JP2004217690A - 液体トナージェットインク及びそれを用いる記録方法 - Google Patents
液体トナージェットインク及びそれを用いる記録方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】低印加電圧での飛翔性に優れ、リークの発生しない、高品質な画像が得られる液体トナージェットインク、及びそれを用いる記録方法を提供する。
【解決手段】分散媒および着色剤を少なくとも含む荷電粒子を主成分とした液体トナージェットインクにおいて、該着色剤として、有機顔料を全着色剤成分の20〜100wt/%含有することを特徴とする液体トナージェットインク。
【選択図】 図1
【解決手段】分散媒および着色剤を少なくとも含む荷電粒子を主成分とした液体トナージェットインクにおいて、該着色剤として、有機顔料を全着色剤成分の20〜100wt/%含有することを特徴とする液体トナージェットインク。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷電したインクに電圧をかけることにより飛翔させて記録するための液体トナージェットインク、及びそれを用いる記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、一般にノズル、スリット或いは多孔質フィルム等から液体あるいは固体インクを吐出し、これを紙、布、フィルム等に付着させて記録を行うものである。インクジェット記録方式のプリンターは、使用時の音が小さく、また小型で安価である等の利点から随所で用いられている。また、プリンターの更なる検討が精力的に行われ、特に黒色の単色プリンターとして、レポート用紙、コピー用紙等のいわゆる普通紙上に良好な印字品質が得られるプリンターも市販されるに至っている。
【0003】
また、インクジェットプリンタに使用されるインクに関しては、(1)紙上で滲み、かぶりのない高解像度、高濃度で均一な画像が得られること、(2)ノズル先端でインク乾燥による目詰まりが発生せず、常に吐出応答性、吐出安定性が良好であること、(3)紙上においてインクの乾燥性がよいこと、(4)画像の堅ろう性がよいこと、(5)長期保存安定性がよいこと、などが要求される。
【0004】
これらの要求を満足すべく、従来よりインクジェット記録用インクについての多くの検討がなされ、種々の添加剤の検討、あるいは数々の水溶性有機溶剤の検討が行われており、そして例えば、界面活性剤を使用すること(特公昭62−11781号公報)、及び、酸化エチレンと酸化プロピレンとのブロック共重合体を使用すること(特開平1−25789号公報)が従来から提案されている。
【0005】
しかし、通常のインクジェトプリンタは、ノズル状の孔よりインクを吐出させるため、インク径はノズル径により制御され、可変できない。このため、階調性を出す場合はインク濃度の異なるインクを用いるか、径の異なる多数のノズルを用いる必要があり、システムが煩雑になるという問題があった。また、長期間使用しない場合は、ノズルが詰まるなどの問題があった。
【0006】
これに対し、荷電したインクに電圧をかけることにより飛翔させる液体トナージェットインキは、ノズルではなく先端の尖った釘状の電極を使用するため、インクの詰まりがない。また、電極にかける電圧時間やパルスを変えることにより、容易にドット径を変えることができるため、階調性に優れ、写真調の画像が得られる。また濃度の異なるインクが不用のため、システムが簡略化できる。
【0007】
液体トナージェット記録方式の例としては、超音波を併用して飛翔させる方式のもの(特開平11−300969号公報…特許文献1)やラインヘッドの先端にトナー粒子の極性と同極性の電圧を印加してトナー粒子の凝集体をつくり、この凝集体を吐出させる印字方式のもの(PCT/AU92−00665…特許文献2)や現像ローラと電子写真感光体との間の現像ギャップを隔てて近接配備され現像ローラ表面の湿式トナーを感光体の潜像電位に飛翔させる手段を有する印字方式のもの(特開平6−137791号公報、特開平7−160062号公報…特許文献3及び4)などが提案されている。
【0008】
しかし、これまでの方法は、印加電圧を高くしないと飛翔しなかったり、飛翔しても濃度が低かったりして満足する品質が得られていない。また、特に黒インクにおいては、着色剤であるカーボンブラックが導電性であるため、マルチヘッドの場合、電極間どうしでリークが発生し、ヘッドが破損するという問題があった。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−300969号公報
【特許文献2】
PCT/AU92−00665
【特許文献3】
特開平6−137791号公報
【特許文献4】
特開平7−160062号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来技術における前記欠点を改善し、低印加電圧での飛翔性に優れ、リークの発生しない、高品質な画像が得られる液体トナージェットインク、及びそれを用いる記録方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、下記(1)〜(13)が提供される。
(1)分散媒および着色剤を少なくとも含む荷電粒子を主成分とした液体トナージェットインクにおいて、該着色剤として、有機顔料を全着色剤成分の20〜100wt/%含有することを特徴とする液体トナージェットインク。
(2)有機顔料が樹脂により被覆されていることを特徴とする上記(1)に記載の液体トナージェットインク。
(3)液体トナージェットインクが更に無機顔料を含み、該無機顔料がカーボンブラックであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の液体トナージェットインク。
(4)電着乾燥法によるQ/Mが100〜7000μC/gの範囲にあることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の液体トナージェットインク。
(5)ζ電位の絶対値が10〜150mVの範囲にあることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の液体トナージェットインク。
