JP2004220900A - 情報用ブランチケーブル及び情報用ブランチケーブルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】伝送特性を低下させることなく容易に分岐が可能であり、且つ生産性の高い情報用ブランチケーブルを安価に提供する。
【解決手段】本発明の情報用ブランチケーブル10は、複数対の対より線心15がより合わされて情報用ケーブル12が形成される。そして、複数本の情報用ケーブル12が、軸線方向と直交する断面において、支持線11と共にリング状に配列され、該支持線11及び情報用ケーブル12の外表面を一括して合成樹脂のシース13により中空円筒形状に被覆されている。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の情報用ブランチケーブル10は、複数対の対より線心15がより合わされて情報用ケーブル12が形成される。そして、複数本の情報用ケーブル12が、軸線方向と直交する断面において、支持線11と共にリング状に配列され、該支持線11及び情報用ケーブル12の外表面を一括して合成樹脂のシース13により中空円筒形状に被覆されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報用ブランチケーブル及びその製造方法に関し、より詳細には、幹線ケーブルと分岐ケーブルとを分岐接続せずに分岐させ、これによって伝送特性の低下を招くことなく容易に分岐させることができる情報用ブランチケーブル及び情報用ブランチケーブル製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の配線用ブランチケーブルは、幹線ケーブルの途中に分岐ケーブルを結線して分岐させ、それらの結線部位を絶縁性を有するモールド部で被覆するようにしたものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
周波数の高い信号を伝送する情報用のブランチケーブルでは、幹線ケーブルから分岐接続部によって分岐ケーブルを分岐させると、伝送特性が低下してしまう問題点があり、最近は分岐接続のない情報用ブランチケーブルにより分岐させるようになっている。
【0004】
図4及び図5に示すように、従来の情報用ブランチケーブル1は、複数本の鋼線をより合わせた支持用の鋼より線2を中心に位置させ、その周囲に合成樹脂のシース4で外表面が被覆された情報用ケーブル3を鋼より線2により合わせて配置することにより、分岐接続なしで分岐できるようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−84410号公報(第2−3頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の情報用ブランチケーブル1は、複数組の対より線心にシース4を被覆して情報用ケーブル3を製作した後、複数本の情報用ケーブル3をより合わせる工程によって製作されるので、生産性に劣り、コストも高くなる問題点があった。
また、分岐させる場合、情報用ケーブル3のよりを戻しながら分岐させなければならず、作業性が悪く分岐配線がやり難い欠点があった。
【0007】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、伝送特性を低下させることなく容易に分岐が可能であり、且つ生産性の高い情報用ブランチケーブルを安価に提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載した情報用ブランチケーブルは、抗張力を有する鋼線よりなる支持線と、軸線方向と直交する断面において前記支持線と共にリング状に配列され、互いにより合わされた複数組の対より線心と、合成樹脂により前記支持線及び前記対より線心の外表面を被覆する中空円筒形状のシースとを備えたことを特徴としている。
【0009】
前記構成の情報用ブランチケーブルによれば、支持線と複数組の対より線心とをリング状に配列し、支持線及び対より線心の外表面を合成樹脂のシースにより中空円筒形状に被覆するようにしたので、従来の情報用ブランチケーブルの製造工程において必要であった情報用ケーブルのよりを戻す工程を省略することができる。これによって、製造工程を簡略化して生産性を向上させると共に、製品のコストを低減させて安価に情報用ブランチケーブルを製造することができる。
【0010】
また、支持線と複数組の対より線心とを一括し、シースによって同時に被覆するようにしたので、支持線及び複数組の対より線心の被覆工程を一回で行うことができ、被覆工数を大幅に低減することができる。
更に、支持線及び複数組の対より線心を被覆するシースの形状を、中空円筒形状としたので、外周面に凹凸がない形状とすることができる。従って、配線時に管路等の配線経路に引っ掛かることがなく、容易に配線することができる。
【0011】
