JP2004221538A - 基板載置治具 - Google Patents
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Abstract
【課題】はんだ被覆処理時の太陽電池素子の割れを防止するとともに、繰り返して使用できる安価な基板載置治具を提供する。
【解決手段】複数の基板1を略平行に間隔を空けて載置するための複数の金属製の側板3を所定間隔に保持してなる基板載置治具2において、ステンレスからなる金属製の側板3に、この側板3の金属との線膨張係数の比が1:3から3:1の範囲内であるエンジニアリング・プラスチックを被覆した。エンジニアリング・プラスチックはPPS樹脂であり、1μm以上の厚みとした。
【選択図】図1
【解決手段】複数の基板1を略平行に間隔を空けて載置するための複数の金属製の側板3を所定間隔に保持してなる基板載置治具2において、ステンレスからなる金属製の側板3に、この側板3の金属との線膨張係数の比が1:3から3:1の範囲内であるエンジニアリング・プラスチックを被覆した。エンジニアリング・プラスチックはPPS樹脂であり、1μm以上の厚みとした。
【選択図】図1
Description
本発明は基板載置治具に関し、特に太陽電池素子の電極のはんだ被覆工程などで好適に用いることができる基板載置治具に関する。
従来から半導体接合を有する半導体基板の受光面側に表面電極を有し反受光面側に裏面電極を有する太陽電池素子が広く用いられている。これらの太陽電池素子の電極の表面は長期信頼性を確保するために、および次工程で太陽電池素子同士をインナーリードで接続するためにはんだで被覆される。
電極をはんだで被覆する方法にはさまざまな方法があるが、生産性の観点から太陽電池素子を溶融はんだに浸漬させる浸漬法が最も一般的である。太陽電池素子の電極に浸漬法ではんだを被着する場合、太陽電池素子を一枚ずつ直接つかんではんだ浴に浸漬させる方法がある(例えば特許文献1参照)。
しかし、この方法では太陽電池素子を一枚ずつ処理するために生産性が悪いという問題がある。この問題を解決するために複数の太陽電池素子を金属製の載置治具に載置して複数の太陽電池素子の電極に同時にはんだを被覆する方法もある(例えば特許文献2参照)。すなわち、複数の基板を略平行に間隔を空けて載置するための複数のスリットを有する複数の側板を所定間隔に保持してなる金属製の載置治具に複数の基板を載置してはんだ浴に浸漬するものである。
この方法では、複数の太陽電池素子の電極に一度にはんだを被覆できるために生産性は向上するものの、複数の太陽電池素子を載置した載置治具を溶融したはんだ浴から引き上げるときに、余分な溶融はんだが金属製の載置治具から流れ落ちにくく、太陽電池素子が挿入されたスリットの下端にはんだが残って凝固すると、はんだ付け処理の済んだ太陽電池素子が載置治具から取り出せなくなるという問題を発生することがある。
この問題を解決する方法として、載置治具の表面を電界研磨処理したり、酸化皮膜またはPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)樹脂で被覆するという方法も提案されている(例えば特許文献2参照)。
特開平3−145166号公報
特開2002−319616号公報
上述の従来の方法のうち、載置治具の表面を電解研磨処理する方法によれば、はんだが載置治具へ付着する問題を最初は防ぐことができるものの、使用を繰り返すうちにその効果はなくなってしまう。
また、載置治具の表面を酸化皮膜で被覆する方法によれば、載置治具を化学処理すると酸化皮膜がエッチングされることがあるため、はんだ被覆の前処理や、処理後の洗浄方法に制限が発生したり、これらを行う際に太陽電池素子を詰め替えなければならないといった問題が発生することがある。
さらに、載置治具の表面をPFA樹脂で被覆する方法によれば、はんだが載置治具に付着する問題を最初は防ぐことができるものの、基板載置治具に使用される金属、例えばステンレスや鉄などに被覆して使用を繰り返すうちに溶融したはんだ温度と室温との温度差によってPFA樹脂が剥離したり、PFA樹脂が変形して使用できなくなるという問題が発生することがある。また、PFA樹脂を厚くすると載置治具に載置できる太陽電池素子の枚数が少なくなるという問題がある。また、逆に厚みが薄いと太陽電池素子との衝撃が繰り返されるうちにその部分が破れ、PFA樹脂を高い頻度で交換しなければならなくなるという問題がある。PFA樹脂はもともと高価な材料であり、高い頻度で交換すればさらに製造コストの上昇を招く。
