JP2004216533A - ローダ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転開始時にローダに無駄な動作をさせずに済み、生産効率の向上が図れるローダ制御装置を提供する。
【解決手段】ローダプログラム33は、ローダ1の動作を複数の分割サイクルに分けた各分割サイクルの運転をそれぞれ行う複数の分割サイクルプログラム33bを有するものとする。ローダ9のチャック、およびこのローダ9に対する工作機械のチャック等の状態を区別する状態区別情報を記憶する状態記憶手段35を設ける。各分割サイクルプログラム33bの実行の終了時に状態記憶手段35に記憶された状態区別情報に応じて、次に実行する分割サイクルプログラム33bを決定する次実行分割サイクル決定手段36を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】ローダプログラム33は、ローダ1の動作を複数の分割サイクルに分けた各分割サイクルの運転をそれぞれ行う複数の分割サイクルプログラム33bを有するものとする。ローダ9のチャック、およびこのローダ9に対する工作機械のチャック等の状態を区別する状態区別情報を記憶する状態記憶手段35を設ける。各分割サイクルプログラム33bの実行の終了時に状態記憶手段35に記憶された状態区別情報に応じて、次に実行する分割サイクルプログラム33bを決定する次実行分割サイクル決定手段36を設ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、工作機械に対してワークを搬入または搬出するローダを制御するローダ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ローダを制御するためのプログラムは、始めから終わりまで、命令が記述された順に、通り一辺倒に実行する形式とされている。多数のワークに同じ加工を行う場合は、1本のローダプログラムを繰り返し実行する。
なお、運転中断後に運転再開を容易に行えるように工夫したものとしては、ローダプログラムを複数の分割サイクルプログラムに分割し、チャックとワークの状態とから、ローダが停止した箇所を特定して、該当する分割サイクルプログラムから運転を再開するようにした方法が提案されている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献】
特許代2677163号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
平行軸旋盤、特にワークの反転装置を備えた旋盤の場合は、通常の運転状態では、左右の主軸チャックや反転装置チャック、あるいはローダチャックに把持されるなど、機内に常に複数のワークが存在した状態で、先入れ先出し式に順次加工が行われる。1日の仕事の始めや、昼休み後、加工変更のためのプログラムの切換後の運転開始時には、機内に全くワークがない状態となる。この場合、片方の主軸へ素材ワークを搬入する動作から運転が開始されるが、ローダプログラムは、このようなときもプログラムの全体が実行されるため、ワークの無い主軸チャックや反転装置チャックに対しては、空の動作を行うことになる。例えば、2個の主軸チャックのうち、反転後のワークを加工する主軸チャックにはまだワークが無いが、ローダは、この主軸チャックから空動作でワーク搬出動作を行うことになる。また、運転中にチャックミスが生じてワークが脱落したような場合も、チャックにワークがある場合と同様にローダの動作が行われ、空動作となる。このような空動作が生じるため、例えば1日の生産性がそれだけ低下することになる。
なお、特許文献1に記載の方法は、運転中断後にローダプログラムの中断箇所が認識されてその箇所から運転が続行できるようにしただけであり、運転開始時にはローダプログラムの最初から実行する必要があり、運転開始時のローダの無駄な動作を無くすことはできない。
【0005】
この発明の目的は、運転開始時にローダに無駄な動作をさせずに済み、生産効率の向上が図れるローダ制御装置を提供することである。
この発明の他の目的は、分割サイクルプログラムの選択が迅速に行え、またローダ動作の変更が容易に行えるようにすることである。
この発明のさらに他の目的は、2つのローダチャックを有するローダに対しても適用できるものとすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の構成を実施形態に対応する図1と共に説明する。このローダ制御装置(32)は、工作機械(1)に対してワークを搬入または搬出するローダ(9)を制御する装置であって、ローダ(9)の動作を複数の分割サイクルに分けた各分割サイクルの運転をそれぞれ行う複数の分割サイクルプログラム(33b)を有するローダプログラム(33)と、このローダプログラム(33)を実行してローダ(9)に動作指令を付与する演算制御手段(34)と、ローダ(9)およびこのローダ(9)に対する工作機械(1)の状態を区別する状態区別情報を記憶する状態記憶手段(35)と、各分割サイクルプログラム(33b)の実行の終了時に上記状態記憶手段(35)に記憶されたローダ(9)および工作機械(1)の状態区別情報に応じて、次に実行する分割サイクルプログラム(33b)を決定する次実行分割サイクル決定手段(36)とを備える。なお、この明細書で言う「工作機械」は、旋盤等の機械加工を行う狭義の工作機械の他に、パンチプレス等の板材加工機を含み、物を生産し、または加工する機械を総称したものである。
この構成によると、分割サイクルプログラム(33b)の実行が終了する都度、次実行分割サイクル決定手段(36)により、上記状態記憶手段(35)に記憶されたローダ(9)および工作機械(1)の状態区別情報に応じて、次に実行する分割サイクルプログラム(33b)を決定する。そのため、例えばローダ(9)や工作機械(1)の所定箇所にあるワークの有無やワークの加工段階などに応じた適切な分割サイクル(33b)の動作を行うことができる。したがって運転開始時にローダ(9)に無駄な動作をさせずに済み、また不測にワークが脱落したような場合にもそのワークに対する無駄な動作が省け、生産効率の向上が図れる。
【0007】
この発明において、ローダ(9)および工作機械(1)の状態の区別に対応して定められた分割サイクルプログラム(33b)の番号を記憶するローダサイクル記憶手段(37)を設け、次実行分割サイクル決定手段(36)は、ローダサイクル記憶手段(37)に記憶された分割サイクルプログラム(33b)の番号を選択するものとしても良い。
