JP2004214790A - 制御メッセージの多重化方法およびシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】送信元S/宛先Dの組数Nが増加しても平均伝送遅延の増大が抑えられる制御メッセージの多重化方法およびシステムを提供する。
【解決手段】▲1▼ノードAがノードDとの間に経路を確立するための制御メッセージRREQ(A)をブロードキャストすると、ノードAの無線到達範囲内に位置するノードCがこれを受信する。▲2▼次いで、ノードBがノードDとの間に経路を確立するための制御メッセージRREQ(B)をブロードキャストすると、ノードBの無線到達範囲内に位置するノードCがこれを受信する。▲3▼ノードCは、制御メッセージRREQ(A)と制御メッセージRREQ(B)とを1つのメッセージRREQ(A,B)に多重化してブロードキャストする。
【選択図】 図1
【解決手段】▲1▼ノードAがノードDとの間に経路を確立するための制御メッセージRREQ(A)をブロードキャストすると、ノードAの無線到達範囲内に位置するノードCがこれを受信する。▲2▼次いで、ノードBがノードDとの間に経路を確立するための制御メッセージRREQ(B)をブロードキャストすると、ノードBの無線到達範囲内に位置するノードCがこれを受信する。▲3▼ノードCは、制御メッセージRREQ(A)と制御メッセージRREQ(B)とを1つのメッセージRREQ(A,B)に多重化してブロードキャストする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マルチホップ・ワイヤレス・モバイル・アドホックネットワーク(以下、アドホックネットワークと呼ぶ)における制御メッセージの多重化方法およびシステムに係り、特に、Route RequestメッセージのブロードキャストやRoute Replyメッセージのユニキャストに好適な制御メッセージの多重化方法およびシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
アドホックネットワークは、固定的に設置されるルータ、ノード及び基地局などの予め用意される施設を用いることなく、可動性のあるノードの集まりのみで形成されるネットワークである。アドホックネットワークでは、データパケットが複数のノードを中継することで伝送され、中継を行うために必要となる経路情報は、経路制御プロトコルにより作成される。
【0003】
従来、データパケットの中継に必要となった経路のみの作成を行うオンデマンド型の経路制御プロトコルが提案されている[1][2]([1] D. Johnson and D. Maltz. Dynamic Source Routing in Ad Hoc Wireless Networks. In T. Imielinski and H. Korth, editors, Mobile computing, chapter 5. Kluwer Academic, 1996. [2]C.E.Perkins and E.M.Royer, "Ad Hoc On-demand Distance Vector Routing", In Proc. of 2nd IEEE Wksp. Mobile Comp. Sys. and Apps., 1999.)。
【0004】
オンデマンド型のルーティング・プロトコルは、ネットワーク全体へのブロードキャスト(広報)を採用した「経路発見」と呼ばれる処理により経路の作成を行う。この経路発見処理では、送信元Sは宛先Dへの経路が必要になったときに経路発見を開始する。経路発見の手順は、ネットワーク全体へのRoute Requestメッセージ(以下、RREQと呼ぶ)のブロードキャストおよびRoute Replyメッセージ(以下、RREPと呼ぶ)のユニキャストを含む。次いで、RREQおよびRREPにより経路が作成される手順について説明する。
【0005】
(1) RREQと帰還経路
送信元Sが宛先Dに至るための次ホップのノード(以下、転送経路と呼ぶ)の発見を要求するためにブロードキャストするRREQは、これを受信したノードに対して送信元Sに至るための次ホップのノード(以下、帰還経路と呼ぶ)を与えることになる。例えば、図12のノードEは送信元SからRREQを受信することで帰還経路を送信元Sと認識し、ノードGはノードEからRREQを受信することで帰還経路をノードEと認識する。RREQを受信したノードがノードDへの経路を取得していない場合、受信したRREQのブロードキャストを行う。
【0006】
各ノードは、シーケンス番号及びブロードキャスト番号と呼ばれる自身の番号をそれぞれ管理する。シーケンス番号は、経路の循環を防止して新しい経路を与えるために用いられ、経路発見を行うたびに送信元Sは自身のシーケンス番号に1だけ増加した値をRREQに指定する。送信元SがブロードキャストしたRREQを受信した各ノードは、先に受信したRREQに示される送信元Sのシーケンス番号に比べて後に受信したRREQに示される送信元Sのシーケンス番号が大きい場合に帰還経路を更新する。
【0007】
ブロードキャスト番号は、各ノードが、先に受信したRREQと後に受信したRREQとが重複するか否かを判断するために用いられ、経路発見を行うたびに送信元Sは自身のブロードキャスト番号に1だけ増加した値をRREQに指定する。各ノードは、先に受信したRREQに示される送信元Sのブロードキャスト番号と後に受信したRREQに示される送信元Sのブロードキャスト番号とが同一の場合に重複RREQと判断し、後から受信したRREQによる帰還経路の作成及び再ブロードキャストを行わない。例えば図12のノードGのように、ノードEからRREQを受信した後にノードFからRREQを受信した場合、RREQに示される送信元Sのブロードキャスト番号が同一であることから重複するRREQと判断し直ちに破棄する。