(6)25℃における粘度が1〜15mPa・sであることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の液体トナージェットインク。
(7)固形分が1〜15wt%の範囲内にあることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の液体トナージェットインク。
(8)荷電粒子の平均粒径が0.1〜10.0μmの範囲内にあることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の液体トナージェットインク。
(9)分散媒が複数からなり、各分散媒の電気抵抗が1×1010〜1×1016Ω・cmであり、脂肪族炭化水素、シリコンオイル、脂肪酸エステル、フッ素オイルから選択される少なくとも2種であることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の液体トナージェットインク。
(10)ポリオレフィン、オレフィンとの共重合体、ロジン又はその変性樹脂から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれかに記載の液体トナージェットインク。
(11)上記(1)〜(10)のいずれかに記載の液体トナージェットインクを用い、荷電粒子の帯電極性と同極性の電圧を印加し、荷電粒子を飛翔させることを特徴とする記録方法。
(12)径が30〜100μmの複数の釘状電極からなるヘッドを用いて、荷電粒子を飛翔させることを特徴とする上記(11)に記載の記録方法。
(13)電極に絶対値500〜2000Vの電圧を印加することにより荷電粒子を飛翔させることを特徴とする上記(11)又は(12)に記載の記録方法。
【0012】
【発明の実施の形態】
液体トナージェット記録用インクについて、いろいろな角度から検討を進めてきた結果、低電圧で飛翔し、リークの発生しない高画質が得られるブラックインクを得るためには、有機顔料を全着色剤成分の20〜100wt%含有させることが必要であることを確かめた。
有機顔料はカーボンブラックや無機顔料に比べて体積抵抗が高いため、本発明のインクを用いることによりマルチヘッドの近接した電極間にインクが存在してもリークが発生せず、低電圧で飛翔することが確かめられた。有機顔料の含有率は20wt%以上必要であり、これより少ないとリークが発生しやすくなる。
【0013】
有機顔料は、イエロー系、マゼンタ系、シアン系顔料等を混合することにより黒にできる。各色の有機顔料の割合を変えることにより、赤みのブラックインク、青みのブラックインクなど、好みの色調のブラックインクにすることができる。
100%有機顔料を使用しない場合は、残りの着色剤成分はカーボンブラックが黒色度の点で優れている。
【0014】
本発明に使用できる有機顔料は、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、スカイブルー、ローダミンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、メチルバイオレットレーキ、ピーコックブルーレーキ、ナフトールグリーンB、ナフトールグリーンY、ナフトールイエローS、ナフトールレッド、リソールファーストイエロー2G、パーマネントレッド4R、ブリリアントファーストスカーレット、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、リソールレッド、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、パーマネントレッドF5R、ピグメントスカーレット3Bインジゴ、チオインジゴオイルピンクおよびボルド−10Bなどが挙げられる。
【0015】
カーボンブラックは、プリンテックスV、プリンテックスU、プリンテックスG、スペシャルブラック15、スペシャルブラック4、スペシャルブラック4−B(以上デグサ社製)、三菱#44、#30、MR−11、MA−100(以上三菱化成社製)、ラーベン1035、ラーベン1252、ニュースペクトII(以上コロンビアカーボン社製)、リーガル400、660、ブラックパール900、1100、1300、モーガルL(以上キャボット社製)などが使用できる。
【0016】
また、有機顔料を樹脂により被覆することにより、更にインク粒子の抵抗を高めることができ、リーク防止に効果がある。
被覆する樹脂は高抵抗の樹脂が有利であり、中でもポリオレフィン、オレフィンの共重合体、ロジン又はその変性樹脂が良好である。
【0017】
特にこれらの着色剤をフラッシング処理を行った場合は顔料被覆性が良く飛翔性、リーク防止面で更に効果が上がる。
フラッシング処理とは、色素を水に溶かした含水液に、更に樹脂分散媒を加え、フラッシャーと呼ばれるニーダー中で良く混合し、顔料のまわりに存在する水を後から添加される樹脂分散媒によって置換する処理をいう。
この操作により取出される水を排出し、樹脂溶液中に顔料が分散された状態とし乾燥させて、溶剤を除去し、得られた塊を粉砕することにより着色剤の粉末が得られる。
【0018】
フラッシングする際の着色剤と樹脂の割合は、樹脂100重量部に対して着色剤10〜60重量部が適当である。フラッシング処理には、フミン酸、フミン酸塩(Na塩、NH4塩など)またはフミン酸誘導体の存在下に行うのが特に有利である。これら添加されるフミン酸類の量は、着色剤含水液の0.1〜30wt%程度が適当である。
【0019】
本発明において、インクに用いる分散媒は複数の分散媒体を用いることが好ましく、複数の分散媒体を用いることにより定着性及び帯電性が向上する効果を奏する。
また分散媒を1種又は複数を用いる場合各分散媒の電気抵抗は1×1010Ω・cm以上であることが望ましく、特に1×1010〜1×1016Ω・cmであることが望ましい。1×1010Ω・cmより低いとリークの発生、飛翔性不良につながる。
【0020】
