JP2004218501A - 燃料蒸気処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】重量増加やコストアップ等の不利を招くことなく、ブリーザパイプの下方湾曲部に滞留した燃料によって燃料注入ガンによる給油が妨げられるのを確実に防止することができる燃料蒸気処理装置を得る。
【解決手段】燃料タンク10の上部空間24とフューエルインレットパイプ20の燃料注入口30付近とを繋ぐブリーザパイプ26の中間部には、リヤサイドメンバ36との干渉を避けるため、下方湾曲部34が設けられている。この下方湾曲部34の近傍には、エンジンの排気系部品である排気管18が配索されている。従って、下方湾曲部34に液化した燃料が滞留したとしても、排気管18からの排熱によって当該燃料は加温され蒸発される。従って、燃料注入ガンによる給油が妨げられることもない。また、排気管18自体は既存部品であるため、部品点数の増加も招かない。
【選択図】 図2
【解決手段】燃料タンク10の上部空間24とフューエルインレットパイプ20の燃料注入口30付近とを繋ぐブリーザパイプ26の中間部には、リヤサイドメンバ36との干渉を避けるため、下方湾曲部34が設けられている。この下方湾曲部34の近傍には、エンジンの排気系部品である排気管18が配索されている。従って、下方湾曲部34に液化した燃料が滞留したとしても、排気管18からの排熱によって当該燃料は加温され蒸発される。従って、燃料注入ガンによる給油が妨げられることもない。また、排気管18自体は既存部品であるため、部品点数の増加も招かない。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブリーザパイプの中間部に下方湾曲部を設けた場合に適用される燃料蒸気処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料タンクには、燃料注入時に燃料タンクの上部空間で発生したベーパを排出する排出路となるブリーザパイプが接続されている。このブリーザパイプの配索経路中に車体フレーム等の障害物がある場合に、当該車体フレームとの干渉を避ける目的で、ブリーザパイプの中間部に下向きに湾曲する下方湾曲部を形成する技術が知られている(下記特許文献1及び特許文献2参照)。
【0003】
しかし、ブリーザパイプの中間部に下方湾曲部を設けた場合、燃料蒸気が液化することにより生じた燃料が当該下方湾曲部に滞留したり、或いは悪路走行したときの揺れによって燃料タンク内の燃料の一部がブリーザパイプ内に流入し、下方湾曲部に滞留する等の可能性がある。
【0004】
上記現象によって仮にブリーザパイプが閉塞されると、燃料タンクの上部空間に発生したベーパがブリーザパイプから排出されなくなるため、フューエルインレットパイプ内の燃料液面が上昇する。また、燃料注入時に燃料注入ガンから注入される燃料の圧力によって燃料タンクの上部空間の内圧が急激に上昇すると、その圧力によってブリーザパイプの下方湾曲部に滞留した燃料がフューエルインレットパイプの燃料注入口側へ押し出される。燃料注入時にこれらの現象が発生すると、燃料タンクが燃料で満たされる前に燃料注入ガンのオートストップ機構が作動してしまうという不具合が生じる。
【0005】
このため、下記特許文献1に記載された発明では、下方湾曲部とフューエルインレットパイプとを連通する連通路を新たに設定し、滞留した燃料がその自重によって連通路を介してフューエルインレットパイプに排出されるように工夫している。また、下記特許文献2に記載された発明では、ブリーザパイプの下方湾曲部に連通するチャンバを新たに設定すると共に、エンジンから燃料タンクに余剰燃料を戻すリターンパイプの中間に設けたジェットポンプをチャンバ内に配設し、当該ジェットポンプを使って下方湾曲部に滞留した燃料を吸引して燃料タンクに排出するように工夫している。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−30773号公報
【特許文献2】
特開2001−138757号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記文献に開示された構成による場合、新設部品、とりわけ連通路やジェットポンプの流路といった別パイプが必要になるため、車両搭載要件を満たさないことも予想される。また、仮に車両搭載要件を満たしたとしても、重量増加やコストアップを招く不利がある。
【0008】