このようにローダサイクル記憶手段(37)を設けておくと、次実行分割サイクル決定手段(36)は該当する分割サイクルプログラム(33b)の番号を選択することで、ローダ(9)および工作機械(1)の状態の区別に対応した分割サイクルプログラム(33b)の選択が行える。そのため、分割サイクルプログラム(33b)の選択が迅速に行える。また、この構成の場合、ローダサイクル記憶手段にローダ(9),工作機械(1)の状態の区別に対応した分割サイクルプログラム(33b)として記憶させるプログラム番号を変えると、ローダ(9)の動作する分割サイクル(33b)が変わることになる。そのため、ローダ動作の変更が容易に行える。
【0008】
この発明において、上記ローダ(9)が、ローダヘッドに2つのローダチャックを有するものである場合に、上記状態記憶手段に記憶されるローダ(9)および工作機械(1)の状態区別情報として、ローダ(9)の上記各ローダチャックに把持されたワークの加工段階の識別情報、および工作機械(1)のワーク取付部のワークの有無の情報を含むものとしても良い。工作機械(1)のワーク取付部は、例えば旋盤では、主軸チャックや反転装置の反転チャックである。
ローダヘッドに2つのローダチャックを有するローダ(9)の場合、主軸チャックなどに対向する位置で、空にしておいた片方のローダチャックでアンロードし、もう片方のローダチャックに把持しておいたワークをロードすることができる。そのため搬送効率が良い。このような2つのローダチャックを有するローダを2軸旋盤に用いた場合等では、各ローダチャックで把持するワークの加工段階が種々異なるものとなるが、上記のようにローダ(9)および工作機械(1)の状態区別情報として、ローダ(9)の上記各ローダチャックに把持されたワークの加工段階の識別情報、および工作機械(1)のワーク取付部のワークの有無の情報を含むものとすれば、次実行分割サイクル決定手段(36)により適切な分割サイクルプログラム(33b)に決定することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
この発明の第1の実施形態を図1ないし図8と共に説明する。図2はこの実施形態のローダ制御装置の制御対象となるローダおよび工作機械の概略正面図である。工作機械1は平行2軸の旋盤であり、ベッド8の中央に設けた主軸台3に2個の主軸チャック2C,2Dを並設し、その両側に刃物台4を設けたものである。刃物台4は外周に複数の工具(図示せず)を取付けたタレットであり、ベッド1上にタレットキャリッジ(図示せず)を介して左右(X軸方向)移動および前後(Z軸方向)移動可能に設置されている。
【0010】
主軸台3の上には、2個の反転チャック6E,6Fを有する反転装置5が設置されている。片方の反転チャック6Fは、反転支軸7回りに180°反転可能なものであり、固定側の反転チャック6Eに把持されたワークWを、反転チャック6Fが反転チャック6Eとの対面姿勢で受取り、180°反転することによってワークWを表裏反転させる。各反転チャック6E,6Fは、各主軸チャック2C,2Dと同じ方向を向いている。
【0011】
工作機械1の上方に、直交座標系で駆動されるガントリ式のローダ9が設置されている。ローダ9は、架設レール10に沿って走行する走行体11に前後移動台12を介して昇降ロッド13を設け、その下端にローダヘッド14を設けたものである。ローダヘッド14は、図5に示すように2個のローダチャック15A,15Bを有する回転台16を有し、回転台16が傾斜した回転中心Q回りで回転することにより、両ローダチャック15A,15Bが、下向き位置と主軸チャック対面位置とに入替えられる。
【0012】
図2に示すように、工作機械1の側方に、各種機外装置が設けられている。例えば、これら機外装置として、機外計測装置17と、位相決め装置18と、仮置き台19とが設けられ、また素材となるワークWの搬入部20、製品となるワークWの搬出部21、および不良品搬出部(図示せず)が設けられている。
【0013】
概略動作例を説明すると、図3にワーク流れを矢印で示すように、この工作機械1では、片方の主軸チャック2Cで片面を加工したワークWを、反転装置5で表裏反転させた後に、もう片方の主軸チャック2Dに装着し、ワークWの両面加工を行う。機外計測装置17では、加工済ワークWの寸法測定を行う。位相決め装置18は、ワークWの主軸チャック2C,2Dに対する位相決めが必要な場合に、搬入前にワークWの位相を所定位相に決める処理を行う。ローダ9(図2)は、搬入部20、各主軸チャック2C,2D、反転チャック6E,6F(以下「Eチャック」,(Fチャック」と各々称す)、搬出部21、機外計測装置17、位相決め装置18、および仮置き台19の間で、ワークWの受渡しを行う。
【0014】
図1は制御系のブロック図である。工作機械1は、NC装置からなる工作機械制御装置31で制御され、ローダ9は同じく数値制御式のローダ制御装置32で制御される。両制御装置31,32間では、工作機械1とローダ9の動作を連携させるための動作完了信号等の各種の信号の送受が行われる。工作機械制御装置31およびローダ制御装置32は、それぞれコンピュータで主に構成される。
【0015】
ローダ制御装置32は、ローダプログラム33を実行してローダ9に動作指令を付与する演算制御手段34と、状態記憶手段35と、次実行分割サイクル決定手段36と、ローダサイクル記憶手段37とを有している。演算制御手段35は、中央処理装置(CPU)とこれを制御するオペレーションシステムと、ローダプログラム33を実行するためのプログラム等で構成され、この演算制御手段35の一部として上記次実行分割サイクル決定手段36が設けられている。
【0016】
ローダプログラム33は、一つのメインプログラム33aと、複数の分割サイクルプログラム33bとに分割されている。メインプログラム33aは、ローダプログラム33を起動したときに必要な各処理を行うプログラムである。各分割サイクルプログラム33bは、ローダ9の1サイクルの動作を複数の分割サイクルに分けた各分割サイクルの運転をそれぞれ行うプログラムである。ローダ9に複数種類のローダサイクル動作を行わせる場合には、各ローダサイクルに個別の分割サイクルと、共通の分割サイクルとが設けられる。分割サイクルプログラム33bの並び順であるプログラム番号順は、基本的なローダサイクルの順とすることが好ましいが、必ずしもローダサイクル順でなくてもよい。ローダ9の1サイクルの動作をどのように分割するかは自由に定めれば良いが、例えば、工作機械1の各チャック2C,2D,6E,6F、および機外装置の所定部に対するロードサイクル、アンロードサイクルが個別の分割サイクルとなるように定める。この実施形態では、分割サイクルは、図8に示すように次の各種のサイクルに分けていおり、この順に分割サイクルプログラム33bが記述されている。なお、この明細書において、ロードとローディング、アンロードとアンローディングとはそれぞれ同じ意味であるが、主軸に対する処理をローディングと記述した。
【0017】
1:搬入サイクル
2:左主チャックアンローディングサイクル
3:左主チャックローディングサイクル
4:第1反転アンロードサイクル
5:第1反転ロードサイクル
6:右主チャックアンローディングサイクル
