JP2004219704A - トナー担持体および現像装置 - Google Patents

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直樹 吉江
Shigeo Uetake
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Abstract

【課題】ドット再現性等の画質性に優れた高精細な画像を提供可能なトナー担持体、および該トナー担持体を備えた現像装置を提供すること。
【解決手段】潜像担持体と接触しつつ、トナーを潜像担持体に搬送するトナー担持体であって、少なくともポリエステル系ウレタン樹脂および/またはポリカーボネート系ウレタン樹脂からなる誘電層と導電性基体層とを有してなり、誘電層の30℃85%環境下での体積抵抗値が1×10Ωcm以上であり、全体の25℃60%環境下での抵抗値が1×10Ω以下であることを特徴とするトナー担持体、ならびに該トナー担持体および該トナー担持体上のトナー量を規制しつつトナーを帯電する規制部材を備えた現像装置。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やプリンター等の画像形成装置の現像装置において、潜像担持体に形成された潜像を現像するためにトナーを潜像担持体に搬送するトナー担持体、特に、一成分現像方式を用いた現像装置において、潜像担持体と接触しつつ、トナーを潜像担持体に搬送するトナー担持体、および該トナー担持体を備えた現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、トナー担持体上で規制部材によりトナーの帯電を行う一成分現像方式を採用した一成分現像装置としては、トナーを潜像担持体に搬送するトナー担持体が潜像担持体と接触する接触式と、トナー担持体が潜像担持体と非接触の状態を保つ非接触式とが知られている。潜像の忠実な現像を行う観点からは、接触式が好ましいことが知られている。
【0003】
トナー担持体は導電性基体上に導電性の樹脂層が積層されたものが一般的であり、基体が比較的剛性の高い材料からなるリジッドタイプ(例えば、ローラータイプ)のものと、基体が比較的剛性の低い材料からなるフレキシブルタイプ(例えば、スリーブタイプ)のものとに大別される。
【0004】
接触式の一成分現像に用いられるトナー担持体に求められる性能としては、従来より帯電性、耐久性および耐固着性などがあげられていた。しかしながら、このような性能を満足するトナー担持体であっても、特に、リジッドタイプのトナー担持体を使用する場合、次のような問題が生じやすかった。すなわち、潜像担持体表面において、例えば、1ドット潜像の表面電位は光のガウス分布に従って変化し、1ドット潜像のエッジ部は十分に電位が落ちきらないことがよく起こるが、そのような場合、当該エッジ部が十分明瞭に現像されにくかった。このようなドット再現性の問題は600dpi以上のプリンタで特に顕著であった。
【0005】
ドット再現性等の画質性を向上するために、トナー担持体の表面に特定の厚みと比誘電率を有する誘電層を設ける技術(例えば、特許文献1参照)、およびトナー担持体の表面に高抵抗の表層を設ける技術(例えば、特許文献2参照)が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−307470号公報(第2頁、請求項1等)
【特許文献2】
特開2000−75635号公報(第2頁、請求項1等)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような技術では、高温高湿環境におけるトナー担持体表面の抵抗が低温低湿環境時に比べて低下し、十分なドット再現性が得られなかった。
【0008】
本発明は高温高湿環境と低温低湿環境との間で抵抗変動が比較的少ないトナー担持体、すなわち高温高湿環境で比較的高い抵抗値を保持可能なトナー担持体を提供することを目的とする。
【0009】
本発明はまた、ドット再現性等の画質性に優れた高精細な画像を提供可能なトナー担持体、および該トナー担持体を備えた現像装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、潜像担持体と接触しつつ、トナーを潜像担持体に搬送するトナー担持体であって、少なくともポリエステル系ウレタン樹脂および/またはポリカーボネート系ウレタン樹脂からなる誘電層と導電性基体層とを有してなり、誘電層の30℃85%環境下での体積抵抗値が1×10Ωcm以上であり、全体の25℃60%環境下での抵抗値が1×10Ω以下であることを特徴とするトナー担持体、ならびに該トナー担持体および該トナー担持体上のトナー量を規制しつつトナーを帯電する規制部材を備えた現像装置に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のトナー担持体は少なくとも誘電層と導電性基体層とを有してなり、誘電層がトナー担持体の最表面に位置する限り、トナー担持体の構造は特に制限されない。例えば、導電性基体が比較的剛性の高い材料からなるリジッドタイプ(いわゆるローラータイプ)の構造を有していてもよいし、または導電性基体が比較的剛性の低い材料からなるフレキシブルタイプ(いわゆるスリーブタイプ)の構造を有していても良い。