本発明は上記事実を考慮し、重量増加やコストアップ等の不利を招くことなく、ブリーザパイプの下方湾曲部に滞留した燃料によって燃料注入ガンによる給油が妨げられるのを確実に防止することができる燃料蒸気処理装置を得ることが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明に係る燃料蒸気処理装置は、一端部が燃料タンクの上部空間に連通されると共に他端部が燃料タンク内へ燃料を注入する燃料注入パイプの燃料注入口付近に連通され、更に中間部に略車両下方側へ湾曲する下方湾曲部が設けられたブリーザパイプを含んで構成された燃料蒸気処理装置であって、前記ブリーザパイプの下方湾曲部付近に、エンジンの排気系部品を配置した、ことを特徴としている。
【0010】
請求項2記載の本発明に係る燃料蒸気処理装置は、請求項1記載の発明において、前記ブリーザパイプと前記エンジンの排気系部品とは、ブリーザパイプの下方湾曲部で交差されている、ことを特徴としている。
【0011】
請求項3記載の本発明に係る燃料蒸気処理装置は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記ブリーザパイプの下方湾曲部の上方側には、車両後部の側部に車両前後方向を長手方向として配置されたリヤサイドメンバが配置されている、ことを特徴としている。
【0012】
請求項1記載の本発明によれば、燃料注入時に燃料タンクの上部空間に発生したベーパは、ブリーザパイプを介して燃料注入パイプの燃料注入口付近に排出される。
【0013】
ここで、本発明では、ブリーザパイプの中間部に略車両下方側へ湾曲する下方湾曲部が設けられているため、燃料蒸気が液化することにより生じた燃料が当該下方湾曲部に滞留したり、或いは悪路走行したときの揺れによって燃料タンク内の燃料の一部がブリーザパイプ内に流入し、下方湾曲部に滞留する等の可能性がある。
【0014】
しかし、本発明では、ブリーザパイプの下方湾曲部付近にエンジンの排気系部品を配置したので、排気系部品から発せられる排熱によって下方湾曲部に滞留した燃料が蒸発される。従って、下方湾曲部に滞留した燃料によって給油が妨げられるのを解消することができる。しかも、エンジンの排気系部品は元々存在するものなので、部品点数が増加することもない。従って、重量増加やコストアップ等の不利を招くこともない。
【0015】
請求項2記載の本発明によれば、ブリーザパイプとエンジンの排気系部品とがブリーザパイプの下方湾曲部で交差されているため、ブリーザパイプの下方湾曲部だけを排気系部品からの排熱によって加温することができる。別の言い方をすれば、ブリーザパイプの下方湾曲部以外の部分には、排熱による影響が及ばないようにすることができる。
【0016】
請求項3記載の本発明によれば、ブリーザパイプの下方湾曲部の上方側には、車両後部の側部に車両前後方向を長手方向として配置されたリヤサイドメンバが配置されているため、排気系部品の取付部をリヤサイドメンバに設定することが可能となる。このため、排気系部品とブリーザパイプとの隙間を極力狭くすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図3を用いて、本発明に係る燃料蒸気処理装置の一実施形態について説明する。なお、これらの図において、適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印INは車両幅方向室内側を示している。
【0018】
図1には、燃料系の部品等の配置を車両搭載状態で描いた平面図が示されている。この図に示されるように、燃料タンク10は、車両12の後部下側(リヤシートの下側等)に配置されている。具体的には、燃料タンク10は、リヤフロアパンの下面側に図示しないタンクバンド等の支持部材によって固定されている。燃料タンク10の側部後方側にはメインマフラー14が配設されており、又燃料タンク10の中央部前方側にはサブマフラー16が配設されている。そして、これらのメインマフラー14及びサブマフラー16を通るように、「排気系部品」としての排気管18が略車両前後方向に沿って配索されている。
【0019】
一方、図2には、燃料タンク10の周辺構造を車両後方側から見た概略構成図が示されている。この図に示されるように、燃料タンク10の側壁下部には、「燃料注入パイプ」としてのフューエルインレットパイプ20の先端部が接続されている。フューエルインレットパイプ20の基端部は、車両側部に設けられかつ燃料注入時に燃料注入ガン22が挿入される図示しないフューエルリッド付近に導かれている。
【0020】