本発明に係る請求項2に記載した情報用ブランチケーブルは、請求項1に記載した情報用ブランチケーブルであって、前記シースは、前記支持線及び複数組の前記対より線心の夫々の境界の被覆部に軸方向の溝が形成されたことを特徴としている。
【0012】
前記構成の情報用ブランチケーブルによれば、支持線及び複数組の対より線心の夫々の境界の被覆部に軸方向の溝を形成するようにしたので、分岐配線時に必要組数の対より線心を溝に沿って分離することにより、容易に分割することができ、分岐配線を容易に行うことができるので生産性の向上を図ることができる。
また、シース材料の使用量を削減することができ、コストを低減することができる。
【0013】
本発明に係る請求項3に記載した情報用ブランチケーブルの製造方法は、鋼線よりなる支持線と、一対の絶縁線心が互いにより合わされ複数組の対より線心を、シース押出機の芯金に円弧上に配置された複数個のガイド孔から引き出しながら、同時に前記支持線及び前記対より線心の外表面を合成樹脂のシースで中空円筒形状に被覆することを特徴としている。
【0014】
前記構成の情報用ブランチケーブルの製造方法によれば、支持線と複数本の対より線心を、芯金に円弧上に配置されたガイド孔から引き出しながら、同時に合成樹脂のシースで中空円筒形状に被覆するようにしたので、一回の被覆工程で支持線と複数組の対より線心を同時に被覆することができる。
従って、従来の製造工程で必要であった夫々の対より線心をシースで被覆する被覆工程、及び被覆された複数本の情報用ケーブルをより戻す工程をなくすことができ、情報用ブランチケーブルの製造効率を大幅に向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る一実施形態を図1乃至図3に基づいて詳細に説明する。図1は情報用ブランチケーブルの斜視図、図2は情報用ブランチケーブルの横断面図、図3は情報用ブランチケーブルの敷設概略図である。
【0016】
図1及び図2に示すように、本実施形態の情報用ブランチケーブル10は、支持線11と、対より線心15と、シース13とを備えている。支持線11は、抗張力を有する複数本の鋼線14がより合わされて構成されており、情報用ブランチケーブル10が敷設された時、情報用ブランチケーブル10に作用する外力を主に分担して、対より線心15に作用する外力を軽減させて対より線心15を外力から保護するようになっている。
【0017】
対より線心15は、情報を伝送するための信号線、例えばLAN(Local AreaNetwork)用であって、複数対の対より線心15がより合わされて情報用ケーブル12が形成される。そして、複数本の情報用ケーブル(LANケーブル)12が、支持線11と共に、軸線方向と直交する断面において、リング状に配列され、全体として中空円筒形状をなしている。
【0018】
シース13は、支持線11及び複数組の対より線心15を被覆するためのものであって、塩化ビニルやポリエチレン等の合成樹脂を、断面リング状に配列させた支持線11及び対より線心15の外表面に均等に付着させて中空円筒形状に形成されている。支持線11及び複数組の対より線心15の夫々の境界の被覆部には、軸方向に溝13aが全長にわたって形成されている。
【0019】
次に、情報用ブランチケーブル10の製造方法について概略を説明する。
先ず、2本の絶縁線心がより合わされて対より線心15が形成され、抗張力を有する複数本の鋼線14をより合わせた支持線11をドラム(図示せず)に巻き取って準備作業を行う。ドラムに巻き取られた複数の対より線心15及び支持線11を該ドラムから引き出して、シース押出機の芯金(図示せず)に円弧上に形成されたガイド孔(図示せず)に夫々挿入する。
そして、夫々のガイド孔から複数組の対より線心15及び支持線11を引き出しながら、同時に塩化ビニルやポリエチレン等の合成樹脂を押し出して、支持線11及び複数組の対より線心15を一括して中空円筒形状に被覆することにより、情報用ブランチケーブル10を効率よく製作する。
【0020】
シース13の断面形状は、芯金に形成されたガイド孔の形状によって決まり、本実施形態のガイド孔の形状は、支持線11及び複数組の対より線心15の境界に溝13aを形成するための凹部(図示せず)が設けられた形状となっている。
ガイド孔の形状を適宜変形させることによって、溝13aの有無や位置、又は対より線心15の識別マーク等を情報用ブランチケーブル10に付けることも可能である。
【0021】
上述したように本実施形態の情報用ブランチケーブルの製造方法は、鋼線14よりなる支持線11と、2本の絶縁線心がより合わされて形成された複数組の対より線心15を、シース押出機の芯金に円弧上に配置された複数個のガイド孔から引き出しながら、同時に支持線11及び対より線心15の外表面を合成樹脂のシース13で中空円筒形状に被覆する方法である。
【0022】
本実施形態の作用を説明する。