【0008】
(2)RREPと転送経路
宛先D自身もしくは既に転送経路を取得しているノードがRREQを受信した場合、RREPを送信元Sに向かってユニキャストする。RREPは作成済みの帰還経路に沿って送信元Sに至る。RREPは、これを受信したノードに対して転送経路を与えることになる。例えば図13のノードHはノード(ここでは、宛先)DからRREPを受信することで転送経路を宛先Dと認識し、作成済みの帰還経路GにRREPを送信する。宛先Dから送信元Sに至るための帰還経路は1つとなり、その帰還経路に沿ってRREPが送信元Sに至るので、送信元Sから宛先Dに至る転送経路は1つとなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の経路制御プロトコルでは、通信を行う送信元Sと宛先Dとの組の増加に伴ってRREQおよびRREPといった制御メッセージが増大するために、伝送可能なデータパケット数の減少及びデータパケットの伝送遅延の増大を招いてしまう。
【0010】
図14は、同時に通信を行おうとするN組の送信元S/宛先Dが、代表的なルーティングプロトコルであるDSR (Dynamic Source Routing )およびAODV (Ad Hoc On-Demand Distance Vector )を実行して制御メッセージを送受信した際の、各ノードの動きの程度を代表する指標(pause time:一箇所に留まっている時間)と、伝送可能なデータパケット数の指標(Packet Delivery Fraction)との関係[同図(a)、 (b)、(c)]、およびデータパケットの平均伝送遅延(Avg. Delay)との関係[同図(d)、(e)、(f) ]を、前記組数Nをパラメータとして示した図である。
【0011】
図14を参照すれば、送信元S/宛先Dの組数Nの増加に伴って、伝送可能なデータパケット数(Packet Delivery Fraction)が低下し、平均伝送遅延が長くなることが判る。
【0012】
本発明の目的は、上記した従来技術の課題を解決し、送信元S/宛先Dの組数Nが増加しても伝送可能なデータパケット数が減少せず、かつ平均伝送遅延の増大が抑えられる制御メッセージの多重化方法およびシステムを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明は、アドホックネットワークを構成する無線ノードに実装され、受信した制御メッセージを更新して次ホップへ転送する制御メッセージの転送システムにおいて、受信メッセージに基づいて転送用の制御メッセージを生成する経路制御手段と、次ホップが同一である複数の制御メッセージを多重化する手段と、前記多重化された制御メッセージを転送する手段とを含むことを特徴とする。
【0014】
上記した特徴によれば、次ホップが同一である複数の制御メッセージが多重化されるので、経路制御に用いる総データ量の削減と、メッセージ数の減少による通信プロトコルの短縮とが可能になる。この結果、次ホップへの制御メッセージの送信に費やされる時間が減少し、送信元/宛先の組数の増加に伴うネットワーク上の経路制御に用いるトラフィックの増大を最小限に抑えられる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明に係る制御メッセージの多重化方法の一実施形態を模式的に表現した図であり、実線の丸印は無線ノードを表し、これと同心状の破線丸印は各ノードから送信される電波の到達範囲を表している。ここでは、ブロードキャストされる制御メッセージの多重化方法に関して説明する。
▲1▼ノードAがノードDとの間に経路を確立するための制御メッセージRREQ(A)をブロードキャストすると、ノードAの無線到達範囲内に位置するノードCがこれを受信する。
▲2▼次いで、ノードBがノードDとの間に経路を確立するための制御メッセージRREQ(B)をブロードキャストすると、ノードBの無線到達範囲内に位置するノードCがこれを受信する。
▲3▼ノードCは、制御メッセージRREQ(A)と制御メッセージRREQ(B)とを1つのメッセージRREQ(A,B)に多重化してブロードキャストする。
【0016】
図2は、本発明に係る制御メッセージの多重化方法の他の実施形態を模式的に表現した図であり、ここでは、ユニキャストされるメッセージの多重化方法を示している。図1のブロードキャストでは、任意のノードが制御メッセージを中継することになるのに対して、ユニキャストでは、特定のノードが中継することになる点で両者は異なる。
▲1▼ノードAがノードEに向けて制御メッセージRREP(A)をユニキャストすると、ノードCがこれを受信する。
▲2▼次いで、ノードBがノードFに向けて制御メッセージRREP(B)をユニキャストすると、ノードCがこれを受信する。
▲3▼ノードCは、制御メッセージRREP(A)と制御メッセージRREP(B)とを1つの制御メッセージRREP(A,B)に多重化し、これをノードDに向けてユニキャストする。
▲4▼ノードDは、ノードCから多重化された制御メッセージRREP(A,B)を受信すると、この多重化を解除して2つの制御メッセージに展開し、その一方の制御メッセージRREP(A)をノードEに向けてユニキャストする。
