JP2004218791A - 弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】構造が簡単であるとともに煩雑な手間を要することなく、管路からの取り外しを不要にした不断水状態で、弁箱内部の腐食の進行度を判断することができる弁を提供する。
【解決手段】弁箱1の内部に弁箱1および弁体2と同じ材質でかつ同質で同じ厚さの塗装が施された腐食検出軸部90を有する腐食検出棒9を配置する。腐食検出軸部90の断面積を、予め腐食代を見込んだ値に設定し、引張装置12により所定値の引張荷重を腐食検出棒9に負荷して、腐食検出軸部90に塑性変形や破断による軸方向の伸びが生じない場合には、未だ弁箱1と弁体2の腐食が進行しておらず、寿命に達していない判断をなし、腐食検出軸部90に塑性変形や破断による軸方向の伸びが生じた場合は、弁箱1と弁体2の腐食が進行して寿命に達した状態であることを判断する。
【選択図】 図3
【解決手段】弁箱1の内部に弁箱1および弁体2と同じ材質でかつ同質で同じ厚さの塗装が施された腐食検出軸部90を有する腐食検出棒9を配置する。腐食検出軸部90の断面積を、予め腐食代を見込んだ値に設定し、引張装置12により所定値の引張荷重を腐食検出棒9に負荷して、腐食検出軸部90に塑性変形や破断による軸方向の伸びが生じない場合には、未だ弁箱1と弁体2の腐食が進行しておらず、寿命に達していない判断をなし、腐食検出軸部90に塑性変形や破断による軸方向の伸びが生じた場合は、弁箱1と弁体2の腐食が進行して寿命に達した状態であることを判断する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バタフライ弁や仕切弁などの弁に係り、特に、管路からの取り外しを不要にした不断水状態で、弁箱内部の腐食の進行度を判断することができる弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、管路からの取り外しを不要にした不断水状態で、弁箱内部の腐食の進行度を判断することができる弁(たとえばバタフライ弁)がある。このバタフライ弁は、図4、図5、図6および図7に示すように、弁箱1と、弁体2および弁棒3を備え、弁棒3を取付けた弁体2が弁箱1の軸方向にのびる軸線C1に直交する縦軸線を有して、弁棒3とともに該弁棒3の軸まわりに回転できるように弁箱1に収容され、弁体2の回転によって弁体2外周部のゴム製弁体シ−ト2Aが弁箱1内周部のゴム製弁箱シート1Aに接離して開閉を行うように構成されている。弁箱1の内面は一様な内径を有して軸線C1方向にのび、その断面形状は正円形を呈している。
【0003】
弁箱1における弁体2の収容位置よりも上流側4の半径方向一側には、弁箱1の内部に連通する孔5が開口され、この孔5の外端部に劣化度判断装置6が着脱可能かつ液密に取付けられている。この劣化度判断装置6は、弁箱シート1Aおよび弁体シート2Aの劣化度を判断するためのもので、判断用仕切弁60と、カバー61および操作軸62を備えている。
【0004】
判断用仕切弁60は、弁箱60Aと弁体60Bおよび弁棒60Cとを有し、弁箱60Aが孔5の外端部に着脱可能かつ液密に取付けられており、弁体60Bを内端部に取付けた弁棒60Cの外端部は、進退移動自在かつ液密に弁箱60Aの外部に導出されている。また、カバー61は弁箱60Aの外端部に着脱可能かつ液密に取付けられ、孔5、弁箱60Aおよびカバー61の三者が同心に配列している。さらに、操作軸62は、孔5、弁箱60Aおよびカバー61の三者の軸線上に位置して該軸方向に進退移動自在かつ液密にカバー61に支持されており、その先端部に試料保持台62Aが設けられ、後端側はカバー61の外部に導出されて操作ハンドル62Bを設けてある。
【0005】
一方、操作軸62先端部の試料保持台62Aには、弁箱シート1Aと同質の試料7および弁体シート2Aと同質の試料7が着脱可能に取付けられている。この試料7は、常時は、図5に示すように、弁箱1の内部に臨出して通水(流体)Fに晒される位置に保持されている。
【0006】