7:右主チャックローディングサイクル
8:搬出サイクル
9:払出サイクル
10:NGサイクル
11:第2反転アンロードサイクル
12:第2反転ロードサイクル
13:直搬計測アンロードサイクル
14:直搬計測ロードサイクル
15:仮置台アンロードサイクル
16:仮置台ロードサイクル
17:位相合アンロードサイクル
18:位相合ロードサイクル
19:反転計測アンロードサイクル
20:反転計測ロードサイクル
【0018】
図1において、状態記憶手段35は、ローダ9およびこのローダ9に対する相手機械の状態を区別する状態区別情報を記憶する手段である。ローダ9に対する相手機械は、ローダ9によってワークWを受け渡しする機械のことであって、主に工作機械1であり、この他に上記各機外装置を含む。機外装置は、例えば機外計測装置17、位相決め装置18、仮置き台19、搬入部20、および搬出部21である。
ローダ9の状態は、ローダ9の各ローダチャック15A,15Bの状態のことであり、ローダ9については、各ローダチャック15A,15Bの状態区別情報が、所定の記憶領域に記憶される。ローダ9に対する相手機械の状態は、相手機械のローダ9とワークWの受渡しを行う部位である対象部位の状態のことであり、その受渡しを行う各対象部位について、個々に状態区別情報が所定の記憶領域に記憶される。すなわち、工作機械1については、対象部位は左右の主軸チャック2C,2Dおよび反転チャック6E,6Fであり、これらについて状態区別情報が記憶される。機外計測装置17、位相決め装置18、仮置き台19、搬入部20、および搬出部21等の機外装置については、受渡しを行う部位が各1か所であるため、一つの機外装置につき一つの状態区別情報が記憶される。
【0019】
ローダ9に対する状態区別情報としては、ワークWの有無と、ワークWがある場合の各ワークWの加工段階が区別できる情報が番号等の符号で示される。図7は状態区別情報を状態区別番号で示した例であり、状態区別番号の「0」は空の状態を示し、「1」は第1工程素材を把持している状態を示す。第1工程は、両面加工における最初の片面の加工工程、第2工程は残り片面の加工工程のことであり、したがって第1工程素材は、全く未加工の状態のワークWを示す。以下、状態区別番号と状態との関係は、同図に示す通りである。
相手機械に対する状態区別情報は、ワークWの有無を示す情報とされる。
【0020】
図1において、状態記憶手段35は、単なる記憶手段ではなく、ローダ9および相手機械の状態が変わると、その変化を検出して記憶内容を更新する機能を持つ手段である。各部のワークWの有無は、各部に設けられたワーク検出手段(図示せず)の検出信号から得られる。状態記憶手段35において、ローダ9の各ローダチャック15A,15Bで把持しているワークWの加工段階の区別の情報は、例えば、ローダ9でワークWの受渡しを行ったときに、実行した分割サイクルプログラム33bの区別に応じて更新する。
【0021】
次実行分割サイクル決定手段36は、各分割サイクルプログラム33bの実行の終了時に、状態記憶手段35に記憶されたローダ9および相手機械の状態区別情報に応じて、次に実行する分割サイクルプログラム33bを決定する手段である。次実行分割サイクル決定手段36によるこの決定は、ローダサイクル記憶手段37を検索して分割サイクルプログラム33bの番号を選択することにより行われる。
次実行分割サイクル決定手段36は、各分割サイクルプログラム33bの末尾に記述された次サイクル判別命令41を次実行分割サイクル決定手段36で実行することにより行われる。次サイクル判別命令41は、判別専用に設けた命令でなくても良く、分割サイクルプログラム33bの末尾に記述される一般の指令を次サイクル判別命令41として利用しても良い。なお、最初に実行する分割サイクルプログラム33bを固定としない場合は、メインプログラム33aの末尾にも次サイクル判別命令41を設けておくか、またはダミーの分割サイクルプログラム(図示せず)を設けてその中に次サイクル判別命令41を設けておく。
この他に、図9のようにローダプログラム33Aの各分割サイクルプログラム33bが、実行の終了後にメインプログラムにリターンするものとし、メインプログラム33aに次サイクル判別命令41を設けても良い。
【0022】
次実行分割サイクル決定手段36は、処理方法別処理部38、モード別処理部39、および優先順位別処理部40を有している。
処理方法別処理部38は、ローダサイクル記憶手段37に各場合に応じて示された処理方法の種別情報に従い、その種別情報に応じた処理を行う手段である。この処理方法の種別には、対象部位(例えば対象チャック2C,2D,6E,6F)の状態に関係なく、ローダサイクル記憶手段37に登録されている分割プログラム番号(シーケンス番号)を返す方法と、条件付きで返し、条件未充足の場合に所定の処理を行う方法等がある。分割プログラム番号を返す処理は、その番号の分割サイクルプログラム33bを実行させる処理のことである。
この実施形態では、具体的には、処理方法として数種類の方法が準備されている。例えば、種別情報が「0」であると、対象部位の状態に関係なく、登録されている分割プログラム番号を返す。種別情報が「1」であると、対象部位にワークWがあれば登録されている分割プログラム番号を返し、対象部位にワークWがなければ待機する。種別情報が「2」であると、対象部位にワークWがあれば登録されている分割プログラム番号を返し、対象部位にワークWがなければ次の分割サイクルに進むが、そのサイクルがローディングサイクルでないとアラームとする。
【0023】
モード別処理部39は、次実行分割サイクル決定手段36による処理を実行させるか否かを、運転モードによって定める手段である。例えば、両側の主軸2のうちの片方の主軸2のみで運転するモードのときは、次実行分割サイクル決定手段36による処理を行わせないものとされる。その場合、各分割サイクルプログラム33bが記述順に実行されることになる。
【0024】
優先順位処理部40は、状態記憶手段35に記憶されたローダおよび相手機械の状態区別情報の内容が互いに同じとなる場合が存在するときに、その重複する中でどのような優先順位で分割サイクルプログラム33bを選定するかを定めた手段である。優先順位処理部40による優先順位は、例えば分割サイクルプログラム33bの並び順の中で、下位の分割サイクルプログラム33bほど、優先度が高いものとされる。
【0025】
ローダサイクル記憶手段37は、ローダ1および相手機械の状態の区別に対応して定められた分割サイクルプログラム33bの番号を記憶した手段である。図6はローダサイクル記憶手段37の具体例を示す。同図のように、分割サイクルプログラム33bは、具体的には、ローダ1の各ローダチャック15A,15bの状態と、そのチャック状態の場合に対象となる相手機械の対象部位の区別情報と、そのチャック状態でその対象部位である場合に採用する処理方法の種別情報と、チャック状態に対応する対応する分割サイクルプログラム33bの番号(シーケンス番号)が登録されている。相手機械の対象部位の区別情報は、各対象部位(主軸チャック2C,2D,反転チャック6E,6F、機外計測装置17、位相決め装置18、仮置き台19、搬入部20、搬出部21等)に対して付した番号で示している。