さらに、アルミニウム電極を設けた太陽電池素子にはんだ被覆処理を行う場合、はんだ被覆の前処理や、処理後の洗浄の際に化学処理を行うと、アルミニウムが薬液と反応し、載置治具とアルミニウムが付着して、載置治具から太陽電池素子が取り出せなくなるという問題が発生することもある。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、はんだ被覆処理時の太陽電池素子の割れを防止するとともに、繰り返して使用できる安価な基板載置治具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る基板載置治具は、複数の基板を略平行に間隔を空けて載置するための複数の金属製の側板を所定間隔に保持してなる基板載置治具において、前記金属製の側板に、この側板の金属との線膨張係数の比が1:3から3:1の範囲内であるエンジニアリング・プラスチックを被覆したことを特徴とする。
このとき前記エンジニアリング・プラスチックはPPS樹脂であったほうがよい。
上記基板載置治具では、前記PPS樹脂の厚みが1μm以上であることが望ましい。
また、上記基板載置治具では、前記側板はステンレスからなり、その厚みが0.5mm以上1.5mm以下であることが望ましい。
また請求項5に係る基板載置治具では、前記基板の周縁部にエンジニアリング・プラスチックからなる支持棒が位置するように設けられていることを特徴とする。
このとき前記エンジニアリング・プラスチックはPPS樹脂であったほうがよい。
さらに請求項7に係る基板載置治具では、前記基板の周縁部にその表面をエンジニアリング・プラスチックで被覆した金属製の支持棒が位置するように設けられていることを特徴とする。
このとき前記金属と、前記エンジニアリング・プラスチックの線膨張係数の比は1:3から3:1の範囲内であったほうがよい。
また前記エンジニアリング・プラスチックは、PPS樹脂であったほうがよい。
また、上記基板載置治具では、前記支持棒は少なくともその最表面が回動可能な構造であることが望ましい。
また、上記基板載置治具は、前記基板として、アルミニウム電極が形成された太陽電池素子を載置するために好適に用いることができる。
以上のように、本発明による基板載置治具によれば、複数の基板を略平行に間隔を空けて載置するための複数の金属製の側板を所定間隔に保持してなる基板載置治具において、前記金属製の側板に、この側板の金属との線膨張係数の比が1:3から3:1のエンジニアリング・プラスチックを被覆する。このように使用する金属とエンジニアリング・プラスチックの線膨張係数の比を1:3から3:1の範囲内にすることによって、溶融したはんだの温度と室温との温度差などによって剥離したりすることがなく、繰り返して使用できる安価な基板載置治具を提供することができる。またエンジニアリング・プラスチックを使用することにより余剰なはんだが残り、はんだ付けの済んだ太陽電池素子が載置治具から取り外せなくなるという従来の問題を解消することができるようになるとともに、耐熱性や耐薬品性を確保することが可能になる。
また金属製の側板にPPS樹脂を被覆すれば、基板載置治具へのはんだの付着を防止することが可能になり、基板載置治具と太陽電池素子の付着の問題は発生しない。そのためはんだを被覆するときの太陽電池素子の割れを防止することができる。また、本発明による基板載置治具は繰り返して使用できる安価なものとなり生産性が向上する。
また、PPS樹脂はその表面が非常に固いため、繰り返し使用してもその効果が変わることはない。また、変形したり表面に傷がついたり破れたりすることもないので、高い頻度で被覆をしなおさなくてはならないといった問題が発生することもない。
さらに、本発明による基板載置治具によれば、電極としてアルミニウムを使用した太陽電池素子にはんだを被覆する際でも、アルミニウムと載置治具が付着するという問題も発生しない。
なお、本発明において、エンジニアリング・プラスチックとは、熱可塑性樹脂のうち高性能のものをいい、耐熱性が100℃以上、強度が500kgf/cm2以上、曲げ弾性率が24000kgf/cm2以上あるプラスチックのことをいう。
以下、本発明の実施形態を図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明に係る基板載置治具を側面側から見たときの図、図2は前面から見たときの図、図3は図1のA−A’線の断面図、図4は図1のB−B’線の断面図である。図1ないし図4において、1は太陽電池素子などからなる基板、2は基板載置治具、3は側板、4は前面金属板、5は支持棒、6はスリットを示す。
