JP2004215918A - ストックのストラップの構造 - Google Patents

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満男 木崎
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Abstract

【課題】ストックを雪面に突いたときの雪面からの衝撃を分散、緩衝させることにより、手を痛めるのを防止する。
【解決手段】ストック20のグリップ22の端部に取り付けられるストラップ2と、グリップ22から引き出されたストラップ2の2本の帯状体3、4の自由端間を連結する連結手段11と、ストラップ2の一方の帯状体4に取り付けられるとともに、取付け位置の調整が可能なパッド7とを備える。パッド7は、ストラップ2よりも幅広で弾性を有する素材から形成される。ストック20を雪面に突き刺したときの雪面からの衝撃は、グリップ22を介して手に伝達することになるが、手の甲には幅広で弾性を有するパッド7が接触しているので、その衝撃が分散、緩衝され、衝撃によって手を痛めるのが防止される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スキー、トレッキング等に使用されるストックのストラップの構造に関し、特に、雪面にストックを突いたときの衝撃を緩衝させる機能を備えたストックのストラップの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スキー、トレッキング等に使用されるストックのストラップの一例として、図3に示すように、帯状をなすものを二つ折りにし、折曲部28をグリップ(図示せず)の端部にねじ(図示せず)により固定し、グリップの端部から引き出した一方の帯状体26の自由端部に環状のバックル29を取り付け、他方の帯状体27の自由端部をバックル29内に挿通させて、環状の大きさを調整するように構成したストラップ25が知られている。このような構成のストラップ25にあっては、下方からストラップ25内に手を挿入し、ストラップ25と一緒にグリップを握ることにより、ストックを操作することが可能となるものである(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−103529号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような構成のストラップ25にあっては、ストックを雪面に突いたときの雪面からの衝撃がグリップを介して手に伝達したときに、その衝撃が手の甲に接触しているストラップ25の部分で受け止められてしまうため、その衝撃によって手を痛めてしまうことがある。また、転倒等したときに、ストックからの衝撃が手の甲に接触しているストラップ25の部分に集中し、手を痛めてしまうこともある。
【0005】
本発明は、上記のような従来の問題を解決したものであって、ストックを雪面に突いたときに雪面からの衝撃がグリップを介して手に伝達しても、その衝撃によって手を痛めることがなく、また、転倒等したときに、ストックからの衝撃が手の甲に接触しているストラップの部分に集中しても、手を痛めるようなことがないストックのストラップの構造を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するために、本発明の請求項1に係るストックのストラップの構造は、シャフトの一端部にグリップが取り付けられるとともに、該グリップの端部にストラップが取り付けられるストックのストラップの構造であって、前記グリップの端部に取り付けられる環状のストラップと、該ストラップに取り付けられるとともに、該ストラップよりも幅広で弾性を有するパッドとを備えてなる手段を採用している。
また、本発明の請求項2に係るストックのストラップの構造は、請求項1に記載のストックのストラップの構造において、前記パッドの前記ストラップに対する取付け位置の調整を可能とした手段を採用している。
さらに、本発明の請求項3に係るストックのストラップの構造は、請求項1又は2に記載のストックのストラップの構造において、前記ストラップは、帯状をなすものを二つ折りにして折曲部を前記グリップに固着し、前記グリップから引き出した一方の帯状体の自由端と他方の帯状体の自由端とを連結手段によって連結することにより環状に形成されている手段を採用している。
さらに、本発明の請求項4に係るストックのストラップの構造は、請求項3に記載のストックのストラップの構造において、前記連結手段は、前記ストラップの一方の帯状体の自由端部に設けられるとともに、内側に他方の帯状体の自由端部を挿通させるバックルと、他方の帯状体の自由端部に設けられる接着テープと、前記パッドに設けられるとともに、前記バックルを挿通させて折り返した前記他方の帯状体の接着テープと互いに噛み合い接着される接着テープとからなる手段を採用している。
【0007】
【作用】
本発明は、上記のような手段を採用したことにより、ストラップ内に下方から手を差し込んで、ストラップを手の甲に引っ掛け、この状態でストラップのグリップに隣接している部分とグリップとを一緒に握ることにより、ストックの操作が可能となる。そして、ストックを操作して雪面に突くと、雪面からの衝撃がグリップを介して手に伝達し、その衝撃がストラップで受け止められることになるが、ストラップにはストラップよりも幅広で弾性を有するパッドが取り付けられているので、衝撃がパッドによって分散、緩衝され、衝撃が手の甲の一部に集中して手を痛めるようなことがなくなる。また、パッドは、ストラップに対する取付け位置の調整が可能となっているので、ストックを操作する人の手の大きさ、形状等に応じてパッドの位置を調整することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
