JP2004219084A - 放射線画像変換パネル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体2をなす耐熱性樹脂膜20の面の平均表面粗さRaを0.05μm<Ra≦0.5μmとする。また、最大表面粗さRz・Dの範囲を0.1μm<Rz・D≦1.0μmとする。上述の条件を満たした耐熱性樹脂膜20の表面に輝尽性蛍光体層3を気相堆積法により設ける。
Ra、Rz・Dを上述の範囲とすることで、輝尽性蛍光体層3をなす結晶の形状、指向性を最適化できる。それに加えて、輝尽性蛍光体層3の耐熱性樹脂膜20からの剥離を防止できる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線等の放射線を用いた画像診断に適用される放射線画像変換パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
画像診断の際、被検者の身体を透過したX線等の放射線の照射を受けて、被検者の身体の画像を得る放射線画像変換パネルは、放射線の照射を受けた際、そのエネルギーを蓄える輝尽性蛍光体からなる輝尽性蛍光体層が支持体の面に形成された構成を有する。輝尽性蛍光体層の形成は、層厚が均一となるようにすることが、輝尽性蛍光体の結晶の形状、指向性を最適化して感度、鮮鋭度を画像診断の目的に適った高い値とする上で好ましい。
ここで、支持体の材質としては、従来は例えば平均表面粗さRaが0.01μm程度の板ガラスが適用されてきた。一方、耐熱性樹脂膜は、ガラスに較べて放射線吸収量が低いために輝尽性蛍光体層の反対側から放射線を照射した場合でも放射線の損失が少なく、輝尽性蛍光体層の正味の感度を向上できる点や、ガラスに較べて割れにくく、画像撮像装置への取り付け、読取装置での取り込み、持ち運び等の際の取り扱いが容易となる点で支持体として好ましい。そのため、最近は耐熱性樹脂膜を支持体として適用するための研究が行なわれている。(例えば特許文献1)
【0003】
【特許文献1】
特開2002−303698号(第3、4頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
耐熱性樹脂を支持体に適用する場合、表面粗さをガラス板と同じ水準にして、気相堆積法で輝尽性蛍光体層を形成すると、輝尽性蛍光体層の感度、鮮鋭度は高くなるものの、支持体に対する接着力は十分ではなく、輝尽性蛍光体層が支持体から剥離しやすいという問題があった。それに対して、特許文献1には、輝尽性蛍光体層の感度、鮮鋭度を高めつつ、輝尽性蛍光体層の支持体からの剥離を防いで取り扱いを容易にする方法は記載されていない。
【0005】
本発明の課題は、蛍光体を耐熱性樹脂で支持する放射線画像変換パネルにおいて、高感度、高鮮鋭度を有し、且つ取り扱いの容易な放射線画像変換パネルを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、支持体上に輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネルであって、前記支持体は耐熱性樹脂からなり、前記輝尽性蛍光体層は前記支持体の面に気相堆積法で設けられ、前記支持体の前記輝尽性蛍光体層が設けられる面における平均表面粗さは0.05μmを超えるとともに0.5μm以下であることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、耐熱性樹脂からなる支持体の輝尽性蛍光体層が設けられる側の面の平均表面粗さを、0.05μmを超えるようにする。このことで、支持体と、気相堆積法により形成された輝尽性蛍光体層は十分な接着力で接着される。よって、支持体からの輝尽性蛍光体層からの剥落を防止して放射線画像変換パネルの取り扱いを容易にすることができる。また、上記面の平均表面粗さを0.5μm以下とすることで、気相堆積法により形成される輝尽性蛍光体層の層厚を略均一にして結晶の形状、指向性の最適化を可能にし、輝尽性蛍光体層の感度、鮮鋭度を画像診断の目的に適った高い値とすることができる。
また、支持体を耐熱性樹脂で形成することで、気相堆積法で輝尽性蛍光体層を形成するために支持体を高温条件下に置く場合でも支持体の変形が避けられる。さらに、耐熱性樹脂はガラスと較べて割れにくいので、このことによっても放射線画像変換パネルの取り扱いを容易にすることができる。