図3に示すように、上述した情報用ブランチケーブル10を、例えばビル20に配線する場合、支持線11で情報用ブランチケーブル10に作用する外力を支えながら、ビル20内の主要部分に中空円筒形状のままの情報用ブランチケーブル10を幹線ケーブル21として配線する。
端末機器(図示せず)等への接続のために、分岐ケーブル22が必要な区域には、幹線ケーブル21(情報用ブランチケーブル10)から必要本数の対より線心15をシース13の溝13aに沿って切り離し、分岐ケーブル22として配線することにより分岐配線される。
【0023】
分岐ケーブル22の分岐は、必要本数の対より線心15をシース13の溝13aに沿って切り離すだけで分岐できるので、極めて容易に行うことができる。分岐は、分岐接続することなく行われるので、伝送特性が劣化することはない。
【0024】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、前述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、前述した実施形態では、支持線11及び対より線心15をリング状に配列させ、中空円筒形状のシースによって被覆するようにしたが、支持線11及び対より線心15を断面において直線又は円弧状に配列させ、それらを断面矩形又は円弧形状のシースで被覆するようにしてもよい。
上述したように、情報用ブランチケーブル10の形状は、配線される形態に最も適した任意の形状に変形させて製作することが可能である。
【0025】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の請求項1に記載した情報用ブランチケーブルによれば、支持線と複数組の対より線心とを、リング状に配列し、支持線及び対より線心の外表面を合成樹脂のシースにより中空円筒形状に被覆するようにしたので、従来の情報用ブランチケーブルの製造工程において必要であった情報用ケーブルのよりを戻す工程を省略することができる。これによって、製造工程を簡略化して生産性を向上させると共に、製品のコストを低減させて安価に情報用ブランチケーブルを製造することができる。
【0026】
また、支持線と複数組の対より線心とを一括し、シースによって同時に被覆するようにしたので、支持線及び複数組の対より線心の被覆工程を一回で行うことができ、被覆工数を大幅に削減することができる。
更に、支持線及び複数組の対より線心を被覆するシースの形状を、中空円筒形状としたので、外周面に凹凸がない形状とすることができる。従って、配線時に管路等の配線経路に引っ掛かることがなく、容易に配線することができる。
【0027】
また、本発明の請求項2に記載した情報用ブランチケーブルによれば、支持線及び複数本の対より線心の夫々の境界の被覆部に軸方向の溝を形成するようにしたので、分岐配線時に必要本数の対より線心を溝に沿って分離することにより、容易に分割することができ、分岐配線を容易に行うことができる。
また、シース材料の使用量を削減することができ、コストを低減することができる。
【0028】
また、本発明の請求項3に記載した情報用ブランチケーブルの製造方法によれば、支持線と複数組の対より線心を円弧上に配置された芯金のガイド孔から引き出しながら、合成樹脂のシースで同時に中空円筒形状に被覆するようにしたので、一回の被覆工程で支持線と複数組の対より線心を同時に被覆することができる。
従って、従来の情報用ブランチケーブルの製造工程において必要であった夫々の対より線心をシースで被覆する被覆工程、及び被覆された複数本の情報用ケーブルのよりを戻す工程をなくすことができ、情報用ブランチケーブルの製造効率を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の情報用ブランチケーブルの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1における情報用ブランチケーブルの横断面図である。
【図3】情報用ブランチケーブルの敷設概略図である。
【図4】従来の情報用ブランチケーブルを示す斜視図である。
【図5】図4における情報用ブランチケーブルの横断面図である。
【符号の説明】
10 情報用ブランチケーブル
11 支持線
12 情報用ケーブル
13 シース
13a 溝
14 鋼線
15 対より線心
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報用ブランチケーブル及びその製造方法に関し、より詳細には、幹線ケーブルと分岐ケーブルとを分岐接続せずに分岐させ、これによって伝送特性の低下を招くことなく容易に分岐させることができる情報用ブランチケーブル及び情報用ブランチケーブル製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の配線用ブランチケーブルは、幹線ケーブルの途中に分岐ケーブルを結線して分岐させ、それらの結線部位を絶縁性を有するモールド部で被覆するようにしたものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
