JP2004216909A - 情報記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】高密度な記録が可能で、繰り返し書き換え性能に優れ、結晶化感度の経時劣化が少ない情報記録媒体を提供する。
【解決手段】基板(11)上に少なくとも第1の保護層(2)、第1の界面層(3)、記録層(4)、第2の界面層(5)、第2の保護層(6)、光吸収補正層(7)、反射層(8)をこの順に備え、記録層(4)の組成が、一般式[(Ge,Sn)ASb2Te3+A100-BB(ただし、MはAg、Al、Cr、Mn及びNから選ばれる少なくとも1つの元素)で表され、前記一般式のA及びBは、0<A≦10、0<B≦20の範囲内にあり、第1の界面層(2)及び第2の界面層(5)がそれぞれ、窒化物、窒化酸化物及び炭化物から選ばれる少なくとも一つを主成分とする層であり、光吸収補正層(7)の屈折率が3.0以上6.0以下、消衰係数が1.0以上4.0以下である情報記録媒体とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光学的に情報を記録、消去、書き換え、再生することが可能な情報記録媒体に関する。
相変化型の情報記録媒体は、結晶相と非晶質相との間で可逆的に相変態を起こす記録層を利用して、情報の記録、消去及び書き換えを行う。この記録層に高パワーのレーザビームを照射したのちに急冷すると、照射された部分が非晶質相となって記録マークが形成される。また、記録層の非晶質部分に低パワーのレーザビームを照射したのちに徐冷すると、照射された部分が結晶相となって記録マークが消去される。したがって、相変化型の情報記録媒体では、高パワーレベルと低パワーレベルとの間でパワー変調したレーザビームを記録層に照射することによって、前の情報を消去しながら新しい情報に書き換えていくことができる。
情報を書き換える際には、結晶相−非晶質相の相変態に伴って、記録層内で原子が移動する。その結果、従来の情報記録媒体では、書き換えを繰り返した場合に、局所的に原子の偏りが生じて記録層の厚さを変動させ、信号品質の低下を引き起こすことがあった。このような繰り返し書き換え性能の低下は、特に、記録密度が高くなるほど大きくなる。記録密度が高くなると隣接する記録マークの間隔が狭くなり、隣接する記録マークの原子の偏りの影響を受けやすくなるためである。
繰り返し書き換え性能の低下を防止するためには、原子の移動を抑制するために記録層の厚さを薄くすることが必要である。また、記録層の厚さを薄くすることは、2つの記録層を備える高密度情報記録媒体を実現するためにも必要な技術である。しかしながら、記録層の厚さを薄くすると、原子が移動しにくくなるために記録層の結晶化速度が低下する。結晶化速度が低下すると、小さな記録マークを短時間で記録しなければならない高密度情報記録媒体では、信号品質が低下することになる。また、結晶化速度が低下すると、結晶化感度の経時劣化や消去率の経時劣化が生じやすくなる。すなわち、高密度記録になるほど、繰り返し書き換え性能の向上と結晶化感度の経時劣化の抑制とを両立することが難しくなる。
繰り返し書き換え性能を向上させるため、TeとGeとSnとSbとを含む記録層が報告されている(特許文献1参照)。
特開平2−147289号公報
しかし、上記従来の記録層は、大きな結晶化速度を示すが、高密度記録における繰り返し書き換え性能及び結晶化感度の長期安定性は十分ではなかった。
上記問題点を解決するため、本発明は、高密度な記録が可能で、繰り返し書き換え性能に優れ、結晶化感度の経時劣化が少ない情報記録媒体、及びその製造方法を提供する。
本発明の情報記録媒体は、レーザ光を照射することによって、情報の記録、消去及び再生が可能であって、情報の記録及び消去が、非結晶相と結晶相との間の可逆的な相変化により行われる光記録媒体であって、基板上に少なくとも第1の保護層、第1の界面層、記録層、第2の界面層、第2の保護層、光吸収補正層、反射層をこの順に備え、前記記録層の組成が、一般式
[(Ge,Sn)ASb2Te3+A100-BB
(ただし、MはAg、Al、Cr、Mn及びNから選ばれる少なくとも1つの元素)で表され、前記一般式のA及びBは、0<A≦10、0<B≦20の範囲内にあり、前記第1の界面層及び前記第2の界面層がそれぞれ、窒化物、窒化酸化物及び炭化物から選ばれる少なくとも一つを主成分とする層であり、かつ、前記光吸収補正層の屈折率が3.0以上6.0以下、消衰係数が1.0以上4.0以下であることを特徴とする。
本発明の情報記録媒体によれば、繰り返し書き換え性能が良好で、結晶化感度の経時劣化が少ない情報記録媒体が得られる。
上記情報記録媒体では、前記記録層が、組成式
[(Ge,Sn)ASb2Te3+A100-BB
(ただし、0<A≦10、0<B≦20)で表される材料からなるものでもよい。A≦10とすることによって、繰り返し書き換え性能が低下することを防止できる。B≦20とすることによって、結晶化感度の経時劣化が大きくなることを防止できる。
