JP2004214145A - 耐熱衝撃性黒鉛電極 - Google Patents
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Abstract
【課題】製鋼用黒鉛電極の耐熱衝撃性の正確に評価要素を把握して、耐熱衝撃性に優れる黒鉛電極を提供すること。
【解決手段】製鋼用アーク炉に使用される黒鉛電極であって、次式;
K=L/H(式中、Kは熱衝撃破壊靱性指数を示し、Lは黒鉛電極の中心部から押し出し成型方向に垂直に切り出した250×250×50mmの角板に長辺の外周縁から長さ30mmの切り欠けを設け、直径40mmの中心部を50V、2kAの電力でアーク加熱を行う熱衝撃試験で得られる前記切り欠き部の破壊点における開口変位量(mm)を示し、Hは前記切り欠き部の破壊点に至までのアーク加熱時間(秒)を示す。)で表される熱衝撃破壊靱性指数が0.8×10− 2〜1.6×10− 2mm/ 秒である耐熱衝撃性黒鉛電極。
【選択図】 なし
【解決手段】製鋼用アーク炉に使用される黒鉛電極であって、次式;
K=L/H(式中、Kは熱衝撃破壊靱性指数を示し、Lは黒鉛電極の中心部から押し出し成型方向に垂直に切り出した250×250×50mmの角板に長辺の外周縁から長さ30mmの切り欠けを設け、直径40mmの中心部を50V、2kAの電力でアーク加熱を行う熱衝撃試験で得られる前記切り欠き部の破壊点における開口変位量(mm)を示し、Hは前記切り欠き部の破壊点に至までのアーク加熱時間(秒)を示す。)で表される熱衝撃破壊靱性指数が0.8×10− 2〜1.6×10− 2mm/ 秒である耐熱衝撃性黒鉛電極。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気製鋼炉に用いる耐熱衝撃性に優れた黒鉛電極に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気製鋼法は、電気炉にセットした黒鉛電極の先端部と炉内にチャージしたスクラップ(屑鉄)との間にアークを発生させながら融解する製鋼技術で、黒鉛電極の先端部が消耗するに従い、下部電極のソケット接続部分にテーパーニップルを介して新たな上部電極を補充しながら連続的に操業が継続される。この電気製鋼法に用いられるアーク炉は、従来、3本の黒鉛電極を同時に使用する交流アーク炉(3相交流式)が主流であったが、近年、製鋼の生産性を高めるため1本の黒鉛電極に直流電流を通電する直流アーク炉(単相直流式)に移行しつつある。
【0003】
直流アーク炉においては、直径が24インチを越える大型の黒鉛電極が適用され、負荷される電流密度は電極断面積に対して30A/cm2 以上となるうえ、黒鉛電極内部を流れる電流やアークの挙動が交流アーク炉とは相違するため、操業中に発生する黒鉛電極の事故原因も異質なものとなる。例えば、炉形態の相違に基づく黒鉛電極の事故としては、交流アーク炉では炉内にチャージしたスクラップが溶解段階で崩落して3本のうちいずれかの電極先端部に衝突し、接続部分に大きな曲げモーメントが加わって折損するケースが多く発生するが、1本の大型電極が使用される直流アーク炉ではこの種の事故が発生する頻度は少ない。
【0004】
ところが、負荷電流の影響による電極事故になると、交流アーク炉に比べて直流アーク炉において発生要因が多くなる。すなわち、交流アークの場合には黒鉛電極の直径が20インチ以上になると負荷電流が電極表面を支配的に流れる表皮効果(skin effect) が現れることが知られているが、直流アークではこのような表皮効果はなく、接続部を含めた電極断面の全体に均等に電流が流通する。このため、接続部を構成するニップルにも多く電流が流れて交流アークに比較して温度が急上昇し、この影響でテーパーニップルの熱膨張が相対的に大きくなって電極ソケット部分を押し割る力となって作用する。この押し割り力は、電極が大型化し、負荷電流が大きくなるに従って増大し、電極ソケットの上下部位やテーパーニップル等の折損事故原因となる縦割れ亀裂が発生し易くなる。
【0005】
