JP2004216542A - Electrochemical machining device and electrochemical machining method - Google Patents
Electrochemical machining device and electrochemical machining method Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004216542A JP2004216542A JP2003196419A JP2003196419A JP2004216542A JP 2004216542 A JP2004216542 A JP 2004216542A JP 2003196419 A JP2003196419 A JP 2003196419A JP 2003196419 A JP2003196419 A JP 2003196419A JP 2004216542 A JP2004216542 A JP 2004216542A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- workpiece
- electrode
- processing
- power supply
- ion exchanger
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)
- Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)
Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解加工装置及び電解加工方法に係り、特に半導体ウエハ等の基板の表面に形成された導電性材料や真空機器及び高圧機器等の高精度の表面仕上げが要求される金属部を加工したり、これらの被加工物の表面に付着した不純物を除去するために使用される電解加工装置及び電解加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
被加工物の表面を平坦化して表面仕上げを施す技術として、研削加工、ラップ加工、ホーニング加工、超仕上げ加工などの加工方法が知られている。これらの加工方法は、被加工物または研削砥石などを高速で回転させて被加工物を少しずつ削っていく機械的な加工方法であり、ミクロン単位の表面仕上げが可能である。このような加工方法は、精度の高い表面仕上げが必要とされる金属を加工する場合に広く用いられ、特に、内燃エンジンのピストン、真空機器や高圧機器のガスケット部、バルブノズルやプラグシートなど、被加工物同士が接触する面で高いシール性を維持する必要がある部分の加工に使用されている。
【0003】
被加工物に更に鏡面光沢仕上げが要求される場合には、研磨液を用いたバフ研磨が用いられる。バフ研磨では、やわらかい繊維で構成されたバフ布に研磨液に含まれているシリカ、アルミナ、ダイヤモンド微粒子等を付着させ、このバフ布を回転運動させつつ被加工物に接触させることによって被加工物が研磨され、被加工物に鏡面光沢仕上げが施される。
【0004】
しかしながら、これらの加工方法では、被加工物に機械的な力を加えるため、被加工物に多くの欠陥を生み出し、被加工物の特性が失われる場合がある。例えば、アルミニウムの部材をバフ研磨によって研磨する場合においては、被加工物が柔らかいため研磨剤粒子が被加工物の表面に埋まってしまい、鏡面仕上げが得られにくい。
【0005】
ところで、半導体ウエハ等の基板上に回路を形成するための配線材料として、アルミニウムまたはアルミニウム合金に代えて、電気抵抗率が低くエレクトロマイグレーション耐性が高い銅(Cu)を用いる動きが顕著になってきている。この種の銅配線は、基板の表面に設けた微細な溝の内部に銅を埋め込むことによって一般に形成される。この銅配線は、CVD、スパッタリング及びめっきといった手法で基板のほぼ全面に銅を成膜して、化学機械的研磨(CMP)で溝以外の不要部分の銅を除去することによって形成される。
【0006】
CMP技術は、半導体製造プロセスの成膜時に生じた層間絶縁膜の段差解消法として最初に用いられた技術である。さらに、このCMP技術は、タングステンプラグ埋め込み、ポリシリコンの研磨、シャロートレンチアイソレーション(STI)、アルミニウムや銅配線のダマシンプロセス、電極用貴金属類の研磨にまで幅広く用いられている技術である。
【0007】
一般的なCMPは、半導体ウエハなどの被加工物に、シリカ、酸化セリウム等の研磨剤粒子を懸濁させたスラリーを供給しながら、該被加工物を研磨パッド(樹脂パッド)に機械的に押圧すると共に、被加工物と研磨パッドとをそれぞれ回転運動させることによって被加工物に形成されている段差を解消し、被加工物の表面を平坦化させる。
【0008】
CMPでは、スラリーに含まれる薬液が被加工物である金属と錯体をつくり、研磨剤粒子が、金属のみではなくこの錯体を直接除去する効果も期待できる。研磨パッドは適当な硬さと粗さを有しており、研磨剤粒子を含んだスラリーを満遍なく被加工物に供給しながら加工表面を研磨パッドにこすりつけることで被加工物が研磨される。最近では、研磨パッド自体に研磨剤粒子を均一に埋め込み、スラリーを不要とするCMP装置も開発されている。これらの研磨パッドは、使用回数が多くなると、適切な粗さが無くなり研磨効果が失われる。そこで、この研磨パッドの適切な粗さを回復させるために、ダイヤモンド粒子等が固着されているツール(ドレッサー)で研磨パッドを機械的に引っかくことで研磨パッドの粗さを回復させている。
【0009】
しかしながら、半導体産業の分野では、近年のデバイスの高集積化に伴い、機械的強度が極めて弱い多孔質のLow−k材膜を絶縁膜として使う傾向にある。このような機械的強度が極めて弱い絶縁膜は、CMP加工時に研磨パッドの押圧力によって容易に破壊されてしまう。
【0010】
このような機械的に弱い部位を有する被加工物の微細加工、平坦化、表面仕上げ等をする加工法として電解加工がある。この加工方法は、いわゆる電気めっきの逆の反応で金属(被加工物)を加工する方法であり、従来の物理的な加工方法とは対照的に、電気化学的反応によって金属を溶解除去させるものである。したがって、電解加工では、塑性変形による加工変質層や転移等の欠陥は発生せず、材料の特性を失わずに被加工物を加工することができる。
【0011】
電解加工では、リン酸、硫酸、クロム酸、硝酸、炭酸ナトリウム、その他多種多様な塩類、有機物を含んだ電解液が使用され、被加工物に陽極電位を与えることによって被加工物が溶解除去される。この電解加工では、被加工物の種類によって適切な電解液及び電解操作条件が決定され、ステンレス、アルミニウム、銅、チタン等の各種金属が電解加工により加工されている。
【0012】
特許文献1には、パルス電源を用いた電解研磨により金属(被加工物)を加工するに際し、キレート剤を用いる方法が開示されている。一般に、スラリー(砥粒を含む研濁液)を用いたCMPでは、金属を押圧する操作が行われるために、金属の加工面に、ディッシング、エロージョン、リセス等の欠陥が発生するという問題がある。上記文献に開示された方法によれば、このような問題を解決できるとしている。上記方法によれば、金属がキレート剤によりキレート化され、機械的強度が非常に低く、容易に除去可能なキレート膜(粘着層)が形成され、キレート膜の凸部を除去する工程を繰り返すことにより平坦化される。
【0013】
特許文献2には、カソード電析とアノード溶解を交互に行う電流反転法により金属表面を電解研磨する方法が開示されている。この方法では、電解液としては例えば63%リン酸が用いられ、電流反転により平坦な加工表面が得られるとしている。
【0014】
上記文献に開示されている加工方法では、金属表面を化学機械的又は電気化学的に平坦化又は微細加工する際には何らかの薬品が使われている。そして、これらの薬品は基本的には環境負荷を高めるものであり、さらに、半導体デバイスのような高度の清浄度が必要とされる材料を加工する場合には、薬品によるコンタミネーションが懸念される。
【0015】
最近では、環境負荷、加工される製品の汚染または作業中の危険性などを改善させた金属の電解加工方法が開発されつつある(特許文献3、特許文献4参照)。これらの電解加工方法は、純水または超純水を使用して電解加工を行う方法である。純水または超純水は電気をほとんど通さないため、この電解加工方法では、陽極となる被加工物と陰極となる加工電極との間にイオン交換体を配置して被加工物の電解加工が行われる。被加工物、イオン交換体、加工電極は、総て純水または超純水下に置かれるので、環境負荷の問題及び被加工物の汚染の問題が著しく改善される。また、被加工物である金属は、電解反応により金属イオンとして除去され、イオン交換体に保持される。このように、除去された金属イオンがイオン交換体に保持されるため、被加工物及び液体(純水または超純水)自体の汚染を更に低減させることができ、上記方法は理想の電解加工方法として考えられている。
【0016】
上述したように、イオン交換体を配置した状態で超純水を供給しつつ被加工物を加工する電解加工方法によれば、被加工物の汚染が防止され、環境負荷を著しく低減させることができる。また、上記電解加工方法によれば、各種金属部品の表面に鏡面光沢を与えることができ、さらには、従来の金属機械加工仕上げ方法に必要とされる切削油、研磨剤を含むスラリー、電解液などを不要とすることができる。
【0017】
また、上記超純水を用いた電解加工方法によれば、被加工物を洗浄する工程を設ける必要性がなく、作業時間の短縮、設備費の削減が可能である。さらに、従来の、リン酸、クロム酸、塩類、キレート剤、界面活性剤等の電解液を用いる電解加工方法と比較して、イオン交換体を使用する上記電解加工法では、基本的に純水または超純水が用いられるため、その取り扱いが安全かつ容易であり、環境負荷が著しく低減される。
【0018】
【特許文献1】
特開2001−322036号公報
【特許文献2】
特開平7−336017号公報
【特許文献3】
特開2000−52235号公報
【特許文献4】
特開2001−64799号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、イオン交換体を用いた電解加工方法では、これらのアドバンテージを有するものの、被加工物の種類や加工条件などによっては、加工した面にピット(微小な穴)が形成されることが判明された。このピットは、電解加工した表面に鏡面光沢ができている場合でも発生している程の肉眼で確認不可能な細孔である。すなわち、このピットは、走査型電子顕微鏡、レーザー顕微鏡、原子間力顕微鏡等で分析して初めて明らかになる細孔である。
【0020】
このピットは、一般的な機械部品の表面仕上げでは、商品の見栄えに特に悪影響を与えない場合もある。しかしながら、真空機器や圧力機器など、高度の密閉度が要求されるシール面にピットが形成されると、所望の真空または圧力が得られず、さらに金属の腐食を進行させると考えられる。また、半導体デバイスにおいても、ピットが形成されると様々な悪影響を及ぼすと考えられている。
【0021】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、薬液を使用することなく電解加工を行うことができ、さらには、被加工物の不良品化を招くと考えられるピットの発生を効果的に防止することができる電解加工装置及び電解加工方法を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上述した従来技術の問題を解決すべく、発明者らは鋭意研究を行った結果、イオン交換体を用いた電解加工の効果を失うことなくピットの発生を効率よく抑制する方法を見出した。すなわち、本発明の第1の態様は、加工電極と、被加工物に給電する給電電極と、被加工物と前記加工電極との間又は被加工物と前記給電電極との間の少なくとも一方に配置されたイオン交換体と、前記加工電極と前記給電電極との間にパルス電圧を印加する電源と、被加工物と前記加工電極又は前記給電電極の少なくとも一方との間に液体を供給する液体供給部と、を備えたことを特徴とする。
【0023】
一般に、電解加工時間を長くするに伴いピットの径は成長し、さらにピットの数が増える傾向にある。また、電解加工時の電極効率が低いほど、すなわち、陽極となる被加工物を溶解させる電解反応以外の反応に電気が使用されて電気量がロスするほどピットの発生が顕著になってくる。経験的には電解加工時に被加工物の表面にガス(気泡)が発生するほど、ピットの数も多くなってくることが明らかになっている。水が含まれている電解液を用いた場合、電極で発生する酸素や水素の量が多いほどピットの数も増大するため、このピットはガスピットとも呼ばれている。このようなピットが発生することは、少なくともイオン交換体を配置した状態で純水または超純水を供給しながら被加工物を加工する従来の技術においては知られておらず、環境負荷を低減させる電解加工プロセスを開発する上での課題となっていた。
【0024】
本発明によれば、加工電極と給電電極との間にパルス電圧を印加することにより、被加工物の表面で発生する酸素や水素が気泡として成長することを防止することができ、電解加工時に被加工物の表面に形成されるピットの数を著しく低減させることができる。また、被加工物から溶解した反応生成物がイオン交換体に保持されるため、被加工物へのコンタミネーションが著しく軽減される。
【0025】
本発明の好ましい態様は、前記液体は、純水、超純水、または電気伝導度が500μS/cm以下の水溶液のいずれかであることを特徴とする。
本発明によれば、純水または超純水のような不純物がほとんど含まれない液体を供給しながら電解加工を行うことにより、加工面に不純物を残さない清浄な加工を行うことができる。また、薬品を使用しないので電解加工時の作業者への安全性が確保され、さらには、廃液処理の問題が生じないため環境負荷が著しく低減される。
【0026】
ここで、純水は、例えば電気伝導度(1atm,25℃換算、以下同じ)が10μS/cm以下の水である。また、超純水は、電気伝導度が0.1μS/cm以下の水である。上述したように、純水または超純水を使用して電解加工を行うことで、加工面に不純物を残さない清浄な加工を行うことができ、これによって、電解加工後の洗浄工程を簡素化することができる。具体的には、電解加工後の洗浄工程は省略するか、1段若しくは2段でよい。
【0027】
また、例えば、純水または超純水に界面活性剤等の添加剤を添加して、電気伝導度が500μS/cm以下、好ましくは、50μS/cm、より好ましくは、0.1μS/cm(比抵抗で10MΩ・cm以上)以下にした液体を使用することで、被加工物とイオン交換体の界面にイオンの移動を防ぐ一様な抑制作用を有する層を形成し、これによって、イオン交換(金属の溶解)の集中を緩和して平坦性を向上させることができる。
【0028】
本発明の好ましい他の態様は、前記パルス電圧の最低電位が周期的に0または負の電位となることを特徴とする。
本発明によれば、ピットの発生をより効果的に防止することが可能となる。
【0029】
本発明の好ましい他の態様は、前記パルス電圧の波形は、方形波またはサイン波の一部であることを特徴とする。
本発明によれば、電解加工装置、特に、電源の構成を簡素化することができ、装置の製造コストを低減させることができる。
【0030】
本発明の好ましい他の態様は、前記パルス電圧の正電位のデューティ比は、10%から97%までの範囲内にあることを特徴とする。
デューティ比が10%未満であると、電解加工の加工レート(加工速度)が遅くなり、加工時間を長くする必要があり実用的でない。一方、デューティ比が97%を超えると、被加工物の表面におけるピットの発生を効果的に抑制できなくなり、製品(被加工物)を不良品化してしまう。本発明のパルス電圧のデューティ比は、好ましくは10%以上、80%以下であり、さらに好ましくは10%以上、50%以下である。
【0031】
本発明の好ましい他の態様は、被加工物と前記イオン交換体との接触面に流れる電流の電流密度が100mA/cm2以上、100A/cm2以下であることを特徴とする。
被加工物とイオン交換体との接触面に流れる電流の電流密度が100mA/cm2未満の低い電流密度であると、ピットの発生を抑制する効果が得られない。この点を詳述すると、電流密度が100mA/cm2未満であると、被加工物の電解反応よりも、この電解反応と競合する水の酸化反応の方が支配的になり、被加工物の溶解よりも酸素の発生が優先的に起こる。酸素等の気体(ガス)が多く発生すると、気体の発生に伴ってピットが被加工物の表面に多く形成されてしまう。さらに、電流密度が100mA/cm2未満であると、電解加工を行っているときに被加工物の表面が部分的に腐食してしまい、被加工物の表面に欠陥を生み出してしまう。本発明では、100mA/cm2以上の電流を通電することにより、被加工物の表面で発生する気体(ガス)の量を低減させることができ、ピットの発生をより効果的に防止することができる。また、100mA/cm2以上の本発明によれば、被加工物の溶解が全体において一様に進行し、均一な加工作用を得ることができる。
【0032】
一方、電流密度が100A/cm2を超えると、抵抗発熱により水が沸騰してイオン交換体の劣化を招き、さらには、被加工物の表面にダメージを与えてしまう。また、水が沸騰すると気泡が発生し、上述したガスピットが生じてしまう。また、イオン交換体は、高熱により、軟化、溶解、亀裂等が起こる。このように、電流密度が100A/cm2を超えると、被加工物の加工工程に各種の問題を発生させる。さらに、電解加工時の電圧が上昇すると、直接消費電力に影響し、電解加工のランニングコストを増大させ、電源等の初期コストを増大させることになる。本発明では、このような観点から、電流密度は100A/cm2以下としている。なお、電解加工時の好ましい電流密度は、500mA/cm2から50A/cm2であり、さらに好ましくは、800mA/cm2から20A/cm2である。
【0033】
本発明の好ましい他の態様は、前記パルス電圧の1周期において正電位となる時間は、50μs以上、7s以下であることを特徴とする。
パルス電圧の1周期おいて正電位となる時間が50μs未満であると、パルス電圧を高周波数で印加することを意味し、電位が高速で変動することになる。イオン交換体を用いた超純水中での金属加工では、金属(被加工物)の電解反応、イオン交換体中における各種イオン(金属イオン、H+など)の移動及び置換の化学反応速度が律速になるため、電位の変動速度が早くなると、金属の電気化学溶解反応が追いつかなくなる。したがって、金属の溶解が部分的に起こり、金属の表面にピットが生じやすくなる。また、パルス電圧の周波数を高くすると、電源の構成が複雑となり、製造コストが高くなるという問題がある。
【0034】
