JP2004218014A - 金属の非クロム表面処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属の非クロム表面処理方法を提供する。
【解決手段】主に合金表面を洗浄、脱脂乾燥後、薄膜処理を行う。薄膜処理工程は合金表面を例えばアルミニウムsec−ブトキシド、ビニルトリメトキシシランなどの薄膜メッキ液で覆い、合金表面に対して膜メッキ反応を生じ、薄膜メッキ液と合金表面が結合を形成し薄膜を形成する。該処理過程においては重金属イオンを含む工業排水を排出しないため、環境汚染を最少程度に抑えることができる。さらに、製造工程を単純化し、効率を高めることによりコストの削減を達成することができる。
【選択図】図2
【解決手段】主に合金表面を洗浄、脱脂乾燥後、薄膜処理を行う。薄膜処理工程は合金表面を例えばアルミニウムsec−ブトキシド、ビニルトリメトキシシランなどの薄膜メッキ液で覆い、合金表面に対して膜メッキ反応を生じ、薄膜メッキ液と合金表面が結合を形成し薄膜を形成する。該処理過程においては重金属イオンを含む工業排水を排出しないため、環境汚染を最少程度に抑えることができる。さらに、製造工程を単純化し、効率を高めることによりコストの削減を達成することができる。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は一種の金属の非クロム表面処理方法に関する。特に一種の合金表面を洗浄、脱脂乾燥後、薄膜処理を行い、薄膜処理は合金表面を薄膜メッキ液で覆い、合金表面に対して膜メッキ反応を生じ、薄膜メッキ液と合金表面が結合を形成し薄膜を形成し、処理過程において重金属イオンを含む工業排水を排出しないため、環境汚染を最少程度に抑え、製造工程を単純化し、効率を高めることによりコストの削減を達成する金属の非クロム表面処理方法に係る。
【0002】
【従来の技術】
ノートPC、携帯電話、レーダー等の各通信電子製品は、より薄く、軽く、小さくの方向へと向かっている。そのため、軽く、単位重量当たりの高い強度、耐震性を具え、導電性とEMI電磁波隔絶に優良な性質を具えたアルミニウム合金、チタン合金、亜鉛合金、銅合金等の合金が、現代のニーズに合致する素材として注目を集めている。
図1が示すように公知の合金表面の処理方法は、接着剤による粘着性を高める等のために酸化成処理、或いは酸液中での陽極酸化により一層の多孔性金属酸化物質層を形成するものであった。
先ず、合金素材に脱脂処理を施し表面の油汚れを除去する。
次に、二度の水洗を経て合金表面の清潔を確保する。
続いて、酸洗浄により離型剤を除去し、再度の水洗により酸洗浄剤を除去する。さらに、皮膜化成を行う。該方法は化成皮膜剤に合金を浸漬、或いは噴霧、刷毛で塗布する方法により、該合金の多孔金属表面に反応させ、皮膜防蝕機能を実現するもので、続く彩色時に物理性付着効果を達成する。
この種の方法は複雑に過ぎ、しかも工程中において重金属であるクロムイオン(六価クロム)、バナジウムイオン、マンガンイオン等を含む多くの酸を使用する。そのため、環境を大きく汚染し、また水洗に大量の水が必要であるため、酸い資源の浪費であり、コストの高騰をも招いている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記公知構造の欠点を解決するため、本発明は金属の非クロム表面処理方法の提供を課題とする。
それは、クロムを金属の表面処理に使用する公知の方式の欠点を軽減或いは消去することができる。
さらにそれは、重金属廃水による環境汚染を低減し、水資源の浪費を防止することができる。
またその処理後の合金表面は、高い接着性、導電性、防蝕性、耐水性を具え、指紋及びほこりに強い付着性を具える。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は下記の金属の非クロム表面処理方法を提供する。
それは主にアルミニウム合金、チタン合金、亜鉛合金、銅合金等に非クロム表面処理を施す。合金表面を洗浄、脱脂乾燥後、薄膜処理を行う。
該薄膜処理工程は合金表面を薄膜メッキ液で覆い、合金表面に対して膜メッキ反応を生じ、薄膜メッキ液と合金表面が結合を形成し薄膜を形成する。
該薄膜メッキ液はアルミニウムsec−ブトキシド、或いは以下の成分から一種類以上を選択し組み合せ用いる。
ビニルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、γ−トリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、イソメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ジフェニルジクロロシシラン、ヘキサメチルジシシラン、ビニルトリシラン、ジルコニウムn−プロボキシド、エチルシリケート、1,1,2,2−テトラメチル−1−トリエトキシシラン、チタン酸テトプロピル、チタン酸テトライソプロピル、テトラブトキシド、テトラsec−ブトキシド、テトラtert−ブトキシド
本発明の酸処理で用いる有機−無機酸溶液はマグネシウム合金表面に対して酸侵蝕処理を行い、薄膜形成の便のため、合金表面は金属の原色、或いは灰色、黒色の表面を露出し、合金表面を活性化する。
すなわち、本発明の金属の非クロム表面処理方法は、以下の特徴を有する。
一.主に以下のステップを含み、
1.脱脂:合金素材を脱脂剤で処理し、表面の油汚れを除去し、
2.水洗:水洗により合金表面の清潔を確保し、
3.薄膜処理:浸漬、噴霧、或いはローラー方式により、合金表面を薄膜メッキ液で覆い、薄膜メッキ液と合金表面に連結を生じさせ、薄膜を形成し、
薄膜メッキ液には、アルミニウムsec−ブトキシド、或いは
ビニルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、γ−トリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、イソメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ジフェニルジクロロシシラン、ヘキサメチルジシシラン、ビニルトリシラン、ジルコニウムn−プロボキシド、エチルシリケート、1,1,2,2−テトラメチル−1−トリエトキシシラン、チタン酸テトプロピル、チタン酸テトライソプロピル、テトラブトキシド、テトラsec−ブトキシド、テトラtert−ブトキシド
の成分から一種類以上を選択し組み合せ用いることを特徴とする。
二.前記金属はアルミニウム合金、チタン合金、亜鉛合金、銅合金であることを特徴とする。
三.前記金属をマグネシウム合金とし、そのステップは脱脂、水洗後、酸処理を行い、続いて薄膜処理を行い、
該酸処理は薄膜形成の便のため、有機−無機酸溶液により、該マグネシウム合金表面に対して酸エッチング処理を行い、これにより、合金表面は金属の原色、或いは灰色、黒色の表面を露出し、合金表面を活性化し、
該有機−無機酸混合溶液は合金表面の酸処理を行い、金属活性化の目的を達成し、合金表面の酸化物を除去し、酸水素基を形成し、後続の薄膜処理に備えることを特徴とする。
四.前記薄膜処理後は塗布或いは彩色を行い、前記合金表面において形成した薄膜上に彩色し、或いは接着剤を塗布するが、薄膜メッキ液の塗布方式は浸漬、噴霧、或いはローラー方式であることを特徴とする。
五.前記酸処理ステップ後は活性化処理を行うが、該処理は酸処理後の金属合金を酸、或いはアルカリ性溶液中に入れ、合金表面に酸水素を形成し、
該酸処理に用いる有機−無機混合溶液は単独の無機酸、或いは有機酸、或いは両者の混合溶液を用い、溶液中の有機酸はあらゆる酸類、ヒドロキシ酸類、ダイアシッド類、ホスホン酸類から任意の一種を選択し用いることができ、無機酸は塩酸、リン酸、ホウ酸、硝酸から一種類以上を選択し用い、
該有機酸類の通式はR−(COOH)で、Rがアルキル基である時、有機酸はアルキル酸で、Rがアルケニルである時、有機酸はアリル酸で、Rがアリールである時、有機酸はアリール酸で、Rがハロゲン化アリキルである時、有機酸はハロゲン化アリキル酸で、Rが水素である時、有機酸はメチル酸で、Rがアルキニルである時、有機酸はアルキニル酸で、
該ヒドロキシ酸類の通式は(HO)−R−(COOH)で、Rがアルキル基である時、有機酸はアルキルヒドロキシ酸で、Rがアルケニルである時、有機酸はアリルヒドロキシ酸で、Rがアリールである時、有機酸はアリールヒドロキシ酸で、Rがアルキニルである時、有機酸はアルキニルヒドロキシ酸で、
該ダイアシッド類の通式は(HOOC)−R−(COOH)で、Rがアルキル基である時、有機酸はアルキルダイアシッドで、Rがアルケニルである時、有機酸はアリルダイアシッドで、Rがアリールである時、有機酸はアリールダイアシッドで、Rがアルキニルである時、有機酸はアルキニルダイアシッドで、
