JP2004221050A - 陰極線管用ガラスファンネル - Google Patents

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Abstract

【課題】 厚肉部が形成された陰極線管用ガラスファンネルの成型時における位置決め基準部の形成箇所とその周辺とのガラス温度バランスの悪化を抑制して、位置決め基準部の平面性や寸法の狂い等の成型不良の発生確率を低減させる。
【解決手段】 ファンネルボディ部5の広開口端2周辺に形成された厚肉部をなす第1領域11と、その狭開口端側に隣接して形成された薄肉部をなす第2領域12とを備えた構成において、第1領域12の外側面12aにのみ位置決め基準部10を形成する。好ましくは、ボディ部5の広開口端2近傍の最大外形線7から管軸と平行に第1領域11の狭開口端側の端縁Xに至るまでの所定距離hが、2mm<h<15mmの関係を満たし、その最大外形線7から管軸と平行に位置決め基準部10の広開口端2側の端縁Xに至るまでの離間距離iが、i<h+20mmの関係を満たすようにする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、陰極線管用ガラスファンネルに係り、特にボディ部の最大外形線の周辺に相対的に厚肉とされた領域が形成される陰極線管用ガラスファンネルに、陰極線管用ガラスパネルとの封合時に利用される位置決め基準部を形成するための技術に関する。
周知のように、陰極線管用ガラスバルブは、前方に配置され且つ画像が表示されるガラスパネル(以下、単にパネルともいう)と、その後方に配置され且つ前記パネルと封合されて外部に偏向ヨークが装着されるガラスファンネル(以下、単にファンネルともいう)と、該ファンネルに溶着され且つ内部に電子銃が格納されるネックとから構成される。
前記パネルは、画像を表示する有効画面を備えたフェース部と、該フェース部にブレンドR部を介して連なり且つ前記ファンネルとの封合に供される略矩形の広開口端(シールエッジ面)を有するスカート部とから構成され、該スカート部は、相対向する2つの長辺部と相対向する2つの短辺部とを備えている。
前記ファンネルは、管軸方向の一端と他端とにそれぞれ、パネルとの封合に供される略矩形の広開口端(シールエッジ面)と、ネックとの溶着に供される略円形の狭開口端とが形成され、管軸を中心軸線とするファンネルの側壁部は、略漏斗状を呈すると共に、広開口端から狭開口端側の所定位置に至るボディ部及びその狭開口端側に連なるヨーク部を有し、該ボディ部は、相対向する2つの長辺部と相対向する2つの短辺部とを備えている。そして、このファンネルにおけるボディ部の広開口端は、前記パネルにおけるスカート部の広開口端にフリットガラスを介在させて溶着接合される。
この種の陰極線管は、近年におけるパネルのフェース部(前面)のフラット化並びにその有効画面の大型化に伴って重量増を招いているのが実情であり、このような問題に対処すべく、主としてファンネルの形態に工夫を施すことにより陰極線管の軽量化が図られている。その具体策として、ファンネルの広開口端の周辺を除外した領域の肉厚を薄くすること、詳しくは、その広開口端の肉厚を適度な厚さに維持しておくことによりパネルに対する所要の溶着強度を確保し且つその広開口端の周辺以外の領域については肉厚を薄くすることが行われる。
この場合、ファンネルの形状は、ボディ部における広開口端の周辺領域の外側面と、その狭開口端側の他の領域の外側面との連なり部に段差を設けることにより、広開口端の周辺領域の外側面が外側方向に隆起する態様とされる(例えば、下記の特許文献1及び特許文献2参照)。また、これ以外に、高い溶着強度を得る目的で、ファンネルの肉厚を全体的に薄くすることなく、広開口端の周辺領域に外側面が隆起する厚肉部を形成することも行われている。
