JP2004213352A - 電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子機器に用いられる使用済み接続媒体をリサイクルする際に個人情報が外部に漏れるのを防ぐ。
【解決手段】接続媒体は、第1メモリと第1メモリに格納する情報を書き換る第1書換部とを有し、この接続媒体を接続可能な電子機器は、第2メモリと、第2メモリに格納する情報を書き換る第2書換部と、第1メモリに記憶されている使用状況に関する情報を読み出して接続媒体が使用終了となったことを判別すると、第1メモリに記憶されている所定情報を第2メモリに格納し、次に第1メモリから第2メモリに格納した所定情報を削除するように第1および第2書換部を制御する制御部とを有する。そのため、接続媒体が使用済みとなって電子機器から取り外す前に、接続媒体に含まれる所定情報を削除できる。
【選択図】図1
【解決手段】接続媒体は、第1メモリと第1メモリに格納する情報を書き換る第1書換部とを有し、この接続媒体を接続可能な電子機器は、第2メモリと、第2メモリに格納する情報を書き換る第2書換部と、第1メモリに記憶されている使用状況に関する情報を読み出して接続媒体が使用終了となったことを判別すると、第1メモリに記憶されている所定情報を第2メモリに格納し、次に第1メモリから第2メモリに格納した所定情報を削除するように第1および第2書換部を制御する制御部とを有する。そのため、接続媒体が使用済みとなって電子機器から取り外す前に、接続媒体に含まれる所定情報を削除できる。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、メモリ機能を有する消耗材カートリッジを用いるプリンタあるいはICカードを用いるATMマシンなどの電子機器に関し、より詳しくは、メモリ機能に格納されるデータの書込・消去等の制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、メモリ価格の低下に伴い消耗材のカートリッジ等にメモリ機能を付加する提案がなされている。たとえば、消耗品であるプリンタ用の印字紙やインクを収納可能なパック(以下、メディアパックと称す)において、書き換え可能な記憶手段を備えた技術が出願されている(特許文献1)。
【0003】
また、半導体メモリを有したICカードは20年以上前に発明され、現在まで何度も話題になりながら、本当の実用化には至っていなかったが、近年電子マネーシステムの本格的な取り組みにより、金融・交通・医療などの分野で利用されようとしている(特許文献1)。
【0004】
また従来技術で述べたメディアパック(例えば、特許文献1)の場合は、内蔵する印字紙を使い切り廃却されると、インクや外装であるプラスチック部材が環境に悪影響を与える可能性がありリサイクルされることが望まれる。
【0005】
このような場合、メディアパックやICカードなどにおいて、内蔵の記憶手段にプライバシーに関する情報が記憶されリサイクル時にその情報が盗まれてしまうとメディアパックやICカードなどを使っていたユーザに損害が発生する可能性があるだけでなく交換したメディアパックやICカードなどに情報を再記憶する必要がある。これはユーザにとって非常に煩わしいことである。
【0006】
ICカードを含めたクレジットカードやキャッシュカードにおいて、期限が切れて廃却されるとプラスチック部材が環境に悪影響を与える可能性があり、また、安くなったとはいえ決して無視できないメモリの費用を考えると、やはりリサイクルされることが望まれる。しかしながら、リサイクル時の流通段階において、過去に記憶された情報に基づいて有効期限の改ざん、複製などの不正行為が行われた場合には、手の施しようのない損害が金融機関などに発生する可能性がある。
【0007】
このような不正行為に対しての対抗策としていくつかの提案がなされており、例えば、ICカードに内蔵されたメモリのすべてのデータが消去された事を検出した場合に、不揮発性メモリのデータ読出し禁止を解除する手段が提案されている(例えば、特許文献2)。
【0008】
この例は一度書き込んだメモリのデータがリサイクル時に不正に読み出されないようにする提案であり有用であるが、この先行例ではメモリのデータを何らかの状態を検知して自動的に消去する配慮がなされていない点が問題である。
