JP2004220284A - 症例情報処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】症例情報作成環境等がWebページの利用に適していない場合でも症例情報作成を容易にできるようにする。
【解決手段】症例情報ファイル作成部42は、作成者による症例関連のデータの入力に応じて、データが書き込まれた症例情報ファイルを作成する。症例情報は、臨床研究の症例調査登録票および症例報告書(CRF)を含む。提出処理部44は、症例情報ファイル作成部42により作成された症例情報ファイルを用いて、症例情報提出のための処理を行う。提出処理部44は、症例情報ファイルに書き込まれたデータを有し、所定の提出先のアドレスへ送信されるべき電子メールを自動作成する処理を行う。Webページを用いずに症例情報データの作成と通信ができる。インターネット非接続状態で症例情報ファイルを作成し、電子メール化し、後に送信するといった処理が可能である。
【選択図】 図3
【解決手段】症例情報ファイル作成部42は、作成者による症例関連のデータの入力に応じて、データが書き込まれた症例情報ファイルを作成する。症例情報は、臨床研究の症例調査登録票および症例報告書(CRF)を含む。提出処理部44は、症例情報ファイル作成部42により作成された症例情報ファイルを用いて、症例情報提出のための処理を行う。提出処理部44は、症例情報ファイルに書き込まれたデータを有し、所定の提出先のアドレスへ送信されるべき電子メールを自動作成する処理を行う。Webページを用いずに症例情報データの作成と通信ができる。インターネット非接続状態で症例情報ファイルを作成し、電子メール化し、後に送信するといった処理が可能である。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、臨床研究の症例情報を作成し、提出する作業を支援する症例情報処理装置に関する。本明細書(特許請求の範囲を含む)において、症例情報は、症例調査登録票および症例報告書の少なくとも一方に対応するものである。本発明は、特に症例情報の作成等の作業を容易にする装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、臨床研究(臨床試験を含む、本明細書全体(特許請求の範囲を含む)において同じ)の分野では、病院等の施設で症例情報が作成される。症例情報は、上述のように、症例調査登録票および症例報告書を含む。症例報告書(CRF:Case Report Form)は、試験/研究依頼者に対し各被験者に関して報告することが試験/研究実施計画書において規定されている、全ての情報を記録するための印刷された又は光学的若しくは電子的な記録様式及びこれらに記録されたものである。
【0003】
症例情報の作成には、従来一般には紙が用いられている。すなわち、症例情報の用紙にデータが書き込まれ、提出される。これに対して、症例情報の作成にインターネットのWEBページを利用することが提案され、実現されている。この場合、症例情報作成者は、試験施設の端末から症例情報作成用のWebページへアクセスし、Webページ上に症例関連のデータを書き込む。Webページを利用することで、CRF等の作成および提出が容易になる(例えば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−189805号公報(第4、5ページ、図1〜3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
Webページを利用する場合には、通常はインターネットが接続された状態で症例情報作成作業が行われる。しかしながら、試験施設によっては、症例情報を作成する場所とインターネット接続端子が離れていることがある。また、試験施設によっては、インターネットへの接続が許可されていないこともある。また、試験施設によっては、回線契約にて従量制料金が採用されており、Webページへの長時間の接続により料金が嵩むことがある。また、臨床研究に関与する医師等の作成者がインターネットに不慣れな場合もあり、また、そのような医師等がインターネットを信用しない場合もある。さらには、インターネット通信のための無線接続装置を用いる場合に、症例情報作成場所で電波状態が不良な場合もある。さらに、Webページを使うと、ブラウザの種類による制約を受ける場合もある。
【0006】
そして、このような作業環境等の各種の要因の一又は複数により、Webページを利用することが作成者にとって容易でないことがある。
【0007】
本発明は、上記背景の下でなされたものであり、その主な目的は、症例情報作成環境等がWebページの利用に適していない場合でも症例情報作成を容易にできる技術を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の症例情報処理装置は、入力者による症例関連のデータの入力を受け付ける入力受付手段と、前記入力受付手段でのデータの入力の受付けに応じて、データが書き込まれた症例情報ファイルを作成する症例情報ファイル作成手段と、前記症例情報ファイル作成手段により作成された症例情報ファイルを用いて、症例情報提出のための処理を行う提出処理手段と、を含み、前記提出処理手段は、前記症例情報ファイルに書き込まれたデータを有し、所定の提出先のアドレスへ送信されるべき電子メールを自動作成する処理を行う。
【0009】
このように、本発明によれば、症例情報処理装置にて症例情報ファイルが作成され、それから、症例情報ファイルに書き込まれたデータを有する電子メールが自動作成される。したがって、Webページが使用されなくてもよいので、接続状態での使用が求められるWebページ利用に伴う上述の各種の不利が軽減される。例えば、電子メールは作成後直ちに送信されずに、時間が経ってから送信されてもよい。したがって、インターネット接続不能な場所で症例情報を作成して、後に送信するといったことが可能になる。こうして、本発明によれば、Webページ利用の不利を軽減して、症例情報の作成作業を容易にすることが可能になる。
【0010】
好ましくは、前記提出処理手段は、前記症例情報ファイルに対応するメール添付ファイルを作成する手段と、前記メール添付ファイルが添付され、前記所定の提出先のアドレスが書き込まれた電子メールを作成する手段と、を含む。
【0011】
好ましくは、前記メール添付ファイルを作成する手段は、前記症例情報ファイルに書き込まれた症例関連のデータを、前記症例情報ファイルから抽出して、抽出データを含むファイルを前記メール添付ファイルとして作成する。例えば、メール添付ファイルは、XML形式で作成される。これにより、電子メールのデータ量を大幅に軽減し、通信負荷を軽減できる。
【0012】
好ましくは、本発明の症例情報処理装置は、前記提出処理手段により症例情報提出のための処理が行われるときに、前記症例情報ファイルに電子署名を施す手段を含む。これにより、症例情報の改竄を好適に防止することができる。
【0013】