前記第1の界面層が炭化物を主成分とする層であることが好ましい。
前記第1の界面層と前記第2の界面層の少なくとも一方が、炭素を主成分とする層であることが好ましい。
前記第1の界面層と前記第2の界面層の少なくとも一方が、窒化ゲルマニウムを主成分とする層であることが好ましい。
上記情報記録媒体では、前記記録層中のSnの含有量が2原子%以上20原子%以下であってもよい。Snの含有量を2原子%以上とすることによって、結晶化速度を十分な速さにできる。Snの含有量を20原子%以下とすることによって、記録層が結晶相である場合の反射光量と、記録層が非晶質相である場合の反射光量との比を大きくできる。
上記情報記録媒体では、前記記録層の厚さが、5nm以上15nm以下であってもよい。記録層の厚さを5nm以上とすることによって、記録層を容易に結晶相にできる。記録層を15nm以下とすることによって、繰り返し書き換え性能が低下することを防止できる。
上記情報記録媒体では、第1の保護層、第2の保護層、及び反射層をさらに備え、前記第1の保護層、前記記録層、前記第2の保護層、及び前記反射層が、前記基板上にこの順序で形成されていてもよい。この場合、前記第1の保護層と前記記録層との間の位置、及び前記第2の保護層と前記記録層との間の位置から選ばれる少なくとも1つの位置に配置された界面層をさらに備えてもよい。さらに、前記第2の保護層と前記反射層との間に配置された光吸収補正層をさらに備えてもよい。
上記情報記録媒体では、第1の保護層、第2の保護層、及び反射層をさらに備え、前記反射層、前記第2の保護層、前記記録層、及び前記第1の保護層が前記基板上にこの順序で形成されていてもよい。上記構成によれば、特に高密度記録が可能な情報記録媒体が得られる。この場合、前記第1の保護層と前記記録層との間の位置、及び前記第2の保護層と前記記録層との間の位置から選ばれる少なくとも1つの位置に配置された界面層をさらに備えてもよい。さらに、前記反射層と前記第2の保護層との間に配置された光吸収補正層をさらに備えてもよい。
上記記録媒体を製造するには、前記気相成膜法が、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、化学蒸着法、及び分子線エピタキシー法から選ばれる少なくとも1つの方法であってもよい。
上記製造方法では、前記気相成膜法が、窒素ガス及び酸素ガスから選ばれる少なくとも1つのガスと、アルゴン及びクリプトンから選ばれる1つの希ガスとを含むガスを用いたスパッタリング法であってもよい。
上記製造方法では、前記記録層が、0.5nm/秒以上5nm/秒以下の成膜速度で成膜されてもよい。上記構成によれば、非晶質状態の記録層を成膜できる。
上記製造方法では、前記記録層の厚さが、5nm以上15nm以下であってもよい。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
実施形態1では、本発明の情報記録媒体について一例を説明する。
実施形態1の情報記録媒体10について、一部断面図を図1に示す。情報記録媒体10は、基板11と、基板11上に順に積層された第1の保護層12a、第1の界面層13a、記録層14、第2の界面層13b、第2の保護層12b、光吸収補正層15、及び反射層16と、接着層17によって反射層16に接着されたダミー基板18とを備える。すなわち、情報記録媒体10は、基板11と、基板11の上方に配置された記録層14とを備える。情報記録媒体10には、基板11側から記録・再生用のエネルギービーム(一般的には、レーザビーム)19が照射される。
記録層14は、エネルギービーム19の照射によって、結晶相と非晶質相との間で可逆的に相変態を起こす層である。具体的には、高パワーのエネルギービーム19を照射することによって、記録層14の結晶相部分を非晶質相に変化させることができる。また、低パワーのエネルギービーム19を照射することによって記録層14の非晶質相部分を結晶相に変化させることができる。記録層14の厚さは、5nm以上15nm以下であることが好ましい。
記録層14は、Ag、Al、Cr、Mn及びNから選ばれる少なくとも1つの元素Mと、GeとSbとTeとSnとを構成元素として含む。具体的には、組成式
[(Ge,Sn)ASb2Te3+A100-BB
(ただし、0<A≦10、0<B≦20)で表される材料を用いることができる。この組成式は、記録層14中に、Ge及びSnが、合計で[(100−B)・A]/(2A+5)原子%含まれることを示す。Aは、2≦A≦8を満たすことがより好ましい。また、Bは、2≦B≦15を満たすことがより好ましい。この組成式で表される材料では、Snの含有量が2原子%以上20原子%以下であることが好ましい。
上記組成式で表される材料は、GeTe−Sb2Te3擬二元系組成のGeの一部をSnで置換し、さらに元素Mを添加した材料として説明することが可能である。GeTe−Sb2Te3擬二元系組成は、結晶化速度が速い材料として従来から用いられているが、これにSnTe又はPbTeを固溶させることによってさらに結晶化速度を速くできる。SnTe及びPbTeは、GeTe−Sb2Te3擬二元系と同様に、結晶構造が岩塩型である。また、SnTe及びPbTeは、結晶化速度が速く、Ge−Sb−Teと固溶しやすい。特に、SnTeが、GeTe−Sb2Te3擬二元系組成に固溶させる材料として好ましい。