このように、劣化度判断装置6の試料保持台62Aによって保持した試料7を弁箱1の内部に臨出させて通水Fに晒すことで、試料7は弁箱シート1Aおよび弁体シート2Aと略同様に通水の影響を受けて劣化することになる。したがって、弁箱シート1Aおよび弁体シート2Aの劣化度を判断する場合には、まず、図5の操作軸62を矢印方向に引っ張って、図6のように試料7をカバー61内に退避させ、ついで、図7のように判断用仕切弁60の弁体60Bを弁箱60Aの内部に押し進めたのち、カバー61を弁箱60Aから取り外し、カバー61の内部に存在している試料7を目視により確認することで、弁箱シート1Aおよび弁体シート2Aの劣化度を判断する。つまり、管路からの弁の取り外しを不要にした不断水状態で、弁箱シート1Aおよび弁体シート1Bの劣化度を容易に判断することができる(たとえば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−228042号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、劣化度判断装置6の構造が若干複雑であるとともに、劣化度を判断するのに際して、試料7を弁箱1の内部から退避させて弁箱1の外部に取出し、これを目視により確認する煩雑な手間を要する。
【0009】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、構造が簡単であるとともに煩雑な手間を要することなく、管路からの取り外しを不要にした不断水状態で、弁箱内部の腐食の進行度を判断することができる弁を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明に係る弁は、弁箱と、この弁箱の内部に回転自在または進退移動自在に収容されて該弁箱の内部を遮断・開放する弁体とを備えた弁において、前記弁箱の内部に該弁箱内部の腐食の進行度を検出する腐食検出棒が配置されているとともに、この腐食検出棒に引張荷重を負荷して該腐食検出棒の塑性変形や破断による軸方向の伸びで前記弁箱内部の腐食の進行度を判断させる引張装置を備えていることを特徴としている。
【0011】
本発明によれば、弁箱の内部に配置されている腐食検出棒は流体に晒されるので、腐食検出棒を弁箱および弁体と同じ材質で構成し、かつ、その表面に弁箱内面および弁体表面に施されている塗装と同じ塗装を施すことで、腐食検出棒は弁箱および弁体と略同様の進行度で腐食して断面積が縮小されることになる。したがって、腐食検出棒の断面積を、予め腐食代を見込んだ値に設定しておくことによって、引張装置により所定の値に設定した引張荷重を腐食検出棒に負荷しても、腐食検出棒に塑性変形や破断による軸方向の伸びが生じない場合には、未だ弁箱および弁体の腐食が進行しておらず、寿命に達していない状態であることを正確に判断できる。一方、引張装置により所定の値に設定した引張荷重を腐食検出棒に負荷することで、腐食検出棒に塑性変形や破断による軸方向の伸びが生じた場合は、弁箱および弁体の腐食が進行して寿命に達した状態であることを正確に判断できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、図4〜図7で説明した従来例と同一もしくは相当部分には、同一符号を付して説明する。
【0013】
図1は本発明の一実施の形態を示す縦断正面図、図2は縦断側面図、図3は腐食検出棒の配置を示す拡大断面図であり、これらの図において、バタフライ弁は、弁箱1と、弁体2および弁棒3を備え、弁棒3を取付けた弁体2が弁箱1の軸方向にのびる軸線C1に直交する縦軸線C2を有して、弁棒3とともに該弁棒3の軸まわりに回転できるように弁箱1に収容され、弁体2の回転によって弁体2外周部の弁体シ−ト2Aが弁箱1内周部の弁箱シート1Aに接離して開閉を行うように構成されている。弁箱1の内面は一様な内径を有して軸線C1方向にのび、その断面形状は断面積が一様な正円形を呈しており、弁箱1および弁体2は同じ材質の鋳造品によってなり、弁箱1の内面と弁体2の表面には所定の塗装(図示省略)が施されている。
【0014】
弁箱1における弁体2の収容位置の一側(たとえば上流側4)には、弁箱1の軸線C1と弁体2の軸線C2に直交する軸線C3を備えた腐食検出棒9が弁箱1を液密に貫通して配置されている。すなわち、腐食検出棒9は、腐食検出軸部90と、腐食検出軸部90の軸方向両端に連結された一対の弁箱貫通軸部91,91とからなり、腐食検出軸部90は、弁箱1および弁体2と同じ材質の鋳造品によって作られた所定断面積を有する丸棒によってなり、その表面には弁箱1の内面と弁体2の表面に施されている塗装と同質で同じ厚さの塗装が施されている。また、弁箱貫通軸部91,91は、腐食検出軸部90よりも少し大径でかつ腐食検出軸部90よりも大きい引張応力を有する金属製の丸棒によってなり、弁箱1に設けた貫通孔10,10に軸方向の移動を可能に挿通され、ゴム製のシールリング11によって液密が保持されているとともに、外端の雄ネジ部91Aにロックナット92を螺合して弁箱1の外面に締め付けることで、腐食検出棒9を軸線C3方向の移動を不能に弁箱1に取付けてある。
