JP2004216321A - 光学素子の洗浄装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光洗浄では除去できない有機物汚染を効果的にしかも短時間で処理できるプラズマを用いた光学素子の洗浄方法及び装置を提供する。
【解決手段】被洗浄物を収納する処理室と、前記処理室を減圧又は真空環境に維持する排気部と、酸素を含むガスを前記処理室に供給するためのガス供給部と、前記ガスをマイクロ波を利用してプラズマ化するためのプラズマ化手段とを有し、プラズマ化された前記ガスによって前記被洗浄物を表面処理することによって前記被洗浄物を洗浄することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズ、ミラーなどの光学素子の洗浄、並びに、洗浄された光学素子を有する露光装置にも関する。本発明は、例えば、紫外波長領域で使用される光学ガラスレンズ及びこれら光学ガラスレンズに反射防止膜や増反射膜を施した光学素子の洗浄に好適である。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子機器の小型化及び高性能化に伴い、かかる電子機器に使用される半導体デバイスの微細化は近年益々激化してきている。このため、かかる半導体デバイスを製造する露光装置には、より高い解像度が求められている。
【0003】
より高い解像度を得るために、近年、水銀ランプよりも波長の短い光を照射可能なエキシマレーザーを光源として使用することが提案されている。しかし、光の吸収、散乱及び干渉は短波長光ほど顕著であり、光源からの光の短波長化に伴って、レンズやミラーなどの光学素子に付着している有機物質などの汚染物質の影響はますます無視できなくなっている。汚染物質は、露光光の吸収、散乱及び/又は干渉、光学素子の光学的特性(透過、反射、分光特性など)の低下、及び、光学素子のレーザー耐性の低下をもたらす。この結果、解像度やスループットが低下したり、光学素子が破壊したり、その性能が低下したりする。このため、従来から、光学素子を予め洗浄してから露光装置に取り付けて使用することが提案されている。
【0004】
従来、光学素子の洗浄は、中性又はアルカリ性洗剤及び有機溶剤等を洗浄液とした超音波洗浄さらには酸洗浄を併用した湿式洗浄が主流であった。これらの洗浄は、レンズ等の光学素子を研磨する際に付着する研磨砥粒等の無機物や保護膜として使用されるワックス等の有機物の汚染を、洗剤に超音波振動を与えることによって除去するものである。更に最近では、湿式洗浄での乾燥工程中に付着する軽微な有機物や、洗浄後成膜までの保管中に付着する有機物汚染を除去するために紫外光とオゾンや活性酸素を併用した乾式洗浄(UVO洗浄等)が多用されるようになっている。また、成膜後の湿式洗浄は光学特性に悪影響を及ぼす可能性もあり、乾式洗浄は成膜後にも非常に有効であることがわかっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、UVO洗浄等の光洗浄を施しても、短時間では簡単には除去しきれない有機物汚染があり、特に、157nmのFレーザー波長領域では著しい光学吸収損失となり、光学素子の透過率や、レーザー耐性をも低下させてしまうという問題がある。かかる汚染を取り除くために長時間光学素子を光洗浄することも考えられるが、スループットとの低下を招くと共に長時間の光照射によって光学素子が温度上昇して面変形などの問題を引き起こす。
【0006】
そこで、本発明は、光洗浄では除去できない有機物汚染を効果的にしかも短時間で処理できるプラズマを用いた光学素子の洗浄方法及び装置を提供することを例示的な目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の一側面としての洗浄装置は、被洗浄物を収納する処理室と、前記処理室を減圧又は真空環境に維持する排気部と、酸素を含むガスを前記処理室に供給するためのガス供給部と、前記ガスを高周波電力を利用してプラズマ化するためのプラズマ化手段とを有し、プラズマ化された前記ガスによって前記被洗浄物を表面処理することによって前記被洗浄物を洗浄することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態のプラズマ処理装置を、図1を参照して詳細に説明する。ここで、図1は、プラズマ処理装置100の概略ブロック図である。図1は本発明に用いるプラズマ処理装置の一実施形態を示す模式的断面図である。