たとえば、GeTe−Sb2Te3擬二元系組成にSnTeを混ぜて得られる、GeTe−SnTe−Sb2Te3を記録層14の材料に用いることが好ましい。この場合、Geの一部をSnで置換して、(Ge,Sn)Te−Sb2Te3とすることによって、さらに結晶化速度が大きくなる。
記録層14に含まれる元素Mは、原子移動を抑制する機能を有すると考えられる。元素Mとして、Al及びAg、Cr及びAg、又はMn及びAgの2元素を用いることによって、繰り返し書き換え性能を向上させ、結晶化感度の経時劣化を抑制し、信号振幅を大きくできる。ただし、元素Mの濃度や元素数を増やす場合は、結晶化速度を低下させないため、記録層14中のSn濃度を増やすことが好ましい。元素Mの濃度は、Snの濃度以下であることが好ましい。
基板11は、円盤状の透明な基板である。基板11の材料には、たとえば、アモルファスポリオレフィン又はポリメチルメタクリレート(PMMA)などの樹脂、あるいはガラスを用いることができる。基板11の表面のうち記録層14側の表面には、必要に応じてエネルギービーム19を導くための案内溝が形成されていてもよい。基板11の表面のうちエネルギービーム19が入射する側の表面は、一般に平滑である。基板11の厚さは、たとえば、0.5mm〜1.3mm程度である。
第1及び第2の保護層12a及び12bは、記録層14を保護する機能を有する。第1及び第2の保護層12a及び12bの厚さを調整することによって、記録層14への光入射量を大きくすることができ、また、信号振幅(記録前後の反射光量の変化)を大きくすることができる。保護層の厚さは、たとえばマトリクス法(たとえば、久保田広著「波動光学」岩波新書、1971年、第3章を参照)に基づく計算によって決定できる。この計算によれば、結晶状態の記録層14の反射光量と、アモルファス状態の記録層14の反射光量との差が大きく、且つ記録層14への光入射量が大きくなるように保護層の厚さを決定できる。
第1及び第2の保護層12a及び12bは、たとえば誘電体からなる。具体的には、たとえば、SiO2やTa25などの酸化物、Si−N、Al−N、Ti−N、Ta−N、Zr−N、又はGe−Nなどの窒化物、ZnSなどの硫化物、あるいはSiCなどの炭化物を用いることができる。また、これらの混合物を用いることもできる。これらの中でも、ZnSとSiO2との混合物であるZnS−SiO2は、特に優れた材料である。ZnS−SiO2は、非晶質であり、屈折率が高く、機械的特性及び耐湿性が良好である。また、ZnS−SiO2は、速い成膜速度で成膜できる。第1の保護層12aと第2の保護層12bとは、同一の材料で形成してもよいし、異なる材料で形成してもよい。
第1及び第2の界面層13a及び13bは、それぞれ、第1の保護層12aと記録層14との間、及び第2の保護層12bと記録層14との間に配置される。第1及び第2の界面層13a及び13bは、第1の保護層12aと記録層14との間、及び第2の保護層12bと記録層14との間で生じる物質の移動を防止する機能を有する。第1及び第2の界面層13a及び13bの材料には、たとえば、Si−N、Al−N、Zr−N、Ti−N、Ge−N、又はTa−Nなどの窒化物、あるいはこれらを含む窒化酸化物、あるいはSiCなどの炭化物を用いることができる。良好な記録・消去性能を得るために、第1及び第2の界面層13a及び13bの厚さは、1nm〜10nmの範囲内であることが好ましく、2nm〜5nmの範囲内であることがより好ましい。
光吸収補正層15は、記録層14が結晶状態である場合の光吸収率と、記録層14が非晶質状態である場合の光吸収率との比を調整する。光吸収補正層15によって、書き換え時に記録マークの形状が歪むことを防止できる。光吸収補正層15の材料には、屈折率が高く、適度に光を吸収する材料を用いることが好ましい。たとえば、屈折率nが3以上6以下で、消衰係数kが1以上4以下である材料を用いることができる。具体的には、Ge−CrやGe−Moなどの非晶質Ge合金、あるいは、Si−Cr、Si−Mo、Si−Wなどの非晶質Si合金を用いることができる。また、Si合金、Te化物、Ti、Zr、Nb、Ta、Cr、Mo、W、SnTe、又はPbTeといった、結晶性の金属、半金属又は半導体材料を用いることもできる。
反射層16は、記録層14に吸収される光量を増大させる機能を有する。さらに、反射層16を形成することによって、記録層14で生じた熱を速やかに拡散させ、記録層14の非晶質化を容易にできる。さらに、反射層16を形成することによって、積層された多層膜を使用環境から保護することができる。