【0012】
トナー担持体がリジッド構造を有する場合、トナー担持体は、例えば、図1の概略断面図に示すように、金属ローラ等の導電性基体11aの外周面に、中間層11b及び誘電層11cが形成されてなっている。
【0013】
リジッド構造を有するトナー担持体の導電性基体11aは通常、アルミニウム、ステンレス、鉄等の金属からなるローラが有用である。ローラーの直径および軸方向長さは、得られるトナー担持体が設置される現像装置の寸法に依存して適宜、決定される。
【0014】
中間層11bは導電性を有する弾性層であり、通常、ゴム材料に導電剤が配合されてなっている。
ゴム材料としては、例えば、シリコーンゴム、ウレタンゴム、EPDM、NBR、SBRゴム等が挙げられる。この中でシリコーンゴム、EPDM、ウレタンゴム等が好ましい。
【0015】
導電剤としては配合によって導電性を付与し得るものであれば特に制限されず、例えば、電子導電剤、イオン導電剤などがある。電子導電剤としては、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラックや金属粉や金属酸化物の微粒子等が挙げられる。イオン導電剤としては、アルカリ金属塩や四級アンモニウム塩等が挙げられる。
【0016】
導電剤は、トナー担持体全体の電気抵抗が後述の範囲内になるような量で配合されればよく、通常、中間層の25℃60%環境下での体積抵抗値が1×10Ωcm以下、好ましくは1×10〜1×10Ωcm、より好ましくは1×10〜1×10Ωcmとなるような量で配合される。中間層の上記体積抵抗値が大きすぎると、得られるトナー担持体全体の電気抵抗が大きくなりすぎ、特に誘電層から基体への導電緩和が起こり難くなって、表面にチャージを蓄積しやすくなるため、現像量が変わり、カブリなどの画像品質に問題を引き起こし易い。
【0017】
中間層の厚さは0.1mm以上、好ましくは0.5mm以上が望ましい。厚さの上限は特に制限されないが、厚すぎるとローラ外径の精度が出しにくくなるため、通常、10mm以下、特に5mm以下とすることが望ましい。中間層のゴム硬度としては50°以下、好ましくは40°以下が望ましい。
【0018】
上記中間層は、ゴム材料を形成し得るモノマーまたはプレポリマー、導電剤および所望により架橋剤からなる塗布液を、導電性基体に塗布し、加熱(加硫)することによって、形成可能である。また、上記塗布液と同様の組成を有する組成物を加硫・成型してゴムチューブを一旦、形成し、該ゴムチューブを前記導電性基体に装着した後、研磨して外形を整えてもよい。
【0019】
なお、後述の誘電層が形成されていない状態でのリジッドタイプのトナー担持体の全抵抗は1×10Ω以下であることが好ましい。そのような抵抗を達成することによって、表層に付与されたチャージをローラ芯金を通して除去することができる。
この全抵抗は、誘電層が形成されていない状態のリジッドタイプのトナー担持体を測定に供すること以外、後述の「リジッドタイプのトナー担持体の全(電気)抵抗値の測定方法」と同様の方法で測定された値である。
【0020】
本発明において誘電層11cは少なくともポリエステル系ウレタン樹脂および/またはポリカーボネート系ウレタン樹脂からなり、30℃85%環境下での体積抵抗値が1×10Ωcm以上、好ましくは4×10Ωcm以上である。当該体積抵抗値の上限は特に制限されないが、大きすぎるとチャージが残留しやすくなるため、1×1012Ωcm以下、好ましくは5×1011Ωcm以下、特に1×1011Ωcm以下とすることが望ましい。本発明において上記誘電層は高温高湿環境においても抵抗変動が少なく、かつ抵抗が比較的高いため、周囲環境が変動しても、エッジ効果を有効に、かつ安定して発揮でき、結果としてドット再現性等の画質性に優れた高精細な画像を長期にわたって提供できる。「エッジ効果」とは、現像時に潜像担持体表面の潜像のエッジ部分に発生する回り込み電界によってトナーが該部分に付着し、エッジ部分のトナー付着量が適度に増大する効果のことである。上記体積抵抗値が低すぎると、少なくとも高温高湿環境下でエッジ効果が働かず、十分なドット再現性が得られない。
【0021】
ポリエステル系ウレタン樹脂は、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とがウレタン結合を繰り返すことによって得られるポリマー(プレポリマーを含む)であって、ポリイソシアネート化合物およびポリオール化合物の少なくとも一方がポリエステル鎖を含有するものである。ポリエステル系ウレタン樹脂の末端基はイソシアネート基またはヒドロキシル基のいずれの基であってもよい。
ポリカーボネート系ウレタン樹脂は、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とがウレタン結合を繰り返すことによって得られるポリマー(プレポリマーを含む)であって、ポリイソシアネート化合物およびポリオール化合物の少なくとも一方がポリカーボネート鎖を含有するものである。ポリカーボネート系ウレタン樹脂の末端基はイソシアネート基またはヒドロキシル基のいずれの基であってもよい。