このようなテーパーニップルの熱膨張を抑制する手段としては、例えばテーパーニップルを熱膨張係数の小さな材質で製造する方法などが考えられるが、ニップル材質が原料として用いるコークスの熱膨張係数に支配される関係で材質改良には限界があり、十分な対応はできない。特許文献1の特開平8−330008号公報には、直流アーク式電気製鋼炉に用いる黒鉛電極の接続部において、上下電極端面の当接部分を流通する電流が接続部全体を流通する電流総量に対して特定の比率範囲にある場合にテーパーニップルの熱膨張を抑制し亀裂発生が効果的に抑制されることが記載されている。しかし、実際にはニップルの熱膨張によるソケットの縦割れをゼロにすることは出来ない。この一旦入ったソケットの縦割れはアーク通電時のジュール発熱によって熱応力を受けてさらに伸長し、より高温条件に晒される先端接続部となった時、ニップルとの螺合部から脱落する原因となる。すなわち、ニップルの熱膨張によるソケットの縦割れを防止することも重要であるが、一旦入った縦割れが熱応力によってさらに伸長することを防止することも必要である。そのためには、ソケットである黒鉛電極本体の耐熱衝撃性をさらに改善する必要がある。
【0006】
この電極本体の耐熱衝撃性を改善するには、耐熱衝撃性を評価する手法が確立されていなければならない。巨大な黒鉛電極の耐熱衝撃性を評価する手法としては、非特許文献1に、押出成型方向に垂直に切り出した円板の中心を加熱して熱衝撃破壊させる試験から、熱衝撃破壊靱性なるパラメータ、又は特許文献2に、円柱黒鉛試験片の円柱端面の任意の箇所に、所定の熱拡散時間の間、アーク放電加熱を行い、円柱端面縁に亀裂生成する限界の電力を測定する試験から、黒鉛の耐熱衝撃破壊抵抗パラメーター等が提唱されている。しかしながら、このパラメータは熱衝撃破壊試験の結果を常温の物性値を使用して応力値に変換しているため物性値の温度依存性が考慮されておらず、第1次近似的なものとなっている。物性値の温度依存性が大きい黒鉛材の場合は熱衝撃破壊試験における破壊現象をより正確に捉えて、耐熱衝撃性の結果を整理することが重要であり、さらなる正確な耐熱衝撃性の評価方法の確立が望まれている。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−330008号公報
【特許文献2】
特開平7−209162号公報、請求項1
【非特許文献1】
佐藤千之助、淡路英夫、阿久沢広信、金順一,「炭素」,1979(No.97)47〜53頁
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、製鋼用黒鉛電極の耐熱衝撃性を評価する評価要素を正確に把握して、耐熱衝撃性に優れる黒鉛電極を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者は鋭意検討を行った結果、特定の黒鉛電極試料片につき、実用条件に近い特定の熱衝撃試験を数回繰り返し行ったところ、従来の評価要素とされている試料片の破壊時間には大きなバラツキがあるものの、試料片の破壊時間に対する切り欠き部の破壊点における開口変位量(mm)は試料片に固有の一定値を示すこと、さらに、この固有値と実用炉での黒鉛電極の先端接続部の縦割れ長さとが極めて良く相関することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、上記の目的を達成するための本発明による耐熱衝撃性黒鉛電極は、製鋼用アーク炉に使用される黒鉛電極であって、次式;K=L/H
(式中、Kは熱衝撃破壊靱性指数を示し、Lは黒鉛電極の中心部から押し出し成型方向に垂直に切り出した250×250×50mmの角板に長辺の外周縁から長さ30mmの切り欠けを設け、直径40mmの中心部を50V、2kAの電力でアーク加熱を行う熱衝撃試験で得られる前記切り欠き部の破壊点における開口変位量(mm)を示し、Hは前記切り欠き部の破壊点に至までのアーク加熱時間(秒)を示す。)で表される熱衝撃破壊靱性指数が0.8×10− 2〜1.6×10− 2mm/ 秒であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の耐熱衝撃性黒鉛電極は、更に、0〜100℃間の熱膨張係数が0.55×10− 6/ K以下、曲げ強さが100kg/cm2以上及び弾性率が800〜1400kg/mm2であることを構成上の特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明における黒鉛電極の耐熱衝撃性評価要素である熱衝撃破壊靱性指数を図1及び図2を参照して説明する。図1は熱衝撃破壊靱性指数を求める熱衝撃試験装置の一例を示す模式図である。図1中、熱衝撃試験装置50は、測定試験片1と、アーク加熱部10と、切り欠き部開口変位量測定部20とから構成される。測定試験片1は黒鉛電極の中心部から押し出し成型方向に垂直に切り出した250×250×50mmの角板であり、その長辺の外周縁の一部には長さ30mmの切り欠き部7が形成されている。アーク加熱部10は図では省略するアーク加熱電源、アーク加熱用の上部グラファイト電極8及び下部グラファイト電極9から成り、上部グラファイト電極8及び下部グラファイト電極9は測定試験片1の中央を両側より当接するように設置される。この際、電力量を測定する黒鉛端子は熱損失を少なくするように、できるだけアーク放電端に近づける。切り欠き部開口変位量測定部20は、変位計2、変位計取付け治具3、測定変位をX−Y記録計5に出力する歪み計4を備える。