好ましくは、前記症例情報ファイルには、前記症例情報ファイルに書き込まれる症例関連のデータの適否を判定するロジカルチェックアルゴリズムが組み込まれている。これにより、症例情報ファイルの処理には汎用のソフトウエアを使いつつも、症例情報ファイルに備わったロジカルチェックアルゴリズムを使ってロジカルチェックを行うことができ、症例情報ファイルへの入力データの適正化が図れる。
【0014】
好ましくは、本発明の症例情報処理装置には症例情報ファイル指定手段が設けられ、この症例情報ファイル指定手段は、各々に予め薬剤が割り付けられた複数の症例情報ファイルから、被験者のための一つの症例情報ファイルを指定することで、前記被験者に対する薬剤割付を実現する。本発明によれば、薬剤割付を容易かつ適切に行うことができる。
【0015】
本発明は上記の装置の態様には限定されない。本発明の別の態様は、例えば、方法、プログラムまたはプログラム記録媒体である。また例えば、本発明の別の態様は、上述の症例情報処理装置とデータセンタ等のサーバを含むシステムである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本実施の形態の症例情報処理装置を含んだ症例情報データ収集システム1を示している。症例情報は、既に説明したように、症例調査登録票および症例報告書(CRF)の少なくとも一方に対応する。本実施の形態では、症例調査登録票が主として説明されるが、本発明が、CRFのために利用されてよいことはもちろんである。
【0018】
図1において、症例情報処理装置3は、病院等の臨床研究施設に設けられたコンピュータであり、インターネット5を介して、データセンタに設けられたメールサーバ7に接続される。図示されないが、多数の症例情報処理装置3がメールサーバ7に接続される。
【0019】
症例情報処理装置3は、図示のように、ペン型のバーコードリーダ9を備える。また、付属の入力用シート11には、症例情報に書き込まれるべき症例関連の各種データに対応するバーコードが印刷されている。バーコードリーダ9で入力用シート11のバーコードを読み取ることで、症例情報の書込のためのデータ入力が行われる。この種の便利な入力関連技術は、前出の特開2002−189805号公報に開示されている。
【0020】
図2は、症例情報処理装置3の構成を示している。図示のように、症例情報処理装置3は、CPU20、ROM22、RAM24、通信装置26、ハードディスク28、媒体装着部30、入力装置32および出力装置34といった通常の汎用コンピュータに見られる各種構成を備える。
【0021】
CPU20が、コンピュータにインストールされたプログラムを実行することで、症例情報処理装置3が実現される。本実施の形態の症例情報処理装置3は、典型的には、Adobe Acrobat5.0(登録商標)と、その制御を受ける適当なメールソフトを用いて実現可能である。前者のデータ入力機能および電子署名機能が利用される。
【0022】
また、通信装置26は、インターネットとの接続機能をもち、通信装置26から電子メールが送出される。LANを経由して電子メールが送出されてもよい。
【0023】
また、媒体装着部30には、症例情報ファイルを記録したCD−R等の記録媒体が装着される。記録媒体から症例情報ファイルが読み込まれ、そこへデータが書き込まれて、症例情報が作成される。
【0024】
また、入力装置32には、図1のバーコードリーダ9と共に、キーボードおよびポインティングデバイスが含まれる。キーボード等もデータ入力に使用されてよい。また、出力装置34は、典型的にはディスプレイおよびプリンタである。
【0025】
次に、図3は、症例情報処理装置3の機能ブロック図を示している。症例情報情報処理装置3は、症例情報ファイル記憶部40、症例情報ファイル作成部42および提出処理部44を含む。
【0026】
症例情報ファイル記憶部40は、複数の被験者に各々対応する複数の症例情報ファイルを記憶する。症例情報ファイルは、本実施の形態では、症例調査登録票のフォーマットに相当する情報を有する(本実施の形態がCRFに適用されるときは、症例情報ファイルは、CRFのフォーマットに相当する情報を有する)。各症例情報ファイルには、被験者に投与されるべき薬剤が割り付けられる。本実施の形態では、動的薬剤割付が行われる。この動的薬剤割付では、各被験者(または各症例情報ファイル)に対応する薬剤が、複数の薬剤の中からランダムに選択される。例えば乱数を用いた抽選が行われる。そして、選択された薬剤が、症例情報ファイルに対応付けて記憶され、臨床研究・臨床研究で使用される。
【0027】
症例情報ファイル作成部42は、データ入力受付部46およびロジカルチェック部48を含む。データ入力受付部46は、症例情報作成者により入力された症例関連のデータを受け付ける。データは、前述のように、バーコードリーダを用いて入力される。また、キーボードおよびポインティングデバイスも適当に併用されてよい。そして、入力データが症例情報ファイルに書き込まれる。
【0028】
各々の症例情報ファイルには、ロジカルチェックアルゴリズムが組み込まれている。ロジカルチェックアルゴリズムは、症例情報ファイルに書き込まれる症例関連のデータの適否を判定する機能をもつ。例えば、存在しえない血圧データがロジカルチェックで判別され、作成者に提示され、確認および修正が促される。このロジカルチェックアルゴリズムは、ロジカルチェック部48により実行される。
【0029】
提出処理部44は、症例情報ファイル作成部42により作成された症例情報ファイルを用いて、症例情報提出のための処理を行う。提出処理部44は、以下のように、症例情報ファイルに書き込まれたデータを有し、所定の提出先のアドレスへ送信されるべき電子メールを自動作成する。
【0030】
本実施の形態では、提出処理部44は、登録指示受付部50、仮固定処理部52、電子署名部54、メール添付ファイル作成部56、電子メール作成部58を含む。
【0031】
登録指示受付部50は、作成者からの登録の指示を受け付ける。作成者は、症例情報ファイルへデータを書き込んだ後、症例情報登録の指示ボタンを操作する。この操作のために、画面上には登録ボタンが表示されており、登録ボタンがポインティングデバイスによりクリックされる。そして、登録指示の操作はコンピュータに入力され、登録指示受付部50に受け付けられる。なお、症例情報提出の指示を受け付けるためには、上記の画面上の登録指示ボタンに限らず、別の適当な構成が設けられてもよい。
【0032】
登録の指示が受け付けられると、仮固定処理部52が、症例情報ファイルを読取専用状態にする。これを症例情報データの仮固定と呼ぶ。ここでのデータの固定は、症例情報が変更できない状態にすることを意味する。なお、本固定は、データセンタへの送信後に行われる。また、症例情報ファイルのデータには、電子署名部54により電子署名が施される。そして、電子署名が施されたデータは原本として症例情報処理装置3内でローカルに保存される。このような構成により、データの改竄を効果的に防止できる。
【0033】
