JP2004213994A - 放電灯点灯装置 - Google Patents

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Takeo Sakamoto
竹男 坂本
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Harison Toshiba Lighting Corp
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Abstract

【課題】多灯式放電灯点灯装置において、小形化と放電事故防止の確実化が図れる部品配置にする。
【解決手段】本発明の放電灯点灯装置では、複数のインバータトランス60、昇圧用トランス60A各々について、近接する他のトランスとそれらの2次巻線40,41,40A,41Aの電圧波形が位相、電圧ともに一致する高圧端子BD,CE,FH同士が近接して並ぶように配置することによって、近接する高電圧端子間が常に同電位となるようにし、絶縁距離を考慮する必要をなくし、放電事故等の安全性を向上させる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電灯点灯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータやOA機器、液晶テレビなどの液晶表示装置のバックライト用光源に適する照明装置では、表示面積の広い液晶画面を高輝度に照明するために多灯式にしてセット毎に複数本の放電灯を採用しているが、近年、液晶表示装置の画面の高輝度化、均一化の要求により、装置1セット当たりに採用する灯数は増加の傾向にある。
【0003】
このような放電灯は、インバータ回路を用いて高周波交流を生成する点灯装置によって高圧の高周波交流を印加して点灯させるためノイズが発生しやすい。そのため、放電灯からその周囲の部品へ影響を与えるノイズを低減する対策が必要である。
【0004】
そこで従来の多灯式の放電灯点灯装置では、図4に示すように、隣接する昇圧インバータトランス60,61,62,…において、近接する他のインバータトランスの高圧端子BC間、DE間、FG間等で出力電圧波形の位相が一致し、かつ波形が反転する配置にし、結果的に複数本の放電灯各々に印加される電圧波形を近接する他の放電灯のものと位相反転する構成にしている。
【0005】
【特許文献1】
実開昭61−126559号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような従来の放電灯点灯装置では、次のような問題点があった。搭載する放電灯の本数が増加するに伴い、駆動用のインバータ回路の数も増加することになる。しかし、インバータトランスの2次側の出力は高圧であるために、高圧端子周辺の放電防止のために基板20上で隣接するインバータトランスの高圧端子間に絶縁距離dを確保する必要があり、装置ケース内のスペース使用効率が改善できない問題点がある。
【0007】
また、多数本の放電灯それぞれを駆動するための多数のインバータ回路を限られた装置ケース内に配置するとなれば、各インバータ回路の昇圧用のインバータトランス間を近接させなければならないが、異なる昇圧用のインバータトランスの2次側高圧端子間に電圧差がある場合には放電事故が発生しかねない問題点があった。
【0008】
本発明はこのような従来の技術的課題を解決すべく発明されたもので、複数の昇圧用トランスそれぞれの2次側を同期させ、かつ、近接する複数の昇圧用トランスの高圧2次側端子が同電位となる配置にすることによって装置ケース内のスペース効率を改善し、多灯式であっても小形化が可能な放電灯点灯装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、複数本の放電灯の各々を複数の昇圧用トランス各々の2次巻線の高圧端子側に接続し、全放電灯に等電圧の高圧交流を同期的に印加して同時に点灯させる放電灯点灯装置において、前記複数の昇圧用トランス各々について、近接する他の昇圧用トランスとはそれらの2次巻線の電圧波形が位相、電圧ともに一致する高圧端子同士が近接して並ぶように配置したことを特徴とするものである。
【0010】