【0026】
上記構成の動作を説明する。この構成のローダ制御装置32によると、いずれかの分割サイクルプログラム33bの実行を終了する時点で、状態記憶手段35に記憶されたローダ9および相手機械の状態区別情報に応じて、次実行分割サイクル決定手段36により、次に実行する分割サイクルプログラム33bが決定される。このとき、次実行分割サイクル決定手段36は、ローダサイクル記憶手段37を検索して分割サイクルプログラム33bの番号を選択することで上記決定を行う。このように決定された分割サイクルプログラム33bが演算制御手段35によって実行される。
【0027】
例えば、状態記憶手段35に記憶されたローダ9の各チャック15A,15Bの状態が、それぞれ「1」,「0」であったとする。「1」は図7と共に前述したように第1工程素材、「0」は空である。このとき、図6にローダサイクル記憶手段37の内容を示すように、ローダ状態の「1」,「0」に対応するのは、サイクル順Noが1の行であり、相手機械の対象部位は「9」である。「9」で示される対象部位が右主軸チャック2Dであるとすると、右主軸チャック2Dのワーク状態(ワークの有無)を状態記憶手段35から探る。そのワーク状態に応じて、図6のサイクル順No1における処理方向が示された番号「2」を得て、「2」に対応する処理を処理方法別処理部38(図1)で行う。
番号「2」に対応する処理は、上記のように対象部位(この場合は右主軸チャック2D)にワークWがあれば、ローダサイクル記憶手段37のサイクル順Noが1の行に登録されている分割プログラム番号「60」を返す。すなわち、分割プログラム番号「60」で示される分割サイクルプログラム33bを実行する。番号「60」の分割サイクルプログラム33bは、例えば右主軸チャックアンロードのサイクルであり、右主軸チャック2DからワークWがアンロードされることになる。上記「2」の処理方法は、対象部位にワークWがなければ次の分割サイクルに進む方法であり、右主軸チャック2DにワークWがなければ、次の分割サイクルである例えば右主軸チャックロードの分割サイクルプログラム33bを実行する。これにより、右主軸チャック2DにワークWがロードされることになる。なお、上記「2」の処理方法では、次の分割サイクルがローディングサイクルでなかった場合はアラームとする。
【0028】
この構成のローダ制御装置32によると、このように、分割サイクルプログラム33bの実行が終了する都度、次実行分割サイクル決定手段36により、状態記憶手段35に記憶されたローダおよび相手機械の状態区別情報に応じて、次に実行する分割サイクルプログラム33bを決定する。そのため、例えばローダ1や相手機械の所定箇所にあるワークWの有無やワークWの加工段階などに応じた適切な分割サイクルの動作を行うことができる。したがって運転開始時にローダ1に無駄な動作をさせずに済み、また不測にワークWが脱落したような場合にもそのワークWに対する無駄な動作が省け、生産効率の向上が図れる。
また、ローダ9および相手機械の状態の区別に対応して定められた分割サイクルプログラム33bの番号を記憶するローダサイクル記憶手段37を設け、これを用いて分割サイクルプログラム33bの番号を選択するものとしたため、次実行分割サイクル決定手段36は該当する分割サイクルプログラム33bの番号を選択することで、ローダ9および相手機械の状態の区別に対応した分割サイクルプログラム33bの選択が行える。そのため、分割サイクルプログラム33bの選択が迅速に行える。また、この構成の場合、ローダサイクル記憶手段37にローダや相手機械状態の区別に対応した分割サイクルプログラム33bとして記憶させるプログラム番号を変えると、すなわち図6の右端列のプログラム番号を変えると、ローダ9の動作する分割サイクル33bが変わることになる。そのためローダ動作の変更が容易に行える。
【0029】
【発明の効果】
この発明のローダ制御装置は、ローダの動作を複数の分割サイクルに分けた各分割サイクルの運転をそれぞれ行う複数の分割サイクルプログラムを設け、ローダおよびこのローダに対する工作機械の状態を区別する状態区別情報を記憶する状態記憶手段と、各分割サイクルプログラムの実行の終了時に上記状態記憶手段に記憶されたローダおよび工作機械の状態区別情報に応じて、次に実行する分割サイクルプログラムを決定する次実行分割サイクル決定手段とを備えたものであるため、運転開始時にローダに無駄な動作をさせずに済み、生産効率の向上が図れる。
ローダおよび工作機械の状態の区別に対応して定められた分割サイクルプログラムの番号を記憶するローダサイクル記憶手段を設け、次実行分割サイクル決定手段は、ローダサイクル記憶手段を検索して分割サイクルプログラムの番号を選択するものとした場合は、分割サイクルプログラムの選択が迅速に行え、またローダ動作の変更が容易に行える。
上記ローダが、ローダヘッドに2つのローダチャックを有し、上記状態記憶手段に記憶されるローダおよび工作機械の状態区別情報として、ローダの上記各ローダチャックに把持されたワークの加工段階の識別情報、および工作機械のワーク取付部のワークの有無の情報を含むものとした場合は、2つのローダチャックを有するローダであっても、この発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態にかかるローダ制御装置の概念構成を示すブロック図である。
【図2】その制御対象となるロータおよび工作機械を示す正面図である。
【図3】ローダの基本的なサイクルの例のワーク流れの説明図である。
【図4】ローダの斜視図である。
【図5】ローダヘッドと主軸チャックの関係を示す拡大側面図である。
【図6】ローダサイクル記憶手段の内容例の説明図である。
【図7】状態区別番号とローダチャックの状態の関係例の説明図である。
【図8】分割サイクルの種類とサイクル番号の関係例の説明図である。
【図9】この発明の第2の実施形態かかるローダ制御装置におけるローダプログラム構造例の説明図である。
【符号の説明】
1…工作機械
2C,2D…主軸チャック
5…反転装置
6E,6F…反転チャック
9…ローダ
14…ローダヘッド
15A,15B…ローダチャック
17…機外計測装置
18…位相決め装置
19…仮置き台
20…搬入部
21…搬出部
31…工作機械制御装置
32…ローダ制御装置
33,33A…ローダプログラム
33a…メインプログラム
33b…分割サイクルプログラム
34…演算制御手段
35…状態記憶手段
36…次実行分割サイクル決定手段
37…ローダサイクル記憶手段
38…処理方法別処理部