【0015】
このような構成であれば、腐食検出棒9の腐食検出軸部90は流体Fに晒されるので、腐食検出軸部90は弁箱1および弁体2と略同様の進行度で腐食して横断面積(軸線C3に直交する面の面積)が縮小されることになる。したがって、腐食検出軸部90の横断面積を、予め腐食代を見込んだ値に設定しておくことによって、図3に示すように、たとえばバネ秤によってなる引張装置12の先端フック部12Aを一方の弁箱貫通軸部91の外端部に掛止して、所定の値に設定した引張荷重を腐食検出棒9に負荷しても、腐食検出軸部90に塑性変形や破断による軸方向の伸びが生じない場合には、未だ弁箱1および弁体2の腐食が進行しておらず、寿命に達していない状態であることを判断できる。
【0016】
一方、引張装置12により前記と同様に所定の値に設定した引張荷重を腐食検出棒9に負荷することで、腐食検出軸部90に塑性変形や破断による軸方向の伸びが生じた場合は、弁箱1および弁体2の腐食が進行して寿命に達した状態であることを判断できる。すなわち、従来例と比較して構造が簡単であるとともに煩雑な手間を要することなく、管路からの取り外しを不要にした不断水状態で、弁箱1内部の腐食の進行度を判断することができる。
【0017】
なお、前記実施の形態では、バネ秤によって引張装置12を構成しているが、引張装置12はバネ秤のみに限定されるものではなく、他の引張機によって引張装置12を構成してもよい。また、バタフライ弁を使用して説明しているが、本発明は、バタフライ弁以外の回転型弁は勿論のこと、たとえば仕切弁のように、弁箱に弁体が進退移動自在に収容されている往復型の弁にも適用することができる。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の弁は構成されているので、以下のような格別の効果を奏する。
【0019】
すなわち、腐食検出棒は流体に晒されるので弁箱および弁体と略同様の進行度で腐食して断面積が縮小されることになるので、腐食検出棒の断面積を、予め腐食代を見込んだ値に設定しておくことによって、引張装置により所定の値に設定した引張荷重を腐食検出棒に負荷することで、未だ弁箱および弁体の腐食が進行しておらず、寿命に達していない状態または弁箱および弁体の腐食が進行して寿命に達した状態であることを正確に判断することができるとともに、引張装置により所定の値に設定した引張荷重を腐食検出棒に負荷することで、腐食検出棒に塑性変形や破断による軸方向の伸びが生じた場合は、弁箱および弁体の腐食が進行して寿命に達した状態であることを正確に判断できる。しかも、従来の弁と比較して、構造が簡単であるとともに煩雑な手間を要することなく、管路からの取り外しを不要にした不断水状態で、弁箱内部の腐食の進行度を正確に判断することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す縦断正面図である。
【図2】本発明の一実施の形態を示す縦断側面図である。
【図3】腐食検出棒の配置を示す拡大断面図である。
【図4】従来例の平面断面図である。
【図5】従来例における試料の弁箱内部臨出状態を示す拡大断面図である。
【図6】従来例における試料の弁箱外退避状態を示す拡大断面図である。
【図7】従来例における試料の劣化度判断の前段状態を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 弁箱
2 弁体
9 腐食検出棒
12 バネ秤(引張装置)
【発明の属する技術分野】
本発明は、バタフライ弁や仕切弁などの弁に係り、特に、管路からの取り外しを不要にした不断水状態で、弁箱内部の腐食の進行度を判断することができる弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、管路からの取り外しを不要にした不断水状態で、弁箱内部の腐食の進行度を判断することができる弁(たとえばバタフライ弁)がある。このバタフライ弁は、図4、図5、図6および図7に示すように、弁箱1と、弁体2および弁棒3を備え、弁棒3を取付けた弁体2が弁箱1の軸方向にのびる軸線C1に直交する縦軸線を有して、弁棒3とともに該弁棒3の軸まわりに回転できるように弁箱1に収容され、弁体2の回転によって弁体2外周部のゴム製弁体シ−ト2Aが弁箱1内周部のゴム製弁箱シート1Aに接離して開閉を行うように構成されている。弁箱1の内面は一様な内径を有して軸線C1方向にのび、その断面形状は正円形を呈している。