該ホスホン酸類の通式は(R1O),(R2O)−(POOH)で、Rがアルキル基である時、有機酸はアルコキシルホスホン酸で、Rがアルケニルである時、有機酸はアリルオキシホスホン酸で、Rがハロゲン化アリキルである時、有機酸はハロゲン化アリキルホスホン酸で、Rが水素である時、有機酸はホスホン酸で、Rがアルキニルである時、有機酸はアルキニルホスホン酸であることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明はアルミニウム合金、チタン合金、亜鉛合金、銅合金等に非クロム表面処理を施す。該合金表面を洗浄、脱脂後、乾燥させ、噴霧或いは浸漬の方式により塗装後、150〜180℃で20分間焼成し、完成する。こうして得られた薄膜は約0.5〜1ミクロンである。
その方法は以下のステップを含む。
4.脱脂:合金素材を脱脂剤で処理し、表面の油汚れを除去する。
5.水洗:水洗により合金表面の清潔を確保する。
6.薄膜処理:浸漬、噴霧、或いはローラー方式により、合金表面を薄膜メッキ液で覆い、薄膜メッキ液と合金表面に連結を生じさせ、薄膜を形成する。
薄膜メッキ液にはアルミニウムsec−ブトキシド、或いは以下の成分から一種類以上を選択し組み合せ用いる。
ビニルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、γ−トリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、イソメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ジフェニルジクロロシシラン、ヘキサメチルジシシラン、ビニルトリシラン、ジルコニウムn−プロボキシド、エチルシリケート、1,1,2,2−テトラメチル−1−トリエトキシシラン、チタン酸テトプロピル、チタン酸テトライソプロピル、テトラブトキシド、テトラsec−ブトキシド、テトラtert−ブトキシド
4.塗布或いは彩色:合金表面において形成した薄膜上に彩色し、或いは接着剤を塗布するが、このステップは薄膜の形成品質或いは製品の必要に応じて省略可能である。
【0006】
次に図3が示すように、本発明の第二実施例では該金属をマグネシウム合金と設定し実施する。
その手順は以下の通りである。
1.脱脂:合金素材を脱脂剤で処理し、表面の油汚れを除去する。
2.水洗:水洗により合金表面の清潔を確保する。
3.酸処理:薄膜形成の便のため、有機−無機酸溶液により、合金表面に対して酸エッチング処理を行う。これにより、合金表面は金属の原色、或いは灰色、黒色の表面を露出し、合金表面を活性化する。
有機−無機酸溶液には単独の無機酸、或いは有機酸、或いは両者の混合溶液を用いる。溶液中の有機酸はあらゆる酸類、ヒドロキシ酸類、ダイアシッド類、ホスホン酸類から任意の一種を選択し用いることができる。無機酸は塩酸、リン酸、ホウ酸、硝酸から一種類以上を選択し用いる。
その内、有機酸類の通式はR−(COOH)で、Rがアルキル基である時、有機酸はアルキル酸である。Rがアルケニルである時、有機酸はアリル酸である。Rがアリールである時、有機酸はアリール酸である。Rがハロゲン化アリキルである時、有機酸はハロゲン化アリキル酸である。Rが水素である時、有機酸はメチル酸である。Rがアルキニルである時、有機酸はアルキニル酸である。
また、ヒドロキシ酸類の通式は(HO)−R−(COOH)で、Rがアルキル基である時、有機酸はアルキルヒドロキシ酸である。Rがアルケニルである時、有機酸はアリルヒドロキシ酸である。Rがアリールである時、有機酸はアリールヒドロキシ酸である。Rがアルキニルである時、有機酸はアルキニルヒドロキシ酸である。
また、ダイアシッド類の通式は(HOOC)−R−(COOH)で、Rがアルキル基である時、有機酸はアルキルダイアシッドである。Rがアルケニルである時、有機酸はアリルダイアシッドである。Rがアリールである時、有機酸はアリールダイアシッドである。Rがアルキニルである時、有機酸はアルキニルダイアシッドである。
また、ホスホン酸類の通式は(R1O),(R2O)−(POOH)で、Rがアルキル基である時、有機酸はアルコキシルホスホン酸である。Rがアルケニルである時、有機酸はアリルオキシホスホン酸である。Rがハロゲン化アリキルである時、有機酸はハロゲン化アリキルホスホン酸である。Rが水素である時、有機酸はホスホン酸である。Rがアルキニルである時、有機酸はアルキニルホスホン酸である。
【0007】
4.真水で洗浄し、余分な有機−無機酸混合溶液を除去する。
5.表面の酸化物を除去:酸侵蝕後の合金を酸、或いはアルカリ性溶液中に入れ、表面の酸化物を除去する。この過程における合金の表面には酸水素基が形成されている。
6.真水で合金表面の酸或いはアルカリ溶液を洗浄する。
7.薄膜処理:酸水素基を生じた合金表面を浸漬、噴霧、或いはローラー方式により薄膜メッキ液で覆い、薄膜メッキ液と合金表面の酸水素基に連結を生じさせ、薄膜を形成する。