メール添付ファイル作成部56は、症例情報ファイルに対応するメール添付ファイルを作成する。例えば、症例情報ファイルが、Adobe Acrobat5.0(登録商標)に適合するPDFのフォーマットを有するとする。メール添付ファイル作成部56は、症例情報ファイルから、そこに書き込まれたデータを抽出し、抽出されたデータを含んだXML形式のファイルを作成する。このような抽出処理によって送信データ量を削減できる。
【0034】
電子メール作成部58は、上記のメール添付ファイルが添付され、所定の提出先のアドレスが書き込まれた電子メールを作成する。提出先のアドレスは、図1のメールサーバに電子メールを送るためのアドレスであり、症例情報ファイルに含まれるかたちで予め記憶されている。この記憶されたメールアドレスが読み出され、電子メールの送付先欄に書き込まれる。
【0035】
電子メール作成部58は、適当なメールソフトを起動して、そのメールソフトに電子メールを作成させることで上記の処理を実現する。前述のように、本実施の形態では、Adobe Acrobat5.0(登録商標)が好適に用いられる。この場合、前出の登録ボタンと関連づけて、メールソフトの起動、アドレスの記入、およびメール添付ファイルの添付処理が好適に設定される。
【0036】
電子メール作成部58によって作成された電子メールは、インターネットでデータセンタへ送られる。上述の一連の処理は、インターネットに症例情報処理装置3が接続された状態で行われてもよい。この場合には、電子メールは直ちに送信されてもよい。
【0037】
一方、上述の処理は、ローカルで、すなわち、インターネットに接続されない状態で行われてもよい。この場合には、電子メールは直ちに送信されない。後にインターネット接続が確立されたときに、電子メールが送信されてよい。
【0038】
図4〜図8は、本実施の形態の症例情報処理装置3で表示される画面の例を示している。
【0039】
図4は、症例情報ファイルへデータを書き込むための画面である。画面のチェックボタンがポインティングデバイスによりクリックされると、図5に示されるように、症例情報ファイルに添付されたロジカルチェックアルゴリズムが実行され、チェック結果(図5、丸印)が表示される。
【0040】
また、図6(丸印)に示されるように、バーコード付きの入力用紙とバーコードリーダを使ってデータが容易に入力される。図7(丸印)に示すように、コードで入力されたデータは、チェックボタン操作に応じて通常の用語等に変換される。したがって、作成者は、入力内容を容易に確認できる。
【0041】
図8は、データの書込後に登録ボタンが押されたときの画面である。自動的に電子メールが作成されている。電子メールには、アドレスが書き込まれており、かつ、XML形式の添付ファイルが添付されている。この添付ファイルに、作成者によって書き込まれたデータが含まれている。データの抽出により、添付ファイルのデータ量は大幅に少なくなっている。
【0042】
図9は、本実施の形態の症例情報処理装置3の動作を示している。作成者による症例関連のデータの入力に応じて、データが書き込まれた症例情報ファイルが作成される(S10)。このとき、チェックボタンの操作に応じて、症例情報ファイルに組み込まれたロジカルチェックアルゴリズムが実行され、ロジカルチェックが行われる。
【0043】
作成者によりボタン(本実施の形態では登録ボタン)が操作されると、この操作が受け付けられる(S12)。この操作に応答して、症例情報ファイルを読取専用状態にする仮固定が行われ、また、症例情報ファイルに電子署名が施され、ファイルは原本として保存される(S14)。それと共に、症例情報ファイルの書込データが抽出されて、XML形式のメール添付ファイルが作成され(S16)、そのファイルを添付した電子メールが作成される(S18)。前述したように、電子メール作成部58が、適当なメールソフトを起動させ、そのメールソフトにメールを作成させる。
【0044】
症例情報処理装置3がインターネットに接続中か否かが判定され(S20)、接続中であれば電子メールが送出される(S22)。接続中でなければ、電子メールはメールソフトにて保存されることになる(S24)。保存メールは後にインターネット接続時に送出される。
【0045】
以上に説明したように、本実施の形態では、症例情報処理装置にて症例情報ファイルが作成され、それから、症例情報ファイルに書き込まれたデータを有する電子メールが自動作成される。
【0046】
インターネット接続状態での作業が前提になるWebページ利用型の従来装置と異なり、本実施の形態の装置では、インターネット接続状態で症例情報作成作業が行われなくてよい。すなわち、オフライン状態で症例情報作成作業が行われて、電子メールが作成され、そのメールが後に送信されればよい。
【0047】
したがって、症例情報を作成する場所とインターネット接続端子が離れているような試験施設でも本実施の形態の症例情報処理装置は好適に利用される。また、Webページへの接続が許可されていない試験施設でも利用可能である。また、メール送信を行えるだけの通信時間が確保されればよいので、回線契約にて従量制料金が採用されているような場合でも、通信費を抑えられる。また、Webページ操作に慣れない作成者でも容易に扱える。さらには、インターネット通信のための無線接続装置を用いる場合に、症例情報作成場所で電波状態が不良な場合でも、作業が可能である。さらに、Webページを使う場合のようなブラウザの種類の制約を受けずに済む。
【0048】
このようにして、本実施の形態によれば、症例情報の電子メールの自動作成機能を設けたので、Webページ利用に伴う上述の各種の不利が軽減され、症例情報の作成作業を容易にすることが可能になる。
【0049】
また、本実施の形態によれば、メール添付ファイルを作成するときに、症例情報ファイルに書き込まれた症例関連のデータが症例情報ファイルから抽出される。したがって、電子メールのデータ量を大幅に軽減し、通信負荷を軽減できる。
【0050】
また、本実施の形態によれば、症例情報提出のためのメール作成処理を行うときに、症例情報ファイルに電子署名が施される。したがって、症例情報の改竄を好適に防止することができる。
【0051】
また、本実施の形態によれば、症例情報ファイルに組み込まれたロジカルチェックアルゴリズムが実行されて、症例情報ファイルに書き込まれる症例関連のデータの適否が判定される。これにより、症例情報ファイルの処理には汎用のソフトウエアを使いつつも、症例情報ファイルに備わったロジカルチェックアルゴリズムを使ってロジカルチェックを行うことができ、症例情報ファイルへの入力データの適正化が図れる。
【0052】
図10は、本発明の別の実施形態を示している。本実施の形態は、図3の実施の形態と比べて、薬剤割付に関する処理が異なっている。
【0053】
すなわち、図3の実施の形態では、薬剤の動的割付が行われ、そこでは、各被験者の薬剤が、複数の薬剤からランダムに選択された。これに対し、本実施の形態では、薬剤の静的割付が行われる。この場合、例えば、10症例の試験を行う場合に、A薬剤は3症例、B薬剤は3症例、C薬剤は4症例というように、症例への割振りのバランスが決まっている。この割振バランスに従いつつも、どの被験者にどの薬剤を割り付けるかが適当に無作為に決定されることが望ましい。本実施の形態は、このような割付を実現するものである。