本発明の基板載置治具2は、複数の基板1を略平行に間隔を空けて載置するための複数のスリット6を有する複数の金属製の側板3を前面金属板4と背面金属板(不図示)で所定間隔に保持したものである。
本発明によれば、側板3は金属で構成され、その表面はエンジニアリング・プラスチックで被覆される。使用する金属とエンジニアリング・プラスチックはその線膨張係数の比が1:3から3:1の範囲内となるようにする。その理由は以下の通りである。まず、基板載置治具は複数枚のはんだ処理を行うため、複数枚の基板と共にそれ自身がはんだ融液中に浸されるため、瞬時に200℃近い温度に達する。その後、基板冷却のため、空冷や水冷により常温へ急冷される。そのため、側板の金属とそれを被覆するエンジニアリング・プラスチックの線膨張係数が大きく異なると、金属とエンジニアリング・プラスチックがすぐに剥離をし、使用できなくなってしまうからである。
そこで本発明に示すように、側板に使用する金属とエンジニアリング・プラスチックの線膨張係数の比を1:3から3:1にすることによって、溶融したはんだの温度と室温との温度差などによって剥離したりすることがなく、繰り返して使用できる安価な基板載置治具を提供することができる。またエンジニアリング・プラスチックを使用することにより余剰なはんだが残り、はんだ付けの済んだ太陽電池素子が載置治具から取り外せなくなるという従来の問題を解消することができるようになるとともに、耐熱性や耐薬品性を確保することが可能になる。
したがって、特に、太陽電池素子の基板1にアルミニウム電極が設けられているときに、はんだ被覆処理を行う場合、はんだ被覆の前処理や、処理後の洗浄の際に化学処理を行っても、載置治具とアルミニウムが付着して、載置治具から太陽電池素子が取り出せなくなるという問題が起こらないので、アルミニウム電極が形成された太陽電池素子基板を載置するために好適に用いることができる。
本発明にかかる基板載置治具において、使用するエンジニアリング・プラスチックはPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂であったほうがよい。
PPS樹脂を側板3に被覆する場合、側板3は金属からなる板で構成され、その表面をPPS樹脂で被覆する。PPS樹脂は金属板に浸漬法やスプレー法などで塗布され、その後、加熱することによって金属板の表面に隙間なく被覆される。PPS樹脂は金属との密着力に優れているため、金属にあらかじめ特別な下地処理を行わなくても、密着性のよい被覆をすることができる。
このとき、金属板の表面をたとえばブラスト処理などによってあらかじめ粗面化しておけばPPS樹脂と金属板との接触面積が増し、金属板とPPS樹脂の密着強度がさらに増すので、より好ましい。
このように、はんだが流れ落ちやすいPPS樹脂を金属板の表面に被覆することにより、載置された基板と金属板とが直接接触することはなくなるので、はんだを被覆処理する際に溶融したはんだ浴から引き上げるときに、金属製の載置治具から余分な溶融はんだが流れ落ちにくく、はんだがスリット6の下端に残って凝固してはんだ付け処理済みの基板1が基板載置治具2から取り出せなくなるという問題が発生することはなくなる。
また、PPS樹脂は耐薬品性にも優れているため、はんだ被覆の前処理や処理後の洗浄方法に制限が発生したり、これらを行う際に太陽電池素子を詰め替えなければならないといった問題が発生することもない。さらに、PPS樹脂はその表面が非常に固いため、繰り返し使用してもその効果が変わることはない。また、変形したり表面に傷がついたり破れたりすることもないので、高い頻度で被覆をしなおさなくてはならないといった問題が発生することもない。
PPS樹脂は金属板の表面に1μm以上の厚みで形成することが望ましい。通常、PPS樹脂の金属との密着力は非常に高く、特別な下地処理を行わなくても密着性のよい被覆をすることができるが、1μm以下になると金属板との充分な密着強度が得にくいという問題があるからである。
また、側板3の金属板はステンレスとするのがよい。ステンレスにすることにより、基板載置治具2は充分な強度を確保できるとともに、加工しやすく安価に作製できる。また、その厚みは0.5mm以上1.5mm以下であるのがよい。0.5mm以下になると充分な強度を得ることができず、一度に処理できる枚数が制限される。また、1.5mm以上になると重量が重くなって、例えば、ロボットを用いて自動ではんだの被覆処理を行う場合に、その重量に耐えうる大型の装置が必要となる。
