JP2004221677A - カメラ外部制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】故障に強く、且つ故障した場合の対応性に優れ、低コストで適正に無人貸し出しシステムを実現、運用し得るカメラ外部制御装置を提供する。
【解決手段】デジタルカメラを着脱可能に構成され、外部からデジタルカメラを制御する。デジタルカメラと接続してカメラ内部に記録された画像データを読み出す画像データ読み出し手段205と、画像データ読み出し手段205によって読み出された画像データを送信する送信手段206と、デジタルカメラに対して所定のコマンドを発行して、デジタルカメラに所定の動作を行わせてその故障診断を行う故障診断手段212とを有する。
【選択図】 図3
【解決手段】デジタルカメラを着脱可能に構成され、外部からデジタルカメラを制御する。デジタルカメラと接続してカメラ内部に記録された画像データを読み出す画像データ読み出し手段205と、画像データ読み出し手段205によって読み出された画像データを送信する送信手段206と、デジタルカメラに対して所定のコマンドを発行して、デジタルカメラに所定の動作を行わせてその故障診断を行う故障診断手段212とを有する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルカメラ無人貸し出しサービスにおけるカメラ外部制御装置及びデジタルカメラ接続用電極接点に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
貸し出し用途のデジタルカメラを野外に設置する場合、従来ではカメラの動作チェックや盗難防止のための特別な機構などがなかった。また、そのような機構があっても無線電波等によって行うものであり、貸し出しデジタルカメラ本体の電力供給手段に電力がない場合などには結局検査できなかった。そのため結局は営業終了時等に誰かがカメラを回収し、点検を行って次の営業開始時に再度設置するなどの手間が必要であった。
【0003】
さらに、貸し出し装置のため野外に紐などでくくられて放置されたデバイスは故障し易く、その故障を検知するためにカメラを常に監視する人員を配置するなどの対処が必要であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そのため特に野外の観光スポットやアミューズメントパーク、自然公園、展望スポット等において、貸し出しデジタルカメラを自由に持ち運んで撮影させるサービスでは、そもそもデジタルカメラを野外に放置することができない。また、一箇所で貸し出し、回収サービスを行う「貸し出しショップ」形式を取らざるを得ない。そのためユーザーは画像を撮影したいと思わない移動中もそのデジタルカメラを携帯し、紛失しないように気を配り、また破損やその他の不慮の故障に関してもリスクを負わなければならなかった。
【0005】
当然のことながら、カメラのバッテリー等の電力が足りなくなった場合にはそれらの貸し出しショップへ持ち帰って充電したり、故障診断を受けなければならない。カメラで撮影するために来た訳でもないユーザーが、カメラのメンテナンスのために振り回されることとなり、使い勝手の悪いものであった。また、野外に充電可能なステーションを放置する場合、雨滴等によるショートや放置環境における故障によって、電力の無駄な消費が行われたり、サービスが不可能となったりすることもあった。
【0006】
本発明はかかる実情に鑑み、故障に強く、且つ故障した場合の対応性に優れ、低コストで適正に無人貸し出しシステムを実現、運用し得るカメラ外部制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のカメラ外部制御装置は、デジタルカメラを着脱可能に構成され、外部から前記デジタルカメラを制御するようにしたカメラ外部制御装置であって、前記デジタルカメラと接続してカメラ内部に記録された画像データを読み出す画像データ読み出し手段と、前記画像データ読み出し手段によって読み出された前記画像データを送信する送信手段と、前記デジタルカメラに対して所定のコマンドを発行して、該デジタルカメラに所定の動作を行わせてその故障診断を行う故障診断手段とを有することを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、貸し出し用デジタルカメラに必要な充電動作を行うことが可能なカメラ外部制御装置を用意することによって、野外の観光地や自然公園などでも、撮影スポットに放置する形でデジタルカメラを提供するサービスを行うことを可能にしている。この場合、ステーションとデジタルカメラとのデータ通信接続を利用し、カメラの自己故障診断結果等をサーバーへ送信することにより、どの位置のステーションに装着されたカメラが故障しているかを実際に設置場所へ赴くことなしに、集中的に管理、メンテナンスすることも可能となる。
【0009】
その上、ステーションに設置されている状態のデジタルカメラをサーバーから遠隔操作することによって、野外設置監視カメラとしても利用可能とすることができる。
【0010】
本発明では、ステーション側の電極の形状として、特に充電に用いる電極は極ごと独立な凸形状の頂点に配置することとし、たとえば雨滴によるショートが確実に起こらないだけの距離を保ち、且つカメラが装着されていない場合には、保護カバーが接点を隠すような構成とすることにより、野外に放置しても無駄な電力の放電や、ショートによるこしょうなどを防ぐことができる。
【0011】
さらに、データ通信時にデータ通信接点等にショートがある場合は正しく認証が行われないため、やはりむだな充電電力を供給することを未然に防ぐことも可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基き、本発明の好適な実施の形態を説明する。
図1は、本発明を実装するデジタルカメラ100まわりの形態例を示す図である。図において、1はデジタルカメラ本体、2は画像の撮影を支持するシャッターボタン、3は撮影する画像を光学的に表示するためのファインダ、4は光学−電子変換により画像をデジタル画像に変換するための撮影手段、5はフラッシュ、6はこのデジタルカメラを後述するカメラ外部制御装置に固定する際に使用する固定用の穴である。
【0013】
200はデジタルカメラ100を設置した際にこれに対して充電、データ読み出し等を行うカメラ外部制御装置である。7はデジタルカメラ100が設置された際にこれを動かないようにロックするためのロック爪である。8はデジタルカメラ100とカメラ外部制御装置200とを電気・データ的に結合するための電極接点である。9は例えばデジタルカメラから読み出したデータや、カメラ認証情報などのデータを遠隔地にあるサーバーとやり取りするための無線通信で使用するアンテナである。
【0014】
10はデジタルカメラ100における光学ファインダの接眼部、11は撮影した画像を確認するための液晶表示機を持つ表示部、12はカメラ外部制御装置200にデジタルカメラ100を固定するための爪をさす穴、13はデジタルカメラ側のデータ及び充電電力をやり取りするための電極接点である。
また、カメラ外部制御装置200において、14は特に充電に使用する電力を外部から供給するための電線である。
【0015】
この図に示すように本発明におけるデジタルカメラ100は、外部からバッテリー及び不揮発性メモリ(CFカードなど)を交換することができない構成となっている。その代わりに電力の供給によるバッテリーの充電と、データの読み出し端子からのデータ読み出しを行うことにより、その動作を外部の機器に依存して完遂する構成となっている。
【0016】
さらに、本体内部に内蔵されたバッテリーは、このデジタルカメラ100の消費電力から計算された数枚程度の画像の撮影に要する電力のみを供給できる小容量のものとし、それによりユーザーが必要とするときに急速充電が可能なバッテリーとする。これは通常の充電電池のほかに、大容量キャパシタなどの利用も考えられる。このことによりバッテリーにかかるコストを削減し、デジタルカメラ本体のコストを低減させ、盗難時のリスクを低減することを可能にしている。
【0017】
さらに、本発明のデジタルカメラ100の構成では、バッテリーが電力を供給し得るたかだか数枚の撮影枚数に匹敵するだけの内部不揮発性メモリを持ち、これにより通常のデジタルカメラで用意される数10枚から数百枚、あるいはそれ以上の画像を保持できる大容量不揮発性メモリよりも大幅にコストを削減することが可能となり、やはり盗難時のリスクを低減することを可能としている。
【0018】
図2は、本発明に係るデジタルカメラ100の一構成例を示している。図において、101はシステムを構成する要素を制御し、特に印刷画像展開処理や撮影処理及びその他の処理を行うために、それらの処理自体を実行したり、その処理を実行する他の構成要素を制御したりするためのCPUである。102は本システムにおいて特に画像データやその他の処理に必要な情報を書き込み保持し、読み出すためのRAMである。103は本システムで処理を実行するにあたって必要な処理手順及びテーブル、更にカメラ外部制御装置200と接続時に行われる認証情報などの情報を保持するためのROMである。104は本システムで特に画像を撮影するための物理的及び光学的な処理を行い、結果として撮影画像を出力する光学−電子画像撮影手段である。
【0019】
105は本システムにおいて、本体上に配置される電子ファインダであるカラーLCD又は外部にラインにより接続されるテレビ表示機に画像を出力するための画像表示手段を含むビデオ信号生成モジュールである。106は本システムで生成されたデジタル画像データファイルを容易に交換不可能に実装された不揮発性メモリに書き込み、またそれを読み出すための記憶手段である。107は本システムにおいてユーザーの操作を受け付けるためのUIデバイス及び操作スイッチ群である。108は本システムにおいて撮影された画像及び認証データ等を外部のカメラ外部制御装置200などとやり取りするための通信手段である。
【0020】
109は本システムに与えられた認証情報と内部にある認証情報を確認し、認証処理を行う認証情報照合手段である。110は本システムを駆動するためのエネルギーを供給するバッテリーである。111は認証情報照合手段109の認証処理結果に基づいて本システムのバッテリーに電力を供給し、バッテリーを充電する充電処理手段である。
【0021】
本発明においてはカメラ内部の回路状態や光学性能の状態を全て無人化しており、これにより人件費の削減を図ることができるばかりでなく、故障診断時間が短くできるのでユーザーにストレスを与えることがない。更には頻繁に故障診断ができるので、ユーザーは安心してカメラを借りることができる。
【0022】
ここで先ず始めに、カメラ内部回路の故障診断について説明する。
本発明では、たとえば図6のステップS3において接触端子データ通信チェックばかりではなく、更にカメラ内部回路の故障診断も行っている。その内部回路の故障診断としては、特にカメラ内部の電源消費状態を検出することで回路上の異常診断を行っている。これはユーザーがカメラを使用している最中にカメラ内部に水分が浸入し、内部回路の一部がショートしたり、撮影鏡筒が繰り出した状態で衝撃が加わり、それにより鏡筒格納時に駆動回路に異常な負荷が加わり回路の一部が破壊したりすることを想定している。
【0023】
そしてそのような事故が起きた時には画像データ読み出しのために、カメラの外部制御装置200からカメラに電源を供給した時に回路が暴走して画像データを破壊する恐れがある。そのため画像データ読み出し前にカメラの内部回路の診断を行うことは、本発明のように自動化されたカメラの貸し出しシステムにおいては重要な項目である。
【0024】