【0054】
図10を参照すると、本実施の形態では、症例情報処理装置3に症例情報ファイル指定部60が設けられており、以下のような機能をもつ。
【0055】
本実施の形態では、各々に予め薬剤が割り付けられた複数の症例情報ファイルを記憶したCD−R等の記録媒体が症例情報処理装置3へ装着される。これら症例情報ファイルはインターネットでダウンロードされてもよい。これら症例情報ファイルは、症例情報ファイル記憶部40に格納される。
【0056】
上記のように症例情報ファイル記憶部40の複数のCRFの各々には予め薬剤が割り付けられている。症例情報ファイル指定部60は、一被験者のために、症例情報ファイル記憶部40に記憶された複数の症例情報ファイルの一つを自動的に指定する。各被験者のために、予め用意された複数の症例情報ファイルの一つが選択される。ここでは、症例情報ファイルの一つが抽選により選択されてもよい。また、予め適当に順番付けがなされた症例情報ファイルが順に選択されていってもよい。このようにして、薬剤の静的割付が適切に実現される。
【0057】
図11は、上記の静的割付処理を示している。症例情報ファイル記憶部40には、10症例のために10個の症例情報ファイルが記憶されている。3つのファイルには薬剤Aが、別の3つのファイルには薬剤Bが、残りの4つのファイルには薬剤Cが割り付けられている。図11の上段では、症例情報ファイルに対応する被験者は決まっていない。なお、図示のように、本実施の形態では、各症例情報ファイルが各々ロジカルチェックアルゴリズムをもっているが、それらの内容は共通でよい。
【0058】
図11の下段を参照すると、一人の被験者Xのために、薬剤Aが割り付けられた3個の症例情報ファイルの一つが指定されている。同様に、別の被験者Yのために、薬剤Bが割り付けられた3個の症例情報ファイルの一つが指定されており、また別の被験者Zのために、薬剤Cが割り付けられた4個の症例情報ファイルの一つが指定されている。これらの指定は、図10の症例情報ファイル指定部60により自動的に行われる。このような処理を10人の被験者に対して行うことで、10症例の症例情報ファイルの被験者と薬剤の組合せが適切に決定される。被験者を特定するデータは症例情報ファイルに記入され、保存され、試験等で使用される。
【0059】
以上に説明したように、本実施の形態によれば、どの薬剤を幾つの症例に割り振るかが予め決まっている状況で、薬剤割付を容易かつ適切に行うことができる。
【0060】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明が上述の実施の形態に限定されず、また、上述の実施の形態が当業者により本発明の範囲内で変形可能なことはもちろんである。
【0061】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、症例情報作成環境等がWebページの利用に適していない場合でも症例情報作成を容易にできる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の症例情報処理装置を含んだ症例情報データ収集システムを示す図である。
【図2】症例情報処理装置の構成を示す図である。
【図3】症例情報処理装置の構成を示す図である。
【図4】症例情報処理装置の表示画面の例を示す図である。
【図5】症例情報処理装置の表示画面の例を示す図である。
【図6】症例情報処理装置の表示画面の例を示す図である。
【図7】症例情報処理装置の表示画面の例を示す図である。
【図8】症例情報処理装置の表示画面の例を示す図である。
【図9】図3の症例情報処理装置の動作例を示すフローチャートである。
【図10】別の実施の形態の症例情報処理装置を示す図である。
【図11】図10の症例情報処理装置による薬剤割付処理を示す図である。
【符号の説明】
1 症例情報データ収集システム
3 症例情報処理装置
5 インターネット
7 メールサーバ
40 症例情報ファイル記憶部
42 症例情報ファイル作成部
44 提出処理部
46 データ入力受付部
48 ロジカルチェック部
50 登録指示受付部
52 仮固定処理部
54 電子署名部
56 メール添付ファイル作成部
58 電子メール作成部
60 症例情報ファイル指定部
【発明の属する技術分野】
本発明は、臨床研究の症例情報を作成し、提出する作業を支援する症例情報処理装置に関する。本明細書(特許請求の範囲を含む)において、症例情報は、症例調査登録票および症例報告書の少なくとも一方に対応するものである。本発明は、特に症例情報の作成等の作業を容易にする装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、臨床研究(臨床試験を含む、本明細書全体(特許請求の範囲を含む)において同じ)の分野では、病院等の施設で症例情報が作成される。症例情報は、上述のように、症例調査登録票および症例報告書を含む。症例報告書(CRF:Case Report Form)は、試験/研究依頼者に対し各被験者に関して報告することが試験/研究実施計画書において規定されている、全ての情報を記録するための印刷された又は光学的若しくは電子的な記録様式及びこれらに記録されたものである。
【0003】
症例情報の作成には、従来一般には紙が用いられている。すなわち、症例情報の用紙にデータが書き込まれ、提出される。これに対して、症例情報の作成にインターネットのWEBページを利用することが提案され、実現されている。この場合、症例情報作成者は、試験施設の端末から症例情報作成用のWebページへアクセスし、Webページ上に症例関連のデータを書き込む。Webページを利用することで、CRF等の作成および提出が容易になる(例えば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−189805号公報(第4、5ページ、図1〜3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
Webページを利用する場合には、通常はインターネットが接続された状態で症例情報作成作業が行われる。しかしながら、試験施設によっては、症例情報を作成する場所とインターネット接続端子が離れていることがある。また、試験施設によっては、インターネットへの接続が許可されていないこともある。また、試験施設によっては、回線契約にて従量制料金が採用されており、Webページへの長時間の接続により料金が嵩むことがある。また、臨床研究に関与する医師等の作成者がインターネットに不慣れな場合もあり、また、そのような医師等がインターネットを信用しない場合もある。さらには、インターネット通信のための無線接続装置を用いる場合に、症例情報作成場所で電波状態が不良な場合もある。さらに、Webページを使うと、ブラウザの種類による制約を受ける場合もある。
【0006】