【0022】
本発明は、誘電層が高温高湿環境で比較的高い抵抗値を保持可能な限り、誘電層形成樹脂としてポリエステル系ウレタン樹脂およびポリカーボネート系ウレタン樹脂以外の樹脂(「他の樹脂」という)を使用することを妨げるものではない。他の樹脂を使用する場合、その使用量は、誘電層を形成する全樹脂に対して30重量%以下、特に10重量%以下とすることが好ましい。最も好ましくは「他の樹脂」は使用しないことである。他の樹脂の使用量が多すぎると(例えば、ポリエーテル系ウレタン樹脂を100重量%の割合で使用すると)、湿度による体積抵抗値の変動が顕著になるため、特に高温高湿環境下においてドット再現性に優れた画像が得られない。
【0023】
誘電層は、ポリエステル系ウレタン樹脂および/またはポリカーボネート系ウレタン樹脂に通常、架橋剤および所望により導電剤等の添加剤を混合してなる塗布液を、中間層上に塗布し、乾燥(加熱)することによって、形成可能である。上記ウレタン樹脂としてはエマルジョン形態のものを使用することが好ましい。上記のようにして形成された皮膜は耐熱性が良いものが得られやすく、また高濃度の塗布液を調整しやすいために、製造もしやすい。特に、ウレタン樹脂としてエマルジョン形態のものを使用することによって、形成された皮膜がナノオーダーの微小な凹凸を有することができ(すなわち後述の表面粗さRaを容易に達成でき)、結果としてトナーフィルミングが起こりにくい。
【0024】
ポリエステル系ウレタン樹脂のエマルジョンは、例えば、市販のHUX−350およびHUX−232(以上、旭電化社製)として入手可能である。
ポリカーボネート系ウレタン樹脂のエマルジョンは、例えば、市販のHUX−386(旭電化社製)として入手可能である。
【0025】
架橋剤としては、本発明において使用されるポリエステル系ウレタン樹脂および/またはポリカーボネート系ウレタン樹脂を架橋可能な化合物であれば特に制限されない。例えば、メチロール化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、ポリオール化合物などがあげられ、帯電性の点からメチロール化合物、エポキシ化合物、ポリオール化合物、特にメチロール化合物が好ましい。
架橋剤を添加することによって、誘電層の吸湿性を有効に低減可能で、誘電層の上記体積抵抗値を容易に達成可能である。また得られたトナー担持体を長期的に保管する場合であっても、トナー担持体の性能を安定して保持できる(誘電層の加水分解の抑制)。
【0026】
導電剤としては、中間層に配合され得る導電剤と同様の電子導電剤が使用可能である。
導電剤の添加量を調節することによって誘電層の上記体積抵抗値を制御可能である。例えば、導電剤の添加量を減らすと誘電層の上記体積抵抗値は上がり、導電剤の添加量を増やすと誘電層の上記体積抵抗値は下がる。従って、導電剤の添加量は、誘電層の上記体積抵抗値が達成されるように、誘電層に配合される他の添加剤の種類および量等を勘案して、適宜、決定されればよい。
【0027】
誘電層の厚さは1μm以上50μm以下が好ましく、5μm以上20μm以下がより好ましい。薄すぎると誘電層の所望の体積抵抗値が達成しにくくなる。
【0028】
誘電層の表面粗さRaは0.3μm以上10μm以下が好ましく、より好ましくは0.6μm以上5μm以下である。表面に粗さをつける方法は特に限定されないが、微粒子等を添加することが一般的である。粗さ調整剤として、アクリル系樹脂等の有機微粒子、シリカ、アルミナ等の無機微粒子の添加が望ましい。粗さ調整剤を使用する場合は誘電層を形成するための塗布液に添加すればよい。
【0029】
リジッド構造のトナー担持体においては、中間層11bと誘電層11cとの間または/および基体11aと中間層11bとの間にシランカップリング剤や重合体等の接着層を設けても良い。
【0030】
トナー担持体がフレキシブル構造を有する場合、トナー担持体は、例えば、図2の概略断面図に示すように、導電性基体12aの外周面に誘電層12bが形成されてなっている。
【0031】
フレキシブル構造を有するトナー担持体の導電性基体12aは、厚さ10μm〜1mm、好ましくは100μm〜300μmの樹脂または金属製シート、好ましくは樹脂製シートが無端状に成形されてなる略円筒体の形状を有するものである。円筒体の直径および軸方向長さは、得られるトナー担持体が設置される現像装置の寸法に依存して適宜、決定される。
【0032】
導電性基体12aは、トナー担持体全体の電気抵抗が後述の範囲内になる程度の導電性を有すればよい。例えば、導電性基体12aが樹脂からなっている場合、導電性基体12aは通常、樹脂に導電剤が、該基体の25℃60%環境下での体積抵抗値が1×10Ωcm以下、好ましくは1×10〜1×10Ωcm、より好ましくは1×10〜1×10Ωcmとなるような量で配合されてなっている。該基体の上記体積抵抗値が大きすぎると、得られるトナー担持体全体の電気抵抗が大きくなりすぎ、導電緩和が起こり難くなって、表面にチャージを蓄積しやすくなるため、現像量が変わり、カブリなどの画像品質に問題を引き起こし易い。
【0033】