一般に、スキー、トレッキング等に使用されるストックは、アルミ合金等から形成されるシャフト、シャフトの一端部に取り付けられるグリップ、シャフトの他端部に取り付けられるリング、グリップの端部に取り付けられるストラップ等の複数の部品から構成されている。本発明は、このような構成のストックのストラップに適用したものである。
【0009】
以下、図面に示す本発明の実施の形態について説明する。
図1及び図2には、本発明によるストックのストラップの構造の一実施の形態が示されていて、このストックのストラップの構造1は、ストック20のグリップ22の端部に取り付けられるストラップ2と、ストラップ2に取り付けられるパッド7とを備えている。
【0010】
ストラップ2は、合成樹脂等からなる帯状をなすものを二つ折りにし、折曲部5をグリップ22の端部に固着させ、グリップ22から引き出した長さの異なる2本の帯状体3、4の自由端間を連結手段11によって連結して環状に形成したものである。この場合、上側に位置する帯状体4の方が下側に位置する帯状体3よりも長くなるように、折曲部5の位置を調整している。
【0011】
ストラップ2をグリップ22に固着させる手段としては、例えば、グリップ22の端部に水平方向を向く穴(図示せず)を設け、この穴内に水平方向からストラップ2の折曲部5を差し込み、グリップ22の上端から下方に向けてねじ23を捻じ込み、そのねじ23を折曲部5に設けた貫通孔6を挿通させてグリップ22に固着させる方法が挙げられる。但し、この方法に限らず、他の周知の固着方法を使用しても良い。
【0012】
連結手段11としては、例えば、ストラップ2の下側の帯状体3の自由端に取り付けられる合成樹脂、金属等から形成される角環状のバックル12と、上側の帯状体4の自由端部の裏面側に設けられる合成樹脂製の一方の接着テープ13と、後述するパッド7の表面側に設けられる一方の接着テープ13と噛み合い可能な合成樹脂製の他方の接着テープ14との組合せが挙げられる。
【0013】
この場合、接着テープ13、14としては、例えば、フック状の接着テープとバイル状の接着テープとを組合せたもの(マジックテープ、商標名)が挙げられるが、これに限定することなく、両接着テープ13、14を互いに接着させることができるものであれば良い。
【0014】
バックル12は、その内側にストラップ2の下側の帯状体3の自由端部を挿通させて折り返し、折り返した部分を縫製、接着剤による接着、熱融着等の手段により折り返していない部分に接合することにより、下側の帯状体3の自由端に取り付けられる。
【0015】
上側の帯状体4に設けられる一方の接着テープ13は、フック状又はバイル状のものであって、上側の帯状体4の全長の約1/3を占めるように、上側の帯状体4の自由端部の裏面側に略全幅に渡って設けられる。一方の接着テープ13を上側の帯状体4に設ける手段としては、縫製、接着剤による接着、熱融着等の方法が挙げられる。
【0016】
パッド7に設けられる他方の接着テープ14は、バイル状又はフック状のものであって、パッド7の後述する表面層9の上部にほぼ全体に渡って、上側の帯状体4と同様に、縫製、接着剤による接着、熱融着等の方法によって設けられている。
【0017】
パッド7は、略楕円形状の裏面層8と、この裏面層8の上部に積層される裏面層8と同一形状、大きさの表面層9と、表面層9の上部に設けられる前述した他方の接着テープ14とから構成されている。
【0018】
裏面層8は、合成樹脂等からなる織布又は不織布を素材とし、これを一層又は二層以上に積層することにより弾性を付加したものであって、この裏面層8の弾性によってストラップ2に入力する衝撃を緩衝させることができるものである。なお、裏面層8は、全体又は一部を弾性を有する合成ゴム等によって形成しても良い。
【0019】
表面層9は、裏面層8と同様に、合成樹脂等からなる織布又は不織布を素材とし、これを一層又は二層以上に積層することにより弾性を付加したものであって、この表面層9の弾性によってもストラップ2に入力する衝撃を緩衝させることができるものである。なお、表面層9も裏面層8と同様に、全体又は一部を弾性を有する合成ゴム等によって形成しても良い。
【0020】
表面層9は、裏面層8の上部に積層した状態で、周縁部が縫製、接着剤による接着、熱融着等の手段によって裏面層8の周縁部に一体に接合されている。表面層9と裏面層8との間には所定の空隙(図示せず)が形成され、この空隙は長手方向の両端部に設けられている切込み10、10によって外部に開放されるようになっている。
【0021】
表面層9の上部には、ほぼ全体に渡って他方の接着テープ14が縫製、接着剤による接着、熱融着等の方法によって一体に設けられている。この場合、他方の接着テープ14は、表面層9の中心部のみに全長に渡って設けても良い。また、図示はしないが、表面層9を設けずに、裏面層8の上部に裏面層8と同一形状、大きさに形成した他方の接着テープ14を直接に設けるようにしても良い。
【0022】
そして、上記のように構成したパッド7の一方の切込み10から空隙内にストラップ2の上側の帯状体4を挿入し、その上側の帯状体4を空隙を挿通させて他方の切込み10から引き出すことにより、パッド7が上側の帯状体4に取り付けられる。この場合、パッド7を上側の帯状体4に沿って移動させることにより、上側の帯状体4の所定の位置に位置決めすることができる。