一方、陰極線管として、色ずれ等の無い適正な画像を表示し得る構成とするためには、パネルとファンネル並びにネックのそれぞれの中心軸線が、ガラスバルブの管軸に対して相互に正確に位置決めされて組み立てられることが重要となる。そこで、ファンネルのボディ部における相隣り合う辺部の外側面の少なくとも3箇所、例えば長辺部の外側面における周方向の両端部2箇所と、短辺部の外側面の1箇所とに、パネルとの封合時に治具に当接して該パネルとの間で位置決めを行うための位置決め基準部が設けられる。この位置決め基準部は、治具が当接する基準面を頂部に有する凸状をなし、その基準面は、ファンネルの中心軸線から所定の距離になるように形成される。
従って、既述のように外側面が隆起する厚肉部を広開口端の周辺領域に有するファンネルについても、パネルとの封合時に利用される上記の位置決め基準部を形成する必要がある。そこで、図7(a),(b)に示すように、ファンネルのボディ部5'の広開口端2'周辺に設けられた厚肉部11'の外側面11a'に重ね合せるようにして、位置決め基準部10'が凸状に一体形成される(例えば、下記の特許文献3参照)。なお、図7(a)には、位置決め基準部10'が厚肉部11'及び薄肉部12'の外側面11a'、12a'から突出している部分のみに平行斜線を付している。
このように、ボディ部5'の厚肉部11'に重合状に位置決め基準部10'を形成するようにした主たる理由は、ボディ部5'の厚肉部11'と薄肉部12'との両者の外側面に同一突出寸法(同一突出厚さ)の位置決め基準部10'を形成するとした場合、肉厚全体中における位置決め基準部10'の肉厚の占める割合は、薄肉部12'の場合よりも厚肉部11'の場合の方が小さくなる。このため、位置決め基準部10'の非形成箇所に対する形成箇所の熱容量の増加比率は、厚肉部11'の場合の方が小さくなり、成型時のガラス温度分布は、厚肉部11'の場合の方が相対的に均一化され、良好な成型性が得られると考えたからである。
特開2002−237266 特開2002−237267 特開2002−197992(図1)
従来において、位置決め基準部10'を上記のようにボディ部5'の厚肉部11'に形成する場合には、位置決め基準部10'の基準面10a'の存在を明確に知得できることを主たる目的として、厚肉部11'の外側面11a'から位置決め基準部10'の外側面(基準面)10a'までの突出寸法tが決められていた。すなわち、この突出寸法tが不当に小さければ、位置決め基準部10'の基準面10a'を識別できないために、パネルとの封合時に作業ミスが発生したり、或いは作業の困難化を招く結果となる。そこで、この突出寸法tは、位置決め基準部10'の識別に対する安全性(余裕)をも考慮して、2mm〜2.5mm程度に設定されていた。
しかしながら、広開口端の周辺領域に厚肉部が形成されていない形状のファンネルについても、ボディ部の外側面から位置決め基準部の基準面までの突出寸法は、上記の設定値(2mm〜2.5mm程度)と同一であって、この設定値は、厚肉部が形成されたファンネルに特有の値ではなかった。
このため、厚肉部が形成されていることが原因となって、厚肉部が形成されていないファンネルでは予期し得ない理由によって成型不良を招くおそれが生じるに至った。すなわち、厚肉部11'が単に形成されているだけでも、厚肉部11'の熱容量が薄肉部12'に比して大きい上に、更に厚肉部11'に位置決め基準部10'が形成されていると、この位置決め基準部10'の形成箇所の熱容量が薄肉部12'の熱容量に比して大幅に大きくなり、厚肉部11'とこれに対応する薄肉部12'とでガラス温度バランスが極めて悪化することになる。そして、これらに対する冷却については、従来と同様の冷却手法を採用していたので、位置決め基準部10'における基準面10a'の平面性の狂いや寸法不良、更にはその周辺での皺やクラックの発生等の成型不良を生じていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、厚肉部が形成されたファンネルの成型時における位置決め基準部の形成箇所とその周辺とのガラス温度バランスの悪化を抑制して、位置決め基準部の平面性や寸法の狂い等に代表される成型不良の発生確率を低減させることを技術的課題とする。