分散媒の種類は脂肪族炭化水素、シリコンオイル、脂肪酸エステル、フッ素オイル等の人体に安全で、極性が低く、反応性の低いものが好ましい。脂肪族炭化水素としてはヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソドデカン、市販品としてアイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、アイソパーV(以上エクソン社製)、シェルゾル−71(シェル石油化学社製)などが挙げられ、シリコンオイルとしてはジアルキルシリコンオイル、環状ポリジアルキルシリコンオイル、メチルフェニルシリコンオイル、メチルハイドロジェンシリコンオイル、変性シリコンオイルとして反応性シリコンオイル、非反応性シリコンオイルなどが挙げられ、脂肪酸エステルとしてはイソプロピルミリステート、イソブチルミリステート、ヘキシルミリステート、イソプロピルオレエート、イソブチルオクトエート等の高級脂肪酸エステルなどが挙げられ、フッ素系溶剤としては住友スリーエム社のフロリナートFC−40、フロリナートFC−43、フロリナート−70、フロリナート−77などが挙げられる。
【0021】
本発明のインクのQ/M(比電荷量)は100〜7000μC/gが良好で、100μC/gより小さいと帯電量が小さく飛翔しにくく、一方7000μC/gより大きいとリークが起こりやすくなる。
ζ電位の絶対値は10〜150mvが良好であり、10mvより小さいと飛翔しにくく、一方150mvより大きいとヘッド上での凝集性が低下して濃度が低くなる。
【0022】
25℃における粘度は、1〜15mPa・sの範囲にあることが好ましい。
1mPa・sより低いと、粘度が低すぎてヘッド被覆性が低下したり、液ダレが発生したりする。一方15mPa・sより高いとヘッドからの液供給性が低下したり、飛翔性が低下する。
【0023】
固形分は、1〜15wt%の範囲にあることが好ましい。1wt%より低いと、画像濃度が低く、一方15wt%より高いと階調性が低下する。
荷電粒子の平均粒径は、0.1〜10.0μmの範囲にあることが好ましい。0.1μmより小さいとニジミが発生し易くなり、一方10.0μmより大きいと解像力が低下する。
【0024】
また本発明の液体トナージェットインクは分散用樹脂を併用することが好ましい。
該分散用樹脂としては下記一般式
【化1】
(式中、R1はHまたはCH3を、nは6〜20の整数を表わす。)
で表わされるビニルモノマーAの重合体、共重合体、及び該モノマーAと下記一般式
【化2】
(式中、R1はHまたはCH3を、R2は炭素数1〜5のアルキル基、置換又は無置換のアリール基を表す。)
で表わされるビニルモノマー及びビニルピリジン、ビニルピロリドン、エチレングリコールジメタクリレート、グリシジルメタクリレート、スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエンより選ばれるモノマーBの各一種づつ、もしくは数種の共重合体、グラフト共重合体等が挙げられる。
【0025】
これらの着色剤、樹脂、分散媒等をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミルなどの分散機に投入、分散、することにより、本発明の液体トナージェットインクを得ることができる。
【0026】
本発明の前記条件を満たしたインクにより、低印加電圧により良好な飛翔性を得ることができる。
【0027】
また、インクを飛翔させるためには、インクの帯電極性と同極性の電圧をヘッド電極に印加する必要があり、電圧の絶対値は500〜2000Vが好ましい。500vより低いと飛翔安定性が低下し、2000vより大きいとリークが発生しやすくなったり、装置が大型になる。
インクを飛翔させるヘッドの径は30〜100μmの釘状のものが良好であり、30μmより細いと耐久性の点で劣り、100μmより太いとドット径が大きくなり、解像力が低下する。
【0028】
【実施例】
本発明を具体例によってさらに詳細に説明する。
【0029】
(実施例1)
ピグメントブルー15:3(大日精化) 10重量部
ピグメントレッド57:1(大日精化) 8重量部
ピグメントイエロー17(大日精化) 10重量部
カーボンブラック(三菱#44) 5重量部
ラウリルメタクリレートとグリシジルメタクリレートの共重合体のアイソパーH分散液(固形分30%) 30重量部
ナフテン酸Mn 0.3重量部
アイソパーH 300重量部
これらをボールミルで24時間分散し、インク組成物を得た。
【0030】
(実施例2)
ピグメントブルー15:3(大日精化) 10重量部
ピグメントレッド57:1(大日精化) 8重量部
ピグメントイエロー17(大日精化) 10重量部
カーボンブラック(三菱#44) 5重量部
ポリエチレン樹脂(三洋化成サンワックス171P) 50重量部
をニーダーで混練し、冷却後1mm径程度に粉砕した。
上記混練粉砕物 50重量部
ラウリルメタクリレートとグリシジルメタクリレートの共重合体のアイソパーH分散液(固形分30%) 50重量部
ナフテン酸Mn 0.3重量部
アイソパーH 500重量部
これらをボールミルで24時間分散し、インク組成物を得た。
【0031】
(実施例3)
実施例1のカーボンブラックをアニリンブラックに変えた以外は実施例1と同様にして、インク組成物を得た。
【0032】
(実施例4)
実施例2のナフテン酸Mnをオクチル酸Feにして0.1重量部とした以外は実施例2と同様にして、インク組成物を得た。
【0033】
(実施例5)
実施例2のナフテン酸Mnを0.8重量部とし、ラウリルメタクリレートとグリシジルメタクリレートの共重合体のアイソパーH分散液(固形分30%)を70重量部としたた以外は実施例2と同様にして、インク組成物を得た。
【0034】
(実施例6)
実施例2のアイソパーHをシリコーン20cstにした以外は実施例2と同様にして、インク組成物を得た。
【0035】
(実施例7)
実施例2のアイソパーHを300重量部にした以外は実施例2と同様にして、インク組成物を得た。
【0036】
(実施例8)
実施例2の分散時間を8時間にした以外は実施例2と同様にして、インク組成物を得た。
【0037】
(実施例9)
実施例2のアイソパーHをイソプロピルアルコールにした以外は実施例2と同様にして、インク組成物を得た。
【0038】
(実施例10)
実施例1の着色剤を下記の組成のものに変えた以外は実施例1と同様にして、インク組成物を得た。