薄膜メッキ液にはアルミニウムsec−ブトキシド、或いは第一実施例で述べた成分から一種類以上を選択し組み合せ用いる(第一実施例の項参照)。
8.加熱乾燥:薄膜形成後の合金を150℃〜180℃で約20分乾燥後、合金の薄膜メッキ表面処理を完成する。
【0008】
上記二例のステップ中においては、以下の項目を加えることもできる。
A.薄膜メッキ液への浸漬:薄膜メッキ液中に浸漬し、合金表面に一層の非常に薄い膜を形成後、合金を遠心分離機にかける。続いて加熱乾燥し、薄膜を形成後の合金を150℃〜180℃で約20分乾燥し、厚さ約0.5〜1ミクロンの薄膜を完成する。
B.薄膜メッキ液による高温メッキ:薄膜メッキ液を加熱し、該薄膜メッキ液と合金表面を接触反応させ、薄膜メッキ液中のナノ成分を合金表面に滲入させる。合金表面に一層の非常に薄い膜を形成後、加熱乾燥し厚さ約0.5〜1ミクロンの薄膜を完成する。
【0009】
上記製造工程により処理された合金に対して、テストにより表面に塩化ナトリウム溶液を噴霧し、24時間後の表面の酸化を観察した。その結果、酸化部分は5%にも満たず、本発明の処理による合金の品質の安定性が証明された。
さらに、上記製造工程により処理された合金に対して、塗料に関するテストを行った。彩色後の表面を方眼ナイフで均等に区分し、3Mのテープにより表面を粘着紙、塗料の脱落状況を調べるものである。このテストにおいても良好な性質が示された。
また、上記製造工程により処理された合金はHPミリオーム計(HP4338)による導電抵抗値は<0.3mΩで、導電性にも優れることを示している。
【0010】
【発明の効果】
上記のように本発明は、薄膜形成の過程において、物理的結合作用に代わり科学的結合を採用することにより、非常に薄く、粘着力高い金属合金表面の薄膜を形成可能で、合金表面を保護し防蝕性を高めることができる。また、本発明の製造工程により処理後の合金に対して行ったテストにおいて、表面の塗料が脱落しないことが証明された。即ち、本発明の製造工程により処理後の合金表面は塗布或いは粘着時の付着性が非常に高い。また、薄膜メッキ液を多様に組み合わせることができるため、金属合金表面はメッキの化学成分を任意に調整可能で、異なる接着性、防蝕性、防錆性、導電性、抗水性等の性質を形成することができる。導電性については、HPミリオーム計(HP4338)による導電抵抗値は<0.3mΩで、非常に良好である。
これら性質により、本発明の製造工程により処理後の合金表面は指紋及びほこりの付着を低減可能で、製造方法においては、薄膜形成後に水洗工程がなく、使用薬剤には重金属イオンを含まないため、環境保護の観点から好ましくない資源の浪費や汚水処理の問題を生じる恐れがない。さらに、本発明の工程はシンプルで操作が容易であるため、設備コストを大幅に低減し、生産速度を上げることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】公知のマグネシウムアルミニウム表面に用いる処理方法のフローチャートである。
【図2】本発明の金属の非クロム表面処理方法のフローチャートである。
【図3】本発明の金属の非クロム(マグネシウム合金)表面処理方法のフローチャートである。
【発明の属する技術分野】
本発明は一種の金属の非クロム表面処理方法に関する。特に一種の合金表面を洗浄、脱脂乾燥後、薄膜処理を行い、薄膜処理は合金表面を薄膜メッキ液で覆い、合金表面に対して膜メッキ反応を生じ、薄膜メッキ液と合金表面が結合を形成し薄膜を形成し、処理過程において重金属イオンを含む工業排水を排出しないため、環境汚染を最少程度に抑え、製造工程を単純化し、効率を高めることによりコストの削減を達成する金属の非クロム表面処理方法に係る。
【0002】
【従来の技術】
ノートPC、携帯電話、レーダー等の各通信電子製品は、より薄く、軽く、小さくの方向へと向かっている。そのため、軽く、単位重量当たりの高い強度、耐震性を具え、導電性とEMI電磁波隔絶に優良な性質を具えたアルミニウム合金、チタン合金、亜鉛合金、銅合金等の合金が、現代のニーズに合致する素材として注目を集めている。
図1が示すように公知の合金表面の処理方法は、接着剤による粘着性を高める等のために酸化成処理、或いは酸液中での陽極酸化により一層の多孔性金属酸化物質層を形成するものであった。
先ず、合金素材に脱脂処理を施し表面の油汚れを除去する。
次に、二度の水洗を経て合金表面の清潔を確保する。
続いて、酸洗浄により離型剤を除去し、再度の水洗により酸洗浄剤を除去する。さらに、皮膜化成を行う。該方法は化成皮膜剤に合金を浸漬、或いは噴霧、刷毛で塗布する方法により、該合金の多孔金属表面に反応させ、皮膜防蝕機能を実現するもので、続く彩色時に物理性付着効果を達成する。