また、燃料タンク10の上部空間24には、ブリーザパイプ26の一端部が連通されている。正確には、ブリーザパイプ26の一端部は、燃料タンク10における燃料満タン位置28に位置されている。また、ブリーザパイプ26の他端部は、フューエルインレットパイプ20の燃料注入口30付近に接続されている。これにより、燃料注入時に燃料タンク10の上部空間24に発生したベーパが、ブリーザパイプ26を介してフューエルインレットパイプ20の燃料注入口30側に排出されるようになっている。
【0021】
ここで、図2及び図3に示されるように、上述したブリーザパイプ26の中間部には、車両後部の側部に車両前後方向を長手方向として配置されたリヤサイドメンバ36との干渉を避けるため、略車両下方側へ湾曲する下方湾曲部34が設けられている。図1に示されるように、この下方湾曲部34と前述した排気管18とは平面視で交差している。さらに、排気管18の取付部はリヤサイドメンバ36に設定されており、排気管18の真上をブリーザパイプ26の下方湾曲部34が横断するように構成されている。これにより、ブリーザパイプ26の下方湾曲部34と排気管18との隙間38が狭く設定されている。
【0022】
以上が本実施形態に係る燃料蒸気処理装置の構成であるが、以下に簡単に補足説明しておく。図1では、模式図を平面視で描いている関係で、リヤサイドメンバ36と排気管18の後部とをそのまま描くと重合してしまうので、幅方向に少しずらして描いている。また、図3に示されるように、リヤサイドメンバ36は、車体フロア40の下面側にスポット溶接で固定されている。また、車体フロア40の車両幅方向の端部は後輪42を覆うリヤホイールハウスインナパネル44にスポット溶接で固定されている。
【0023】
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0024】
燃料注入時に燃料タンク10の上部空間24に発生したベーパは、ブリーザパイプ26を介してフューエルインレットパイプ20の燃料注入口30付近に排出される。
【0025】
ここで、本実施形態では、ブリーザパイプ26とリヤサイドメンバ36との干渉を避けるため、ブリーザパイプ26の中間部に略車両下方側へ湾曲する下方湾曲部34が設けられているため、燃料蒸気が液化することにより生じた燃料が当該下方湾曲部34に滞留したり、或いは悪路走行したときの揺れによって燃料タンク10内の燃料の一部がブリーザパイプ26内に流入し、下方湾曲部34に滞留する等の可能性がある。
【0026】
しかし、本実施形態では、ブリーザパイプ26の下方湾曲部34付近にエンジンの排気系部品である排気管18を配置したので、排気管18から発せられる排熱によって下方湾曲部34に滞留した燃料が加熱して蒸発される。従って、下方湾曲部34に滞留した燃料によって給油が妨げられるのを解消することができる。しかも、排気管18自体は元々存在するものなので、部品点数が増加することもない。従って、重量増加やコストアップ等の不利を招くこともない。
【0027】
総じて言えば、本実施形態に係る燃料蒸気処理装置によれば、重量増加やコストアップ等の不利を招くことなく、ブリーザパイプ26の下方湾曲部34に滞留した燃料によって燃料注入ガン22による給油が妨げられるのを確実に防止することができる。
【0028】
また、本実施形態に係る燃料蒸気処理装置では、ブリーザパイプ26と排気管18とがブリーザパイプ26の下方湾曲部34で交差されているため、ブリーザパイプ26の下方湾曲部34だけを排気管18からの排熱によって加温することができる。別の言い方をすれば、ブリーザパイプ26の下方湾曲部34以外の部分には、排熱による影響が及ばないようにすることができる。その結果、本実施形態によれば、蒸発燃料量を抑えることができる。
【0029】
さらに、本実施形態に係る燃料蒸気処理装置では、排気管18の取付部をリヤサイドメンバ36に設定したので、排気管18とブリーザパイプ26の下方湾曲部34との隙間38を極力狭くすることができる。その結果、本実施形態によれば、下方湾曲部34の受熱効果を高めることができる。
【0030】
なお、本実施形態では、エンジンの排気系部品として排気管18を利用したが、これに限らず、他の排気系部品(例えば、マフラー、触媒等)を利用してもよい。
【0031】
また、燃料蒸発ガス回収装置(ORVR)において、燃料注入時に燃料供給口から新気が入ってくるのを抑制するために燃料タンクの上部空間と燃料給油口付近とを繋ぐ循環ラインの経路途中に下方湾曲部が設定される場合には、当該循環ラインの下方湾曲部に対して本発明を適用することも可能である。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係る燃料蒸気処理装置は、ブリーザパイプの下方湾曲部付近にエンジンの排気系部品を配置したので、排気系部品から発せられる排熱によって下方湾曲部に滞留された燃料を蒸発させることができ、その結果、重量増加やコストアップ等の不利を招くことなく、ブリーザパイプの下方湾曲部に滞留した燃料によって燃料注入ガンによる給油が妨げられるのを確実に防止することができるという優れた効果を有する。