一方、パルス電圧を印加するとき、電圧の1周期(1サイクル)において正電位となる時間が7秒を超えると、従来技術として行われていた直流を印加したときと同じような現象が進行し始める。すなわち、陽極となる被加工物の表面に酸素の気泡が成長し、被加工物の表面に滞留しやすくなり、結果的にピットが生じやすくなる。このような観点から、パルス電圧の1周期において正電位に維持する時間を7秒以下とすることにより、酸素が連続的に発生するのを抑制し、さらに一旦発生した酸素の気泡が被加工物の表面から脱離する時間を与えてやることができる。本発明によれば、パルス電圧の1サイクル当りの正電位となる時間を50μs以上、7s以下にすることにより、金属の加工がスムーズに進行し、かつ、ピットの数が極めて少ない表面仕上げ加工が可能となる。なお、パルス電圧1サイクル当りの正電位となる時間を100μs以上、1s以下に維持することが好ましく、さらに500μs以上、500ms以下、好ましくは300ms以下、更に好ましくは100ms以下に維持することが好ましい。
【0035】
本発明の好ましい他の態様は、前記液体は、溶存酸素が1ppm以下まで脱気されていることを特徴とする。
本発明によれば、電解加工時に発生する酸素の量を低減させることができ、被加工物の表面に形成されるピットの数を更に減少させることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る電解加工装置を模式的に示す断面図である。なお、本実施形態では、配管同士を接続するために使用されるフランジのガスケット部を研磨する例について説明する。
【0037】
本実施形態では、金属製のフランジ10が被加工物となる。ガスケット部10aは、予め旋盤加工により環状に削られた環状溝であり、このガスケット部10aには、例えば、金属製のO−リングが取り付けられる。ガスケット部10aにO−リングを取り付けた状態でフランジ10同士を密着させることにより、フランジ10を介して接続された配管の内部が高圧又は真空に維持される。
【0038】
本実施形態に係る電解加工装置は、ガスケット部10aが形成されている面が下を向き、かつ、水平となるようにフランジ10を保持する保持部(図示せず)と、この保持部を回転させ、かつ、上下方向に移動させる駆動機構(図示せず)とを備えている。この駆動機構により、フランジ10は、Z軸を中心に回転し、またZ軸に沿って上下方向に移動するようになっている。なお、保持部及び駆動機構は、ボール盤、またはその他の回転式工作機械で代用することができる。
【0039】
本実施形態に係る電解加工装置は、液体6が内部に貯留される液槽11と、絶縁処理された基台12と、この基台12の上面に設置された2つの加工電極3,3と、フランジ10に接触するブラシ電極(給電電極)2と、加工電極3,3とブラシ電極2との間にパルス電圧を印加するためのバイポーラ電源15とを備えている。基台12は液槽11の底部に配置されており、基台12及び加工電極3,3は、液槽11に貯留された液体6中に完全に浸漬されている。なお、本実施形態では、液体6として純水が使用されている。
【0040】
加工電極3,3の上部には、イオン交換体5,5がそれぞれ取り付けられており、これらのイオン交換体5,5と、保持部によって保持されたフランジ10のガスケット部10aとが互いに対面するようになっている。加工電極3,3は、配線14を介してバイポーラ電源15の陰極に接続され、また、フランジ10はブラシ電極2及び配線13を介してバイポーラ電源15の陽極に電気的に接続されている。なお、ブラシ電極2をフランジ10に直接接続させる必要はなく、例えば、保持部と駆動機構とを連結するシャフト(図示せず)にブラシ電極2を取り付け、シャフト及び保持部を介してフランジ10に給電するようにしてもよい。この場合、シャフトは駆動機構と電気的に絶縁する必要がある。
【0041】
次に、上述した電解加工装置を用いてフランジ10を電解加工する工程について説明する。
まず、バイポーラ電源15のスイッチを入れて、加工電極3,3の面積に対して500mA/cm2となるように出力電流を設定し、さらに定電流(CC)に設定する。そして、ブラシ電極2及び加工電極3,3との間にパルス電圧を印加する。次いで、駆動機構の電源を入れ、駆動機構によりフランジ10を回転させつつ、Z軸に沿ってフランジ10を下方に移動させ、加工電極3,3に取り付けられたイオン交換体5,5にガスケット部10aを接触させる。ガスケット部10a(フランジ10)がイオン交換体5,5に接触した時点で電解加工が開始され、ガスケット部10aの研磨が進行する。加工時間は、ガスケット部10aに要求される平坦度に応じて調節すればよい。通常の操作では、加工に要する時間は10秒〜5分程度である。
【0042】
このようにして加工されたガスケット部10aには鏡面仕上げが施され、ピットなどの欠陥のない極めて平坦度の高い加工面が得られる。したがって、本実施形態に係る電解加工装置によって加工されたフランジ10によれば、フランジ10を介して接続された配管の内部の気密性を良好に維持することができる。また、本実施形態では、純水を使用しているため、クリーンな環境で加工することができる。したがって、電解加工後の洗浄工程や脱脂工程などが不要となり、作業時間を短縮することが可能となる。
【0043】
本実施形態のように、純水または超純水のような液自身の抵抗値が大きい液体を使用する場合には、イオン交換体を被加工物の表面に「接触させる」ことが好ましく、このようにイオン交換体を被加工物の表面に接触させることにより、電気抵抗を低減させることができ、印加電圧も小さくて済み、消費電力も低減できる。従って、本発明に係る加工における「接触」は、例えばCMPのように物理的なエネルギー(応力)を被加工物に与えるために、「押し付ける」ものではない。
【0044】
本加工法は純粋に被加工物との電気化学的相互作用のみにより被加工物の除去加工を行うものであり、CMPのような研磨部材と被加工物との物理的な相互作用及び研磨液中の化学種との化学的相互作用の混合による加工とは加工原理が異なるものである。電解加工では、被加工物の加工電極と対面する部位が加工されるので、加工電極を移動させることで、被加工物の表面を所望の表面形状に加工することができる。
【0045】
本実施形態に係る電解加工方法では、上述したように、イオン交換体5,5及び被加工物(フランジ)10に液体(純水)6を供給しつつ、加工電極3と給電電極2との間にパルス電圧が印加される。ここでいうパルス電圧とは、通常の電気化学的反応で用いられる連続的な直流電流(DC)ではなく、周期的に変動する電圧(電位)を意味する。
【0046】
本実施形態では、パルス電圧を印加するための電源としてバイポーラ電源を使用しているが、これに限らず、他の構成を有する電源を用いてもよい。例えば、タイマー及びリレー制御により周期的に通電をオンオフさせる直流電源を用いてもよい。また、工場や家庭に供給されている50/60Hzの交流電源をダイオードを組み込んだ回路に連結し、交流電流を半波カットするようにしてもよい。さらに、交流電源、絶縁トランスと、直流電源とをつないだ回路を形成し、交流電圧にバイアス電圧をかけてパルス電圧を形成させてもよい。サイリスター、コンデンサー、ダイオードを用いて周期的に変動する電圧(電位)が供給できる手段であってもよい。また、一般的に市販されているスウィッチング電源を使用することもできる。波形を制御できるプログラマブル電源やシーケンス制御電源が特に好ましく利用できる。
【0047】
ここで、パルス電圧を印加することがピット発生を抑制していると考えられる原理について説明する。ピットの発生は、電解反応場におけるガス、特に気泡と密接な関係があると考えられる。水素、酸素、空気の何れが気泡として電解反応場に存在してもピットの発生を促進する。金属(被加工物)に正の電位を与えたときに金属が溶解する電解反応は次の通りである。
Me → Men+ + ne− (1)
上記(1)の反応は液体中で起こるため、水を酸化分解して酸素を発生する下記反応と競合する。
H20 → 1/2O2 + 2H+ + 2e− (2)
【0048】
上記(2)の反応は金属の表面で起こり、金属に正の電位を与えている間、つまり金属が陽極となっている間に金属表面の特定点で上記反応が進行する。上記反応(2)が進行すると、酸素は金属の表面上の特定点において気泡に成長し、この気泡がピットを形成させる原因になると考えられる。気泡がピットを形成させる原理は現時点では解明されていないが、一種の点腐食であると考えられる。本発明者らが行った研究では、このピットが形成される原理は、放電による金属表面でのクレーター発生とは全く異なるものである。放電の場合では、瞬間的に大量の電流が流れるが、このような現象はイオン交換体を用いた金属の電解加工では全く見られない。
【0049】
電解加工時に金属の表面に気泡が滞留すると、金属表面の部分的な腐食、すなわち点腐食が起こる。本発明では、パルス電圧を印加することによって、この酸素が発生する特定点に断続性を持たせることができ、気泡成長が抑制され、結果的にピットの発生が抑制されると考えられる。すなわち、パルス電圧を印加している間は、正電位のピークと次の周期の正電位のピークでは必ずしも金属の表面の同じ場所に酸素発生点が現れないため、酸素が気泡として成長するのが抑制される。
【0050】
パルス電圧を印加することによってピットの発生が抑制される原理は、さらに、一旦発生した気泡を液体中に逃がす時間を与えることができる点からも説明できる。すなわち、金属の表面に気泡を滞留させないことがピットの発生を抑制するための重要なポイントである。本実施形態では、パルス電圧の最低電位を周期的に0にすることよって、金属の表面に一旦発生した気泡を液体中に逃がす時間を与えることができる。さらに、パルス電圧の最低電位を周期的に負の電位にすることで、金属の表面に付着している気泡(酸素)を消すことができる。すなわち、金属の表面において反応式(2)の逆反応を起こさせ、気泡として存在する酸素を水に還元させる反応を起こさせることで金属の表面から気泡を消すことができる。
【0051】
パルス電圧がピットの発生を抑制する原理は、さらに、パルス電圧がイオン交換体と金属との電気的吸着力を緩和させる効果からも説明できる。電解加工時に正の電位が金属に与えられると、イオン交換体の表面は強く金属に密着する。このため、イオン交換体と金属との接触面では通水性が著しく悪くなる。この現象は、後述する隔膜質のイオン交換体を使用するとさらに顕著になる。したがって、気泡がイオン交換体と金属との間に閉じ込められやすくなり、ピットが発生しやすくなると考えられる。金属の電位が0又は負の電位となった時点でこの電気的吸着力は失われるため、イオン交換体と金属との接触面における通水性が回復される。このようにして、パルス電圧を印加する電解加工では、金属とイオン交換体との接触面の通水性が周期的に回復するため、気泡が金属の表面にとどまらず、ピットの発生を防止することができると考えられる。
【0052】
図1に示す本実施形態では、パルス電圧の波形として、方形波、サイン波、三角波、のこぎり波、ステップ波等が使用される。図2は、本実施形態に係るパルス電圧のパルス波形の例を示す図である。なお、例えば図2(a)〜図2(d)に示す方形波又はサイン波が好ましく使用される。方形波とサイン波の電源が最も製造しやすく、電源製造コストも安価であり、最も実用的だからである。
【0053】
パルス電圧の正電位のデューティ比は、10%から97%までの範囲内にあることが好ましい。ここで、デューティ比(D)とは、パルス電圧1周期当りの正電位に維持される時間をパーセントで表したものであり、次の式で計算される。
D = Tp/Ttot×100 (3)
なお、Tpはパルス幅を表し、Ttotは周期を表す。
【0054】
デューティ比が10%未満であると、被加工物10に正の電位を与える時間が短くなり、電解加工時の加工レートが遅くなる。このため、電解加工が完了する時間が長くなってしまい、実用上好ましくない。またデューティ比が97%を超えると、被加工物10の表面にピットが発生しやすくなり、製品の不良品化を招いてしまう。本実施形態では、パルス電圧のデューティ比は、好ましくは10%以上、80%以下であり、さらに好ましくは10%以上、50%以下である。
【0055】
この場合、負の電位電流はないことが望ましい。これは、負の電流が流れることにより、銅等の被加工物の表面に水素ガスが発生するので、ピット発生の原因と考えられるためである。すなわち、図2(a)に示すように矩形波にバイアスをかけて正電位電流のみにするか、図2(d)に示すように正電位に半波整流したサイン波を用いるのが望ましい。
また、サイン波よりも、方形波(矩形波)を用いた方が、ピットの発生が少ないことが実験結果から判っている。
【0056】
なお、被加工物10に負の電位を与える場合には、この負の電位で流れる電気量を、正の電位で流れる電気量に対して50%未満にすることが好ましい。負の電位で流れる電気量を50%以上にすると、いわゆる交流に近い電流になり、イオン交換体5に逆の電流(負の電位の電流)が流れるため、被加工物10から溶解した加工生成物がイオン交換体5に保持されなくなる。この負の電位で流れる電気量は40%以下にすることがさらに好ましく、さらに30%以下であることが好ましい。
【0057】
本実施形態では、被加工物10とイオン交換体5との接触面に流れる電流の電流密度は、100mA/cm2以上、100A/cm2で以下であることが好ましい。ここで、電流密度とは、パルス電圧のピーク電圧での電流密度ではなく、実効値での電流密度を意味する。100mA/cm2未満の低い電流であると、ピットの発生を防止する効果が得られない。すなわち、電流密度が100mA/cm2未満であると、被加工物10の電解反応(上記(1)の反応)よりも、水の酸化反応(上記(2)の反応)が優先的に起こり、酸素が多く発生する。この酸素に代表される気体の発生量が多くなると、気体(ガス)の発生に伴い、ピット等の欠陥が被加工物10の表面に多く発生し始める。
【0058】
一方、100mA/cm2以上の高い電流密度にすると、ガス(酸素)の発生が抑制される。その理由は、被加工物10の表面への水の物質移動が律速になるためである。被加工物10の電解反応では、金属自身が溶解するのみであるためこのような物質移動律速の問題はない。このため、電流密度が高いほど酸素が発生せず、ピットの発生が抑制される。さらに腐食の観点からみると、100mA/cm2未満であると、電解加工を行っているときに被加工物10の表面が部分的に腐食され、加工する金属表面に欠陥を生み出してしまう。100mA/cm2以上の電流を通電させることにより、被加工物10の加工面の全体に亘って溶解が一様に進行し、均一な加工が実現される。
【0059】
なお、通電させる電流密度が100A/cm2を超えると、抵抗発熱により液体6の沸騰や、イオン交換体5の劣化を招き、さらには、被加工物10の表面にダメージを与えてしまう。また、液体6が沸騰すると気泡が発生し、上述したガスピットが生じやすくなる。また、イオン交換体5が高温になると、軟化、溶解、亀裂等が起こり、被加工物10の加工工程に各種の問題を発生させる。さらに、電解加工時の電圧が上昇すると、直接消費電力に影響し、電解加工のランニングコストを増大させ、電源等の初期コストを増大させることになる。このような観点から、本実施形態では、電解加工時の好ましい電流密度は、500mA/cm2から50A/cm2であり、さらに好ましくは800mA/cm2から20A/cm2である。
【0060】
本実施形態では、パルス電圧の1周期において正電位となる時間は、50μs以上、7s以下である。すなわち、図2で示したパルス幅Tpは50μs以上、7s以下であることが好ましい。パルス電圧の1周期おいて正電位となる時間が50μs未満であると、パルス電圧を高周波数で印加することを意味し、電位が高速で変動することになる。イオン交換体を用いた超純水中での金属の電解加工では、金属(被加工物)の溶解反応、イオン交換体中における各種イオン(金属イオン、H+など)の移動及び置換の化学反応速度が律速になるため、電位の変動速度が早くなると、金属の電気化学的溶解反応が電位の変動に追いつかなくなる。したがって、金属が部分的に溶解し、金属の表面にピットのような欠陥を生じやすくなる。また、パルス電圧の周波数を高くするためには、複雑な構造の電源が必要となり、初期コストが高くなるという問題がある。
【0061】
一方、パルス電圧を印加するとき、電圧の1周期(1サイクル)において正電位となる時間が7sを超えると、直流電圧を印加したときと同じような現象が進行する。すなわち、陽極において酸素の気泡が成長し、これが金属表面に滞留してしまい、結果的にピット等の欠陥が生じやすくなると考えられる。パルス電圧の1サイクルあたりの正電位に維持する時間を7s以下にすることにより、酸素が連続的に発生することが防止され、さらに、一旦発生した酸素の気泡が金属表面から脱離する時間を与えてやることができる。本実施形態によれば、パルス電圧の1サイクル当りの正電位となる時間を50μs以上、7s以下にすることにより、被加工物10の加工がスムーズに進行し、かつ欠陥のない表面仕上げ加工が可能となる。なお、パルス電圧の1サイクルあたりの正電位となる時間を100μs以上、1s以下に維持することが好ましく、さらに500μs以上、500ms以下、好ましくは300ms以下、更に好ましくは100ms以下に維持することが好ましい。
【0062】
本実施形態では、被加工物10とイオン交換体5,5との間に液体6を供給しながら被加工物10の加工が行われる。本実施形態における液体6とは、水を主成分とした水溶液を意味する。液体6には、塩類、界面活性剤、金属キレート剤、金属表面処理剤、無機酸、有機酸、アルカリ等、酸化剤、還元剤、研粒等の各種添加剤が含まれていてもよい。これらの添加剤は、加工される金属の種類、用途に応じて適宜選択することができる。また、添加剤は、次のような目的で使用することができる。
【0063】
例えば、金属の電解加工時に起こる局部的な電解集中を防ぐために添加剤を使用することができる。ここで、平坦な加工面を得るための重要な要素として、「加工面全面の各点に於いて除去加工速度が均一である」という点が挙げられる。ある単一の電気化学的な除去反応が生じている状況下に於いて、局部的な除去加工速度の差が生じる原因としては、反応種の局部的な集中が考えられる。さらに、反応種が局部的に集中する原因としては、電解強度の偏りや反応種であるイオンの被加工物表面近傍での分布の偏りが考えられる。そこで、被加工物とイオン交換体との間に、イオン(例えば水酸化物イオン)の局部的な集中を防ぐ役割を果たす添加剤を存在させることで、イオンの局所的な集中を抑えことができる。
【0064】
電解加工時の加工レート(加工速度)を上げたいときには、被加工物(金属)と反応して金属キレートを形成するキレート剤を添加することができる。キレート剤を添加することにより、機械的強度の極めて弱い金属キレートの層が金属の表面に形成され、イオン交換体が接触するだけで金属の除去が可能となる。この場合、電気化学的反応によって金属をイオン化させると共に、キレート剤による純粋な化学反応によっても金属がイオン化されるため、より早く金属を加工することができる。
【0065】
加工する金属によっては、金属の表面に不動態膜が形成される場合がある。この不動態膜は電解反応を阻害するため、電解加工が困難になる。このような場合には、不動態膜の形成を抑制する還元剤を液体に添加してもよい。また、被加工物がチタン、アルミニウムなどの場合には、金属酸化物の不動態膜が被加工物の表面に形成される。この金属酸化物の不動態膜は、非常に強固で、しかも、不動態膜の形成を抑制することが難しく、このため、電気化学的反応のみで上記金属を加工することが難しい。このような場合には、液体に研粒を添加剤として加えることにより不動態膜に傷をつけ、この傷部分から電解加工を進行させるようにしてもよい。このように、液体には各種の添加剤が含まれていもよい。