【0003】
弁箱1における弁体2の収容位置よりも上流側4の半径方向一側には、弁箱1の内部に連通する孔5が開口され、この孔5の外端部に劣化度判断装置6が着脱可能かつ液密に取付けられている。この劣化度判断装置6は、弁箱シート1Aおよび弁体シート2Aの劣化度を判断するためのもので、判断用仕切弁60と、カバー61および操作軸62を備えている。
【0004】
判断用仕切弁60は、弁箱60Aと弁体60Bおよび弁棒60Cとを有し、弁箱60Aが孔5の外端部に着脱可能かつ液密に取付けられており、弁体60Bを内端部に取付けた弁棒60Cの外端部は、進退移動自在かつ液密に弁箱60Aの外部に導出されている。また、カバー61は弁箱60Aの外端部に着脱可能かつ液密に取付けられ、孔5、弁箱60Aおよびカバー61の三者が同心に配列している。さらに、操作軸62は、孔5、弁箱60Aおよびカバー61の三者の軸線上に位置して該軸方向に進退移動自在かつ液密にカバー61に支持されており、その先端部に試料保持台62Aが設けられ、後端側はカバー61の外部に導出されて操作ハンドル62Bを設けてある。
【0005】
一方、操作軸62先端部の試料保持台62Aには、弁箱シート1Aと同質の試料7および弁体シート2Aと同質の試料7が着脱可能に取付けられている。この試料7は、常時は、図5に示すように、弁箱1の内部に臨出して通水(流体)Fに晒される位置に保持されている。
【0006】
このように、劣化度判断装置6の試料保持台62Aによって保持した試料7を弁箱1の内部に臨出させて通水Fに晒すことで、試料7は弁箱シート1Aおよび弁体シート2Aと略同様に通水の影響を受けて劣化することになる。したがって、弁箱シート1Aおよび弁体シート2Aの劣化度を判断する場合には、まず、図5の操作軸62を矢印方向に引っ張って、図6のように試料7をカバー61内に退避させ、ついで、図7のように判断用仕切弁60の弁体60Bを弁箱60Aの内部に押し進めたのち、カバー61を弁箱60Aから取り外し、カバー61の内部に存在している試料7を目視により確認することで、弁箱シート1Aおよび弁体シート2Aの劣化度を判断する。つまり、管路からの弁の取り外しを不要にした不断水状態で、弁箱シート1Aおよび弁体シート1Bの劣化度を容易に判断することができる(たとえば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−228042号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、劣化度判断装置6の構造が若干複雑であるとともに、劣化度を判断するのに際して、試料7を弁箱1の内部から退避させて弁箱1の外部に取出し、これを目視により確認する煩雑な手間を要する。
【0009】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、構造が簡単であるとともに煩雑な手間を要することなく、管路からの取り外しを不要にした不断水状態で、弁箱内部の腐食の進行度を判断することができる弁を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明に係る弁は、弁箱と、この弁箱の内部に回転自在または進退移動自在に収容されて該弁箱の内部を遮断・開放する弁体とを備えた弁において、前記弁箱の内部に該弁箱内部の腐食の進行度を検出する腐食検出棒が配置されているとともに、この腐食検出棒に引張荷重を負荷して該腐食検出棒の塑性変形や破断による軸方向の伸びで前記弁箱内部の腐食の進行度を判断させる引張装置を備えていることを特徴としている。
【0011】