上記技術的課題を解決するためになされた本発明は、ボディ部の広開口端周辺に厚肉部が形成された陰極線管用ガラスファンネルについて、厚肉部が存在しているが故に生じる過度なガラス温度バランスの悪化及びこれに起因する成型不良の発生を抑制することを主目的とし、且つ、パネルとの封合時に位置決め基準部の基準面に当接する治具の構造に改良を加えるなどすれば、広開口端や管軸に対する位置決め基準部の相対位置が従来と大幅に相違することとなっても支障が生じないことに着目してなされたものである。
このような観点からなされた本発明は、管軸方向の一端及び他端にそれぞれ略矩形の広開口端及び略円形の狭開口端が形成され、前記広開口端から狭開口端側に向かうボディ部及びその狭開口端側に連なるヨーク部を有する略漏斗状の側壁部を備え、前記ボディ部の最大外形線から管軸と平行に狭開口端側に所定距離hを隔てた位置に至る第1領域の肉厚を、その狭開口端側の第2領域の肉厚よりも厚くすべく、前記第1領域の外側面と前記第2領域の外側面との連なり部に段差を設けた陰極線管用ガラスファンネルにおいて、前記第2領域のみの外側面に、陰極線管用ガラスパネルとの封合時に利用される位置決め基準部を形成したことを特徴とするものである。
ここで、「第1領域」とは、厚肉部が形成されている領域を意味する。なお、第1領域の一端である最大外形線よりも広開口端側に肉部が存在する場合には、この肉部も通例は厚肉部となる。そして、「第1領域の外側面」とは、管軸と平行な方向に対して所要の抜け勾配を有する平面または略平面(平面に近似する曲率半径の大きな円弧面)の狭開口端側の端部が、相対的に小さな曲率半径の凸状円弧面を介して第2領域の外側面に連接している場合には、上記の平面または略平面に凸状円弧面が連なった面を意味する。一方、「第2領域」とは、薄肉部が形成されている領域を意味する。そして、「第2領域の外側面」とは、急激な肉厚変化を伴うことなく狭開口端側に移行するに連れて管軸に漸次近づく湾曲面の広開口端側の端部が、相対的に小さな曲率半径の凹状円弧面を介して第1領域の外側面に連接している場合には、上記の湾曲面に凹状円弧面が連なった面を意味する。なお、上記の凸状円弧面と凹状円弧面とが直接連接する場合には、その連接位置が第1領域の外側面と第2領域の外側面との境界となり、また凸状円弧面と凹状円弧面とがそれぞれ両円弧面相互間の平面の両端に連接する場合には、その平面における両連接部の中央位置が第1領域の外側面と第2領域の外側面との境界となる。従って、「段差」は、上述の凸状円弧面と、凹状円弧面と、この両円弧面相互間に平面が介設される場合にはその平面との存在によって形成される。また、「位置決め基準部の基準面」は、管軸と略平行な面であって、例えば金型に対する必要最小限の抜け勾配が設けられた面である。
上記の構成によれば、薄肉部となる第2領域のみの外側面に位置決め基準部を形成し、厚肉部となる第1領域には位置決め基準部が一切跨っていないことから、従来のように第1領域の外側面に位置決め基準部を凸状に形成し且つ基準面までの突出寸法を2〜2.5mm程度に設定していた場合と比較して、第1領域の肉厚が厚くなることによる熱容量の不当な増大及びこれに起因する冷却の不充分さが抑制される。これにより、成型時における第1領域と第2領域とのガラス温度バランスが改善されると同時に、第1領域における位置決め基準部の形成箇所と非形成箇所とについてもガラス温度バランスに不当な悪影響が生じ難くなり、良好な成形性を確保することが可能となる。しかも、第2領域は薄肉部であって、本来的に充分な冷却が行われ得る部位であるため、この第2領域の外側面に位置決め基準部を形成しても、その事によって第2領域に冷却阻害が生じる確率は極めて低くなる。なお、このように第2領域の外側面に位置決め基準部を形成した場合には、従来の治具がパネルとの封合時に当接していた位置決め基準部の基準面と比較して、この場合の基準面の広開口端からの離隔寸法や管軸からの離隔寸法が大幅に異なるおそれがあるが、これに対しては治具の改良や異なる治具の使用等によって対処することができる。