これらのことにより、画像診断の目的に適った高い感度と高い鮮鋭度を有し、且つ取り扱いの容易な放射線画像変換パネルを提供することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、支持体上に輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネルであって、前記支持体は炭素繊維強化樹脂からなる基板と、前記基板の面に設けられ、耐熱性樹脂からなる耐熱性樹脂膜とを有し、前記輝尽性蛍光体層は前記耐熱性樹脂膜の前記基板とは反対側の面に気相堆積法で設けられ、前記耐熱性樹脂膜の前記輝尽性蛍光体層が設けられる面における平均表面粗さは0.05μmを超えるとともに0.5μm以下であることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、炭素繊維強化樹脂からなる基板の面に耐熱性樹脂からなる耐熱性樹脂膜を設けて支持体を形成し、耐熱性樹脂膜の輝尽性蛍光体層が設けられる側の面の平均表面粗さを、0.05μmを超えるととも0.5μm以下となるようにする。このことで、請求項1に記載の発明と同様の効果を奏することができる。
また、支持体を耐熱性樹脂膜と基板で構成することで、輝尽性蛍光体層形成の際に支持体のうねりを防止して平坦に保つことができる。よって、層厚がより均一となるようにして輝尽性蛍光体層を形成することができる。また、炭素繊維強化樹脂はガラスより放射線に対する吸収性が低いので、ガラスで輝尽性蛍光体層を支持する場合よりも放射線の損失を抑えることができる。よって、高感度で高鮮鋭度の画像を取得できる放射線画像変換パネルを提供することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の放射線画像変換パネルであって、前記支持体の前記輝尽性蛍光体層が設けられる面における最大表面粗さは0.1μmを超えるとともに1.0μm以下であることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、支持体の輝尽性蛍光体層が形成される面における最大表面粗さが0.1μmを超えるようにすることで、支持体と輝尽性蛍光体層の接着性をさらに高めて、輝尽性蛍光体層の剥落をより効果的に防止できる。また、上記面における最大表面粗さを1.0μm以下とすることで、輝尽性蛍光体層の層厚をより均一にすることができる。よって、高感度、高鮮鋭性を有するとともに、より取り扱いの容易な放射線画像変換パネルを提供することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の放射線画像変換パネルであって、前記耐熱性樹脂はポリイミドであることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、耐熱性樹脂としてポリイミドを適用することで、支持体の表面粗さを蛍光体形成に最適な値に保つことができる。よって、支持体から蛍光体が剥落することなく、高感度、高鮮鋭度で画像を取得可能な放射線画像変換パネルを容易に提供できる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の放射線画像変換パネルであって、前記基板は一方向プレプリグを2層以上積層してなることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、炭素繊維が一方向に並べられてなる一方向プレプリグを基板に適用することで、織物プレプリグを適用する場合に較べて炭素繊維が支持体の表面形状に及ぼす影響を小さくすることができるので、支持体を平坦に保つことが容易にできる。また、一方向プレプリグを2層以上積層することで、基板は高い剛性を具備するので、支持体のうねりを防止してより効果的に支持体を平坦に保つことができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の放射線画像変換パネルであって、前記輝尽性蛍光体層は式(1)で表される輝尽性蛍光体からなることを特徴とする。
CsX:yA・・・(1)
(式(1)において、XはCl、BrまたはIを表し、Aは、Eu、Sm、In、Tl、GaまたはCeを表す。yの範囲は、1×10−7以上1×10−2以下である。)
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、輝尽性蛍光体層を式(1)で表される輝尽性蛍光体とすることで、輝尽性蛍光体層の放射線に対する吸収性を高め、輝尽性蛍光体層の感度を高めることができる。また、輝尽性蛍光体層をなす結晶の形状、指向性の最適化が容易なので、輝尽性蛍光体層に高感度、高鮮鋭度を両立して具備することができる。また、式(1)において、yの範囲を1×10−7以上1×10−2以下とすることで、輝尽性蛍光体層の感度をさらに高めることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る放射線画像変換パネル1について説明する。