導電性基体12aを形成可能な樹脂としては特に制限されず、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリプロピレン等が挙げられる。
また導電性基体12aに配合可能な導電剤としては、前記リジッド構造を有するトナー担持体の中間層に配合され得る導電剤と同様の電子導電剤およびイオン導電剤が使用可能である。
導電性基体12aの上記体積抵抗値は、例えば、前記中間層の体積抵抗値と同様に、樹脂製基体に配合される導電剤の量を調節することによって制御可能である。
【0034】
誘電層12bは、以下の事項以外、前記リジッド構造を有するトナー担持体の誘電層11cと同様であるため、誘電層12bの詳しい説明を省略する。
事項1;誘電層12bは上記導電性基体12a上に形成されること;
事項2;基体12aが樹脂からなるとき、誘電層を形成するときの乾燥(加熱)温度は当該基体の軟化点以下、例えば、50〜200℃に制限されること。
【0035】
フレキシブル構造のトナー担持体においては、基体12aと誘電層12bとの間にシランカップリング剤や重合体等の接着層を設けても良い。
【0036】
本発明のトナー担持体は、上記のようなリジッド構造またはフレキシブル構造のいずれの構造を採る場合であっても、該トナー担持体全体の25℃60%環境下での抵抗値は1×10Ω以下、好ましくは1×10Ω以上5×10Ω以下、より好ましくは1×10Ω以上1×10Ω以下である。全体の抵抗値が大きすぎると、誘電層表面にチャージが蓄積されやすくなるため、現像量が変わり、カブリなどの画像品質に問題を引き起こす。
【0037】
トナー担持体全体の抵抗値は、リジッド構造のトナー担持体の場合で中間層の上記体積抵抗値(すなわち、中間層に配合される導電剤の量)を調節することによって、フレキシブル構造のトナー担持体の場合で基体の上記体積抵抗値(例えば、樹脂製基体に配合される導電剤の量)を調節することによって、制御可能である。例えば、中間層または基体の上記体積抵抗値を大きくすると、トナー担持体全体の抵抗値は大きくなる。中間層または基体の上記体積抵抗値を小さくすると、トナー担持体全体の抵抗値は小さくなる。
【0038】
以上のような本発明のトナー担持体を使用するのに好適な現像装置の一例を、図3を用いて説明する。図3(A)は本発明のリジッド構造を有するトナー担持体を使用するのに好適な現像装置の一例の概略構成図であり、図3(B)は本発明のフレキシブル構造を有するトナー担持体を使用するのに好適な現像装置の一例の概略構成図である。
【0039】
図3(A)の現像装置10は、少なくとも、潜像担持体1と接触しつつ、トナーtを潜像担持体1に搬送するトナー担持体11、および該トナー担持体11上のトナー量を規制しつつトナーを帯電する規制部材13を備えた接触式一成分現像装置である。現像装置10には、通常、トナーを収容する収容部16、該収容部16中のトナーを撹拌して供給部材15に誘導するアジテータ17、該アジテータ17によって誘導されたトナーをトナー担持体11に供給する供給部材15、およびトナー担持体11に現像バイアス電圧を印加する現像バイアス電源14が備わっている。
【0040】
現像装置10において、詳しくは、トナー担持体11は潜像担持体1と対向するように設けられ、このトナー担持体を回転させると共に、装置本体内部のアジテータ17および供給部材15を回転させることによって、収容部16に収容されたトナーtがトナー担持体11の表面に供給されるようになっている。トナー担持体11の表面に供給されたトナーtは、回転するトナー担持体11によって搬送され、トナーtが現像領域に搬送される途中において、トナー担持体11の表面に圧接させて設けられた規制部材13により規制されると共に、摩擦帯電されるようになっている。次いで、このように摩擦帯電されたトナーtは、トナー担持体11によって潜像担持体1と対向する現像領域に搬送されると共に、トナー担持体11に現像バイアス電源14から現像バイアス電圧が印加され、トナー担持体11の表面に保持されたトナーtが潜像担持体1に形成された静電潜像に供給されて現像を行うようになっている。通常、規制部材13にも電圧が印加される。
【0041】
図3(B)の現像装置20は、フレキシブル構造を有するトナー担持体12が使用されること、該トナー担持体12の内部に回転部材18が挿入されること、該回転部材18がトナー担持体12を介して規制部材13と圧接し、かつ回転可能なように固定されること、回転部材13の回転に追随させてトナー担持体12を回転させ、トナーtを搬送すること、および回転部材18に現像バイアス電源14から現像バイアス電圧が印加されること以外、上記図3(A)の現像装置と同様であるため、図3(B)の現像装置についての説明を省略する。なお、回転部材18は、通常、導電性の発泡材料やスポンジ材料からなっている。
【0042】
上記いずれの現像装置においても、トナー担持体または回転部材への印加電圧および規制部材への印加電圧はトナーの負帯電量が−10μc/g以上−60μc/g以下になるように設定されることが好ましい。
【0043】