41…次サイクル判別命令
W…ワーク
【発明の属する技術分野】
この発明は、工作機械に対してワークを搬入または搬出するローダを制御するローダ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ローダを制御するためのプログラムは、始めから終わりまで、命令が記述された順に、通り一辺倒に実行する形式とされている。多数のワークに同じ加工を行う場合は、1本のローダプログラムを繰り返し実行する。
なお、運転中断後に運転再開を容易に行えるように工夫したものとしては、ローダプログラムを複数の分割サイクルプログラムに分割し、チャックとワークの状態とから、ローダが停止した箇所を特定して、該当する分割サイクルプログラムから運転を再開するようにした方法が提案されている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献】
特許代2677163号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
平行軸旋盤、特にワークの反転装置を備えた旋盤の場合は、通常の運転状態では、左右の主軸チャックや反転装置チャック、あるいはローダチャックに把持されるなど、機内に常に複数のワークが存在した状態で、先入れ先出し式に順次加工が行われる。1日の仕事の始めや、昼休み後、加工変更のためのプログラムの切換後の運転開始時には、機内に全くワークがない状態となる。この場合、片方の主軸へ素材ワークを搬入する動作から運転が開始されるが、ローダプログラムは、このようなときもプログラムの全体が実行されるため、ワークの無い主軸チャックや反転装置チャックに対しては、空の動作を行うことになる。例えば、2個の主軸チャックのうち、反転後のワークを加工する主軸チャックにはまだワークが無いが、ローダは、この主軸チャックから空動作でワーク搬出動作を行うことになる。また、運転中にチャックミスが生じてワークが脱落したような場合も、チャックにワークがある場合と同様にローダの動作が行われ、空動作となる。このような空動作が生じるため、例えば1日の生産性がそれだけ低下することになる。
なお、特許文献1に記載の方法は、運転中断後にローダプログラムの中断箇所が認識されてその箇所から運転が続行できるようにしただけであり、運転開始時にはローダプログラムの最初から実行する必要があり、運転開始時のローダの無駄な動作を無くすことはできない。
【0005】
この発明の目的は、運転開始時にローダに無駄な動作をさせずに済み、生産効率の向上が図れるローダ制御装置を提供することである。
この発明の他の目的は、分割サイクルプログラムの選択が迅速に行え、またローダ動作の変更が容易に行えるようにすることである。
この発明のさらに他の目的は、2つのローダチャックを有するローダに対しても適用できるものとすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の構成を実施形態に対応する図1と共に説明する。このローダ制御装置(32)は、工作機械(1)に対してワークを搬入または搬出するローダ(9)を制御する装置であって、ローダ(9)の動作を複数の分割サイクルに分けた各分割サイクルの運転をそれぞれ行う複数の分割サイクルプログラム(33b)を有するローダプログラム(33)と、このローダプログラム(33)を実行してローダ(9)に動作指令を付与する演算制御手段(34)と、ローダ(9)およびこのローダ(9)に対する工作機械(1)の状態を区別する状態区別情報を記憶する状態記憶手段(35)と、各分割サイクルプログラム(33b)の実行の終了時に上記状態記憶手段(35)に記憶されたローダ(9)および工作機械(1)の状態区別情報に応じて、次に実行する分割サイクルプログラム(33b)を決定する次実行分割サイクル決定手段(36)とを備える。なお、この明細書で言う「工作機械」は、旋盤等の機械加工を行う狭義の工作機械の他に、パンチプレス等の板材加工機を含み、物を生産し、または加工する機械を総称したものである。
この構成によると、分割サイクルプログラム(33b)の実行が終了する都度、次実行分割サイクル決定手段(36)により、上記状態記憶手段(35)に記憶されたローダ(9)および工作機械(1)の状態区別情報に応じて、次に実行する分割サイクルプログラム(33b)を決定する。そのため、例えばローダ(9)や工作機械(1)の所定箇所にあるワークの有無やワークの加工段階などに応じた適切な分割サイクル(33b)の動作を行うことができる。したがって運転開始時にローダ(9)に無駄な動作をさせずに済み、また不測にワークが脱落したような場合にもそのワークに対する無駄な動作が省け、生産効率の向上が図れる。
【0007】
この発明において、ローダ(9)および工作機械(1)の状態の区別に対応して定められた分割サイクルプログラム(33b)の番号を記憶するローダサイクル記憶手段(37)を設け、次実行分割サイクル決定手段(36)は、ローダサイクル記憶手段(37)に記憶された分割サイクルプログラム(33b)の番号を選択するものとしても良い。
このようにローダサイクル記憶手段(37)を設けておくと、次実行分割サイクル決定手段(36)は該当する分割サイクルプログラム(33b)の番号を選択することで、ローダ(9)および工作機械(1)の状態の区別に対応した分割サイクルプログラム(33b)の選択が行える。そのため、分割サイクルプログラム(33b)の選択が迅速に行える。また、この構成の場合、ローダサイクル記憶手段にローダ(9),工作機械(1)の状態の区別に対応した分割サイクルプログラム(33b)として記憶させるプログラム番号を変えると、ローダ(9)の動作する分割サイクル(33b)が変わることになる。そのため、ローダ動作の変更が容易に行える。
【0008】
この発明において、上記ローダ(9)が、ローダヘッドに2つのローダチャックを有するものである場合に、上記状態記憶手段に記憶されるローダ(9)および工作機械(1)の状態区別情報として、ローダ(9)の上記各ローダチャックに把持されたワークの加工段階の識別情報、および工作機械(1)のワーク取付部のワークの有無の情報を含むものとしても良い。工作機械(1)のワーク取付部は、例えば旋盤では、主軸チャックや反転装置の反転チャックである。
ローダヘッドに2つのローダチャックを有するローダ(9)の場合、主軸チャックなどに対向する位置で、空にしておいた片方のローダチャックでアンロードし、もう片方のローダチャックに把持しておいたワークをロードすることができる。そのため搬送効率が良い。このような2つのローダチャックを有するローダを2軸旋盤に用いた場合等では、各ローダチャックで把持するワークの加工段階が種々異なるものとなるが、上記のようにローダ(9)および工作機械(1)の状態区別情報として、ローダ(9)の上記各ローダチャックに把持されたワークの加工段階の識別情報、および工作機械(1)のワーク取付部のワークの有無の情報を含むものとすれば、次実行分割サイクル決定手段(36)により適切な分割サイクルプログラム(33b)に決定することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