放射線画像変換パネル1は被検者に対してX線画像診断を行なう際、被検者の身体を透過して到達したX線の照射を受けて、被検者の潜像を得る。放射線画像変換パネル1は少なくとも支持体2及び輝尽性蛍光体層3を有して構成される。なお、本発明に係る放射線画像変換パネル1は、人体のX線画像を得るものに限らず、動物、植物や無生物のX線画像取得に用いられるものとしてもよい。
【0019】
支持体2は基板10及び耐熱性樹脂膜20を有して構成される。
基板10は、支持体2に剛性を付与し、うねりを防いで耐熱性樹脂膜20を平坦に保つための構成要素であり、炭素繊維強化樹脂(Carbon Fiber Reinforced Plastic、CFRP)からなる。基板10は、炭素繊維からなる強化材を合成樹脂からなるマトリックスに含浸させてなるプレプリグを2層以上積層して作製される。
【0020】
プレプリグとしては、炭素繊維が一方向に引き揃えられた形態の一方向プレプリグと、炭素繊維を平織又は綾織等に織った形態の織物プレプリグとがある。基板10には一方向プレプリグを適用することが、炭素繊維の形状が支持体2表面の形状に及ぼす影響を小さくして、耐熱性樹脂膜20を平坦に保つことを容易できる点で好ましい。
また、プレプリグに適用するマトリックスとしては、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、ナイロン、ポリカーボネート、フェノール樹脂、ポリイミド等が適用可能である。上述の樹脂の中では、エポキシ樹脂が、耐熱性樹脂膜20、炭素繊維に対する接着性が高いために扱いやすく、表面平滑性を得られやすい点で好ましい。また、耐熱性の高いエポキシ樹脂を用いれば、輝尽性蛍光体層3の形成時に支持体1に反りを発生させにくい点でも好ましい。
また、基板10に一方向プレプリグを適用する場合、2枚以上のプレプリグを炭素繊維の方向を互いに違えて積層することが基板10の機械的強度を高め、放射線画像変換パネル1の取り扱いを容易にする点で好ましい。
【0021】
耐熱性樹脂膜20は支持体2の輝尽性蛍光体層3が設けられる面を、輝尽性蛍光体層3をなす結晶の形状、指向性を制御可能な範囲で平滑にするための構成要素であり、輝尽性蛍光体層3を直接支持する。耐熱性樹脂膜20は基板10と互いに一方の面で周知の方法により張り合わせて設けられる。
耐熱性樹脂膜20の素材としては、例えば、セルロースアセテート、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、トリアセテート、ポリカーボネート、シンジオタクティックポリスチレン(SPS)等の耐熱性樹脂が適用可能である。上記耐熱性樹脂は、放射線吸収率が低く、輝尽性蛍光体層3とは反対側の面でX線照射を受けた際のX線の損失が少ないために輝尽性蛍光体層3の正味の感度を向上可能な点で好ましい。
【0022】
また、基板10のマトリックス及び耐熱性樹脂膜20をなす耐熱性樹脂のガラス転移温度Tgは100℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがさらに好ましい。耐熱性樹脂のガラス転移温度が上述の条件を満たすことで、後述するようにして輝尽性蛍光体層3を形成するときに耐熱性樹脂膜20の表面の平滑さを維持して輝尽性蛍光体層3をなす結晶の形状、指向性を容易に最適化できる点で好ましい。
ガラス転移温度が上述の条件を満たす耐熱性樹脂のなかでは、ポリイミドが表面平滑性が高く、輝尽性蛍光体層3との接着性が良い点で特に好ましい。
【0023】
耐熱性樹脂膜20の基板10とは反対側の面の平均表面粗さRaの範囲は0.05μm<Ra≦0.5μmとすることが好ましい。
Raが0.05μm以下の場合、耐熱性樹脂膜20と輝尽性蛍光体層3との接着力が弱いために輝尽性蛍光体層3が耐熱性樹脂膜20から剥落しやすくなるという問題が生じる。一方、Raが0.5μmを超える場合、後述するようにして形成された輝尽性蛍光体層3に層厚ムラが生じ、結晶形状、指向性を最適化できなくなって放射線画像変換パネル1の感度、鮮鋭度が悪くなるという問題が生じる。
また、上述の条件の場合よりも輝尽性蛍光体層3の層厚を均一にするとともに結晶形状、指向性の最適化を自在にするためには、Raの範囲を0.05μm<Ra≦0.3μmとすることがさらに好ましい。
【0024】
さらに、耐熱性樹脂膜20の基板10とは反対側の面の最大表面粗さRz・D(十点平均法)の範囲は0.1μm<Rz・D≦1.0μmとすることが好ましい。
Rz・Dが0.1μm以下の場合、耐熱性樹脂膜20と輝尽性蛍光体層3との接着力が弱いために輝尽性蛍光体層3が耐熱性樹脂膜20から剥落しやすくなるという問題が生じる。一方、Rz・Dが1.0μmを超える場合、後述するようにして形成された輝尽性蛍光体層3に層厚ムラが生じたり結晶形が悪くなったりするために感度、鮮鋭度が悪くなるという問題が生じる。