ピグメントブルー15:3(大日精化) 5重量部
ピグメントレッド57:1(大日精化) 5重量部
ピグメントイエロー17(大日精化) 5重量部
カーボンブラック(三菱#44) 18重量部
【0039】
(比較例1)
カーボンブラック(三菱#44) 30重量部
ラウリルメタクリレートとグリシジルメタクリレートの共重合体のアイソパーH分散液(固形分30%) 30重量部
ナフテン酸Mn 0.3重量部
アイソパーH 300重量部
これらをボールミルで24時間分散し、インク組成物を得た。
【0040】
(比較例2)
比較例1の着色剤を下記の組成のものに変えた以外は比較例1と同様にして、インク組成物を得た。
カーボンブラック(三菱#44) 25重量部
ピグメントブルー15:3(大日精化) 2重量部
ピグメントレッド57:1(大日精化) 1重量部
ピグメントイエロー17(大日精化) 2重量部
【0041】
これら実施例及び比較例で得られたインク組成物を図2の装置を用い印字実験を行った。
インクの物性、印字特性を以下の表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
上記特性は以下の方法により求めた。
Q/M:印加電圧500V、印加時間60秒、セル間ギャップ1mmの電着乾燥法
ζ電位 :大塚電子製ELS−8000
粘度 :B型粘度計(25℃)
固形分 :110℃加熱減量法
平均粒径:島津製作所SA−CP3
飛翔性 :電極印加電圧1200Vでの飛翔状態
◎良好、○良、△不安定だが飛翔、×飛翔しない
リーク :電極印加電圧1200V、電極間距離100μmマルチヘッドでのリーク発生状態
○リークせず、△僅かにリーク、×リーク発生
解像力 :段階見本 ランク5最良、ランク1最悪
画像濃度:X−Rite
印字 :T−6000 70Wペーパー
電極径 :50μm
基体とヘッドとの距離:150μm
【0044】
(比較例3)
実施例2のインクを用い、図2の装置により電極印加電圧をインク極性と逆のマイナス50〜2500Vまで変化させたが、飛翔しなかった。
【0045】
(実施例11)
実施例2のインクを用い図2の装置でヘッド径を150μmにしたところ、解像力がランク3に低下した。
【0046】
(実施例12)
実施例2と同一実験で、ヘッドの印加電圧を300Vにしたところ飛翔性が△に低下し、2600V以上に上げるとリークが発生した。
【0047】
【発明の効果】
(1)請求項1に対応する効果作用
請求項1のインク組成物においては、有機顔料を20〜100wt%含有するため、飛翔性に優れ、電極間のリークが防止できる。
(2)請求項2に対応する効果作用
請求項2のインク組成物においては、有機顔料が樹脂により被覆されているため、請求項1の効果に加えて更に飛翔性、リーク特性に優れる。
(3)請求項3に対応する効果作用
請求項3のインク組成物においては、有機顔料以外の着色成分がカーボンブラックであるため、高画像濃度が得られる。
(4)請求項4に対応する効果作用
請求項4のインク組成物においては、Q/Mが100〜7000μC/gであるため、飛翔性、リーク特性、画像品質に優れる。
(5)請求項5に対応する効果作用
請求項5のインク組成物においては、ζ電位の絶対値が10〜150mVであるため、飛翔性、リーク特性、画像品質に優れる。
(6)請求項6に対応する効果作用
請求項6のインク組成物においては、25℃における粘度が1〜15mPa・sであるため、飛翔性、リーク特性、液供給性、画像品質に優れる。
(7)請求項7のインク組成物においては、固形分が1〜15wt%であるため、飛翔性、リーク特性、画像品質に優れる。
(8)請求項8に対応する効果作用
請求項8のインク組成物においては、荷電粒子の平均粒径が0.1〜10.0μmであるため、液供給性、画像品質に優れる。
(9)請求項9に対応する効果作用
請求項9のインク組成物においては、分散媒が複数からなり、その電気抵抗1×010〜1×1016Ω・cmの脂肪族炭化水素、シリコンオイル、脂肪酸エステル、フッ素オイルから選択される少なくとも2種であるため、飛翔性、リーク特性、画像品質に優れる。
(10)請求項10に対応する効果作用
請求項10のインク組成物においては、ポリオレフィン、オレフィンとの共重合体、ロジン又はその変性樹脂から選択される少なくとも1種を含むため、飛翔性、リーク特性、画像品質に優れる。
【0048】
(11)請求項11に対応する効果作用
請求項11の記録方法においては、インクの帯電極性と同極性の電圧を印加するため、飛翔性に優れる。
(12)請求項12に対応する効果作用
請求項12の記録方法においては、インクを飛翔させるヘッドの径が30〜100μmの釘状になっているため、ヘッド耐久性、解像力に優れる。
(13)請求項13に対応する効果作用
請求項13の記録方法においては、ヘッドに絶対値500〜2000Vの電圧を印加するため、インクの飛翔安定性、リーク特性が両立できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液体トナージェットインクの飛翔メカニズムのモデルを示す図。
【図2】本発明の液体トナージェットインクを用いる記録装置(印字装置)の概略図。
【図3】図2におけるマルチヘッドの構成例の拡大図。
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷電したインクに電圧をかけることにより飛翔させて記録するための液体トナージェットインク、及びそれを用いる記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、一般にノズル、スリット或いは多孔質フィルム等から液体あるいは固体インクを吐出し、これを紙、布、フィルム等に付着させて記録を行うものである。インクジェット記録方式のプリンターは、使用時の音が小さく、また小型で安価である等の利点から随所で用いられている。また、プリンターの更なる検討が精力的に行われ、特に黒色の単色プリンターとして、レポート用紙、コピー用紙等のいわゆる普通紙上に良好な印字品質が得られるプリンターも市販されるに至っている。
【0003】