この種の方法は複雑に過ぎ、しかも工程中において重金属であるクロムイオン(六価クロム)、バナジウムイオン、マンガンイオン等を含む多くの酸を使用する。そのため、環境を大きく汚染し、また水洗に大量の水が必要であるため、酸い資源の浪費であり、コストの高騰をも招いている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記公知構造の欠点を解決するため、本発明は金属の非クロム表面処理方法の提供を課題とする。
それは、クロムを金属の表面処理に使用する公知の方式の欠点を軽減或いは消去することができる。
さらにそれは、重金属廃水による環境汚染を低減し、水資源の浪費を防止することができる。
またその処理後の合金表面は、高い接着性、導電性、防蝕性、耐水性を具え、指紋及びほこりに強い付着性を具える。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は下記の金属の非クロム表面処理方法を提供する。
それは主にアルミニウム合金、チタン合金、亜鉛合金、銅合金等に非クロム表面処理を施す。合金表面を洗浄、脱脂乾燥後、薄膜処理を行う。
該薄膜処理工程は合金表面を薄膜メッキ液で覆い、合金表面に対して膜メッキ反応を生じ、薄膜メッキ液と合金表面が結合を形成し薄膜を形成する。
該薄膜メッキ液はアルミニウムsec−ブトキシド、或いは以下の成分から一種類以上を選択し組み合せ用いる。
ビニルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、γ−トリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、イソメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ジフェニルジクロロシシラン、ヘキサメチルジシシラン、ビニルトリシラン、ジルコニウムn−プロボキシド、エチルシリケート、1,1,2,2−テトラメチル−1−トリエトキシシラン、チタン酸テトプロピル、チタン酸テトライソプロピル、テトラブトキシド、テトラsec−ブトキシド、テトラtert−ブトキシド
本発明の酸処理で用いる有機−無機酸溶液はマグネシウム合金表面に対して酸侵蝕処理を行い、薄膜形成の便のため、合金表面は金属の原色、或いは灰色、黒色の表面を露出し、合金表面を活性化する。
すなわち、本発明の金属の非クロム表面処理方法は、以下の特徴を有する。
一.主に以下のステップを含み、
1.脱脂:合金素材を脱脂剤で処理し、表面の油汚れを除去し、
2.水洗:水洗により合金表面の清潔を確保し、
3.薄膜処理:浸漬、噴霧、或いはローラー方式により、合金表面を薄膜メッキ液で覆い、薄膜メッキ液と合金表面に連結を生じさせ、薄膜を形成し、
薄膜メッキ液には、アルミニウムsec−ブトキシド、或いは
ビニルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、γ−トリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、イソメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ジフェニルジクロロシシラン、ヘキサメチルジシシラン、ビニルトリシラン、ジルコニウムn−プロボキシド、エチルシリケート、1,1,2,2−テトラメチル−1−トリエトキシシラン、チタン酸テトプロピル、チタン酸テトライソプロピル、テトラブトキシド、テトラsec−ブトキシド、テトラtert−ブトキシド
の成分から一種類以上を選択し組み合せ用いることを特徴とする。
二.前記金属はアルミニウム合金、チタン合金、亜鉛合金、銅合金であることを特徴とする。
三.前記金属をマグネシウム合金とし、そのステップは脱脂、水洗後、酸処理を行い、続いて薄膜処理を行い、
該酸処理は薄膜形成の便のため、有機−無機酸溶液により、該マグネシウム合金表面に対して酸エッチング処理を行い、これにより、合金表面は金属の原色、或いは灰色、黒色の表面を露出し、合金表面を活性化し、
該有機−無機酸混合溶液は合金表面の酸処理を行い、金属活性化の目的を達成し、合金表面の酸化物を除去し、酸水素基を形成し、後続の薄膜処理に備えることを特徴とする。
四.前記薄膜処理後は塗布或いは彩色を行い、前記合金表面において形成した薄膜上に彩色し、或いは接着剤を塗布するが、薄膜メッキ液の塗布方式は浸漬、噴霧、或いはローラー方式であることを特徴とする。