また、上述の条件の場合よりも輝尽性蛍光体層3の層厚を均一にするとともに結晶形状、指向性の最適化を自在にするには、Rz・Dの範囲を0.1μm<Rz・D≦0.7μmとすることがさらに好ましい。
【0025】
耐熱性樹脂膜20の表面粗さを上述の条件とするため、耐熱性樹脂膜20に対して、触針法やレーザ干渉側長法といった周知の表面粗さ測定方法で平均表面粗さRa、最大表面粗さRz・Dを測定し、上述の条件を満たすものについて輝尽性蛍光体層3を形成することが好ましい。
また、耐熱性樹脂膜20の輝尽性蛍光体層3が形成される面に対して、輝尽性蛍光体層3形成前に研磨を行なってもよい。研磨は、例えばコランダム、ザクロ石、シリカ、フリント、エメリー、ダイヤモンド、アルミナ、アルミナジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ホウ素といった無機系の研磨剤や、フェノール樹脂、ゴム、セラック、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂といった有機系の研磨剤を用いて行なう。耐熱性樹脂膜20の具体的な研磨方法や、研磨剤の種類、粒径等は、耐熱性樹脂膜20の材質や到達すべき表面粗さに応じて、周知のものから適宜選択される。
【0026】
支持体2の厚みは、100μm〜10mmが取り扱いの容易さの点で好ましく、150μm〜8mmがさらに好ましい。支持体2の厚みは、用いる材質等によって適宜決定される。
【0027】
輝尽性蛍光体層3は、輝尽性蛍光体の柱状結晶が配列されてなる。輝尽性蛍光体層3をなす結晶はX線画像撮影の際、被検者の身体を透過したX線の照射を受けて励起されることでこのX線のエネルギーを、二次励起光の刺激により発光により放出可能な形態で蓄える。こうして結晶がX線のエネルギーを蓄えることで輝尽性蛍光体層3は被検者の潜像を得る。
【0028】
本発明に係る輝尽性蛍光体層3に用いられる輝尽性蛍光体としては、例えばアルキル金属のハロゲン化物からなる母体(basic substance)と、Eu、Tb、In、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Y、Tl、Na、Ag、Cu、Mgといった金属原子を含んだ賦活剤(actibator)とを組み合わせたアルカリハライド型輝尽性蛍光体が適用可能である。
【0029】
輝尽性蛍光体としては、式(1)で表される組成を有するセシウムハライド型輝尽性蛍光体が好ましい。ここで、式(1)において、XはCl、BrまたはIを表し、Aは、Eu、Sm、In、Tl、GaまたはCeを表す。そして、yの範囲は1×10−7以上1×10−2以下である。
CsX:yA・・・(1)
セシウムハライド型輝尽性蛍光体はX線に対する吸収性が高いとともに、気相堆積法で結晶を作製する際に結晶形状、指向性の最適化が容易である。よって、輝尽性蛍光体層3を気相堆積法により形成されたセシウムハライド型輝尽性蛍光体の結晶で構成することで、画像診断に適した値の感度、鮮鋭度を具備することができる。
また、CsXに対して賦活剤であるAを1×10−7以上1×10−2以下添加することにより、結晶がX線のエネルギーを蓄えた状態で2次励起光の照射を受けたとき、効率よく発光することができる。
【0030】
輝尽性蛍光体層3は、輝尽性蛍光体の結晶を気相中で成長させる気相堆積法により形成することが、結晶の形状、指向性を良好な精度で最適化できる点や、結着剤等を省いて輝尽性蛍光体の充填密度を高めて感度を高められる点で好ましい。気相堆積法の範疇に属する具体的な結晶作製方法としては、蒸着法、スパッタ法及びCVD(Chemical Vapour Deposition)法等が好ましい。
例えば蒸着法を適用する場合、耐熱性樹脂膜20上に特定の入射角で輝尽性蛍光体の蒸気または該原料を供給し、結晶を気相成長(気相堆積法と呼ぶ)させることで、独立した細長い柱状結晶が平面に配列されてなる輝尽性蛍光体層3が得られる。
【0031】
これらの場合において、耐熱性樹脂膜20と坩堝との最短部の間隔は輝尽性蛍光体の平均飛程に合わせて概ね10cm〜60cmに設置するのが好ましい。
【0032】
柱状結晶の太さは支持体温度、真空度、蒸気流入射角度等によって影響を受けるので、これらを最適化することによって所望の太さの柱状結晶を作製することが可能である。
ここで、柱状結晶からなる輝尽性蛍光体層3の鮮鋭度の指標となる変調伝達関数(MTF)を高めるためには、柱状結晶の太さ(柱状結晶を支持体と平行な面から観察したときの各柱状結晶の断面積の円換算した直径の平均値であり、少なくとも100個以上の柱状結晶を視野中に含む顕微鏡写真から計算する)は1μm〜50μmが好ましい。柱状結晶が1μmより細い場合は、柱状結晶により輝尽励起光が散乱される為にMTFが低下する。一方、柱状結晶が50μm以上の場合も輝尽励起光の指向性が低下し、MTFは低下する。また、柱状結晶の太さは1μm〜30μmとすることが更に好ましい。