上記現像装置に使用されるトナーは、特に限定されず、従来より一般に使用されている公知のトナーを使用することができる。例えば、バインダー樹脂中に着色剤や荷電制御剤や離型剤等を含有させてなるトナーが用いられる。トナーには必要に応じて流動化剤等を添加してもよい。帯電性の観点からは、トナーは負極性に帯電され易いようにトナー材料を選択されることが好ましい。本発明のトナー担持体の誘電層を構成するウレタン樹脂はトナーへの負帯電性付与能力に優れているためである。
【0044】
トナーに使用されるバインダー樹脂としては、ゲルパーミッションクロマトグラフ(GPC)によって測定された数平均分子量(Mn)が1000〜15000、軟化温度が80〜160℃、かつガラス転移点が50〜75℃の範囲のものを用いることが好ましい。バインダー樹脂の種類は特に制限されないが、負帯電性トナーを得る場合は、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル共重合体を使用することが好ましい。
【0045】
着色剤としては、従来より一般に使用されている公知のものを用いることができる。例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、活性炭、マグネタイト、ベンジジンイエロー、パーマネントイエロー、ナフトールイエロー、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、ウルトラマリンブルー、ローズベンガル、レーキーレッド等を用いることができる。着色剤は、通常、上記のバインダー樹脂100重量部に対して2〜20重量部の割合で用いることが好ましい。
【0046】
荷電制御剤としては、従来より一般に使用されている公知のものを用いることができる。例えば、モノアゾ金属錯体、芳香族ヒドロキシカルボン酸系の金属錯体、芳香族ジカルボン酸系の金属錯体等の有機金属錯体やキレート化合物等を用いることができる。荷電制御剤は、通常、上記のバインダー樹脂100重量部に対して1〜10重量部の割合で用いることが好ましい。
【0047】
離型剤としては、従来より一般に使用されている公知のものを用いることができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、カルナバワックス、サゾールワックス等を単独或いは2種類以上組み合わせて使用することができる。離型剤は、通常、上記のバインダー樹脂100重量部に対して1〜8重量部の割合で用いることが好ましい。
【0048】
流動化剤としては、従来より一般に使用されている公知のものを用いることができる。例えば、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム等の無機微粒子や、アクリル樹脂、スチレン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂微粒子を使用することができ、特にシランカプリング剤やチタンカップリング剤やシリコンオイル等で疎水化したものを用いるのが好ましい。流動化剤は上記のトナー100重量部に対して0.1〜3重量部の割合で添加させて用いるようにする。
【0049】
トナーは、従来より一般に使用されている公知の方法で製造することができ、例えば、粉砕法、乳化重合法、懸濁重合法等を用いて製造することができる。
【0050】
【実施例】
製造例1
カーボンブラックを添加することにより加硫後の体積抵抗値が1×10Ωcmになるように調製されたEPDM組成物を加硫・成型してゴムチューブを形成した。ゴムチューブを直径14mmの円筒状芯金に装着した後、研磨して外形を整えた(中間層の形成)。このときゴム硬度は25°、ゴムの厚さは1mmであった。
次に、ポリエステル系ウレタン塗布液(HUX−350、旭電化社製)100g、カーボンブラックエマルジョン(CAB−O−JET;キャボット社製)10g、PMMA微粒子(MA−1010、日本触媒社製)6g、架橋剤としてメチロール化合物(スミレーズレジン613、住友化学社製)10gを添加し、市販のミキサーにて混合・攪拌、脱泡し、塗布液Aを調整した。
【0051】
この塗布液Aをアルミホイル上に30μmの厚さにバーコータにて塗布し、120℃60分乾燥させた後、体積抵抗値を測定したところ、1×1010Ωcmであった。
この塗布液Aをゴム層の外周に塗布し、120℃60分加熱した。このとき表層ウレタン層(誘電層)の厚さは20μmで、算術平均粗さRaは1.1μm(サーフコム550にて測定、東京精密社製)であった。得られたトナー担持体全体の電気抵抗は1×10Ωであった。
【0052】
製造例2
カーボンブラックを添加することにより加硫後の体積抵抗値が1×10Ωcmになるように調製されたEPDM組成物を加硫・成型してゴムチューブを形成した。ゴムチューブを直径10mmの円筒状芯金に装着した後、研磨して外形を整えた(中間層の形成)。このときゴム硬度は45°、ゴムの厚さは3mmであった。
次に、ポリエステル系ウレタン塗布液(HUX−232、旭電化社製)100g、カーボンブラックエマルジョン(CAB−O−JET;キャボット社製)7g、球形シリカ微粒子(サイロスフェアC−1510、日本触媒社製)2.5g、架橋剤としてメチロール化合物(HUX−11W、旭電化社製)7gを添加し、市販のミキサーにて混合・攪拌、脱泡し、塗布液Bを調整した。