上記構成において、ボディ部の最大外形線から管軸と平行に第1領域の狭開口端側の端縁に至るまでの所定距離hが、2mm<h<15mmの関係を満たし、且つボディ部の最大外形線から管軸と平行に位置決め基準部の広開口端側の端縁に至るまでの離間距離iが、i<h+20mmの関係を満たすことが好ましい。
この場合、前記所定距離hが2mm以下であると、金型のメンテナンスが困難になると共に、ファンネルの充分な軽量化や、パネルに対する所要の溶着強度を確保する上で不利となり、また15mm以上であると、厚肉部の領域が広くなり過ぎ、冷却が困難になることから、位置決め基準部の基準面の平面性が狂う等の成型不良のおそれが生じる。このような観点から、前記所定距離hは、上記の寸法範囲内に収まっていることが好ましい。一方、位置決め基準部は、第2領域の外側面における段差部を構成する上述の凹状円弧面またはこれに連なる平面におけるその連なり側の半分の面を始端として、狭開口端側に向かって形成されていてもよく、また第2領域の外側面における段差部よりも狭開口端側の位置(上述の湾曲面上の位置)を始端として、狭開口端側に向かって形成されていてもよい。この場合、ボディ部の勾配は、狭開口端側、詳しくはヨーク部側に移行するに連れて漸次緩やかになっている。従って、前記離隔距離iがh+20mm以上であると、第2領域の外側面の勾配が緩やかになり過ぎ、このような勾配の緩やかな外側面に管軸と略平行な基準面を有する位置決め基準部を形成したのでは、位置決め基準部の肉厚(肉部の体積)が不当に大きくなり、第2領域における位置決め基準部周辺のガラス温度バランスが悪化して、成型不良等を招くおそれが生じる。このような観点から、前記離隔距離iは、上記の寸法範囲内に設定するのが好ましい。
以上の構成において、位置決め基準部の基準面は、その全領域が、第1領域の外側面よりも内側(管軸側)に位置していることが好ましい。
すなわち、位置決め基準部を例えば第1領域の近傍に形成した場合に、その基準面が第1領域の外側面よりも外側に位置していると、位置決め基準部と第1領域の外側面との間が、窪みを有する入り組んだ複雑な形状となるおそれがあるため、ボトム金型の設計製作が複雑になったり、或いはその周辺のガラス温度バランスが悪化して、成型不良を招く要因となる。しかしながら、位置決め基準部の基準面の全領域が、第1領域の外側面よりも内側に位置していると、位置決め基準部を第1領域の近傍に形成した場合であっても、その周辺の形状が複雑になるという事態は生じず、金型の設計製作や成型作業の容易化が図られ、製作コストの低廉化に寄与することができる。しかも、位置決め基準部の基準面が不当に突出するという事態が回避され、位置決め基準部周辺のガラス温度バランスの悪化及びこれに起因する成型不良の発生確率が低減される。
以上の構成において、位置決め基準部の基準面は、未研磨面であることが好ましい。
このようにすれば、ガラスの温度特性等を適切に把握し、プレス成型時の温度管理等を適切に行うことにより、高品位の位置決め基準部を有する陰極線管用ガラスファンネルを製作できると共に、成型後の研磨作業が不要となり、製作に要する手間やコストを軽減することが可能となる。