【0066】
なお、液体に加える添加剤の量はできるだけ少なくすることが好ましく、また、液体6の電気伝導度は500μS/cm以下であることが好ましい。液体6の電気伝導度が500μS/cmを超えると、クリーンな環境で被加工物を加工するという本来の目的からずれてくる。すなわち、添加剤の量が多いほどクリ−ンな加工環境が崩れてしまい、廃液処理の問題や、被加工物10のコンタミネーション等が懸念される。このような観点から、液体6は電気伝導度が10μS/cm以下の純水であることがさらに好ましい。純水を使用して電解加工を行うことで、加工面に不純物を残さない清浄な加工を行うことができ、これによって、電解加工後の洗浄工程を簡素化することができる。通常の機械加工に要求される程度の平坦化及び鏡面仕上げであれば、液体として純水を使用すれば十分である。
【0067】
また、液体6は、例えば、電気伝導度が0.1μS/cm以下の超純水であることがさらに好ましい。例えば、半導体デバイスに使用される金属の電解加工を行う場合、半導体デバイスは不純物の影響を受けやすいため、液体として超純水を使用することが好ましい。本加工方法を用いて半導体デバイスの金属を加工する場合は、さらに、脱気された液体を用いることが好ましい。脱気の程度としては、溶存酸素が5ppm以下、好ましく溶存酸素が1ppm以下であり、さらに好ましくは溶存酸素が100ppb以下である。これは溶存酸素が低いほど、製品となる被加工物にピット等の欠陥が生じにくくなるためである。
【0068】
本実施形態では、電解加工の際に、イオン交換体5,5と被加工物10との間に液体が供給されていることが重要である。本実施形態では、イオン交換体5,5と被加工物10との間に液体を供給するために、イオン交換体5,5と被加工物10を液体6中に浸漬させている。なお、液体を供給する手段を用いて、被加工物10及びイオン交換体5,5が常に液体6に接触しているようにしてもよい。基本的には、加工されているときに、互いに接触している被加工物10の表面とイオン交換体5,5の表面とが液体6によって囲まれていればよい。
【0069】
本実施形態で使用されるイオン交換体5は、例えば、カチオン交換能またはアニオン交換能を付与したポリマー、不織布、織布で構成されている。カチオン交換体は、好ましくは強酸性カチオン交換基(スルホン酸基)を担持したものであるが、弱酸性カチオン交換基(カルボキシル基)を担持したものでもよい。また、アニオン交換体は、好ましくは強塩基性アニオン交換基(4級アンモニウム基)を担持したものであるが、弱塩基性アニオン交換基(3級以下のアミノ基)を担持したものでもよい。
【0070】
ここで、例えば強塩基アニオン交換能を付与した不織布は、繊維径20〜50μmで空隙率が約90%のポリオレフィン製の不織布に、γ線を照射した後グラフト重合を行う所謂放射線グラフト重合法により、グラフト鎖を導入し、次に導入したグラフト鎖をアミノ化して第4級アンモニウム基を導入して作製される。導入されるイオン交換基の容量は、導入するグラフト鎖の量により決定される。グラフト重合を行うためには、例えばアクリル酸、スチレン、メタクリル酸グリシジル、更にはスチレンスルホン酸ナトリウム、クロロメチルスチレン等のモノマーを用い、これらのモノマー濃度、反応温度及び反応時間を制御することで、重合するグラフト量を制御することができる。従って、グラフト重合前の素材の重量に対し、グラフト重合後の重量の比をグラフト率と呼ぶが、このグラフト率は、最大で500%が可能であり、グラフト重合後に導入されるイオン交換基は、最大で5meq/gが可能である。
【0071】
強酸性カチオン交換能を付与した不織布は、前記強塩基性アニオン交換能を付与する方法と同様に、繊維径20〜50μmで空隙率が約90%のポリオレフィン製の不織布に、γ線を照射した後グラフト重合を行う所謂放射線グラフト重合法により、グラフト鎖を導入し、次に導入したグラフト鎖を、例えば加熱した硫酸で処理してスルホン酸基を導入して作製される。また、加熱したリン酸で処理すればリン酸基が導入できる。ここでグラフト率は、最大で500%が可能であり、グラフト重合後に導入されるイオン交換基は、最大で5meq/gが可能である。
【0072】
なお、イオン交換体5の素材の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系高分子、またはその他有機高分子が挙げられる。また素材形態としては、不織布の他に、織布、シート、多孔質材、短繊維等が挙げられる。ここで、ポリエチレンやポリプロピレンは、放射線(γ線と電子線)を先に素材に照射する(前照射)ことで、素材にラジカルを発生させ、次にモノマーと反応させてグラフト重合することができる。これにより、均一性が高く、不純物が少ないグラフト鎖ができる。一方、その他の有機高分子は、モノマーを含浸させ、そこに放射線(γ線、電子線、紫外線)を照射(同時照射)することで、ラジカル重合することができる。この場合、均一性に欠けるが、ほとんどの素材に適用できる。
【0073】
このように、イオン交換体5をアニオン交換能またはカチオン交換能を付与した不織布で構成することで、純水または超純水や電解液等の液体が不織布の内部を自由に移動して、不織布内部のイオン交換能を有する活性点に容易に到達することが可能となって、多くの水分子が水素イオンと水酸化物イオンに解離され、基本的には低い印加電圧でも高電流が得られる。
【0074】
ここで、イオン交換体5をアニオン交換能またはカチオン交換能の一方を付与したもので構成すると、電解加工できる被加工材料が制限されるばかりでなく、極性により不純物が生成しやすくなる場合もある。そこで、イオン交換体を、アニオン交換能を有するアニオン交換体とカチオン交換能を有するカチオン交換体とを同心状に配置して構成するか、または、イオン交換体自体にアニオン交換能とカチオン交換能の双方の機能を付与してもよい。また、アニオン交換能を有するアニオン交換体とカチオン交換能を有するカチオン交換体とを扇状に形成して、交互に配置するようにしてもよい。なお、アニオン交換能またはカチオン交換能の一方を付与したイオン交換体を、被加工材料に合わせて使い分けてもよいことは勿論である。
【0075】
加工目的によっては、性質の異なる複数のイオン交換体を組み合わせて用いてもよい。例えば、硬度が高く、良好な表面平滑性を有するフッ素系のイオン交換体(イオン交換膜)と、素材として不織布を用いたイオン交換容量が大きいイオン交換体とを組み合わせたイオン交換体を用いることができる。
【0076】
図3を参照して、性質の異なる2種類のイオン交換体を組み合わせた本発明の第2の実施形態に係る電解加工について説明する。図3は、フッ素系のイオン交換体(隔膜質のイオン交換膜)と、素材として不織布を用いたイオン交換体(多孔質のイオン交換体)とを組み合わせたイオン交換体を用いて電解加工を行う様子を示す模式図である。
【0077】
図3に示すように、加工電極3には、多孔質のイオン交換体5Aが取り付けられ、このイオン交換体5Aの表面には隔膜質のイオン交換体5Bが取り付けられている。給電電極2は被加工物(金属)1に電気的に接続されている。被加工物1の表面はイオン交換体5Bに接触し、イオン交換体5Bと被加工物1との間には超純水等の液体6が供給されている。加工電極3と給電電極2との間には電源17によりパルス電圧が印加されている。
【0078】
被加工物1とイオン交換体5Bとは、被加工物1の表面に形成されている凸部1a,1b,1cにおいて接触している。被加工物1には電源17から正の電位がパルス状に与えられているので、被加工物1の凸部1a,1b,1cは電解反応を起こして溶解し、溶解した加工生成物(金属イオンなど)はイオン交換体5Bを通過した後、イオン交換体5Aに捕捉される。被加工物1の表面の凹部1d,1eは、純水または超純水等の電気伝導度が低い液体6に接触しているため、ここでは被加工物1の電気化学的溶解反応は進行しない。このようにして、被加工物1はその表面の凸部1a,1b,1cから優先的に除去されるため、被加工物1の表面の平坦化が進行する。
【0079】
上述したように、被加工物1から溶解した加工生成物は、イオン交換体5Bを通過し、次いで、多孔質のイオン交換体5Aに、金属イオン、金属酸化物又は金属水酸化物の形で捕捉される。したがって、液体6は不純物がほとんど存在しない状態に維持され、しかも、被加工物1に不純物が付着してしまうことが防止でき、加工後の被加工物の洗浄を簡素化することができる。また、本実施形態は、電解液を用いた従来の電解加工方法の原理と異なるため、金属膜表面への粘着層の形成やその厚さ管理などは必要ない。したがって、本実施形態では、電解加工時の運転管理を著しくシンプルにでき、かつ、凸部のみを選択的に除去できる。
【0080】
フッ素系のイオン交換体5Bは、硬度が高く、表面平滑性を有し、耐薬品性に優れていて、引張り強さも高いため、被加工物と接触させるイオン交換体として特に好ましく使用される。ここで、「硬度が高い」とは、剛性が高く、かつ圧縮弾性率が低いことを意味する。硬度が高いイオン交換体5Bを用いることにより、被加工物1の表面の微細な凹凸にイオン交換体5Bが倣いにくくなるため、被加工物1の表面の凸部1a,1b,1cのみを選択的に除去しやすい。また、「表面平滑性を有する」とは、表面の凹凸が小さいことを意味する。すなわち、イオン交換体5Bが、被加工物1の表面の凹部1d,1eに接触しにくくなるため、凸部1a,1b,1cのみを選択的(優先的)に除去しやすくなる。
【0081】
一般に、電解加工により金属の平坦化を行う場合、被加工物とイオン交換体とを互いに接触させながら相対運動させるため、イオン交換体の繊維のほつれ、切れ屑、こすり屑等が生じやすい。また、電解加工を行っている間は、被加工物とイオン交換体との間に電気的な吸引力が働くため、これらの間に作用する磨耗力が大きくなる。そこで、本実施形態のように、硬度が高く、良好な表面平滑性を有するフッ素系のイオン交換体5Bを被加工物1の表面と接触する部分に配置することによって、イオン交換体5A,5Bのほつれなどが防止できる。
【0082】
フッ素系のイオン交換体5Bの種類は特に限定されない。例えば、パーフルオロスルホン酸樹脂、いわゆるナフィオン(デュポン社の登録商標、以下同じ)として知られているものをイオン交換体5Bとして使用することができる。ナフィオンのような滑らかな表面を有するイオン交換体を用いることによって、極めて平坦度の高い加工面を得ることができる。また、フッ素系のイオン交換体5Bと、イオン交換容量の大きいイオン交換体(不織布イオン交換体)5Aとを組み合わせることにより、フッ素系のイオン交換体5Bを通過した被加工物のイオンを、不織布イオン交換体5Bに保持させることができる。
【0083】
被加工物1は、正の電位を与えられたときに、下記反応式によって電解反応を起こすものであればよい。また、被加工物1は、単成分の金属であってもよく、多成分を含む金属合金であってもよい。
被加工物(金属)の電解反応
Me → Men+ + ne− (1)
ここで、Meは被加工物1である金属を表し、Men+は被加工物が溶解したときの金属イオンを示す。Meの例として、Cu、Al、Fe、Ni、Cr、Mo、Ti、または機械加工に用いられる一般的なステンレス合金、真鋳、アルミニウム合金、インコネル等の各種金属または金属合金が挙げられる。
【0084】
電解反応により被加工物1から溶解した加工生成物は、Men+の状態でイオン交換体5Bを通過した後、イオン交換体5Aに保持され、金属イオン、金属酸化物、金属水酸化物を形成して、イオン交換体5Aに付着する。図3に示すように、加工電極3は、イオン交換体5A,5Bを挟んで被加工物1の表面の反対側に配置される。ここで、加工電極3及び給電電極2は、電解反応により、酸化または溶出が一般に問題となる。このため、加工電極3の素材としては、電気化学的に安定な金属が用いられ、一般的には、白金、イリジウム、ルテニウムなどの貴金属、又はこれらの導電性を有する酸化物を用いることができる。
【0085】
給電電極2としては、カーボンスチール、チタン、ステンレス等の金属を下地として用い、その表面に白金、イリジウム、ルテニウムなどの金属を電気めっき、CVD、焼成等によりコーティングしたものを用いることができる。なお、被加工物に正または0の電位のみを与える場合は、電解反応に起因する給電電極2の腐食の問題を考慮する必要がない。したがって、給電電極2として、ステンレス、銅、真鋳、カーボンスチール等の安価な金属をそのままの状態で用いることができる。
【0086】
図3に示すように、本実施形態においては、加工電極3は、イオン交換体5A,5Bによって被加工物1及び液体6から隔離される。したがって、電解反応によって被加工物1の表面から溶解した加工生成物は、金属イオン、金属酸化物、金属水酸化物の形で除去され、イオン交換体5Aに捕捉される。このように、除去された加工生成物がイオン交換体5Aに保持されるため、加工に使用されている純水などの液体を汚染することがない。したがって、加工された金属製品は常にクリーンに維持され、電解加工後の洗浄工程が省かれる。
【0087】
次に、本発明の第3の実施形態に係る電解加工装置について図4を参照して説明する。図4は本発明の第3の実施形態に係る電解加工装置を模式的に示す断面図である。本実施形態は、円筒状の金属の内面を研磨する電解加工装置に本発明を適用した例である。以下、本実施形態に係る電解加工装置を用いて水圧シリンダーの内周面を研磨する場合について説明する。
【0088】
本実施形態に係る電解加工装置は、給電電極としてのブラシ電極2と、加工電極3と、ブラシ電極2と加工電極3との間にパルス電圧を印加する電源21と、純水などの液体6を内部に貯留させる液槽11と、水圧シリンダー20を固定するためのクランプ22及び回転台23とを備えている。
【0089】
被加工物である水圧シリンダー20は、回転台23上に設けられたクランプ(チャック)22により把持されている。回転台23はシャフト24を介して回転機構(図示せず)に接続されており、クランプ22に把持された水圧シリンダー20は、この回転機構によって回転するようになっている。水圧シリンダー20は、その中心が回転台23の回転中心点と一致するようにクランプ22により位置決めされている。なお、水圧シリンダー20の回転速度は、10〜1000rpmに設定される。
【0090】
回転台23及びクランプ22は、液槽11の内部に配置されている。液槽11の内部には液体6が満たされており、クランプ22に把持された水圧シリンダー20と回転台23とは、いずれも液体6中に浸漬されている。なお、回転台23と回転機構とを連結するシャフト24は液槽11の底部を貫通するため、液槽11から液体6が漏れ出さないようにシャフト24には軸封機構26が設けられている。
【0091】
回転台23の上方には、シャフト24の延長線上に沿って延びる電極固定軸25が配置されている。この電極固定軸25は駆動機構(図示せず)に連結されており、この駆動機構により電極固定軸25はY方向及びZ方向に移動されるようになっている。電極固定軸25の下端近傍には加工電極3が固定されており、この加工電極3にはイオン交換体5が取り付けられている。電極固定軸25は配線14を介して電源21の陰極端子に接続されている。電極固定軸25は導電性を有しているため、加工電極3は、電極固定軸25及び配線14を介して電源21の陰極端子に電気的に接続される。
【0092】
給電電極としてのブラシ電極2は、シャフト24の外周面に接触するように液槽11の外部に配置されている。このブラシ電極2は、配線13を介して電源21の陽極端子に接続されている。シャフト24、回転台23、及びクランプ22は、いずれも導電性を有しているため、クランプ22に把持された水圧シリンダー20は、電源21の陽極端子に電気的に接続される。なお、シャフト24と回転機構とは、互いに電気的に絶縁されている。
【0093】
次に、上述した本実施形態に係る電解加工装置を用いて水圧シリンダー20を電解加工する工程について説明する。
まず、液槽11の内部を満たす液体6中に水圧シリンダー20を沈め、クランプ22により水圧シリンダー20を把持させる。その後、回転機構により所定の回転速度で水圧シリンダー20を回転させる。次いで、電極固定軸25をZ軸に沿って下降させ、加工電極3及びイオン交換体5を水圧シリンダー20の内側に位置させる。さらに、電極固定軸25をY方向に沿って移動させ、イオン交換体5を水圧シリンダー20の内周面に接触させる。なお、イオン交換体5が水圧シリンダー20の内周面に接触した時点を把握するために電流や抵抗の変化を参考にするのが好ましい。
【0094】
電源21は、予め所定の定電流(CC)を出力するように設定されている。イオン交換体5が水圧シリンダー20に接触していることを確認した後、電源21のスイッチを入れる。そして、電源21によってブラシ電極(給電電極)2と加工電極3との間にパルス電圧を印加し、これにより、電解加工が開始される。電解加工を行っている間、電極固定軸25は上下方向に移動され、水圧シリンダー20の内周面の全体が加工される。
【0095】
次に、本発明の第4の実施形態に係る電解加工装置について図5乃至図7を参照して説明する。本実施形態は、半導体ウエハなどの基板の表面に形成された銅膜(Cu)を加工するための電解加工装置に本発明を適用した例である。より詳しくは、本実施形態に係る電解加工装置は、いわゆるダマシン法により配線パターンを形成するプロセスに使用されるものである。
【0096】
一般に、ダマシン法では次のような工程が行われる。まず、半導体ウエハなどの基板の表面に層間絶縁膜を形成し、この層間絶縁膜に溝状の微細な配線パターンを形成する。次いで、電気めっきなどによって基板の表面全体に銅膜を形成し、銅を配線パターンに埋め込む。そして、余分な銅を電解加工装置によって除去する。このようにして、配線パターンに沿った銅配線が形成される。以下、本実施形態に係る電解加工装置を備えた基板処理装置について説明する。
【0097】
図5は本実施形態に係る電解加工装置を備える基板処理装置の構成を示す平面図である。図5に示すように、この基板処理装置は、表面に導電体膜(被加工物)としての銅膜9を有する基板Wを収納したカセットを搬出入する搬出入部としての一対のロード・アンロード部30と、基板洗浄機32と、電解加工装置34とを備えている。これらの機器は直列に配置されており、これらの機器の間で基板Wを搬送して授受する搬送装置としての搬送ロボット36がこれらの機器と平行に配置されている。また、電解加工装置34による電解加工の際に、後述する加工電極と給電電極との間に印加する電圧又はこれらの間を流れる電流をモニタするモニタ部38がロード・アンロード部30に隣接して配置されている。
【0098】