本発明によれば、弁箱の内部に配置されている腐食検出棒は流体に晒されるので、腐食検出棒を弁箱および弁体と同じ材質で構成し、かつ、その表面に弁箱内面および弁体表面に施されている塗装と同じ塗装を施すことで、腐食検出棒は弁箱および弁体と略同様の進行度で腐食して断面積が縮小されることになる。したがって、腐食検出棒の断面積を、予め腐食代を見込んだ値に設定しておくことによって、引張装置により所定の値に設定した引張荷重を腐食検出棒に負荷しても、腐食検出棒に塑性変形や破断による軸方向の伸びが生じない場合には、未だ弁箱および弁体の腐食が進行しておらず、寿命に達していない状態であることを正確に判断できる。一方、引張装置により所定の値に設定した引張荷重を腐食検出棒に負荷することで、腐食検出棒に塑性変形や破断による軸方向の伸びが生じた場合は、弁箱および弁体の腐食が進行して寿命に達した状態であることを正確に判断できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、図4〜図7で説明した従来例と同一もしくは相当部分には、同一符号を付して説明する。
【0013】
図1は本発明の一実施の形態を示す縦断正面図、図2は縦断側面図、図3は腐食検出棒の配置を示す拡大断面図であり、これらの図において、バタフライ弁は、弁箱1と、弁体2および弁棒3を備え、弁棒3を取付けた弁体2が弁箱1の軸方向にのびる軸線C1に直交する縦軸線C2を有して、弁棒3とともに該弁棒3の軸まわりに回転できるように弁箱1に収容され、弁体2の回転によって弁体2外周部の弁体シ−ト2Aが弁箱1内周部の弁箱シート1Aに接離して開閉を行うように構成されている。弁箱1の内面は一様な内径を有して軸線C1方向にのび、その断面形状は断面積が一様な正円形を呈しており、弁箱1および弁体2は同じ材質の鋳造品によってなり、弁箱1の内面と弁体2の表面には所定の塗装(図示省略)が施されている。
【0014】
弁箱1における弁体2の収容位置の一側(たとえば上流側4)には、弁箱1の軸線C1と弁体2の軸線C2に直交する軸線C3を備えた腐食検出棒9が弁箱1を液密に貫通して配置されている。すなわち、腐食検出棒9は、腐食検出軸部90と、腐食検出軸部90の軸方向両端に連結された一対の弁箱貫通軸部91,91とからなり、腐食検出軸部90は、弁箱1および弁体2と同じ材質の鋳造品によって作られた所定断面積を有する丸棒によってなり、その表面には弁箱1の内面と弁体2の表面に施されている塗装と同質で同じ厚さの塗装が施されている。また、弁箱貫通軸部91,91は、腐食検出軸部90よりも少し大径でかつ腐食検出軸部90よりも大きい引張応力を有する金属製の丸棒によってなり、弁箱1に設けた貫通孔10,10に軸方向の移動を可能に挿通され、ゴム製のシールリング11によって液密が保持されているとともに、外端の雄ネジ部91Aにロックナット92を螺合して弁箱1の外面に締め付けることで、腐食検出棒9を軸線C3方向の移動を不能に弁箱1に取付けてある。
【0015】
このような構成であれば、腐食検出棒9の腐食検出軸部90は流体Fに晒されるので、腐食検出軸部90は弁箱1および弁体2と略同様の進行度で腐食して横断面積(軸線C3に直交する面の面積)が縮小されることになる。したがって、腐食検出軸部90の横断面積を、予め腐食代を見込んだ値に設定しておくことによって、図3に示すように、たとえばバネ秤によってなる引張装置12の先端フック部12Aを一方の弁箱貫通軸部91の外端部に掛止して、所定の値に設定した引張荷重を腐食検出棒9に負荷しても、腐食検出軸部90に塑性変形や破断による軸方向の伸びが生じない場合には、未だ弁箱1および弁体2の腐食が進行しておらず、寿命に達していない状態であることを判断できる。
【0016】
一方、引張装置12により前記と同様に所定の値に設定した引張荷重を腐食検出棒9に負荷することで、腐食検出軸部90に塑性変形や破断による軸方向の伸びが生じた場合は、弁箱1および弁体2の腐食が進行して寿命に達した状態であることを判断できる。すなわち、従来例と比較して構造が簡単であるとともに煩雑な手間を要することなく、管路からの取り外しを不要にした不断水状態で、弁箱1内部の腐食の進行度を判断することができる。
【0017】
なお、前記実施の形態では、バネ秤によって引張装置12を構成しているが、引張装置12はバネ秤のみに限定されるものではなく、他の引張機によって引張装置12を構成してもよい。また、バタフライ弁を使用して説明しているが、本発明は、バタフライ弁以外の回転型弁は勿論のこと、たとえば仕切弁のように、弁箱に弁体が進退移動自在に収容されている往復型の弁にも適用することができる。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の弁は構成されているので、以下のような格別の効果を奏する。