【0053】
この塗布液Bをアルミホイル上に30μmの厚さにバーコータにて塗布し、120℃60分乾燥させた後、30℃85%環境下で体積電気抵抗を測定したところ、1×1012Ωcmであった。
この塗布液Bをゴム層の外周に塗布し、120℃60分加熱した。このとき表層ウレタン層(誘電層)の厚さは8μmで、算術平均粗さRaは0.8μm(サーフコム550にて測定、東京精密社製)であった。得られたトナー担持体全体の電気抵抗は1×10Ωであった。
【0054】
製造例3
カーボンブラックを添加することにより加硫後の体積抵抗値が1×10Ωcmになるように調製されたEPDM組成物を加硫・成型してゴムチューブを形成した。ゴムチューブを直径10mmの円筒状芯金に装着した後、研磨して外形を整えた(中間層の形成)。このときゴム硬度は45°、ゴムの厚さは3mmであった。
次に、ポリエステル系ウレタン塗布液(HUX−232、旭電化社製)100g、カーボンブラックエマルジョン(CAB−O−JET;キャボット社製)15g、球形シリカ微粒子(サイロスフェアC−1504、日本触媒社製)2.5g、架橋剤としてエポキシ化合物(HUX−XW−3、旭電化社製)7gを添加し、市販のミキサーにて混合・攪拌、脱泡し、塗布液Cを調整した。
【0055】
この塗布液Cをアルミホイル上に30μmの厚さにバーコータにて塗布し、120℃60分乾燥させた後、30℃85%環境下で体積電気抵抗を測定したところ、5×10Ωcmであった。
この塗布液Aをゴム層の外周に塗布し、120℃60分加熱した。このとき表層ウレタン層(誘電層)の厚さは17μmで、算術平均粗さRaは0.6μm(サーフコム550にて測定、東京精密社製)であった。得られたトナー担持体全体の電気抵抗は1×10Ωであった。
【0056】
製造例4
カーボンブラックを添加することにより加硫後の体積抵抗値が1×10Ωcmになるように調製されたシリコーンゴム組成物を加硫・成型してゴムチューブを形成した。ゴムチューブを直径10mmの円筒状芯金に装着した後、研磨して外形を整えた(中間層の形成)。このときゴム硬度は25°、ゴムの厚さは3mmであった。
次に、ポリエステル系ウレタンプレポリマー(コロネート4076;日本ポリウレタン社製)を25g、酢酸エチル25g、トルエン25g、カーボンブラックエマルジョン(CAB−O−JET;キャボット社製)5g、球形PMMA微粒子(MA1004、日本触媒社製)2.5g、さらに架橋剤としてポリオール架橋剤(ニッポラン4038)20gを添加し、市販のミキサーにて混合・攪拌、脱泡し、塗布液Dを調整した。
【0057】
この塗布液Dをアルミホイル上に30μmの厚さにバーコータにて塗布し、120℃60分乾燥させた後、30℃85%環境下で体積電気抵抗を測定したところ、1×1011Ωcmであった。
この塗布液Dをゴム層の外周に塗布し、120℃60分加熱した。このとき表層ウレタン層(誘電層)の厚さは17μmで、算術平均粗さRaは0.6μm(サーフコム550にて測定、東京精密社製)であった。得られたトナー担持体全体の電気抵抗は1×10Ωであった。
【0058】
製造例5
カーボンブラックを添加することにより加硫後の体積抵抗値が1×10Ωcmになるように調製されたEPDM組成物を加硫・成型してゴムチューブを形成した。ゴムチューブを直径8mmの円筒状芯金に装着した後、研磨して外形を整えた(中間層の形成)。このときゴム硬度は45°、ゴムの厚さは4mmであった。
次に、ポリカーボネート系ウレタン塗布液(HUX−386、旭電化社製)100g、カーボンブラックエマルジョン(CAB−O−JET;キャボット社製)12g、アルミナ微粒子(A31、日本軽金属社製)2.5g、架橋剤としてメチロール化合物(スミレーズレジン613、住友化学社製)15gを添加し、市販のミキサーにて混合・攪拌、脱泡し、塗布液Eを調整した。
【0059】
この塗布液Eをアルミホイル上に30μmの厚さにバーコータにて塗布し、120℃60分乾燥させた後、30℃85%環境下で体積電気抵抗を測定したところ、5×1010Ωcmであった。
この塗布液Eをゴム層の外周に塗布し、120℃60分加熱した。このとき表層ウレタン層(誘電層)の厚さは17μmで、算術平均粗さRaは0.6μm(サーフコム550にて測定、東京精密社製)であった。得られたトナー担持体全体の電気抵抗は1×10Ωであった。
【0060】
製造例6
電子導電剤を含有させることにより体積抵抗値を1×10Ωcmに調整された外径16mm、厚さ150μmのフレキシブルタイプの無端状(筒状)ナイロンベルト(導電性基体)の外周に、前記塗布液Bを塗布し、100℃60分加熱した。このとき表層ウレタン層(誘電層)の厚さは15μmで、算術平均粗さRaは0.6μm(サーフコム550にて測定、東京精密社製)であった。得られたトナー担持体全体の電気抵抗は1×10Ωであった。
【0061】
製造例7
ポリエステル系ウレタン塗布液の代わりにポリエーテル系ウレタン塗布液を用いたこと以外、製造例2の方法と同様の方法でトナー担持体を得た。ポリエーテル系ウレタン塗布液を用いた塗布液を塗布液Fとする。