図6は図5に示す電解加工装置34を模式的に示す斜視図である。図7は図6に示す電解加工装置34の断面図である。図6及び図7に示すように、電解加工装置34は、回転シャフト40と、回転シャフト40の自由端に垂設されて基板Wを下向き(フェイスダウン)に吸着保持する基板保持部42と、回転シャフト40を上下方向かつ水平面に沿って往復移動させる駆動機構(図示せず)と、矩形状の電極テーブル46の上面に載置された複数の給電電極2及び加工電極3と、給電電極2と加工電極3との間にパルス電圧を印加する電源48とを備えている。
【0099】
上述した駆動機構は回転シャフト40を回転させるためのモータ(図示せず)を備えており、このモータにより回転シャフト40を介して基板保持部42に保持された基板が回転するようになっている。本実施形態では、電極テーブル46の大きさは、基板保持部42に保持される基板Wの外径よりも一回り大きな大きさに設定されている。なお、上述した駆動機構は、従来のCMP装置に用いられている駆動機構を用いてもよい。
【0100】
本実施形態に係る基板保持部42は、真空圧により基板Wを吸着する、いわゆる真空チャック方式を採用しているが、これに限らず、例えば、つめにより基板を保持する機械式チャックを用いてもよい。この場合、基板に接触するつめが加工を阻害してしまうため、加工時に基板に対するつめの位置を移動させ、基板全面が均一に加工されるようにすることが好ましい。
【0101】
図6に示すように、複数の給電電極2及び加工電極3は、互いに平行に電極テーブル46の上面に配置されている。隣り合う給電電極2及び加工電極3は、電源48の陽極端子と陰極端子とに交互に接続されている。すなわち、給電電極2は配線13を介して電源48の陽極端子に接続され、加工電極3は配線14を介して電源48の陰極端子に接続されている。このように、本実施形態では、給電電極2と加工電極3とが並列かつ交互に配置される。なお、電極テーブル46は、シャフトを介して図示しない水平運動機構に連結されており、この水平運動機構によって電極テーブル46が水平運動するようになっている。この水平運動は、往復直線運動でも、いわゆるスクロール運動(非自転円軌道運動)でもよく、さらには自転運動でもよい。
【0102】
図6及び図7に示すように、それぞれの給電電極2及び加工電極3の上部にはイオン交換体5が取り付けられている。このイオン交換体5は、多孔質のイオン交換体5Aと、隔膜質のイオン交換体5Bとから構成されている。加工電極3の上面には多孔質のイオン交換体5Aが取り付けられており、このイオン交換体5Aと加工電極3とは、隔膜質のイオン交換体5Bにより完全に覆われている。
【0103】
イオン交換体5Bは、隔膜質であるため流体は通過させず、イオンのみを通過させる。一方、イオン交換体5Aは、多孔質であるため大きなイオン交換容量を有し、さらに、空隙率が高いため、液体や気体を通過させることができる。このような構成によれば、電解反応により発生した加工生成物(銅イオンなど)は、隔膜質のイオン交換体5Bを通過し、多孔質のイオン交換体5Aにより捕捉される。したがって、イオン交換体5Aとしては、できるだけイオン交換容量が大きい素材を使用することが好ましい。
【0104】
なお、本実施形態では、給電電極2にも、多孔質のイオン交換体5A及び隔膜質のイオン交換体5Bが取り付けられているが、本発明はこれに限られない。すなわち、イオン交換体に代えてカーボンフェルトなどを使用してもよい。また、給電電極2として、カーボンブラシ電極を用いてもよい。給電電極2は、基板W上に形成された銅膜9に電流を供給することができる材料、手段であれば特に限定されない。
【0105】
図7に示すように、給電電極2、加工電極3、及びイオン交換体5A,5Bは、電極テーブル46と共に液槽11の内部に配置されている。この液槽11には純水または超純水が満たされており、給電電極2、加工電極3、及びイオン交換体5A,5Bは、純水または超純水中に配置されている。なお、液槽11の底部を貫通するシャフト49には、液体の漏れを防ぐための軸封機構52が設けられている。
【0106】
図7に示すように、加工電極3には、上下方向に延びる複数の通孔54が形成されている。これらの通孔54は、加工電極3と電極テーブル46の上面との接触面に形成された溝状の複数の拡散流路55に連通している。さらに、これらの拡散流路55は、電極テーブル46の下部に形成された配管56を介して図示しない液体供給源に連通している。このような構成によれば、液体は、液体供給源から、配管56、拡散流路55、通孔54を介してイオン交換体5Aに供給される。なお、液体供給源から供給される液体は、液槽11に貯留されている純水または超純水とは異なる液体でも、同じ液体(純水または超純水)でもよい。
【0107】
このように、イオン交換体5Aを流れる液体によって、水(純水または超純水)の電解反応で発生した水素ガスをイオン交換体5Aから除去することができる。イオン交換体5Aを流れる液体によって搬送される水素ガスが被加工物(銅膜)9に接触すると、ガスピットが発生する原因となってしまう。そこで、イオン交換体の両端部にキャップ58を設け、このキャップ58によって液体及び水素ガスを捕捉させ、液体と共に水素を外部に排出させる。したがって、イオン交換体5Aを流れる液体及び水素ガスは、液槽11に貯留されている純水または超純水と接触することなく外部に排出される。なお、図6に示す矢印Aは液体がイオン交換体5Aから流出する方向を示す。なお、キャップ58を設けなくてもよく、また、イオン交換体5Aに供給される液体と液槽11に貯留される液体を同じ(例えば純水)にしてもよい。
【0108】
ここで、上記イオン交換体5Aに供給する液体として再生液を用いることにより、イオン交換体5Aに捕捉された加工生成物(銅イオンなど)を除去しつつ、このイオン交換体5Aを再生させることができる。この場合、再生液としては、硫酸、塩酸などの強酸性の電解液が使用される。液体供給源から供給された再生液はイオン交換体5Aと接触し、このイオン交換体5Aに捕捉されている加工生成物を強酸性のプロトンイオンで置換させることでイオン交換体5Aが再生される。なお、このようなイオン交換体5Aを再生するための構成を給電電極2にも設けてもよい。
【0109】
次に、本実施形態における基板処理装置を用いた基板処理(電解加工)について説明する。まず、表面に導電体膜(被加工部)として銅膜9を形成した基板Wを収納したカセットをロード・アンロード部30にセットし、このカセットから1枚の基板Wを搬送ロボット36で取り出す。搬送ロボット36は、取り出した基板Wを必要に応じて反転機(図示せず)で、基板Wの導電体膜(銅膜9)を形成した表面が下を向くように反転させる。
【0110】
搬送ロボット36は反転させた基板Wを受け取り、これを電解加工装置34に搬送し、基板保持部42により吸着保持させる。回転シャフト40を移動させて基板Wを保持した基板保持部42を給電電極2及び加工電極3の直上方の加工位置まで移動させ、液槽11に貯留されている純水または超純水に浸漬させる。次に、基板保持部42を下降させ、この基板保持部42で保持した基板Wをイオン交換体5Bの表面に接触させる。この状態で、回転シャフト40に連結されたモータ(図示せず)により基板Wを回転させ、同時に水平運動機構により電極テーブル46を水平運動させる。なお、この時、基板Wを回転させなくてもよい。また、定期的に所定角度(例えば45°)づつ、電極2,3の長手方向に対する角度をずらして加工むらを防ぐようにしてもよい。
【0111】
そして、電源48により給電電極2と加工電極3との間にパルス電圧を印加し、イオン交換体5A,5Bにより生成された水素イオン又は水酸化物イオンによって、加工電極3(陰極)において基板Wの表面の導電体膜(銅膜9)の電解加工を行う。なお、本実施形態では、電解加工中に駆動機構を駆動させて回転シャフト40及び基板保持部42をY方向に移動させる。このように、本実施形態では、電極テーブル46を水平運動させ、基板Wを給電電極2及び加工電極3の長手方向と垂直な方向に移動させながら加工を行う。
【0112】
電解加工中には、給電電極2と加工電極3との間に印加する電圧、又はこの間を流れる電流をモニタ部38でモニタして、エンドポイント(加工終点)を検知する。すなわち、同じ電圧(電流)を印加した状態で電解加工を行うと、材料によって流れる電流(印加される電圧)に違いが生じる。したがって、この電流又は電圧の変化をモニタすることでエンドポイントを確実に検知することができる。
【0113】
なお、モニタ部38で給電電極2と加工電極3との間に印加する電圧、又はこの間を流れる電流をモニタして加工終点を検知するようにした例を説明したが、このモニタ部38で、加工中の基板の状態の変化をモニタして、任意に設定した加工終点を検知したり、加工条件を変化させてもよい。この場合、加工終点は、被加工面の指定した部位について、所望の加工量に達した時点、もしくは加工量と相関関係を有するパラメータが所望の加工量に相当する量に達した時点を指す。このように、加工の途中においても、加工終点を任意に設定して検知できるようにすることで、多段プロセスでの電解加工が可能となる。
【0114】
電解加工完了後、電源48の接続を切り、基板保持部42の回転及び電極テーブル46のスクロール運動を停止させ、基板保持部42を上昇させ、回転シャフト40を移動させて基板Wを搬送ロボット36に受け渡す。基板Wを受け取った搬送ロボット36は、必要に応じて反転機(図示せず)に搬送して反転させた後、必要に応じて基板洗浄機32で洗浄・乾燥させ、その後、基板Wをロード・アンロード部30のカセットに戻す。
【0115】
この実施形態の電解加工装置34にあっても、パルス電圧の波形として、前述のように、例えば、図2(a)〜(d)に示す方形波又はサイン波が好ましく使用され、更に図2(a)及び図2(d)に示す負の電位電流がない波形がより好ましく使用される。この場合、負の電位電流がないパルス波形として、正電位に維持される時間(ON時間)に対して、0電位に維持されている時間(OFF時間)を長くした、いわゆる低デューティ比の波形を使用することが好ましい。これは、OFF時間における電極と被加工面の相対運動により、ON時間(加工中)に発生した気泡が被加工面から排除され、気泡の介在が起因となるピットが減少するためであると考えられる。
【0116】
図8に、この種の複数の給電電極2と加工電極3を並列に配置した電極テーブル46を備え、この電極テーブル46を被加工物(基板)に対してスクロール運動させながら該被加工物に加工を施すようにした電解加工装置を使用し、この電解加工装置に、OFF(最低電位=0V維持)時間を一定にし、ON(正電位維持)時間を変更させてデューティ比を変更させたパルス波形を印加して加工を行った場合(オンタイム)、この電解加工装置に、逆にON時間を一定にし、OFF時間を変更させてデューティ比を変更させたパルス波形を印加して加工を行った場合(オフタイム)、この電解加工装置に、全体の周期を変えることなく、オン/オフの時間配分を変えてデューティ比を変化させたパルス波形を印加して加工を行った場合(デューティ)、更に、図9に示すミニ・マルチバー(Mini Multi−bar)タイプの電極系を有する電解加工装置60を使用し、この電解加工装置にデューティ比を変更させたパルス波形を印加して加工を行った場合(ミニマルチ)におけるピットレベルとデューティ比の関係を示す。
図9に示す電解加工装置60は、回転(自転)自在な円形の電極テーブル62を備えており、この電極テーブル62の円周方向に沿った所定の位置に、両側に給水ノズル64を備えた加工電極66と給電電極68が交互に配置されている。そして、この電極テーブル62を回転させつつ、給水ノズル64から純水または超純水を供給して、電極テーブル62を回転に伴って移動する加工電極66と給電電極68と対向する位置に配置され、必要に応じて回転させた基板Wを加工するようにしている。
この図8から、デューティ比が50%以下の、いわゆる低デューティ比のパルス波形を使用することで、ピットの発生を抑えることができ、デューティ比を更に減少させることで、このピット発生の抑制効果を増長させることができることが判る。
つまり、ピットの発生を抑えるためには、デューティ比を極力下げることが望ましいが、前述のように、デューティ比を下げると、加工レートが低下し、特にデューティ比を10%以下まで下げると加工時間が長すぎてしまう。このため、デューティ比は、一般的には10以上、97%以下であるが、10%以上、80%以下であることが好ましく、10以上、50%以下であることが更に好ましい。
【0117】
次に、本発明に係る電解加工装置を用いてウエハ(基板)の表面に形成された銅膜を加工したときの実施例について図10乃至図13を参照して説明する。
【0118】
(実施例1)
直径20cmのウエハに厚さ1.5μmの銅膜を電気めっきにより形成したものを電解加工対象のサンプル(被加工物)とした。加工電極は、隔膜質イオン交換体と多孔質イオン交換体を白金板の通電部に積層したものを用いた。隔膜質イオン交換体として Nafion117(デュポン社登録商標、以下同じ)を用い、多孔質イオン交換体として、ポリエチレン不織布にグラフト重合によりスルホン酸基のイオン交換基を付けたものを用いた。加工電極及びウエハは超純水で満たされている水槽に水没させ、ウエハを回転機を用いて500rpmで回転させた。加工電極をバイポーラ電源の陰極に接続し、ブラシ電極(給電電極)を陽極に接続し、ブラシ電極を回転するウエハに接触させた。バイポーラ電源の最低電位を0Vに設定し、最高電位を10Vから40Vに設定し、パルス電圧の波形を方形波に設定した。パルス電圧のデューティ比は33%、パルス電圧の正電位維持時間は10ms、最低電位の0Vの維持時間は20msに設定した。このような条件でウエハを加工したときの加工面のSEM写真を図10(a)乃至図10(d)に示す。図10(a)乃至図10(d)は、10V(図10(a))、20V(図10(b))、30V(図10(c))及び40V(図10(d))のパルス電圧を印加したときの加工面のSEM写真を示す図である。この実施例では、直流で電解加工した後述する比較例1と比較して、ピットの発生数は著しく減少しており、SEM観察ではピットはほとんど見られなかった。また、この実施例によれば、方形波のパルス電圧が、ピットの数を低減させるために効果的であることが判った。
【0119】
(実施例2)
直径20cmのウエハに厚さ1.5μmの銅膜を電気めっきにより形成したものを電解加工対象のサンプル(被加工物)とした。加工電極は、隔膜質イオン交換体と多孔質イオン交換体と白金板の通電部で構成したものを用いた。隔膜質イオン交換体として Nafion117を用い、多孔質イオン交換体として、ポリエチレン不織布にグラフト重合によりスルホン酸基のイオン交換基を付けたものを用いた。加工電極及びウエハは超純水で満たされている水槽に水没させ、ウエハを回転機を用いて500rpmで回転させた。加工電極をバイポーラ電源の陰極に接続し、ブラシ電極(給電電極)を陽極に接続し、ブラシ電極を回転するウエハに接触させた。バイポーラ電源のパルス波を定電流モードに設定し、加工電極の面積換算で正電位時に80mA/cm2から1A/cm2の電流が流れるように設定した。パルス電圧のデューティ比は50%、周波数は50Hz、最低電位は0Vに設定した。このような条件でウエハを加工したときの加工面のSEM写真を図11(a)乃至図11(d)に示す。80mA/cm2(図11(a))、240mA/cm2(図11(b))でウエハを加工した場合には、ピット又は表面損傷が観察された。700mA/cm2(図11(c))及び1A/cm2(図11(d))で加工したウエハには損傷またピットが見られず、電流密度500mA/cm2以上の条件が好ましいことが明らかである。このように、本実施例によって、電流密度には適値があることが判る。
【0120】
(実施例3)
直径20cmのウエハに厚さ1.5μmの銅膜を電気めっきにより形成したものを電解加工対象のサンプル(被加工物)とした。加工電極は、隔膜質イオン交換体と多孔質イオン交換体と白金板の通電部で構成したものを用いた。隔膜質イオン交換体として Nafion117を用い、多孔質イオン交換体として、ポリエチレン不織布にグラフト重合によりスルホン酸基のイオン交換基を付けたものを用いた。加工電極及びウエハは、3μS/cmの純水で満たされている水槽に水没させ、回転機を用いてウエハを500rpmで回転させた。電源としてスライダックを準備し、スライダックの電源の出力側にダイオードを取り付け、負電位の半波をカットした。ダイオード出力側をブラシ電極に接続し、ブラシ電極は回転するウエハに接触させた。スライダックの入力電源として50Hz、100Vの施設電源を用いた。スライダックの出力側の電圧(実行値)が70Vになるように設定した。ウエハには、50Hzサイン波の負電位をカットしたパルス電圧が印加された。この条件で加工したときのウエハ加工面のSEM写真を図12に示す。銅は約700nm除去されており、この加工面でのピットは見られなかった。本実施例によれば、3μS/cmの純水を使用した場合でも、ピットの発生を防止するのに効果があることが判った。また、サイン波の一部を利用した波形でも効果があることが判った。
【0121】
(実施例4)
直径20cmのウエハに厚さ1.5μmの銅膜を電気めっきにより形成したものを電解加工対象のサンプル(被加工物)とした。加工電極は、隔膜質イオン交換体と多孔質イオン交換体と白金板の通電部で構成したものを用いた。隔膜質イオン交換体として Nafion117を用い、多孔質イオン交換体として、ポリエチレン不織布にグラフト重合によりスルホン酸基のイオン交換基を付けたものを用いた。加工電極及びウエハは、3μS/cmの純水で満たされている水槽に水没させ、回転機を用いてウエハを500rpmで回転させた。電源としてバイポーラ電源を用い、加工電極の面積換算で2.4A/cm2の電流が流れるように設定した。バイポーラ電源のパルス電圧は、最低電位0V、デューティ比50%、正電位維持時間10msの方形波に設定した。この条件で電解加工したウエハの金属表面に発生するピットをレーザー顕微鏡で観察した。発生したピットの数は金属表面1cm2当たり5万個以下であり、径は0.5μm、深さ0.2μm以下であった。同じ電流密度の直流電圧を用いた後述する比較例2と比較すると、パルス電圧ではピット数を著しく低減できることが明らかである。
【0122】
(実施例5)
回転機にSUS316製の1インチ高圧配管用のフランジを取り付け、加工電極とフランジを180μS/cmの水に浸漬させた。このフランジには、予め旋盤加工で製作したものを用いた。金属O−リングが設置されるガスケット部は幅5ミリの環状溝であり、このガスケット部に有効面積5mm×4mmの加工電極を接触させた。回転機を300rpmで回転させた。バイポーラ電源の陽極をブラシ電極を介して回転機のシャフトに接続し、フランジ全体にパルス電圧が印加されるようにした。バイポーラ電源のパルス波形を定電流モードに設定し、加工電極の面積換算で正電位時に1A/cm2の電流が流れるように設定した。パルス電圧の波形には方形波を使用し、デューティ比は50%、周波数は50Hzに設定した。この条件でフランジのガスケット部を3分間加工した。ガスケット部には鏡面が得られていた。また、この加工済みフランジに金属O−リングを設置し、水を用いて100MPaの圧力下で漏れ試験を行った結果、水のリークはまったく見られなかった。このことから、180μS/cmの水を用いた電解加工でも、極めて平坦度の高い被加工面が得られることが判った。