反射層16の材料としては、たとえば、Al、Au、Ag、又はCuといった熱伝導率の高い単体金属を用いることができる。また、Al−Cr、Al−Ti、Ag−Pd、Ag−Pd−Cu、Ag−Pd−Tiといった合金を用いてもよい。これらの合金では、組成を変化させることによって、耐湿性や熱伝導率を調整できる。なお、反射層16は、記録層14の材料や、情報の記録条件によっては省略することも可能である。
接着層17は、ダミー基板18を反射層16に接着するための層である。接着層17は、耐熱性及び接着性の高い材料からなり、たとえば、紫外線硬化性樹脂などの樹脂を用いることができる。具体的には、アクリル樹脂を主成分とする材料又はエポキシ樹脂を主成分とする材料を用いることができる。また、樹脂膜、誘電体膜、又は両面テープ、あるいはこれらの組み合わせを用いて接着層17を形成してもよい。
ダミー基板18は、円盤状の基板である。ダミー基板18は、情報記録媒体10の機械的強度を高める機能を有する。また、ダミー基板18によって、積層された多層膜が保護される。ダミー基板18の材料には、基板11について説明した材料を用いることができる。ダミー基板18の材料は、基板11の材料と同一でも異なってもよい。また、ダミー基板18の厚さは、基板11の厚さと同一でも異なってもよい。
実施形態1の情報記録媒体10では、記録層14が元素MとGeとSbとTeとSnとを構成元素として含む。このため、情報記録媒体10によれば、高密度な記録が可能で、繰り返し書き換え性能に優れ、結晶化感度の経時劣化が少ない情報記録媒体が得られる。
なお、実施形態1では、1つの記録層14を備える情報記録媒体10を示したが、本発明の情報記録媒体は、2つの記録層14を備えてもよい(以下の実施形態においても同様である)。たとえば、2つの情報記録媒体10について、それぞれのダミー基板18同士を接着層で貼りあわせることによって両面構造の情報記録媒体が得られる。
(実施形態2)
実施形態2では、本発明の情報記録媒体の他の一例を説明する。なお、実施形態1で説明した部分と同様の部分については、同一の符号を付して重複する説明を省略する(以下の実施形態でも同様である)。
実施形態2の情報記録媒体20について、一部断面図を図2に示す。情報記録媒体20は、第1の基板21と、第1の基板21上に順に積層された反射層16、光吸収補正層15、第2の保護層12b、第2の界面層13b、記録層14、第1の界面層13a、及び第1の保護層12aと、接着層17によって第1の保護層12aに接着された第2の基板22とを備える。すなわち、情報記録媒体20は、第1の基板21と、第1の基板21の上方に配置された記録層14とを備える。情報記録媒体20には、第2の基板22側から記録・再生用のエネルギービーム(一般的には、レーザビーム)19が照射される。
第1の基板21には、基板11と同様の基板を用いることができる。第2の基板22は、円盤状の透明な基板であり、基板11と同様の材料で形成できる。第2の基板22の表面のうち、記録層14側の表面には、必要に応じてエネルギービーム19を導くための案内溝が形成されていてもよい。第2の基板22の表面のうちエネルギービーム19が入射する側の表面は、特に平滑であることが好ましい。第2の基板22は第1の基板21よりも薄く、たとえば厚さが0.05mm〜0.5mm程度である。
情報記録媒体20では、第2の基板22が第1の基板21よりも薄いため、対物レンズの開口数を大きくできる。ここで、エネルギービーム19の波長をλ、対物レンズの開口数をNAとすると、ビームスポットのサイズwは、
w=k・λ/NA(ただし、kは定数)
で与えられる。スポットサイズwは、波長λが短いほど、また、開口数NAが大きいほど小さくなる。したがって、対物レンズの開口数を大きくできる情報記録媒体20では、情報記録媒体10よりも高密度の記録が可能である。たとえば、厚さが0.6mmの基板ではNA=0.6の対物レンズを用いることができ、厚さが0.1mmの基板ではNA=0.85の対物レンズを用いることができるという報告がされている(Kiyoshi Osato,"A rewritable optical disk system with over 10 GB of capacity",Proc.SPIE.Optical Data Storage'98,3401,80-86(1998))。
情報記録媒体20は、情報記録媒体10で説明した材料からなる記録層14を用いているため、情報記録媒体10と同様の効果が得られる。
(実施形態3)
実施形態3では、本発明の情報記録媒体の製造方法の一例として、情報記録媒体10の製造方法について説明する。以下で説明するように、実施形態3の製造方法は、記録層14を気相成膜法で形成する工程を含む。
まず、基板11を用意し、基板11を成膜装置に配置する。実施形態3で使用する成膜装置には、1つの真空室に1つの電源が備えられている枚葉式成膜装置や、1つの真空室に複数の電源が備えられているインライン成膜装置を用いることができる。なお、以下の各層は、それぞれ同一の成膜装置で成膜してもよいし、異なる成膜装置で成膜してもよい。