【0033】
請求項2記載の本発明に係る燃料蒸気処理装置は、請求項1記載の発明において、ブリーザパイプとエンジンの排気系部品とがブリーザパイプの下方湾曲部で交差されているため、ブリーザパイプの下方湾曲部だけを排気系部品からの排熱によって加温することができ、その結果、蒸発燃料量を抑えることができるという優れた効果を有する。
【0034】
請求項3記載の本発明に係る燃料蒸気処理装置は、請求項1又は請求項2記載の発明において、ブリーザパイプの下方湾曲部の上方側には、車両後部の側部に車両前後方向を長手方向として配置されたリヤサイドメンバが配置されているため、排気系部品とブリーザパイプとの隙間を極力狭くすることができ、その結果、下方湾曲部の受熱効果を高めることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料系の部品の配置を車両搭載状態で描いた平面図である。
【図2】燃料タンクの周辺構造の要部を車両後方側から見て描いた要部拡大背面図である。
【図3】ブリーザパイプの下方湾曲部、リヤサイドメンバ、及び排気管の配置関係を車両後方から見て示す要部拡大背面図である。
【符号の説明】
10 燃料タンク
12 車両
18 排気管(排気系部品)
20 フューエルインレットパイプ(燃料注入パイプ)
24 上部空間
26 ブリーザパイプ
30 燃料注入口
34 下方湾曲部
36 リヤクロスメンバ
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブリーザパイプの中間部に下方湾曲部を設けた場合に適用される燃料蒸気処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料タンクには、燃料注入時に燃料タンクの上部空間で発生したベーパを排出する排出路となるブリーザパイプが接続されている。このブリーザパイプの配索経路中に車体フレーム等の障害物がある場合に、当該車体フレームとの干渉を避ける目的で、ブリーザパイプの中間部に下向きに湾曲する下方湾曲部を形成する技術が知られている(下記特許文献1及び特許文献2参照)。
【0003】
しかし、ブリーザパイプの中間部に下方湾曲部を設けた場合、燃料蒸気が液化することにより生じた燃料が当該下方湾曲部に滞留したり、或いは悪路走行したときの揺れによって燃料タンク内の燃料の一部がブリーザパイプ内に流入し、下方湾曲部に滞留する等の可能性がある。
【0004】
上記現象によって仮にブリーザパイプが閉塞されると、燃料タンクの上部空間に発生したベーパがブリーザパイプから排出されなくなるため、フューエルインレットパイプ内の燃料液面が上昇する。また、燃料注入時に燃料注入ガンから注入される燃料の圧力によって燃料タンクの上部空間の内圧が急激に上昇すると、その圧力によってブリーザパイプの下方湾曲部に滞留した燃料がフューエルインレットパイプの燃料注入口側へ押し出される。燃料注入時にこれらの現象が発生すると、燃料タンクが燃料で満たされる前に燃料注入ガンのオートストップ機構が作動してしまうという不具合が生じる。
【0005】
このため、下記特許文献1に記載された発明では、下方湾曲部とフューエルインレットパイプとを連通する連通路を新たに設定し、滞留した燃料がその自重によって連通路を介してフューエルインレットパイプに排出されるように工夫している。また、下記特許文献2に記載された発明では、ブリーザパイプの下方湾曲部に連通するチャンバを新たに設定すると共に、エンジンから燃料タンクに余剰燃料を戻すリターンパイプの中間に設けたジェットポンプをチャンバ内に配設し、当該ジェットポンプを使って下方湾曲部に滞留した燃料を吸引して燃料タンクに排出するように工夫している。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−30773号公報
【特許文献2】
特開2001−138757号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記文献に開示された構成による場合、新設部品、とりわけ連通路やジェットポンプの流路といった別パイプが必要になるため、車両搭載要件を満たさないことも予想される。また、仮に車両搭載要件を満たしたとしても、重量増加やコストアップを招く不利がある。