【0123】
次に、上記実施例の比較例として、従来の電解加工装置を用いてウエハの表面に形成された銅膜を加工したときの例を以下に示す。
【0124】
(比較例1)
直径20cmのウエハに厚さ1.5μmの銅膜を電気めっきにより形成したものを電解加工対象のサンプル(被加工物)とした。加工電極は、隔膜質イオン交換体と多孔質イオン交換体と白金板の通電部で構成したものを用いた。隔膜質イオン交換体として Nafion117を用い、多孔質イオン交換体として、ポリエチレン不織布にグラフト重合によりスルホン酸基のイオン交換基を付けたものを用いた。加工電極及びウエハは超純水で満たされている水槽に水没させ、ウエハを回転機を用いて500rpmで回転させた。加工電極を直流電源の陰極に接続し、給電電極であるブラシ電極を陽極に接続し、ブラシ電極を回転するウエハに接触させた。直流電源を定電圧モード(CV)に設定し、10Vから40Vの電圧を印加した。各DC電圧でウエハを加工した場合の加工面のSEM写真を図13(a)乃至図13(d)に示す。図13(a)乃至図13(d)は、10V(図13(a))、20V(図13(b))、30V(図13(c))及び40V(図13(d))の直流電圧を印加した場合の加工面のSEM写真を示す。直流電流で電解加工を行うと、ウエハの銅膜は印加した電圧に比例して加工レートが高くなることが観察されたが、総てのウエハにピットが見られ、ピットの数は多かった。図13(a)において、符号70で示される略円形を呈しているものがピットである。
【0125】
(比較例2)
直径20cmのウエハに厚さ1.5μmの銅膜を電気めっきにより形成したものを電解加工対象のサンプル(被加工物)とした。加工電極は、隔膜質イオン交換体と多孔質イオン交換体と白金板の通電部で構成したものを用いた。隔膜質イオン交換体として Nafion117を用い、多孔質イオン交換体として、ポリエチレン不織布にグラフト重合によりスルホン酸基のイオン交換基を付けたものを用いた。加工電極及びウエハは、水槽に貯留された3μS/cmの純水に浸漬させ、回転機を用いてウエハを500rpmで回転させた。電源として直流電源(DC)を用い、加工電極の面積換算で2.4A/cm2の電流が流れるように設定した。この条件で電解加工したウエハの金属表面に発生するピットをレーザー電子顕微鏡で観察した。発生したピットの数は、金属表面1cm2当たり100万個以上であった。また、ピットの径は0.5〜2μmと広い分布となっており、深さ0.3μmまでのものが見られた。
【0126】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、基板等の被加工物に物理的な欠陥を与えて被加工物の特性を損なうことを防止しつつ、電気化学的作用によって、例えばCMPに代わる電解加工等を施すことができ、これによって、CMP処理そのものを省略したり、CMP処理の負荷を低減したり、更には基板等の被加工物の表面に付着した付着物を除去(洗浄)することができる。本発明は特に高い機械的圧力を加えられない有機系絶縁膜などの低誘電率材料を用いた半導体基板の平坦化に適する。しかも、純水または超純水のみを使用しても基板を加工することができ、これによって、基板の表面に電解質等の余分な不純物が付着したり、残留したりすることをなくして、除去加工後の洗浄工程を簡略化できるばかりでなく、廃液処理の負荷を極めて小さくすることができる。また、本発明によれば、被加工物の不良品化を招いていたピットの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電解加工装置を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明に係るパルス電圧のパルス波形の例を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係るイオン交換体を用いて電解加工を行う様子を示す模式図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る電解加工装置を模式的に示す断面図である。
【図5】本発明の第4の実施形態に係る電解加工装置を備える基板処理装置の構成を示す平面図である。
【図6】図5に示す電解加工装置を模式的に示す斜視図である。
【図7】図5に示す電解加工装置の断面図である。
【図8】波形パルスのデューティ比を変えて電解加工を行ったときの該デューティ比とピットレベルの関係を示すグラフである。
【図9】ミニ・マルチバー(Mini Multi−bar)タイプの電極系を有する電解加工装置の概要を示す平面図である。
【図10】図10(a)乃至図10(d)は、10V(図10(a))、20V(図10(b))、30V(図10(c))及び40V(図10(d))のパルス電圧を電極に印加した場合の加工面のSEM写真を示す図である。
【図11】図11(a)乃至図11(d)は、80mA/cm2(図11(a))、240mA/cm2(図11(b))、700mA/cm2(図11(c))及び1A/cm2(図11(d))の電流密度を有する電流を電極に流した場合の加工面のSEM写真を示す図である。
【図12】スライダックの電源を用いてパルス電圧を印加した場合の加工面のSEM写真を示す図である。
【図13】図13(a)乃至図13(d)は、10V(図13(a))、20V(図13(b))、30V(図13(c))及び40V(図13(d))の直流電圧を電極に印加した場合の加工面のSEM写真を示す。
【符号の説明】
1 被加工物(金属)
2 給電電極
3 加工電極
5 イオン交換体
5A 多孔質のイオン交換体
5B 隔膜質のイオン交換体
6 液体
9 銅膜
10 被加工物(フランジ)
10a ガスケット部
11 液槽
12 基台
13,14 配線
15 バイポーラ電源
17 電源
20 被加工物(水圧シリンダー)
21 電源
22 クランプ
23 回転台
24 シャフト
25 電極固定軸
26 軸封機構
30 ロード・アンロード部
32 基板洗浄機
34 電解加工装置
36 搬送ロボット
38 モニタ部
40 回転シャフト
42 基板保持部
46 電極テーブル
48 電源
49 シャフト
51 固定部材
52 軸封機構
54 通孔
55 拡散流路
56 配管
58 キャップ
61 電解液
62 粘着層
70 ピット[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an electrolytic processing apparatus and an electrolytic processing method, and in particular, processes a conductive material formed on the surface of a substrate such as a semiconductor wafer and a metal part requiring high-precision surface finishing such as vacuum equipment and high-pressure equipment. The present invention relates to an electrolytic processing apparatus and an electrolytic processing method used for removing impurities adhered to the surface of a workpiece.
[0002]
[Prior art]
As a technique for flattening the surface of a workpiece and performing surface finishing, processing methods such as grinding, lapping, honing, and superfinishing are known. These processing methods are mechanical processing methods in which a workpiece or a grindstone is rotated at a high speed to cut the workpiece little by little, and a surface finish of a micron unit is possible. Such a processing method is widely used when processing a metal that requires a high-precision surface finish.In particular, a piston of an internal combustion engine, a gasket part of a vacuum device or a high-pressure device, a valve nozzle or a plug sheet, etc. It is used for processing of parts where high sealing properties need to be maintained on the surfaces where workpieces contact each other.
[0003]
When a mirror gloss finish is required for the workpiece, buff polishing using a polishing liquid is used. In buff polishing, silica, alumina, diamond fine particles and the like contained in the polishing liquid are attached to a buff cloth made of soft fibers, and the buff cloth is brought into contact with the workpiece while rotating the buff cloth. Is polished, and the workpiece is given a mirror gloss finish.
[0004]
However, in these processing methods, a mechanical force is applied to the workpiece, so that many defects are generated in the workpiece and characteristics of the workpiece may be lost. For example, when an aluminum member is polished by buffing, the workpiece is soft and the abrasive particles are buried in the surface of the workpiece, making it difficult to obtain a mirror finish.
[0005]
By the way, as a wiring material for forming a circuit on a substrate such as a semiconductor wafer, a trend to use copper (Cu) having a low electric resistivity and a high electromigration resistance in place of aluminum or an aluminum alloy has become remarkable. I have. This type of copper wiring is generally formed by embedding copper in a fine groove provided on the surface of a substrate. This copper wiring is formed by forming a film of copper on almost the entire surface of the substrate by a method such as CVD, sputtering and plating, and removing unnecessary portions of the copper other than the grooves by chemical mechanical polishing (CMP).
[0006]
The CMP technique is a technique first used as a method for eliminating a step in an interlayer insulating film generated during film formation in a semiconductor manufacturing process. Furthermore, this CMP technique is widely used for embedding a tungsten plug, polishing polysilicon, shallow trench isolation (STI), damascene process for aluminum or copper wiring, and polishing noble metals for electrodes.
[0007]
In general CMP, a slurry in which abrasive particles such as silica and cerium oxide are suspended is supplied to a workpiece such as a semiconductor wafer, and the workpiece is mechanically applied to a polishing pad (resin pad). By pressing and rotating the workpiece and the polishing pad, the step formed on the workpiece is eliminated, and the surface of the workpiece is flattened.
[0008]
In CMP, the chemical solution contained in the slurry forms a complex with the metal to be processed, and the abrasive particles can be expected to have the effect of directly removing not only the metal but also this complex. The polishing pad has appropriate hardness and roughness, and the workpiece is polished by rubbing the processing surface against the polishing pad while uniformly supplying the slurry containing the abrasive particles to the workpiece. Recently, a CMP apparatus has been developed in which abrasive particles are uniformly embedded in a polishing pad itself and slurry is not required. As these polishing pads are used more frequently, they lose appropriate roughness and lose their polishing effect. Therefore, in order to recover the roughness of the polishing pad, the roughness of the polishing pad is recovered by mechanically scratching the polishing pad with a tool (dresser) to which diamond particles or the like are fixed.
[0009]
However, in the field of the semiconductor industry, there is a tendency to use a porous Low-k material film having extremely weak mechanical strength as an insulating film with the recent high integration of devices. Such an insulating film having extremely low mechanical strength is easily broken by the pressing force of the polishing pad during the CMP process.
[0010]
There is electrolytic processing as a processing method for performing fine processing, flattening, surface finishing, and the like of a workpiece having such mechanically weak parts. This processing method is a method of processing a metal (workpiece) by the reverse reaction of so-called electroplating. In contrast to the conventional physical processing method, the metal is dissolved and removed by an electrochemical reaction. It is. Therefore, in the electrolytic processing, defects such as a work-affected layer and dislocation due to plastic deformation do not occur, and the workpiece can be processed without losing the properties of the material.