▲5▼ノードDは、他方の制御メッセージRREP(B)をノードFに向けてユニキャストする。
【0017】
このように、本発明では各ノードが制御メッセージを受信し、これを所定の次ホップへ転送する際、次ホップが同一である複数の制御メッセージを多重化して送信するようにした点に特徴がある。
【0018】
図3は、各ノードに実装されて上記した制御メッセージの多重化を実現する制御メッセージ多重化システムの主要部の構成を示したブロック図である。
【0019】
経路制御部10は、前記DSR あるいはAODV といった既知のルーティングプロトコルを含み、受信した制御メッセージを解析して経路検出処理を実行し、他のノードへ転送する制御メッセージを生成する。本実施形態では、次ホップごとに制御メッセージ用の送信キューQ1,Q2…Qnが確保されており、前記経路制御部10は、次ホップが同一の制御メッセージが同一の送信キューへ格納されるように、各制御メッセージを次ホップに基づいて各送信キューQ1,Q2…Qnへ分配する。
【0020】
制御メッセージ用の各送信キューQ1,Q2…Qnでは、分配された各制御メッセージがその種別(RREQまたはRREP)ごとに多重化される。各送信キューQ0,Q1,Q2…Qnに蓄積されているデータパケットおよび制御メッセージは、送信キューハンドラー11により読み出され、MAC層および物理層を介して次ホップへ送信される。
【0021】
図4は、代表的なルーティングプロトコルであるAODVにおける制御メッセージ(RREQ)の構成を示した図であり、ルーティングプロトコルが用いる制御メッセージにはUDP(User Data Protocol)ヘッダおよびIP( Internet Protocol)ヘッダが付加される。ここで、次ホップが同一であるRREQ同士はUDPヘッダおよびIPヘッダが一致するので、本実施形態では、UDPヘッダおよびIPヘッダを共有化することでRREQの多重化を実現している。
【0022】
図5は、UDPヘッダおよびIPヘッダが共通である3つの制御メッセージRREQ(M1)(M2)(M3)を、UDPヘッダおよびIPヘッダの共有化により多重化した場合の制御メッセージの総データ量の削減効果を説明するための図であり、n個の制御メッセージRREQを多重化することにより、(n-1)個分のUDPヘッダおよびIPヘッダに相当する量のデータを削減できる。
【0023】
さらに、本実施形態によれば制御メッセージの総データ量のみならず、通信プロトコルの省略による時間短縮も可能になる。図6,7は通信プロトコルの省略による時間短縮効果を説明するための図である。
【0024】
ここでは、図6に示したように、ノードAがノードEに向けて制御メッセージRREP(A)をユニキャストし、ノードBがノードFに向けて制御メッセージRREP(B)をユニキャストする場合の、ノードC,D間における通信プロトコルに着目する。
【0025】
従来技術であれば、同図(a)示したように、制御メッセージRREP(A)と同RREP(B)とが別々に転送されるので、その転送プロトコルは図7の左側に示した通りなる。
【0026】
すなわち、制御メッセージRREP(A)の送信に先立ってノードCからノードDへRTS(Request-To-Send)パケットが送信される。これに応答してノードDからノードCへCTS(Clear-To-Send)パケットが返信されれば、ノードCからノードDへメッセージRREP(A)が送信され、これを正常に受信し終えたノードDがACKパケットを返信することにより1回分のメッセージ送信を完了する。その後も同様に、RTSパケット/CTSパケット/RREP(B)/ACKパケットの送受信が行われる。
【0027】
これに対して本実施形態では、図6(b)に示したように、ノードCからノードDへ送信されるメッセージが多重化されるので、その通信プロトコルでは、図7の右側に示したように、RTSパケット、CTSパケットおよびACKパケットが1回しか送受信されない。したがって、n個のRREQを多重化することにより、(n-1)個分のRTSパケット、CTSパケットおよびACKパケットの送信時間が短縮されることになる。
【0028】
次いで、前記図3に示した制御メッセージ多重化システムの動作を、図8,9のフローチャートを参照して詳細に説明する。図8は、主に前記経路制御部10および各送信キューQ0,Q1,Q2…Qnで実行される制御メッセージの多重化処理の動作を示し、図9は、主に前記送信キューハンドラー11で実行される制御メッセージの送信処理の動作を示している。
【0029】
図8において、ステップS10では、制御メッセージが受信されたか否かが経路制御部10で判別される。制御メッセージが受信されると、ステップS11では、この制御メッセージが多重化されたメッセージであるか否かが判別され、多重化されていなければステップS12へ進んで当該制御メッセージが解析される。なお、制御メッセージが多重化されていれば、ステップS22において多重化が解除されて複数の制御メッセージに展開され、その後、ステップS12において制御メッセージ毎に解析が行われる。ステップS13では、解析結果に基づいて生成された経路情報が経路制御部10の経路テーブルに登録される。
【0030】
ステップS14では、経路制御部10において、受信した制御メッセージごとに送信用の制御メッセージが生成される。ステップS15では、各制御メッセージが、その次ホップに応じて前記送信キューQ1,Q2…Qnのいずれかに分配される。ステップS16では、前記送信キューQ1,Q2…Qnごとに、格納されている制御メッセージが種別ごとに多重化される。
【0031】