【0013】
本発明の黒鉛電極の耐熱衝撃性を規定する熱衝撃破壊靱性指数KはL/Hで表され、例えば上記熱衝撃試験装置50を用いて求められる。すなわち、Lは上記測定試験片1を50V、2kAの電力でアーク加熱を行う熱衝撃試験で得られる前記切り欠き部7の破壊点における開口変位量(mm)を示し、Hは前記切り欠き部の破壊点に至までのアーク加熱時間(秒)を示す。
【0014】
図2はある特定の黒鉛電極を測定試験片とし、上述の熱衝撃試験を繰り返し数3回の試験を行った結果の典型例を示す。横軸はアーク加熱時間(秒)を示し、縦軸は切り欠き部7の開口変位量(mm)を示す。図中、当初はアーク加熱時間と切り欠き部7の開口部の変位量とは直線関係にあり、その後、β点から開口部は急激な変位を生じ、α点以降はアーク加熱時間と共に開口部の開きはさらに大きくなっていく。α点までの破壊時間は各繰り返しの試験において大きく異なるものの、破壊点α点と原点を結ぶ直線の傾斜角θは3回の結果共に同じである。すなわち、本発明の熱衝撃破壊靱性指数KはL/H、すなわちtan θで表され、図2中、Kは2×10− 2mm/ 秒であることが判る。
【0015】
本発明の耐熱衝撃性黒鉛電極は、製鋼用アーク炉用の黒鉛電極であって、上記熱衝撃試験における熱衝撃破壊靱性指数が0.8×10− 2〜1.6×10− 2mm/ 秒、好ましくは1.0×10− 2〜1.5×10− 2mm/ 秒である。かかる範囲は、数多くの黒鉛電極について、上記熱衝撃試験と実用炉における実機試験とを行い、通常、実用炉での黒鉛電極の縦割れ亀裂は電極サイズにより一定の長さ以上になると折損脱落事故に繋がることが経験的に判っており、例えば直径28インチの黒鉛電極の場合、前記縦割れが70cm以上の長さを越えると折損事故が発生し易いという経験値から、縦割れが70cm未満となる黒鉛電極の熱衝撃破壊靱性指数を求めて決定されたものである。従って、熱衝撃破壊靱性指数が0.8×10− 2〜1.6×10− 2mm/ 秒の黒鉛電極を使用すれば、一旦発生した亀裂の伸長を防止して、折損脱落事故に繋がるような長大割れ亀裂の発生は効果的に抑制される。
【0016】
本発明の耐熱衝撃性黒鉛電極は、熱衝撃破壊靱性指数Kが上記範囲のものであるが、かかる範囲に属する黒鉛電極は、また下記電極特性を有する。すなわち、本発明の耐熱衝撃性黒鉛電極において、0〜100℃間の熱膨張係数が0.55×10− 6/ K以下、好ましくは、0.35×10− 6/ K以下であり、熱膨張係数が0.55×10− 6/ Kを越えると、ジュール熱による熱応力に耐えられず電極表面に亀裂が発生し易く、部分的崩落が発生する。
【0017】
黒鉛電極の曲げ強さは100kg/cm2以上、好ましくは110kg/cm2以上である。曲げ強さが100kg/cm2未満であると、耐折損モーメントが小さくなり、衝撃エネルギーによる電極の折損事故の確立が高くなる。
【0018】
黒鉛電極の弾性率は、800〜1400kg/mm2、好ましくは1000〜1300kg/mm2である。弾性率が800kg/mm2未満では、製造時に素材の均質性が損なわれていることが多く折損しやすくなり、1400kg/mm2を越えると吸収エネルギーが低下し、衝撃エネルギーをうまく吸収できない。
【0019】
本発明の耐熱衝撃性黒鉛電極は、上記特性の他、抵抗率が3.5〜5.5×10− 4Ωcm、好ましくは3.5〜4.5×10− 4Ωcm、嵩比重が1.66〜1.80、好ましくは1.70〜1.78であることが好ましい。
【0020】
本発明に係る耐熱衝撃性黒鉛電極は、直流アーク式電気製鋼炉に用いた場合に交流アーク式電気製鋼炉に比べて特に効果の発現が大きいが、交流アーク式電気製鋼炉に対する使用を妨げるものではなく、交流アーク式電気製鋼炉に適用した際にも電極折損防止に有効である。
【0021】