【0008】
本発明は上記事実を考慮し、重量増加やコストアップ等の不利を招くことなく、ブリーザパイプの下方湾曲部に滞留した燃料によって燃料注入ガンによる給油が妨げられるのを確実に防止することができる燃料蒸気処理装置を得ることが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明に係る燃料蒸気処理装置は、一端部が燃料タンクの上部空間に連通されると共に他端部が燃料タンク内へ燃料を注入する燃料注入パイプの燃料注入口付近に連通され、更に中間部に略車両下方側へ湾曲する下方湾曲部が設けられたブリーザパイプを含んで構成された燃料蒸気処理装置であって、前記ブリーザパイプの下方湾曲部付近に、エンジンの排気系部品を配置した、ことを特徴としている。
【0010】
請求項2記載の本発明に係る燃料蒸気処理装置は、請求項1記載の発明において、前記ブリーザパイプと前記エンジンの排気系部品とは、ブリーザパイプの下方湾曲部で交差されている、ことを特徴としている。
【0011】
請求項3記載の本発明に係る燃料蒸気処理装置は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記ブリーザパイプの下方湾曲部の上方側には、車両後部の側部に車両前後方向を長手方向として配置されたリヤサイドメンバが配置されている、ことを特徴としている。
【0012】
請求項1記載の本発明によれば、燃料注入時に燃料タンクの上部空間に発生したベーパは、ブリーザパイプを介して燃料注入パイプの燃料注入口付近に排出される。
【0013】
ここで、本発明では、ブリーザパイプの中間部に略車両下方側へ湾曲する下方湾曲部が設けられているため、燃料蒸気が液化することにより生じた燃料が当該下方湾曲部に滞留したり、或いは悪路走行したときの揺れによって燃料タンク内の燃料の一部がブリーザパイプ内に流入し、下方湾曲部に滞留する等の可能性がある。
【0014】
しかし、本発明では、ブリーザパイプの下方湾曲部付近にエンジンの排気系部品を配置したので、排気系部品から発せられる排熱によって下方湾曲部に滞留した燃料が蒸発される。従って、下方湾曲部に滞留した燃料によって給油が妨げられるのを解消することができる。しかも、エンジンの排気系部品は元々存在するものなので、部品点数が増加することもない。従って、重量増加やコストアップ等の不利を招くこともない。
【0015】
請求項2記載の本発明によれば、ブリーザパイプとエンジンの排気系部品とがブリーザパイプの下方湾曲部で交差されているため、ブリーザパイプの下方湾曲部だけを排気系部品からの排熱によって加温することができる。別の言い方をすれば、ブリーザパイプの下方湾曲部以外の部分には、排熱による影響が及ばないようにすることができる。
【0016】
請求項3記載の本発明によれば、ブリーザパイプの下方湾曲部の上方側には、車両後部の側部に車両前後方向を長手方向として配置されたリヤサイドメンバが配置されているため、排気系部品の取付部をリヤサイドメンバに設定することが可能となる。このため、排気系部品とブリーザパイプとの隙間を極力狭くすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図3を用いて、本発明に係る燃料蒸気処理装置の一実施形態について説明する。なお、これらの図において、適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印INは車両幅方向室内側を示している。
【0018】
図1には、燃料系の部品等の配置を車両搭載状態で描いた平面図が示されている。この図に示されるように、燃料タンク10は、車両12の後部下側(リヤシートの下側等)に配置されている。具体的には、燃料タンク10は、リヤフロアパンの下面側に図示しないタンクバンド等の支持部材によって固定されている。燃料タンク10の側部後方側にはメインマフラー14が配設されており、又燃料タンク10の中央部前方側にはサブマフラー16が配設されている。そして、これらのメインマフラー14及びサブマフラー16を通るように、「排気系部品」としての排気管18が略車両前後方向に沿って配索されている。
【0019】
一方、図2には、燃料タンク10の周辺構造を車両後方側から見た概略構成図が示されている。この図に示されるように、燃料タンク10の側壁下部には、「燃料注入パイプ」としてのフューエルインレットパイプ20の先端部が接続されている。フューエルインレットパイプ20の基端部は、車両側部に設けられかつ燃料注入時に燃料注入ガン22が挿入される図示しないフューエルリッド付近に導かれている。