以上のように本発明に係る陰極線管用ガラスファンネルによれば、ボディ部の広開口端周辺に形成された厚肉部をなす第1領域と、その狭開口端側に隣接して形成された薄肉部をなす第2領域とを備えた構成において、第2領域のみの外側面に位置決め基準部を形成し、第1領域には位置決め基準部が一切跨っていないことから、従来と比較して、第1領域の肉厚が厚くなることによる熱容量の不当な増大及びこれに起因する冷却阻害が抑制される。これにより、成型時における第1領域と第2領域とのガラス温度バランスが改善されると同時に、第1領域における位置決め基準部の形成箇所と非形成箇所とについてもガラス温度バランスに不当な悪影響が生じ難くなり、良好な成形性を確保することが可能となる。しかも、第2領域は薄肉部であって、本来的に充分な冷却が行われ得る部位であるため、この第2領域の外側面に位置決め基準部を形成しても、その事によって第2領域に冷却阻害が生じる確率は極めて低くなり、良好な成形性を維持することが可能となる。
この場合、ボディ部の広開口端近傍の最大外形線から管軸と平行に第1領域の狭開口端側の端縁に至るまでの所定距離hが、2mm<h<15mmの関係を満たし、且つその最大外形線から管軸と平行に位置決め基準部の広開口端側の端縁に至るまでの離間距離iが、i<h+20mmの関係を満たすようにすれば、金型のメンテナンスが容易になり、またファンネルの充分な軽量化やパネルに対する所要の溶着強度を確保する上で有利になると共に、厚肉部の領域が広くなり過ぎることによる冷却の困難化や位置決め基準部周辺の成型不良の発生が的確に回避され、しかも第2領域の外側面の勾配が緩やかになり過ぎることによる位置決め基準部の肉厚の不当な増大及びこれに起因する位置決め基準部周辺のガラス温度バランスの悪化や成型不良等の発生確率が低減される。
また、位置決め基準部の基準面の全領域を、第1領域の外側面よりも内側に位置させれば、位置決め基準部を第1領域の近傍に形成した場合であっても、その周辺の形状が複雑になるという事態は生じず、金型の設計製作や成型作業の容易化が図られ、製作コストの低廉化に寄与することができると共に、位置決め基準部の基準面が不当に突出するという事態が回避され、位置決め基準部周辺のガラス温度バランスの悪化及びこれに起因する成型不良の発生確率が低減される。
更に、位置決め基準部の基準面を未研磨面とすれば、ガラスの温度特性等を適切に把握し、プレス成型時の温度管理等を適切に行うことにより、高品位の位置決め基準部を有する陰極線管用ガラスファンネルを製作できると共に、成型後の研磨作業が不要となり、製作に要する手間やコストを軽減することが可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る陰極線管用ガラスファンネルの全体構成を示す斜視図、図2(a)は、当該ファンネルの一辺部の部分拡大縦断面図、図2(b)は、当該ファンネルの一辺部の部分拡大正面図である。
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係るファンネル1は、管軸Z方向の一端に、パネル(図示略)との封合に供される略矩形の広開口端(シールエッジ面)2を有すると共に、同方向の他端に、ネック部3が溶着される略円形の狭開口端4を有する。そして、管軸Zを中心軸線として略漏斗状を呈するファンネル1の側壁部は、広開口端2から狭開口端4側の所定位置に至るボディ部5と、その狭開口端4側に連なるヨーク部6とを有し、ボディ部5は、相対向する2つの長辺部5aと相対向する2つの短辺部5bとを備えている。
このボディ部5には、図2(a),(b)にも示すように、シールエッジ面2から狭開口端4側に僅かな距離を隔てた位置に、最大外形線となるモールドマッチライン7が形成されると共に、シールエッジ面2の内外方向(厚み方向)の両端には、面取り部8が形成されている。上記のモールドマッチライン7は、ファンネル1のプレス成型時に、雌型を構成するボトム金型とシェル金型との型合せ面に対応して形成されるものである。