本発明に係る耐熱衝撃性黒鉛電極の製造方法としては、公知の製造方法が適用でき、例えば、針状コークスとバインダーピッチと混合混練したのち、混練物を押出成型し、得られた成型体を焼成炉で約900〜1100℃の温度にて炭素化して焼成品とし、更に該焼成品を電気炉で約2600〜3000℃の温度にて黒鉛化熱処理を施した後、螺子加工等の所定形状を施す加工を行うことにより製造する方法が挙げられる。この製造方法において、耐熱衝撃性を高めるために、熱膨張係数の小さい針状コークスを選定し、該針状コークスとバインダーピッチとの混練物をノズルにより押出成型する時に、該針状コークスとバインダーピッチとの比率又は押出成型時の温度等を調整して混練物の流動性を良くすることにより成型体を得ることが好ましい。混練物の流動性を良くすることにより得た成型体は、熱膨張係数が低く、且つ曲げ強度も高く、前記の特性を有する黒鉛電極となる。また、黒鉛化する工程においては、焼成品を均一な温度分布を保った状態で昇温することが好ましい。焼成品の内部と外部の熱処理温度が異なると、製造される黒鉛電極は、不均一な特性分布を持ち、熱や衝撃により割れやすいものとなる。
【0022】
本発明は、物性値の温度依存性が大きい黒鉛材の熱衝撃試験における破壊現象をより正確に捉えて、実用炉における縦割り亀裂長さと優れた相関を有する熱衝撃破壊靱性指数を見出したため、黒鉛電極の正確な耐熱衝撃性を評価することができる。また、熱衝撃試験における熱衝撃破壊靱性指数が0.8×10− 2〜1.6×10− 2mm/ 秒で、且つ熱膨張係数、曲げ強さ及び弾性率が特定範囲にある電気製鋼炉用黒鉛電極を用いれば、折損脱落事故に繋がるような長大割れ亀裂の伸長を効果的に抑制できる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の実施例を比較例と対比しながら詳細に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
【0024】
実施例1及び2、比較例1〜4
直径28インチ、長さ110インチの黒鉛電極A〜Fロットより各1本づつ計6本の黒鉛電極の中心部から押出成型方向に対して垂直な方向に切り出し、250×250×50mmの測定試料片を得た。図1に示す熱衝撃試験装置を用い、前述の試験条件で繰り返し試験数n=2〜3の熱衝撃試験を行った。結果を図3及び表1に示した。図3中、○印は破壊点αを示し、×印は図2におけるβ点に対応し、囲み線内は同一ロットの黒鉛電極であることを示す。一方、黒鉛電極A〜Fロットを実用炉で使用し、それらの黒鉛電極の下側の接続部がアーク加熱の先端に達し、スクラップを投入するために炉内から引き上げた時に、炉外からその電極の先端接続部における縦割れ長さを計測した。結果を表1に示した。また、黒鉛電極A〜Fの品質特性を表2に示した。
【0025】
参考例
6つの黒鉛電極について、次式の熱衝撃破壊靱性(Λ)を求めた以外は、実施例1と同様の試験条件により行った。結果を表1に示す。
( 式中、C は切り欠き部亀裂深さを示し、F1は無次元応力拡大係数を示し、W は加熱電力量(kW)を示し、h は円板の厚さを示し、a/R は加熱半径比を示し、KICは破壊靭性値を示し、κは熱伝導率を示し、Eは弾性率を示し、αは熱膨張係数を示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
表1より明らかなように、実験室評価による熱衝撃破壊靱性指数Kは、実用結果と優れた相関性を示した。また、実施例の熱衝撃破壊靱性指数Kは0.8〜1.6×10−2mm/ 秒の範囲にある。一方、従来の評価要素の熱衝撃破壊靱性Λは実用結果とほとんど相関しなかった。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、実用炉の縦割り亀裂長さと優れた相関を有する熱衝撃破壊靱性指数を評価要素として用いるため、黒鉛電極の正確な耐熱衝撃性を評価することができる。また、熱衝撃試験における熱衝撃破壊靱性指数が0.8×10− 2〜1.6×10− 2mm/ 秒、且つ熱膨張係数、曲げ強さ及び弾性率が上記の範囲にある電気製鋼炉用黒鉛電極は、折損脱落事故に繋がるような長大割れ亀裂の発生又は伸長を効果的に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱衝撃試験装置の模式図を示す。図中、(A)は測定試験片が平面であり、(B)は測定試験片を側面から見た一部を示す。
【図2】本発明の熱衝撃試験から得られた結果の典型例を示す。
【図3】実施例及び比較例で得られた破壊点αをプロットした図である。
【符号の説明】
1 測定試験片
2 変位計
3 変位計取付け治具