[0011]
In electrolytic processing, an electrolytic solution containing phosphoric acid, sulfuric acid, chromic acid, nitric acid, sodium carbonate, various other salts and organic substances is used, and the workpiece is dissolved and removed by applying an anodic potential to the workpiece. You. In this electrolytic processing, an appropriate electrolytic solution and electrolytic operation conditions are determined depending on the type of a workpiece, and various metals such as stainless steel, aluminum, copper, and titanium are processed by the electrolytic processing.
[0012]
Patent Document 1 discloses a method of using a chelating agent when processing a metal (workpiece) by electrolytic polishing using a pulse power supply. Generally, in CMP using a slurry (a suspension containing abrasive grains), there is a problem that defects such as dishing, erosion, and recess are generated on a metal processing surface because an operation of pressing the metal is performed. . According to the method disclosed in the above document, such a problem can be solved. According to the above method, a metal is chelated by a chelating agent, a mechanical strength is extremely low, a chelate film (adhesive layer) that can be easily removed is formed, and a step of removing a convex portion of the chelate film is repeated. Is flattened.
[0013]
[0014]
In the processing method disclosed in the above literature, some chemicals are used when the metal surface is flattened or finely processed chemically or electrochemically. These chemicals basically increase the environmental load, and when processing materials that require a high degree of cleanliness, such as semiconductor devices, there is concern about contamination by the chemicals. .
[0015]
Recently, a metal electrolytic processing method has been developed which has improved environmental load, contamination of a processed product or danger during operation (see
[0016]
As described above, according to the electrolytic processing method of processing a workpiece while supplying ultrapure water in a state where an ion exchanger is arranged, contamination of the workpiece is prevented, and the environmental load can be significantly reduced. it can. Further, according to the electrolytic processing method, it is possible to impart a specular gloss to the surface of various metal parts, and further, a cutting oil, a slurry containing an abrasive, an electrolytic solution required for a conventional metal machining and finishing method. Can be eliminated.
[0017]
Further, according to the electrolytic processing method using the ultrapure water, there is no need to provide a step of cleaning the workpiece, so that the operation time can be reduced and the equipment cost can be reduced. Furthermore, in comparison with the conventional electrolytic processing method using an electrolytic solution such as phosphoric acid, chromic acid, salts, chelating agents, and surfactants, the electrolytic processing method using an ion exchanger is basically pure water. Alternatively, since ultrapure water is used, the handling is safe and easy, and the environmental load is significantly reduced.
[0018]
[Patent Document 1]
JP 2001-322036 A
[Patent Document 2]
JP-A-7-336017
[Patent Document 3]
JP 2000-52235 A
[Patent Document 4]
JP 2001-64799 A
[0019]
[Problems to be solved by the invention]
However, although the electrolytic processing method using an ion exchanger has these advantages, it has been found that pits (micro holes) are formed on the processed surface depending on the type of the workpiece and the processing conditions. Was. These pits are pores that cannot be recognized by the naked eye as much as they are generated even when the electrolytically processed surface has a specular gloss. In other words, these pits are pores that become evident only after analysis with a scanning electron microscope, a laser microscope, an atomic force microscope, or the like.
[0020]
These pits may not particularly adversely affect the appearance of the product in the surface finishing of general mechanical parts. However, if pits are formed on a sealing surface that requires a high degree of sealing, such as a vacuum device or a pressure device, a desired vacuum or pressure cannot be obtained, and it is considered that metal corrosion further proceeds. Also, it is considered that formation of pits has various adverse effects on semiconductor devices.
[0021]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and can perform electrolytic processing without using a chemical solution.Moreover, the present invention effectively reduces the occurrence of pits that are considered to cause defective products to be processed. It is an object of the present invention to provide an electrolytic processing apparatus and an electrolytic processing method that can prevent such a problem.
[0022]
[Means for Solving the Problems]
As a result of diligent studies to solve the above-mentioned problems of the prior art, the inventors have found a method of efficiently suppressing the generation of pits without losing the effect of electrolytic processing using an ion exchanger. That is, the first aspect of the present invention provides a processing electrode, a power supply electrode for supplying power to the workpiece, and at least one of between the workpiece and the processing electrode or between the workpiece and the power supply electrode. An ion exchanger disposed, a power supply for applying a pulse voltage between the processing electrode and the power supply electrode, and a liquid for supplying a liquid between the workpiece and at least one of the processing electrode or the power supply electrode. And a supply unit.
[0023]
In general, the diameter of the pits tends to increase and the number of pits tends to increase as the electrolytic processing time increases. Further, as the electrode efficiency during electrolytic processing is lower, that is, as the electricity is used for a reaction other than the electrolytic reaction for dissolving the workpiece to be an anode and the amount of electricity is lost, the generation of pits becomes more prominent. Empirically, it has been clarified that the number of pits increases as gas (bubbles) is generated on the surface of the workpiece during electrolytic processing. When an electrolytic solution containing water is used, the number of pits increases as the amount of oxygen or hydrogen generated at the electrode increases, and thus the pits are also called gas pits. The occurrence of such pits is not known in the prior art of processing a workpiece while supplying pure water or ultrapure water with at least an ion exchanger disposed, and reduces the environmental burden. This has been a challenge in developing an electrolytic processing process that allows for this.
[0024]
According to the present invention, by applying a pulse voltage between the processing electrode and the power supply electrode, it is possible to prevent oxygen and hydrogen generated on the surface of the workpiece from growing as bubbles, and during electrolytic processing. The number of pits formed on the surface of the workpiece can be significantly reduced. In addition, since the reaction product dissolved from the workpiece is held by the ion exchanger, contamination to the workpiece is significantly reduced.
[0025]
In a preferred aspect of the present invention, the liquid is any one of pure water, ultrapure water, and an aqueous solution having an electric conductivity of 500 μS / cm or less.
According to the present invention, by performing electrolytic processing while supplying a liquid containing almost no impurities such as pure water or ultrapure water, clean processing can be performed without leaving impurities on the processed surface. In addition, since no chemical is used, safety for the operator during electrolytic processing is ensured, and furthermore, there is no problem of waste liquid treatment, so that the environmental load is significantly reduced.
[0026]
Here, the pure water is, for example, water having an electric conductivity (1 atm, converted into 25 ° C., the same applies hereinafter) of 10 μS / cm or less. Ultrapure water is water having an electric conductivity of 0.1 μS / cm or less. As described above, by performing electrolytic processing using pure water or ultrapure water, clean processing can be performed without leaving impurities on the processed surface, thereby simplifying a cleaning process after electrolytic processing. can do. Specifically, the washing step after the electrolytic processing may be omitted, or may be one or two steps.
[0027]
Further, for example, an additive such as a surfactant is added to pure water or ultrapure water, and the electric conductivity is 500 μS / cm or less, preferably 50 μS / cm, more preferably 0.1 μS / cm (specific ratio). By using a liquid having a resistance of 10 MΩ · cm or less, a layer having a uniform suppressing action for preventing the movement of ions is formed at the interface between the workpiece and the ion exchanger, and thereby, the ion exchange ( The concentration of (dissolution of metal) can be reduced to improve flatness.
[0028]
Another preferred embodiment of the present invention is characterized in that the minimum potential of the pulse voltage periodically becomes 0 or a negative potential.
According to the present invention, it is possible to more effectively prevent the occurrence of pits.
[0029]
In another preferred aspect of the present invention, the waveform of the pulse voltage is a part of a square wave or a sine wave.
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, the structure of an electrolytic processing apparatus, especially a power supply can be simplified, and the manufacturing cost of an apparatus can be reduced.
[0030]
In another preferred aspect of the present invention, the duty ratio of the positive potential of the pulse voltage is in a range from 10% to 97%.
If the duty ratio is less than 10%, the processing rate (processing speed) of the electrolytic processing becomes slow, and the processing time needs to be increased, which is not practical. On the other hand, if the duty ratio exceeds 97%, the generation of pits on the surface of the workpiece cannot be effectively suppressed, and the product (workpiece) becomes defective. The duty ratio of the pulse voltage of the present invention is preferably 10% or more and 80% or less, and more preferably 10% or more and 50% or less.
[0031]
Another preferred embodiment of the present invention is that the current density of the current flowing on the contact surface between the workpiece and the ion exchanger is 100 mA / cm. 2 Above, 100A / cm 2 It is characterized by the following.
The current density of the current flowing on the contact surface between the workpiece and the ion exchanger is 100 mA / cm. 2 If the current density is low, the effect of suppressing the generation of pits cannot be obtained. To explain this point in detail, the current density is 100 mA / cm 2 If it is less than 1, the oxidation reaction of water competing with the electrolytic reaction becomes dominant over the electrolytic reaction of the workpiece, and the generation of oxygen occurs preferentially over the dissolution of the workpiece. When a large amount of gas (gas) such as oxygen is generated, many pits are formed on the surface of the workpiece with the generation of the gas. Further, the current density is 100 mA / cm 2 If it is less than 1, the surface of the workpiece is partially corroded during electrolytic processing, and defects are generated on the surface of the workpiece. In the present invention, 100 mA / cm 2 By applying the above current, the amount of gas (gas) generated on the surface of the workpiece can be reduced, and the generation of pits can be more effectively prevented. Also, 100 mA / cm 2 According to the present invention described above, the dissolution of the workpiece progresses uniformly throughout, and a uniform processing action can be obtained.
[0032]
On the other hand, the current density is 100 A / cm 2 When the temperature exceeds the limit, water boils due to resistance heat, which causes deterioration of the ion exchanger, and further damages the surface of the workpiece. Further, when water boils, bubbles are generated, and the above-mentioned gas pits are generated. Further, the ion exchanger is softened, melted, cracked, etc. due to high heat. Thus, the current density is 100 A / cm 2 When the number exceeds the above range, various problems occur in the process of processing the workpiece. Furthermore, when the voltage at the time of electrolytic processing increases, power consumption is directly affected, the running cost of electrolytic processing is increased, and the initial cost of a power supply and the like is increased. In the present invention, from such a viewpoint, the current density is 100 A / cm. 2 It is as follows. The preferred current density during electrolytic processing is 500 mA / cm 2 From 50A / cm 2 And more preferably 800 mA / cm 2 To 20A / cm 2 It is.
[0033]
In another preferred aspect of the present invention, the time during which the positive potential is obtained in one cycle of the pulse voltage is 50 μs or more and 7 s or less.
If the time during which the potential becomes positive in one cycle of the pulse voltage is less than 50 μs, it means that the pulse voltage is applied at a high frequency, and the potential fluctuates at a high speed. In metal processing in ultrapure water using an ion exchanger, electrolytic reactions of metals (workpieces) and various ions (metal ions, H + And the like, the rate of the chemical reaction of transfer and substitution is rate-determining. If the rate of change in the potential is increased, the electrochemical dissolution reaction of the metal cannot catch up. Therefore, dissolution of the metal partially occurs, and pits are easily generated on the surface of the metal. Further, when the frequency of the pulse voltage is increased, the configuration of the power supply becomes complicated, and there is a problem that the manufacturing cost is increased.
[0034]
On the other hand, when a pulse voltage is applied, if the time during which a positive potential is obtained in one cycle (one cycle) of the voltage exceeds 7 seconds, a phenomenon similar to that in the case of applying a direct current performed as in the related art proceeds. start. That is, oxygen bubbles grow on the surface of the workpiece serving as the anode, and the oxygen bubbles easily stay on the surface of the workpiece, resulting in pits. From such a point of view, by setting the time for maintaining the positive potential in one cycle of the pulse voltage to 7 seconds or less, it is possible to suppress the continuous generation of oxygen, and to prevent the once generated oxygen bubbles from being generated on the workpiece. Can be given time to desorb from the surface. According to the present invention, by setting the time of the positive potential per cycle of the pulse voltage to be not less than 50 μs and not more than 7 s, it is possible to perform metal finishing smoothly and to carry out surface finishing with extremely small number of pits. It becomes possible. It is preferable that the time during which the positive potential per pulse voltage cycle becomes 100 μs or more and 1 s or less is maintained, more preferably 500 μs or more and 500 ms or less, preferably 300 ms or less, and more preferably 100 ms or less.
[0035]
Another preferred embodiment of the present invention is characterized in that the liquid is degassed so that dissolved oxygen is 1 ppm or less.
According to the present invention, the amount of oxygen generated during electrolytic processing can be reduced, and the number of pits formed on the surface of the workpiece can be further reduced.
[0036]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
FIG. 1 is a sectional view schematically showing the electrolytic processing apparatus according to the first embodiment of the present invention. In this embodiment, an example in which a gasket portion of a flange used for connecting pipes is polished will be described.
[0037]
In the present embodiment, the
[0038]
The electrolytic processing apparatus according to the present embodiment includes a holding portion (not shown) for holding the
[0039]
The electrolytic processing apparatus according to the present embodiment includes a
[0040]
[0041]
Next, a process of electrolytically processing the
First, the
[0042]
The
[0043]
When a liquid having a large resistance value such as pure water or ultrapure water is used as in the present embodiment, it is preferable that the ion exchanger be "contacted" with the surface of the workpiece. By bringing the ion exchanger into contact with the surface of the workpiece as described above, the electrical resistance can be reduced, the applied voltage can be reduced, and the power consumption can be reduced. Therefore, “contact” in the processing according to the present invention is not “pressing” in order to apply physical energy (stress) to a workpiece as in CMP, for example.
[0044]
This processing method removes the workpiece only by the purely electrochemical interaction with the workpiece. The physical interaction between the polishing member and the workpiece, such as CMP, and the polishing liquid The processing principle is different from the processing by mixing chemical interactions with the chemical species in the inside. In the electrolytic processing, a portion of the workpiece facing the processing electrode is processed, so that the surface of the workpiece can be processed into a desired surface shape by moving the processing electrode.
[0045]
In the electrolytic processing method according to the present embodiment, as described above, the liquid (pure water) 6 is supplied to the
[0046]
In the present embodiment, a bipolar power supply is used as a power supply for applying a pulse voltage. However, the present invention is not limited to this, and a power supply having another configuration may be used. For example, a DC power supply that periodically turns on and off the current by a timer and a relay control may be used. Alternatively, a 50/60 Hz AC power supply supplied to factories or homes may be connected to a circuit incorporating a diode to cut off the AC current by half a wave. Furthermore, a circuit may be formed by connecting an AC power supply, an insulating transformer, and a DC power supply, and a bias voltage may be applied to the AC voltage to form a pulse voltage. A means that can supply a periodically varying voltage (potential) using a thyristor, a capacitor, or a diode may be used. In addition, a generally available switching power supply can be used. A programmable power supply or a sequence control power supply capable of controlling a waveform can be particularly preferably used.
[0047]
Here, the principle that the application of the pulse voltage is considered to suppress the occurrence of pits will be described. The generation of pits is considered to be closely related to gas, particularly bubbles, in the electrolytic reaction field. The generation of pits is promoted regardless of whether hydrogen, oxygen, or air is present as bubbles in the electrolytic reaction field. The electrolytic reaction in which the metal dissolves when a positive potential is applied to the metal (workpiece) is as follows.
Me → Me n + + Ne − (1)
Since the reaction of the above (1) occurs in a liquid, it competes with the following reaction of oxidizing and decomposing water to generate oxygen.
[0048]
The above reaction (2) occurs on the surface of the metal, and the reaction proceeds at a specific point on the metal surface while a positive potential is applied to the metal, that is, while the metal serves as an anode. As the reaction (2) proceeds, oxygen grows into a bubble at a specific point on the surface of the metal, and this bubble is considered to cause pit formation. The principle of bubbles forming pits has not been elucidated at present, but it is considered to be a kind of point corrosion. According to the research conducted by the present inventors, the principle of the formation of the pits is completely different from the generation of craters on the metal surface due to electric discharge. In the case of electric discharge, a large amount of current flows instantaneously, but such a phenomenon is not seen at all in electrolytic metal processing using an ion exchanger.
[0049]
If bubbles remain on the surface of the metal during electrolytic processing, partial corrosion of the metal surface, that is, point corrosion occurs. In the present invention, it is considered that by applying a pulse voltage, the specific point where oxygen is generated can be intermittent, and bubble growth is suppressed, and as a result, pit generation is suppressed. In other words, while the pulse voltage is applied, the oxygen generation point does not always appear at the same place on the surface of the metal between the peak of the positive potential and the peak of the positive potential in the next cycle, so that oxygen grows as bubbles. Be suppressed.
[0050]
The principle that the generation of pits is suppressed by applying a pulse voltage can be further explained from the viewpoint that it is possible to give time for allowing the generated bubbles to escape into the liquid. That is, it is an important point to prevent the generation of pits that the bubbles do not stay on the surface of the metal. In the present embodiment, by periodically setting the lowest potential of the pulse voltage to 0, it is possible to give a time for allowing bubbles once generated on the surface of the metal to escape into the liquid. Furthermore, by periodically setting the minimum potential of the pulse voltage to a negative potential, bubbles (oxygen) attached to the surface of the metal can be eliminated. That is, the reverse reaction of the reaction formula (2) is caused on the surface of the metal, and the reaction of reducing oxygen existing as bubbles to water is caused, so that the bubbles can be eliminated from the surface of the metal.