図3は、本実施形態の故障診断処理を含むデジタルカメラ100の外部制御装置200の構成を示す図である。図において、201はカメラ外部制御処理を行なうための処理装置CPUである。202は処理中のデータ等を一時記憶するためのRAMである。203はカメラとサーバーから読み込んだ認証符号を照合し、認証を行う認証手段である。204は処理プログラム、データ等を保持するためのROMである。205はカメラと接続し、認証符号や画像データなどを読み取るためのカメラデータ通信手段である。206はサーバーとデータ通信を可能にし、認証符号を受信したり、カメラから読み取った画像データを送信したりするためのサーバー通信手段である。
【0025】
207はカメラ外部制御装置200の動作をユーザーに通知するための、例えばLEDなどの動作表示手段である。208は認証が正しく行われたデジタルカメラ100に対して充電電力を伝えるための充電手段である。209はデジタルカメラ100に対して提供する電力を、カメラ外部制御装置200に供給するための電力供給手段である。これは必ずしもバッテリーではなく、送電線やコンセント等からの電力供給手段でもよい。
【0026】
210は充電や画像データ転送中の不慮のカメラ取り外しを防止するためのカメラ固定手段であり、機械的な爪やかんぬきのように構成され、デジタルカメラ100を固定するものである。211は貸し出し許可情報を判別する処理手段であり、カメラ使用権などの情報を確認し、ロックを解除するための処理手段である。212はデジタルカメラ100に所定のコマンドを送ると共に、それに応じたカメラの動作や撮影結果を観察してカメラの故障診断を行う故障診断手段である。213はデジタルカメラ100がカメラ外部制御装置200に接続されている時にデジタルカメラ100に所定被写体を撮像させる撮像制御手段である。214は撮像された所定被写体の画像データを画像データ読み出し手段によりカメラ外部制御装置200に読み出して、標準画像である基準データと比較する比較手段である。215は比較手段214による比較結果に基づいてデジタルカメラ使用可能性を明示する使用判断手段である。
【0027】
図4は、本発明のシステムの一例を示した図である。図において、100は本発明の構成による放置可能な貸し出しデジタルカメラである。200は本発明の構成によるカメラ外部制御装置である。300は本発明の構成を可能にするサーバーである。400は本発明のカメラ外部制御装置200に対して電力を供給する電力供給手段である。これは例えば単なる送電線でも、一般のコンセント等の電力供給口でも、またカメラ外部制御装置200に対して特別に装備された大容量バッテリーでもよい。500は本発明のカメラ外部制御装置200とサーバー300との間でデータの送受信を行うための伝送路である。
【0028】
本発明においては、この伝送路500が電気的な信号を伝送する有線信号路であっても、電波等を使用した無線信号伝達路であってもよい。更に、光を利用した光ファイバーやレーザー発光・受光器でも、音声を利用した遠隔通信システムであっても、その他いかなる伝送路であっても、カメラ内部とサーバーの認証情報の伝達と、カメラから読み出された画像の伝送が行えるものであればよい。
【0029】
図5は、カメラの故障診断の概念を示す図である。図において、デジタルカメラ100がロックされているカメラの外部制御装置200は、固定台600に固定されており、固定台600にはデジタルカメラ100の撮影手段4と対向してチャートパターン601が設けられている。
【0030】
そして、デジタルカメラ100の外部制御装置200からの所定のコマンドにより、デジタルカメラ100は撮影鏡筒を沈胴からスタンバイ状態にする。そして、ピント合わせを行い、シャッターを開閉すると共にストロボを発光させて、そのチャートパターン601を撮影する。出来上がった画像データは、デジタルカメラ100のカメラ外部制御装置200が画像読み出しを行い、記憶されている標準画像と空間周波数や濃度などを比較することで光学系の状態をチェックする。
【0031】
尚、ここでデジタルカメラ100のカメラ外部制御装置200で光学状態をチェックするのではなく、カメラ外部制御装置200が読み出した画像データをサーバー(図4、サーバー300)に送信し、サーバーで標準画像との比較を行ってもよい。
【0032】
図6は、本発明におけるカメラ外部制御装置200の制御処理の流れ図である。
先ず、カメラ外部制御装置200にデジタルカメラ100が設置され、処理が開始される。ステップS1において、カメラ内部のデータ等を読み出し、消去する際に、データの消失を防ぐために、デジタルカメラ100がカメラ外部制御装置200から取り外されないようにデジタルカメラ100をロックする処理を行う。
【0033】
このときにロックを行うのは、故障診断において故障が検知された場合に、それ以後デジタルカメラ100が他のユーザーによって使用されたり、誤って新しいユーザー識別IDを読み込んだりしないようにするためでもある。ここでロックを行い、故障診断時にユーザー識別IDを記録すれば、どのユーザーが使用中に故障したかが後から分かるというメリットもある。
【0034】
次にステップS2において、カメラ接続信号が正常にやり取りできるかを確認するためのカメラ通信状態確認処理を実行する。ステップS2において正常に信号のやり取りが確認できなかった場合、ステップS3の分岐においてエラー処理(ステップS17)へ進む。
【0035】
ステップS4においては、正常な信号のやり取りを確認したことを前提に、次に電源電力供給線がショートしていないかを確認する処理を行う。ステップS4でショートが確認された場合は、ステップS5の分岐においてエラー処理(ステップS18)に進む。
【0036】
続いてステップS6において、信号線を用いてデジタルカメラ100内部のシリアル番号等のID番号と、認証符号を読み出す処理を行う。ステップS7では、サーバーに読み出したシリアル番号等のIDを送付し、認証符号の送信リクエストを行う。ステップS8では、サーバーからの認証符号の受信処理を行う。ステップS9では、受信処理により受信された認証符号と、デジタルカメラ100から読み出した認証符号とを何らかの認証方法によって照合する処理を行う。
【0037】
ステップS9で認証の結果、認証が正しく行われなかった場合は、ステップS10の分岐処理においてエラー処理に進む。ここで認識が正しく行われなかったというのは、デジタルカメラ100のカメラ外部制御装置200に対応していない擬装カメラが充電を要求している場合である。そしてそのような場合は、図6のフローでは図示されていないが、例えばカメラ外部制御装置200は充電拒否を表示す。それでも所定時間(例えば1時間)カメラが放置されている場合は警報を発生すると共に、管理者がその場に出向いてカメラを排除する。もちろん指定されたデジタルカメラ100であっても何らかのミスで認証できない可能性があるので、充電拒否表示の後にユーザー通報ボタン等が用意される。
【0038】
ステップS11では、充電回路をONし、デジタルカメラ100に対しての充電処理を行う。ステップS12では、デジタルカメラ100内部に保持されている画像データを読み出し、サーバー300へ転送する処理を行う。ステップS13では、全ての画像がサーバー300へ転送されたことを確認する処理を行う。ステップS13で確認ができない場合は、ステップS14の分岐処理によって再度ステップS12へ戻り、画像を間違いなくサーバー300へ転送する処理を続行する。
【0039】
ステップS15では、デジタルカメラ100内部の画像保持メモリの内容を全て消去する処理を行う。ステップS16で、全ての処理を終了する。
【0040】
なお、ステップS17は、信号線が正しく接続されていないときのエラー表示などのエラー処理を行うステップである。
また、ステップS18は、電源供給線がショートしている際のエラー表示などを行うエラー処理ステップである。
【0041】
図7は、本発明のサーバー300が行う処理の一例を示している。
ステップS101において、少なくともサーバー300に疎結合の状態で複数設置されているカメラ外部制御装置200から、デジタルカメラ100がセットされたことを通知する信号を受け取ることで処理を開始する。ステップS102において、先ずカメラ外部制御装置200からの認証リクエストを一定時間待機する処理を行う。ステップS103において、待機処理がタイムアウトしたことを検出した場合は、タイムアウトして処理を終了する。
【0042】
ステップS104において、カメラ外部制御装置200からの故障検知レポートが検出された場合は、ステップS110に進んでサーバー300内のデジタルカメラ100に関する管理情報に故障の旨を記録し、処理を終了する。なお、この故障状況の記録処理において、もしもデジタルカメラ100からユーザー識別ID情報が読み取れる場合はカメラ外部制御装置200よりユーザー識別ID情報も故障レポート情報に含めて通知させ、「誰が使用した際に壊れたのか」に関する情報もともに記録してもよい。
【0043】
ステップS105において、認証データリクエスト及びカメラIDなどの情報が送られたことを確認した場合、サーバー300からデジタルカメラ100に対する認証情報を送信する処理を行う。ステップS106において、カメラ外部制御装置200からのデータ送信リクエストを一定時間受信待機する処理を行い、ステップS107において、待機時間がタイムアウトしたことを検知した場合は処理を終了する。
【0044】
ステップS108において、カメラ外部制御装置200から送信される画像データを受信し、記録する処理を行い、ステップS109において、1回のカメラ外部制御装置200からの処理フローを終了する。
【0045】
図8は、図6のステップS3の処理の詳細をまとめたフローチャートであり、このフローは図5などでステップS3からフローが流れてきた時にその処理を開始する(ステップS201)。
ステップ202ではカメラが電圧受入れ状態になるように、コマンドを送ると共に瞬間的に電圧を加える。ここで瞬間的と表現をしたのは例えば0.05秒程度の時間を想定しており、デジタルカメラ100の内部回路が定常状態になるよりも短い時間である。このように短い時間のみ電源を供給するのは、デジタルカメラ100の内部回路が定常状態になると、その内部回路に異常がある場合には回路が暴走して画像データを破壊する恐れがあるので、それを防ぐために内部回路が過渡状態にある間に故障診断を行うようにしている。
【0046】
ステップS203では、与えた電圧の降下状態を読み出す。この時カメラ内部回路が正常であれば、内部回路の負荷状態に応じて予測される電圧降下が生じる。 そしてカメラ内部回路が異常であれば異なる電圧降下様式になる。また、電圧降下が殆どない場合には電源がデジタルカメラ100に供給されていないことになり、この場合にはカメラ外部制御装置200とデジタルカメラ100間の接触端子の導通が図れていないことになる。
【0047】
ステップS204以降では、前述の3つの状態を振り分けており、ステップS204ではステップS203で求めた電圧降下量が予測通りであるか否か判断する。予測通りである場合および電圧降下が全く生じない場合はこのフローの処理を終了し、そのまま図6のステップS4に進む。ここで図6のステップS4は、カメラ外部制御装置200とデジタルカメラ100を接続する接触端子(電極接点8)の状態を確認するステップであり、既にステップS203おいて電圧降下が殆どなく、端子接触状態が異常と判断されているのに再度このステップを踏む理由を以下に説明する。
【0048】
ステップS202では、瞬間的にしかデジタルカメラ100に電源を供給していない。そのために電圧降下様式を検出することで、カメラ内部回路の時定数が正常であるかはその電圧降下の時定数を観察することで判定できるが、電極接点8などの抵抗の絶対値変化分は精度よく検出することはできない。ステップS4にフローが流れてくる時には、既にカメラ内部回路は正常と判定されているので今度はより長い時間(例えば0.5秒)カメラに電源を供給し、その電流量を観察して電極接点の抵抗状態を判定している。