4 歪み計
5 X−Y記録計
6 アーク加熱スポット
7 切り欠き部
8 上方グラファイト電極
9 下方グラファイト電極
50 熱衝撃試験装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気製鋼炉に用いる耐熱衝撃性に優れた黒鉛電極に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気製鋼法は、電気炉にセットした黒鉛電極の先端部と炉内にチャージしたスクラップ(屑鉄)との間にアークを発生させながら融解する製鋼技術で、黒鉛電極の先端部が消耗するに従い、下部電極のソケット接続部分にテーパーニップルを介して新たな上部電極を補充しながら連続的に操業が継続される。この電気製鋼法に用いられるアーク炉は、従来、3本の黒鉛電極を同時に使用する交流アーク炉(3相交流式)が主流であったが、近年、製鋼の生産性を高めるため1本の黒鉛電極に直流電流を通電する直流アーク炉(単相直流式)に移行しつつある。
【0003】
直流アーク炉においては、直径が24インチを越える大型の黒鉛電極が適用され、負荷される電流密度は電極断面積に対して30A/cm2 以上となるうえ、黒鉛電極内部を流れる電流やアークの挙動が交流アーク炉とは相違するため、操業中に発生する黒鉛電極の事故原因も異質なものとなる。例えば、炉形態の相違に基づく黒鉛電極の事故としては、交流アーク炉では炉内にチャージしたスクラップが溶解段階で崩落して3本のうちいずれかの電極先端部に衝突し、接続部分に大きな曲げモーメントが加わって折損するケースが多く発生するが、1本の大型電極が使用される直流アーク炉ではこの種の事故が発生する頻度は少ない。
【0004】
ところが、負荷電流の影響による電極事故になると、交流アーク炉に比べて直流アーク炉において発生要因が多くなる。すなわち、交流アークの場合には黒鉛電極の直径が20インチ以上になると負荷電流が電極表面を支配的に流れる表皮効果(skin effect) が現れることが知られているが、直流アークではこのような表皮効果はなく、接続部を含めた電極断面の全体に均等に電流が流通する。このため、接続部を構成するニップルにも多く電流が流れて交流アークに比較して温度が急上昇し、この影響でテーパーニップルの熱膨張が相対的に大きくなって電極ソケット部分を押し割る力となって作用する。この押し割り力は、電極が大型化し、負荷電流が大きくなるに従って増大し、電極ソケットの上下部位やテーパーニップル等の折損事故原因となる縦割れ亀裂が発生し易くなる。
【0005】
このようなテーパーニップルの熱膨張を抑制する手段としては、例えばテーパーニップルを熱膨張係数の小さな材質で製造する方法などが考えられるが、ニップル材質が原料として用いるコークスの熱膨張係数に支配される関係で材質改良には限界があり、十分な対応はできない。特許文献1の特開平8−330008号公報には、直流アーク式電気製鋼炉に用いる黒鉛電極の接続部において、上下電極端面の当接部分を流通する電流が接続部全体を流通する電流総量に対して特定の比率範囲にある場合にテーパーニップルの熱膨張を抑制し亀裂発生が効果的に抑制されることが記載されている。しかし、実際にはニップルの熱膨張によるソケットの縦割れをゼロにすることは出来ない。この一旦入ったソケットの縦割れはアーク通電時のジュール発熱によって熱応力を受けてさらに伸長し、より高温条件に晒される先端接続部となった時、ニップルとの螺合部から脱落する原因となる。すなわち、ニップルの熱膨張によるソケットの縦割れを防止することも重要であるが、一旦入った縦割れが熱応力によってさらに伸長することを防止することも必要である。そのためには、ソケットである黒鉛電極本体の耐熱衝撃性をさらに改善する必要がある。
【0006】
この電極本体の耐熱衝撃性を改善するには、耐熱衝撃性を評価する手法が確立されていなければならない。巨大な黒鉛電極の耐熱衝撃性を評価する手法としては、非特許文献1に、押出成型方向に垂直に切り出した円板の中心を加熱して熱衝撃破壊させる試験から、熱衝撃破壊靱性なるパラメータ、又は特許文献2に、円柱黒鉛試験片の円柱端面の任意の箇所に、所定の熱拡散時間の間、アーク放電加熱を行い、円柱端面縁に亀裂生成する限界の電力を測定する試験から、黒鉛の耐熱衝撃破壊抵抗パラメーター等が提唱されている。しかしながら、このパラメータは熱衝撃破壊試験の結果を常温の物性値を使用して応力値に変換しているため物性値の温度依存性が考慮されておらず、第1次近似的なものとなっている。物性値の温度依存性が大きい黒鉛材の場合は熱衝撃破壊試験における破壊現象をより正確に捉えて、耐熱衝撃性の結果を整理することが重要であり、さらなる正確な耐熱衝撃性の評価方法の確立が望まれている。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−330008号公報