さらに、本発明による基板載置治具2には、図3および図4に示すように、側板3と平行に支持棒5を取り付ける。この支持棒5は前面金属板4と背面金属板(不図示)との間に掛け渡して設ければよい。このように基板1の周縁部に支持棒5を設けると、基板1が横方向にがたついて割れることを防ぐことができる。また、基板1に被覆するはんだはその厚みが厚すぎれば後工程での割れの原因につながるし、薄すぎれば後工程でインナーリード(不図示)と確実に溶着させることができないといった問題が発生することがある。そのため被覆されるはんだの厚みを確実にコントロールする必要がある。その方法として基板1の電極のパターンに合わせて浸漬や溶着の速度をコントロールすることがある。つまり基板載置治具2に載置された基板1の中に浮いたり傾いた基板があると、その基板1は被覆されるはんだの厚みをコントロールできなくなる。この問題を防ぐためにもこの支持棒5はその効果を大いに発揮する。
この支持棒5はエンジニアリング・プラスチックで形成することが望ましい。このようにすることによって、余分な溶融はんだがこの支持棒と太陽電池素子との間に付着してはんだ付け処理の済んだ太陽電池素子が載置治具から取り出せなくなるという従来の問題を解消するとともに、はんだ被覆の前処理や、処理後の洗浄によって、またはんだ融液の温度と室温の温度サイクルが繰り替えされても、支持棒5がエッチングされたり、破損したりするという問題が発生しにくくなる。エンジニアリング・プラスチックとしては例えばPPS樹脂やフッ素系の樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂、液晶ポリマーなどを用いることができるが、その中でもPPS樹脂を用いることが望ましい。PPS樹脂は、その表面が非常に固いため、繰り返し使用してもその効果が変わることはない。また、変形したり表面に傷がついたり破れたりすることもないので、高い頻度で交換しなくてはならないといった問題が発生することもない。
また、支持棒5は金属を基体として、その表面をエンジニアリング・プラスチックで被覆したものであってもよい。このように金属の基体を支持棒5のとすることにより、支持棒5の強度を確保することができ、基板載置治具の強度も確保することができる。
また金属の基体の表面にエンジニアリング・プラスチックを被覆することによって、支持棒5に余分な溶融はんだが付着してはんだ付け処理の済んだ太陽電池素子が載置治具から取り出せなくなるという従来の問題を解消するとともに、耐熱性、耐薬品性を確保することができるので、はんだ被覆の前処理や、処理後の洗浄によって、またはんだ融液の温度と室温の温度サイクルが繰り替えされても、支持棒5がエッチングされたり、破損したりするという問題が発生しにくくなる。
このとき支持棒5の基体として使用する金属の表面に被覆するエンジニアリング・プラスチックは、下地の金属との線膨張係数の比が1:3から3:1の範囲内であったほうがよい。基板載置治具は複数枚のはんだ処理を行うため、複数枚の基板と共にそれ自身がはんだ融液中に浸されるため、瞬時に200℃近い温度に達する。その後基板冷却のため、空冷や水冷により常温へ急冷されることとなる。そのため、支持棒5の基体となる金属とそれを被覆するエンジニアリング・プラスチックの線膨張係数が大きく異なると、エンジニアリング・プラスチックがすぐに剥離をし、使用できなくなってしまう。
そこで本発明に示すように、支持棒5の基体として使用する金属とエンジニアリング・プラスチックの線膨張係数の比を1:3から3:1の範囲内にすることによって、繰り返して使用できる安価な基板載置治具を提供することができる。
またエンジニアリング・プラスチックとしてPPS樹脂を使用することが望ましい。PPS樹脂はその表面が非常に固いため、繰り返し使用してもその効果が変わることはない。また、変形したり表面に傷がついたり破れたりすることもないので、高い頻度で被覆をしなおさなくてはならないといった問題が発生することもない。
なお、本発明の実施形態は上述の例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることはもちろんである。
例えば、基板載置治具2の側板3は基板1同士の付着を防止する機能を果たすものであるので、その形状は図に示すように多数のスリット6を設けた形状であってもよいし、例えば基板1間に入り込む爪が構成された形状にすることも可能である。ただし、基板載置治具2に載置された全ての基板1に確実にはんだを被覆させるため、基板載置治具2の側面側の側板3の面積は強度を確保できる範囲内でできるだけ小さくすることが望まれる。