[0051]
The principle that the pulse voltage suppresses the generation of pits can be further explained from the effect that the pulse voltage reduces the electric attraction between the ion exchanger and the metal. When a positive potential is applied to the metal during electrolytic processing, the surface of the ion exchanger strongly adheres to the metal. For this reason, water permeability is significantly deteriorated at the contact surface between the ion exchanger and the metal. This phenomenon becomes more remarkable when a diaphragm ion exchanger described later is used. Therefore, it is considered that bubbles are easily trapped between the ion exchanger and the metal, and pits are easily generated. When the potential of the metal becomes zero or a negative potential, the electric adsorption force is lost, and thus water permeability at the contact surface between the ion exchanger and the metal is restored. In this way, in the electrolytic processing in which a pulse voltage is applied, since the water permeability of the contact surface between the metal and the ion exchanger is periodically restored, it is necessary to prevent bubbles from remaining on the surface of the metal and to prevent generation of pits. It is thought that it is possible.
[0052]
In the present embodiment shown in FIG. 1, a square wave, a sine wave, a triangular wave, a sawtooth wave, a step wave, or the like is used as the waveform of the pulse voltage. FIG. 2 is a diagram illustrating an example of a pulse waveform of a pulse voltage according to the present embodiment. Note that, for example, square waves or sine waves shown in FIGS. 2A to 2D are preferably used. This is because square-wave and sine-wave power supplies are the easiest to manufacture, the power supply manufacturing costs are low, and they are the most practical.
[0053]
The duty ratio of the positive potential of the pulse voltage is preferably in the range from 10% to 97%. Here, the duty ratio (D) represents the time maintained at a positive potential per one cycle of the pulse voltage as a percentage, and is calculated by the following equation.
D = Tp / Ttot × 100 (3)
Note that Tp represents a pulse width, and Ttot represents a period.
[0054]
When the duty ratio is less than 10%, the time during which a positive potential is applied to the
[0055]
In this case, it is desirable that there is no negative potential current. This is because, when a negative current flows, hydrogen gas is generated on the surface of a workpiece such as copper, which is considered to be a cause of pit generation. That is, it is desirable to apply a bias to the rectangular wave as shown in FIG. 2A to make only a positive potential current, or to use a sine wave half-wave rectified to a positive potential as shown in FIG. 2D.
Further, it is known from experimental results that pits are less generated when a square wave (rectangular wave) is used than when a sine wave is used.
[0056]
When a negative potential is applied to the
[0057]
In the present embodiment, the current density of the current flowing on the contact surface between the workpiece 10 and the
[0058]
On the other hand, 100 mA / cm 2 With the above high current density, generation of gas (oxygen) is suppressed. The reason is that the mass transfer of water to the surface of the
[0059]
The current density at which the current is passed is 100 A / cm. 2 If the temperature exceeds the limit, boiling of the
[0060]
In the present embodiment, the time during which the potential is positive in one cycle of the pulse voltage is 50 μs or more and 7 s or less. That is, the pulse width Tp shown in FIG. 2 is preferably 50 μs or more and 7 s or less. If the time during which the potential becomes positive in one cycle of the pulse voltage is less than 50 μs, it means that the pulse voltage is applied at a high frequency, and the potential fluctuates at a high speed. In electrolytic processing of metal in ultrapure water using an ion exchanger, a dissolution reaction of a metal (workpiece) and various ions (metal ion, H + ), The rate of change in the potential becomes faster, so that the electrochemical dissolution reaction of the metal cannot catch up with the change in the potential. Therefore, the metal is partially melted, and defects such as pits are easily generated on the surface of the metal. Further, in order to increase the frequency of the pulse voltage, a power supply having a complicated structure is required, and there is a problem that the initial cost is increased.
[0061]
On the other hand, when applying a pulse voltage, if the time during which a positive potential is obtained in one cycle (one cycle) of the voltage exceeds 7 s, the same phenomenon as when a DC voltage is applied proceeds. In other words, it is considered that oxygen bubbles grow at the anode and stay on the metal surface, and as a result, defects such as pits are likely to occur. By setting the time for maintaining the positive potential per cycle of the pulse voltage to 7 s or less, it is possible to prevent the continuous generation of oxygen, and to further reduce the time for once generated oxygen bubbles to desorb from the metal surface. You can give it. According to the present embodiment, by setting the time of the positive potential per cycle of the pulse voltage to be 50 μs or more and 7 s or less, the processing of the
[0062]
In the present embodiment, the processing of the
[0063]
For example, additives can be used to prevent localized electrolytic concentration that occurs during electrolytic processing of metals. Here, an important factor for obtaining a flat processed surface is that the removal processing speed is uniform at each point on the entire processed surface. In a situation where a single electrochemical removal reaction is occurring, a local difference in removal processing speed may be caused by local concentration of reactive species. Further, as a cause of the localized concentration of the reactive species, a bias in the electrolytic strength and a bias in the distribution of ions as the reactive species near the surface of the workpiece can be considered. Therefore, the presence of an additive between the workpiece and the ion exchanger, which serves to prevent local concentration of ions (for example, hydroxide ions), can suppress local concentration of ions. it can.
[0064]
When it is desired to increase the processing rate (processing rate) during electrolytic processing, a chelating agent that reacts with a workpiece (metal) to form a metal chelate can be added. By adding the chelating agent, a metal chelate layer having extremely low mechanical strength is formed on the surface of the metal, and the metal can be removed only by contact with the ion exchanger. In this case, since the metal is ionized by the electrochemical reaction and the metal is also ionized by the pure chemical reaction by the chelating agent, the metal can be processed more quickly.
[0065]
Depending on the metal to be processed, a passivation film may be formed on the surface of the metal. Since the passivation film inhibits an electrolytic reaction, electrolytic processing becomes difficult. In such a case, a reducing agent for suppressing the formation of a passive film may be added to the liquid. When the workpiece is titanium, aluminum, or the like, a passivation film of a metal oxide is formed on the surface of the workpiece. This passivation film of a metal oxide is very strong, and it is difficult to suppress the formation of the passivation film. Therefore, it is difficult to process the metal only by an electrochemical reaction. In such a case, the passivation film may be damaged by adding an abrasive to the liquid as an additive, and electrolytic processing may be started from the damaged portion. Thus, the liquid may contain various additives.
[0066]
It is preferable that the amount of the additive added to the liquid is as small as possible, and it is preferable that the electric conductivity of the
[0067]
Further, the
[0068]
In the present embodiment, it is important that a liquid is supplied between the
[0069]
The
[0070]
Here, for example, a nonwoven fabric having a strong base anion exchange ability is obtained by so-called radiation graft polymerization in which a nonwoven fabric made of polyolefin having a fiber diameter of 20 to 50 μm and a porosity of about 90% is irradiated with γ-rays and then subjected to graft polymerization. , A graft chain is introduced, and then the introduced graft chain is aminated to introduce a quaternary ammonium group. The capacity of the ion exchange group to be introduced is determined by the amount of the graft chain to be introduced. In order to perform the graft polymerization, for example, acrylic acid, styrene, glycidyl methacrylate, further using a monomer such as sodium styrenesulfonate, chloromethylstyrene, by controlling the concentration of these monomers, reaction temperature and reaction time, The amount of graft to be polymerized can be controlled. Therefore, the ratio of the weight after the graft polymerization to the weight of the material before the graft polymerization is referred to as the graft ratio, and the graft ratio can be up to 500%. , At most 5 meq / g.
[0071]
The nonwoven fabric provided with the strongly acidic cation exchange ability was irradiated with γ-rays on the polyolefin nonwoven fabric having a fiber diameter of 20 to 50 μm and a porosity of about 90% in the same manner as in the method of providing the strong basic anion exchange ability. It is produced by introducing a graft chain by a so-called radiation graft polymerization method in which post-graft polymerization is performed, and then treating the introduced graft chain with, for example, heated sulfuric acid to introduce a sulfonic acid group. Further, by treating with heated phosphoric acid, a phosphate group can be introduced. Here, the graft ratio can be up to 500%, and the ion exchange group introduced after graft polymerization can be up to 5 meq / g.
[0072]
In addition, as a material of the material of the
[0073]
As described above, by forming the
[0074]
Here, when the
[0075]
Depending on the processing purpose, a plurality of ion exchangers having different properties may be used in combination. For example, use of an ion exchanger in which a fluorine-based ion exchanger (ion exchange membrane) having high hardness and good surface smoothness is combined with an ion exchanger having a large ion exchange capacity using a nonwoven fabric as a material. Can be.
[0076]
With reference to FIG. 3, the electrolytic processing according to the second embodiment of the present invention in which two types of ion exchangers having different properties are combined will be described. FIG. 3 shows electrolytic processing using an ion exchanger obtained by combining a fluorine-based ion exchanger (diaphragm-type ion exchange membrane) and an ion exchanger using a nonwoven fabric as a material (porous ion exchanger). It is a schematic diagram which shows a mode that it performs.
[0077]
As shown in FIG. 3, a
[0078]
The workpiece 1 and the
[0079]
As described above, the processing product dissolved from the workpiece 1 passes through the
[0080]
The fluorine-based
[0081]
Generally, when a metal is flattened by electrolytic processing, the workpiece and the ion exchanger are relatively moved while being in contact with each other, so that the fibers of the ion exchanger tend to be frayed, cut, scraped, and the like. In addition, during the electrolytic processing, an electric attraction force acts between the workpiece and the ion exchanger, so that the abrasion force acting between them increases. Therefore, by arranging the fluorine-based
[0082]
The type of the fluorine-based
[0083]
The workpiece 1 only needs to cause an electrolytic reaction according to the following reaction formula when a positive potential is applied. The workpiece 1 may be a single-component metal or a metal alloy containing multiple components.
Electrolytic reaction of workpiece (metal)
Me → Me n + + Ne − (1)
Here, Me represents the metal that is the workpiece 1 and Me n + Indicates metal ions when the workpiece is dissolved. Examples of Me include various metals or metal alloys such as Cu, Al, Fe, Ni, Cr, Mo, Ti, or common stainless alloys, brass casts, aluminum alloys, and inconel used for machining.
[0084]
The processed product dissolved from the workpiece 1 by the electrolytic reaction is Me n + After passing through the
[0085]
As the
[0086]
As shown in FIG. 3, in the present embodiment, the
[0087]
Next, an electrolytic processing apparatus according to a third embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. FIG. 4 is a sectional view schematically showing an electrolytic processing apparatus according to a third embodiment of the present invention. The present embodiment is an example in which the present invention is applied to an electrolytic processing apparatus for polishing an inner surface of a cylindrical metal. Hereinafter, a case in which the inner peripheral surface of the hydraulic cylinder is polished using the electrolytic processing apparatus according to the present embodiment will be described.
[0088]
The electrolytic processing apparatus according to this embodiment includes a
[0089]
The
[0090]
The
[0091]
An electrode fixed
[0092]
The
[0093]
Next, a step of electrolytically processing the
First, the
[0094]
The
[0095]
Next, an electrolytic processing apparatus according to a fourth embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. This embodiment is an example in which the present invention is applied to an electrolytic processing apparatus for processing a copper film (Cu) formed on the surface of a substrate such as a semiconductor wafer. More specifically, the electrolytic processing apparatus according to the present embodiment is used in a process of forming a wiring pattern by a so-called damascene method.
[0096]
Generally, the following steps are performed in the damascene method. First, an interlayer insulating film is formed on the surface of a substrate such as a semiconductor wafer, and a fine groove-shaped wiring pattern is formed in the interlayer insulating film. Next, a copper film is formed on the entire surface of the substrate by electroplating or the like, and copper is embedded in the wiring pattern. Then, excess copper is removed by an electrolytic processing apparatus. Thus, a copper wiring is formed along the wiring pattern. Hereinafter, a substrate processing apparatus including the electrolytic processing apparatus according to the present embodiment will be described.
[0097]
FIG. 5 is a plan view illustrating a configuration of a substrate processing apparatus including the electrolytic processing apparatus according to the present embodiment. As shown in FIG. 5, the substrate processing apparatus includes a pair of loading / unloading units as loading / unloading units for loading / unloading a cassette containing a substrate W having a
[0098]
FIG. 6 is a perspective view schematically showing the
[0099]
The above-described driving mechanism includes a motor (not shown) for rotating the
[0100]
The
[0101]
As shown in FIG. 6, the plurality of feeding
[0102]
As shown in FIGS. 6 and 7, an
[0103]
Since the
[0104]
In the present embodiment, the
[0105]
As shown in FIG. 7, the
[0106]
As shown in FIG. 7, a plurality of through
[0107]
Thus, the hydrogen gas generated by the electrolytic reaction of water (pure water or ultrapure water) can be removed from the
[0108]
Here, by using a regenerating liquid as a liquid to be supplied to the
[0109]
Next, substrate processing (electrolytic processing) using the substrate processing apparatus according to the present embodiment will be described. First, a cassette accommodating a substrate W having a
[0110]
The
[0111]
Then, a pulse voltage is applied between the
[0112]
During the electrolytic processing, a voltage applied between the
[0113]
In addition, although an example was described in which the voltage applied between the
[0114]
After the completion of the electrolytic processing, the
[0115]
Even in the
[0116]
FIG. 8 shows an electrode table 46 in which a plurality of
The
From FIG. 8, it is possible to suppress the occurrence of pits by using a pulse waveform with a duty ratio of 50% or less, that is, a so-called low duty ratio, and to further reduce the duty ratio, thereby suppressing the occurrence of pits. It can be seen that can be increased.
That is, in order to suppress the occurrence of pits, it is desirable to reduce the duty ratio as much as possible. However, as described above, when the duty ratio is reduced, the processing rate is reduced. In particular, when the duty ratio is reduced to 10% or less, the processing time is reduced. Is too long. For this reason, the duty ratio is generally 10 or more and 97% or less, preferably 10% or more and 80% or less, more preferably 10 or more and 50% or less.
[0117]
Next, an embodiment in which a copper film formed on the surface of a wafer (substrate) is processed using the electrolytic processing apparatus according to the present invention will be described with reference to FIGS.
[0118]
(Example 1)
A copper film having a thickness of 1.5 μm formed on a wafer having a diameter of 20 cm by electroplating was used as a sample (workpiece) to be subjected to electrolytic processing. The working electrode used was one obtained by laminating a membrane ion exchanger and a porous ion exchanger on a current-carrying portion of a platinum plate. Nafion 117 (registered trademark of DuPont, the same applies hereinafter) was used as a diaphragm ion exchanger, and a porous non-exchange material obtained by attaching a sulfonic acid group ion-exchange group to a polyethylene nonwoven fabric by graft polymerization was used. The processing electrode and the wafer were submerged in a water tank filled with ultrapure water, and the wafer was rotated at 500 rpm using a rotating machine. The processing electrode was connected to the cathode of the bipolar power supply, the brush electrode (feeding electrode) was connected to the anode, and the brush electrode was brought into contact with the rotating wafer. The minimum potential of the bipolar power supply was set to 0 V, the maximum potential was set to 10 V to 40 V, and the pulse voltage waveform was set to a square wave. The duty ratio of the pulse voltage was set to 33%, the positive voltage maintaining time of the pulse voltage was set to 10 ms, and the maintaining time of the lowest potential of 0 V was set to 20 ms. FIGS. 10A to 10D show SEM photographs of the processed surface when the wafer is processed under such conditions. 10 (a) to 10 (d) show pulses of 10V (FIG. 10 (a)), 20V (FIG. 10 (b)), 30V (FIG. 10 (c)) and 40V (FIG. 10 (d)). FIG. 4 is a diagram showing an SEM photograph of a processed surface when a voltage is applied. In this example, the number of generated pits was remarkably reduced as compared with Comparative Example 1 described later, which was electrolytically processed by direct current, and almost no pits were observed by SEM observation. Further, according to this example, it was found that the pulse voltage of the square wave was effective for reducing the number of pits.
