JP2004218576A - 竪型水中電動ポンプの浸水検知機構 - Google Patents

Abstract

【目的】ポンプの全高を高くすることなく内容量の大きな浸水溜り室を構成することができ、電極式のものよりも取付スペースを要するフロート式の浸水検知センサでも上記浸水溜り室内へ容易に装着することができ、また、浸水検知センサの故障等による取替え時にもポンプケーシングやオイルケーシング等を取外すことを要せず、メンテナンス性にも優れた竪型水中電動ポンプの浸水検知機構を提供する。
【構成】オイル室１の外側に水密構造の浸水溜り室８を付設し、該浸水溜り室８内の上方部とモータ室１３内とを導通させる通気路１２を開設すると共に、オイル室１内の回転軸４の外周から浸水溜り室８内へ導通する通水路１３を開設し、浸水溜り室８内への浸水による浸水検知信号を受けてモータへの通電が遮断されるよう電気的に接続した。
【選択図】 図１

Description

【０００１】
【発明の技術分野】
本発明は、竪型水中電動ポンプの浸水検知機構に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
周知のように小型の竪型水中電動ポンプでは、ポンプ室の圧力水がモータ室内へ浸水することのないように、ポンプ室とモータ室との間にメカニカルシールを内装させたオイル室が介装されている。しかしメカニカルシールの摺動部の摩耗や面荒れにより、該摺動部からオイル室に入った圧力水がモータ室内へ流入してモータに浸水漏電事故が発生することになる。
【０００３】
このような浸水漏電事故を防止するためオイル室内に水位検知センサを設置して、オイル室内へ浸水した水の検知でモータへの通電を遮断するという技術的思想は既に公知である（例えば、特許文献１参照）。また、ポンプ室の圧力水をオイル室内へ浸水させないようにオイル室とモータ室との間に浸水溜り室を介装させ、該浸水溜り室内での浸水検知センサによる浸水検知信号でモータへの通電を遮断するよう構成したものも公知である（例えば、特許文献２参照）。
【０００４】
【特許文献１】
特開２００２−３１００９１号公報 （第１図）
【特許文献２】
特開２０００−３０３９８８号公報 （第１−２図）
【０００５】
【発明が解決しょうとする課題】
浸水検知センサとしては一般に電極式またはフロート式のものが用いられている。電極式の場合にはポンプの吸排対象となる液体が導電性の良好なものに限定されるが、フロート式の場合にはそのような制約はないという利点がある。しかし特許文献１のようにポンプの全長を極力低くすることが要求せられ浸水検知センサの取付スペースにも制約を受ける小型ポンプでは、上下に動作し且つ取付スペースを必要とするフロート式の浸水検知センサをオイル室内に設置することは困難で、電極式のものを採用せざるお得ないのが実情である。また、オイル室内に水の入ること自体が好ましいことではない。一方、特許文献２のようにオイル室の上方に浸水溜り室を設けてその内部へフロート式の浸水検知センサを設置した機構では、ポンプの全高が著しく高くなるので小型ポンプには到底適用できない。そして特許文献１および特許文献２の構成に共通する欠点として、浸水検知センサの故障等による取替え時にはポンプケーシングやオイルケーシング等を取外すという大掛りな作業が必要で、メンテナンス性に問題があるということである。
【０００６】
本発明の目的は、上述の課題を解決して、ポンプの全高を高くすることなく内容量の大きな浸水溜り室を構成することができ、電極式ものよりも取付スペースを要するフロート式の浸水検知センサでも上記浸水溜り室内へ容易に装着することができ、また、浸水検知センサの故障等による取替え時にもポンプケーシングやオイルケーシング等を取外すことを要せず、メンテナンス性にも優れた竪型水中電動ポンプの浸水検知機構を提供することにある。
【０００７】
【問題を解決するための手段】
本発明に係る竪型水中電動ポンプの浸水検知機構では、メカニカルシールを内装させたオイル室がポンプ室とモータ室との間に介装されている竪型水中電動ポンプにおいて、オイル室の外側に水密構造の浸水溜り室を付設して内部に浸水検知センサを装着し、該浸水溜り室内の上方部とモータ室内とを導通させる通気路を開設すると共に、オイル室内のメカニカルシール装着位置よりも上方における回転軸の外周からベアリングハウジングを介して前記浸水溜り室へ導通させる通水路を開設し、浸水溜り室内への浸水による浸水検知信号を受けてモータへの通電が遮断されるよう電気的に接続した。
【０００８】
【実施例】
以下実施例の図面により説明をする。
【０００９】
１はポンプ室２とモータ室３との間に介装されたオイル室、４はモータ室３内からオイル室１内を貫通してポンプ室２内へ導下された回転軸、５はポンプ室２内において回転軸４に嵌着された羽根車、６はオイル室１内において回転軸４に装着されたメカニカルシール、７は回転軸４を支承するベアリングハウジング、８はオイル室１の外側に付設される浸水溜り室であり、カップ状の封水カバー９で囲われて水密構造となり、内部には浸水検知センサ１０が装着されている。１１は封水カバー９に付設されたドレンプラグ、１２は浸水溜り室８内の上方部とモータ室３内とを導通させる通気路、１３は回転軸４の外周から浸水溜り室８内へ至る通水路であり、オイル室１内のメカニカルシール６の装着位置よりも上方における回転軸４の外周からベアリングハウジング７を介して、前記通気路１２の開設位置よりも低位置へ導通するよう開設されている。そして通水路１３を通って浸水溜り室８内へ浸水すれば、浸水検知センサ１０による浸水検知信号を受けてモータへの通電が遮断され、また、警報を発するよう電気的に接続しておくものとする。
【００１０】
【発明の効果】
本発明によれば、浸水検知センサ１０を装着する浸水溜り室８がオイル室１の外側に付設されるため、ポンプの全高を高くすることなく内容量の大きな浸水溜り室８を構成することができ、電極式ものよりも取付スペースを要するフロート式の浸水検知センサでも上記浸水溜り室８内へ余裕をもって装着することができ、ポンプを導電性の低い液体の吸排に供した場合でも有効に機能し、且つ封水カバー９が浸水検知センサ１０の保護カバーの役割をも兼ねることになる。更に、浸水溜り室８内の内容量が大きいため、仮に該浸水溜り室８内へ浸水した場合でも浸水検知センサ１０の作動タイムラグが長く確保できるため、警報発信による頻繁なる対応作業を要しない。また、浸水検知センサ１０の故障等による取替え時には該封水カバー９を取外すのみで足り、従来のような大掛りな分解作業を必要とせずメンテナンス性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明浸水検知機構を装備した竪型水中電動ポンプの要部縦断側面図である。
【符号の説明】
１ オイル室
２ ポンプ室
３ モータ室
４ 回転軸
６ メカニカルシール
７ ベアリングハウジング
８ 浸水溜り室
１０ 浸水検知センサ
１２ 通気路
１３ 通水路

Claims (1)

1. メカニカルシールを内装させたオイル室がポンプ室とモータ室との間に介装されている竪型水中電動ポンプにおいて、オイル室の外側に水密構造の浸水溜り室を付設して内部に浸水検知センサを装着し、該浸水溜り室内の上方部とモータ室内とを導通させる通気路を開設すると共に、オイル室内のメカニカルシール装着位置よりも上方における回転軸の外周からベアリングハウジングを介して前記浸水溜り室へ導通させる通水路を開設し、浸水溜り室内への浸水による浸水検知信号を受けてモータへの通電が遮断されるよう電気的に接続したとを特徴とする、竪型水中電動ポンプの浸水検知機構。

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