また、支持棒5の取り付け位置は、図面に限定されるものではなく、基板1の側面に接触するように取り付けても構わないし、底面に接触するように取り付けても構わない。さらに、基板1を基板載置治具2に載置した後、基板1の上に取り付けることも可能である。さらに、図3には基板1の両側に各一本の支持棒5を取り付ける例を示したが、本数もこれに制限されるものではない。
また、この支持棒5の形状も図面に限定されるものではなく、角柱形状にすることもできるし、円柱形状にすることもできる。また、支持棒5に被覆された樹脂が基板1の端面に接触するように設計されてもよいし、樹脂にスリット6を入れて基板1の端面近傍の表裏両面が樹脂と対向するように設計されていてもよい。
さらに、支持棒5は、少なくともその最表面が回転可能な構造にしておけば、基板1を出し入れする際に基板1とともに支持棒5の表面が動くので、基板1に余計な摩擦を加えることなくスムーズに出し入れすることが可能となり、基板1の割れを防ぐことができるようになる。
図5は本発明に係る基板載置治具の支持棒5の一実施形態を説明するための図であり、図4のC部の拡大図である。図において1は基板、5は支持棒を示す。5の支持棒は7の固定部と8の回転可能部分から構成される。固定部7は前面金属板4と背面金属板(不図示)との間に掛け渡して設ける。そしてその固定部7の周囲に前面金属板4と背面金属板に固定していない回転可能部8を設ける。このようにすることにより、基板1を出し入れする際に、支持棒5の中心部にある固定部7は動くことはないが、その周囲にある回転可能部8が基板1とともに回転するため、基板1に余計な摩擦を加えることなくスムーズに出し入れすることが可能となり、基板1の割れを防ぐことができるようになる。
なお、この支持棒5の構造は一例でありこれに限定されるものではない。図には固定部7と回転可能部8の2重構造を例にとり示したが、支持棒5全体が回転するように取り付けることも可能である。つまり、前面金属板4と背面金属板との接続部で支持棒5全体が回転するように取り付ければよい。
またこのとき、支持棒5は固定部7と回転可能部8の両方がエンジニアリング・プラスチックで構成されてもよいし、固定部7は金属、回転可能部8はエンジニアリング・プラスチックで構成することも可能である。また固定部7の中心部のみ金属で構成し、その周囲と回転可能部8をエンジニアリング・プラスチックで構成することもできるし、回転可能部8の表面をエンジニアリング・プラスチックで構成し、その下部と固定部7は金属で構成することも可能である。さらに支持棒5の全体が回転可能なように取り付ける場合には、支持棒5全体をエンジニアリング・プラスチックで構成しても構わないし、中心部のみを金属で構成し、その周囲にエンジニアリング・プラスチックを被覆しても構わない。
以下、実施例を示す。基体となる金属材料として、縦、横、厚さの寸法が20mm×150mm×10mmのステンレス(SUS304)および鉄を用いた。そして、4種類のエンジニアリング・プラスチックを、それぞれ1mmの厚さとなるように上記の2種類の基体の金属材料に被覆することによって、実験用のテストピースを作製した。
ここで実験に使用したエンジニアリング/プラスチック(カッコ内は線膨張係数)は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂(2.6×10−5/℃)、PI(ポリイミド)樹脂(3.5×10−5/℃)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)樹脂(10×10−5/℃)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)樹脂(12×10−5/℃)である。
また、各金属材料の線膨張係数は、ステンレス(SUS304)は、1.73×10−5/℃、鉄は、1.17×10−5/℃である。
上述のようにして作製したテストピースを、25℃の水と200℃のはんだに20秒ずつ交互に浸し、それを350サイクル行った場合の、それぞれの金属とエンジニアリング・プラスチックとの剥離状況を調査した。その結果を表1に示す。
表1に記載した組合せのうち、PPS樹脂とPI樹脂を、金属(ステンレス、鉄)に被覆したものは、線膨張係数の比が1:3から3:1の範囲内であり、本発明の範囲内となった。これらの組合せの試料はいずれも金属とエンジニアリング・プラスチックとの間に剥離が生じることはなかった。