【0033】
また、各柱状結晶間の間隙の大きさは30μm以下がよい。間隙が30μmを越える場合は輝尽性蛍光体層中の蛍光体の充填率が低くなり、感度が低下するという問題が生じる。柱状結晶間の間隙の大きさは5μm以下とすることが更に好ましい。
【0034】
支持体2における輝尽性蛍光体層3の形成は、蒸着法、スパッタ法、CVD法それぞれの場合、具体的には次に述べるようにして行なわれる。
【0035】
(蒸着法)
蒸着法は支持体2を蒸着装置内に設置したのち、装置内を排気して1.333×10−4Pa程度の真空とし、次いで、輝尽性蛍光体の少なくとも1つを抵抗加熱法、エレクトロンビーム法などの方法で加熱蒸発させて支持体表面に輝尽性蛍光体を所望の厚みに堆積させる。
この結果、結着剤を含有しない輝尽性蛍光体層3が形成されるが、前記蒸着工程では複数回に分けて輝尽性蛍光体層3を形成することも可能である。また、前記蒸着工程では複数の抵抗加熱器或いはエレクトロンビームを用いて蒸着を行うことも可能である。
また蒸着法においては、輝尽性蛍光体原料を複数の抵抗加熱器或いはエレクトロンビームを用いて蒸着し、支持体上で目的とする輝尽性蛍光体を合成すると同時に輝尽性蛍光体層3を形成することも可能である。更に蒸着法においては、蒸着時に必要に応じて被蒸着物を冷却或いは加熱してもよい。また、蒸着終了後、輝尽性蛍光体層を加熱処理してもよい。
【0036】
(スパッタ法)
スパッタ法は前記蒸着法と同様に支持体2をスパッタ装置内に設置した後、装置内を一旦排気して1.333×10−4Pa程度の真空度とし、次いでスパッタ用のガスとしてAr、Ne等の不活性ガスを装置内に導入して1.333×10−1Pa程度のガス圧とする。次に、前記輝尽性蛍光体をターゲットとして、斜めにスパッタリングすることにより支持体表面に輝尽性蛍光体を所望の厚さに斜めに堆積させる。
このスパッタ工程では蒸着法と同様に複数回に分けて輝尽性蛍光体層3を形成することも可能であるし、それぞれを用いて同時或いは順次、前記ターゲットをスパッタリングして輝尽性蛍光体層3を形成することも可能である。また、スパッタ法では、複数の輝尽性蛍光体原料をターゲットとして用い、これを同時或いは順次スパッタリングして、支持体上で目的とする輝尽性蛍光体層3を形成することも可能であるし、必要に応じてO2、H2等のガスを導入して反応性スパッタを行ってもよい。更に、スパッタ法においては、スパッタ時に必要に応じて被蒸着物を冷却或いは加熱してもよい。また、スパッタ終了後に輝尽性蛍光体層3を加熱処理してもよい。
【0037】
(CVD法)
CVD法は、目的とする輝尽性蛍光体或いは輝尽性蛍光体原料を含有する有機金属化合物を熱、高周波電力等のエネルギーで分解することにより、支持体上に結着剤を含有しない輝尽性蛍光体層3を得るものであり、いずれも輝尽性蛍光体を独立した細長い柱状結晶に気相成長させることが可能である。
【0038】
上述の各方法により形成される輝尽性蛍光体層3の層厚は目的とする放射線像変換パネルの放射線に対する感度、輝尽性蛍光体の種類等によって異なるが、10μm〜1000μmの範囲が好ましく、更に好ましくは、20μm〜800μmの範囲である。
【0039】
また、上記記載の気相堆積法を用いて輝尽性蛍光体層3を作製する時、蒸発源となる輝尽性蛍光体は、均一に溶解させるか、プレス、ホットプレスによって成形するか又は粉末にして坩堝に仕込まれる。この際、脱ガス処理を行うことが好ましい。蒸発源から輝尽性蛍光体を蒸発させる方法は電子銃により発した電子ビームの走査による方法や、抵抗可熱器による方法により行われるが、これ以外の方法にて蒸発させることもできる。
また、蒸発源は必ずしも輝尽性蛍光体である必要はなく、輝尽性蛍光体原料を混和したものであってもよい。
また、輝尽性蛍光体層3の形成は、母体と、賦活剤とを、予め混合してから蒸発させて行なっても良いし、母体の結晶を成長させた後、賦活剤をドープするという手順で行なってもよい。例えば、賦活剤を後からドープする場合、母体であるCs塩のみを蒸着した後、賦活剤であるEuをドープしてもよい。ドーピングは形成された蛍光体の母体層中にドーピング剤(賦活剤)を熱拡散、イオン注入法によって行うことができる。
【0040】
この様にして耐熱性樹脂膜20の面に形成された輝尽性蛍光体層3は、結着剤を含有していないので、指向性に優れている。よって、輝尽励起光及び輝尽発光の指向性が高く、輝尽性蛍光体を結着剤中に分散した分散型の輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネルより層厚を厚くすることができる。更に輝尽励起光の輝尽性蛍光体層中での散乱が減少することで像の鮮鋭性が向上する。