そして、基板11上に、第1の保護層12a、第1の界面層13a、記録層14、第2の界面層13b、第2の保護層12b、光吸収補正層15、及び反射層16を順次形成する。エネルギービーム19を導くための溝が基板11の表面に形成されている場合には、溝が形成されている表面上に第1の保護層12aを形成する。
第1の保護層12a、第1の界面層13a、第2の界面層13b、及び第2の保護層12bは、たとえばスパッタリング法によって形成できる。具体的には、Arガス雰囲気中、又はArガスと反応ガスとの混合ガス雰囲気中で、化合物からなる母材をスパッタリングすればよい。また、Arガスと反応ガスとの混合ガス雰囲気中で、金属からなる母材をスパッタリングする反応性スパッタリング法を用いてもよい。
記録層14は、実施形態1で説明した材料からなり、気相成膜法(Vapor Deposition Method)によって形成される。気相成膜法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、化学蒸着法(Chemical Vapor Deposition)、及び分子線エピタキシー法(Molecular Beam Epitaxy)から選ばれる少なくとも1つを用いることができる。
たとえば、窒素ガス及び酸素ガスから選ばれる少なくとも1つのガスと、アルゴン及びクリプトンから選ばれる1つの希ガスとを含む混合ガスを用いたスパッタリング法で記録層14を形成できる。上記混合ガスとしては、たとえば、窒素ガスとアルゴンとの混合ガス、窒素ガスとクリプトンとの混合ガス、又はこれらに酸素ガスを加えた混合ガスを用いることができる。具体的には、Ge、Sb、Te、Sn、及び元素Mを含む母材(ターゲット)を上記混合ガス雰囲気中でスパッタリングすることによって記録層14を形成できる。母材としては、Ge、Sb、Te、Sn、及び元素Mのそれぞれに対応する5つの母材を用いてもよいし、いくつかの元素を組み合わせた2元系母材や3元系母材を用いてもよい。また、元素Mが窒素のみからなる場合には、Ge、Sb、Te、及びSnを含むターゲットを、窒素ガスを含む雰囲気中でスパッタリングすることによって記録層14を形成できる。
スパッタリング法によれば、組成式
[(Ge,Sn)ASb2Te3+A100-BB
(ただし、0<A≦10、0<B≦20)で表される記録層を容易に形成できる。
記録層14は、0.5nm/秒以上5nm/秒以下(より好ましくは、0.8nm/秒〜3nm/秒)の成膜速度で成膜されることが好ましい。
第2の保護層12bを形成したのち、第2の保護層12b上に、光吸収補正層15及び反射層16を形成する。光吸収補正層15及び反射層16は、金属からなる母材をArガス雰囲気中でスパッタリングすることによって形成できる。
次に、反射層16上に接着層17を形成し、反射層16とダミー基板18とを貼りあわせる。このようにして情報記録媒体10を製造できる。なお、必要に応じて、記録層14の全面を結晶化させる初期化工程を行ってもよい。初期化工程は、ダミー基板18を貼りあわせる前、又はダミー基板18を貼りあわせたのちに行うことができる。
なお、情報記録媒体20も、情報記録媒体10と同様の方法で製造できる。情報記録媒体20の各層は、情報記録媒体10の各層と同様の方法で形成できる。また、第2の基板22は、ダミー基板18と同様に、接着層17によって第1の保護層12aに接着できる。情報記録媒体20の製造方法でも、必要に応じて初期化工程を行う。初期化工程は、第2の基板22を貼りあわせる前、又は第2の基板22を貼りあわせたのちに行うことができる。情報記録媒体20では、第2の基板22側からエネルギービーム19が入射するため、接着層17の厚さは、全面にわたって均一であることが好ましい。
実施形態3の製造方法によれば、本発明の情報記録媒体を容易に製造できる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
実施例1では、情報記録媒体10の一例について説明する。以下、実施例1の情報記録媒体の製造方法について説明する。
まず、基板11として、スパイラル状の案内溝が形成されたポリカーボネート基板(厚さ:0.6mm)を用意した。このポリカーボネート基板上に、ZnS−SiO2層(第1の保護層12a、厚さ140nm)、Ge−N層(第1の界面層13a、厚さ:5nm)、記録層(記録層14)、Ge−N層(第2の界面層13b、厚さ:3nm)、ZnS−SiO2層(第2の保護層12b、厚さ:40nm)、GeCr層(光吸収補正層15、厚さ:40nm)、及びAg合金層(反射層16、厚さ:80nm)をこの順序で、スパッタリング法によって形成した。第1の保護層12a及び第2の保護層12bの厚さは、波長660nmにおける信号振幅(反射光量の変化)が大きくなるように、かつ記録層への入射光量が大きくなるように調整された。これらの厚さは、マトリクス法に基づく計算を用いて決定された。
記録層は、組成式[(Ge,Sn)4Sb2Te7955で表される材料を用いて形成した。この記録層は、GeとSnとを、合計で95×4/(4+2+7)=29原子%含む。具体的には、Geの含有量を24原子%とし、Snの含有量を5原子%とした。