それに対して、PTFE樹脂、PFA樹脂を金属(ステンレス、鉄)に被覆したものは、線膨張係数の比が1:3から3:1の範囲外であり、本発明の範囲外となった。これらの組合せの試料はいずれも金属とエンジニアリング・プラスチックとの間に剥離が生じた。
このように、いずれのエンジニアリング・プラスチックも単体で200℃前後での断続使用には問題ないが、ステンレスや鉄などの金属に被覆した場合は、線膨張係数の違いにより剥離が発生することがわかり、本発明の効果が確認された。
上記の実施例の結果に基づいて、本発明の範囲内となったPPS樹脂とPI樹脂を、金属(ステンレス、鉄)に被覆した部材を基板載置治具2の側板3として、これを組み立てて、図1に示した形状の基板載置治具2を4種類作製した。なお、基板の周縁部には、PPS樹脂の支持棒5を取り付けている。
このようにして作製した4種類の基板載置治具2の内部に、アルミニウム電極が設けられた太陽電池素子の基板1を載置して、はんだ被覆処理を行ったところ、いずれの基板載置治具を用いたときも、太陽電池素子の電極のアルミニウムとは全く付着することがなく、太陽電池素子の割れは発生しなかった。これにより、繰り返して使用できる安価な基板載置治具が得られることを確認した。
1:基板
2:基板載置治具
3:側板
4:前面金属板
5:支持棒
6:スリット
7:固定部
8:回転可能部
2:基板載置治具
3:側板
4:前面金属板
5:支持棒
6:スリット
7:固定部
8:回転可能部
Claims (11)
- 複数の基板を略平行に間隔を空けて載置するための複数の金属製の側板を所定間隔に保持してなる基板載置治具において、前記金属製の側板に、この側板の金属との線膨張係数の比が1:3〜3:1の範囲内であるエンジニアリング・プラスチックを被覆したことを特徴とする基板載置治具。
- 前記エンジニアリング・プラスチックは、PPS樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の基板載置治具。
- 前記PPS樹脂の厚みが1μm以上であることを特徴とする請求項2に記載の基板載置治具。
- 前記側板はステンレスからなり、その厚みが0.5mm以上1.5mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の基板載置治具。
- 前記基板の周縁部に、エンジニアリング・プラスチックからなる支持棒が位置するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の基板載置治具。
- 前記エンジニアリング・プラスチックは、PPS樹脂であることを特徴とするけられていることを特徴とする請求項5に記載の基板載置治具。
- 前記基板の周縁部に、その表面をエンジニアリング・プラスチックで被覆した金属製の支持棒が位置するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の基板載置治具。
- 前記金属と、前記エンジニアリング・プラスチックとの線膨張係数の比が1:3〜3:1の範囲内であることを特徴とする請求項7に記載の基板載置治具。
- 前記エンジニアリング・プラスチックは、PPS樹脂であることを特徴とする請求項8に記載の基板載置治具。
- 前記支持棒は少なくともその最表面が回動可能な構造であることを特徴とする請求項5または7に記載の基板載置治具。
- 前記基板はアルミニウム電極が形成された太陽電池素子であることを特徴とする請求項1に記載の基板載置治具。
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JP2009141091A (ja) * | 2007-12-06 | 2009-06-25 | Tokyo Electron Ltd | 基板保持具、基板搬送装置および基板処理システム |
US9061089B2 (en) | 2004-07-26 | 2015-06-23 | DePuy Synthes Products, Inc. | Biocompatible, biodegradable polyurethane materials with controlled hydrophobic to hydrophilic ratio |
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2003
- 2003-10-29 JP JP2003369690A patent/JP2004221538A/ja active Pending
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