【0041】
また、輝尽性蛍光体層3は、柱状結晶間の間隙に結着剤等充填物を充填することで補強される構成としてもよい。また、高光吸収率の物質、高光反射率の物質等を上記間隙に充填してもよい。これにより前記補強効果をもたせるほか、輝尽性蛍光体層3に入射した輝尽励起光の横方向への光拡散をほぼ完全に防止できる。
高光反射率の物質とは、二次励起光(500nm〜900nm、特に600nm〜800nm)に対する反射率の高いものをいい、例えばアルミニウム、マグネシウム、銀、インジウムその他の金属など、白色顔料及び緑色から赤色領域の色材を用いることができる。
白色顔料は輝尽発光も反射することができる。白色顔料としては、TiO2(アナターゼ型、ルチル型)、MgO、PbCO3・Pb(OH)2、BaSO4、Al2O3、M(II)FX(但し、M(II)はBa、Sr及びCaの中の少なくとも一種であり、XはCl、及びBrのうちの少なくとも一種である。)、CaCO3、ZnO、Sb2O3、SiO2、ZrO2、リトポン(BaSO4・ZnS)、珪酸マグネシウム、塩基性珪硫酸鉛、塩基性燐酸鉛、珪酸アルミニウムなどが適用可能である。これらの白色顔料は隠蔽力が強く、屈折率が大きいため、光を反射したり、屈折させることにより輝尽発光を容易に散乱し、放射線画像変換パネル1の感度を顕著に向上させることができる。
【0042】
また、高光吸収率の物質としては、例えば、カーボン、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化鉄など及び青の色材が用いられる。このうちカーボンは輝尽発光も吸収する。
また、色材は、有機系色材、無機系色材のいずれでもよい。有機系色材としては、ザボンファーストブルー3G(ヘキスト製)、エストロールブリルブルーN−3RL(住友化学製)、D&CブルーNo.1(ナショナルアニリン製)、スピリットブルー(保土谷化学製)、オイルブルーNo.603(オリエント製)、キトンブルーA(チバガイギー製)、アイゼンカチロンブルーGLH(保土ヶ谷化学製)、レイクブルーAFH(協和産業製)、プリモシアニン6GX(稲畑産業製)、ブリルアシッドグリーン6BH(保土谷化学製)、シアンブルーBNRCS(東洋インク製)、ライオノイルブルーSL(東洋インク製)等や、カラーインデクスNo.24411、23160、74180、74200、22800、23154、23155、24401、14830、15050、15760、15707、17941、74220、13425、13361、13420、11836、74140、74380、74350、74460等の有機系金属錯塩色材が適用可能である。無機系色材としては群青、コバルトブルー、セルリアンブルー、酸化クロム、TiO2−ZnO−Co−NiO系顔料が適用可能である。
【0043】
また、本発明の放射線画像変換パネル1には輝尽性蛍光体層3をなす輝尽性蛍光体としては式(1)に示すセシウムハライド型蛍光体の他に、例えば、特開昭48−80487号に記載されているBaSO4:Axという一般式で表される蛍光体、特開昭48−80488号に記載のMgSO4:Axで表される蛍光体、特開昭48−80489号に記載されているSrSO4:Axで表される蛍光体、特開昭51−29889号に記載されているNa2SO4、CaSO4及びBaSO4等にMn、Dy及びTbの中少なくとも1種を添加した蛍光体、特開昭52−30487号に記載されているBeO、LiF、MgSO4及びCaF2等の蛍光体、特開昭53−39277号に記載されているLi2B4O7:Cu,Ag等の蛍光体、特開昭54−47883号に記載されているLi2O・(Be2O2)x:Cu,Ag等の蛍光体、米国特許第3,859,527号に記載されているSrS:Ce,Sm、SrS:Eu,Sm、La2O2S:Eu,Sm及び(Zn,Cd)S:Mnxで表される蛍光体等が適用可能である。さらに、特開昭55−12142号に記載されているZnS:Cu,Pb蛍光体、一般式がBaO・xAl2O3:Euで挙げられるアルミン酸バリウム蛍光体や、一般式がM(II)O・xSiO2:Aで表されるアルカリ土類金属珪酸塩系蛍光体も適用可能である。
【0044】
また、特開昭55−12143号に記載されており(Ba1−x−yMgxCay)Fx:Eu2+という一般式で表されるアルカリ土類フッ化ハロゲン化物蛍光体、特開昭55−12144号に記載されておりLnOX:xAという一般式で表される蛍光体、特開昭55−12145号に記載されており(Ba1−xM(II)x)Fx:yAという一般式で表される蛍光体、特開昭55−84389号に記載されておりBaFX:xCe,yAという一般式で表される蛍光体、特開昭55−160078号に記載されておりM(II)FX・xA:yLnという一般式で表される希土類元素賦活二価金属フルオロハライド蛍光体、一般式ZnS:A、CdS:A、(Zn,Cd)S:A,Xで表される蛍光体、特開昭59−38278号に記載されている下記いずれかの一般式