また、インクジェットプリンタに使用されるインクに関しては、(1)紙上で滲み、かぶりのない高解像度、高濃度で均一な画像が得られること、(2)ノズル先端でインク乾燥による目詰まりが発生せず、常に吐出応答性、吐出安定性が良好であること、(3)紙上においてインクの乾燥性がよいこと、(4)画像の堅ろう性がよいこと、(5)長期保存安定性がよいこと、などが要求される。
【0004】
これらの要求を満足すべく、従来よりインクジェット記録用インクについての多くの検討がなされ、種々の添加剤の検討、あるいは数々の水溶性有機溶剤の検討が行われており、そして例えば、界面活性剤を使用すること(特公昭62−11781号公報)、及び、酸化エチレンと酸化プロピレンとのブロック共重合体を使用すること(特開平1−25789号公報)が従来から提案されている。
【0005】
しかし、通常のインクジェトプリンタは、ノズル状の孔よりインクを吐出させるため、インク径はノズル径により制御され、可変できない。このため、階調性を出す場合はインク濃度の異なるインクを用いるか、径の異なる多数のノズルを用いる必要があり、システムが煩雑になるという問題があった。また、長期間使用しない場合は、ノズルが詰まるなどの問題があった。
【0006】
これに対し、荷電したインクに電圧をかけることにより飛翔させる液体トナージェットインキは、ノズルではなく先端の尖った釘状の電極を使用するため、インクの詰まりがない。また、電極にかける電圧時間やパルスを変えることにより、容易にドット径を変えることができるため、階調性に優れ、写真調の画像が得られる。また濃度の異なるインクが不用のため、システムが簡略化できる。
【0007】
液体トナージェット記録方式の例としては、超音波を併用して飛翔させる方式のもの(特開平11−300969号公報…特許文献1)やラインヘッドの先端にトナー粒子の極性と同極性の電圧を印加してトナー粒子の凝集体をつくり、この凝集体を吐出させる印字方式のもの(PCT/AU92−00665…特許文献2)や現像ローラと電子写真感光体との間の現像ギャップを隔てて近接配備され現像ローラ表面の湿式トナーを感光体の潜像電位に飛翔させる手段を有する印字方式のもの(特開平6−137791号公報、特開平7−160062号公報…特許文献3及び4)などが提案されている。
【0008】
しかし、これまでの方法は、印加電圧を高くしないと飛翔しなかったり、飛翔しても濃度が低かったりして満足する品質が得られていない。また、特に黒インクにおいては、着色剤であるカーボンブラックが導電性であるため、マルチヘッドの場合、電極間どうしでリークが発生し、ヘッドが破損するという問題があった。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−300969号公報
【特許文献2】
PCT/AU92−00665
【特許文献3】
特開平6−137791号公報
【特許文献4】
特開平7−160062号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来技術における前記欠点を改善し、低印加電圧での飛翔性に優れ、リークの発生しない、高品質な画像が得られる液体トナージェットインク、及びそれを用いる記録方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、下記(1)〜(13)が提供される。
(1)分散媒および着色剤を少なくとも含む荷電粒子を主成分とした液体トナージェットインクにおいて、該着色剤として、有機顔料を全着色剤成分の20〜100wt/%含有することを特徴とする液体トナージェットインク。
(2)有機顔料が樹脂により被覆されていることを特徴とする上記(1)に記載の液体トナージェットインク。
(3)液体トナージェットインクが更に無機顔料を含み、該無機顔料がカーボンブラックであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の液体トナージェットインク。
(4)電着乾燥法によるQ/Mが100〜7000μC/gの範囲にあることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の液体トナージェットインク。
(5)ζ電位の絶対値が10〜150mVの範囲にあることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の液体トナージェットインク。
(6)25℃における粘度が1〜15mPa・sであることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の液体トナージェットインク。
(7)固形分が1〜15wt%の範囲内にあることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の液体トナージェットインク。
(8)荷電粒子の平均粒径が0.1〜10.0μmの範囲内にあることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の液体トナージェットインク。
(9)分散媒が複数からなり、各分散媒の電気抵抗が1×1010〜1×1016Ω・cmであり、脂肪族炭化水素、シリコンオイル、脂肪酸エステル、フッ素オイルから選択される少なくとも2種であることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の液体トナージェットインク。
(10)ポリオレフィン、オレフィンとの共重合体、ロジン又はその変性樹脂から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれかに記載の液体トナージェットインク。
(11)上記(1)〜(10)のいずれかに記載の液体トナージェットインクを用い、荷電粒子の帯電極性と同極性の電圧を印加し、荷電粒子を飛翔させることを特徴とする記録方法。
(12)径が30〜100μmの複数の釘状電極からなるヘッドを用いて、荷電粒子を飛翔させることを特徴とする上記(11)に記載の記録方法。
(13)電極に絶対値500〜2000Vの電圧を印加することにより荷電粒子を飛翔させることを特徴とする上記(11)又は(12)に記載の記録方法。
【0012】
【発明の実施の形態】