【0009】
同図において、1は減圧可能な容器又は処理室であり、排気配管3を通して排気ポンプ2によって減圧又は真空環境に維持されることができる。処理室1の圧力はコンダクタンスバルブ等の圧力調整バルブ4によって制御可能である。排気配管3が容器1に取り付けられる位置は限定されない。
【0010】
光学素子としてのレンズWは、予め表面をアルコールやアセトン等の有機溶剤によって拭き上げられ、基板保持具5によって、容器1の中心部に固定される。基板保持具5は、中央に円形孔を有し、レンズWはこれに嵌合される。この結果、レンズWの両面は減圧容器1内で露出して両面を同時に洗浄することが可能になる。もっとも、レンズWの縁を保持する機構など、保持機構は基板保持具5に限定されないことはいうまでもない。また、本発明は、被洗浄物としてのミラーの一面のみを洗浄したり、プリズムのように三面を洗浄したりするなど、必ずしも2面を同時に洗浄するものに限定されない。
【0011】
6は高周波電源で、7a及び7bは高周波電極である。8a及び8bは多孔板であり、レンズWの上面及び下面に配置され、容器1内にプラズマPを生成するためのものである。
【0012】
プラズマ化されるガスは、ガス供給ユニット9から、例えば、ステンレス製のガス供給配管10a及び10bと、バルブ10c及び10d、及び、パーティクル及び有機物を除去する図示しないフィルターを通って、図示しない流量調節装置によって流量調節されながら減圧容器1に導入される。
【0013】
本実施形態のガスは、酸素又は酸素と不活性ガスの混合である。不活性ガスは、例えば、Ar、Kr、Xe、Rn、Ne、He及びNを含む。もちろん、反応ガス(即ち、酸素)と放電ガス(即ち、不活性ガス)は別々の配管から供給されてもよい。酸素は、190nm〜240nmにヘルツベルグ(Herzberg)吸収帯を有し、プラズマ化されてオゾンや酸素ラジカルを発生する。オゾン及び酸素ラジカルは、有機物などの汚染物質の酸化分解、即ち、洗浄を加速する。別の実施形態では酸素の代わりにオゾンが導入される。
【0014】
11はNガス供給配管で、ここに導入されるNガスによって減圧容器を大気圧に開放される。窒素は、洗浄後のレンズWの表面の未結合手に吸着することによって光学素子Lの再汚染を防止する。窒素は、例えば、室温かつ低い湿度で導入される。
【0015】
次に、プラズマ処理装置100によって施される、光学素子であるレンズの洗浄方法について図1を用いて簡単に説明する。このとき、レンズWは様々な形状に対応することができるように専用の雇い等の治具によって予め固定されている。洗浄対象となるレンズWは、ウェット洗浄後のレンズ材料ガラスや、反射防止膜増反射膜が施された後の光学ガラスレンズである。
【0016】
減圧容器1を排気ポンプ2によって、おおよそ1Pa以下の圧力に至るまで減圧する。当然ではあるが、減圧することによって蒸気圧の高い有機物による汚染がないよう減圧容器1やそれに内蔵される部品の洗浄は十分行われており、排気ポンプ2も油脂分の逆拡散のないもの(ドライポンプやターボ分子ポンプなど)を使用している。
【0017】
減圧された容器1内に酸素(O)ガス及び不活性(Ar、Kr、Xe、Ne、He、N等)ガスからなる混合ガスがガス供給配管10a及び10bを通して、レンズ上面及び下面のプラズマ空間Pにそれぞれ所定流量導入される。このときの混合ガスに含まれる酸素ガス濃度はガス供給ユニット9にて調整され、その濃度は5乃至10%が適当で、多くても20%が適量である。酸素濃度が20%を超えてもかまわないが、20%以下と比較した場合、洗浄効果には顕著な差異はみられない。
【0018】
不活性ガスに用いられるガス種としては、一般的にArが用いられるが、ダメージ等が懸念される蛍石ガラスに代表されるフッ化物光学ガラスやフッ化物光学薄膜が施された光学部品に対してはKrまたはXeがより最適である。
【0019】
導入された混合ガスは排気ポンプ2によって排気されつつ、排気配管3に接続された圧力調整弁4によって圧力制御が行われ、容器1内はプラズマを発生させる減圧雰囲気になる。このときの圧力は1〜100Pa程度が適当である。この圧力範囲であれば、プラズマは安定に生成することができる。
【0020】