この塗布液Fをアルミホイル上に30μmの厚さにバーコータにて塗布し、120℃60分乾燥させた後、30℃85%環境下で体積電気抵抗を測定したところ、1×10Ωcmであった。得られたトナー担持体全体の電気抵抗は1×10Ωであった。
【0062】
製造例8
カーボンブラックを添加することにより加硫後の体積抵抗値が1×1010Ωcmになるように調製されたEPDM組成物を加硫・成型してゴムチューブを形成した。ゴムチューブを直径14mmの円筒状芯金に装着した後、研磨して外形を整えた(中間層の形成)。このときゴム硬度は25°、ゴムの厚さは1mmであった。
前記塗布液Aをゴム層の外周に塗布し、120℃60分加熱した。このとき表層ウレタン層の厚さは20μmで、算術平均粗さRaは1.1μm(サーフコム550にて測定、東京精密社製)であった。得られたトナー担持体全体の電気抵抗は4×10Ωであった。
【0063】
製造例9
カーボンブラックを添加することにより加硫後の体積抵抗値が1×10Ωcmになるように調製されたEPDM組成物を加硫・成型してゴムチューブを形成した。ゴムチューブを直径14mmの円筒状芯金に装着した後、研磨して外形を整えた(中間層の形成)。このときゴム硬度は25°、ゴムの厚さは1mmであった。
次に、ポリエステル系ウレタン塗布液(HUX−350、旭電化社製)100g、カーボンブラックエマルジョン(CAB−O−JET;キャボット社製)25g、PMMA微粒子(MA−1010、日本触媒社製)6g、架橋剤としてメチロール化合物(スミレーズレジン613、住友化学社製)10gを添加し、市販のミキサーにて混合・攪拌、脱泡し、塗布液Gを調整した。
【0064】
この塗布液Gをアルミホイル上に30μmの厚さにバーコータにて塗布し、120℃60分乾燥させた後、30℃85%環境下で体積電気抵抗を測定したところ、1×10Ωcmであった。
この塗布液Gをゴム層の外周に塗布し、120℃60分加熱した。このとき表層ウレタン層(誘電層)の厚さは20μmで、算術平均粗さRaは1.1μm(サーフコム550にて測定、東京精密社製)であった。得られたトナー担持体全体の電気抵抗は1×10Ωであった。
【0065】
製造例10
カーボンブラックを添加することにより加硫後の体積抵抗値が1×10Ωcmになるように調製されたEPDM組成物を加硫・成型してゴムチューブを形成した。ゴムチューブを直径10mmの円筒状芯金に装着した後、研磨して外形を整えた(中間層の形成)。このときゴム硬度は45°、ゴムの厚さは3mmであった。
次に、ポリエステル系ウレタン塗布液(HUX−232、旭電化社製)100g、カーボンブラックエマルジョン(CAB−O−JET;キャボット社製)7g、球形シリカ微粒子(サイロスフェアC−1510、日本触媒社製)2.5g、市販のミキサーにて混合・攪拌、脱泡し、塗布液Hを調整した。
【0066】
この塗布液Hをアルミホイル上に30μmの厚さにバーコータにて塗布し、120℃60分乾燥させた後、30℃85%環境下で体積電気抵抗を測定したところ、1×10Ωcmであった。
この塗布液Hをゴム層の外周に塗布し、120℃60分加熱した。このとき表層ウレタン層(誘電層)の厚さは8μmで、算術平均粗さRaは0.8μm(サーフコム550にて測定、東京精密社製)であった。得られたトナー担持体全体の電気抵抗は1×10Ωであった。
【0067】
測定方法
(体積(電気)抵抗値)
体積(電気)抵抗値はDSM−8103(東亜電波工業社製)にて測定された値を使用している。しかしながら、体積(電気)抵抗値は上記装置によって測定されなければならないというわけではなく、上記装置と同様の測定原理に従って体積(電気)抵抗値を測定可能な装置であれば、いかなる装置によって測定されてよい。
【0068】
詳しくは、誘電層の体積(電気)抵抗値は、該層のみが形成されたアルミホイルを30℃85%環境下で2時間保持した後、該アルミホイルを当該環境下で上記測定方法に供することによって測定した。
トナー担持体がリジッドタイプのときの中間層の体積(電気)抵抗値は、該層のみが形成された導電性基体を25℃60%環境下で2時間保持した後、該基体を当該環境下で上記測定方法に供することによって測定した。
トナー担持体がフレキシブルタイプのときの導電性基体の体積(電気)抵抗値は、導電性基体を25℃60%環境下で2時間保持した後、該基体を当該環境下で上記測定方法に供することによって測定した。
【0069】
(全(電気)抵抗値)
リジッドタイプのトナー担持体の全(電気)抵抗値は、該トナー担持体を25℃60%環境下で2時間保持した後、当該環境下、図4に示す方法で測定した。詳しくは、まずトナー担持体11の側面を金属プレート21に接触させた。トナー担持体11に対して金属プレート方向に荷重1kgを付与しつつ、トナー担持体の導電性基体と金属プレートとの間に電圧100Vを印加した。電流計22の値を読み取り、当該測定値と電圧から全(電気)抵抗値を算出した。
【0070】
フレキシブルタイプのトナー担持体の全(電気)抵抗値は、図6に示すようにトナー担持体12内部に導電性スポンジローラ23を入れたものを用いたこと、およびローラと金属プレートとの間に電圧を印加したこと以外、上記リジッドタイプのトナー担持体の全(電気)抵抗値の測定方法と同様の方法により測定した。