その後、接着層17として紫外線硬化性樹脂をAg合金層上にスピンコートした。最後に、ダミー基板(厚さ:0.6mm)をAg合金層に密着させて紫外線照射を行い、Ag合金層とダミー基板とを接着した。
実施例1では、ダミー基板の接着後に、情報記録媒体の全体にレーザビームを照射して記録層の全体を結晶化させた。このようにして、実施例1の情報記録媒体を作製した。実施例1では、記録層の厚さが異なる8種類の情報記録媒体10−11〜10−18を作製した。
一方、比較例として、記録層の材料を変えた以外は上記実施例と同様に情報記録媒体を作製した。この比較例では、組成式Ge4Sb2Te7で表される材料を用いて記録層を形成した。この比較例についても、記録層の厚さが異なる8種類の情報記録媒体C−11〜C−18を作製した。
以上の16種類の情報記録媒体について、繰り返し書き換え性能と、結晶化感度の経時劣化とを評価した。これらの評価方法については後述する。評価結果を表1に示す。
Figure 2004216909
表1の「書き換え可能回数」が大きいほど、繰り返し書き換え性能が良好であることを示す。A1〜D1は、それぞれ、表の下段の範囲を示す。E1は、書き換えができなかったことを示す。表1の「ジッター値変化」が小さいほど、結晶化感度の経時劣化が少ないことを示す。A2〜D2は、それぞれ、表の下段の範囲を示す。E2は、放置試験前のジッター値が、記録マークの前端間、及び記録マークの後端間で、ともに13%を上回ったために評価できなかったことを示す。A1〜E1及びA2〜E2の意味は、以下の表でも同じである。
表1に示されるように、比較例の情報記録媒体C−11〜C−18では、書き換え可能回数とジッター値変化の両方についてA又はBの特性を示す場合がなかった。これに対し、実施例1の情報記録媒体10−13〜10−16では、書き換え可能回数とジッター値変化の両方についてA又はBの特性を示した。
また、実施例1の情報記録媒体は、平均的に、比較例C−11〜C−18と比べ、繰り返し書き換え性能が良好で結晶化感度の経時劣化が少なかった。繰り返し書き換え性能の向上は、窒素を添加したことによるものと考えられる。また、結晶化感度の経時劣化の抑制は、Ge4Sb2Te7のGeの一部をSnで置換したことによって結晶化速度が増大したためであると考えられる。
(実施例2)
実施例2では、記録層のSn含有量を変化させて情報記録媒体10を作製した一例について説明する。
記録層の厚さを7nmに固定し、記録層のSn含有量を変えたことを除いて、実施例1と同様に情報記録媒体を作製した。実施例2の情報記録媒体では、記録層は、組成式[(Ge,Sn)4Sb2Te7955で表される材料を用いて形成した。そして、Snの含有量を2原子%〜25原子%の間で変化させ、Geの含有量を27原子%〜4原子%の間で変化させた8種類の情報記録媒体10−21〜10−28を作製した。情報記録媒体10−22は、情報記録媒体10−13と同じである。また、比較例として、Snを含まない情報記録媒体C−21も同様に作製した。
これらの情報記録媒体10−21〜28及びC−21について、後述する方法でジッター値変化を測定することによって、結晶化感度の経時劣化を評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 2004216909
表2に示されるように、Snの含有量が2原子%〜20原子%の範囲で良好な特性が得られた。
(実施例3)
実施例3では、元素Mを変化させて情報記録媒体10を作製した一例について説明する。
元素Mを変化させ、記録層の厚さを11nmに固定した以外は、実施例1と同様に情報記録媒体を作製した。実施例3の情報記録媒体では、記録層は、組成式[(Ge,Sn)4Sb2Te7955で表される材料を用いて形成した。Geの含有量を24原子%とし、Snの含有量を5原子%とした。実施例3では、元素Mとして、Mn、Ag、Cr、Al、又はNを用いた5種類の情報記録媒体10−31〜10−35を作製した。また、比較例として、元素Mを含まない情報記録媒体C−31も同様に作製した。
これらの情報記録媒体10−31〜35及びC−31について、後述する方法で繰り返し書き換え性能を評価した。評価結果を表3に示す。
Figure 2004216909
表3に示されるように、元素Mとして、Mn、Ag、Cr、Al、又はNを用いることによって、書き換え性能が向上した。この効果は、Mn、Cr、Al、及びNで特に大きかった。また、元素MとしてAgを用いた場合は、信号振幅が大きくなって、記録マークの前端間のジッター値、及び記録マークの後端間ジッター値が改善された。
(実施例4)
実施例4では、元素MとしてMnを用いて情報記録媒体10を作製した一例を説明する。元素MとしてMnを用いた以外は、実施例1と同様に情報記録媒体を作製した。実施例4の情報媒体では、記録層は、組成式[(Ge,Sn)4Sb2Te795Mn5で表される材料を用いて形成した。Geの含有量を24原子%とし、Snの含有量を5原子%とした。実施例4では、記録層の厚さを変化させた8種類の情報記録媒体10−41〜10−48を作製した。