更に、この圧力範囲であればイオンエネルギー及び電子温度等の荷電粒子の持つエネルギーを低く抑えるのに適当であり、圧力が1Paよりも低くなると荷電粒子の持つエネルギーが高くなり光学素子にダメージを生じさせる可能性がある。また、このような低い圧力下では、有機物汚染を除去する活性酸素種の密度も相対的に低くなり洗浄効果が落ちることになる。圧力が100Paを超えてくると高周波放電が安定しなくなり、異常放電等によって光学素子にダメージを与えることになる。
【0021】
その後、高周波電源6から高周波給電棒を通して高周波電極7a及び7bに所定の出力で高周波電力が印加される。高周波電源の周波数は13.56MHzが一般的であるが、さらに100MHz、200MHz等の高い周波数を用いてもかまわない。出力としては1500W程度以下が適当である。
【0022】
高周波電極7a,7bと光学素子であるレンズWとの間に設けられた複数の開孔を有する仕切り板又は多孔板8a及び8bは、容器1と同様に電気的に接地されており、プラズマ空間Pとなる高周波電極7a及び7bとの間隔は任意に制御できるようになっている。また、多孔板8a及び8bの開孔の直径や開口率も任意に制御可能である。本実施形態では高周波電極と多孔板8a及び8bの間隔は30mmであり、開孔の直径は5mm、開口率は70%に設定されている。このような多孔板8a及び8bのパラメータは光学素子の洗浄効果及びダメージの有無を確認して決定されるものである。当然のことであるが、多孔板8a及び8bの開孔の直径や開口率が大きすぎるとダメージが発生しやすくなる。
【0023】
高周波電極7a及び7bに印加された高周波電力によって、減圧容器1内のプラズマ空間Pに導入された混合ガスが励起され、高周波電極7a及び7bと多孔板8a及び8bとの間にプラズマが生成する。
【0024】
このように生成したプラズマからは、多孔板8a,8bの開孔を通して活性酸素種や低エネルギー粒子が拡散し、光学部品であるレンズWの上面及び下面に到達し、レンズ面に付着している有機物汚染の洗浄処理が効果的にしかも、短時間で行うことができる。
【0025】
即ち、本実施形態の洗浄方法は、プラズマ化した酸素ガスと不活性ガスの混合ガスによって光学部品の表面処理を行うことによって、UVO洗浄等による光洗浄では除去しにくい有機物汚染を短時間で除去できる。
【0026】
なお、一般的にプラズマを用いて光学素子の表面処理を行った場合、運動エネルギーをもった荷電粒子がガラス表面に衝突し、光学吸収の原因となるダメージが入ってしまう。特に、紫外領域で用いられる蛍石等は表面の化学結合が切られることによって化学的未結合手(ダングリングボンド)によるカラーセンターが発生してしまう。これによって紫外領域における吸収損失が増大し、光学素子の透過率が劣化してしまうという問題が発生し得る。
【0027】
しかし、本実施形態のプラズマ処理装置100においては、架荷電粒子のエネルギー(イオンエネルギー、電子温度)は極めて低く、イオンエネルギーは10eV以下、電子温度も2eV以下である。このように、極めて高密度なプラズマでありながら、低エネルギー・低電子温度の特性を持つということは対象となる光学レンズガラスや光学薄膜などの光学素子にダメージを与えないという点で極めて有利な特性となる。電子温度の設定は、例えば、高周波電源6の出力、減圧容器1の圧力、洗浄用ガスの種類、レンズWの位置の調節などによって調節することができる。
【0028】
レンズWの上面及び下面に対向する多孔板8a,8bとレンズWとの距離は、任意に制御可能であるが、本実施形態では、レンズ面からの距離が50mm以上離れても洗浄効果は高く、30mm程度に近づけてもダメージは入らなかった。したがって、厚みの異なる様々な形状をしたレンズにも対応可能となる。
【0029】
レンズWの処理時間は、おおよそ5分以内で、この間のレンズWの温度上昇は殆ど見られない。
所定の洗浄時間(プラズマ励起時間)後、高周波電源6の出力を停止し、プラズマを消失させる。その後、混合ガスの供給を停止し、圧力調整弁4を閉じた後、N供給配管11よりNガスを導入する。これにより、容器1内の圧力を大気圧に解放し、洗浄されたレンズWを取り出すことによって洗浄処理が終了する。
【0030】
本実施形態による高密度プラズマを用いた表面処理による洗浄効果は、有機物を効果的に分解する活性酸素種が高密度に生成されることに加えて、光学ガラス部品にダメージを与えない低エネルギー粒子の運動エネルギーの付与が相乗的に作用していると考えられる。