そして、このような作業環境等の各種の要因の一又は複数により、Webページを利用することが作成者にとって容易でないことがある。
【0007】
本発明は、上記背景の下でなされたものであり、その主な目的は、症例情報作成環境等がWebページの利用に適していない場合でも症例情報作成を容易にできる技術を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の症例情報処理装置は、入力者による症例関連のデータの入力を受け付ける入力受付手段と、前記入力受付手段でのデータの入力の受付けに応じて、データが書き込まれた症例情報ファイルを作成する症例情報ファイル作成手段と、前記症例情報ファイル作成手段により作成された症例情報ファイルを用いて、症例情報提出のための処理を行う提出処理手段と、を含み、前記提出処理手段は、前記症例情報ファイルに書き込まれたデータを有し、所定の提出先のアドレスへ送信されるべき電子メールを自動作成する処理を行う。
【0009】
このように、本発明によれば、症例情報処理装置にて症例情報ファイルが作成され、それから、症例情報ファイルに書き込まれたデータを有する電子メールが自動作成される。したがって、Webページが使用されなくてもよいので、接続状態での使用が求められるWebページ利用に伴う上述の各種の不利が軽減される。例えば、電子メールは作成後直ちに送信されずに、時間が経ってから送信されてもよい。したがって、インターネット接続不能な場所で症例情報を作成して、後に送信するといったことが可能になる。こうして、本発明によれば、Webページ利用の不利を軽減して、症例情報の作成作業を容易にすることが可能になる。
【0010】
好ましくは、前記提出処理手段は、前記症例情報ファイルに対応するメール添付ファイルを作成する手段と、前記メール添付ファイルが添付され、前記所定の提出先のアドレスが書き込まれた電子メールを作成する手段と、を含む。
【0011】
好ましくは、前記メール添付ファイルを作成する手段は、前記症例情報ファイルに書き込まれた症例関連のデータを、前記症例情報ファイルから抽出して、抽出データを含むファイルを前記メール添付ファイルとして作成する。例えば、メール添付ファイルは、XML形式で作成される。これにより、電子メールのデータ量を大幅に軽減し、通信負荷を軽減できる。
【0012】
好ましくは、本発明の症例情報処理装置は、前記提出処理手段により症例情報提出のための処理が行われるときに、前記症例情報ファイルに電子署名を施す手段を含む。これにより、症例情報の改竄を好適に防止することができる。
【0013】
好ましくは、前記症例情報ファイルには、前記症例情報ファイルに書き込まれる症例関連のデータの適否を判定するロジカルチェックアルゴリズムが組み込まれている。これにより、症例情報ファイルの処理には汎用のソフトウエアを使いつつも、症例情報ファイルに備わったロジカルチェックアルゴリズムを使ってロジカルチェックを行うことができ、症例情報ファイルへの入力データの適正化が図れる。
【0014】
好ましくは、本発明の症例情報処理装置には症例情報ファイル指定手段が設けられ、この症例情報ファイル指定手段は、各々に予め薬剤が割り付けられた複数の症例情報ファイルから、被験者のための一つの症例情報ファイルを指定することで、前記被験者に対する薬剤割付を実現する。本発明によれば、薬剤割付を容易かつ適切に行うことができる。
【0015】
本発明は上記の装置の態様には限定されない。本発明の別の態様は、例えば、方法、プログラムまたはプログラム記録媒体である。また例えば、本発明の別の態様は、上述の症例情報処理装置とデータセンタ等のサーバを含むシステムである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本実施の形態の症例情報処理装置を含んだ症例情報データ収集システム1を示している。症例情報は、既に説明したように、症例調査登録票および症例報告書(CRF)の少なくとも一方に対応する。本実施の形態では、症例調査登録票が主として説明されるが、本発明が、CRFのために利用されてよいことはもちろんである。
【0018】
図1において、症例情報処理装置3は、病院等の臨床研究施設に設けられたコンピュータであり、インターネット5を介して、データセンタに設けられたメールサーバ7に接続される。図示されないが、多数の症例情報処理装置3がメールサーバ7に接続される。
【0019】
症例情報処理装置3は、図示のように、ペン型のバーコードリーダ9を備える。また、付属の入力用シート11には、症例情報に書き込まれるべき症例関連の各種データに対応するバーコードが印刷されている。バーコードリーダ9で入力用シート11のバーコードを読み取ることで、症例情報の書込のためのデータ入力が行われる。この種の便利な入力関連技術は、前出の特開2002−189805号公報に開示されている。
【0020】
図2は、症例情報処理装置3の構成を示している。図示のように、症例情報処理装置3は、CPU20、ROM22、RAM24、通信装置26、ハードディスク28、媒体装着部30、入力装置32および出力装置34といった通常の汎用コンピュータに見られる各種構成を備える。
【0021】
CPU20が、コンピュータにインストールされたプログラムを実行することで、症例情報処理装置3が実現される。本実施の形態の症例情報処理装置3は、典型的には、Adobe Acrobat5.0(登録商標)と、その制御を受ける適当なメールソフトを用いて実現可能である。前者のデータ入力機能および電子署名機能が利用される。
【0022】
また、通信装置26は、インターネットとの接続機能をもち、通信装置26から電子メールが送出される。LANを経由して電子メールが送出されてもよい。
【0023】
また、媒体装着部30には、症例情報ファイルを記録したCD−R等の記録媒体が装着される。記録媒体から症例情報ファイルが読み込まれ、そこへデータが書き込まれて、症例情報が作成される。
【0024】
また、入力装置32には、図1のバーコードリーダ9と共に、キーボードおよびポインティングデバイスが含まれる。キーボード等もデータ入力に使用されてよい。また、出力装置34は、典型的にはディスプレイおよびプリンタである。
【0025】
次に、図3は、症例情報処理装置3の機能ブロック図を示している。症例情報情報処理装置3は、症例情報ファイル記憶部40、症例情報ファイル作成部42および提出処理部44を含む。
【0026】
症例情報ファイル記憶部40は、複数の被験者に各々対応する複数の症例情報ファイルを記憶する。症例情報ファイルは、本実施の形態では、症例調査登録票のフォーマットに相当する情報を有する(本実施の形態がCRFに適用されるときは、症例情報ファイルは、CRFのフォーマットに相当する情報を有する)。各症例情報ファイルには、被験者に投与されるべき薬剤が割り付けられる。本実施の形態では、動的薬剤割付が行われる。この動的薬剤割付では、各被験者(または各症例情報ファイル)に対応する薬剤が、複数の薬剤の中からランダムに選択される。例えば乱数を用いた抽選が行われる。そして、選択された薬剤が、症例情報ファイルに対応付けて記憶され、臨床研究・臨床研究で使用される。