【0049】
図8においてまた、ステップS205はステップS204で検出した電圧降下状態が予測と異なる場合にフローが流れるステップである。このステップS205ではカメラの内部回路が異常であるフラグを立てて、このフローの処理を終了し、そのまま図6のステップS4に進む。このときステップS3の分岐では、フローはステップS17に進むことになる。これは、このまま画像データ転送処理を行うと撮影画像が破壊する恐れがあるためである。
【0050】
ステップS205で故障フラグが立っている時には、その状態をデジタルカメラ100の管理者に通報すると共に、ユーザーには後日画像データを受け渡す表示を行う。
【0051】
以上は、ユーザーがデジタルカメラ100を返却する場合の故障診断である。デジタルカメラ100の外部制御装置200は、次のユーザーにデジタルカメラ100を良好なコンディションで貸し出すための準備も行っている。この準備は前のユーザーがデジタルカメラ100を返却し、上述した一連の処理が終了した後に行うデジタルカメラ100の故障診断であり、撮影光学性能やストロボの状態、各アクチュエータの状態などをチェックする工程である。
【0052】
図9は、以上の故障診断の流れをまとめたフローチャートであり、図6のステップS16でその処理を終了した後にスタートする(ステップS301)。
ステップS302ではカメラ外部制御装置200は、デジタルカメラ100に対してストロボを充電するコマンドを送り、デジタルカメラ100はそれに従って動作する。
【0053】
ステップS303ではその動作中の電源の降下状態を検出し、それが予想される電流であるか否かをステップS304で判定する。
【0054】
ステップS304でストロボの充電が正常と判定された時はステップS305に進み、異常と判定された時はステップS306に進む。なおステップS306ではストロボ充電不良を管理者に通信すると共に、このデジタルカメラ100の貸し出し処理を止めてこのフローは終了する。ステップS305ではカメラ外部制御装置200は、デジタルカメラ100に対して撮影鏡筒を沈胴状態から繰り出し状態にするコマンドを送り、デジタルカメラ100はそれに従って動作する。
【0055】
ステップS307ではその動作中の電源の電流状態を検出し、それが予想される電流であるか否かをステップS308で判定する。
【0056】
ステップS308でスタンバイのためのデジタルカメラ100の鏡筒駆動が正常と判定された時はステップS309に進み、異常と判定された時はステップS310に進む。なお、ステップS310では鏡筒繰り出し不良を管理者に通信すると共に、このデジタルカメラ100の貸し出し処理を止めてこのフローは終了する。ステップS309ではカメラ外部制御装置200は、デジタルカメラ100に対してチャートパターンにピント合わせを行うコマンドを送り、デジタルカメラ100はそれに従って動作する。
【0057】
ステップS311ではその動作中の電源の電流状態を検出し、それが予想される電流であるか否かをステップS312で判定する。ステップS312で合焦のためのデジタルカメラ100の鏡筒駆動が正常と判定された時はステップS313に進み、異常と判定された時はステップS314に進む。なお、ステップS314では鏡筒合焦駆動不良を管理者に通信すると共に、このデジタルカメラ100の貸し出し処理を止めてこのフローは終了する。ステップS313では外部制御装置200は、デジタルカメラ100に対してストロボを発光させた後にシャッタを閉じる動作を行わせるコマンドを送り、デジタルカメラ100はそれに従って動作する。
【0058】
ステップS315ではその動作中の電源の電流状態を検出し、それが予想される電流であるか否かを判定する。ステップS316でシャッタ駆動の判定を行い、シャッタ駆動が正常と判定された時はステップS317に進み、異常と判定された時はステップS318に進む。なお、ステップS318ではシャッタ不良を管理者に通信すると共に、このデジタルカメラ100の貸し出し処理を止めてこのフローは終了する。ステップS317では、デジタルカメラ100で撮影された画像データをカメラの外部ステーションに読み出す。
【0059】
ステップS319では読み出された画像データを標準画像と比較する。ここで比較内容は、画像の空間周波数の比較により光学性能やピント性能のチェックを行い、濃度の比較により、ストロボの発光チェックを行う。
【0060】
ステップS320では撮影性能に問題がないか判定し、問題がないときはステップS321に進み、撮影性能に問題がある時にはステップS322に進む。ステップS321では、このデジタルカメラ100は正常であると判断してこのフローの処理を終了する。ステップS322では光学性能か或はストロボ性能か不良の状態を管理者に通信すると共に、デジタルカメラ100の貸し出し処理は止めてこのフローは終了する。
【0061】
このようにデジタルカメラ100に接続されてカメラ内部に記録された画像データを読み出す画像データ読み出し手段(図3、カメラデータ通信手段205等)と、画像データ読み出し手段によって読み出された画像データを送信する送信手段(図3、サーバー通信手段206等)と、デジタルカメラに対して所定のコマンドを発行して(図8のステップS202、図9のステップS302,S305,S309,S313)デジタルカメラに所定の動作を行わせてデジタルカメラの故障診断を行う故障診断手段(図3、故障診断手段212)によりカメラ外部制御装置200を構成し、それによりカメラ外部制御装置200との接点のインピーダンス変化を検出することで接点状態を検出するようにしている。
【0062】
また、故障診断手段はデジタルカメラ100がカメラ外部制御装置200に接続されている時に撮影光軸上に位置する所定の被写体(図5、チャートパターン601)と、デジタルカメラ100がカメラ外部制御装置200に接続されている時にデジタルカメラ100に所定被写体を撮像させる撮像制御手段(図3、撮像制御手段213)と、撮像された所定被写体の画像データを画像データ読み出し手段によりカメラ外部制御手段に読み出して基準データと比較する比較手段(図3、比較手段214)と、比較手段による比較結果に基づいてデジタルカメラ使用可能性を明示する使用判断手段(図3、使用判断手段215)によりカメラ外部制御装置200を構成することでカメラの外部制御装置200でデジタルカメラ100の故障診断を行うことができ、ユーザーは軽快に、且つ安心してカメラを使用することができるようになる。
【0063】
図10は、本発明の実施形態における接点動作部分の外観を示している。図において、15はカメラ装着を物理的に検知するための装着検出レバーであり、図10(a)ではデジタルカメラ100が装着され、装着検出レバー15が押し込まれた場合の状態を示している。このとき電極接点8は出入り用の開口部から露出し、デジタルカメラ100に接続される状態を示している。電極接点8は最低でも充電処理のために少なくとも2つ以上で構成される。
【0064】
図10(b)においては、デジタルカメラ100が取り外されたときの装着検出レバー15が示されている。この状態では、装着検出レバー15は通常の位置にあり、そのために接点カバー(後述する開閉板)が動いて電極接点8を隠す位置にきている。デジタルカメラ100が装着されていないときには、電極接点8を覆い隠している開閉板16のみが見えている。
【0065】
図11〜15は、カメラ外部制御装置200の電極接点8まわりの構造及び動作を説明するものである。
図11は、カメラ外部制御装置200にデジタルカメラ100を組み込む前のカメラ外部制御装置200の部分断面図である。同図において、15はデジタルカメラ100がカメラ外部制御装置200に組込まれたかどうかを検出する装着検出レバーであり、凸部15aが設けられている。この凸部15aはカメラ外部制御装置200に設けられた開口部17から突出するように構成されている。また、装着検出レバー15は、その軸部15bを回転中心として回転が可能である。なお、軸部15bはカメラ外部制御装置200に回転可能に保持されている。
【0066】
18は開閉板16を図11の矢印A方向に付勢している引張りバネであり、その一端はカメラ外部制御装置200に、他端は開閉板16の舌部16c(図12参照)に固定されている。
【0067】
開閉板16は、図12に示すようにその一部に開口部16aを有すると共に、その端面16bで装着検出レバー15と当接している。開閉板16は引張りバネ18によって、図11の矢印A方向に付勢されているため、これにより装着検出レバー15は同図中、時計回り方向に付勢されている。なお、装着検出レバー15に設けられた開口部15cには開閉板16の舌部16cが入り込んでおり、この開口部15cで、前述した引張りバネ18と開閉板16が接続されている。
【0068】
19は電極接点8を図11の矢印B方向に付勢している圧縮バネであり、カメラ外部制御装置200に設けられている。圧縮バネ19により、カメラ外部制御装置200に設けられた開口部17及び開閉板16に設けられた開口部16aを介して、電極接点8をカメラ外部制御装置200から突出させることが可能となっている。
【0069】
図13はデジタルカメラ100がカメラ外部制御装置200に組み込まれる前のカメラ外部制御装置200の部分断面斜視図であり、図14及び図15はデジタルカメラ100がカメラ外部制御装置200に組み込まれた時のカメラ外部制御装置200の部分断面図及び部分断面斜視図である。
【0070】
図11及び図13〜15を用いて、電極接点8の動作について以下に説明する。
デジタルカメラ100がカメラ外部制御装置200に組み込まれる前は、引張りバネ18に付勢されているため、装着検出レバー15はその凸部15aが開口部20から突出した状態で、開閉板16は開口部17を塞ぐような位置に配設されている。また、電極接点8は開閉板16の開口部16aがその頭上から退避した位置にいるので、図11に示したように開閉板16の下側に位置している。
【0071】
図11もしくは図13の状態からカメラ外部制御装置200にデジタルカメラ100が組み込まれると、図14及び図15の状態となる。つまりデジタルカメラ100が組み込まれることによって、装着検出レバー15の凸部15aが押されるので、該装着検出レバー15はその軸部15bを回転中心として、反時計回りに回動する。すると、装着検出レバー15に開閉板16が当接しているので、装着検出レバー15の回動動作に伴い、引張りバネ18の張力に反して図14中、右方向に移動する。そして、開閉板16に設けられた開口部16aが電極接点8の頭上にかかるので、この開口部16a及びカメラ外部制御装置200の開口部17を介してて、電極接点8がカメラ外部制御装置200の外部に突出される。
【0072】
これにより図14に示すように、デジタルカメラ100がカメラ外部制御装置200に完全に組込まれると、電極接点8は圧縮バネ19の反発力によってデジタルカメラ100の電極接点13(図1(b)参照)と当接する。従って、電極接点8を介してカメラ外部制御装置200からデジタルカメラ100に充電が可能となる。
【0073】
この状態から、例えばデジタルカメラ100の充電動作が完了してカメラ外部制御装置200から取り外された場合、引張りバネ18の張力によって図14の状態から装着検出レバー15が時計回り方向の回動するとともに、開閉板16も同図中、左方向へと移動する。その時、開閉板16に設けられたカム面16dが電極接点8を押し下げながら開閉板16が移動するので、開閉板16に設けられた開口部16aの端面が電極接点8の頭上に差し掛かるまでには、開閉板16の下部に退避している。よって、デジタルカメラ100がカメラ外部制御装置200から完全に取り外されて、装着検出レバー15が図11の状態に戻っている時には、電極接点8もまた同図に示された状態に復帰している。