xM3(PO4)2・NX2:yA
xM3(PO4)2:yA
で表される蛍光体、特開昭59−155487号に記載されている下記いずれかの一般式
nReX3・mAX′2:xEu
nReX3・mAX′2:xEu,ySm
で表される蛍光体、特開昭61−72087号に記載されている下記一般式
M(I)X・aM(II)X′2・bM(III)X″3:cA
で表されるアルカリハライド蛍光体、及び特開昭61−228400号に記載されている一般式M(I)X:xBiで表されるビスマス賦活アルカリハライド蛍光体等も適用可能である。
特に、アルカリハライド蛍光体は、蒸着、スパッタリング等の方法で柱状の輝尽性蛍光体層を形成させやすく好ましい。
又、前述のように、アルカリハライド蛍光体の中でもCsBr系蛍光体が高輝度、高画質である点で好ましい。
【0045】
なお、本発明に係る放射線画像変換パネル1は上述の例に限らない。本発明に係る放射線画像変換パネル1は、炭素繊維強化樹脂の基板10を有さず、耐熱性樹脂板のみで支持体2を形成することとしても良い。
【0046】
以下、本発明の実施例について説明する。
《実施例1に係る放射線画像変換パネル1の作製》
エポキシ樹脂のマトリクスを有する一方向プレプリグを積層してなる長さ509mm、幅500mm、厚さ3mmの炭素繊維強化樹脂を基板10に適用し、長さ509mm、幅500mm、厚さ125μmのポリイミドシートを耐熱性樹脂膜20に適用した。
基板10と耐熱性樹脂膜20を熱プレス機により130℃で圧着後、耐熱性樹脂膜20の平均表面粗さRa及び最大表面粗さRz・Dを測定した。Ra、Rz・Dの測定には東京精密製の表面粗さ計サーフコム(登録商標)1500Aを用いた。測定条件は垂直倍率10k、水平倍率AUTO、測定長2mm、移動速度0.3mm/s、うねりのカットオフ2.5mm、N=3とした。
【0047】
輝尽性蛍光体層3の形成は蒸着法により行なった。
まず、支持体2を真空チャンバーに入れ、この真空チャンバー内部を減圧して真空度を1×10−3Paとしてから窒素ガスを導入して真空度を1×10−2Paに保ってCsBr:0.001Euからなるアルカリハライド蛍光体を耐熱性樹脂膜20表面に堆積させた。CsBr:0.001Euの気化は抵抗加熱法によって行なった。スリットにはアルミニウム製のものを用い、支持体2とスリットの距離を50cmとした。支持体2と平行な方向に支持体を搬送しながら蒸着を行って、300μm厚の柱状構造を有する輝尽性蛍光体層3を形成し、放射線画像変換パネル1を作製した。
また、実施例2〜5及び比較例1〜4については、プレプリグの種類や表面粗さの値を表1に示すように変えて、他の条件については実施例1の場合と同様にして放射線画像変換パネル1を作製した。
【0048】
《実施例6に係る放射線画像変換パネル1の作製》
長さ509mm、幅500mm、厚さ2000μmのポリイミド板を支持体2に適用して放射線画像変換パネル1を作製した。作製の手順は、基板10と耐熱性樹脂膜20の接着を省く点を除いては実施例1の場合と同様とした。
また、実施例7〜10及び比較例5〜8については、プレプリグの種類や表面粗さの値を表1に示すように変えて、他の条件については実施例6の場合と同様にして放射線画像変換パネル1を作製した。
【0049】
《感度評価》
実施例1〜10、比較例1〜8の各放射線画像変換パネル1について、以下のようにして感度の評価を行なった。
感度は、放射線画像変換パネル1にX線を管電圧80kVp、照射線量10mAs、放射線源と放射線画像変換パネル1の距離2mで照射した後、コニカ製の放射線画像読み取り装置Regius 350でレーザ光を照射して輝尽性蛍光体層3を発光させた際、光電倍増管から出力される電機信号の強度の、輝尽性蛍光体層3全体での平均値により評価した。表1には、上述の手順により実施例6について測定された感度を1.0とした場合の相対的な感度を示す。
【0050】
《鮮鋭性評価》
鮮鋭性の評価は変調伝達関数(MTF)を求めることで行なった。MTFは、放射線画像変換パネル1にCTFチャートを貼付後、X線を管電圧80kVp、照射線量10mR、放射線源と放射線画像変換パネル1の距離1.5mで照射した。照射後、直径100μm、波長680nm、放射線画像変換パネル1上での放射束40mWの半導体レーザ光を用いてCTFチャート像を読み取りして求めた。表1には空間周波数2.0lp/mmにおけるMTF値を示す。この場合MTF値が高いほど鮮鋭性がよい。
【0051】
《剥離の有無》
輝尽性蛍光体層3の支持体2からの剥離の有無は、輝尽性蛍光体層3を蒸着により下向き結晶を成長させて形成した際の、結晶の落下の有無により確認した。