【0027】
症例情報ファイル作成部42は、データ入力受付部46およびロジカルチェック部48を含む。データ入力受付部46は、症例情報作成者により入力された症例関連のデータを受け付ける。データは、前述のように、バーコードリーダを用いて入力される。また、キーボードおよびポインティングデバイスも適当に併用されてよい。そして、入力データが症例情報ファイルに書き込まれる。
【0028】
各々の症例情報ファイルには、ロジカルチェックアルゴリズムが組み込まれている。ロジカルチェックアルゴリズムは、症例情報ファイルに書き込まれる症例関連のデータの適否を判定する機能をもつ。例えば、存在しえない血圧データがロジカルチェックで判別され、作成者に提示され、確認および修正が促される。このロジカルチェックアルゴリズムは、ロジカルチェック部48により実行される。
【0029】
提出処理部44は、症例情報ファイル作成部42により作成された症例情報ファイルを用いて、症例情報提出のための処理を行う。提出処理部44は、以下のように、症例情報ファイルに書き込まれたデータを有し、所定の提出先のアドレスへ送信されるべき電子メールを自動作成する。
【0030】
本実施の形態では、提出処理部44は、登録指示受付部50、仮固定処理部52、電子署名部54、メール添付ファイル作成部56、電子メール作成部58を含む。
【0031】
登録指示受付部50は、作成者からの登録の指示を受け付ける。作成者は、症例情報ファイルへデータを書き込んだ後、症例情報登録の指示ボタンを操作する。この操作のために、画面上には登録ボタンが表示されており、登録ボタンがポインティングデバイスによりクリックされる。そして、登録指示の操作はコンピュータに入力され、登録指示受付部50に受け付けられる。なお、症例情報提出の指示を受け付けるためには、上記の画面上の登録指示ボタンに限らず、別の適当な構成が設けられてもよい。
【0032】
登録の指示が受け付けられると、仮固定処理部52が、症例情報ファイルを読取専用状態にする。これを症例情報データの仮固定と呼ぶ。ここでのデータの固定は、症例情報が変更できない状態にすることを意味する。なお、本固定は、データセンタへの送信後に行われる。また、症例情報ファイルのデータには、電子署名部54により電子署名が施される。そして、電子署名が施されたデータは原本として症例情報処理装置3内でローカルに保存される。このような構成により、データの改竄を効果的に防止できる。
【0033】
メール添付ファイル作成部56は、症例情報ファイルに対応するメール添付ファイルを作成する。例えば、症例情報ファイルが、Adobe Acrobat5.0(登録商標)に適合するPDFのフォーマットを有するとする。メール添付ファイル作成部56は、症例情報ファイルから、そこに書き込まれたデータを抽出し、抽出されたデータを含んだXML形式のファイルを作成する。このような抽出処理によって送信データ量を削減できる。
【0034】
電子メール作成部58は、上記のメール添付ファイルが添付され、所定の提出先のアドレスが書き込まれた電子メールを作成する。提出先のアドレスは、図1のメールサーバに電子メールを送るためのアドレスであり、症例情報ファイルに含まれるかたちで予め記憶されている。この記憶されたメールアドレスが読み出され、電子メールの送付先欄に書き込まれる。
【0035】
電子メール作成部58は、適当なメールソフトを起動して、そのメールソフトに電子メールを作成させることで上記の処理を実現する。前述のように、本実施の形態では、Adobe Acrobat5.0(登録商標)が好適に用いられる。この場合、前出の登録ボタンと関連づけて、メールソフトの起動、アドレスの記入、およびメール添付ファイルの添付処理が好適に設定される。
【0036】
電子メール作成部58によって作成された電子メールは、インターネットでデータセンタへ送られる。上述の一連の処理は、インターネットに症例情報処理装置3が接続された状態で行われてもよい。この場合には、電子メールは直ちに送信されてもよい。
【0037】
一方、上述の処理は、ローカルで、すなわち、インターネットに接続されない状態で行われてもよい。この場合には、電子メールは直ちに送信されない。後にインターネット接続が確立されたときに、電子メールが送信されてよい。
【0038】
図4〜図8は、本実施の形態の症例情報処理装置3で表示される画面の例を示している。
【0039】
図4は、症例情報ファイルへデータを書き込むための画面である。画面のチェックボタンがポインティングデバイスによりクリックされると、図5に示されるように、症例情報ファイルに添付されたロジカルチェックアルゴリズムが実行され、チェック結果(図5、丸印)が表示される。
【0040】
また、図6(丸印)に示されるように、バーコード付きの入力用紙とバーコードリーダを使ってデータが容易に入力される。図7(丸印)に示すように、コードで入力されたデータは、チェックボタン操作に応じて通常の用語等に変換される。したがって、作成者は、入力内容を容易に確認できる。
【0041】
図8は、データの書込後に登録ボタンが押されたときの画面である。自動的に電子メールが作成されている。電子メールには、アドレスが書き込まれており、かつ、XML形式の添付ファイルが添付されている。この添付ファイルに、作成者によって書き込まれたデータが含まれている。データの抽出により、添付ファイルのデータ量は大幅に少なくなっている。
【0042】
図9は、本実施の形態の症例情報処理装置3の動作を示している。作成者による症例関連のデータの入力に応じて、データが書き込まれた症例情報ファイルが作成される(S10)。このとき、チェックボタンの操作に応じて、症例情報ファイルに組み込まれたロジカルチェックアルゴリズムが実行され、ロジカルチェックが行われる。
【0043】
作成者によりボタン(本実施の形態では登録ボタン)が操作されると、この操作が受け付けられる(S12)。この操作に応答して、症例情報ファイルを読取専用状態にする仮固定が行われ、また、症例情報ファイルに電子署名が施され、ファイルは原本として保存される(S14)。それと共に、症例情報ファイルの書込データが抽出されて、XML形式のメール添付ファイルが作成され(S16)、そのファイルを添付した電子メールが作成される(S18)。前述したように、電子メール作成部58が、適当なメールソフトを起動させ、そのメールソフトにメールを作成させる。
【0044】
症例情報処理装置3がインターネットに接続中か否かが判定され(S20)、接続中であれば電子メールが送出される(S22)。接続中でなければ、電子メールはメールソフトにて保存されることになる(S24)。保存メールは後にインターネット接続時に送出される。
【0045】
以上に説明したように、本実施の形態では、症例情報処理装置にて症例情報ファイルが作成され、それから、症例情報ファイルに書き込まれたデータを有する電子メールが自動作成される。
【0046】