【0071】
(ゴム硬度)
中間層のゴム硬度はAsker−A硬度に基づく値である。
【0072】
評価方法
(ドット再現性)
プリンターの現像装置にトナー担持体を設置し、30℃85%にて1×1の網点及びベタ黒画像を現像した。ベタ黒画像の透過濃度を1.3としたときの、1×1の網点の反射濃度IDを測定し、測定値に基づいて評価した。なお、製造例6で得られたトナー担持体を使用するときはプリンターとしてLP−1900(エプソン社製)を使用し、それ以外のトナー担持体を使用するときはLP−3000C(エプソン社製)を使用した。いずれのプリンターに使用されているトナーも負帯電性トナーであった。またいずれのプリンターの解像度も600dpi以上であった。
○;ID≧0.15;
△;0.1≦ID<0.15;
×;ID<0.1。
【0073】
(チャージアップ量)
図5に示すように、現像装置にトナー担持体を設置後、通紙しない状態でトナー担持体を120rpmの回転速度で回転させた。このときトナー担持体に−200Vの電圧、規制ブレード13に−500Vの電圧を印加した。トナー担持体の表面から1mm離れた場所に表面電位計のプローブ31を設置し、トナー担持体の表面電位を表面電位計32およびオシロスコープ33によりモニターした。回転中のトナー担持体の電位と回転を止めたときのトナー担持体の電位を測定し、両者の差Vcuを算出した。なお、図5においては、リジッドタイプのトナー担持体11を評価する場合について記載されているが、フレキシブルタイプのトナー担持体12を評価する場合の図面は、トナー担持体12および回転部材18が図3(B)に示すように設置されること、およびトナー担持体に電圧が印加される代わりに、図3(B)に示すように回転部材に印加されること以外、図5と同様であるため、当該図面を省略する。
○;Vcu<50V;
△;50≦Vcu<100;
×;Vcu≧100V。
【0074】
(カブリ)
ドット再現性の評価を行ったプリンターと同様のプリンターにより耐久試験を行った。詳しくは、画像部と非画像部からなる画像を10000枚印字し、最後に印字された画像について評価した。
○;非画像部にトナーが見られなかった;
△;非画像部にトナーが僅かに見られたが実用上問題はなかった;
×;非画像部にトナーが明らかに見られた。
【0075】
【表1】
Figure 2004219704
【0076】
【発明の効果】
本発明のトナー担持体は高温高湿環境で比較的高い抵抗を保持可能であり、従って高温高湿環境と低温低湿環境との間で抵抗変動が顕著に少ない。
本発明のトナー担持体および現像装置は、ドット再現性等の画質性に優れた高精細な画像を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナー担持体の一例の概略断面図を示す。
【図2】本発明のトナー担持体の一例の概略断面図を示す。
【図3】(A)および(B)はそれぞれ本発明のトナー担持体を設置した現像装置の一例の概略構成図を示す。
【図4】トナー担持体全体の電気抵抗を測定する方法を説明するための概略説明図を示す。
【図5】トナー担持体表面のチャージアップ量を測定する方法を説明するための概略説明図を示す。
【図6】フレキシブルタイプのトナー担持体の全(電気)抵抗値の測定方法を説明するための概略図を示す。
【符号の説明】
1:像担持体、10:現像装置、11:トナー担持体、12:トナー担持体、13:規制部材、14:現像バイアス電源、15:供給部材、16:収容部、17:アジテータ、18:回転部材、20:現像装置、21:金属プレート、22:電流計、23:導電性スポンジローラ、31:プローブ、32:表面電位計、33:オシロスコープ。

Claims (5)

  1. 潜像担持体と接触しつつ、トナーを潜像担持体に搬送するトナー担持体であって、少なくともポリエステル系ウレタン樹脂および/またはポリカーボネート系ウレタン樹脂からなる誘電層と導電性基体層とを有してなり、誘電層の30℃85%環境下での体積抵抗値が1×10Ωcm以上であり、全体の25℃60%環境下での抵抗値が1×10Ω以下であることを特徴とするトナー担持体。
  2. 誘電層が、ポリエステル系ウレタン樹脂および/またはポリカーボネート系ウレタン樹脂のエマルジョンおよび架橋剤を含む塗布液を塗布および乾燥して形成されていることを特徴とする請求項1に記載のトナー担持体。
  3. 導電性基体上に中間層および誘電層を有してなり、中間層がゴム硬度50°以下の弾性体であることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー担持体。
  4. 導電性基体上に誘電層を有してなり、導電性基体が樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー担持体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のトナー担持体および該トナー担持体上のトナー量を規制しつつトナーを帯電する規制部材を備えた現像装置。
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