【0074】
以上の構成によれば、デジタルカメラ100がカメラ制御装置200に組み込まれていない時は、カメラ外部制御装置200の開口部17は開閉板16によって塞がれているので、電極接点8がカメラ外部制御装置200の外部に晒されることはない。従って、上記構成により電極接点8の周りは防塵・防滴(防水)構造となる。また、デジタルカメラ100をカメラ外部制御装置200に組み込む時には、その動作に合わせて電極接点8がカメラ外部制御装置200の外部に突出すると共に、デジタルカメラ100に当接する方向に電極接点8は付勢されているので、特に電極接点8を外部に露出させるような別な動作を必要とせずに充電動作も確実に行うことが可能である。
【0075】
上述のような手段によって構成される本発明によるデジタルカメラ貸し出しシステムは、たとえば以下のように運用され、利用される。
本発明の比較的ローコストに構成可能な貸し出しデジタルカメラは、カメラステーション(本発明のカメラ外部制御装置)にロックされた形で、テーマパークや自然公園その他の記念撮影などを行うことが予想される場所に予め設置されている。
【0076】
利用者は、これらのデジタルカメラが設置されたエリアを巡る場合に、わざわざ自分のカメラを持ち歩く必要はなく、その場でカメラステーションに何らかの方法によってユーザー識別ID情報を通知することにより、ロックを解除し、カメラを利用する。あるいは予めプリペイドカードなどを購入しておき、その場でカードを挿入してユーザー識別IDを確認した後にロックが外れるようになっていてもよい。
【0077】
また、利用者はデジタルカメラを利用してその付近の画像を撮影した後に、カメラをカメラステーションに戻すと、カメラステーションおよびカメラステーションが接続されているサーバーとが通信を行い、カメラ内部にある画像をサーバーへ転送する。このことによりユーザーは、撮影した画像を持ち歩かなくてもサーバーにあとで要求を行えば手に入れられるようになる。
【0078】
その後、デジタルカメラとカメラステーションならびにサーバーは、デジタルカメラの内部に残された撮影画像を消去するとともに、デジタルカメラのIDなどを頼りに認証処理を行い、認証が適正に行われた場合、充電処理を行ってカメラを再度利用可能な状態に復帰させ、次の利用者の利用に備える動作を行う。
【0079】
その際に、カメラステーションにおいて、デジタルカメラの故障診断等を行うとともに、雨滴等により充電やデータ通信用の接点がショートしたり、確実に接合していなかったりなどの問題も事前にチェックを行うことで、デジタルカメラの故障や電力の無駄な消費等を抑え、円滑且つ長期間の運用に耐えるシステムとするべく動作する。このように利用者が撮影したいときにその場にデジタルカメラが用意されているという大変手軽なカメラ貸し出しサービスを行うことが可能となり、同時に提供する側も従来よりも低い盗難・破損リスクにおいてサービスを展開することができる。
【0080】
本発明においてはカメラ内部の回路状態や光学性能の状態を全て無人化しており、これにより人件費の削減ができるばかりでなく、故障診断時間が短くできるのでユーザーにストレスを与えることがなく、更には頻繁に故障診断ができるのでユーザーは安心してデジタルカメラを借りることができる。
【0081】
すなわち、カメラ内部回路の故障診断において、本発明では接触端子データ通信チェックばかりではなく、更にカメラ内部回路の故障診断も行っている。その内部回路の故障診断としては、特にカメラ内部の電源消費状態を検出することで回路上の異常診断を行っている。これはユーザーがデジタルカメラを使用している最中にカメラ内部に水分が浸入し、内部回路の一部がショートしたり、撮影鏡筒が繰り出した状態で衝撃が加わり、それにより鏡筒格納時に駆動回路に異常な負荷が加わり回路の一部が破壊したりすることを想定しているためである。
【0082】
そのような事故が起きた時には画像データ読み出しのためにデジタルカメラの外部制御装置からデジタルカメラに電源を供給した時に回路が暴走して画像データを破壊する恐れがある。そのため画像データ読み出し前にカメラの内部回路の診断を行うことは本発明のように自動化されたデジタルカメラの貸し出しシステムにおいては重要な項目である。
【0083】
ここで、上記様々な実施形態に示した各機能ブロックおよび処理手順は、ハードウェアにより構成しても良いし、CPUあるいはMPU、ROMおよびRAM等からなるマイクロコンピュータシステムによって構成し、その動作をROMやRAMに格納された作業プログラムに従って実現するようにしても良い。また、上記各機能ブロックの機能を実現するように当該機能を実現するためのソフトウェアのプログラムをRAMに供給し、そのプログラムに従って上記各機能ブロックを動作させることによって実施したものも、本発明の範疇に含まれる。
【0084】
この場合、上記ソフトウェアのプログラム自体が上述した各実施形態の機能を実現することになり、そのプログラム自体、及びそのプログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを格納した記録媒体は本発明を構成する。かかるプログラムを記憶する記憶媒体としては、上記ROMやRAMの他に例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−I、CD−R、CD−RW、DVD、zip、磁気テープ、あるいは不揮発性のメモリカード等を用いることができる。
【0085】
また、コンピュータが供給されたプログラムを実行することにより、上述の実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)あるいは他のアプリケーションソフト等の共同して上述の実施形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムは本発明の実施形態に含まれることは言うまでもない。
【0086】
さらに、供給されたプログラムがコンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そのプログラムの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合にも本発明に含まれることは言うまでもない。
【0087】
本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
(実施態様1)
デジタルカメラを着脱可能に構成され、外部から前記デジタルカメラを制御するようにしたカメラ外部制御装置であって、前記デジタルカメラと接続してカメラ内部に記録された画像データを読み出す画像データ読み出し手段と、前記画像データ読み出し手段によって読み出された前記画像データを送信する送信手段と、 前記デジタルカメラに対して所定のコマンドを発行して、該デジタルカメラに所定の動作を行わせてその故障診断を行う故障診断手段とを有することを特徴とする。
【0088】
(実施態様2)
前記故障診断手段は、前記デジタルカメラとの接点の状態を検出するように構成されていることを特徴とする実施態様1に記載のカメラ外部制御装置。
【0089】
(実施態様3)
前記故障診断手段は、前記接点のインピーダンスを検出することで接点状態を検出することを特徴とする実施態様2に記載のカメラ外部制御装置。
【0090】
(実施態様4)
前記故障診断手段は、接続された前記デジタルカメラの撮影光軸上に位置する所定の被写体と、該デジタルカメラに前記被写体を撮像させる撮像制御手段と、撮像された前記被写体の画像データを前記画像データ読み出し手段によって読み出して基準データと比較する比較手段と、該比較手段による比較結果に基づいて前記デジタルカメラの使用可能性を明示する使用判断手段とにより構成されることを特徴とする実施態様1〜3のいずれか1に記載のカメラ外部制御装置。
【0091】
(実施態様5)
実施態様1〜4のいずれか1に記載のカメラ外部制御装置に設けられた電極接点であって、前記デジタルカメラと接続して充電等の処理を行うように配置構成された少なくとも2つの凸状の電極部を有し、これらの電極部の周囲に防塵、防水等を含む防護手段が施されることを特徴とする。
【0092】
(実施態様6)
前記少なくとも2つの電極部は、接点ごとに独立した非導電性部材の頂部に設けられることを特徴とする実施態様5に記載の電極接点。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、デジタルカメラ貸し出しシステムのサービス提供者は、カメラのメンテナンスおよび運用においてカメラ故障チェックやカメラの回収・設置などにかかる人件費を最低限におさえ、効率よくサービスを提供することが可能となる。また、野外に設置するデジタルカメラおよび外部制御装置は、雨天等の悪天候時にも故障することなく長期間放置することが可能になる等の利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のデジタルカメラ及びカメラ外部制御装置の外観を説明する図である。
【図2】本発明の低コスト盗難防止デジタルカメラの構成を示す図である。
【図3】本発明のカメラ外部制御装置の構成を示す図である。
【図4】本発明のサーバー通信を含めた構成を示す図である。
【図5】本発明のカメラの設置状態を説明するための図である。
【図6】本発明のカメラ外部制御装置の制御処理フローを示すフローチャートである。
【図7】本発明のサーバー処理フローを示すフローチャートである。
【図8】本発明のショート・故障診断処理フローを示すフローチャートである。
【図9】本発明の詳細な故障診断処理フローを示すフローチャートである。
【図10】本発明の防滴機構の外観を示す図である。
【図11】本発明のカメラ外部制御装置にカメラが装着されていないときの接点制御部分の断面図である。
【図12】本発明のカメラ外部制御装置の接点制御機構を示す図である。
【図13】本発明のカメラ外部制御装置にカメラが装着されていないときの接点制御部分の斜視図である。
【図14】本発明のカメラ外部制御装置にカメラがセットされた状態での接点制御部分の断面図である。
【図15】本発明のカメラ外部制御装置にカメラがセットされた状態での接点制御部分の斜視図である。
【符号の説明】
1 デジタルカメラ本体、2 シャッターボタン、3 ファインダ、4 撮影手段、5 フラッシュ、6 固定用の穴、7 ロック爪、8 電極接点、9 アンテナ、10 接眼部、11 表示部、12 穴、13 電極接点、14 電線、100 デジタルカメラ、101 CPU、102 RAM、103 ROM、104 光学−電子画像撮影手段、105 ビデオ信号生成モジュール、106記憶手段、107 通信手段、109 認証情報照合手段、110 バッテリー、111 充電処理手段、200 カメラ外部制御装置、201 CPU、202 RAM、203 認証手段、204 ROM、205 カメラデータ通信手段、206 サーバー通信手段、207 動作表示手段、208 充電手段、209 電力供給手段、210 カメラ固定手段、211 処理手段、212故障診断手段、213 撮像制御手段、214 比較手段、215 使用判断手段。
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルカメラ無人貸し出しサービスにおけるカメラ外部制御装置及びデジタルカメラ接続用電極接点に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