【0031】
本実施形態のプラズマ処理装置100は、光学素子として光学ガラスや光学ガラス上に反射防止膜及び増反射膜が施された光学レンズ基板を対象にしているが、この他に半導体製造に使用される種々の基板にも適用可能である。また、半導体製造装置、特に、半導体露光装置内に用いられる様々な機械部品の洗浄にも適用可能である。
【0032】
【実施例】
プラズマ処理装置100及び洗浄方法によって実際に光学素子の洗浄を試みた実施例を説明する。
【0033】
図2は、蛍石ガラス基板のプラズマ洗浄前後の分光透過率測定結果を示すものである。洗浄は、図1に示したプラズマ処理装置100を用いて、10%O/Arの混合ガスプラズマで、容器内圧力は20Pa、処理時間は3分間である。図2より、200nm〜140nmの紫外波長領域における透過率を洗浄前とプラズマ洗浄後とで比較すると洗浄による明らかな透過率の向上がみられる。193nmのArFレーザー波長領域のみならず、157nmFレーザー波長領域においても効果がみられ、特にプラズマ洗浄後の157nmにおける透過率の値は基板の内部吸収を考慮するとほぼ理論透過率に近い値となっており、荷電エネルギー粒子に起因するダメージもみられない。
【0034】
ここで、洗浄前の透過率の劣化は、有機物に起因すると考えられ、従来のUVO洗浄を試みたが、透過率の劣化は短時間では回復しきらなかった。この結果から、本発明によるプラズマ洗浄が193nmArFレーザー波長領域のみならず、157nmFレーザー波長近傍の有機物汚染除去にも有効であり、しかも短時間の処理で行えることがわかり、光学特性のみならず、生産性の向上にも有利であることが確認された。
【0035】
以下、本発明の一実施形態としての露光装置200を説明する。かかる露光装置200に使用されるレンズ及びミラーを含む光学素子は、上述したプラズマ処理装置100によって洗浄されているものとする。ここで、図3は、露光装置200の単純化された光路図である。露光装置200は、図3に示すように、照明装置210と、レチクル220と、投影光学系230と、プレート240と、ステージ245とを有する。
【0036】
照明装置210は転写用の回路パターンが形成されたレチクル220を照明し、光源部212と照明光学系214とを有する。
【0037】
光源部12は、例えば、光源としてレーザーを使用する。レーザーは、波長約193nmのArFエキシマレーザー、波長約248nmのKrFエキシマレーザー、波長約157nmのFエキシマレーザーなどを使用することができるが、レーザーの種類は限定されず、水銀ランプを使用してもよい。但し、上述したように、プラズマ処理装置100によって洗浄された光学素子は、特に、Fエキシマレーザーに好適である。
【0038】
照明光学系214はマスク220を照明する光学系であり、レンズ、ミラー、ライトインテグレーター、絞り等を含む。例えば、コンデンサーレンズ、ハエの目レンズ、開口絞り、コンデンサーレンズ、スリット、結像光学系の順で整列する等である。照明光学系14は、軸上光、軸外光を問わず使用することができる。ライトインテグレーターは、ハエの目レンズや2組のシリンドリカルレンズアレイ(又はレンチキュラーレンズ)板を重ねることによって構成されるインテグレーター等を含むが、光学ロッドや回折素子に置換される場合もある。かかる照明光学系214のレンズなどの光学素子にプラズマ処理装置100によって洗浄された光学素子を使用することができる。
【0039】
レチクル220は、その上に転写されるべき回路パターン(又は像)が形成され、図示しないレチクルステージに支持及び駆動される。レチクル220から発せられた回折光は投影光学系230を通りプレート240上に投影される。プレート240はウェハや液晶基板などの被処理体でありレジストが塗布されている。レチクル220とプレート240とは共役の関係にある。
【0040】
投影光学系230は、複数のレンズ素子のみからなる光学系、複数のレンズ素子と少なくとも一枚の凹面鏡とを有する光学系(カタディオプトリック光学系)、複数のレンズ素子と少なくとも一枚のキノフォームなどの回折光学素子とを有する光学系、全ミラー型の光学系等を使用することができる。色収差の補正が必要な場合には、互いに分散値(アッベ値)の異なるガラス材からなる複数のレンズ素子を使用したり、回折光学素子をレンズ素子と逆方向の分散が生じるように構成したりする。かかる投影光学系230のレンズなどの光学素子にプラズマ処理装置100によって洗浄された光学素子を使用することができる。