なお、前記ステップS10において制御メッセージの受信と判別されず、ステップS20においてデータパケットの受信と判別されると、ステップS21において、当該データパケットが送信キューQ0に格納される。
【0032】
ステップS17では、各送信キューQ1,Q2…Qnの現在の多重度αと別途に指定された基準多重度αrefとが比較される。
【0033】
前記多重度αは、多重化された制御メッセージのデータ量を代表するパラメータであり、多重化した制御メッセージの個数を計数できれば、当該個数nが多重度αに相当する。また、受信された制御メッセージを所定の期間ごとに多重化するのであれば、当該所定期間の長さΔtが多重度αに相当する。なお、前記基準多重度αrefは、制御メッセージの受信頻度等に応じて動的に変化する変数とすることが望ましい。
【0034】
図10は、多重化した制御メッセージの個数nを多重度αとして採用する際の基準多重度αrefと単位時間あたりの制御メッセージの受信数mとの関係を示した図であり、ここでは、単位時間あたりの制御メッセージの受信数mが増えるほど基準多重度αrefが高くなる。前記基準多重度αrefと受信数mとの関係αref=f(m)は、一次関数f1(m)=am+bであっても良いし、あるいは二次関数f2(m)=am∧2であっても良い。
【0035】
図11は、多重化期間Δtを多重度αとして採用する際の基準多重度αrefと制御メッセージの平均受信間隔ΔTとの関係を示した図であり、ここでは、平均受信間隔ΔTが短くなるほど基準多重度αrefが高くなる。前記基準多重度αrefと平均受信間隔ΔTとの関係αref=g(ΔT)も、g1(ΔTm)=aΔT+bあるいはg2(ΔTm)=a/ΔT 等であっても良い。
【0036】
図8に戻り、前記ステップS17において、多重度αが基準多重度αrefに達していないと判定された送信キューに関しては、ステップS19において当該送信キューからの制御メッセージの読み出しが禁止される。これに対して、多重度αが基準多重度αrefを超えていると判定された送信キューに関しては、ステップS18において当該送信キューからの制御メッセージの読み出し禁止が解除される。
【0037】
次いで、図9のフローチャートを参照して、前記送信キューハンドラー11で実行される制御メッセージの送信処理を説明する。
【0038】
ステップS31では、制御メッセージ用の送信キューQ1,Q2…Qnのいずれかにメッセージが格納されているか否かが判別される。制御メッセージの格納されている送信キューが存在すればステップS32へ進み、この送信キューが読み出し禁止状態にあるか否かが判別される。読み出し禁止状態が解除されていればステップS33へ進み、当該送信キューから多重化された制御メッセージおよび/または多重化されていない制御メッセージが全て読み出され、ステップS34において送信される。
【0039】
一方、前記ステップS31において、制御メッセージがいずれの送信キューにも格納されていないと判別されるとステップS35へ進み、今度はデータパケット用の送信キューQ0にデータが格納されているか否かが判別される。送信キューQ0にデータパケットが格納されていればステップS36へ進み、当該送信キューQ0からデータパケットが読み出され、ステップS37において送信される。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、次ホップが同一である複数の送信メッセージが多重化されるので、経路制御に用いる総データ量の削減と通信プロトコルの短縮とが可能になる。この結果、次ホップへの制御メッセージの送信に費やされる時間が減少し、送信元/宛先の組数の増加に伴うネットワーク上の経路制御に用いるトラフィックの増大を最小限に抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る制御メッセージ多重化方法の一実施形態を模式的に表現した図である。
【図2】本発明に係る制御メッセージの多重化方法の他の実施形態を模式的に表現した図である。
【図3】制御メッセージ多重化システムの主要部の構成を示したブロック図である。
【図4】AODVの制御メッセージ(RREQ)の構成を示した図である。
【図5】制御メッセージのデータ量の削減効果を示した図である。
【図6】通信プロトコルの省略による時間短縮効果を示したブロック図である。
【図7】通信プロトコルの省略による時間短縮効果を示したプロトコルシーケンス図である。
【図8】制御メッセージ多重化システムの動作を示したフローチャート(その1)である。
【図9】制御メッセージ多重化システムの動作を示したフローチャート(その2)である。
【図10】多重化した制御メッセージの個数nを多重度αとして採用する際の基準多重度αrefと単位時間あたりの制御メッセージの受信数mとの関係を示した図である。
【図11】制御メッセージの多重化期間Δtを多重度αとして採用する際の基準多重度αrefと制御メッセージの平均受信間隔ΔTとの関係を示した図である。
【図12】RREQに基づく帰還経路の検知方法を示した図である。
【図13】RREPに基づく転送経路の検知方法を示した図である。
【図14】従来技術の課題を説明するための図である。
【符号の説明】10…経路制御部,11…送信キューハンドラー
【発明の属する技術分野】
本発明は、マルチホップ・ワイヤレス・モバイル・アドホックネットワーク(以下、アドホックネットワークと呼ぶ)における制御メッセージの多重化方法およびシステムに係り、特に、Route RequestメッセージのブロードキャストやRoute Replyメッセージのユニキャストに好適な制御メッセージの多重化方法およびシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