この発明の第1の実施形態を図1ないし図8と共に説明する。図2はこの実施形態のローダ制御装置の制御対象となるローダおよび工作機械の概略正面図である。工作機械1は平行2軸の旋盤であり、ベッド8の中央に設けた主軸台3に2個の主軸チャック2C,2Dを並設し、その両側に刃物台4を設けたものである。刃物台4は外周に複数の工具(図示せず)を取付けたタレットであり、ベッド1上にタレットキャリッジ(図示せず)を介して左右(X軸方向)移動および前後(Z軸方向)移動可能に設置されている。
【0010】
主軸台3の上には、2個の反転チャック6E,6Fを有する反転装置5が設置されている。片方の反転チャック6Fは、反転支軸7回りに180°反転可能なものであり、固定側の反転チャック6Eに把持されたワークWを、反転チャック6Fが反転チャック6Eとの対面姿勢で受取り、180°反転することによってワークWを表裏反転させる。各反転チャック6E,6Fは、各主軸チャック2C,2Dと同じ方向を向いている。
【0011】
工作機械1の上方に、直交座標系で駆動されるガントリ式のローダ9が設置されている。ローダ9は、架設レール10に沿って走行する走行体11に前後移動台12を介して昇降ロッド13を設け、その下端にローダヘッド14を設けたものである。ローダヘッド14は、図5に示すように2個のローダチャック15A,15Bを有する回転台16を有し、回転台16が傾斜した回転中心Q回りで回転することにより、両ローダチャック15A,15Bが、下向き位置と主軸チャック対面位置とに入替えられる。
【0012】
図2に示すように、工作機械1の側方に、各種機外装置が設けられている。例えば、これら機外装置として、機外計測装置17と、位相決め装置18と、仮置き台19とが設けられ、また素材となるワークWの搬入部20、製品となるワークWの搬出部21、および不良品搬出部(図示せず)が設けられている。
【0013】
概略動作例を説明すると、図3にワーク流れを矢印で示すように、この工作機械1では、片方の主軸チャック2Cで片面を加工したワークWを、反転装置5で表裏反転させた後に、もう片方の主軸チャック2Dに装着し、ワークWの両面加工を行う。機外計測装置17では、加工済ワークWの寸法測定を行う。位相決め装置18は、ワークWの主軸チャック2C,2Dに対する位相決めが必要な場合に、搬入前にワークWの位相を所定位相に決める処理を行う。ローダ9(図2)は、搬入部20、各主軸チャック2C,2D、反転チャック6E,6F(以下「Eチャック」,(Fチャック」と各々称す)、搬出部21、機外計測装置17、位相決め装置18、および仮置き台19の間で、ワークWの受渡しを行う。
【0014】
図1は制御系のブロック図である。工作機械1は、NC装置からなる工作機械制御装置31で制御され、ローダ9は同じく数値制御式のローダ制御装置32で制御される。両制御装置31,32間では、工作機械1とローダ9の動作を連携させるための動作完了信号等の各種の信号の送受が行われる。工作機械制御装置31およびローダ制御装置32は、それぞれコンピュータで主に構成される。
【0015】
ローダ制御装置32は、ローダプログラム33を実行してローダ9に動作指令を付与する演算制御手段34と、状態記憶手段35と、次実行分割サイクル決定手段36と、ローダサイクル記憶手段37とを有している。演算制御手段35は、中央処理装置(CPU)とこれを制御するオペレーションシステムと、ローダプログラム33を実行するためのプログラム等で構成され、この演算制御手段35の一部として上記次実行分割サイクル決定手段36が設けられている。
【0016】
ローダプログラム33は、一つのメインプログラム33aと、複数の分割サイクルプログラム33bとに分割されている。メインプログラム33aは、ローダプログラム33を起動したときに必要な各処理を行うプログラムである。各分割サイクルプログラム33bは、ローダ9の1サイクルの動作を複数の分割サイクルに分けた各分割サイクルの運転をそれぞれ行うプログラムである。ローダ9に複数種類のローダサイクル動作を行わせる場合には、各ローダサイクルに個別の分割サイクルと、共通の分割サイクルとが設けられる。分割サイクルプログラム33bの並び順であるプログラム番号順は、基本的なローダサイクルの順とすることが好ましいが、必ずしもローダサイクル順でなくてもよい。ローダ9の1サイクルの動作をどのように分割するかは自由に定めれば良いが、例えば、工作機械1の各チャック2C,2D,6E,6F、および機外装置の所定部に対するロードサイクル、アンロードサイクルが個別の分割サイクルとなるように定める。この実施形態では、分割サイクルは、図8に示すように次の各種のサイクルに分けていおり、この順に分割サイクルプログラム33bが記述されている。なお、この明細書において、ロードとローディング、アンロードとアンローディングとはそれぞれ同じ意味であるが、主軸に対する処理をローディングと記述した。
【0017】
1:搬入サイクル
2:左主チャックアンローディングサイクル
3:左主チャックローディングサイクル
4:第1反転アンロードサイクル
5:第1反転ロードサイクル
6:右主チャックアンローディングサイクル
7:右主チャックローディングサイクル
8:搬出サイクル
9:払出サイクル
10:NGサイクル
11:第2反転アンロードサイクル
12:第2反転ロードサイクル
13:直搬計測アンロードサイクル
14:直搬計測ロードサイクル
15:仮置台アンロードサイクル
16:仮置台ロードサイクル
17:位相合アンロードサイクル
18:位相合ロードサイクル
19:反転計測アンロードサイクル
20:反転計測ロードサイクル
【0018】
図1において、状態記憶手段35は、ローダ9およびこのローダ9に対する相手機械の状態を区別する状態区別情報を記憶する手段である。ローダ9に対する相手機械は、ローダ9によってワークWを受け渡しする機械のことであって、主に工作機械1であり、この他に上記各機外装置を含む。機外装置は、例えば機外計測装置17、位相決め装置18、仮置き台19、搬入部20、および搬出部21である。
ローダ9の状態は、ローダ9の各ローダチャック15A,15Bの状態のことであり、ローダ9については、各ローダチャック15A,15Bの状態区別情報が、所定の記憶領域に記憶される。ローダ9に対する相手機械の状態は、相手機械のローダ9とワークWの受渡しを行う部位である対象部位の状態のことであり、その受渡しを行う各対象部位について、個々に状態区別情報が所定の記憶領域に記憶される。すなわち、工作機械1については、対象部位は左右の主軸チャック2C,2Dおよび反転チャック6E,6Fであり、これらについて状態区別情報が記憶される。機外計測装置17、位相決め装置18、仮置き台19、搬入部20、および搬出部21等の機外装置については、受渡しを行う部位が各1か所であるため、一つの機外装置につき一つの状態区別情報が記憶される。