【特許文献2】
特開平7−209162号公報、請求項1
【非特許文献1】
佐藤千之助、淡路英夫、阿久沢広信、金順一,「炭素」,1979(No.97)47〜53頁
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、製鋼用黒鉛電極の耐熱衝撃性を評価する評価要素を正確に把握して、耐熱衝撃性に優れる黒鉛電極を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者は鋭意検討を行った結果、特定の黒鉛電極試料片につき、実用条件に近い特定の熱衝撃試験を数回繰り返し行ったところ、従来の評価要素とされている試料片の破壊時間には大きなバラツキがあるものの、試料片の破壊時間に対する切り欠き部の破壊点における開口変位量(mm)は試料片に固有の一定値を示すこと、さらに、この固有値と実用炉での黒鉛電極の先端接続部の縦割れ長さとが極めて良く相関することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、上記の目的を達成するための本発明による耐熱衝撃性黒鉛電極は、製鋼用アーク炉に使用される黒鉛電極であって、次式;K=L/H
(式中、Kは熱衝撃破壊靱性指数を示し、Lは黒鉛電極の中心部から押し出し成型方向に垂直に切り出した250×250×50mmの角板に長辺の外周縁から長さ30mmの切り欠けを設け、直径40mmの中心部を50V、2kAの電力でアーク加熱を行う熱衝撃試験で得られる前記切り欠き部の破壊点における開口変位量(mm)を示し、Hは前記切り欠き部の破壊点に至までのアーク加熱時間(秒)を示す。)で表される熱衝撃破壊靱性指数が0.8×10− 2〜1.6×10− 2mm/ 秒であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の耐熱衝撃性黒鉛電極は、更に、0〜100℃間の熱膨張係数が0.55×10− 6/ K以下、曲げ強さが100kg/cm2以上及び弾性率が800〜1400kg/mm2であることを構成上の特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明における黒鉛電極の耐熱衝撃性評価要素である熱衝撃破壊靱性指数を図1及び図2を参照して説明する。図1は熱衝撃破壊靱性指数を求める熱衝撃試験装置の一例を示す模式図である。図1中、熱衝撃試験装置50は、測定試験片1と、アーク加熱部10と、切り欠き部開口変位量測定部20とから構成される。測定試験片1は黒鉛電極の中心部から押し出し成型方向に垂直に切り出した250×250×50mmの角板であり、その長辺の外周縁の一部には長さ30mmの切り欠き部7が形成されている。アーク加熱部10は図では省略するアーク加熱電源、アーク加熱用の上部グラファイト電極8及び下部グラファイト電極9から成り、上部グラファイト電極8及び下部グラファイト電極9は測定試験片1の中央を両側より当接するように設置される。この際、電力量を測定する黒鉛端子は熱損失を少なくするように、できるだけアーク放電端に近づける。切り欠き部開口変位量測定部20は、変位計2、変位計取付け治具3、測定変位をX−Y記録計5に出力する歪み計4を備える。
【0013】
本発明の黒鉛電極の耐熱衝撃性を規定する熱衝撃破壊靱性指数KはL/Hで表され、例えば上記熱衝撃試験装置50を用いて求められる。すなわち、Lは上記測定試験片1を50V、2kAの電力でアーク加熱を行う熱衝撃試験で得られる前記切り欠き部7の破壊点における開口変位量(mm)を示し、Hは前記切り欠き部の破壊点に至までのアーク加熱時間(秒)を示す。
【0014】
図2はある特定の黒鉛電極を測定試験片とし、上述の熱衝撃試験を繰り返し数3回の試験を行った結果の典型例を示す。横軸はアーク加熱時間(秒)を示し、縦軸は切り欠き部7の開口変位量(mm)を示す。図中、当初はアーク加熱時間と切り欠き部7の開口部の変位量とは直線関係にあり、その後、β点から開口部は急激な変位を生じ、α点以降はアーク加熱時間と共に開口部の開きはさらに大きくなっていく。α点までの破壊時間は各繰り返しの試験において大きく異なるものの、破壊点α点と原点を結ぶ直線の傾斜角θは3回の結果共に同じである。すなわち、本発明の熱衝撃破壊靱性指数KはL/H、すなわちtan θで表され、図2中、Kは2×10− 2mm/ 秒であることが判る。