【0020】
また、燃料タンク10の上部空間24には、ブリーザパイプ26の一端部が連通されている。正確には、ブリーザパイプ26の一端部は、燃料タンク10における燃料満タン位置28に位置されている。また、ブリーザパイプ26の他端部は、フューエルインレットパイプ20の燃料注入口30付近に接続されている。これにより、燃料注入時に燃料タンク10の上部空間24に発生したベーパが、ブリーザパイプ26を介してフューエルインレットパイプ20の燃料注入口30側に排出されるようになっている。
【0021】
ここで、図2及び図3に示されるように、上述したブリーザパイプ26の中間部には、車両後部の側部に車両前後方向を長手方向として配置されたリヤサイドメンバ36との干渉を避けるため、略車両下方側へ湾曲する下方湾曲部34が設けられている。図1に示されるように、この下方湾曲部34と前述した排気管18とは平面視で交差している。さらに、排気管18の取付部はリヤサイドメンバ36に設定されており、排気管18の真上をブリーザパイプ26の下方湾曲部34が横断するように構成されている。これにより、ブリーザパイプ26の下方湾曲部34と排気管18との隙間38が狭く設定されている。
【0022】
以上が本実施形態に係る燃料蒸気処理装置の構成であるが、以下に簡単に補足説明しておく。図1では、模式図を平面視で描いている関係で、リヤサイドメンバ36と排気管18の後部とをそのまま描くと重合してしまうので、幅方向に少しずらして描いている。また、図3に示されるように、リヤサイドメンバ36は、車体フロア40の下面側にスポット溶接で固定されている。また、車体フロア40の車両幅方向の端部は後輪42を覆うリヤホイールハウスインナパネル44にスポット溶接で固定されている。
【0023】
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0024】
燃料注入時に燃料タンク10の上部空間24に発生したベーパは、ブリーザパイプ26を介してフューエルインレットパイプ20の燃料注入口30付近に排出される。
【0025】
ここで、本実施形態では、ブリーザパイプ26とリヤサイドメンバ36との干渉を避けるため、ブリーザパイプ26の中間部に略車両下方側へ湾曲する下方湾曲部34が設けられているため、燃料蒸気が液化することにより生じた燃料が当該下方湾曲部34に滞留したり、或いは悪路走行したときの揺れによって燃料タンク10内の燃料の一部がブリーザパイプ26内に流入し、下方湾曲部34に滞留する等の可能性がある。
【0026】
しかし、本実施形態では、ブリーザパイプ26の下方湾曲部34付近にエンジンの排気系部品である排気管18を配置したので、排気管18から発せられる排熱によって下方湾曲部34に滞留した燃料が加熱して蒸発される。従って、下方湾曲部34に滞留した燃料によって給油が妨げられるのを解消することができる。しかも、排気管18自体は元々存在するものなので、部品点数が増加することもない。従って、重量増加やコストアップ等の不利を招くこともない。
【0027】
総じて言えば、本実施形態に係る燃料蒸気処理装置によれば、重量増加やコストアップ等の不利を招くことなく、ブリーザパイプ26の下方湾曲部34に滞留した燃料によって燃料注入ガン22による給油が妨げられるのを確実に防止することができる。
【0028】
また、本実施形態に係る燃料蒸気処理装置では、ブリーザパイプ26と排気管18とがブリーザパイプ26の下方湾曲部34で交差されているため、ブリーザパイプ26の下方湾曲部34だけを排気管18からの排熱によって加温することができる。別の言い方をすれば、ブリーザパイプ26の下方湾曲部34以外の部分には、排熱による影響が及ばないようにすることができる。その結果、本実施形態によれば、蒸発燃料量を抑えることができる。
【0029】
さらに、本実施形態に係る燃料蒸気処理装置では、排気管18の取付部をリヤサイドメンバ36に設定したので、排気管18とブリーザパイプ26の下方湾曲部34との隙間38を極力狭くすることができる。その結果、本実施形態によれば、下方湾曲部34の受熱効果を高めることができる。
【0030】
なお、本実施形態では、エンジンの排気系部品として排気管18を利用したが、これに限らず、他の排気系部品(例えば、マフラー、触媒等)を利用してもよい。
【0031】