【0019】
ローダ9に対する状態区別情報としては、ワークWの有無と、ワークWがある場合の各ワークWの加工段階が区別できる情報が番号等の符号で示される。図7は状態区別情報を状態区別番号で示した例であり、状態区別番号の「0」は空の状態を示し、「1」は第1工程素材を把持している状態を示す。第1工程は、両面加工における最初の片面の加工工程、第2工程は残り片面の加工工程のことであり、したがって第1工程素材は、全く未加工の状態のワークWを示す。以下、状態区別番号と状態との関係は、同図に示す通りである。
相手機械に対する状態区別情報は、ワークWの有無を示す情報とされる。
【0020】
図1において、状態記憶手段35は、単なる記憶手段ではなく、ローダ9および相手機械の状態が変わると、その変化を検出して記憶内容を更新する機能を持つ手段である。各部のワークWの有無は、各部に設けられたワーク検出手段(図示せず)の検出信号から得られる。状態記憶手段35において、ローダ9の各ローダチャック15A,15Bで把持しているワークWの加工段階の区別の情報は、例えば、ローダ9でワークWの受渡しを行ったときに、実行した分割サイクルプログラム33bの区別に応じて更新する。
【0021】
次実行分割サイクル決定手段36は、各分割サイクルプログラム33bの実行の終了時に、状態記憶手段35に記憶されたローダ9および相手機械の状態区別情報に応じて、次に実行する分割サイクルプログラム33bを決定する手段である。次実行分割サイクル決定手段36によるこの決定は、ローダサイクル記憶手段37を検索して分割サイクルプログラム33bの番号を選択することにより行われる。
次実行分割サイクル決定手段36は、各分割サイクルプログラム33bの末尾に記述された次サイクル判別命令41を次実行分割サイクル決定手段36で実行することにより行われる。次サイクル判別命令41は、判別専用に設けた命令でなくても良く、分割サイクルプログラム33bの末尾に記述される一般の指令を次サイクル判別命令41として利用しても良い。なお、最初に実行する分割サイクルプログラム33bを固定としない場合は、メインプログラム33aの末尾にも次サイクル判別命令41を設けておくか、またはダミーの分割サイクルプログラム(図示せず)を設けてその中に次サイクル判別命令41を設けておく。
この他に、図9のようにローダプログラム33Aの各分割サイクルプログラム33bが、実行の終了後にメインプログラムにリターンするものとし、メインプログラム33aに次サイクル判別命令41を設けても良い。
【0022】
次実行分割サイクル決定手段36は、処理方法別処理部38、モード別処理部39、および優先順位別処理部40を有している。
処理方法別処理部38は、ローダサイクル記憶手段37に各場合に応じて示された処理方法の種別情報に従い、その種別情報に応じた処理を行う手段である。この処理方法の種別には、対象部位(例えば対象チャック2C,2D,6E,6F)の状態に関係なく、ローダサイクル記憶手段37に登録されている分割プログラム番号(シーケンス番号)を返す方法と、条件付きで返し、条件未充足の場合に所定の処理を行う方法等がある。分割プログラム番号を返す処理は、その番号の分割サイクルプログラム33bを実行させる処理のことである。
この実施形態では、具体的には、処理方法として数種類の方法が準備されている。例えば、種別情報が「0」であると、対象部位の状態に関係なく、登録されている分割プログラム番号を返す。種別情報が「1」であると、対象部位にワークWがあれば登録されている分割プログラム番号を返し、対象部位にワークWがなければ待機する。種別情報が「2」であると、対象部位にワークWがあれば登録されている分割プログラム番号を返し、対象部位にワークWがなければ次の分割サイクルに進むが、そのサイクルがローディングサイクルでないとアラームとする。
【0023】
モード別処理部39は、次実行分割サイクル決定手段36による処理を実行させるか否かを、運転モードによって定める手段である。例えば、両側の主軸2のうちの片方の主軸2のみで運転するモードのときは、次実行分割サイクル決定手段36による処理を行わせないものとされる。その場合、各分割サイクルプログラム33bが記述順に実行されることになる。
【0024】
優先順位処理部40は、状態記憶手段35に記憶されたローダおよび相手機械の状態区別情報の内容が互いに同じとなる場合が存在するときに、その重複する中でどのような優先順位で分割サイクルプログラム33bを選定するかを定めた手段である。優先順位処理部40による優先順位は、例えば分割サイクルプログラム33bの並び順の中で、下位の分割サイクルプログラム33bほど、優先度が高いものとされる。
【0025】
ローダサイクル記憶手段37は、ローダ1および相手機械の状態の区別に対応して定められた分割サイクルプログラム33bの番号を記憶した手段である。図6はローダサイクル記憶手段37の具体例を示す。同図のように、分割サイクルプログラム33bは、具体的には、ローダ1の各ローダチャック15A,15bの状態と、そのチャック状態の場合に対象となる相手機械の対象部位の区別情報と、そのチャック状態でその対象部位である場合に採用する処理方法の種別情報と、チャック状態に対応する対応する分割サイクルプログラム33bの番号(シーケンス番号)が登録されている。相手機械の対象部位の区別情報は、各対象部位(主軸チャック2C,2D,反転チャック6E,6F、機外計測装置17、位相決め装置18、仮置き台19、搬入部20、搬出部21等)に対して付した番号で示している。
【0026】
上記構成の動作を説明する。この構成のローダ制御装置32によると、いずれかの分割サイクルプログラム33bの実行を終了する時点で、状態記憶手段35に記憶されたローダ9および相手機械の状態区別情報に応じて、次実行分割サイクル決定手段36により、次に実行する分割サイクルプログラム33bが決定される。このとき、次実行分割サイクル決定手段36は、ローダサイクル記憶手段37を検索して分割サイクルプログラム33bの番号を選択することで上記決定を行う。このように決定された分割サイクルプログラム33bが演算制御手段35によって実行される。
【0027】
例えば、状態記憶手段35に記憶されたローダ9の各チャック15A,15Bの状態が、それぞれ「1」,「0」であったとする。「1」は図7と共に前述したように第1工程素材、「0」は空である。このとき、図6にローダサイクル記憶手段37の内容を示すように、ローダ状態の「1」,「0」に対応するのは、サイクル順Noが1の行であり、相手機械の対象部位は「9」である。「9」で示される対象部位が右主軸チャック2Dであるとすると、右主軸チャック2Dのワーク状態(ワークの有無)を状態記憶手段35から探る。そのワーク状態に応じて、図6のサイクル順No1における処理方向が示された番号「2」を得て、「2」に対応する処理を処理方法別処理部38(図1)で行う。