五.前記酸処理ステップ後は活性化処理を行うが、該処理は酸処理後の金属合金を酸、或いはアルカリ性溶液中に入れ、合金表面に酸水素を形成し、
該酸処理に用いる有機−無機混合溶液は単独の無機酸、或いは有機酸、或いは両者の混合溶液を用い、溶液中の有機酸はあらゆる酸類、ヒドロキシ酸類、ダイアシッド類、ホスホン酸類から任意の一種を選択し用いることができ、無機酸は塩酸、リン酸、ホウ酸、硝酸から一種類以上を選択し用い、
該有機酸類の通式はR−(COOH)で、Rがアルキル基である時、有機酸はアルキル酸で、Rがアルケニルである時、有機酸はアリル酸で、Rがアリールである時、有機酸はアリール酸で、Rがハロゲン化アリキルである時、有機酸はハロゲン化アリキル酸で、Rが水素である時、有機酸はメチル酸で、Rがアルキニルである時、有機酸はアルキニル酸で、
該ヒドロキシ酸類の通式は(HO)−R−(COOH)で、Rがアルキル基である時、有機酸はアルキルヒドロキシ酸で、Rがアルケニルである時、有機酸はアリルヒドロキシ酸で、Rがアリールである時、有機酸はアリールヒドロキシ酸で、Rがアルキニルである時、有機酸はアルキニルヒドロキシ酸で、
該ダイアシッド類の通式は(HOOC)−R−(COOH)で、Rがアルキル基である時、有機酸はアルキルダイアシッドで、Rがアルケニルである時、有機酸はアリルダイアシッドで、Rがアリールである時、有機酸はアリールダイアシッドで、Rがアルキニルである時、有機酸はアルキニルダイアシッドで、
該ホスホン酸類の通式は(R1O),(R2O)−(POOH)で、Rがアルキル基である時、有機酸はアルコキシルホスホン酸で、Rがアルケニルである時、有機酸はアリルオキシホスホン酸で、Rがハロゲン化アリキルである時、有機酸はハロゲン化アリキルホスホン酸で、Rが水素である時、有機酸はホスホン酸で、Rがアルキニルである時、有機酸はアルキニルホスホン酸であることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明はアルミニウム合金、チタン合金、亜鉛合金、銅合金等に非クロム表面処理を施す。該合金表面を洗浄、脱脂後、乾燥させ、噴霧或いは浸漬の方式により塗装後、150〜180℃で20分間焼成し、完成する。こうして得られた薄膜は約0.5〜1ミクロンである。
その方法は以下のステップを含む。
4.脱脂:合金素材を脱脂剤で処理し、表面の油汚れを除去する。
5.水洗:水洗により合金表面の清潔を確保する。
6.薄膜処理:浸漬、噴霧、或いはローラー方式により、合金表面を薄膜メッキ液で覆い、薄膜メッキ液と合金表面に連結を生じさせ、薄膜を形成する。
薄膜メッキ液にはアルミニウムsec−ブトキシド、或いは以下の成分から一種類以上を選択し組み合せ用いる。
ビニルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、γ−トリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、イソメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ジフェニルジクロロシシラン、ヘキサメチルジシシラン、ビニルトリシラン、ジルコニウムn−プロボキシド、エチルシリケート、1,1,2,2−テトラメチル−1−トリエトキシシラン、チタン酸テトプロピル、チタン酸テトライソプロピル、テトラブトキシド、テトラsec−ブトキシド、テトラtert−ブトキシド
4.塗布或いは彩色:合金表面において形成した薄膜上に彩色し、或いは接着剤を塗布するが、このステップは薄膜の形成品質或いは製品の必要に応じて省略可能である。
【0006】
次に図3が示すように、本発明の第二実施例では該金属をマグネシウム合金と設定し実施する。
その手順は以下の通りである。
1.脱脂:合金素材を脱脂剤で処理し、表面の油汚れを除去する。
2.水洗:水洗により合金表面の清潔を確保する。
3.酸処理:薄膜形成の便のため、有機−無機酸溶液により、合金表面に対して酸エッチング処理を行う。これにより、合金表面は金属の原色、或いは灰色、黒色の表面を露出し、合金表面を活性化する。
有機−無機酸溶液には単独の無機酸、或いは有機酸、或いは両者の混合溶液を用いる。溶液中の有機酸はあらゆる酸類、ヒドロキシ酸類、ダイアシッド類、ホスホン酸類から任意の一種を選択し用いることができる。無機酸は塩酸、リン酸、ホウ酸、硝酸から一種類以上を選択し用いる。
その内、有機酸類の通式はR−(COOH)で、Rがアルキル基である時、有機酸はアルキル酸である。Rがアルケニルである時、有機酸はアリル酸である。Rがアリールである時、有機酸はアリール酸である。Rがハロゲン化アリキルである時、有機酸はハロゲン化アリキル酸である。Rが水素である時、有機酸はメチル酸である。Rがアルキニルである時、有機酸はアルキニル酸である。