【0015】
本発明の耐熱衝撃性黒鉛電極は、製鋼用アーク炉用の黒鉛電極であって、上記熱衝撃試験における熱衝撃破壊靱性指数が0.8×10− 2〜1.6×10− 2mm/ 秒、好ましくは1.0×10− 2〜1.5×10− 2mm/ 秒である。かかる範囲は、数多くの黒鉛電極について、上記熱衝撃試験と実用炉における実機試験とを行い、通常、実用炉での黒鉛電極の縦割れ亀裂は電極サイズにより一定の長さ以上になると折損脱落事故に繋がることが経験的に判っており、例えば直径28インチの黒鉛電極の場合、前記縦割れが70cm以上の長さを越えると折損事故が発生し易いという経験値から、縦割れが70cm未満となる黒鉛電極の熱衝撃破壊靱性指数を求めて決定されたものである。従って、熱衝撃破壊靱性指数が0.8×10− 2〜1.6×10− 2mm/ 秒の黒鉛電極を使用すれば、一旦発生した亀裂の伸長を防止して、折損脱落事故に繋がるような長大割れ亀裂の発生は効果的に抑制される。
【0016】
本発明の耐熱衝撃性黒鉛電極は、熱衝撃破壊靱性指数Kが上記範囲のものであるが、かかる範囲に属する黒鉛電極は、また下記電極特性を有する。すなわち、本発明の耐熱衝撃性黒鉛電極において、0〜100℃間の熱膨張係数が0.55×10− 6/ K以下、好ましくは、0.35×10− 6/ K以下であり、熱膨張係数が0.55×10− 6/ Kを越えると、ジュール熱による熱応力に耐えられず電極表面に亀裂が発生し易く、部分的崩落が発生する。
【0017】
黒鉛電極の曲げ強さは100kg/cm2以上、好ましくは110kg/cm2以上である。曲げ強さが100kg/cm2未満であると、耐折損モーメントが小さくなり、衝撃エネルギーによる電極の折損事故の確立が高くなる。
【0018】
黒鉛電極の弾性率は、800〜1400kg/mm2、好ましくは1000〜1300kg/mm2である。弾性率が800kg/mm2未満では、製造時に素材の均質性が損なわれていることが多く折損しやすくなり、1400kg/mm2を越えると吸収エネルギーが低下し、衝撃エネルギーをうまく吸収できない。
【0019】
本発明の耐熱衝撃性黒鉛電極は、上記特性の他、抵抗率が3.5〜5.5×10− 4Ωcm、好ましくは3.5〜4.5×10− 4Ωcm、嵩比重が1.66〜1.80、好ましくは1.70〜1.78であることが好ましい。
【0020】
本発明に係る耐熱衝撃性黒鉛電極は、直流アーク式電気製鋼炉に用いた場合に交流アーク式電気製鋼炉に比べて特に効果の発現が大きいが、交流アーク式電気製鋼炉に対する使用を妨げるものではなく、交流アーク式電気製鋼炉に適用した際にも電極折損防止に有効である。
【0021】
本発明に係る耐熱衝撃性黒鉛電極の製造方法としては、公知の製造方法が適用でき、例えば、針状コークスとバインダーピッチと混合混練したのち、混練物を押出成型し、得られた成型体を焼成炉で約900〜1100℃の温度にて炭素化して焼成品とし、更に該焼成品を電気炉で約2600〜3000℃の温度にて黒鉛化熱処理を施した後、螺子加工等の所定形状を施す加工を行うことにより製造する方法が挙げられる。この製造方法において、耐熱衝撃性を高めるために、熱膨張係数の小さい針状コークスを選定し、該針状コークスとバインダーピッチとの混練物をノズルにより押出成型する時に、該針状コークスとバインダーピッチとの比率又は押出成型時の温度等を調整して混練物の流動性を良くすることにより成型体を得ることが好ましい。混練物の流動性を良くすることにより得た成型体は、熱膨張係数が低く、且つ曲げ強度も高く、前記の特性を有する黒鉛電極となる。また、黒鉛化する工程においては、焼成品を均一な温度分布を保った状態で昇温することが好ましい。焼成品の内部と外部の熱処理温度が異なると、製造される黒鉛電極は、不均一な特性分布を持ち、熱や衝撃により割れやすいものとなる。
【0022】
本発明は、物性値の温度依存性が大きい黒鉛材の熱衝撃試験における破壊現象をより正確に捉えて、実用炉における縦割り亀裂長さと優れた相関を有する熱衝撃破壊靱性指数を見出したため、黒鉛電極の正確な耐熱衝撃性を評価することができる。また、熱衝撃試験における熱衝撃破壊靱性指数が0.8×10− 2〜1.6×10− 2mm/ 秒で、且つ熱膨張係数、曲げ強さ及び弾性率が特定範囲にある電気製鋼炉用黒鉛電極を用いれば、折損脱落事故に繋がるような長大割れ亀裂の伸長を効果的に抑制できる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の実施例を比較例と対比しながら詳細に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