周波数の高い信号を伝送する情報用のブランチケーブルでは、幹線ケーブルから分岐接続部によって分岐ケーブルを分岐させると、伝送特性が低下してしまう問題点があり、最近は分岐接続のない情報用ブランチケーブルにより分岐させるようになっている。
【0004】
図4及び図5に示すように、従来の情報用ブランチケーブル1は、複数本の鋼線をより合わせた支持用の鋼より線2を中心に位置させ、その周囲に合成樹脂のシース4で外表面が被覆された情報用ケーブル3を鋼より線2により合わせて配置することにより、分岐接続なしで分岐できるようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−84410号公報(第2−3頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の情報用ブランチケーブル1は、複数組の対より線心にシース4を被覆して情報用ケーブル3を製作した後、複数本の情報用ケーブル3をより合わせる工程によって製作されるので、生産性に劣り、コストも高くなる問題点があった。
また、分岐させる場合、情報用ケーブル3のよりを戻しながら分岐させなければならず、作業性が悪く分岐配線がやり難い欠点があった。
【0007】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、伝送特性を低下させることなく容易に分岐が可能であり、且つ生産性の高い情報用ブランチケーブルを安価に提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載した情報用ブランチケーブルは、抗張力を有する鋼線よりなる支持線と、軸線方向と直交する断面において前記支持線と共にリング状に配列され、互いにより合わされた複数組の対より線心と、合成樹脂により前記支持線及び前記対より線心の外表面を被覆する中空円筒形状のシースとを備えたことを特徴としている。
【0009】
前記構成の情報用ブランチケーブルによれば、支持線と複数組の対より線心とをリング状に配列し、支持線及び対より線心の外表面を合成樹脂のシースにより中空円筒形状に被覆するようにしたので、従来の情報用ブランチケーブルの製造工程において必要であった情報用ケーブルのよりを戻す工程を省略することができる。これによって、製造工程を簡略化して生産性を向上させると共に、製品のコストを低減させて安価に情報用ブランチケーブルを製造することができる。
【0010】
また、支持線と複数組の対より線心とを一括し、シースによって同時に被覆するようにしたので、支持線及び複数組の対より線心の被覆工程を一回で行うことができ、被覆工数を大幅に低減することができる。
更に、支持線及び複数組の対より線心を被覆するシースの形状を、中空円筒形状としたので、外周面に凹凸がない形状とすることができる。従って、配線時に管路等の配線経路に引っ掛かることがなく、容易に配線することができる。
【0011】
本発明に係る請求項2に記載した情報用ブランチケーブルは、請求項1に記載した情報用ブランチケーブルであって、前記シースは、前記支持線及び複数組の前記対より線心の夫々の境界の被覆部に軸方向の溝が形成されたことを特徴としている。
【0012】
前記構成の情報用ブランチケーブルによれば、支持線及び複数組の対より線心の夫々の境界の被覆部に軸方向の溝を形成するようにしたので、分岐配線時に必要組数の対より線心を溝に沿って分離することにより、容易に分割することができ、分岐配線を容易に行うことができるので生産性の向上を図ることができる。
また、シース材料の使用量を削減することができ、コストを低減することができる。
【0013】
本発明に係る請求項3に記載した情報用ブランチケーブルの製造方法は、鋼線よりなる支持線と、一対の絶縁線心が互いにより合わされ複数組の対より線心を、シース押出機の芯金に円弧上に配置された複数個のガイド孔から引き出しながら、同時に前記支持線及び前記対より線心の外表面を合成樹脂のシースで中空円筒形状に被覆することを特徴としている。
【0014】
前記構成の情報用ブランチケーブルの製造方法によれば、支持線と複数本の対より線心を、芯金に円弧上に配置されたガイド孔から引き出しながら、同時に合成樹脂のシースで中空円筒形状に被覆するようにしたので、一回の被覆工程で支持線と複数組の対より線心を同時に被覆することができる。
従って、従来の製造工程で必要であった夫々の対より線心をシースで被覆する被覆工程、及び被覆された複数本の情報用ケーブルをより戻す工程をなくすことができ、情報用ブランチケーブルの製造効率を大幅に向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る一実施形態を図1乃至図3に基づいて詳細に説明する。図1は情報用ブランチケーブルの斜視図、図2は情報用ブランチケーブルの横断面図、図3は情報用ブランチケーブルの敷設概略図である。