インターネット接続状態での作業が前提になるWebページ利用型の従来装置と異なり、本実施の形態の装置では、インターネット接続状態で症例情報作成作業が行われなくてよい。すなわち、オフライン状態で症例情報作成作業が行われて、電子メールが作成され、そのメールが後に送信されればよい。
【0047】
したがって、症例情報を作成する場所とインターネット接続端子が離れているような試験施設でも本実施の形態の症例情報処理装置は好適に利用される。また、Webページへの接続が許可されていない試験施設でも利用可能である。また、メール送信を行えるだけの通信時間が確保されればよいので、回線契約にて従量制料金が採用されているような場合でも、通信費を抑えられる。また、Webページ操作に慣れない作成者でも容易に扱える。さらには、インターネット通信のための無線接続装置を用いる場合に、症例情報作成場所で電波状態が不良な場合でも、作業が可能である。さらに、Webページを使う場合のようなブラウザの種類の制約を受けずに済む。
【0048】
このようにして、本実施の形態によれば、症例情報の電子メールの自動作成機能を設けたので、Webページ利用に伴う上述の各種の不利が軽減され、症例情報の作成作業を容易にすることが可能になる。
【0049】
また、本実施の形態によれば、メール添付ファイルを作成するときに、症例情報ファイルに書き込まれた症例関連のデータが症例情報ファイルから抽出される。したがって、電子メールのデータ量を大幅に軽減し、通信負荷を軽減できる。
【0050】
また、本実施の形態によれば、症例情報提出のためのメール作成処理を行うときに、症例情報ファイルに電子署名が施される。したがって、症例情報の改竄を好適に防止することができる。
【0051】
また、本実施の形態によれば、症例情報ファイルに組み込まれたロジカルチェックアルゴリズムが実行されて、症例情報ファイルに書き込まれる症例関連のデータの適否が判定される。これにより、症例情報ファイルの処理には汎用のソフトウエアを使いつつも、症例情報ファイルに備わったロジカルチェックアルゴリズムを使ってロジカルチェックを行うことができ、症例情報ファイルへの入力データの適正化が図れる。
【0052】
図10は、本発明の別の実施形態を示している。本実施の形態は、図3の実施の形態と比べて、薬剤割付に関する処理が異なっている。
【0053】
すなわち、図3の実施の形態では、薬剤の動的割付が行われ、そこでは、各被験者の薬剤が、複数の薬剤からランダムに選択された。これに対し、本実施の形態では、薬剤の静的割付が行われる。この場合、例えば、10症例の試験を行う場合に、A薬剤は3症例、B薬剤は3症例、C薬剤は4症例というように、症例への割振りのバランスが決まっている。この割振バランスに従いつつも、どの被験者にどの薬剤を割り付けるかが適当に無作為に決定されることが望ましい。本実施の形態は、このような割付を実現するものである。
【0054】
図10を参照すると、本実施の形態では、症例情報処理装置3に症例情報ファイル指定部60が設けられており、以下のような機能をもつ。
【0055】
本実施の形態では、各々に予め薬剤が割り付けられた複数の症例情報ファイルを記憶したCD−R等の記録媒体が症例情報処理装置3へ装着される。これら症例情報ファイルはインターネットでダウンロードされてもよい。これら症例情報ファイルは、症例情報ファイル記憶部40に格納される。
【0056】
上記のように症例情報ファイル記憶部40の複数のCRFの各々には予め薬剤が割り付けられている。症例情報ファイル指定部60は、一被験者のために、症例情報ファイル記憶部40に記憶された複数の症例情報ファイルの一つを自動的に指定する。各被験者のために、予め用意された複数の症例情報ファイルの一つが選択される。ここでは、症例情報ファイルの一つが抽選により選択されてもよい。また、予め適当に順番付けがなされた症例情報ファイルが順に選択されていってもよい。このようにして、薬剤の静的割付が適切に実現される。
【0057】
図11は、上記の静的割付処理を示している。症例情報ファイル記憶部40には、10症例のために10個の症例情報ファイルが記憶されている。3つのファイルには薬剤Aが、別の3つのファイルには薬剤Bが、残りの4つのファイルには薬剤Cが割り付けられている。図11の上段では、症例情報ファイルに対応する被験者は決まっていない。なお、図示のように、本実施の形態では、各症例情報ファイルが各々ロジカルチェックアルゴリズムをもっているが、それらの内容は共通でよい。
【0058】
図11の下段を参照すると、一人の被験者Xのために、薬剤Aが割り付けられた3個の症例情報ファイルの一つが指定されている。同様に、別の被験者Yのために、薬剤Bが割り付けられた3個の症例情報ファイルの一つが指定されており、また別の被験者Zのために、薬剤Cが割り付けられた4個の症例情報ファイルの一つが指定されている。これらの指定は、図10の症例情報ファイル指定部60により自動的に行われる。このような処理を10人の被験者に対して行うことで、10症例の症例情報ファイルの被験者と薬剤の組合せが適切に決定される。被験者を特定するデータは症例情報ファイルに記入され、保存され、試験等で使用される。
【0059】
以上に説明したように、本実施の形態によれば、どの薬剤を幾つの症例に割り振るかが予め決まっている状況で、薬剤割付を容易かつ適切に行うことができる。
【0060】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明が上述の実施の形態に限定されず、また、上述の実施の形態が当業者により本発明の範囲内で変形可能なことはもちろんである。
【0061】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、症例情報作成環境等がWebページの利用に適していない場合でも症例情報作成を容易にできる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の症例情報処理装置を含んだ症例情報データ収集システムを示す図である。
【図2】症例情報処理装置の構成を示す図である。
【図3】症例情報処理装置の構成を示す図である。
【図4】症例情報処理装置の表示画面の例を示す図である。
【図5】症例情報処理装置の表示画面の例を示す図である。
【図6】症例情報処理装置の表示画面の例を示す図である。
【図7】症例情報処理装置の表示画面の例を示す図である。
【図8】症例情報処理装置の表示画面の例を示す図である。
【図9】図3の症例情報処理装置の動作例を示すフローチャートである。
【図10】別の実施の形態の症例情報処理装置を示す図である。
【図11】図10の症例情報処理装置による薬剤割付処理を示す図である。
【符号の説明】
1 症例情報データ収集システム
3 症例情報処理装置
5 インターネット
7 メールサーバ
40 症例情報ファイル記憶部
42 症例情報ファイル作成部
44 提出処理部
46 データ入力受付部
48 ロジカルチェック部
50 登録指示受付部
52 仮固定処理部
54 電子署名部
56 メール添付ファイル作成部
58 電子メール作成部