貸し出し用途のデジタルカメラを野外に設置する場合、従来ではカメラの動作チェックや盗難防止のための特別な機構などがなかった。また、そのような機構があっても無線電波等によって行うものであり、貸し出しデジタルカメラ本体の電力供給手段に電力がない場合などには結局検査できなかった。そのため結局は営業終了時等に誰かがカメラを回収し、点検を行って次の営業開始時に再度設置するなどの手間が必要であった。
【0003】
さらに、貸し出し装置のため野外に紐などでくくられて放置されたデバイスは故障し易く、その故障を検知するためにカメラを常に監視する人員を配置するなどの対処が必要であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そのため特に野外の観光スポットやアミューズメントパーク、自然公園、展望スポット等において、貸し出しデジタルカメラを自由に持ち運んで撮影させるサービスでは、そもそもデジタルカメラを野外に放置することができない。また、一箇所で貸し出し、回収サービスを行う「貸し出しショップ」形式を取らざるを得ない。そのためユーザーは画像を撮影したいと思わない移動中もそのデジタルカメラを携帯し、紛失しないように気を配り、また破損やその他の不慮の故障に関してもリスクを負わなければならなかった。
【0005】
当然のことながら、カメラのバッテリー等の電力が足りなくなった場合にはそれらの貸し出しショップへ持ち帰って充電したり、故障診断を受けなければならない。カメラで撮影するために来た訳でもないユーザーが、カメラのメンテナンスのために振り回されることとなり、使い勝手の悪いものであった。また、野外に充電可能なステーションを放置する場合、雨滴等によるショートや放置環境における故障によって、電力の無駄な消費が行われたり、サービスが不可能となったりすることもあった。
【0006】
本発明はかかる実情に鑑み、故障に強く、且つ故障した場合の対応性に優れ、低コストで適正に無人貸し出しシステムを実現、運用し得るカメラ外部制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のカメラ外部制御装置は、デジタルカメラを着脱可能に構成され、外部から前記デジタルカメラを制御するようにしたカメラ外部制御装置であって、前記デジタルカメラと接続してカメラ内部に記録された画像データを読み出す画像データ読み出し手段と、前記画像データ読み出し手段によって読み出された前記画像データを送信する送信手段と、前記デジタルカメラに対して所定のコマンドを発行して、該デジタルカメラに所定の動作を行わせてその故障診断を行う故障診断手段とを有することを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、貸し出し用デジタルカメラに必要な充電動作を行うことが可能なカメラ外部制御装置を用意することによって、野外の観光地や自然公園などでも、撮影スポットに放置する形でデジタルカメラを提供するサービスを行うことを可能にしている。この場合、ステーションとデジタルカメラとのデータ通信接続を利用し、カメラの自己故障診断結果等をサーバーへ送信することにより、どの位置のステーションに装着されたカメラが故障しているかを実際に設置場所へ赴くことなしに、集中的に管理、メンテナンスすることも可能となる。
【0009】
その上、ステーションに設置されている状態のデジタルカメラをサーバーから遠隔操作することによって、野外設置監視カメラとしても利用可能とすることができる。
【0010】
本発明では、ステーション側の電極の形状として、特に充電に用いる電極は極ごと独立な凸形状の頂点に配置することとし、たとえば雨滴によるショートが確実に起こらないだけの距離を保ち、且つカメラが装着されていない場合には、保護カバーが接点を隠すような構成とすることにより、野外に放置しても無駄な電力の放電や、ショートによるこしょうなどを防ぐことができる。
【0011】
さらに、データ通信時にデータ通信接点等にショートがある場合は正しく認証が行われないため、やはりむだな充電電力を供給することを未然に防ぐことも可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基き、本発明の好適な実施の形態を説明する。
図1は、本発明を実装するデジタルカメラ100まわりの形態例を示す図である。図において、1はデジタルカメラ本体、2は画像の撮影を支持するシャッターボタン、3は撮影する画像を光学的に表示するためのファインダ、4は光学−電子変換により画像をデジタル画像に変換するための撮影手段、5はフラッシュ、6はこのデジタルカメラを後述するカメラ外部制御装置に固定する際に使用する固定用の穴である。
【0013】
200はデジタルカメラ100を設置した際にこれに対して充電、データ読み出し等を行うカメラ外部制御装置である。7はデジタルカメラ100が設置された際にこれを動かないようにロックするためのロック爪である。8はデジタルカメラ100とカメラ外部制御装置200とを電気・データ的に結合するための電極接点である。9は例えばデジタルカメラから読み出したデータや、カメラ認証情報などのデータを遠隔地にあるサーバーとやり取りするための無線通信で使用するアンテナである。
【0014】
10はデジタルカメラ100における光学ファインダの接眼部、11は撮影した画像を確認するための液晶表示機を持つ表示部、12はカメラ外部制御装置200にデジタルカメラ100を固定するための爪をさす穴、13はデジタルカメラ側のデータ及び充電電力をやり取りするための電極接点である。
また、カメラ外部制御装置200において、14は特に充電に使用する電力を外部から供給するための電線である。
【0015】
この図に示すように本発明におけるデジタルカメラ100は、外部からバッテリー及び不揮発性メモリ(CFカードなど)を交換することができない構成となっている。その代わりに電力の供給によるバッテリーの充電と、データの読み出し端子からのデータ読み出しを行うことにより、その動作を外部の機器に依存して完遂する構成となっている。
【0016】
さらに、本体内部に内蔵されたバッテリーは、このデジタルカメラ100の消費電力から計算された数枚程度の画像の撮影に要する電力のみを供給できる小容量のものとし、それによりユーザーが必要とするときに急速充電が可能なバッテリーとする。これは通常の充電電池のほかに、大容量キャパシタなどの利用も考えられる。このことによりバッテリーにかかるコストを削減し、デジタルカメラ本体のコストを低減させ、盗難時のリスクを低減することを可能にしている。
【0017】
さらに、本発明のデジタルカメラ100の構成では、バッテリーが電力を供給し得るたかだか数枚の撮影枚数に匹敵するだけの内部不揮発性メモリを持ち、これにより通常のデジタルカメラで用意される数10枚から数百枚、あるいはそれ以上の画像を保持できる大容量不揮発性メモリよりも大幅にコストを削減することが可能となり、やはり盗難時のリスクを低減することを可能としている。
【0018】
図2は、本発明に係るデジタルカメラ100の一構成例を示している。図において、101はシステムを構成する要素を制御し、特に印刷画像展開処理や撮影処理及びその他の処理を行うために、それらの処理自体を実行したり、その処理を実行する他の構成要素を制御したりするためのCPUである。102は本システムにおいて特に画像データやその他の処理に必要な情報を書き込み保持し、読み出すためのRAMである。103は本システムで処理を実行するにあたって必要な処理手順及びテーブル、更にカメラ外部制御装置200と接続時に行われる認証情報などの情報を保持するためのROMである。104は本システムで特に画像を撮影するための物理的及び光学的な処理を行い、結果として撮影画像を出力する光学−電子画像撮影手段である。
【0019】
105は本システムにおいて、本体上に配置される電子ファインダであるカラーLCD又は外部にラインにより接続されるテレビ表示機に画像を出力するための画像表示手段を含むビデオ信号生成モジュールである。106は本システムで生成されたデジタル画像データファイルを容易に交換不可能に実装された不揮発性メモリに書き込み、またそれを読み出すための記憶手段である。107は本システムにおいてユーザーの操作を受け付けるためのUIデバイス及び操作スイッチ群である。108は本システムにおいて撮影された画像及び認証データ等を外部のカメラ外部制御装置200などとやり取りするための通信手段である。
【0020】
109は本システムに与えられた認証情報と内部にある認証情報を確認し、認証処理を行う認証情報照合手段である。110は本システムを駆動するためのエネルギーを供給するバッテリーである。111は認証情報照合手段109の認証処理結果に基づいて本システムのバッテリーに電力を供給し、バッテリーを充電する充電処理手段である。
【0021】
本発明においてはカメラ内部の回路状態や光学性能の状態を全て無人化しており、これにより人件費の削減を図ることができるばかりでなく、故障診断時間が短くできるのでユーザーにストレスを与えることがない。更には頻繁に故障診断ができるので、ユーザーは安心してカメラを借りることができる。
【0022】
ここで先ず始めに、カメラ内部回路の故障診断について説明する。
本発明では、たとえば図6のステップS3において接触端子データ通信チェックばかりではなく、更にカメラ内部回路の故障診断も行っている。その内部回路の故障診断としては、特にカメラ内部の電源消費状態を検出することで回路上の異常診断を行っている。これはユーザーがカメラを使用している最中にカメラ内部に水分が浸入し、内部回路の一部がショートしたり、撮影鏡筒が繰り出した状態で衝撃が加わり、それにより鏡筒格納時に駆動回路に異常な負荷が加わり回路の一部が破壊したりすることを想定している。
【0023】
そしてそのような事故が起きた時には画像データ読み出しのために、カメラの外部制御装置200からカメラに電源を供給した時に回路が暴走して画像データを破壊する恐れがある。そのため画像データ読み出し前にカメラの内部回路の診断を行うことは、本発明のように自動化されたカメラの貸し出しシステムにおいては重要な項目である。
【0024】
図3は、本実施形態の故障診断処理を含むデジタルカメラ100の外部制御装置200の構成を示す図である。図において、201はカメラ外部制御処理を行なうための処理装置CPUである。202は処理中のデータ等を一時記憶するためのRAMである。203はカメラとサーバーから読み込んだ認証符号を照合し、認証を行う認証手段である。204は処理プログラム、データ等を保持するためのROMである。205はカメラと接続し、認証符号や画像データなどを読み取るためのカメラデータ通信手段である。206はサーバーとデータ通信を可能にし、認証符号を受信したり、カメラから読み取った画像データを送信したりするためのサーバー通信手段である。
【0025】
207はカメラ外部制御装置200の動作をユーザーに通知するための、例えばLEDなどの動作表示手段である。208は認証が正しく行われたデジタルカメラ100に対して充電電力を伝えるための充電手段である。209はデジタルカメラ100に対して提供する電力を、カメラ外部制御装置200に供給するための電力供給手段である。これは必ずしもバッテリーではなく、送電線やコンセント等からの電力供給手段でもよい。
【0026】