【0016】
図1及び図2に示すように、本実施形態の情報用ブランチケーブル10は、支持線11と、対より線心15と、シース13とを備えている。支持線11は、抗張力を有する複数本の鋼線14がより合わされて構成されており、情報用ブランチケーブル10が敷設された時、情報用ブランチケーブル10に作用する外力を主に分担して、対より線心15に作用する外力を軽減させて対より線心15を外力から保護するようになっている。
【0017】
対より線心15は、情報を伝送するための信号線、例えばLAN(Local AreaNetwork)用であって、複数対の対より線心15がより合わされて情報用ケーブル12が形成される。そして、複数本の情報用ケーブル(LANケーブル)12が、支持線11と共に、軸線方向と直交する断面において、リング状に配列され、全体として中空円筒形状をなしている。
【0018】
シース13は、支持線11及び複数組の対より線心15を被覆するためのものであって、塩化ビニルやポリエチレン等の合成樹脂を、断面リング状に配列させた支持線11及び対より線心15の外表面に均等に付着させて中空円筒形状に形成されている。支持線11及び複数組の対より線心15の夫々の境界の被覆部には、軸方向に溝13aが全長にわたって形成されている。
【0019】
次に、情報用ブランチケーブル10の製造方法について概略を説明する。
先ず、2本の絶縁線心がより合わされて対より線心15が形成され、抗張力を有する複数本の鋼線14をより合わせた支持線11をドラム(図示せず)に巻き取って準備作業を行う。ドラムに巻き取られた複数の対より線心15及び支持線11を該ドラムから引き出して、シース押出機の芯金(図示せず)に円弧上に形成されたガイド孔(図示せず)に夫々挿入する。
そして、夫々のガイド孔から複数組の対より線心15及び支持線11を引き出しながら、同時に塩化ビニルやポリエチレン等の合成樹脂を押し出して、支持線11及び複数組の対より線心15を一括して中空円筒形状に被覆することにより、情報用ブランチケーブル10を効率よく製作する。
【0020】
シース13の断面形状は、芯金に形成されたガイド孔の形状によって決まり、本実施形態のガイド孔の形状は、支持線11及び複数組の対より線心15の境界に溝13aを形成するための凹部(図示せず)が設けられた形状となっている。
ガイド孔の形状を適宜変形させることによって、溝13aの有無や位置、又は対より線心15の識別マーク等を情報用ブランチケーブル10に付けることも可能である。
【0021】
上述したように本実施形態の情報用ブランチケーブルの製造方法は、鋼線14よりなる支持線11と、2本の絶縁線心がより合わされて形成された複数組の対より線心15を、シース押出機の芯金に円弧上に配置された複数個のガイド孔から引き出しながら、同時に支持線11及び対より線心15の外表面を合成樹脂のシース13で中空円筒形状に被覆する方法である。
【0022】
本実施形態の作用を説明する。
図3に示すように、上述した情報用ブランチケーブル10を、例えばビル20に配線する場合、支持線11で情報用ブランチケーブル10に作用する外力を支えながら、ビル20内の主要部分に中空円筒形状のままの情報用ブランチケーブル10を幹線ケーブル21として配線する。
端末機器(図示せず)等への接続のために、分岐ケーブル22が必要な区域には、幹線ケーブル21(情報用ブランチケーブル10)から必要本数の対より線心15をシース13の溝13aに沿って切り離し、分岐ケーブル22として配線することにより分岐配線される。
【0023】
分岐ケーブル22の分岐は、必要本数の対より線心15をシース13の溝13aに沿って切り離すだけで分岐できるので、極めて容易に行うことができる。分岐は、分岐接続することなく行われるので、伝送特性が劣化することはない。
【0024】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、前述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、前述した実施形態では、支持線11及び対より線心15をリング状に配列させ、中空円筒形状のシースによって被覆するようにしたが、支持線11及び対より線心15を断面において直線又は円弧状に配列させ、それらを断面矩形又は円弧形状のシースで被覆するようにしてもよい。
上述したように、情報用ブランチケーブル10の形状は、配線される形態に最も適した任意の形状に変形させて製作することが可能である。
【0025】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の請求項1に記載した情報用ブランチケーブルによれば、支持線と複数組の対より線心とを、リング状に配列し、支持線及び対より線心の外表面を合成樹脂のシースにより中空円筒形状に被覆するようにしたので、従来の情報用ブランチケーブルの製造工程において必要であった情報用ケーブルのよりを戻す工程を省略することができる。これによって、製造工程を簡略化して生産性を向上させると共に、製品のコストを低減させて安価に情報用ブランチケーブルを製造することができる。