アドホックネットワークは、固定的に設置されるルータ、ノード及び基地局などの予め用意される施設を用いることなく、可動性のあるノードの集まりのみで形成されるネットワークである。アドホックネットワークでは、データパケットが複数のノードを中継することで伝送され、中継を行うために必要となる経路情報は、経路制御プロトコルにより作成される。
【0003】
従来、データパケットの中継に必要となった経路のみの作成を行うオンデマンド型の経路制御プロトコルが提案されている[1][2]([1] D. Johnson and D. Maltz. Dynamic Source Routing in Ad Hoc Wireless Networks. In T. Imielinski and H. Korth, editors, Mobile computing, chapter 5. Kluwer Academic, 1996. [2]C.E.Perkins and E.M.Royer, "Ad Hoc On-demand Distance Vector Routing", In Proc. of 2nd IEEE Wksp. Mobile Comp. Sys. and Apps., 1999.)。
【0004】
オンデマンド型のルーティング・プロトコルは、ネットワーク全体へのブロードキャスト(広報)を採用した「経路発見」と呼ばれる処理により経路の作成を行う。この経路発見処理では、送信元Sは宛先Dへの経路が必要になったときに経路発見を開始する。経路発見の手順は、ネットワーク全体へのRoute Requestメッセージ(以下、RREQと呼ぶ)のブロードキャストおよびRoute Replyメッセージ(以下、RREPと呼ぶ)のユニキャストを含む。次いで、RREQおよびRREPにより経路が作成される手順について説明する。
【0005】
(1) RREQと帰還経路
送信元Sが宛先Dに至るための次ホップのノード(以下、転送経路と呼ぶ)の発見を要求するためにブロードキャストするRREQは、これを受信したノードに対して送信元Sに至るための次ホップのノード(以下、帰還経路と呼ぶ)を与えることになる。例えば、図12のノードEは送信元SからRREQを受信することで帰還経路を送信元Sと認識し、ノードGはノードEからRREQを受信することで帰還経路をノードEと認識する。RREQを受信したノードがノードDへの経路を取得していない場合、受信したRREQのブロードキャストを行う。
【0006】
各ノードは、シーケンス番号及びブロードキャスト番号と呼ばれる自身の番号をそれぞれ管理する。シーケンス番号は、経路の循環を防止して新しい経路を与えるために用いられ、経路発見を行うたびに送信元Sは自身のシーケンス番号に1だけ増加した値をRREQに指定する。送信元SがブロードキャストしたRREQを受信した各ノードは、先に受信したRREQに示される送信元Sのシーケンス番号に比べて後に受信したRREQに示される送信元Sのシーケンス番号が大きい場合に帰還経路を更新する。
【0007】
ブロードキャスト番号は、各ノードが、先に受信したRREQと後に受信したRREQとが重複するか否かを判断するために用いられ、経路発見を行うたびに送信元Sは自身のブロードキャスト番号に1だけ増加した値をRREQに指定する。各ノードは、先に受信したRREQに示される送信元Sのブロードキャスト番号と後に受信したRREQに示される送信元Sのブロードキャスト番号とが同一の場合に重複RREQと判断し、後から受信したRREQによる帰還経路の作成及び再ブロードキャストを行わない。例えば図12のノードGのように、ノードEからRREQを受信した後にノードFからRREQを受信した場合、RREQに示される送信元Sのブロードキャスト番号が同一であることから重複するRREQと判断し直ちに破棄する。
【0008】
(2)RREPと転送経路
宛先D自身もしくは既に転送経路を取得しているノードがRREQを受信した場合、RREPを送信元Sに向かってユニキャストする。RREPは作成済みの帰還経路に沿って送信元Sに至る。RREPは、これを受信したノードに対して転送経路を与えることになる。例えば図13のノードHはノード(ここでは、宛先)DからRREPを受信することで転送経路を宛先Dと認識し、作成済みの帰還経路GにRREPを送信する。宛先Dから送信元Sに至るための帰還経路は1つとなり、その帰還経路に沿ってRREPが送信元Sに至るので、送信元Sから宛先Dに至る転送経路は1つとなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の経路制御プロトコルでは、通信を行う送信元Sと宛先Dとの組の増加に伴ってRREQおよびRREPといった制御メッセージが増大するために、伝送可能なデータパケット数の減少及びデータパケットの伝送遅延の増大を招いてしまう。
【0010】
図14は、同時に通信を行おうとするN組の送信元S/宛先Dが、代表的なルーティングプロトコルであるDSR (Dynamic Source Routing )およびAODV (Ad Hoc On-Demand Distance Vector )を実行して制御メッセージを送受信した際の、各ノードの動きの程度を代表する指標(pause time:一箇所に留まっている時間)と、伝送可能なデータパケット数の指標(Packet Delivery Fraction)との関係[同図(a)、 (b)、(c)]、およびデータパケットの平均伝送遅延(Avg. Delay)との関係[同図(d)、(e)、(f) ]を、前記組数Nをパラメータとして示した図である。