これらの情報記録媒体10−41〜10−48について、後述する方法で、繰り返し書き換え性能と、結晶化感度の経時劣化とを評価した。評価結果を表4に示す。
Figure 2004216909
表4に示されるように、元素MとしてMnを用いることによって、繰り返し書き換え性能が良好で、結晶化感度の経時劣化が少ない情報記録媒体を得ることが可能になった。記録層の厚さが7nm以上13nm以下の場合に、これら2つの特性が良好になった。また、放置前に記録したランダム信号を放置後に再生だけ行ったところ、ジッター値に変化がなかったので、記録保存性においても問題がないことが確認された。
(実施例5)
実施例5では、元素Mの含有量及びSnの含有量を変化させて情報記録媒体10を作製した一例を説明する。
元素MとしてCrを用い、Snの含有量を変化させた以外は、実施例1と同様に情報記録媒体を作製した。記録層は、組成式[(Ge,Sn)4Sb2Te795Cr5で表される材料を用いて形成した。Snの含有量を0〜25原子%まで変化させ、Geの含有量を29原子%〜4原子%まで変化させた。記録層の厚さは、9nmとした。
このようにして作製された複数の情報記録媒体について、後述する方法で繰り返し書き換え性能と結晶化感度の経時劣化とを評価した。評価の結果、特に好ましい結果が得られた範囲を表5の*で示す。
Figure 2004216909
*印は、書き換え可能回数が10万回以上で、かつ、ジッター値変化が+2%以下であったことを表す。表5に示されるように、Snの含有量が5原子%〜20原子%でCrの含有量が2原子%〜15原子%の材料を用いることによって、繰り返し書き換え性能が良好で、結晶化感度の経時劣化が少ない情報記録媒体が得られた。
さらに、元素MとしてMn又はAlを用いて同様の実験を行ったところ、元素MにCrを用いた情報記録媒体と同様の結果が得られた。
さらに、元素Mとして、Ag及びMn、又はAg及びAl、又はAg及びCrを用いて同様の実験を行った。Agの含有量は1原子%に固定した。その結果、Snの含有量を5原子%〜20原子%とし、Mn、Al又はCrの含有量を1原子%〜13原子%とすることによって、特性が優れた情報記録媒体が得られた。
(実施例6)
実施例6では、情報記録媒体20を作製した一例について説明する。
まず、第1の基板21として、スパイラル状の案内溝が表面に形成されたポリカーボネート基板(厚さ:1.1mm)を用意した。次に、ポリカーボネート基板上に、Ag合金層(反射層16、厚さ:80nm)、Te化合物層(光吸収補正層15、厚さ:20nm)、ZnS−SiO2層(第2の保護層12b、厚さ:11nm)、Ge−N層(第2の界面層13b、厚さ:3nm)、記録層(記録層14)、Ge−N層(第1の界面層13a、厚さ5nm)、ZnS−SiO2層(第1の保護層12a、厚さ:60nm)をこの順序で、スパッタリング法によって形成した。第1の保護層12a及び第2の保護層12bの厚さは、波長405nmにおける信号振幅(反射光量の変化)が大きくなるように、かつ記録層への入射光量が大きくなるように調整された。これらの厚さは、マトリックス法に基づく計算を用いて決定された。
記録層は、組成式[(Ge,Sn)4Sb2Te795Mn5で表される材料を用いて形成した。Geの含有量を19原子%とし、Snの含有量を10原子%とした。
その後、接着層17として紫外線硬化樹脂を第1の保護層上に塗布した。最後に、第2の基板(第2の基板22、厚さ:0.1mm)を第1の保護層に密着させて紫外線照射を行い、第1の保護層と第2の基板とを接着した。
実施例6では、第2の基板の接着後に、情報記録媒体の全体にレーザビームを照射して記録層の全体を結晶化させた。このようにして、実施例6の情報記録媒体を作製した。実施例6では、記録層の厚さが異なる7種類の情報記録媒体20−1〜20−7を作製した。これらの情報記録媒体について、後述する評価方法で、繰り返し書き換え性能と、結晶化感度の経時劣化とを評価した。実施例6の評価では、波長が405nmのレーザビームとNA=0.8の対物レンズを用いた高密度記録を行って特性を評価した。評価結果を表6に示す。
Figure 2004216909
高密度記録においても、表6に示すように、繰り返し書き換え性能が良好で、結晶化感度の経時劣化が少ない情報記録媒体が得ることが可能となった。これは、Ge4Sb2Te7のGeの一部をSnで置換し、さらに元素MとしてMnを添加したためであると考えられる。
さらに、元素MとしてCr又はAlを用いて同様の実験を行ったところ、元素MにMnを用いた情報記録媒体と同様の結果が得られた。
さらに、元素Mとして、Ag及びMn、又はAg及びAl、又はAg及びCrを用いて同様の実験を行った。Agの含有量は1原子%とした。Mn、Al、又はCrの含有量は、4原子%とした。その結果、元素MにMnを用いた情報記録媒体と同様の結果が得られた。