また、ヒドロキシ酸類の通式は(HO)−R−(COOH)で、Rがアルキル基である時、有機酸はアルキルヒドロキシ酸である。Rがアルケニルである時、有機酸はアリルヒドロキシ酸である。Rがアリールである時、有機酸はアリールヒドロキシ酸である。Rがアルキニルである時、有機酸はアルキニルヒドロキシ酸である。
また、ダイアシッド類の通式は(HOOC)−R−(COOH)で、Rがアルキル基である時、有機酸はアルキルダイアシッドである。Rがアルケニルである時、有機酸はアリルダイアシッドである。Rがアリールである時、有機酸はアリールダイアシッドである。Rがアルキニルである時、有機酸はアルキニルダイアシッドである。
また、ホスホン酸類の通式は(R1O),(R2O)−(POOH)で、Rがアルキル基である時、有機酸はアルコキシルホスホン酸である。Rがアルケニルである時、有機酸はアリルオキシホスホン酸である。Rがハロゲン化アリキルである時、有機酸はハロゲン化アリキルホスホン酸である。Rが水素である時、有機酸はホスホン酸である。Rがアルキニルである時、有機酸はアルキニルホスホン酸である。
【0007】
4.真水で洗浄し、余分な有機−無機酸混合溶液を除去する。
5.表面の酸化物を除去:酸侵蝕後の合金を酸、或いはアルカリ性溶液中に入れ、表面の酸化物を除去する。この過程における合金の表面には酸水素基が形成されている。
6.真水で合金表面の酸或いはアルカリ溶液を洗浄する。
7.薄膜処理:酸水素基を生じた合金表面を浸漬、噴霧、或いはローラー方式により薄膜メッキ液で覆い、薄膜メッキ液と合金表面の酸水素基に連結を生じさせ、薄膜を形成する。
薄膜メッキ液にはアルミニウムsec−ブトキシド、或いは第一実施例で述べた成分から一種類以上を選択し組み合せ用いる(第一実施例の項参照)。
8.加熱乾燥:薄膜形成後の合金を150℃〜180℃で約20分乾燥後、合金の薄膜メッキ表面処理を完成する。
【0008】
上記二例のステップ中においては、以下の項目を加えることもできる。
A.薄膜メッキ液への浸漬:薄膜メッキ液中に浸漬し、合金表面に一層の非常に薄い膜を形成後、合金を遠心分離機にかける。続いて加熱乾燥し、薄膜を形成後の合金を150℃〜180℃で約20分乾燥し、厚さ約0.5〜1ミクロンの薄膜を完成する。
B.薄膜メッキ液による高温メッキ:薄膜メッキ液を加熱し、該薄膜メッキ液と合金表面を接触反応させ、薄膜メッキ液中のナノ成分を合金表面に滲入させる。合金表面に一層の非常に薄い膜を形成後、加熱乾燥し厚さ約0.5〜1ミクロンの薄膜を完成する。
【0009】
上記製造工程により処理された合金に対して、テストにより表面に塩化ナトリウム溶液を噴霧し、24時間後の表面の酸化を観察した。その結果、酸化部分は5%にも満たず、本発明の処理による合金の品質の安定性が証明された。
さらに、上記製造工程により処理された合金に対して、塗料に関するテストを行った。彩色後の表面を方眼ナイフで均等に区分し、3Mのテープにより表面を粘着紙、塗料の脱落状況を調べるものである。このテストにおいても良好な性質が示された。
また、上記製造工程により処理された合金はHPミリオーム計(HP4338)による導電抵抗値は<0.3mΩで、導電性にも優れることを示している。
【0010】
【発明の効果】
上記のように本発明は、薄膜形成の過程において、物理的結合作用に代わり科学的結合を採用することにより、非常に薄く、粘着力高い金属合金表面の薄膜を形成可能で、合金表面を保護し防蝕性を高めることができる。また、本発明の製造工程により処理後の合金に対して行ったテストにおいて、表面の塗料が脱落しないことが証明された。即ち、本発明の製造工程により処理後の合金表面は塗布或いは粘着時の付着性が非常に高い。また、薄膜メッキ液を多様に組み合わせることができるため、金属合金表面はメッキの化学成分を任意に調整可能で、異なる接着性、防蝕性、防錆性、導電性、抗水性等の性質を形成することができる。導電性については、HPミリオーム計(HP4338)による導電抵抗値は<0.3mΩで、非常に良好である。
これら性質により、本発明の製造工程により処理後の合金表面は指紋及びほこりの付着を低減可能で、製造方法においては、薄膜形成後に水洗工程がなく、使用薬剤には重金属イオンを含まないため、環境保護の観点から好ましくない資源の浪費や汚水処理の問題を生じる恐れがない。さらに、本発明の工程はシンプルで操作が容易であるため、設備コストを大幅に低減し、生産速度を上げることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】公知のマグネシウムアルミニウム表面に用いる処理方法のフローチャートである。