【0011】
図14を参照すれば、送信元S/宛先Dの組数Nの増加に伴って、伝送可能なデータパケット数(Packet Delivery Fraction)が低下し、平均伝送遅延が長くなることが判る。
【0012】
本発明の目的は、上記した従来技術の課題を解決し、送信元S/宛先Dの組数Nが増加しても伝送可能なデータパケット数が減少せず、かつ平均伝送遅延の増大が抑えられる制御メッセージの多重化方法およびシステムを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明は、アドホックネットワークを構成する無線ノードに実装され、受信した制御メッセージを更新して次ホップへ転送する制御メッセージの転送システムにおいて、受信メッセージに基づいて転送用の制御メッセージを生成する経路制御手段と、次ホップが同一である複数の制御メッセージを多重化する手段と、前記多重化された制御メッセージを転送する手段とを含むことを特徴とする。
【0014】
上記した特徴によれば、次ホップが同一である複数の制御メッセージが多重化されるので、経路制御に用いる総データ量の削減と、メッセージ数の減少による通信プロトコルの短縮とが可能になる。この結果、次ホップへの制御メッセージの送信に費やされる時間が減少し、送信元/宛先の組数の増加に伴うネットワーク上の経路制御に用いるトラフィックの増大を最小限に抑えられる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明に係る制御メッセージの多重化方法の一実施形態を模式的に表現した図であり、実線の丸印は無線ノードを表し、これと同心状の破線丸印は各ノードから送信される電波の到達範囲を表している。ここでは、ブロードキャストされる制御メッセージの多重化方法に関して説明する。
▲1▼ノードAがノードDとの間に経路を確立するための制御メッセージRREQ(A)をブロードキャストすると、ノードAの無線到達範囲内に位置するノードCがこれを受信する。
▲2▼次いで、ノードBがノードDとの間に経路を確立するための制御メッセージRREQ(B)をブロードキャストすると、ノードBの無線到達範囲内に位置するノードCがこれを受信する。
▲3▼ノードCは、制御メッセージRREQ(A)と制御メッセージRREQ(B)とを1つのメッセージRREQ(A,B)に多重化してブロードキャストする。
【0016】
図2は、本発明に係る制御メッセージの多重化方法の他の実施形態を模式的に表現した図であり、ここでは、ユニキャストされるメッセージの多重化方法を示している。図1のブロードキャストでは、任意のノードが制御メッセージを中継することになるのに対して、ユニキャストでは、特定のノードが中継することになる点で両者は異なる。
▲1▼ノードAがノードEに向けて制御メッセージRREP(A)をユニキャストすると、ノードCがこれを受信する。
▲2▼次いで、ノードBがノードFに向けて制御メッセージRREP(B)をユニキャストすると、ノードCがこれを受信する。
▲3▼ノードCは、制御メッセージRREP(A)と制御メッセージRREP(B)とを1つの制御メッセージRREP(A,B)に多重化し、これをノードDに向けてユニキャストする。
▲4▼ノードDは、ノードCから多重化された制御メッセージRREP(A,B)を受信すると、この多重化を解除して2つの制御メッセージに展開し、その一方の制御メッセージRREP(A)をノードEに向けてユニキャストする。
▲5▼ノードDは、他方の制御メッセージRREP(B)をノードFに向けてユニキャストする。
【0017】
このように、本発明では各ノードが制御メッセージを受信し、これを所定の次ホップへ転送する際、次ホップが同一である複数の制御メッセージを多重化して送信するようにした点に特徴がある。
【0018】
図3は、各ノードに実装されて上記した制御メッセージの多重化を実現する制御メッセージ多重化システムの主要部の構成を示したブロック図である。
【0019】
経路制御部10は、前記DSR あるいはAODV といった既知のルーティングプロトコルを含み、受信した制御メッセージを解析して経路検出処理を実行し、他のノードへ転送する制御メッセージを生成する。本実施形態では、次ホップごとに制御メッセージ用の送信キューQ1,Q2…Qnが確保されており、前記経路制御部10は、次ホップが同一の制御メッセージが同一の送信キューへ格納されるように、各制御メッセージを次ホップに基づいて各送信キューQ1,Q2…Qnへ分配する。
【0020】
制御メッセージ用の各送信キューQ1,Q2…Qnでは、分配された各制御メッセージがその種別(RREQまたはRREP)ごとに多重化される。各送信キューQ0,Q1,Q2…Qnに蓄積されているデータパケットおよび制御メッセージは、送信キューハンドラー11により読み出され、MAC層および物理層を介して次ホップへ送信される。
【0021】
図4は、代表的なルーティングプロトコルであるAODVにおける制御メッセージ(RREQ)の構成を示した図であり、ルーティングプロトコルが用いる制御メッセージにはUDP(User Data Protocol)ヘッダおよびIP( Internet Protocol)ヘッダが付加される。ここで、次ホップが同一であるRREQ同士はUDPヘッダおよびIPヘッダが一致するので、本実施形態では、UDPヘッダおよびIPヘッダを共有化することでRREQの多重化を実現している。