【0041】
プレート240にはフォトレジストが塗布されている。フォトレジスト塗布工程は、前処理と、密着性向上剤塗布処理と、フォトレジスト塗布処理と、プリベーク処理とを含む。前処理は洗浄、乾燥などを含む。密着性向上剤塗布処理は、フォトレジストと下地との密着性を高めるための表面改質(即ち、界面活性剤塗布による疎水性化)処理であり、HMDS(Hexamethyl−disilazane)などの有機膜をコート又は蒸気処理する。プリベークはベーキング(焼成)工程であるが現像後のそれよりもソフトであり、溶剤を除去する。
【0042】
ステージ245はプレート240を支持する。ステージ245は、当業界で周知のいかなる構成をも適用することができるので、ここでは詳しい構造及び動作の説明は省略する。例えば、ステージ245はリニアモータを利用してXY方向にプレート240を移動することができる。レチクル20とプレート240は、例えば、同期走査され、ステージ245と図示しないレチクルステージの位置は、例えば、レーザー干渉計などにより監視され、両者は一定の速度比率で駆動される。
【0043】
露光において、光源部212から発せられた光束は、照明光学系214によりレチクル220を、例えば、ケーラー照明する。レチクル220を通過してマスクパターンを反映する光は投影光学系230によりプレート240に結像される。露光装置200が使用する照明光学系214及び投影光学系230は、プラズマ処理装置100によって洗浄された光学素子を含んで紫外光、遠紫外光及び真空紫外光を高い透過率で透過すると共に屈折率均質性や複屈折率が少ないので、高い解像度とスループットで経済性よくデバイス(半導体素子、LCD素子、撮像素子(CCDなど)、薄膜磁気ヘッドなど)を提供することができる。
【0044】
次に、図4及び図5を参照して、上述の露光装置200を利用したデバイスの製造方法の実施例を説明する。図4は、デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。ここでは、半導体チップの製造を例に説明する。ステップ1(回路設計)ではデバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。ステップ3(ウェハ製造)ではシリコンなどの材料を用いてウェハを製造する。ステップ4(ウェハプロセス)は前工程と呼ばれ、マスクとウェハを用いてリソグラフィ技術によってウェハ上に実際の回路を形成する。ステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作成されたウェハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)では、ステップ5で作成された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テストなどの検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
【0045】
図5は、ステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。ステップ11(酸化)ではウェハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)では、ウェハの表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)では、ウェハ上に電極を蒸着などによって形成する。ステップ14(イオン打ち込み)ではウェハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウェハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では、露光装置1によってマスクの回路パターンをウェハに露光する。ステップ17(現像)では、露光したウェハを現像する。ステップ18(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによってウェハ上に多重に回路パターンが形成される。
【0046】