210は充電や画像データ転送中の不慮のカメラ取り外しを防止するためのカメラ固定手段であり、機械的な爪やかんぬきのように構成され、デジタルカメラ100を固定するものである。211は貸し出し許可情報を判別する処理手段であり、カメラ使用権などの情報を確認し、ロックを解除するための処理手段である。212はデジタルカメラ100に所定のコマンドを送ると共に、それに応じたカメラの動作や撮影結果を観察してカメラの故障診断を行う故障診断手段である。213はデジタルカメラ100がカメラ外部制御装置200に接続されている時にデジタルカメラ100に所定被写体を撮像させる撮像制御手段である。214は撮像された所定被写体の画像データを画像データ読み出し手段によりカメラ外部制御装置200に読み出して、標準画像である基準データと比較する比較手段である。215は比較手段214による比較結果に基づいてデジタルカメラ使用可能性を明示する使用判断手段である。
【0027】
図4は、本発明のシステムの一例を示した図である。図において、100は本発明の構成による放置可能な貸し出しデジタルカメラである。200は本発明の構成によるカメラ外部制御装置である。300は本発明の構成を可能にするサーバーである。400は本発明のカメラ外部制御装置200に対して電力を供給する電力供給手段である。これは例えば単なる送電線でも、一般のコンセント等の電力供給口でも、またカメラ外部制御装置200に対して特別に装備された大容量バッテリーでもよい。500は本発明のカメラ外部制御装置200とサーバー300との間でデータの送受信を行うための伝送路である。
【0028】
本発明においては、この伝送路500が電気的な信号を伝送する有線信号路であっても、電波等を使用した無線信号伝達路であってもよい。更に、光を利用した光ファイバーやレーザー発光・受光器でも、音声を利用した遠隔通信システムであっても、その他いかなる伝送路であっても、カメラ内部とサーバーの認証情報の伝達と、カメラから読み出された画像の伝送が行えるものであればよい。
【0029】
図5は、カメラの故障診断の概念を示す図である。図において、デジタルカメラ100がロックされているカメラの外部制御装置200は、固定台600に固定されており、固定台600にはデジタルカメラ100の撮影手段4と対向してチャートパターン601が設けられている。
【0030】
そして、デジタルカメラ100の外部制御装置200からの所定のコマンドにより、デジタルカメラ100は撮影鏡筒を沈胴からスタンバイ状態にする。そして、ピント合わせを行い、シャッターを開閉すると共にストロボを発光させて、そのチャートパターン601を撮影する。出来上がった画像データは、デジタルカメラ100のカメラ外部制御装置200が画像読み出しを行い、記憶されている標準画像と空間周波数や濃度などを比較することで光学系の状態をチェックする。
【0031】
尚、ここでデジタルカメラ100のカメラ外部制御装置200で光学状態をチェックするのではなく、カメラ外部制御装置200が読み出した画像データをサーバー(図4、サーバー300)に送信し、サーバーで標準画像との比較を行ってもよい。
【0032】
図6は、本発明におけるカメラ外部制御装置200の制御処理の流れ図である。
先ず、カメラ外部制御装置200にデジタルカメラ100が設置され、処理が開始される。ステップS1において、カメラ内部のデータ等を読み出し、消去する際に、データの消失を防ぐために、デジタルカメラ100がカメラ外部制御装置200から取り外されないようにデジタルカメラ100をロックする処理を行う。
【0033】
このときにロックを行うのは、故障診断において故障が検知された場合に、それ以後デジタルカメラ100が他のユーザーによって使用されたり、誤って新しいユーザー識別IDを読み込んだりしないようにするためでもある。ここでロックを行い、故障診断時にユーザー識別IDを記録すれば、どのユーザーが使用中に故障したかが後から分かるというメリットもある。
【0034】
次にステップS2において、カメラ接続信号が正常にやり取りできるかを確認するためのカメラ通信状態確認処理を実行する。ステップS2において正常に信号のやり取りが確認できなかった場合、ステップS3の分岐においてエラー処理(ステップS17)へ進む。
【0035】
ステップS4においては、正常な信号のやり取りを確認したことを前提に、次に電源電力供給線がショートしていないかを確認する処理を行う。ステップS4でショートが確認された場合は、ステップS5の分岐においてエラー処理(ステップS18)に進む。
【0036】
続いてステップS6において、信号線を用いてデジタルカメラ100内部のシリアル番号等のID番号と、認証符号を読み出す処理を行う。ステップS7では、サーバーに読み出したシリアル番号等のIDを送付し、認証符号の送信リクエストを行う。ステップS8では、サーバーからの認証符号の受信処理を行う。ステップS9では、受信処理により受信された認証符号と、デジタルカメラ100から読み出した認証符号とを何らかの認証方法によって照合する処理を行う。
【0037】
ステップS9で認証の結果、認証が正しく行われなかった場合は、ステップS10の分岐処理においてエラー処理に進む。ここで認識が正しく行われなかったというのは、デジタルカメラ100のカメラ外部制御装置200に対応していない擬装カメラが充電を要求している場合である。そしてそのような場合は、図6のフローでは図示されていないが、例えばカメラ外部制御装置200は充電拒否を表示す。それでも所定時間(例えば1時間)カメラが放置されている場合は警報を発生すると共に、管理者がその場に出向いてカメラを排除する。もちろん指定されたデジタルカメラ100であっても何らかのミスで認証できない可能性があるので、充電拒否表示の後にユーザー通報ボタン等が用意される。
【0038】
ステップS11では、充電回路をONし、デジタルカメラ100に対しての充電処理を行う。ステップS12では、デジタルカメラ100内部に保持されている画像データを読み出し、サーバー300へ転送する処理を行う。ステップS13では、全ての画像がサーバー300へ転送されたことを確認する処理を行う。ステップS13で確認ができない場合は、ステップS14の分岐処理によって再度ステップS12へ戻り、画像を間違いなくサーバー300へ転送する処理を続行する。
【0039】
ステップS15では、デジタルカメラ100内部の画像保持メモリの内容を全て消去する処理を行う。ステップS16で、全ての処理を終了する。
【0040】
なお、ステップS17は、信号線が正しく接続されていないときのエラー表示などのエラー処理を行うステップである。
また、ステップS18は、電源供給線がショートしている際のエラー表示などを行うエラー処理ステップである。
【0041】
図7は、本発明のサーバー300が行う処理の一例を示している。
ステップS101において、少なくともサーバー300に疎結合の状態で複数設置されているカメラ外部制御装置200から、デジタルカメラ100がセットされたことを通知する信号を受け取ることで処理を開始する。ステップS102において、先ずカメラ外部制御装置200からの認証リクエストを一定時間待機する処理を行う。ステップS103において、待機処理がタイムアウトしたことを検出した場合は、タイムアウトして処理を終了する。
【0042】
ステップS104において、カメラ外部制御装置200からの故障検知レポートが検出された場合は、ステップS110に進んでサーバー300内のデジタルカメラ100に関する管理情報に故障の旨を記録し、処理を終了する。なお、この故障状況の記録処理において、もしもデジタルカメラ100からユーザー識別ID情報が読み取れる場合はカメラ外部制御装置200よりユーザー識別ID情報も故障レポート情報に含めて通知させ、「誰が使用した際に壊れたのか」に関する情報もともに記録してもよい。
【0043】
ステップS105において、認証データリクエスト及びカメラIDなどの情報が送られたことを確認した場合、サーバー300からデジタルカメラ100に対する認証情報を送信する処理を行う。ステップS106において、カメラ外部制御装置200からのデータ送信リクエストを一定時間受信待機する処理を行い、ステップS107において、待機時間がタイムアウトしたことを検知した場合は処理を終了する。
【0044】
ステップS108において、カメラ外部制御装置200から送信される画像データを受信し、記録する処理を行い、ステップS109において、1回のカメラ外部制御装置200からの処理フローを終了する。
【0045】
図8は、図6のステップS3の処理の詳細をまとめたフローチャートであり、このフローは図5などでステップS3からフローが流れてきた時にその処理を開始する(ステップS201)。
ステップ202ではカメラが電圧受入れ状態になるように、コマンドを送ると共に瞬間的に電圧を加える。ここで瞬間的と表現をしたのは例えば0.05秒程度の時間を想定しており、デジタルカメラ100の内部回路が定常状態になるよりも短い時間である。このように短い時間のみ電源を供給するのは、デジタルカメラ100の内部回路が定常状態になると、その内部回路に異常がある場合には回路が暴走して画像データを破壊する恐れがあるので、それを防ぐために内部回路が過渡状態にある間に故障診断を行うようにしている。
【0046】
ステップS203では、与えた電圧の降下状態を読み出す。この時カメラ内部回路が正常であれば、内部回路の負荷状態に応じて予測される電圧降下が生じる。 そしてカメラ内部回路が異常であれば異なる電圧降下様式になる。また、電圧降下が殆どない場合には電源がデジタルカメラ100に供給されていないことになり、この場合にはカメラ外部制御装置200とデジタルカメラ100間の接触端子の導通が図れていないことになる。
【0047】
ステップS204以降では、前述の3つの状態を振り分けており、ステップS204ではステップS203で求めた電圧降下量が予測通りであるか否か判断する。予測通りである場合および電圧降下が全く生じない場合はこのフローの処理を終了し、そのまま図6のステップS4に進む。ここで図6のステップS4は、カメラ外部制御装置200とデジタルカメラ100を接続する接触端子(電極接点8)の状態を確認するステップであり、既にステップS203おいて電圧降下が殆どなく、端子接触状態が異常と判断されているのに再度このステップを踏む理由を以下に説明する。
【0048】
ステップS202では、瞬間的にしかデジタルカメラ100に電源を供給していない。そのために電圧降下様式を検出することで、カメラ内部回路の時定数が正常であるかはその電圧降下の時定数を観察することで判定できるが、電極接点8などの抵抗の絶対値変化分は精度よく検出することはできない。ステップS4にフローが流れてくる時には、既にカメラ内部回路は正常と判定されているので今度はより長い時間(例えば0.5秒)カメラに電源を供給し、その電流量を観察して電極接点の抵抗状態を判定している。
【0049】
図8においてまた、ステップS205はステップS204で検出した電圧降下状態が予測と異なる場合にフローが流れるステップである。このステップS205ではカメラの内部回路が異常であるフラグを立てて、このフローの処理を終了し、そのまま図6のステップS4に進む。このときステップS3の分岐では、フローはステップS17に進むことになる。これは、このまま画像データ転送処理を行うと撮影画像が破壊する恐れがあるためである。
【0050】
ステップS205で故障フラグが立っている時には、その状態をデジタルカメラ100の管理者に通報すると共に、ユーザーには後日画像データを受け渡す表示を行う。
【0051】
以上は、ユーザーがデジタルカメラ100を返却する場合の故障診断である。デジタルカメラ100の外部制御装置200は、次のユーザーにデジタルカメラ100を良好なコンディションで貸し出すための準備も行っている。この準備は前のユーザーがデジタルカメラ100を返却し、上述した一連の処理が終了した後に行うデジタルカメラ100の故障診断であり、撮影光学性能やストロボの状態、各アクチュエータの状態などをチェックする工程である。
【0052】
図9は、以上の故障診断の流れをまとめたフローチャートであり、図6のステップS16でその処理を終了した後にスタートする(ステップS301)。