【0019】
すなわち、腐食検出棒は流体に晒されるので弁箱および弁体と略同様の進行度で腐食して断面積が縮小されることになるので、腐食検出棒の断面積を、予め腐食代を見込んだ値に設定しておくことによって、引張装置により所定の値に設定した引張荷重を腐食検出棒に負荷することで、未だ弁箱および弁体の腐食が進行しておらず、寿命に達していない状態または弁箱および弁体の腐食が進行して寿命に達した状態であることを正確に判断することができるとともに、引張装置により所定の値に設定した引張荷重を腐食検出棒に負荷することで、腐食検出棒に塑性変形や破断による軸方向の伸びが生じた場合は、弁箱および弁体の腐食が進行して寿命に達した状態であることを正確に判断できる。しかも、従来の弁と比較して、構造が簡単であるとともに煩雑な手間を要することなく、管路からの取り外しを不要にした不断水状態で、弁箱内部の腐食の進行度を正確に判断することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す縦断正面図である。
【図2】本発明の一実施の形態を示す縦断側面図である。
【図3】腐食検出棒の配置を示す拡大断面図である。
【図4】従来例の平面断面図である。
【図5】従来例における試料の弁箱内部臨出状態を示す拡大断面図である。
【図6】従来例における試料の弁箱外退避状態を示す拡大断面図である。
【図7】従来例における試料の劣化度判断の前段状態を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 弁箱
2 弁体
9 腐食検出棒
12 バネ秤(引張装置)
Claims (1)
- 弁箱と、この弁箱の内部に回転自在または進退移動自在に収容されて該弁箱の内部を遮断・開放する弁体とを備えた弁において、前記弁箱の内部に該弁箱内部の腐食の進行度を検出する腐食検出棒が配置されているとともに、この腐食検出棒に引張荷重を負荷して該腐食検出棒の塑性変形や破断による軸方向の伸びで前記弁箱内部の腐食の進行度を判断させる引張装置を備えていることを特徴とする弁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003009046A JP2004218791A (ja) | 2003-01-17 | 2003-01-17 | 弁 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003009046A JP2004218791A (ja) | 2003-01-17 | 2003-01-17 | 弁 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004218791A true JP2004218791A (ja) | 2004-08-05 |
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Family Applications (1)
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JP2003009046A Pending JP2004218791A (ja) | 2003-01-17 | 2003-01-17 | 弁 |
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---|---|
JP (1) | JP2004218791A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108561397A (zh) * | 2018-03-15 | 2018-09-21 | 五冶集团上海有限公司 | 一种直埋式阀门的螺栓防腐方法 |
-
2003
- 2003-01-17 JP JP2003009046A patent/JP2004218791A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108561397A (zh) * | 2018-03-15 | 2018-09-21 | 五冶集团上海有限公司 | 一种直埋式阀门的螺栓防腐方法 |
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