【0009】
一方、ICカードのメモリの内容がゼロまたは無の状態になれば、内蔵するマイクロプロセッサの機能を停止させ、その後外部から特定のコードを入力すると、マイクロプロセッサの停止を解除する手段が提案されている(例えば、特許文献3)。この例はリサイクル時にマイクロプロセッサの動作を静止している為、不正に読み出されないようにしており有用であるが、ICカードの有効期限などの情報によりメモリのデータを消去する配慮がなされていない点が問題である。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−212986号公報
【特許文献2】
特開平10−301855号公報
【特許文献3】
特開2000−285216号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記説明した従来技術の問題点を解決することを出発点としてなされたものであり、その目的は、メモリ機能を有する消耗材やICカードなど(以下、「接続媒体」と総称する)各種電子機器に接続可能な接続媒体において、使用済みとなった「接続媒体」を電子機器から取り外してリサイクルする際に、「接続媒体」に記憶された個人情報が外部に漏れるのを防ぐことである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る一実施形態の電子機器は、以下の構成を有する。すなわち、第1メモリと、前記第1メモリに格納する情報を書き換る第1書換手段とを有する接続媒体を、電気的に接続可能な電子機器であって、前記第1メモリには、前記接続媒体の使用状況に関する情報および所定の情報が記憶されており、第2メモリと、前記第2メモリに格納する情報を書き換る第2書換手段と、前記接続媒体が接続されると、前記接続媒体の使用状況に関する情報を読み出し、該情報から前記接続媒体が使用終了となったことを判別すると、前記第1メモリから前記所定の情報を削除するように前記第1および第2書換手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の電子機器は、第1メモリと、第1メモリに格納する情報を書き換る第1書換部とを有する接続媒体を、電気的に接続可能な電子機器であって、第1メモリには、接続媒体の使用状況に関する情報および所定の情報が記憶されており、第2メモリと、第2メモリに格納する情報を書き換る第2書換部と、接続媒体が接続されると、接続媒体の使用状況に関する情報を読み出し、該情報から接続媒体が使用終了となったことを判別すると、第1メモリから所定の情報を削除するように第1および第2書換部を制御する制御部と、を有することを特徴とする。
【0014】
また例えば、制御部は、接続媒体が使用終了となったことを判別すると、第1メモリに記憶されている所定の情報を第2メモリに格納してから第1メモリから所定の情報を削除するように第1および第2書換部を更に制御することが好ましい。
【0015】
また例えば、制御部は、接続媒体が接続されると接続媒体が正規品であるか否かを判定するための信号を接続媒体に送信し、接続媒体から返送される信号を判別して接続媒体が正規品か否かを更に判別することが好ましい。
【0016】
また例えば、制御部は、接続媒体が正規品であると判別した場合に第2メモリに格納した所定の情報を第1メモリに格納し、第2メモリから所定の情報を削除するように第1および第2書換部を制御することが好ましい。
【0017】
また例えば、所定の情報は、個人情報もしくはリサイクル情報を含むことが好ましい。
【0018】
また例えば、所定の情報は、第1書換手段を制御する制御プログラムを含むことが好ましい。
【0019】
また例えば、接続媒体は印字紙およびインクを有し、電子機器は接続媒体から供給される印字紙およびインクを用いて画像を形成する画像形成部を有することが好ましい。
【0020】
また例えば、使用状況に関する情報とは、印字紙の残りの枚数を示す情報であることが好ましい。
【0021】
また例えば、画像形成部は、インクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドを含むことが好ましい。
【0022】
このような本発明は、具体的に図1〜図10に示す構成に置いて、以下の第1から第3の実施形態と対応して実現できる。