【0052】
【表1】
【0053】
表1より、支持体2の平均表面粗さRaが0.06μm以上0.48μm以下、最大表面粗さRz・Dが0.12μm以上0.98μm以下の場合には相対感度0.94〜1.15、鮮鋭度30%〜39%であった。
【0054】
一方、Raが0.5μmを超える比較例1、4、5、8や、Raは0.5μm以下でもRz・Dが1.0μmを超える比較例2、6では、輝尽性蛍光体層3の剥離は無かったものの、相対感度は0.88以下となり、鮮鋭度は28%以下であった。
また、Raが0.05μm未満、Rz・Dが0.10μm未満の比較例3、7では、輝尽性蛍光体層3が支持体2から剥離したうえ、相対感度は0.75以下、鮮鋭度は20%以下であった。
【0055】
この様に、輝尽性蛍光体層3を支持体2の耐熱性樹脂からなる面に気相堆積法で設け、支持体2の輝尽性蛍光体層3が設けられる面の平均表面粗さRa、最大表面粗さRz・Dの範囲を0.05μm<Ra≦0.5μm、0.1μm<Rz・D≦1.0μmとすることで輝尽性蛍光体層3をなす輝尽性蛍光体の結晶の形状、指向性の最適化が可能となる。また、輝尽性蛍光体層3の支持体2からの剥落を防止できるので、放射線画像変換パネル1の放射線画像撮像装置への取り付け、読取装置への取り込み、持ち運び等の際の取り扱いを容易にすることができる。よって、高感度、高鮮鋭度を有し、且つ取り扱いの容易な放射線画像変換パネルを提供することができる。
【0056】
なお、本発明に係る放射線画像変換パネル1は上述の例に限らない。放射線画像変換パネル1はX線以外にも、β線、陽電子線、γ線、中性子線等、画像診断に適用される他の放射線に対応した構成としてもよい。
また、耐熱性樹脂膜20は基板10の両面に設けてもよいし、基板10の一方の面に2枚以上重ねて設けても良い。さらに、輝尽性蛍光体層3は支持体2の両面に設けてもよい。
また、放射線画像変換パネル1は、輝尽性蛍光体層3を防湿性の保護材で保護する構成としてもよい。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、画像診断の目的に適した感度、鮮鋭度を有し、且つ画像撮像や潜像読取の際に取り扱いの容易な放射線画像変換パネルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る放射線画像変換パネル1を一部を破断して示す斜視図である。
【符号の説明】
1 放射線画像変換パネル
2 支持体
3 輝尽性蛍光体層
10 基板
20 耐熱性樹脂膜
Claims (6)
- 支持体上に輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネルであって、
前記支持体は耐熱性樹脂からなり、
前記輝尽性蛍光体層は前記支持体の面に気相堆積法で設けられ、
前記支持体の前記輝尽性蛍光体層が設けられる面における平均表面粗さは0.05μmを超えるとともに0.5μm以下であることを特徴とする放射線画像変換パネル。 - 支持体上に輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネルであって、
前記支持体は炭素繊維強化樹脂からなる基板と、前記基板の面に設けられ、耐熱性樹脂からなる耐熱性樹脂膜とを有し、
前記輝尽性蛍光体層は前記耐熱性樹脂膜の前記基板とは反対側の面に気相堆積法で設けられ、
前記耐熱性樹脂膜の前記輝尽性蛍光体層が設けられる面における平均表面粗さは0.05μmを超えるとともに0.5μm以下であることを特徴とする放射線画像変換パネル。 - 前記支持体の前記輝尽性蛍光体層が設けられる面における最大表面粗さは0.1μmを超えるとともに1.0μm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の放射線画像変換パネル。
- 前記耐熱性樹脂はポリイミドであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の放射線画像変換パネル。
- 前記基板は一方向プレプリグを2層以上積層してなることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の放射線画像変換パネル。
- 前記輝尽性蛍光体層は式(1)で表される輝尽性蛍光体からなることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の放射線画像変換パネル。
CsX:yA・・・(1)
(式(1)において、XはCl、BrまたはIを表し、Aは、Eu、Sm、In、Tl、GaまたはCeを表す。yの範囲は、1×10−7以上1×10−2以下である。)
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