また、燃料蒸発ガス回収装置(ORVR)において、燃料注入時に燃料供給口から新気が入ってくるのを抑制するために燃料タンクの上部空間と燃料給油口付近とを繋ぐ循環ラインの経路途中に下方湾曲部が設定される場合には、当該循環ラインの下方湾曲部に対して本発明を適用することも可能である。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係る燃料蒸気処理装置は、ブリーザパイプの下方湾曲部付近にエンジンの排気系部品を配置したので、排気系部品から発せられる排熱によって下方湾曲部に滞留された燃料を蒸発させることができ、その結果、重量増加やコストアップ等の不利を招くことなく、ブリーザパイプの下方湾曲部に滞留した燃料によって燃料注入ガンによる給油が妨げられるのを確実に防止することができるという優れた効果を有する。
【0033】
請求項2記載の本発明に係る燃料蒸気処理装置は、請求項1記載の発明において、ブリーザパイプとエンジンの排気系部品とがブリーザパイプの下方湾曲部で交差されているため、ブリーザパイプの下方湾曲部だけを排気系部品からの排熱によって加温することができ、その結果、蒸発燃料量を抑えることができるという優れた効果を有する。
【0034】
請求項3記載の本発明に係る燃料蒸気処理装置は、請求項1又は請求項2記載の発明において、ブリーザパイプの下方湾曲部の上方側には、車両後部の側部に車両前後方向を長手方向として配置されたリヤサイドメンバが配置されているため、排気系部品とブリーザパイプとの隙間を極力狭くすることができ、その結果、下方湾曲部の受熱効果を高めることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料系の部品の配置を車両搭載状態で描いた平面図である。
【図2】燃料タンクの周辺構造の要部を車両後方側から見て描いた要部拡大背面図である。
【図3】ブリーザパイプの下方湾曲部、リヤサイドメンバ、及び排気管の配置関係を車両後方から見て示す要部拡大背面図である。
【符号の説明】
10 燃料タンク
12 車両
18 排気管(排気系部品)
20 フューエルインレットパイプ(燃料注入パイプ)
24 上部空間
26 ブリーザパイプ
30 燃料注入口
34 下方湾曲部
36 リヤクロスメンバ
Claims (3)
- 一端部が燃料タンクの上部空間に連通されると共に他端部が燃料タンク内へ燃料を注入する燃料注入パイプの燃料注入口付近に連通され、更に中間部に略車両下方側へ湾曲する下方湾曲部が設けられたブリーザパイプを含んで構成された燃料蒸気処理装置であって、
前記ブリーザパイプの下方湾曲部付近に、エンジンの排気系部品を配置した、
ことを特徴とする燃料蒸気処理装置。 - 前記ブリーザパイプと前記エンジンの排気系部品とは、ブリーザパイプの下方湾曲部で交差されている、
ことを特徴とする請求項1記載の燃料蒸気処理装置。 - 前記ブリーザパイプの下方湾曲部の上方側には、車両後部の側部に車両前後方向を長手方向として配置されたリヤサイドメンバが配置されている、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の燃料蒸気処理装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003005789A JP2004218501A (ja) | 2003-01-14 | 2003-01-14 | 燃料蒸気処理装置 |
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JP2003005789A JP2004218501A (ja) | 2003-01-14 | 2003-01-14 | 燃料蒸気処理装置 |
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---|---|
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Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004218501A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100873596B1 (ko) * | 2005-10-28 | 2008-12-11 | 카우텍스 텍스트론 게엠베하 운트 콤파니 카게 | 연료탱크 |
CN108317030A (zh) * | 2017-12-13 | 2018-07-24 | 邓水娣 | 一种汽车尾气治理装置 |
-
2003
- 2003-01-14 JP JP2003005789A patent/JP2004218501A/ja active Pending
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