番号「2」に対応する処理は、上記のように対象部位(この場合は右主軸チャック2D)にワークWがあれば、ローダサイクル記憶手段37のサイクル順Noが1の行に登録されている分割プログラム番号「60」を返す。すなわち、分割プログラム番号「60」で示される分割サイクルプログラム33bを実行する。番号「60」の分割サイクルプログラム33bは、例えば右主軸チャックアンロードのサイクルであり、右主軸チャック2DからワークWがアンロードされることになる。上記「2」の処理方法は、対象部位にワークWがなければ次の分割サイクルに進む方法であり、右主軸チャック2DにワークWがなければ、次の分割サイクルである例えば右主軸チャックロードの分割サイクルプログラム33bを実行する。これにより、右主軸チャック2DにワークWがロードされることになる。なお、上記「2」の処理方法では、次の分割サイクルがローディングサイクルでなかった場合はアラームとする。
【0028】
この構成のローダ制御装置32によると、このように、分割サイクルプログラム33bの実行が終了する都度、次実行分割サイクル決定手段36により、状態記憶手段35に記憶されたローダおよび相手機械の状態区別情報に応じて、次に実行する分割サイクルプログラム33bを決定する。そのため、例えばローダ1や相手機械の所定箇所にあるワークWの有無やワークWの加工段階などに応じた適切な分割サイクルの動作を行うことができる。したがって運転開始時にローダ1に無駄な動作をさせずに済み、また不測にワークWが脱落したような場合にもそのワークWに対する無駄な動作が省け、生産効率の向上が図れる。
また、ローダ9および相手機械の状態の区別に対応して定められた分割サイクルプログラム33bの番号を記憶するローダサイクル記憶手段37を設け、これを用いて分割サイクルプログラム33bの番号を選択するものとしたため、次実行分割サイクル決定手段36は該当する分割サイクルプログラム33bの番号を選択することで、ローダ9および相手機械の状態の区別に対応した分割サイクルプログラム33bの選択が行える。そのため、分割サイクルプログラム33bの選択が迅速に行える。また、この構成の場合、ローダサイクル記憶手段37にローダや相手機械状態の区別に対応した分割サイクルプログラム33bとして記憶させるプログラム番号を変えると、すなわち図6の右端列のプログラム番号を変えると、ローダ9の動作する分割サイクル33bが変わることになる。そのためローダ動作の変更が容易に行える。
【0029】
【発明の効果】
この発明のローダ制御装置は、ローダの動作を複数の分割サイクルに分けた各分割サイクルの運転をそれぞれ行う複数の分割サイクルプログラムを設け、ローダおよびこのローダに対する工作機械の状態を区別する状態区別情報を記憶する状態記憶手段と、各分割サイクルプログラムの実行の終了時に上記状態記憶手段に記憶されたローダおよび工作機械の状態区別情報に応じて、次に実行する分割サイクルプログラムを決定する次実行分割サイクル決定手段とを備えたものであるため、運転開始時にローダに無駄な動作をさせずに済み、生産効率の向上が図れる。
ローダおよび工作機械の状態の区別に対応して定められた分割サイクルプログラムの番号を記憶するローダサイクル記憶手段を設け、次実行分割サイクル決定手段は、ローダサイクル記憶手段を検索して分割サイクルプログラムの番号を選択するものとした場合は、分割サイクルプログラムの選択が迅速に行え、またローダ動作の変更が容易に行える。
上記ローダが、ローダヘッドに2つのローダチャックを有し、上記状態記憶手段に記憶されるローダおよび工作機械の状態区別情報として、ローダの上記各ローダチャックに把持されたワークの加工段階の識別情報、および工作機械のワーク取付部のワークの有無の情報を含むものとした場合は、2つのローダチャックを有するローダであっても、この発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態にかかるローダ制御装置の概念構成を示すブロック図である。
【図2】その制御対象となるロータおよび工作機械を示す正面図である。
【図3】ローダの基本的なサイクルの例のワーク流れの説明図である。
【図4】ローダの斜視図である。
【図5】ローダヘッドと主軸チャックの関係を示す拡大側面図である。
【図6】ローダサイクル記憶手段の内容例の説明図である。
【図7】状態区別番号とローダチャックの状態の関係例の説明図である。
【図8】分割サイクルの種類とサイクル番号の関係例の説明図である。
【図9】この発明の第2の実施形態かかるローダ制御装置におけるローダプログラム構造例の説明図である。
【符号の説明】
1…工作機械
2C,2D…主軸チャック
5…反転装置
6E,6F…反転チャック
9…ローダ
14…ローダヘッド
15A,15B…ローダチャック
17…機外計測装置
18…位相決め装置
19…仮置き台
20…搬入部
21…搬出部
31…工作機械制御装置
32…ローダ制御装置
33,33A…ローダプログラム
33a…メインプログラム
33b…分割サイクルプログラム
34…演算制御手段
35…状態記憶手段
36…次実行分割サイクル決定手段
37…ローダサイクル記憶手段
38…処理方法別処理部
41…次サイクル判別命令
W…ワーク
Claims (3)
- 工作機械に対してワークを搬入または搬出するローダを制御するローダ制御装置であって、ローダの動作を複数の分割サイクルに分けた各分割サイクルの運転をそれぞれ行う複数の分割サイクルプログラムを有するローダプログラムと、このローダプログラムを実行してローダに動作指令を付与する演算制御手段と、ローダおよびこのローダに対する工作機械の状態を区別する状態区別情報を記憶する状態記憶手段と、各分割サイクルプログラムの実行の終了時に上記状態記憶手段に記憶されたローダおよび工作機械の状態区別情報に応じて、次に実行する分割サイクルプログラムを決定する次実行分割サイクル決定手段とを備えたローダ制御装置。
- ローダおよび工作機械の状態の区別に対応して定められた分割サイクルプログラムの番号を記憶するローダサイクル記憶手段を設け、次実行分割サイクル決定手段は、ローダサイクル記憶手段を検索して分割サイクルプログラムの番号を選択するものとした請求項1記載のローダ制御装置。
- 上記ローダは、ローダヘッドに2つのローダチャックを有し、上記状態記憶手段に記憶されるローダおよび工作機械の状態区別情報として、ローダの上記各ローダチャックに把持されたワークの加工段階の識別情報、および工作機械のワーク取付部のワークの有無の情報を含むものとした請求項1または請求項2記載のローダ制御装置。
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