液体トナージェット記録用インクについて、いろいろな角度から検討を進めてきた結果、低電圧で飛翔し、リークの発生しない高画質が得られるブラックインクを得るためには、有機顔料を全着色剤成分の20〜100wt%含有させることが必要であることを確かめた。
有機顔料はカーボンブラックや無機顔料に比べて体積抵抗が高いため、本発明のインクを用いることによりマルチヘッドの近接した電極間にインクが存在してもリークが発生せず、低電圧で飛翔することが確かめられた。有機顔料の含有率は20wt%以上必要であり、これより少ないとリークが発生しやすくなる。
【0013】
有機顔料は、イエロー系、マゼンタ系、シアン系顔料等を混合することにより黒にできる。各色の有機顔料の割合を変えることにより、赤みのブラックインク、青みのブラックインクなど、好みの色調のブラックインクにすることができる。
100%有機顔料を使用しない場合は、残りの着色剤成分はカーボンブラックが黒色度の点で優れている。
【0014】
本発明に使用できる有機顔料は、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、スカイブルー、ローダミンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、メチルバイオレットレーキ、ピーコックブルーレーキ、ナフトールグリーンB、ナフトールグリーンY、ナフトールイエローS、ナフトールレッド、リソールファーストイエロー2G、パーマネントレッド4R、ブリリアントファーストスカーレット、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、リソールレッド、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、パーマネントレッドF5R、ピグメントスカーレット3Bインジゴ、チオインジゴオイルピンクおよびボルド−10Bなどが挙げられる。
【0015】
カーボンブラックは、プリンテックスV、プリンテックスU、プリンテックスG、スペシャルブラック15、スペシャルブラック4、スペシャルブラック4−B(以上デグサ社製)、三菱#44、#30、MR−11、MA−100(以上三菱化成社製)、ラーベン1035、ラーベン1252、ニュースペクトII(以上コロンビアカーボン社製)、リーガル400、660、ブラックパール900、1100、1300、モーガルL(以上キャボット社製)などが使用できる。
【0016】
また、有機顔料を樹脂により被覆することにより、更にインク粒子の抵抗を高めることができ、リーク防止に効果がある。
被覆する樹脂は高抵抗の樹脂が有利であり、中でもポリオレフィン、オレフィンの共重合体、ロジン又はその変性樹脂が良好である。
【0017】
特にこれらの着色剤をフラッシング処理を行った場合は顔料被覆性が良く飛翔性、リーク防止面で更に効果が上がる。
フラッシング処理とは、色素を水に溶かした含水液に、更に樹脂分散媒を加え、フラッシャーと呼ばれるニーダー中で良く混合し、顔料のまわりに存在する水を後から添加される樹脂分散媒によって置換する処理をいう。
この操作により取出される水を排出し、樹脂溶液中に顔料が分散された状態とし乾燥させて、溶剤を除去し、得られた塊を粉砕することにより着色剤の粉末が得られる。
【0018】
フラッシングする際の着色剤と樹脂の割合は、樹脂100重量部に対して着色剤10〜60重量部が適当である。フラッシング処理には、フミン酸、フミン酸塩(Na塩、NH4塩など)またはフミン酸誘導体の存在下に行うのが特に有利である。これら添加されるフミン酸類の量は、着色剤含水液の0.1〜30wt%程度が適当である。
【0019】
本発明において、インクに用いる分散媒は複数の分散媒体を用いることが好ましく、複数の分散媒体を用いることにより定着性及び帯電性が向上する効果を奏する。
また分散媒を1種又は複数を用いる場合各分散媒の電気抵抗は1×1010Ω・cm以上であることが望ましく、特に1×1010〜1×1016Ω・cmであることが望ましい。1×1010Ω・cmより低いとリークの発生、飛翔性不良につながる。
【0020】
分散媒の種類は脂肪族炭化水素、シリコンオイル、脂肪酸エステル、フッ素オイル等の人体に安全で、極性が低く、反応性の低いものが好ましい。脂肪族炭化水素としてはヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソドデカン、市販品としてアイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、アイソパーV(以上エクソン社製)、シェルゾル−71(シェル石油化学社製)などが挙げられ、シリコンオイルとしてはジアルキルシリコンオイル、環状ポリジアルキルシリコンオイル、メチルフェニルシリコンオイル、メチルハイドロジェンシリコンオイル、変性シリコンオイルとして反応性シリコンオイル、非反応性シリコンオイルなどが挙げられ、脂肪酸エステルとしてはイソプロピルミリステート、イソブチルミリステート、ヘキシルミリステート、イソプロピルオレエート、イソブチルオクトエート等の高級脂肪酸エステルなどが挙げられ、フッ素系溶剤としては住友スリーエム社のフロリナートFC−40、フロリナートFC−43、フロリナート−70、フロリナート−77などが挙げられる。
【0021】
本発明のインクのQ/M(比電荷量)は100〜7000μC/gが良好で、100μC/gより小さいと帯電量が小さく飛翔しにくく、一方7000μC/gより大きいとリークが起こりやすくなる。
ζ電位の絶対値は10〜150mvが良好であり、10mvより小さいと飛翔しにくく、一方150mvより大きいとヘッド上での凝集性が低下して濃度が低くなる。
【0022】
25℃における粘度は、1〜15mPa・sの範囲にあることが好ましい。
1mPa・sより低いと、粘度が低すぎてヘッド被覆性が低下したり、液ダレが発生したりする。一方15mPa・sより高いとヘッドからの液供給性が低下したり、飛翔性が低下する。
【0023】
固形分は、1〜15wt%の範囲にあることが好ましい。1wt%より低いと、画像濃度が低く、一方15wt%より高いと階調性が低下する。
荷電粒子の平均粒径は、0.1〜10.0μmの範囲にあることが好ましい。0.1μmより小さいとニジミが発生し易くなり、一方10.0μmより大きいと解像力が低下する。
【0024】