更に、このボディ部5は、モールドマッチライン7から管軸Zと平行に狭開口端4側に所定距離hを隔てた位置に至る第1領域11と、その狭開口端4側の第2領域12とを有し、第1領域11の肉厚は第2領域12の肉厚よりも厚くされている。この場合、上記の所定距離hは、2mm<h<15mmの関係を満たしており、例えばhは7mmとされる。そして、この両領域11、12の肉厚を相違させるために、第1領域11の外側面11aと第2領域12の外側面12aとの連なり部に段差Tが設けられている。なお、この実施形態では、モールドマッチライン7からシールエッジ面2に至るエッジ近傍領域13の肉厚も、第2領域12の肉厚よりも厚くされている。また、第2領域12は、ヨーク部6を含んでいる。
第1領域11の外側面11aは、平面に近似する極めて大きな曲率半径の凸状大径円弧面11aaと、この凸状大径円弧面11aaの狭開口端4側の端部に内接するように連接された相対的に小さな曲率半径の凸状小径円弧面11abとから構成されている。一方、第2領域12の外側面12aは、急激な肉厚変化を伴うことなく狭開口端4側に移行するに連れて管軸Zに漸次近づく湾曲面12aaと、この湾曲面12aaの広開口端2側の端部に外接するように連接された相対的に小さな曲率半径の凹状小径円弧面12abとから構成されている。そして、第1領域11の凸状小径円弧面11abと第2領域12の凹状小径円弧面12abとが外接するように連接され、この連接部Xが両領域11、12の外側面11a、12aの境界とされている。この場合、段差Tは、凸状小径円弧面11abと凹状小径円弧面12abとからなる段差形成領域T1に設けられている。なお、凸状大径円弧面11aa、凸状小径円弧面11ab、及び凹状小径円弧面12abはそれぞれ、単一の曲率半径の円弧面であってもよく、2以上の異なる曲率半径の円弧面が内接するように連接された複数の曲率を有する円弧面であってもよい。
このボディ部5には、少なくとも3箇所、詳しくは、一つのコーナー部を挟んで配置されている長辺部5aの周方向(シールエッジ面2に沿う方向)の両端部と短辺部5bの一端部とに、パネルとの封合時に治具に当接させるための基準面10aを有する位置決め基準部10が形成されている。なお、図2(a)には、位置決め基準部10が第2領域12の外側面12aから突出している部分のみに平行斜線を付している(以下の図3(a)、図4(a)も同様)。
位置決め基準部10は、第2領域12の外側面12aのみに、この実施形態では第2領域12の外側面12aにおける凹状小径円弧面12abよりも狭開口端4側の位置(段差形成領域T1よりも狭開口端4側の位置)を始端として、狭開口端4側に向かって形成されている。そして、図2(a)に示すように、位置決め基準部10の基準面10aは、第1領域11の外側面11aよりも内側、より具体的には第2領域12の外側面12aにおける凹状小径円弧面12abと湾曲面12aaとの連接部Aよりも内側に位置して
いる。
この基準面10aは、管軸Zと平行または略平行な平面、例えば金型(ボトム金型)に対する必要最小限の抜け勾配が設けられた平面であって、プレス成型後に研磨加工が施されていない未研磨面である。そして、この基準面10aの狭開口端2側の端部は、第1領域11における上述の凸状小径円弧面11abと同等またはそれよりも小さな曲率半径の凸状小径円弧面10aaに連接されている。また、この凸状小径円弧面10aaの狭開口端4側の端部は、第2領域12における上述の凹状小径円弧面12abと同等またはそれよりも小さな曲率半径の凹状小径円弧面10abに外接するように連接されている。更に、この凹状小径円弧面10abの狭開口端4側の端部は、第2領域12の湾曲面12aaに外接するように連接されている。
一方、この基準面10aの広開口端2側の端部は、第2領域12における上述の凹状小径円弧面12abと同等またはそれよりも大きな曲率半径の凹状小径円弧面10acを介在させて第2領域12の湾曲面12aaに滑らかに連なっている。そして、ボディ部5のモールドマッチライン7から、管軸Zと平行に、位置決め基準部10の広開口端2側の端縁部Bつまり位置決め基準部10の凹状小径円弧面10acと第2領域12の湾曲面12aaとの連接部Bまでの離間距離iは、第1領域11のモールドマッチライン7からの所定距離hに対して、i<h+20mmの関係を満たしている。この場合、例えばhが7mmに対してiは13mmとされる。なお、この位置決め基準部10における上述の凸状小径円弧面10aaおよび凹状小径円弧面10ab、10acもそれぞれ、単一の曲率半径の円弧面であってもよく、2以上の異なる曲率半径の円弧面が内接するように連接された複数の曲率を有する円弧面であってもよい。