【図2】本発明の金属の非クロム表面処理方法のフローチャートである。
【図3】本発明の金属の非クロム(マグネシウム合金)表面処理方法のフローチャートである。
Claims (5)
- 主に以下のステップを含み、
1.脱脂:合金素材を脱脂剤で処理し、表面の油汚れを除去し、
2.水洗:水洗により合金表面の清潔を確保し、
3.薄膜処理:浸漬、噴霧、或いはローラー方式により、合金表面を薄膜メッキ液で覆い、薄膜メッキ液と合金表面に連結を生じさせ、薄膜を形成し、
薄膜メッキ液には、アルミニウムsec−ブトキシド、或いは
ビニルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、γ−トリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、イソメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ジフェニルジクロロシシラン、ヘキサメチルジシシラン、ビニルトリシラン、ジルコニウムn−プロボキシド、エチルシリケート、1,1,2,2−テトラメチル−1−トリエトキシシラン、チタン酸テトプロピル、チタン酸テトライソプロピル、テトラブトキシド、テトラsec−ブトキシド、テトラtert−ブトキシド
の成分から一種類以上を選択し組み合せ用いることを特徴とする金属の非クロム表面処理方法。 - 前記金属はアルミニウム合金、チタン合金、亜鉛合金、銅合金であることを特徴とする請求項1記載の金属の非クロム表面処理方法。
- 前記金属をマグネシウム合金とし、そのステップは脱脂、水洗後、酸処理を行い、続いて薄膜処理を行い、
該酸処理は薄膜形成の便のため、有機−無機酸溶液により、該マグネシウム合金表面に対して酸エッチング処理を行い、これにより、合金表面は金属の原色、或いは灰色、黒色の表面を露出し、合金表面を活性化し、
該有機−無機酸混合溶液は合金表面の酸処理を行い、金属活性化の目的を達成し、合金表面の酸化物を除去し、酸水素基を形成し、後続の薄膜処理に備えることを特徴とする請求項1記載の金属の非クロム表面処理方法。 - 前記薄膜処理後は塗布或いは彩色を行い、前記合金表面において形成した薄膜上に彩色し、或いは接着剤を塗布するが、薄膜メッキ液の塗布方式は浸漬、噴霧、或いはローラー方式であることを特徴とする請求項1又は3記載の金属の非クロム表面処理方法。
- 前記酸処理ステップ後は活性化処理を行うが、該処理は酸処理後の金属合金を酸、或いはアルカリ性溶液中に入れ、合金表面に酸水素を形成し、
該酸処理に用いる有機−無機混合溶液は単独の無機酸、或いは有機酸、或いは両者の混合溶液を用い、溶液中の有機酸はあらゆる酸類、ヒドロキシ酸類、ダイアシッド類、ホスホン酸類から任意の一種を選択し用いることができ、無機酸は塩酸、リン酸、ホウ酸、硝酸から一種類以上を選択し用い、
該有機酸類の通式はR−(COOH)で、Rがアルキル基である時、有機酸はアルキル酸で、Rがアルケニルである時、有機酸はアリル酸で、Rがアリールである時、有機酸はアリール酸で、Rがハロゲン化アリキルである時、有機酸はハロゲン化アリキル酸で、Rが水素である時、有機酸はメチル酸で、Rがアルキニルである時、有機酸はアルキニル酸で、
該ヒドロキシ酸類の通式は(HO)−R−(COOH)で、Rがアルキル基である時、有機酸はアルキルヒドロキシ酸で、Rがアルケニルである時、有機酸はアリルヒドロキシ酸で、Rがアリールである時、有機酸はアリールヒドロキシ酸で、Rがアルキニルである時、有機酸はアルキニルヒドロキシ酸で、
該ダイアシッド類の通式は(HOOC)−R−(COOH)で、Rがアルキル基である時、有機酸はアルキルダイアシッドで、Rがアルケニルである時、有機酸はアリルダイアシッドで、Rがアリールである時、有機酸はアリールダイアシッドで、Rがアルキニルである時、有機酸はアルキニルダイアシッドで、
該ホスホン酸類の通式は(R1O),(R2O)−(POOH)で、Rがアルキル基である時、有機酸はアルコキシルホスホン酸で、Rがアルケニルである時、有機酸はアリルオキシホスホン酸で、Rがハロゲン化アリキルである時、有機酸はハロゲン化アリキルホスホン酸で、Rが水素である時、有機酸はホスホン酸で、Rがアルキニルである時、有機酸はアルキニルホスホン酸であることを特徴とする請求項3記載の金属の非クロム表面処理方法。
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