ステップS302ではカメラ外部制御装置200は、デジタルカメラ100に対してストロボを充電するコマンドを送り、デジタルカメラ100はそれに従って動作する。
【0053】
ステップS303ではその動作中の電源の降下状態を検出し、それが予想される電流であるか否かをステップS304で判定する。
【0054】
ステップS304でストロボの充電が正常と判定された時はステップS305に進み、異常と判定された時はステップS306に進む。なおステップS306ではストロボ充電不良を管理者に通信すると共に、このデジタルカメラ100の貸し出し処理を止めてこのフローは終了する。ステップS305ではカメラ外部制御装置200は、デジタルカメラ100に対して撮影鏡筒を沈胴状態から繰り出し状態にするコマンドを送り、デジタルカメラ100はそれに従って動作する。
【0055】
ステップS307ではその動作中の電源の電流状態を検出し、それが予想される電流であるか否かをステップS308で判定する。
【0056】
ステップS308でスタンバイのためのデジタルカメラ100の鏡筒駆動が正常と判定された時はステップS309に進み、異常と判定された時はステップS310に進む。なお、ステップS310では鏡筒繰り出し不良を管理者に通信すると共に、このデジタルカメラ100の貸し出し処理を止めてこのフローは終了する。ステップS309ではカメラ外部制御装置200は、デジタルカメラ100に対してチャートパターンにピント合わせを行うコマンドを送り、デジタルカメラ100はそれに従って動作する。
【0057】
ステップS311ではその動作中の電源の電流状態を検出し、それが予想される電流であるか否かをステップS312で判定する。ステップS312で合焦のためのデジタルカメラ100の鏡筒駆動が正常と判定された時はステップS313に進み、異常と判定された時はステップS314に進む。なお、ステップS314では鏡筒合焦駆動不良を管理者に通信すると共に、このデジタルカメラ100の貸し出し処理を止めてこのフローは終了する。ステップS313では外部制御装置200は、デジタルカメラ100に対してストロボを発光させた後にシャッタを閉じる動作を行わせるコマンドを送り、デジタルカメラ100はそれに従って動作する。
【0058】
ステップS315ではその動作中の電源の電流状態を検出し、それが予想される電流であるか否かを判定する。ステップS316でシャッタ駆動の判定を行い、シャッタ駆動が正常と判定された時はステップS317に進み、異常と判定された時はステップS318に進む。なお、ステップS318ではシャッタ不良を管理者に通信すると共に、このデジタルカメラ100の貸し出し処理を止めてこのフローは終了する。ステップS317では、デジタルカメラ100で撮影された画像データをカメラの外部ステーションに読み出す。
【0059】
ステップS319では読み出された画像データを標準画像と比較する。ここで比較内容は、画像の空間周波数の比較により光学性能やピント性能のチェックを行い、濃度の比較により、ストロボの発光チェックを行う。
【0060】
ステップS320では撮影性能に問題がないか判定し、問題がないときはステップS321に進み、撮影性能に問題がある時にはステップS322に進む。ステップS321では、このデジタルカメラ100は正常であると判断してこのフローの処理を終了する。ステップS322では光学性能か或はストロボ性能か不良の状態を管理者に通信すると共に、デジタルカメラ100の貸し出し処理は止めてこのフローは終了する。
【0061】
このようにデジタルカメラ100に接続されてカメラ内部に記録された画像データを読み出す画像データ読み出し手段(図3、カメラデータ通信手段205等)と、画像データ読み出し手段によって読み出された画像データを送信する送信手段(図3、サーバー通信手段206等)と、デジタルカメラに対して所定のコマンドを発行して(図8のステップS202、図9のステップS302,S305,S309,S313)デジタルカメラに所定の動作を行わせてデジタルカメラの故障診断を行う故障診断手段(図3、故障診断手段212)によりカメラ外部制御装置200を構成し、それによりカメラ外部制御装置200との接点のインピーダンス変化を検出することで接点状態を検出するようにしている。
【0062】
また、故障診断手段はデジタルカメラ100がカメラ外部制御装置200に接続されている時に撮影光軸上に位置する所定の被写体(図5、チャートパターン601)と、デジタルカメラ100がカメラ外部制御装置200に接続されている時にデジタルカメラ100に所定被写体を撮像させる撮像制御手段(図3、撮像制御手段213)と、撮像された所定被写体の画像データを画像データ読み出し手段によりカメラ外部制御手段に読み出して基準データと比較する比較手段(図3、比較手段214)と、比較手段による比較結果に基づいてデジタルカメラ使用可能性を明示する使用判断手段(図3、使用判断手段215)によりカメラ外部制御装置200を構成することでカメラの外部制御装置200でデジタルカメラ100の故障診断を行うことができ、ユーザーは軽快に、且つ安心してカメラを使用することができるようになる。
【0063】
図10は、本発明の実施形態における接点動作部分の外観を示している。図において、15はカメラ装着を物理的に検知するための装着検出レバーであり、図10(a)ではデジタルカメラ100が装着され、装着検出レバー15が押し込まれた場合の状態を示している。このとき電極接点8は出入り用の開口部から露出し、デジタルカメラ100に接続される状態を示している。電極接点8は最低でも充電処理のために少なくとも2つ以上で構成される。
【0064】
図10(b)においては、デジタルカメラ100が取り外されたときの装着検出レバー15が示されている。この状態では、装着検出レバー15は通常の位置にあり、そのために接点カバー(後述する開閉板)が動いて電極接点8を隠す位置にきている。デジタルカメラ100が装着されていないときには、電極接点8を覆い隠している開閉板16のみが見えている。
【0065】
図11〜15は、カメラ外部制御装置200の電極接点8まわりの構造及び動作を説明するものである。
図11は、カメラ外部制御装置200にデジタルカメラ100を組み込む前のカメラ外部制御装置200の部分断面図である。同図において、15はデジタルカメラ100がカメラ外部制御装置200に組込まれたかどうかを検出する装着検出レバーであり、凸部15aが設けられている。この凸部15aはカメラ外部制御装置200に設けられた開口部17から突出するように構成されている。また、装着検出レバー15は、その軸部15bを回転中心として回転が可能である。なお、軸部15bはカメラ外部制御装置200に回転可能に保持されている。
【0066】
18は開閉板16を図11の矢印A方向に付勢している引張りバネであり、その一端はカメラ外部制御装置200に、他端は開閉板16の舌部16c(図12参照)に固定されている。
【0067】
開閉板16は、図12に示すようにその一部に開口部16aを有すると共に、その端面16bで装着検出レバー15と当接している。開閉板16は引張りバネ18によって、図11の矢印A方向に付勢されているため、これにより装着検出レバー15は同図中、時計回り方向に付勢されている。なお、装着検出レバー15に設けられた開口部15cには開閉板16の舌部16cが入り込んでおり、この開口部15cで、前述した引張りバネ18と開閉板16が接続されている。
【0068】
19は電極接点8を図11の矢印B方向に付勢している圧縮バネであり、カメラ外部制御装置200に設けられている。圧縮バネ19により、カメラ外部制御装置200に設けられた開口部17及び開閉板16に設けられた開口部16aを介して、電極接点8をカメラ外部制御装置200から突出させることが可能となっている。
【0069】
図13はデジタルカメラ100がカメラ外部制御装置200に組み込まれる前のカメラ外部制御装置200の部分断面斜視図であり、図14及び図15はデジタルカメラ100がカメラ外部制御装置200に組み込まれた時のカメラ外部制御装置200の部分断面図及び部分断面斜視図である。
【0070】
図11及び図13〜15を用いて、電極接点8の動作について以下に説明する。
デジタルカメラ100がカメラ外部制御装置200に組み込まれる前は、引張りバネ18に付勢されているため、装着検出レバー15はその凸部15aが開口部20から突出した状態で、開閉板16は開口部17を塞ぐような位置に配設されている。また、電極接点8は開閉板16の開口部16aがその頭上から退避した位置にいるので、図11に示したように開閉板16の下側に位置している。
【0071】
図11もしくは図13の状態からカメラ外部制御装置200にデジタルカメラ100が組み込まれると、図14及び図15の状態となる。つまりデジタルカメラ100が組み込まれることによって、装着検出レバー15の凸部15aが押されるので、該装着検出レバー15はその軸部15bを回転中心として、反時計回りに回動する。すると、装着検出レバー15に開閉板16が当接しているので、装着検出レバー15の回動動作に伴い、引張りバネ18の張力に反して図14中、右方向に移動する。そして、開閉板16に設けられた開口部16aが電極接点8の頭上にかかるので、この開口部16a及びカメラ外部制御装置200の開口部17を介してて、電極接点8がカメラ外部制御装置200の外部に突出される。
【0072】
これにより図14に示すように、デジタルカメラ100がカメラ外部制御装置200に完全に組込まれると、電極接点8は圧縮バネ19の反発力によってデジタルカメラ100の電極接点13(図1(b)参照)と当接する。従って、電極接点8を介してカメラ外部制御装置200からデジタルカメラ100に充電が可能となる。
【0073】
この状態から、例えばデジタルカメラ100の充電動作が完了してカメラ外部制御装置200から取り外された場合、引張りバネ18の張力によって図14の状態から装着検出レバー15が時計回り方向の回動するとともに、開閉板16も同図中、左方向へと移動する。その時、開閉板16に設けられたカム面16dが電極接点8を押し下げながら開閉板16が移動するので、開閉板16に設けられた開口部16aの端面が電極接点8の頭上に差し掛かるまでには、開閉板16の下部に退避している。よって、デジタルカメラ100がカメラ外部制御装置200から完全に取り外されて、装着検出レバー15が図11の状態に戻っている時には、電極接点8もまた同図に示された状態に復帰している。
【0074】
以上の構成によれば、デジタルカメラ100がカメラ制御装置200に組み込まれていない時は、カメラ外部制御装置200の開口部17は開閉板16によって塞がれているので、電極接点8がカメラ外部制御装置200の外部に晒されることはない。従って、上記構成により電極接点8の周りは防塵・防滴(防水)構造となる。また、デジタルカメラ100をカメラ外部制御装置200に組み込む時には、その動作に合わせて電極接点8がカメラ外部制御装置200の外部に突出すると共に、デジタルカメラ100に当接する方向に電極接点8は付勢されているので、特に電極接点8を外部に露出させるような別な動作を必要とせずに充電動作も確実に行うことが可能である。
【0075】
上述のような手段によって構成される本発明によるデジタルカメラ貸し出しシステムは、たとえば以下のように運用され、利用される。
本発明の比較的ローコストに構成可能な貸し出しデジタルカメラは、カメラステーション(本発明のカメラ外部制御装置)にロックされた形で、テーマパークや自然公園その他の記念撮影などを行うことが予想される場所に予め設置されている。
【0076】