[0119]
(Example 2)
A copper film having a thickness of 1.5 μm formed on a wafer having a diameter of 20 cm by electroplating was used as a sample (workpiece) to be subjected to electrolytic processing. As the working electrode, an electrode composed of a diaphragm ion exchanger, a porous ion exchanger, and a current-carrying portion of a platinum plate was used. The membrane ion exchanger used was Nafion 117, and the porous ion exchanger used was a polyethylene nonwoven fabric to which a sulfonic acid group ion exchange group was attached by graft polymerization. The processing electrode and the wafer were submerged in a water tank filled with ultrapure water, and the wafer was rotated at 500 rpm using a rotating machine. The processing electrode was connected to the cathode of the bipolar power supply, the brush electrode (feeding electrode) was connected to the anode, and the brush electrode was brought into contact with the rotating wafer. The pulse wave of the bipolar power supply is set to the constant current mode, and the area of the machining electrode is converted to 80 mA / cm at a positive potential. 2 From 1A / cm 2 Was set to flow. The duty ratio of the pulse voltage was set to 50%, the frequency was set to 50 Hz, and the lowest potential was set to 0V. FIGS. 11A to 11D show SEM photographs of the processed surface when the wafer is processed under such conditions. 80mA / cm 2 (FIG. 11A), 240 mA / cm 2 When the wafer was processed in (FIG. 11B), pits or surface damage were observed. 700mA / cm 2 (FIG. 11C) and 1 A / cm 2 No damage or pits were found on the wafer processed in FIG. 11D, and the current density was 500 mA / cm. 2 It is clear that the above conditions are preferable. As described above, according to the present embodiment, it is found that the current density has an appropriate value.
[0120]
(Example 3)
A copper film having a thickness of 1.5 μm formed on a wafer having a diameter of 20 cm by electroplating was used as a sample (workpiece) to be subjected to electrolytic processing. As the working electrode, an electrode composed of a diaphragm ion exchanger, a porous ion exchanger, and a current-carrying portion of a platinum plate was used. The membrane ion exchanger used was Nafion 117, and the porous ion exchanger used was a polyethylene nonwoven fabric to which a sulfonic acid group ion exchange group was attached by graft polymerization. The processing electrode and the wafer were submerged in a water tank filled with 3 μS / cm of pure water, and the wafer was rotated at 500 rpm using a rotating machine. Slidac was prepared as a power supply, a diode was attached to the output side of the power supply of the Slidac, and a half wave of a negative potential was cut. The diode output was connected to a brush electrode, which was in contact with the rotating wafer. A 50 Hz, 100 V facility power supply was used as an input power supply for the Slidac. The voltage (execution value) on the output side of the SLIDAC was set to 70 V. A pulse voltage obtained by cutting the negative potential of a 50 Hz sine wave was applied to the wafer. FIG. 12 shows an SEM photograph of the processed surface of the wafer when processed under these conditions. Copper was removed by about 700 nm, and no pits were found on this processed surface. According to this example, it was found that even when pure water of 3 μS / cm was used, it was effective in preventing the generation of pits. It was also found that a waveform using a part of a sine wave was effective.
[0121]
(Example 4)
A copper film having a thickness of 1.5 μm formed on a wafer having a diameter of 20 cm by electroplating was used as a sample (workpiece) to be subjected to electrolytic processing. As the working electrode, an electrode composed of a diaphragm ion exchanger, a porous ion exchanger, and a current-carrying portion of a platinum plate was used. The membrane ion exchanger used was Nafion 117, and the porous ion exchanger used was a polyethylene nonwoven fabric to which a sulfonic acid group ion exchange group was attached by graft polymerization. The processing electrode and the wafer were submerged in a water tank filled with 3 μS / cm of pure water, and the wafer was rotated at 500 rpm using a rotating machine. A bipolar power supply is used as the power supply, and the area of the processing electrode is converted to 2.4 A / cm. 2 Was set to flow. The pulse voltage of the bipolar power supply was set to a square wave having a minimum potential of 0 V, a duty ratio of 50%, and a positive potential maintaining time of 10 ms. Pits generated on the metal surface of the wafer electrolytically processed under these conditions were observed with a laser microscope. The number of generated pits is 1 cm on the metal surface 2 Per 50,000 or less, the diameter was 0.5 μm and the depth was 0.2 μm or less. It is clear that the pulse voltage can significantly reduce the number of pits as compared with Comparative Example 2 described later using a DC voltage having the same current density.
[0122]
(Example 5)
A flange for SUS316 1-inch high-pressure piping was attached to the rotating machine, and the working electrode and the flange were immersed in water of 180 μS / cm. The flange was manufactured in advance by lathing. The gasket portion on which the metal O-ring was installed was an annular groove having a width of 5 mm, and a working electrode having an effective area of 5 mm × 4 mm was brought into contact with the gasket portion. The rotating machine was rotated at 300 rpm. The anode of the bipolar power supply was connected to the shaft of the rotating machine via the brush electrode so that a pulse voltage was applied to the entire flange. Set the pulse waveform of the bipolar power supply to the constant current mode, and convert the area of the machining electrode to 1 A / cm at positive potential 2 Was set to flow. A square wave was used as the pulse voltage waveform, the duty ratio was set to 50%, and the frequency was set to 50 Hz. Under these conditions, the gasket portion of the flange was machined for 3 minutes. The gasket had a mirror surface. A metal O-ring was installed on the processed flange, and a leak test was performed using water at a pressure of 100 MPa. As a result, no water leak was observed. From this, it was found that even with electrolytic processing using water of 180 μS / cm, a processed surface with extremely high flatness could be obtained.
[0123]
Next, as a comparative example of the above embodiment, an example in which a copper film formed on the surface of a wafer is processed using a conventional electrolytic processing apparatus will be described below.
[0124]
(Comparative Example 1)
A copper film having a thickness of 1.5 μm formed on a wafer having a diameter of 20 cm by electroplating was used as a sample (workpiece) to be subjected to electrolytic processing. As the working electrode, an electrode composed of a diaphragm ion exchanger, a porous ion exchanger, and a current-carrying portion of a platinum plate was used. The membrane ion exchanger used was Nafion 117, and the porous ion exchanger used was a polyethylene nonwoven fabric to which a sulfonic acid group ion exchange group was attached by graft polymerization. The processing electrode and the wafer were submerged in a water tank filled with ultrapure water, and the wafer was rotated at 500 rpm using a rotating machine. The processing electrode was connected to the cathode of a DC power supply, the brush electrode as a power supply electrode was connected to the anode, and the brush electrode was brought into contact with the rotating wafer. The DC power supply was set to the constant voltage mode (CV), and a voltage of 10 V to 40 V was applied. FIGS. 13A to 13D show SEM photographs of the processed surface when the wafer is processed at each DC voltage. FIGS. 13 (a) to 13 (d) show DC voltages of 10V (FIG. 13 (a)), 20V (FIG. 13 (b)), 30V (FIG. 13 (c)) and 40V (FIG. 13 (d)). 5 shows an SEM photograph of a processed surface when a voltage is applied. When electrolytic processing was performed with a direct current, it was observed that the processing rate of the copper film on the wafer increased in proportion to the applied voltage, but pits were observed on all the wafers, and the number of pits was large. In FIG. 13A, pits have a substantially circular shape indicated by
[0125]
(Comparative Example 2)
A copper film having a thickness of 1.5 μm formed on a wafer having a diameter of 20 cm by electroplating was used as a sample (workpiece) to be subjected to electrolytic processing. As the working electrode, an electrode composed of a diaphragm ion exchanger, a porous ion exchanger, and a current-carrying portion of a platinum plate was used. The membrane ion exchanger used was Nafion 117, and the porous ion exchanger used was a polyethylene nonwoven fabric to which a sulfonic acid group ion exchange group was attached by graft polymerization. The processing electrode and the wafer were immersed in pure water of 3 μS / cm stored in a water tank, and the wafer was rotated at 500 rpm using a rotating machine. A direct current power source (DC) is used as a power source, and the conversion area of the processing electrode is 2.4 A / cm. 2 Was set to flow. Pits generated on the metal surface of the wafer electrolytically processed under these conditions were observed with a laser electron microscope. The number of generated pits is 1 cm on the metal surface. 2 The number was more than 1 million. Further, the pit diameters are widely distributed from 0.5 to 2 μm, and pit diameters up to 0.3 μm were observed.
[0126]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, electrochemical processing is performed by, for example, CMP instead of CMP while preventing a physical defect on a workpiece such as a substrate from impairing the characteristics of the workpiece. And the like, so that the CMP process itself can be omitted, the load of the CMP process can be reduced, and further, the adhered material adhered to the surface of the workpiece such as the substrate can be removed (cleaned). it can. The present invention is particularly suitable for flattening a semiconductor substrate using a low dielectric constant material such as an organic insulating film to which a high mechanical pressure cannot be applied. In addition, the substrate can be processed by using pure water or ultrapure water alone, thereby eliminating unnecessary impurities such as electrolytes from adhering to or remaining on the surface of the substrate and removing the substrate. Not only can the washing step after processing be simplified, but also the load of waste liquid treatment can be extremely reduced. Further, according to the present invention, it is possible to prevent the occurrence of pits that have caused the workpiece to be defective.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view schematically showing an electrolytic processing apparatus according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a diagram showing an example of a pulse waveform of a pulse voltage according to the present invention.
FIG. 3 is a schematic diagram showing a state in which electrolytic processing is performed using an ion exchanger according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a sectional view schematically showing an electrolytic processing apparatus according to a third embodiment of the present invention.
FIG. 5 is a plan view illustrating a configuration of a substrate processing apparatus including an electrolytic processing apparatus according to a fourth embodiment of the present invention.
6 is a perspective view schematically showing the electrolytic processing apparatus shown in FIG.
7 is a sectional view of the electrolytic processing apparatus shown in FIG.
FIG. 8 is a graph showing a relationship between a duty ratio of a waveform pulse and a pit level when electrolytic processing is performed while changing the duty ratio.
FIG. 9 is a plan view showing an outline of an electrolytic processing apparatus having a mini multi-bar type electrode system.
FIGS. 10 (a) to 10 (d) show 10V (FIG. 10 (a)), 20V (FIG. 10 (b)), 30V (FIG. 10 (c)) and 40V (FIG. 10 (d)). FIG. 4 is a diagram showing an SEM photograph of a processed surface when the pulse voltage of FIG.
FIGS. 11 (a) to 11 (d) show 80 mA / cm 2 (FIG. 11A), 240 mA / cm 2 (FIG. 11B), 700 mA / cm 2 (FIG. 11C) and 1 A / cm 2 It is a figure which shows the SEM photograph of the processing surface when the electric current which has the electric current density of (FIG.11 (d)) was sent to the electrode.
FIG. 12 is a diagram showing an SEM photograph of a processed surface when a pulse voltage is applied using a power supply of Slidac.
FIGS. 13 (a) to 13 (d) show 10V (FIG. 13 (a)), 20V (FIG. 13 (b)), 30V (FIG. 13 (c)) and 40V (FIG. 13 (d)). 2) shows an SEM photograph of the processed surface when the DC voltage of (2) is applied to the electrode.
[Explanation of symbols]
1 Workpiece (metal)
2 Power supply electrode
3 Processing electrode
5 ion exchanger
5A porous ion exchanger
5B Membrane ion exchanger
6 liquid
9 Copper film
10 Workpiece (flange)
10a Gasket part
11 liquid tank
12 bases
13,14 Wiring
15 Bipolar power supply
17 Power supply
20 Workpiece (hydraulic cylinder)
21 Power supply
22 Clamp
23 Turntable
24 shaft
25 Electrode fixed shaft
26 Shaft sealing mechanism
30 Load / Unload section
32 Substrate cleaning machine
34 Electrochemical processing equipment
36 Transfer robot
38 Monitor
40 rotating shaft
42 Substrate holder
46 electrode table
48 power supply
49 shaft
51 Fixing member
52 Shaft sealing mechanism
54 through hole
55 Diffusion channel
56 piping
58 cap
61 electrolyte
62 adhesive layer
70 pits
Claims (16)
被加工物に給電する給電電極と、
被加工物と前記加工電極との間又は被加工物と前記給電電極との間の少なくとも一方に配置されたイオン交換体と、
前記加工電極と前記給電電極との間にパルス電圧を印加する電源と、
被加工物と前記加工電極又は前記給電電極の少なくとも一方との間に液体を供給する液体供給部と、を備えたことを特徴とする電解加工装置。Machining electrode,
A power supply electrode for supplying power to the workpiece;
An ion exchanger disposed between at least one of the workpiece and the processing electrode or between the workpiece and the power supply electrode,
A power supply for applying a pulse voltage between the processing electrode and the power supply electrode,
An electrolytic processing apparatus comprising: a liquid supply unit that supplies a liquid between a workpiece and at least one of the processing electrode or the power supply electrode.
被加工物を前記加工電極に接近させ、
前記加工電極と前記給電電極との間にパルス電圧を印加し、
被加工物と前記加工電極又は前記給電電極の少なくとも一方との間に液体を供給しながら被加工物の加工を行うことを特徴とする電解加工方法。An ion exchanger is arranged between at least one of the workpiece and the processing electrode or between the workpiece and the power supply electrode,
Bringing the workpiece closer to the processing electrode,
Applying a pulse voltage between the processing electrode and the power supply electrode,
An electrolytic processing method, wherein the processing of the workpiece is performed while supplying a liquid between the workpiece and at least one of the processing electrode and the power supply electrode.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003196419A JP2004216542A (en) | 2002-11-20 | 2003-07-14 | Electrochemical machining device and electrochemical machining method |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002337232 | 2002-11-20 | ||
JP2003196419A JP2004216542A (en) | 2002-11-20 | 2003-07-14 | Electrochemical machining device and electrochemical machining method |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004216542A true JP2004216542A (en) | 2004-08-05 |
Family
ID=32910808
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003196419A Pending JP2004216542A (en) | 2002-11-20 | 2003-07-14 | Electrochemical machining device and electrochemical machining method |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004216542A (en) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005006425A1 (en) * | 2003-07-15 | 2005-01-20 | Ebara Corporation | Electrolytic processing apparatus and electrolytic processing method |
JP2013500873A (en) * | 2009-08-05 | 2013-01-10 | イクストルード ホーン ゲーエムベーハー | Electrolytic machining method for electrolytically machining workpieces |
JP2013533381A (en) * | 2010-06-11 | 2013-08-22 | ファラデイ テクノロジー,インコーポレイティド | Strongly passivated metal electrolysis system and processing method |
JP2015528059A (en) * | 2012-07-11 | 2015-09-24 | ファラデイ テクノロジー,インコーポレイティド | Superconducting high-frequency cavity electrochemical system and electropolishing method |
-
2003
- 2003-07-14 JP JP2003196419A patent/JP2004216542A/en active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005006425A1 (en) * | 2003-07-15 | 2005-01-20 | Ebara Corporation | Electrolytic processing apparatus and electrolytic processing method |
JP2013500873A (en) * | 2009-08-05 | 2013-01-10 | イクストルード ホーン ゲーエムベーハー | Electrolytic machining method for electrolytically machining workpieces |
US8956527B2 (en) | 2009-08-05 | 2015-02-17 | Kennametal Extrude Hone GmbH | Method for the electrochemical machining of a workpiece |
JP2013533381A (en) * | 2010-06-11 | 2013-08-22 | ファラデイ テクノロジー,インコーポレイティド | Strongly passivated metal electrolysis system and processing method |
JP2015528059A (en) * | 2012-07-11 | 2015-09-24 | ファラデイ テクノロジー,インコーポレイティド | Superconducting high-frequency cavity electrochemical system and electropolishing method |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100849202B1 (en) | Electrolytic processing device and substrate processing apparatus | |
US7655118B2 (en) | Electrolytic processing apparatus and method | |
WO2004095571A1 (en) | Substrate processing method and substrate processing apparatus | |
KR20120102109A (en) | Polishing method and polishing apparatus | |
TW200528587A (en) | Apparatus adapted for membrane-mediated electropolishing | |
US20060144711A1 (en) | Electrochemical machining device and electrochemical machining method | |
JP2004216542A (en) | Electrochemical machining device and electrochemical machining method | |
US7527723B2 (en) | Electrolytic processing apparatus and electrolytic processing method | |
US20050051432A1 (en) | Electrolytic processing apparatus and method | |
JP4233376B2 (en) | Substrate processing method | |
JP3933520B2 (en) | Substrate processing apparatus and substrate processing method | |
JP2007528933A (en) | Electrolytic processing apparatus and electrolytic processing method | |
JP3995463B2 (en) | Electrolytic processing method | |
US7563356B2 (en) | Composite processing apparatus and method | |
JP4310085B2 (en) | Electrolytic machining method and apparatus | |
JP2005288580A (en) | Electrochemical machining method and device | |
JP4274714B2 (en) | Processing apparatus and processing method | |
JP3960803B2 (en) | Electrolytic machining method and apparatus | |
JP4127361B2 (en) | Electrolytic processing equipment | |
JP2003297804A (en) | Substrate processing device and method | |
JP2004255479A (en) | Electrochemical machining method and electrochemical machining device | |
JP2006128576A (en) | Electrolytic processing apparatus and method therefor | |
JP2007284795A (en) | Electrode structure and electrolytic processing device | |
JP2005153142A (en) | Electrochemical machining apparatus | |
JP2004002910A (en) | Electrolytic working method and apparatus |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060213 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080229 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090407 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090728 |