【0022】
図5は、UDPヘッダおよびIPヘッダが共通である3つの制御メッセージRREQ(M1)(M2)(M3)を、UDPヘッダおよびIPヘッダの共有化により多重化した場合の制御メッセージの総データ量の削減効果を説明するための図であり、n個の制御メッセージRREQを多重化することにより、(n-1)個分のUDPヘッダおよびIPヘッダに相当する量のデータを削減できる。
【0023】
さらに、本実施形態によれば制御メッセージの総データ量のみならず、通信プロトコルの省略による時間短縮も可能になる。図6,7は通信プロトコルの省略による時間短縮効果を説明するための図である。
【0024】
ここでは、図6に示したように、ノードAがノードEに向けて制御メッセージRREP(A)をユニキャストし、ノードBがノードFに向けて制御メッセージRREP(B)をユニキャストする場合の、ノードC,D間における通信プロトコルに着目する。
【0025】
従来技術であれば、同図(a)示したように、制御メッセージRREP(A)と同RREP(B)とが別々に転送されるので、その転送プロトコルは図7の左側に示した通りなる。
【0026】
すなわち、制御メッセージRREP(A)の送信に先立ってノードCからノードDへRTS(Request-To-Send)パケットが送信される。これに応答してノードDからノードCへCTS(Clear-To-Send)パケットが返信されれば、ノードCからノードDへメッセージRREP(A)が送信され、これを正常に受信し終えたノードDがACKパケットを返信することにより1回分のメッセージ送信を完了する。その後も同様に、RTSパケット/CTSパケット/RREP(B)/ACKパケットの送受信が行われる。
【0027】
これに対して本実施形態では、図6(b)に示したように、ノードCからノードDへ送信されるメッセージが多重化されるので、その通信プロトコルでは、図7の右側に示したように、RTSパケット、CTSパケットおよびACKパケットが1回しか送受信されない。したがって、n個のRREQを多重化することにより、(n-1)個分のRTSパケット、CTSパケットおよびACKパケットの送信時間が短縮されることになる。
【0028】
次いで、前記図3に示した制御メッセージ多重化システムの動作を、図8,9のフローチャートを参照して詳細に説明する。図8は、主に前記経路制御部10および各送信キューQ0,Q1,Q2…Qnで実行される制御メッセージの多重化処理の動作を示し、図9は、主に前記送信キューハンドラー11で実行される制御メッセージの送信処理の動作を示している。
【0029】
図8において、ステップS10では、制御メッセージが受信されたか否かが経路制御部10で判別される。制御メッセージが受信されると、ステップS11では、この制御メッセージが多重化されたメッセージであるか否かが判別され、多重化されていなければステップS12へ進んで当該制御メッセージが解析される。なお、制御メッセージが多重化されていれば、ステップS22において多重化が解除されて複数の制御メッセージに展開され、その後、ステップS12において制御メッセージ毎に解析が行われる。ステップS13では、解析結果に基づいて生成された経路情報が経路制御部10の経路テーブルに登録される。
【0030】
ステップS14では、経路制御部10において、受信した制御メッセージごとに送信用の制御メッセージが生成される。ステップS15では、各制御メッセージが、その次ホップに応じて前記送信キューQ1,Q2…Qnのいずれかに分配される。ステップS16では、前記送信キューQ1,Q2…Qnごとに、格納されている制御メッセージが種別ごとに多重化される。
【0031】
なお、前記ステップS10において制御メッセージの受信と判別されず、ステップS20においてデータパケットの受信と判別されると、ステップS21において、当該データパケットが送信キューQ0に格納される。
【0032】
ステップS17では、各送信キューQ1,Q2…Qnの現在の多重度αと別途に指定された基準多重度αrefとが比較される。
【0033】
前記多重度αは、多重化された制御メッセージのデータ量を代表するパラメータであり、多重化した制御メッセージの個数を計数できれば、当該個数nが多重度αに相当する。また、受信された制御メッセージを所定の期間ごとに多重化するのであれば、当該所定期間の長さΔtが多重度αに相当する。なお、前記基準多重度αrefは、制御メッセージの受信頻度等に応じて動的に変化する変数とすることが望ましい。
【0034】
図10は、多重化した制御メッセージの個数nを多重度αとして採用する際の基準多重度αrefと単位時間あたりの制御メッセージの受信数mとの関係を示した図であり、ここでは、単位時間あたりの制御メッセージの受信数mが増えるほど基準多重度αrefが高くなる。前記基準多重度αrefと受信数mとの関係αref=f(m)は、一次関数f1(m)=am+bであっても良いし、あるいは二次関数f2(m)=am∧2であっても良い。
【0035】
図11は、多重化期間Δtを多重度αとして採用する際の基準多重度αrefと制御メッセージの平均受信間隔ΔTとの関係を示した図であり、ここでは、平均受信間隔ΔTが短くなるほど基準多重度αrefが高くなる。前記基準多重度αrefと平均受信間隔ΔTとの関係αref=g(ΔT)も、g1(ΔTm)=aΔT+bあるいはg2(ΔTm)=a/ΔT 等であっても良い。
【0036】