請求項1の発明の放電灯点灯装置では、複数の昇圧用トランス各々について、近接する他の昇圧用トランスとそれらの2次巻線の電圧波形が位相、電圧ともに一致する高圧端子同士が近接して並ぶように配置することによって、近接する高電圧端子間が常に同電位となるようにして絶縁距離を考慮する必要をなくし、放電事故等の安全性を向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。図1は本発明の第1の実施の形態の放電灯点灯装置の回路構成を示している。本実施の形態の放電灯点灯装置は、インバータ回路100,101,102,…ごとに直流電源2を設けている。複数のインバータ回路100,101,102,…それぞれは同一構成であり、一般的によく知られている共振型ロイヤーインバータ回路で構成されている。
【0012】
インバータ回路100,101,102,…各々は、入力側の1次巻線3と出力側の2次巻線4及び3次巻線5を有する昇圧用のインバータトランス60,61,62,…と、このインバータトランス60,61,62,…のインダクタンス成分とLC共振回路を構成する共振用コンデンサ7と、インバータトランス60,61,62,…を駆動させるためにそれぞれのエミッタが接地されているトランジスタ8,9を備えている。
【0013】
直流電源2は、一方のトランジスタ8に駆動電流を供給するために、抵抗11を直列に介してインバータ回路100,101,102,…各々の入力側であるトランジスタ8のベースに接続してある。それぞれのエミッタが接地されている1対のトランジスタ8,9のコレクタ間には、インバータトランス6の中間タップが設けられた1次巻線3を並列に接続してあり、また、共振用コンデンサ7も並列に接続してある。
【0014】
直流電源2はまた、インバータ回路100,101,102,…各々への入力電流を定電流化するため、チョークコイルより成るインダクタ12を直列に介してインバータトランス60,61,62,…の1次巻線3の中間タップに接続してある。
【0015】
インバータトランス60,61,62,…各々の2次巻線4は、1次巻線3よりも多く巻くことによって、2次側電圧が昇圧されるようにしてある。インバータトランス60,61,62,…各々の2次巻線4の一端は接地し、他端には、電極を介して並列に冷陰極放電灯110,111,112,…各々を接続し、冷陰極放電灯110,111,112,…それぞれに高圧高周波数交流を印加するようにしてある。
【0016】
インバータトランス60,61,62,…各々に設けた3次巻線5の一端はトランジスタ8のベース側に、他端はトランジスタ9のベース側にそれぞれ接続して、3次巻線5に発生した電圧をトランジスタ8,9のベースに帰還して印加するようにしてある。
【0017】
インバータ回路100,101,102,…各々の一次側に同期用トランス15が設けてあり、この同期用トランス15の1次巻線が各共振用コンデンサ7に並列に接続してある。
【0018】
図2に示すように、各インバータ回路100,101,102,…のインバータトランス60,61,62,…の物理的な配置については、基板20上において、近接する他のインバータトランスとそれらの2次巻線の高圧端子の同一電圧波形をとる端子BD,CE,FH同士が近接して並ぶように配置してある。
【0019】
次に、上記構成の第1の実施の形態の放電灯点灯装置の動作について説明する。直流電源2が印加されると、各インダクタ12を通してインバータトランス60,61,62,…各々の1次巻線3に電流が流れ、同時に直流電源2から出力された電圧が抵抗11を介してトランジスタ8のベースに印加される。
【0020】
インバータトランス60,61,62,…各々の1次巻線3と3次巻線5のリアクタンスと共振コンデンサ7とで共振し、インバータトランス60,61,62,…の3次巻線5の端子間に、インバータトランス60,61,62,…の1次巻線3と3次巻線5の巻数比だけ昇圧された高電圧が誘起され、同時に、インバータトランス60,61,62,…の3次巻線5には、1次巻線3に流れる電流の方向と同一方向に電流が流れて自励発振し、共振周波数でトランジスタ8,9を交互に導通させる。
【0021】
インバータ回路100,101,102のインバータトランス60,61,62,…各々の1次側の同期用トランス15は、その2次巻線が他のインバータ回路における同期用トランス15の2次巻線と並列に接続されているので、インバータトランス60,61,62,…各々の1次側が共振周波数に位相同期して動作することになる。
【0022】
インバータ回路100,101,102のインバータトランス60,61,62,…各々は、その1次巻線3と2次巻線4との巻数比だけ昇圧する。この結果として、複数本の冷陰極放電灯110,111,112,…各々が位相の一致した交流により点灯される。
【0023】