また本発明の液体トナージェットインクは分散用樹脂を併用することが好ましい。
該分散用樹脂としては下記一般式
【化1】
(式中、R1はHまたはCH3を、nは6〜20の整数を表わす。)
で表わされるビニルモノマーAの重合体、共重合体、及び該モノマーAと下記一般式
【化2】
(式中、R1はHまたはCH3を、R2は炭素数1〜5のアルキル基、置換又は無置換のアリール基を表す。)
で表わされるビニルモノマー及びビニルピリジン、ビニルピロリドン、エチレングリコールジメタクリレート、グリシジルメタクリレート、スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエンより選ばれるモノマーBの各一種づつ、もしくは数種の共重合体、グラフト共重合体等が挙げられる。
【0025】
これらの着色剤、樹脂、分散媒等をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミルなどの分散機に投入、分散、することにより、本発明の液体トナージェットインクを得ることができる。
【0026】
本発明の前記条件を満たしたインクにより、低印加電圧により良好な飛翔性を得ることができる。
【0027】
また、インクを飛翔させるためには、インクの帯電極性と同極性の電圧をヘッド電極に印加する必要があり、電圧の絶対値は500〜2000Vが好ましい。500vより低いと飛翔安定性が低下し、2000vより大きいとリークが発生しやすくなったり、装置が大型になる。
インクを飛翔させるヘッドの径は30〜100μmの釘状のものが良好であり、30μmより細いと耐久性の点で劣り、100μmより太いとドット径が大きくなり、解像力が低下する。
【0028】
【実施例】
本発明を具体例によってさらに詳細に説明する。
【0029】
(実施例1)
ピグメントブルー15:3(大日精化) 10重量部
ピグメントレッド57:1(大日精化) 8重量部
ピグメントイエロー17(大日精化) 10重量部
カーボンブラック(三菱#44) 5重量部
ラウリルメタクリレートとグリシジルメタクリレートの共重合体のアイソパーH分散液(固形分30%) 30重量部
ナフテン酸Mn 0.3重量部
アイソパーH 300重量部
これらをボールミルで24時間分散し、インク組成物を得た。
【0030】
(実施例2)
ピグメントブルー15:3(大日精化) 10重量部
ピグメントレッド57:1(大日精化) 8重量部
ピグメントイエロー17(大日精化) 10重量部
カーボンブラック(三菱#44) 5重量部
ポリエチレン樹脂(三洋化成サンワックス171P) 50重量部
をニーダーで混練し、冷却後1mm径程度に粉砕した。
上記混練粉砕物 50重量部
ラウリルメタクリレートとグリシジルメタクリレートの共重合体のアイソパーH分散液(固形分30%) 50重量部
ナフテン酸Mn 0.3重量部
アイソパーH 500重量部
これらをボールミルで24時間分散し、インク組成物を得た。
【0031】
(実施例3)
実施例1のカーボンブラックをアニリンブラックに変えた以外は実施例1と同様にして、インク組成物を得た。
【0032】
(実施例4)
実施例2のナフテン酸Mnをオクチル酸Feにして0.1重量部とした以外は実施例2と同様にして、インク組成物を得た。
【0033】
(実施例5)
実施例2のナフテン酸Mnを0.8重量部とし、ラウリルメタクリレートとグリシジルメタクリレートの共重合体のアイソパーH分散液(固形分30%)を70重量部としたた以外は実施例2と同様にして、インク組成物を得た。
【0034】
(実施例6)
実施例2のアイソパーHをシリコーン20cstにした以外は実施例2と同様にして、インク組成物を得た。
【0035】
(実施例7)
実施例2のアイソパーHを300重量部にした以外は実施例2と同様にして、インク組成物を得た。
【0036】
(実施例8)
実施例2の分散時間を8時間にした以外は実施例2と同様にして、インク組成物を得た。
【0037】
(実施例9)
実施例2のアイソパーHをイソプロピルアルコールにした以外は実施例2と同様にして、インク組成物を得た。
【0038】
(実施例10)
実施例1の着色剤を下記の組成のものに変えた以外は実施例1と同様にして、インク組成物を得た。
ピグメントブルー15:3(大日精化) 5重量部
ピグメントレッド57:1(大日精化) 5重量部
ピグメントイエロー17(大日精化) 5重量部
カーボンブラック(三菱#44) 18重量部
【0039】
(比較例1)
カーボンブラック(三菱#44) 30重量部
ラウリルメタクリレートとグリシジルメタクリレートの共重合体のアイソパーH分散液(固形分30%) 30重量部
ナフテン酸Mn 0.3重量部
アイソパーH 300重量部
これらをボールミルで24時間分散し、インク組成物を得た。
【0040】
(比較例2)
比較例1の着色剤を下記の組成のものに変えた以外は比較例1と同様にして、インク組成物を得た。
カーボンブラック(三菱#44) 25重量部
ピグメントブルー15:3(大日精化) 2重量部
ピグメントレッド57:1(大日精化) 1重量部
ピグメントイエロー17(大日精化) 2重量部
【0041】
これら実施例及び比較例で得られたインク組成物を図2の装置を用い印字実験を行った。
インクの物性、印字特性を以下の表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
上記特性は以下の方法により求めた。
Q/M:印加電圧500V、印加時間60秒、セル間ギャップ1mmの電着乾燥法
ζ電位 :大塚電子製ELS−8000
粘度 :B型粘度計(25℃)
固形分 :110℃加熱減量法
平均粒径:島津製作所SA−CP3
飛翔性 :電極印加電圧1200Vでの飛翔状態
◎良好、○良、△不安定だが飛翔、×飛翔しない
リーク :電極印加電圧1200V、電極間距離100μmマルチヘッドでのリーク発生状態
○リークせず、△僅かにリーク、×リーク発生
解像力 :段階見本 ランク5最良、ランク1最悪
画像濃度:X−Rite
印字 :T−6000 70Wペーパー
電極径 :50μm
基体とヘッドとの距離:150μm
【0044】
(比較例3)
実施例2のインクを用い、図2の装置により電極印加電圧をインク極性と逆のマイナス50〜2500Vまで変化させたが、飛翔しなかった。