図8に戻り、前記ステップS17において、多重度αが基準多重度αrefに達していないと判定された送信キューに関しては、ステップS19において当該送信キューからの制御メッセージの読み出しが禁止される。これに対して、多重度αが基準多重度αrefを超えていると判定された送信キューに関しては、ステップS18において当該送信キューからの制御メッセージの読み出し禁止が解除される。
【0037】
次いで、図9のフローチャートを参照して、前記送信キューハンドラー11で実行される制御メッセージの送信処理を説明する。
【0038】
ステップS31では、制御メッセージ用の送信キューQ1,Q2…Qnのいずれかにメッセージが格納されているか否かが判別される。制御メッセージの格納されている送信キューが存在すればステップS32へ進み、この送信キューが読み出し禁止状態にあるか否かが判別される。読み出し禁止状態が解除されていればステップS33へ進み、当該送信キューから多重化された制御メッセージおよび/または多重化されていない制御メッセージが全て読み出され、ステップS34において送信される。
【0039】
一方、前記ステップS31において、制御メッセージがいずれの送信キューにも格納されていないと判別されるとステップS35へ進み、今度はデータパケット用の送信キューQ0にデータが格納されているか否かが判別される。送信キューQ0にデータパケットが格納されていればステップS36へ進み、当該送信キューQ0からデータパケットが読み出され、ステップS37において送信される。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、次ホップが同一である複数の送信メッセージが多重化されるので、経路制御に用いる総データ量の削減と通信プロトコルの短縮とが可能になる。この結果、次ホップへの制御メッセージの送信に費やされる時間が減少し、送信元/宛先の組数の増加に伴うネットワーク上の経路制御に用いるトラフィックの増大を最小限に抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る制御メッセージ多重化方法の一実施形態を模式的に表現した図である。
【図2】本発明に係る制御メッセージの多重化方法の他の実施形態を模式的に表現した図である。
【図3】制御メッセージ多重化システムの主要部の構成を示したブロック図である。
【図4】AODVの制御メッセージ(RREQ)の構成を示した図である。
【図5】制御メッセージのデータ量の削減効果を示した図である。
【図6】通信プロトコルの省略による時間短縮効果を示したブロック図である。
【図7】通信プロトコルの省略による時間短縮効果を示したプロトコルシーケンス図である。
【図8】制御メッセージ多重化システムの動作を示したフローチャート(その1)である。
【図9】制御メッセージ多重化システムの動作を示したフローチャート(その2)である。
【図10】多重化した制御メッセージの個数nを多重度αとして採用する際の基準多重度αrefと単位時間あたりの制御メッセージの受信数mとの関係を示した図である。
【図11】制御メッセージの多重化期間Δtを多重度αとして採用する際の基準多重度αrefと制御メッセージの平均受信間隔ΔTとの関係を示した図である。
【図12】RREQに基づく帰還経路の検知方法を示した図である。
【図13】RREPに基づく転送経路の検知方法を示した図である。
【図14】従来技術の課題を説明するための図である。
【符号の説明】10…経路制御部,11…送信キューハンドラー
Claims (6)
- アドホックネットワークを構成する無線ノードにおいて、受信した制御メッセージを更新して次ホップへ転送する制御メッセージの転送方法において、
受信メッセージに基づいて転送用の制御メッセージを生成する手順と、
次ホップが同一である複数の制御メッセージを多重化する手順と、
前記多重化された制御メッセージを転送する手順とを含むことを特徴とする制御メッセージの多重化方法。 - 前記多重化手順は、各制御メッセージを、そのヘッダー情報の一部であって各制御メッセージに共通のアドレス情報を共有させることにより多重化させることを特徴とする請求項1に記載の制御メッセージの多重化方法。
- 多重化メッセージを受信する手順と、
前記多重化メッセージを複数の制御メッセージに展開する手順と、
各制御メッセージに基づいて転送用の制御メッセージを生成する手順とをさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の制御メッセージの多重化方法。 - アドホックネットワークを構成する無線ノードに実装され、受信した制御メッセージを更新して次ホップへ転送する制御メッセージの転送システムにおいて、
受信メッセージに基づいて転送用の制御メッセージを生成する経路制御手段と、
次ホップが同一である複数の制御メッセージを多重化する手段と、
前記多重化された制御メッセージを転送する手段とを含むことを特徴とする制御メッセージの多重化システム。 - 前記多重化の基準値を設定する手段を更に具備し、
前記多重化手段は、前記設定された多重化基準値に応じて制御メッセージを多重化することを特徴とする請求項4に記載の制御メッセージの多重化システム。 - 次ホップ別に確保された複数の送信キューと、
前記送信メッセージを、その次ホップに応じていずれかの送信キューに分配する手段と、
各送信キューにおいて複数の制御メッセージを多重化する手段と、
手重度が前記基準値に達した多重化メッセージを前記各送信キューから読み出す手段とを更に具備したことを特徴とする請求項5に記載の制御メッセージの多重化システム。
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