【0024】
実施例1及び2、比較例1〜4
直径28インチ、長さ110インチの黒鉛電極A〜Fロットより各1本づつ計6本の黒鉛電極の中心部から押出成型方向に対して垂直な方向に切り出し、250×250×50mmの測定試料片を得た。図1に示す熱衝撃試験装置を用い、前述の試験条件で繰り返し試験数n=2〜3の熱衝撃試験を行った。結果を図3及び表1に示した。図3中、○印は破壊点αを示し、×印は図2におけるβ点に対応し、囲み線内は同一ロットの黒鉛電極であることを示す。一方、黒鉛電極A〜Fロットを実用炉で使用し、それらの黒鉛電極の下側の接続部がアーク加熱の先端に達し、スクラップを投入するために炉内から引き上げた時に、炉外からその電極の先端接続部における縦割れ長さを計測した。結果を表1に示した。また、黒鉛電極A〜Fの品質特性を表2に示した。
【0025】
参考例
6つの黒鉛電極について、次式の熱衝撃破壊靱性(Λ)を求めた以外は、実施例1と同様の試験条件により行った。結果を表1に示す。
( 式中、C は切り欠き部亀裂深さを示し、F1は無次元応力拡大係数を示し、W は加熱電力量(kW)を示し、h は円板の厚さを示し、a/R は加熱半径比を示し、KICは破壊靭性値を示し、κは熱伝導率を示し、Eは弾性率を示し、αは熱膨張係数を示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
表1より明らかなように、実験室評価による熱衝撃破壊靱性指数Kは、実用結果と優れた相関性を示した。また、実施例の熱衝撃破壊靱性指数Kは0.8〜1.6×10−2mm/ 秒の範囲にある。一方、従来の評価要素の熱衝撃破壊靱性Λは実用結果とほとんど相関しなかった。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、実用炉の縦割り亀裂長さと優れた相関を有する熱衝撃破壊靱性指数を評価要素として用いるため、黒鉛電極の正確な耐熱衝撃性を評価することができる。また、熱衝撃試験における熱衝撃破壊靱性指数が0.8×10− 2〜1.6×10− 2mm/ 秒、且つ熱膨張係数、曲げ強さ及び弾性率が上記の範囲にある電気製鋼炉用黒鉛電極は、折損脱落事故に繋がるような長大割れ亀裂の発生又は伸長を効果的に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱衝撃試験装置の模式図を示す。図中、(A)は測定試験片が平面であり、(B)は測定試験片を側面から見た一部を示す。
【図2】本発明の熱衝撃試験から得られた結果の典型例を示す。
【図3】実施例及び比較例で得られた破壊点αをプロットした図である。
【符号の説明】
1 測定試験片
2 変位計
3 変位計取付け治具
4 歪み計
5 X−Y記録計
6 アーク加熱スポット
7 切り欠き部
8 上方グラファイト電極
9 下方グラファイト電極
50 熱衝撃試験装置
Claims (2)
- 製鋼用アーク炉に使用される黒鉛電極であって、次式;
K=L/H
(式中、Kは熱衝撃破壊靱性指数を示し、Lは黒鉛電極の中心部から押し出し成型方向に垂直に切り出した250×250×50mmの角板に長辺の外周縁から長さ30mmの切り欠けを設け、直径40mmの中心部を50V、2kAの電力でアーク加熱を行う熱衝撃試験で得られる前記切り欠き部の破壊点における開口変位量(mm)を示し、Hは前記切り欠き部の破壊点に至るまでのアーク加熱時間(秒)を示す。)
で表される熱衝撃破壊靱性指数が0.8×10− 2〜1.6×10− 2mm/ 秒であることを特徴とする耐熱衝撃性黒鉛電極。 - 更に、0〜100℃間の熱膨張係数が0.55×10− 6/ K以下、曲げ強さが100kg/cm2以上及び弾性率が800〜1400kg/mm2であることを特徴とする請求項1記載の耐熱衝撃性黒鉛電極。
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- 2003-01-08 JP JP2003002309A patent/JP2004214145A/ja active Pending
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