【0023】
[第1の実施形態]
以下、図面を参照して本発明の第1の実施形態につき説明する。第1の実施形態では、電子機器として小型プリンタを、接続媒体として小型プリンタに装着可能なメモリ付のメディアパックを一例として説明する。
【0024】
[メディアパックを装着した小型プリンタ:図2]
図2は、小型プリンタを使って印字を行う構成の一例を示している。
【0025】
図2において、B1は携帯電話であり、音声通話だけでなく印刷の為の画像の送受信が可能であり、また受信した画像やレンズユニットB2から取り込んだ画像を印刷画像に編集し、接続可能なプリンタに印刷画像を送信可能な機能を具備している。
【0026】
B5は、カードサイズの印字紙、あるいは、カードを4分割したシール状の印字紙上にインクジェット技術を使って印刷可能な小型プリンタである。
【0027】
B6は、小型プリンタB5に着脱可能な印字紙、インク、廃インクを吸収する吸収体及び記憶媒体としてのEEPROMを内蔵したメディアパックである。
【0028】
B7は、小型プリンタB5の制御によりメディアパック内の印字紙を搬送し、携帯電話B1から受け取った画像をメディアパック内のインクを使って画像印刷した印刷物の一例を示している。
【0029】
このような構成で、携帯電話B1で取り込んだ画像や受信した画像を携帯電話に接続可能な小型プリンタB5によりメディアパックB6に内蔵されている印字紙上に画像印刷することは、従来例(特許文献1)をはじめ多くの提案がなされている。
【0030】
なお、上述構成では携帯電話B1を小型プリンタB5に接続する例を示したが、デジタルカメラ・PC(パーソナルコンピュータ)やPDA(Personal Digital Assistant)なども接続可能としても良く、また小型プリンタB5は、カードサイズの印字紙や4つ切りのシール紙に印刷可能としたが、A4サイズやA6サイズの印字紙に印刷可能なプリンタでも良い。
【0031】
図2において特徴としているのは、印字紙及び(または)インクなどの消耗材を内蔵したメディアパックに記憶媒体としてEEPROMを具備していることである。
【0032】
[メディアパックと小型プリンタの内部構成:図1]
図1はプリンタB5及びメディアパックB6の内部構成を示すブロック図である。図1のプリンタB5において、B10は携帯電話B1から印字コマンドや画像データなどを受け取る為のケーブルを接続するコネクタ1である。
【0033】
B11は、印字コマンドや画像データなどを受け取る為のハンドシェーク処理や電圧レベル変換などを行うインターフェース回路である。
【0034】
携帯電話B1とプリンタB5間のインターフェースはシリアル転送の一つであるUSB規格に基づくインターフェース方式を本実施形態では採用しているが、パラレル転送方式であるセントロ規格でのインターフェースや赤外線通信のIrDA規格、無線通信規格であるブルーツース規格などのインターフェース方式を用いても良い。
【0035】
B12は制御回路1であり、受信した画像データを後述するB14のRAM内に記憶する処理や、印刷処理時の紙送り制御、記録ヘッドに通電してインクを吐出するインク吐出制御、キャリッジ移動制御、古いインクを廃インクとして処理する回復処理などを行う。
【0036】
これらの制御はフラッシュメモリB13に記憶しているB19の制御ソフトプログラム1として記憶されているマイクロ命令をB12の制御回路1に含まれるマイクロプロセッサが実行することにより行われる。
【0037】
またフラッシュメモリB13はB20のシリアル番号1を記憶しており、工場の出荷段階で書き込むようにしている。具体的には、工場での組み立て、検査を実施した段階で合格したプリンタに対してシリアル番号をあてがい、検査用のPCをプリンタに接続して書き込む処理を行う。このシリアル番号はメディアパックB6が正規品かどうかの判定を行う場合に利用される番号であり、その処理の詳細は図4の流れ図と共に説明する。
【0038】
B14はRAM(ランダムアクセスメモリ)であり、制御回路1に含まれるマイクロプロセッサで実行する処理において必要なデータや変数などを記憶するB21のワークエリアと印刷画像として記憶しているB22の画像記憶部1を含んでいる。
【0039】