【0026】
また、支持線と複数組の対より線心とを一括し、シースによって同時に被覆するようにしたので、支持線及び複数組の対より線心の被覆工程を一回で行うことができ、被覆工数を大幅に削減することができる。
更に、支持線及び複数組の対より線心を被覆するシースの形状を、中空円筒形状としたので、外周面に凹凸がない形状とすることができる。従って、配線時に管路等の配線経路に引っ掛かることがなく、容易に配線することができる。
【0027】
また、本発明の請求項2に記載した情報用ブランチケーブルによれば、支持線及び複数本の対より線心の夫々の境界の被覆部に軸方向の溝を形成するようにしたので、分岐配線時に必要本数の対より線心を溝に沿って分離することにより、容易に分割することができ、分岐配線を容易に行うことができる。
また、シース材料の使用量を削減することができ、コストを低減することができる。
【0028】
また、本発明の請求項3に記載した情報用ブランチケーブルの製造方法によれば、支持線と複数組の対より線心を円弧上に配置された芯金のガイド孔から引き出しながら、合成樹脂のシースで同時に中空円筒形状に被覆するようにしたので、一回の被覆工程で支持線と複数組の対より線心を同時に被覆することができる。
従って、従来の情報用ブランチケーブルの製造工程において必要であった夫々の対より線心をシースで被覆する被覆工程、及び被覆された複数本の情報用ケーブルのよりを戻す工程をなくすことができ、情報用ブランチケーブルの製造効率を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の情報用ブランチケーブルの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1における情報用ブランチケーブルの横断面図である。
【図3】情報用ブランチケーブルの敷設概略図である。
【図4】従来の情報用ブランチケーブルを示す斜視図である。
【図5】図4における情報用ブランチケーブルの横断面図である。
【符号の説明】
10 情報用ブランチケーブル
11 支持線
12 情報用ケーブル
13 シース
13a 溝
14 鋼線
15 対より線心
Claims (3)
- 抗張力を有する鋼線よりなる支持線と、軸線方向と直交する断面において前記支持線と共にリング状に配列され、互いにより合わされた複数組の対より線心と、合成樹脂により前記支持線及び前記対より線心の外表面を被覆する中空円筒形状のシースとを備えたことを特徴とする情報用ブランチケーブル。
- 前記シースは、前記支持線及び複数組の前記対より線心の夫々の境界の被覆部に軸線方向の溝が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の情報用ブランチケーブル。
- 鋼線よりなる支持線と、一対の絶縁線心が互いにより合わされた複数組の対より線心を、シース押出機の芯金に円弧上に配置された複数個のガイド孔から引き出しながら、同時に前記支持線及び前記対より線心の外表面を合成樹脂のシースで中空円筒形状に被覆することを特徴とする情報用ブランチケーブルの製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2003006337A JP2004220900A (ja) | 2003-01-14 | 2003-01-14 | 情報用ブランチケーブル及び情報用ブランチケーブルの製造方法 |
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JP2003006337A JP2004220900A (ja) | 2003-01-14 | 2003-01-14 | 情報用ブランチケーブル及び情報用ブランチケーブルの製造方法 |
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Family Applications (1)
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JP2003006337A Pending JP2004220900A (ja) | 2003-01-14 | 2003-01-14 | 情報用ブランチケーブル及び情報用ブランチケーブルの製造方法 |
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2003
- 2003-01-14 JP JP2003006337A patent/JP2004220900A/ja active Pending
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