図2に示すように、この多灯式放電灯点灯装置の点灯動作においては、インバータトランス60,61,62,…の2次側高圧端子AB,CD,EF,…について、近接する他のインバータトランスの高圧端子の同一電圧波形をとる端子BD,CE,FH同士が近接して並ぶように配置してあるので、近接する高圧端子BD,CE,FH間は常に同電圧で変動する。このため、近接する高圧端子BD,CE,FH間に電圧差が発生することはなく、それに起因する放電も発生することはない。
【0024】
このように近接する高圧端子間で放電が発生することがないため、異なるインバータトランスの高圧端子BD,CE,FH間の絶縁距離を極力短くすることができ、基板20上への実装においてスペース効率を良くすることができ、基板が同じ面積であれば従来よりも多数本の放電灯の組み込みが図れ、逆に従来と同一本数の放電灯を点灯させるにはより狭い面積の基板に実装できることになる。
【0025】
次に、本発明の第2の実施の形態の放電灯点灯装置について、図3を用いて説明する。第2の実施の形態の回路的な特徴は、インバータ回路100,101,102,…各々がインバータトランス60,61,62,…と昇圧用トランス60A,61A,62A,…を備え、これらのインバータトランス60,61,62,…と昇圧用トランス60A,61A,62A,…各々の2次側に、2次巻線40,41と共にこれらと逆相で動作する第2の2次巻線40A,41Aを備えている点にある。なお、図1、図2と共通する回路部品には同一の符号を付して示してある。ただし、110A,111A,…は放電灯110,111,…それぞれに対する給電電極を示している。
【0026】
そして第2の実施の形態の物理的な回路部品の配置として、例えば、インバータ回路100内のインバータトランス60と昇圧用トランス60A各々において、2次巻線40と第2の2次巻線41との組、また2次巻線40Aと第2の2次巻線41Aとの組を、同位相で同電圧波形となる高圧端子同士が近接する配置にしたことを特徴とする。他のインバータ回路101,102,…のインバータトランス61と昇圧用トランス61A、インバータトランス62と昇圧用トランス62A等でも同様である。加えて、隣接するインバータ回路100,101間、またインバータ回路101,102間等において、一方の昇圧用トランス60Aと他方のインバータトランス61との間、また昇圧用トランス61Aとインバータトランス62との間等においても、第2の2次巻線41Aと2次巻線41との組を、同位相で同電圧波形となる高圧端子同士が近接する配置にしてある。
【0027】
これにより、第2の実施の形態にあっても、近接する2次巻線と第2の2次巻線とが、図2に示したような電圧波形をとることになり、近接する高圧端子間が常に同一電圧で変動して両者間に電圧差が発生することがなく、この結果として、異なるインバータトランスの高圧端子BD,CE,FH間の絶縁距離を極力短くすることができ、基板20上への実装においてスペース効率を良くすることができる。
【0028】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、複数の昇圧用トランス各々について、近接する他の昇圧用トランスとそれらの2次巻線の電圧波形が位相、電圧ともに一致する高圧端子同士が近接して並ぶように配置したので、近接する高電圧端子間が常に同電位となり、設計において絶縁距離を考慮する必要がなく、スペース効率を良くすることができ、また放電事故等の安全性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の回路図。
【図2】上記実施の形態のレイアウト及び高圧端子各々の電圧波形を示す図。
【図3】本発明の第2の実施の形態の回路図。
【図4】従来例のレイアウト及び高圧端子各々の電圧波形を示す図。
【符号の説明】
100,101,102,… インバータ回路
110,111,112,… 放電灯
3 1次巻線
3A 1次巻線
4 2次巻線
40,41 2次巻線
40A,41A 2次巻線
60,61,62,… インバータトランス
60A,61A,62A,… 昇圧用トランス

Claims (1)

  1. 複数本の放電灯の各々を複数の昇圧用トランス各々の2次巻線の高圧端子側に接続し、全放電灯に等電圧の高圧交流を同期的に印加して同時に点灯させる放電灯点灯装置において、
    前記複数の昇圧用トランス各々について、近接する他の昇圧用トランスとはそれらの2次巻線の電圧波形が位相、電圧ともに一致する高圧端子同士が近接して並ぶように配置したことを特徴とする放電灯点灯装置。
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