そして、図2(b)に示すように、この基準面10aの全周囲は、広開口端2側の端縁部を除外すれば、上記の狭開口端4側の端部と同様に、凸状小径円弧面10aaおよび凹状小径円弧面10abを介して第2領域12の外側面12a(湾曲面12aa)に連なっている。また、この基準面10aの輪郭は、広開口端2側の端縁部が直線であって、その他の部分は、全てが複数の曲率半径の円弧が内接するように連接された
湾曲線である。
以上のような構成によれば、従来のようにボディ部の少なくとも第1領域の外側面から位置決め基準部の基準面までの突出寸法を2〜2.5mm程度に設定していた場合と比較して、位置決め基準部10が第2領域12の外側面12a(湾曲面12aa)から外方に突出している肉部(図2(a)に平行斜線を付した部分)の体積が小さくなる。また、これに伴って、基準面10aの全周囲と第2領域12の湾曲面12aaとを繋ぐ繋ぎ部(特に、凸状小径円弧面10aa及び凹状小径円弧面10ab)の形成領域も狭くなる。そして、第1領域11の熱容量が従来に比して増大することはなく、プレス成型時における第1領域11と第2領域12とのガラス温度バランスが改善される。また、第1領域11における位置決め基準部10の形成箇所と非形成箇所とについてもガラス温度バランスの悪化が生じなくなる。しかも、第2領域12は薄肉部であって、プレス成型時には本来的に充分な冷却が行われ得る部位であるため、この第2領域12の外側面12aに位置決め基準部10を形成しても、その事によって第2領域12に冷却阻害が生じる確率は極めて低くなる。これにより、ファンネル1の位置決め基準部10に対する良好な成形性を確保することが可能となる。
図3(a)は、本発明の第2実施形態に係るファンネルの主要部を示す部分拡大縦断面図、図3(b)は、その正面図である。この第2実施形態に係るファンネル1は、ボディ部5の第2領域12の外側面12aにおける凹状小径円弧面12abを始端として、狭開口端4側に向かって位置決め基準部10を形成したものである。この場合、位置決め基準部10の始端位置Bにおいては、基準面10aの広開口端2側の端縁部を凹状円弧面10acを介して滑らかに第2領域12の凹状小径円弧面12abに連ねさせることが好ましい。この第2実施形態に係るファンネル1は、ここで述べた事項以外の主要な構成については上述の第1実施形態に係るファンネル1と同一である。従って、この両者に共通の主要な構成要件については、図3(a),(b)に同一符号を付し、その説明を省略する。
図4(a)は、本発明の第3実施形態に係るファンネルの主要部を示す部分拡大縦断面図、図4(b)は、その正面図である。この第5実施形態は、ボディ部5の勾配、特に第2領域12の外側面12aの勾配が、上述の第1、第2実施形態に比して、緩やかになっているファンネル1に本発明を適用したものである。この第3実施形態に係るファンネル1は、ここで述べた事項以外の主要な構成については上述の第1実施形態に係るファンネル1と同一である。従って、この両者に共通の主要な構成要件については、図4(a),(b)に同一符号を付し、その説明を省略する。
なお、以上の第1〜第3実施形態は、第1領域11がボディ部5の全周に亘って形成されたファンネル1について本発明を適用したものであるが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば図5に示すように、ボディ部5のコーナー部(対角部)14を除く範囲に第1領域11が形成されたファンネル1、換言すればコーナー部14に第1領域11が形成されていないファンネル1についても、同様にして本発明を適用することができる。したがって、この場合にも、ボディ部5の第1領域11よりも狭開口端4側の第2領域12に、上述の第1〜第3実施形態と同様に位置決め基準部10が形成されていることになる。
