「請求項5の車両」という)は、請求項4に記載の車両用スピーカーシステムを内部に備える。車両には、自家用車や商用車のような小型車両のほか、トラック、バス等の大型車両も含まれる。
【0014】
請求項5の車両によれば、請求項4のシステムを内部に備えているので、右または左に座った者に左右のバランスのとれた音響を提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のスピーカーボックスの実施態様を図面に基づき具体的に説明する。図1は、スピーカーボックスを搭載した車両の側面図である。図2は、図1に示す車両の一部を拡大した分解斜視図である。図3は、図2に示すスピーカーシステムを取り付けた状態を示す斜視図である。図4は、図2に示すA−A断面図である。
【0016】
(スピーカーシステムの取付場所)
図1乃至3を参照しながら説明する。スピーカーシステムを備える車両について説明する。車両1は、その左右にフロンドア3,3を備えている。両フロンドドア3,3は、ほぼ対称に作ってあるので、以下の説明では進行方向を見て左側のフロントドア3についてだけ説明する。したがって、特に断らない限り、右側のフロントドア3も左側のフロントドア3と左右の違いはあるが同じ構造を有しているものとする。符合7はダッシュボード5に隣接するフレームを、符合9は、車両後部に設けたリアトレーを、それぞれ示している。
【0017】
(フロントドアの構造)
図1乃至4に基づいて説明する。フロントドア3は、車両本体2の外壁の一部を構成するアウターパネル11と、同じく内壁の一部を構成するインナーパネル13と、を備え、車両本体2に対して水平に開閉するように取り付けてある。インナーパネル13の室内側には、ドアトリム(トリム)21を取り付けてある。ドアトリム21のインナーパネル13への取り付けは、着脱構造(図示を省略)を介して行う。着脱構造の代表的なものは、ネジ止めであるが、これ以外の構造を適宜採用することができる。
【0018】
(ドアトリムとスピーカ−システム)
ドアトリム21は、一般には合成樹脂をブロー成形したものを用いる。ドアトリム21は、インナーパネル13に取付可能な大きさ及び形状に形成してあり、同乗者が肘を乗せられるように構成したアームレスト23と、小物を収納可能に形成したポケット25とを備えている。なお、符合17は、フロントドア3を開閉するときに操作するプルハンドルを示している。詳細は省略するが、プルハンドル17は、ドアロック(図示を省略)と連動可能に構成してある。
【0019】
スピーカ−システム31は、ドアトリム21を車両に取り付ける際に、このドアトリム21と一体化させてある。換言すると、スピーカ−システム31とドアトリム21とがユニット化している。ユニット化させたのは、スピーカーシステム31とドアトリム21との三次元的相対位置を常に一定に保ち、ドアトリム21を取り付けるだけで、このドアトリム21に対して理想的な三次元的相対位置にあるスピーカーシステム31を車両1内に取り付けられるようにするためである。スピーカーシステム31とドアトリム21との三次元的相対位置は、それらを取り付けようとする車種(たとえば、AメーカーのB車種)の室内音響環境に合わせて設定しておく。つまり、これまでは、ドアトリムをフロントドアに取り付けた後に、そのドアトリムに設けた孔を使ってスピーカ−システムを取り付ける方法がとられていた。これでは作業は煩雑であるし、スピーカーシステムの相対位置を微調整する必要があったが、上記したドアトリム21のようにスピーカーシステム31とともにユニット化してあれば、両者の相対位置が一定であるため簡便かつ均一にスピーカ−システムの取り付けを行うことができる。
【0020】
スピーカ−システム31は、車両1の左右両方に設けてステレオとして動作可能に構成してある。このとき、左側のスピーカ−システム31(運転手から遠い側)のユニットと、右側のスピーカーシステム31(運転手に近い側)のユニットとを非対称に構成し、前者と運転手との間の距離と後者と運転手との間の距離との違いを、埋め合わせるように構成するとよい。つまり、スピーカ−システム31とドアトリム21との三次元的相対位置を異ならせることにより、スピーカーから出る音の位相等を変化させ、この変化により距離の違いを補正するのである。
【0021】
なお、図2及び4に示すように、スピーカーシステム31は、アウターパネル11とインナーパネル13(図2参照)との間に形成される内部空間15内に突出するエンクロージャー33と、このエンクロージャー33に組み込まれたスピーカー35と、により構成してあり、低音を増強するためにバスレフ37とを備えている。本実施形態ではバスレフ方式のスピーカ−システムを採用したが、これに限る必要はない。たとえば、複合型の2ウウェイや3ウェイのスピーカ−システムや同軸型(ダブルコーン型)のスピーカ−システム等を適宜用いることができる。
【0022】
図2及び3において、符合51は、他のスピーカ−システムを示している。スピーカーシステム51は、取付時においてフレームトリム(トリム)53とユニット化させてあり、着脱構造(図示を省略)を介してフレーム7に着脱可能に構成してある。スピーカーシステム51にあっても、スピーカ−システム31と同様に、トリムの着脱だけで求める位置にスピーカ−システム51を取付可能に構成してある。さらに、リアトレー9とスピーカーシステムを一体化させておくこともできる。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、車両内に取り付ける際(新規取付、取替による取付等)に簡便かつ均一に行うことのできるスピーカーシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スピーカーボックスを搭載した車両の側面図である。
【図2】図1に示す車両の一部を拡大した分解斜視図である。
【図3】図2に示すスピーカーシステムを取り付けた状態を示す斜視図である。
【図4】図2に示すA−A断面図である。
【符号の説明】
1 車両
2 車両本体
5 ダッシュボード
7 フレーム
9 リアトレー
11 アウターパネル
13 インナーパネル
15 内部空間
17 プルハンドル
21 ドアトリム(トリム)
23 アームレスト
25 ポケット
31,51 スピーカ−システム
33 エンクロージャー
35 スピーカー
53 フレームトリム(トリム)
Claims (5)
- 取付時にトリムと一体化しており、
当該トリムが備える着脱構造により当該トリムとともに車両内部に取付可能な車両用スピーカーシステム。 - 前記トリムに対する三次元的相対位置が、取付対象である特定車両の音響環境に合わせて設計してある
ことを特徴とする車両用スピーカーシステム。 - 前記トリムの形状及び/又は材質が、取付対象である特定車両の音響環境に合わせて選定してある
ことを特徴とする請求項2に記載した車両用スピーカーシステム。 - 車両進行方向の左右それぞれに取り付けてあり、一方と他方とを非対称に構成してある
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載した車両用スピーカーシステム。 - 請求項4に記載した車両用スピーカーシステムを内部に備える車両。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003003665A JP2004221688A (ja) | 2003-01-09 | 2003-01-09 | 車両用スピーカーシステム及びそれを備える車両 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2003003665A JP2004221688A (ja) | 2003-01-09 | 2003-01-09 | 車両用スピーカーシステム及びそれを備える車両 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Cited By (2)
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WO2009058441A1 (en) * | 2007-10-29 | 2009-05-07 | Bose Corporation | Vehicle audio system including door-mounted components |
US8126187B2 (en) | 2007-10-29 | 2012-02-28 | Bose Corporation | Vehicle audio system including door-mounted components |
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