60 症例情報ファイル指定部
Claims (14)
- 臨床研究の症例調査登録票および症例報告書の少なくとも一方に対応する症例情報を作成し、提出する作業を支援する症例情報処理装置であって、
作成者による症例関連のデータの入力に応じて、データが書き込まれた症例情報ファイルを作成する症例情報ファイル作成手段と、
前記症例情報ファイル作成手段により作成された症例情報ファイルを用いて、症例情報提出のための処理を行う提出処理手段と、
を含み、
前記提出処理手段は、前記症例情報ファイルに書き込まれたデータを有し、所定の提出先のアドレスへ送信されるべき電子メールを自動作成する処理を行うことを特徴とする症例情報処理装置。 - 請求項1に記載の症例情報処理装置であって、
前記提出処理手段は、
前記症例情報ファイルに対応するメール添付ファイルを作成する手段と、
前記メール添付ファイルが添付され、前記所定の提出先のアドレスが書き込まれた電子メールを作成する手段と、
を含むことを特徴とする症例情報処理装置。 - 請求項2に記載の症例情報処理装置であって、
前記メール添付ファイルを作成する手段は、前記症例情報ファイルに書き込まれた症例関連のデータを、前記症例情報ファイルから抽出して、抽出データを含むファイルを前記メール添付ファイルとして作成することを特徴とする症例情報処理装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の症例情報処理装置であって、
前記提出処理手段により症例情報提出のための処理が行われるときに、前記症例情報ファイルに電子署名を施す手段を有することを特徴とする症例情報処理装置。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の症例情報処理装置であって、
前記症例情報ファイルには、前記症例情報ファイルに書き込まれる症例関連のデータの適否を判定するロジカルチェックアルゴリズムが組み込まれていることを特徴とする症例情報処理装置。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の症例情報処理装置であって、
各々に予め薬剤が割り付けられた複数の症例情報ファイルから、被験者のための一つの症例情報ファイルを指定することで、前記被験者に対する薬剤割付を実現する症例情報ファイル指定手段を有することを特徴とする症例情報処理装置。 - 臨床研究の症例調査登録票および症例報告書の少なくとも一方に対応する症例情報を作成し、提出する作業を支援するためのコンピュータによる情報処理方法であって、
作成者による症例関連のデータの入力に応じて、データが書き込まれた症例情報ファイルを作成する症例情報ファイル作成ステップと、
前記症例情報ファイル作成ステップにて作成された症例情報ファイルを用いて、症例情報提出のための処理を行う提出処理ステップと、
を含み、
前記提出処理ステップは、前記症例情報ファイルに書き込まれたデータを有し、所定の提出先のアドレスへ送信されるべき電子メールを自動作成する処理を行うことを特徴とする情報処理方法。 - 請求項7に記載の情報処理方法であって、
前記提出処理ステップは、前記症例情報ファイルに対応するメール添付ファイルを作成するステップと、前記メール添付ファイルが添付され、前記所定の提出先のアドレスが書き込まれた電子メールを作成するステップと、を含むことを特徴とする情報処理方法。 - 請求項8に記載の情報処理方法であって、
前記メール添付ファイルを作成するステップは、前記症例情報ファイルに書き込まれた症例関連のデータを、前記症例情報ファイルから抽出して、抽出データを含むファイルを前記メール添付ファイルとして作成することを特徴とする情報処理方法。 - 請求項7〜9のいずれかに記載の情報処理方法であって、前記提出処理ステップにて症例情報提出のための処理が行われるときに、前記症例情報ファイルに電子署名を施すステップを有することを特徴とする情報処理方法。
- 請求項7〜10のいずれかに記載の情報処理方法であって、
前記症例情報ファイルに組み込まれており、前記症例情報ファイルに書き込まれる症例関連のデータの適否を判定するロジカルチェックアルゴリズムを実行するステップを含むことを特徴とする情報処理方法。 - 請求項7〜11のいずれかに記載の情報処理方法であって、
各々に予め薬剤が割り付けられた複数の症例情報ファイルから、被験者のための一つの症例情報ファイルを指定することで、前記被験者に対する薬剤割付を実現する症例情報ファイル指定ステップを含むことを特徴とする情報処理方法。 - 臨床研究の症例調査登録票および症例報告書の少なくとも一方に対応する症例情報を作成し、提出する作業を支援するため情報処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
作成者による症例関連のデータの入力に応じて、データが書き込まれた症例情報ファイルを作成する症例情報ファイル作成ステップと、
前記症例情報ファイル作成ステップにて作成された症例情報ファイルを用いて、症例情報提出のための処理を行う提出処理ステップと、
を前記コンピュータに実行させ、
前記提出処理ステップでは、前記症例情報ファイルに書き込まれたデータを有し、所定の提出先のアドレスへ送信されるべき電子メールを自動作成する処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。 - 請求項13に記載のプログラムであって、
前記症例情報ファイル作成ステップおよび前記提出処理ステップを実現するためのプログラムが、複数の被験者のために個別に用意される症例情報ファイルの各々に備えられていることを特徴とするプログラム。
Priority Applications (1)
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JP2003006338A JP2004220284A (ja) | 2003-01-14 | 2003-01-14 | 症例情報処理装置 |
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JP2003006338A JP2004220284A (ja) | 2003-01-14 | 2003-01-14 | 症例情報処理装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011070441A (ja) * | 2009-09-25 | 2011-04-07 | Foundation For Biomedical Research & Innovation | 割付装置、割付方法、及びプログラム |
-
2003
- 2003-01-14 JP JP2003006338A patent/JP2004220284A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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