但し、このようにボディ部5のコーナー部14を除く範囲に第1領域11が形成されたファンネル1であっても、図6に示すように、第1領域11よりも狭開口端4側の第2領域12ではない箇所に位置決め基準部10が形成されたファンネル1(図例ではモールドマッチライン7を始端として狭開口端4側に向かって位置決め基準部10が形成されたファンネル1)は、本発明に含まれるものではない。
本発明の第1実施形態に係る陰極線管用ガラスファンネルの全体構成を示す斜視図である。 図2(a)は、本発明の第1実施形態に係る陰極線管用ガラスファンネルの主要部を示す部分拡大縦断面図、図2(b)は、その正面図である。 図3(a)は、本発明の第2実施形態に係る陰極線管用ガラスファンネルの主要部を示す部分拡大縦断面図、図3(b)は、その正面図である。 図4(a)は、本発明の第3実施形態に係る陰極線管用ガラスファンネルの主要部を示す部分拡大縦断面図、図4(b)は、その正面図である。 本発明の第4実施形態に係る陰極線管用ガラスファンネルの全体構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態ではなく、したがって本発明に含まれるものではないが、本発明に関連する陰極線管用ガラスファンネルの全体構成を示す斜視図である。 図7(a)は、従来例に係る陰極線管用ガラスファンネルの主要部を示す部分拡大縦断面図、図7(b)は、その正面図である。
符号の説明
1 ファンネル(陰極線管用ガラスファンネル)
2 広開口端(シールエッジ面)
4 狭開口端
5 ボディ部
6 ヨーク部
7 最大外形線(モールドマッチライン)
10 位置決め基準部
10a 基準面
11 第1領域
11a 第1領域の外側面
12 第2領域
12a 第2領域の外側面
h 第1領域のモールドマッチラインからの所定距離
i モールドマッチラインから位置決め基準部の広開口端側の端縁に至るまでの離間距離
T 段差
T1 段差形成領域

Claims (4)

  1. 管軸方向の一端及び他端にそれぞれ略矩形の広開口端及び略円形の狭開口端が形成され、前記広開口端から狭開口端側に向かうボディ部及びその狭開口端側に連なるヨーク部を有する略漏斗状の側壁部を備え、前記ボディ部の最大外形線から管軸と平行に狭開口端側に所定距離hを隔てた位置に至る第1領域の肉厚を、その狭開口端側の第2領域の肉厚よりも厚くすべく、前記第1領域の外側面と前記第2領域の外側面との連なり部に段差を設けた陰極線管用ガラスファンネルにおいて、
    前記第2領域のみの外側面に、陰極線管用ガラスパネルとの封合時に利用される位置決め基準部を形成したことを特徴とする陰極線管用ガラスファンネル。
  2. 前記所定距離hが、2mm<h<15mmの関係を満たし、且つ前記ボディ部の最大外形線から管軸と平行に前記位置決め基準部の広開口端側の端縁に至るまでの離間距離iが、i<h+20mmの関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の陰極線管用ガラスファンネル。
  3. 前記位置決め基準部の基準面の全領域が、前記第1領域の外側面よりも内側に位置していることを特徴とする請求項1または2に記載の陰極線管用ガラスファンネル。
  4. 前記位置決め基準部の基準面は、未研磨面であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の陰極線管用ガラスファンネル。
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