【0023】
そして、上記のように構成したストラップ2を備えたストック20を使用するには、ストラップ2の上側の帯状体4の自由端部を下側の帯状体3のバックル12内に挿通させて折り返し、上側の帯状体4の裏面側の一方の接着テープ13とパッド7側の他方の接着テープ14とを互いに噛み合わせて接着させることにより、ストラップ2を環状に形成する。この場合、予め、手の大きさ、形状に応じて上側の帯状体4におけるパッド7の位置を調整しておき、パッド7が手の甲の部分に接触するようにしておく。
【0024】
そして、下方からストラップ2内に手を挿入し、パッド7の部分を手の甲に接触させ、グリップ22に隣接しているストラップ2の下側の帯状体3の部分とグリップ22とを一緒に握ることにより、ストック20の操作が可能となるものである。
【0025】
そして、ストック20を操作して雪面に突き刺し、雪面からの衝撃がグリップ22を介して手に伝達すると、その衝撃は手からストラップ2側に伝達することになるが、この場合、手の甲に接触するストラップ2の部分には幅広で弾性を有するパッド7が設けられているので、このパッド7によってその衝撃が分散、緩衝される。従って、ストック20を雪面に突いたときの衝撃によって手を痛めるのを防止できる。さらに、転倒等によってストック20からの衝撃が手の甲に作用しても、その衝撃を幅広で弾性を有するパッド7によって分散、緩衝させることができるので、転倒時のストック20からの衝撃によって手を痛めるのも防止できる。
【0026】
なお、前記の説明においては、ストラップ2の下側の帯状体3の自由端にバックル12を設け、上側の帯状体4の自由端部に一方の接着テープ13を設け、パッド7の表面側に他方の接着テープ14を設け、バックル12を挿通させた上側の帯状体4の一方の接着テープ13をパッド7の他方の接着テープ14に噛み合わせるように構成したが、下側の帯状体3の自由端部に他方の接着テープ(図示せず)を設け、バックル12を通した上側の帯状体4の一方の接着テープ13を下側の帯状体3の他方の接着テープに噛み合わせることにより、ストラップ2を環状に形成するようにしても良い。さらに、上側の帯状体4の自由端部に長手方向に所定の間隔ごとに孔(図示せず)を設け、この孔内に下側の帯状体3のバックル12に設けた係止ピン(図示せず)を突き刺すことにより、ストラップ2を環状に形成するようにしても良い。
【0027】
【発明の効果】
本発明は、前記のように構成したことにより、ストックを雪面に突いたときに、雪面からの衝撃がグリップを介して手に伝達しても、その衝撃は幅広で弾性を有するパッドに受け止められて分散、緩衝されることになるので、雪面にストックを突いたときの衝撃によって手を痛めるようなことはなくなる。また、転倒時にストックからの衝撃が手に伝達しても、その衝撃は幅広で弾性を有するパッドで受け止められて分散、緩衝されることになるので、転倒時のストックからの衝撃によって手を痛めることもなくなる。また、パッドは、ストラップに対する取付け位置の調整が可能となっているので、パッドの位置を調整することにより手の大きさ、形状の異なる様々な人に対応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるストックのストラップの構造の一実施の形態の全体を示した斜視図である。
【図2】図1に示すストラップの取付け前の状態を示した説明図である。
【図3】従来のストラップの一例を示した説明図である。
【符号の説明】
1……ストラップの構造
2、25……ストラップ
3……下側の帯状体
4……上側の帯状体
5、28……折曲部
6……貫通孔
7……パッド
8……裏面層
9……表面層
10……切込み
11……連結手段
12、29……バックル
13……一方の接着テープ
14……他方の接着テープ
20……ストック
21……シャフト
22……グリップ
23……ねじ
26……一方の帯状体
27……他方の帯状体

Claims (4)

  1. シャフトの一端部にグリップが取り付けられるとともに、該グリップの端部にストラップが取り付けられるストックのストラップの構造であって、前記グリップの端部に取り付けられる環状のストラップと、該ストラップに取り付けられるとともに、該ストラップよりも幅広で弾性を有するパッドとを備えてなることを特徴とするストックのストラップの構造。
  2. 前記パッドの前記ストラップに対する取付け位置の調整を可能としたことを特徴とする請求項1に記載のストックのストラップの構造。
  3. 前記ストラップは、帯状をなすものを二つ折りにして折曲部を前記グリップに固着し、前記グリップから引き出した一方の帯状体の自由端と他方の帯状体の自由端とを連結手段によって連結することにより環状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のストックのストラップの構造。
  4. 前記連結手段は、前記ストラップの一方の帯状体の自由端部に設けられるとともに、内側に他方の帯状体の自由端部を挿通させるバックルと、他方の帯状体の自由端部に設けられる接着テープと、前記パッドに設けられるとともに、前記バックルを挿通させて折り返した前記他方の帯状体の接着テープと互いに噛み合い接着される接着テープとからなることを特徴とする請求項3に記載のストックのストラップの構造。
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