【0045】
(実施例11)
実施例2のインクを用い図2の装置でヘッド径を150μmにしたところ、解像力がランク3に低下した。
【0046】
(実施例12)
実施例2と同一実験で、ヘッドの印加電圧を300Vにしたところ飛翔性が△に低下し、2600V以上に上げるとリークが発生した。
【0047】
【発明の効果】
(1)請求項1に対応する効果作用
請求項1のインク組成物においては、有機顔料を20〜100wt%含有するため、飛翔性に優れ、電極間のリークが防止できる。
(2)請求項2に対応する効果作用
請求項2のインク組成物においては、有機顔料が樹脂により被覆されているため、請求項1の効果に加えて更に飛翔性、リーク特性に優れる。
(3)請求項3に対応する効果作用
請求項3のインク組成物においては、有機顔料以外の着色成分がカーボンブラックであるため、高画像濃度が得られる。
(4)請求項4に対応する効果作用
請求項4のインク組成物においては、Q/Mが100〜7000μC/gであるため、飛翔性、リーク特性、画像品質に優れる。
(5)請求項5に対応する効果作用
請求項5のインク組成物においては、ζ電位の絶対値が10〜150mVであるため、飛翔性、リーク特性、画像品質に優れる。
(6)請求項6に対応する効果作用
請求項6のインク組成物においては、25℃における粘度が1〜15mPa・sであるため、飛翔性、リーク特性、液供給性、画像品質に優れる。
(7)請求項7のインク組成物においては、固形分が1〜15wt%であるため、飛翔性、リーク特性、画像品質に優れる。
(8)請求項8に対応する効果作用
請求項8のインク組成物においては、荷電粒子の平均粒径が0.1〜10.0μmであるため、液供給性、画像品質に優れる。
(9)請求項9に対応する効果作用
請求項9のインク組成物においては、分散媒が複数からなり、その電気抵抗1×010〜1×1016Ω・cmの脂肪族炭化水素、シリコンオイル、脂肪酸エステル、フッ素オイルから選択される少なくとも2種であるため、飛翔性、リーク特性、画像品質に優れる。
(10)請求項10に対応する効果作用
請求項10のインク組成物においては、ポリオレフィン、オレフィンとの共重合体、ロジン又はその変性樹脂から選択される少なくとも1種を含むため、飛翔性、リーク特性、画像品質に優れる。
【0048】
(11)請求項11に対応する効果作用
請求項11の記録方法においては、インクの帯電極性と同極性の電圧を印加するため、飛翔性に優れる。
(12)請求項12に対応する効果作用
請求項12の記録方法においては、インクを飛翔させるヘッドの径が30〜100μmの釘状になっているため、ヘッド耐久性、解像力に優れる。
(13)請求項13に対応する効果作用
請求項13の記録方法においては、ヘッドに絶対値500〜2000Vの電圧を印加するため、インクの飛翔安定性、リーク特性が両立できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液体トナージェットインクの飛翔メカニズムのモデルを示す図。
【図2】本発明の液体トナージェットインクを用いる記録装置(印字装置)の概略図。
【図3】図2におけるマルチヘッドの構成例の拡大図。
Claims (13)
- 分散媒および着色剤を少なくとも含む荷電粒子を主成分とした液体トナージェットインクにおいて、該着色剤として、有機顔料を全着色剤成分の20〜100wt/%含有することを特徴とする液体トナージェットインク。
- 有機顔料が樹脂により被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の液体トナージェットインク。
- 液体トナージェットインクが更に無機顔料を含み、該無機顔料がカーボンブラックであることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体トナージェットインク。
- 電着乾燥法によるQ/Mが100〜7000μC/gの範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液体トナージェットインク。
- ζ電位の絶対値が10〜150mVの範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液体トナージェットインク。
- 25℃における粘度が1〜15mPa・sであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液体トナージェットインク。
- 固形分が1〜15wt%の範囲内にあることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の液体トナージェットインク。
- 荷電粒子の平均粒径が0.1〜10.0μmの範囲内にあることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の液体トナージェットインク。
- 分散媒が複数からなり、各分散媒の電気抵抗が1×1010〜1×1016Ω・cmであり、脂肪族炭化水素、シリコンオイル、脂肪酸エステル、フッ素オイルから選択される少なくとも2種であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の液体トナージェットインク。
- ポリオレフィン、オレフィンとの共重合体、ロジン又はその変性樹脂から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の液体トナージェットインク。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の液体トナージェットインクを用い、荷電粒子の帯電極性と同極性の電圧を印加し、荷電粒子を飛翔させることを特徴とする記録方法。
- 径が30〜100μmの複数の釘状電極からなるヘッドを用いて、荷電粒子を飛翔させることを特徴とする請求項11に記載の記録方法。
- 電極に絶対値500〜2000Vの電圧を印加することにより荷電粒子を飛翔させることを特徴とする請求項11又は12に記載の記録方法。
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