以上、本実施形態によれば、光学ガラスレンズや光学薄膜を施した光学素子のドライ洗浄技術として、従来の光洗浄と比較して、光学特性の向上及び生産性の向上にも極めて効果的な洗浄方法である。特に、157nmのFレーザー露光装置に用いる光学素子のためのドライ洗浄技術として十分実用可能であり、露光装置の性能を飛躍的に向上させることができる。
【0047】
本出願は更に以下の事項を開示する。
【0048】
(実施態様1) 被洗浄物を収納する処理室と、
前記処理室を減圧又は真空環境に維持する排気部と、
酸素を含むガスを前記処理室に供給するためのガス供給部と、
前記ガスを高周波電力を利用してプラズマ化するためのプラズマ化手段とを有し、プラズマ化された前記ガスによって前記被洗浄物を表面処理することによって前記被洗浄物を洗浄することを特徴とする洗浄装置。
【0049】
(実施態様2) 前記被洗浄物と前記プラズマ化手段との間に配置され、複数の開孔を有する仕切り板を更に有することを特徴とする実施態様1記載の洗浄装置。
【0050】
(実施態様3) 前記被洗浄物の第1の面と、当該第1の面とは異なる第2の面とが前記被処理室で露出するように、前記被洗浄物を保持する保持機構を更に有することを特徴とする実施態様1記載の洗浄装置。
【0051】
(実施態様4) 被洗浄物を収納する処理室を減圧又は真空環境に維持するステップと、
酸素を含むガスを前記処理室に供給するステップと、
高周波電力を利用して前記ガスをプラズマ化するステップとを有し、プラズマ化された前記ガスによって前記被洗浄物を表面処理することによって前記被洗浄物を洗浄することを特徴とする洗浄方法。
【0052】
(実施態様5) 前記プラズマの電子温度を制御するステップを更に有することを特徴とする実施態様4記載の洗浄方法。
【0053】
(実施態様6) プラズマ化された酸素を含むガスによって表面処理されて洗浄されることを特徴とする光学素子。
【0054】
(実施態様7) 前記光学素子は、250nm以下の波長域で使用される蛍石及び石英の材料からなることを特徴とする実施態様6記載の光学素子。
【0055】
(実施態様8) 前記光学素子は、光学ガラスレンズ又は反射防止及び増反射膜が形成された光学ガラスレンズであることを特徴とする実施態様6記載の光学素子。
【0056】
(実施態様9) 実施態様8記載の光学素子を一又は複数個有することを特徴とする光学系。
【0057】
(実施態様10) 実施態様9記載の光学系を有することを特徴とする露光装置。
【0058】
(実施態様11) 実施態様10記載の露光装置を用いて被露光体を投影露光する工程と、
前記投影露光された被露光体に所定のプロセスを行う工程とを有するデバイス製造方法。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、光洗浄では除去できない有機物汚染を効果的にしかも短時間で処理できるプラズマを用いた光学素子の洗浄方法及び装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのプラズマ処理装置の概略ブロック図である。
【図2】図1に示すプラズマ処理装置の洗浄効果を示す、蛍石ガラス基板の分光透過率測定結果のグラフである。
【図3】図1に示すプラズマ処理装置によって洗浄された光学素子を有する露光装置の概略光路図である。
【図4】本発明の露光装置を有するデバイス製造方法を説明するためのフォローチャートである。
【図5】図4に示すステップ4の詳細なフローチャートである。
【符号の説明】
1 減圧容器又は処理室
2 排気ポンプ
3 排気配管
4 圧力調整弁
5 基板保持具
6 高周波電源
7a、7b 高周波電極
8a、8a 多孔板
9 ガス供給ユニット
10a、10b ガス供給配管
11 N2供給配管
W レンズ(光学素子)
P プラズマ空間
100 プラズマ処理装置
200 露光装置

Claims (1)

  1. 被洗浄物を収納する処理室と、
    前記処理室を減圧又は真空環境に維持する排気部と、
    酸素を含むガスを前記処理室に供給するためのガス供給部と、
    前記ガスを高周波電力を利用してプラズマ化するためのプラズマ化手段とを有し、プラズマ化された前記ガスによって前記被洗浄物を表面処理することによって前記被洗浄物を洗浄することを特徴とする洗浄装置。
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