(繰り返し書き換え性能の評価)
以下に、繰り返し書き換え性能の評価方法について説明する。
評価に用いた記録・再生装置の概略図を図3に示す。記録・再生装置は、情報記録媒体31を回転させるスピンドルモータ32と、半導体レーザ33を備える光学ヘッド34と、対物レンズ35とを備える。半導体レーザ33から出射されたレーザビーム36は、対物レンズ35によって集光されて情報記録媒体31の記録層に照射される。情報記録媒体31には、実施例で作製した情報記録媒体を用いる。
実施例1〜5の評価では、波長660nmの半導体レーザ33と、開口数0.6の対物レンズ35とを使用し、線速度は8.2m/秒とした。また、実施例6の評価では、波長405nmの半導体レーザ33と、開口数0.8の対物レンズ35とを使用し、線速度は8.6m/秒とした。
繰り返し書き換え性能の評価のために、レーザビーム36を、高出力のピークパワーPpと低出力のバイアスパワーPbとに変調させてランダム信号を記録した。そして、記録マークの前端間のジッター値と、記録マークの後端間のジッター値とを測定し、両者を平均して平均ジッター値を算出した。繰り返し書き換え性能は、PpとPbのレーザビーム36を用いて信号を繰り返し記録し、平均ジッター値が13%に達するまでの書き換え回数(表中の書き換え可能回数)によって評価した。情報記録媒体をコンピュータの外部メモリとして用いる場合には、書き換え可能回数は10万回以上が好ましい。情報記録媒体を画像・音声レコーダとして用いる場合には、書き換え可能回数は、1万回でも十分といえる。
(結晶化感度の経時劣化の評価)
以下に、結晶化感度の経時劣化の評価方法について説明する。
まず、繰り返し書き換え性能の評価と同様の方法で、情報記録媒体にランダム信号を10回記録し、記録マークの前端間のジッター値、及び記録マークの後端間のジッター値を測定した。
次に、情報記録媒体を90℃で相対湿度20%の環境に24時間放置した。そして、放置後に、放置前に記録した信号にランダム信号を1回重ね書きした。その後、記録マークの前端間のジッター値、及び記録マークの後端間のジッター値を測定した。
表中の(ジッター値変化(%))は、(ジッター値変化(%))=(放置後のジッター値(%))−(放置前のジッター値(%))で与えられる値である。
放置前後で結晶化感度に変化がなければジッター値変化はほとんどない。逆に、放置前後で結晶化感度が低下した場合、ジッター値変化が大きくなる。このため、ジッター値変化が少ないほど、結晶化感度の経時劣化が少ないことがわかる。実用的には、前端間のジッター値変化又は後端間のジッター値変化のうち、いずれか悪い方が+2%以下であることが好ましい。
以上、本発明の実施の形態について例を挙げて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されず本発明の技術的思想に基づき他の実施形態に適用することができる。
本発明の情報記録媒体について一例を示す一部断面図である。 本発明の情報記録媒体について他の一例を示す一部断面図である。 情報記録媒体の評価に用いた記録・再生装置の概略図である。
符号の説明
10,20,31 情報記録媒体
11 基板
12a 第1の保護層
12b 第2の保護層
13a 第1の界面層
13b 第2の界面層
14 記録層
15 光吸収補正層
16 反射層
17 接着層
18 ダミー基板
19 エネルギービーム
21 第1の基板
22 第2の基板
32 スピンドルモータ
33 半導体レーザ
34 光学ヘッド
35 対物レンズ
36 レーザビーム

Claims (4)

  1. レーザ光を照射することによって、情報の記録、消去及び再生が可能であって、情報の記録及び消去が、非結晶相と結晶相との間の可逆的な相変化により行われる光記録媒体であって、
    基板上に少なくとも第1の保護層、第1の界面層、記録層、第2の界面層、第2の保護層、光吸収補正層、反射層をこの順に備え、前記記録層の組成が、一般式
    [(Ge,Sn)ASb2Te3+A100-BB
    (ただし、MはAg、Al、Cr、Mn及びNから選ばれる少なくとも1つの元素)で表され、前記一般式のA及びBは、0<A≦10、0<B≦20の範囲内にあり、前記第1の界面層及び前記第2の界面層がそれぞれ、窒化物、窒化酸化物及び炭化物から選ばれる少なくとも一つを主成分とする層であり、かつ、前記光吸収補正層の屈折率が3.0以上6.0以下、消衰係数が1.0以上4.0以下である情報記録媒体。
  2. 前記第1の界面層が炭化物を主成分とする層である請求項1に記載の情報記録媒体。
  3. 前記第1の界面層と前記第2の界面層の少なくとも一方が、炭素を主成分とする層である請求項1に記載の情報記録媒体。
  4. 前記第1の界面層と前記第2の界面層の少なくとも一方が、窒化ゲルマニウムを主成分とする層である請求項1に記載の情報記録媒体。
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