利用者は、これらのデジタルカメラが設置されたエリアを巡る場合に、わざわざ自分のカメラを持ち歩く必要はなく、その場でカメラステーションに何らかの方法によってユーザー識別ID情報を通知することにより、ロックを解除し、カメラを利用する。あるいは予めプリペイドカードなどを購入しておき、その場でカードを挿入してユーザー識別IDを確認した後にロックが外れるようになっていてもよい。
【0077】
また、利用者はデジタルカメラを利用してその付近の画像を撮影した後に、カメラをカメラステーションに戻すと、カメラステーションおよびカメラステーションが接続されているサーバーとが通信を行い、カメラ内部にある画像をサーバーへ転送する。このことによりユーザーは、撮影した画像を持ち歩かなくてもサーバーにあとで要求を行えば手に入れられるようになる。
【0078】
その後、デジタルカメラとカメラステーションならびにサーバーは、デジタルカメラの内部に残された撮影画像を消去するとともに、デジタルカメラのIDなどを頼りに認証処理を行い、認証が適正に行われた場合、充電処理を行ってカメラを再度利用可能な状態に復帰させ、次の利用者の利用に備える動作を行う。
【0079】
その際に、カメラステーションにおいて、デジタルカメラの故障診断等を行うとともに、雨滴等により充電やデータ通信用の接点がショートしたり、確実に接合していなかったりなどの問題も事前にチェックを行うことで、デジタルカメラの故障や電力の無駄な消費等を抑え、円滑且つ長期間の運用に耐えるシステムとするべく動作する。このように利用者が撮影したいときにその場にデジタルカメラが用意されているという大変手軽なカメラ貸し出しサービスを行うことが可能となり、同時に提供する側も従来よりも低い盗難・破損リスクにおいてサービスを展開することができる。
【0080】
本発明においてはカメラ内部の回路状態や光学性能の状態を全て無人化しており、これにより人件費の削減ができるばかりでなく、故障診断時間が短くできるのでユーザーにストレスを与えることがなく、更には頻繁に故障診断ができるのでユーザーは安心してデジタルカメラを借りることができる。
【0081】
すなわち、カメラ内部回路の故障診断において、本発明では接触端子データ通信チェックばかりではなく、更にカメラ内部回路の故障診断も行っている。その内部回路の故障診断としては、特にカメラ内部の電源消費状態を検出することで回路上の異常診断を行っている。これはユーザーがデジタルカメラを使用している最中にカメラ内部に水分が浸入し、内部回路の一部がショートしたり、撮影鏡筒が繰り出した状態で衝撃が加わり、それにより鏡筒格納時に駆動回路に異常な負荷が加わり回路の一部が破壊したりすることを想定しているためである。
【0082】
そのような事故が起きた時には画像データ読み出しのためにデジタルカメラの外部制御装置からデジタルカメラに電源を供給した時に回路が暴走して画像データを破壊する恐れがある。そのため画像データ読み出し前にカメラの内部回路の診断を行うことは本発明のように自動化されたデジタルカメラの貸し出しシステムにおいては重要な項目である。
【0083】
ここで、上記様々な実施形態に示した各機能ブロックおよび処理手順は、ハードウェアにより構成しても良いし、CPUあるいはMPU、ROMおよびRAM等からなるマイクロコンピュータシステムによって構成し、その動作をROMやRAMに格納された作業プログラムに従って実現するようにしても良い。また、上記各機能ブロックの機能を実現するように当該機能を実現するためのソフトウェアのプログラムをRAMに供給し、そのプログラムに従って上記各機能ブロックを動作させることによって実施したものも、本発明の範疇に含まれる。
【0084】
この場合、上記ソフトウェアのプログラム自体が上述した各実施形態の機能を実現することになり、そのプログラム自体、及びそのプログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを格納した記録媒体は本発明を構成する。かかるプログラムを記憶する記憶媒体としては、上記ROMやRAMの他に例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−I、CD−R、CD−RW、DVD、zip、磁気テープ、あるいは不揮発性のメモリカード等を用いることができる。
【0085】
また、コンピュータが供給されたプログラムを実行することにより、上述の実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)あるいは他のアプリケーションソフト等の共同して上述の実施形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムは本発明の実施形態に含まれることは言うまでもない。
【0086】
さらに、供給されたプログラムがコンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そのプログラムの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合にも本発明に含まれることは言うまでもない。
【0087】
本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
(実施態様1)
デジタルカメラを着脱可能に構成され、外部から前記デジタルカメラを制御するようにしたカメラ外部制御装置であって、前記デジタルカメラと接続してカメラ内部に記録された画像データを読み出す画像データ読み出し手段と、前記画像データ読み出し手段によって読み出された前記画像データを送信する送信手段と、 前記デジタルカメラに対して所定のコマンドを発行して、該デジタルカメラに所定の動作を行わせてその故障診断を行う故障診断手段とを有することを特徴とする。
【0088】
(実施態様2)
前記故障診断手段は、前記デジタルカメラとの接点の状態を検出するように構成されていることを特徴とする実施態様1に記載のカメラ外部制御装置。
【0089】
(実施態様3)
前記故障診断手段は、前記接点のインピーダンスを検出することで接点状態を検出することを特徴とする実施態様2に記載のカメラ外部制御装置。
【0090】
(実施態様4)
前記故障診断手段は、接続された前記デジタルカメラの撮影光軸上に位置する所定の被写体と、該デジタルカメラに前記被写体を撮像させる撮像制御手段と、撮像された前記被写体の画像データを前記画像データ読み出し手段によって読み出して基準データと比較する比較手段と、該比較手段による比較結果に基づいて前記デジタルカメラの使用可能性を明示する使用判断手段とにより構成されることを特徴とする実施態様1〜3のいずれか1に記載のカメラ外部制御装置。
【0091】
(実施態様5)
実施態様1〜4のいずれか1に記載のカメラ外部制御装置に設けられた電極接点であって、前記デジタルカメラと接続して充電等の処理を行うように配置構成された少なくとも2つの凸状の電極部を有し、これらの電極部の周囲に防塵、防水等を含む防護手段が施されることを特徴とする。
【0092】
(実施態様6)
前記少なくとも2つの電極部は、接点ごとに独立した非導電性部材の頂部に設けられることを特徴とする実施態様5に記載の電極接点。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、デジタルカメラ貸し出しシステムのサービス提供者は、カメラのメンテナンスおよび運用においてカメラ故障チェックやカメラの回収・設置などにかかる人件費を最低限におさえ、効率よくサービスを提供することが可能となる。また、野外に設置するデジタルカメラおよび外部制御装置は、雨天等の悪天候時にも故障することなく長期間放置することが可能になる等の利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のデジタルカメラ及びカメラ外部制御装置の外観を説明する図である。
【図2】本発明の低コスト盗難防止デジタルカメラの構成を示す図である。
【図3】本発明のカメラ外部制御装置の構成を示す図である。
【図4】本発明のサーバー通信を含めた構成を示す図である。
【図5】本発明のカメラの設置状態を説明するための図である。
【図6】本発明のカメラ外部制御装置の制御処理フローを示すフローチャートである。
【図7】本発明のサーバー処理フローを示すフローチャートである。
【図8】本発明のショート・故障診断処理フローを示すフローチャートである。
【図9】本発明の詳細な故障診断処理フローを示すフローチャートである。
【図10】本発明の防滴機構の外観を示す図である。
【図11】本発明のカメラ外部制御装置にカメラが装着されていないときの接点制御部分の断面図である。
【図12】本発明のカメラ外部制御装置の接点制御機構を示す図である。
【図13】本発明のカメラ外部制御装置にカメラが装着されていないときの接点制御部分の斜視図である。
【図14】本発明のカメラ外部制御装置にカメラがセットされた状態での接点制御部分の断面図である。
【図15】本発明のカメラ外部制御装置にカメラがセットされた状態での接点制御部分の斜視図である。
【符号の説明】
1 デジタルカメラ本体、2 シャッターボタン、3 ファインダ、4 撮影手段、5 フラッシュ、6 固定用の穴、7 ロック爪、8 電極接点、9 アンテナ、10 接眼部、11 表示部、12 穴、13 電極接点、14 電線、100 デジタルカメラ、101 CPU、102 RAM、103 ROM、104 光学−電子画像撮影手段、105 ビデオ信号生成モジュール、106記憶手段、107 通信手段、109 認証情報照合手段、110 バッテリー、111 充電処理手段、200 カメラ外部制御装置、201 CPU、202 RAM、203 認証手段、204 ROM、205 カメラデータ通信手段、206 サーバー通信手段、207 動作表示手段、208 充電手段、209 電力供給手段、210 カメラ固定手段、211 処理手段、212故障診断手段、213 撮像制御手段、214 比較手段、215 使用判断手段。
Claims (1)
- デジタルカメラを着脱可能に構成され、外部から前記デジタルカメラを制御するようにしたカメラ外部制御装置であって、
前記デジタルカメラと接続してカメラ内部に記録された画像データを読み出す画像データ読み出し手段と、
前記画像データ読み出し手段によって読み出された前記画像データを送信する送信手段と、
前記デジタルカメラに対して所定のコマンドを発行して、該デジタルカメラに所定の動作を行わせてその故障診断を行う故障診断手段とを有することを特徴とするカメラ外部制御装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006345164A (ja) * | 2005-06-08 | 2006-12-21 | Canon Inc | クレードル装置、撮像システムの制御方法、及びコンピュータプログラム |
JP2009213008A (ja) * | 2008-03-06 | 2009-09-17 | Sharp Corp | 固体撮像装置用テストチャート及びその使用方法、チャート盤、テスト装置 |
JP2010511365A (ja) * | 2006-11-27 | 2010-04-08 | トリクセル エス.アー.エス. | 携帯用電離放射線センサーのバッテリー充電装置 |
CN112448145A (zh) * | 2019-08-30 | 2021-03-05 | Oppo广东移动通信有限公司 | 电子设备 |
JP7518632B2 (ja) | 2020-02-28 | 2024-07-18 | キヤノン株式会社 | デバイス、制御方法、およびプログラム |
-
2003
- 2003-01-09 JP JP2003003527A patent/JP2004221677A/ja active Pending
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