この画像記憶部1は携帯電話B1からの画像データを印字用に記憶するだけでなく、メディアパックB6の画像記憶部2の画像データを受け取って記憶する。
【0040】
B15は記録ヘッドであり、印字紙に対向した位置に配設されており、B12の制御回路1の制御により内蔵するヒータの温度を上昇させヒータ上のインク内に泡(バブル)を形成してインクを吐出する事で印字をおこなう。
【0041】
B16は第1インクタンクであり、記録ヘッドに隣接した位置に配設されており、一枚分の印字紙を印刷可能な量のインクを溜め込み印刷を行う為のインクを記録ヘッドB15へ供給する。一枚分の印字を終了するとメディアパックB6に具備されている第2インクタンクB33からインクの供給を受けることで次の印字紙への印刷を行う。
【0042】
B17のメカ機構は、印字紙を搬送する為の搬送機構やヘッド及び第1インクタンクを装着しているキャリッジを主走査方向に移動する機構および記録ヘッド内のインクの固着を防止する為の回復機構などを具備している。
【0043】
B23及びB24は発光ダイオードLED1とLED2である。制御回路1の制御によりLED1(B23)はメディアパックの印字紙がなくなったことを検出して点灯し、LED2(B24)はエラーが発生したときに点灯する。
【0044】
B25は検出スイッチであり、メディアパックの着脱を検出してその検出内容を制御手段1に伝達する。
【0045】
B26はコネクタ2であり、メディアパックを装着することによりメディアパックのコネクタ3と接続状態となり、信号端子を通じてデータのやり取りを行う。
【0046】
B18は電源回路であり、制御回路1やフラッシュメモリ、RAM、インターフェース回路などの半導体素子に電源を供給すると共にメカ機構を動作する為のモータや検出器に対して電源を供給する。また、メディアパック内にある半導体素子にも電源を供給する。
【0047】
以上プリンタB5の内部ブロックについて説明したが、図1におけるブロック図は概要を示す為の構成のみを示しており、例えばクロック発信回路やスイッチ類などは図示していないが当然必要な構成要素である。
【0048】
図1のメディアパックB6において、B40はコネクタ3であり、制御回路2の信号が接続されており、プリンタのコネクタ2と接続状態となることでデータの送受信を行う。
【0049】
B30の制御回路2はB31のEEPROMの制御を行っており、プリンタB5からの指令によりB39の画像記憶部2にデータを書き込んだり、データを読み出してプリンタB5へ送信したりする制御やB36の残枚数記憶部の内容を修正したりする制御を行うと共に図4と共に詳細を後述するが、メディアパックが正規品であるかどうかの判定制御を行う。
【0050】
B31はEEPROMであり、制御ソフトプログラム2、印字紙の残枚数、シリアル番号2、製造日番号、画像記憶部2を記憶している。このEEPROMは不揮発性のメモリで書き換え可能であり、書き込んだデータは電源供給がなくても記憶内容を保持している。
【0051】
EEPROM内にあるB35の制御ソフトプログラム2は、制御回路2に含まれるマイクロプロセッサが実行する制御命令を記憶している。B36は残枚数記憶部であり、メディアパック内の印字紙の枚数を記憶しており、印字指令により印刷を実行すると印刷した枚数を減算した値が記憶される。
【0052】
B37はシリアル番号2であり、B38は製造日番号である。これらの番号はプリンタB5内のシリアル番号1(B20)と同様、工場の出荷段階で書き込むようにしている。具体的には、工場でメディアパックを組み立て、検査を実施した段階で合格した際にシリアル番号と製造日番号をあてがい、検査用のPCをメディアパックに接続して書き込む処理を行う。
【0053】
このB37のシリアル番号2および製造日番号B38は、プリンタB5内のシリアル番号1(B20)と共に、メディアパックB6が正規品かどうかの判定を行う場合に利用される番号であり、その処理の詳細は図4の流れ図と共に説明する。
【0054】
B39は画像記憶部2であり、画像の印刷を行う場合に使用可能な額縁や使用者の気に入っている写真、住所、名前、電話番号などを記憶し、使用者が選択する事で携帯電話から受け取った画像と合成して印刷できるようにしている。
【0055】
この画像記憶部2には、使用者のプライバシーに関する使用者の写真、住所、名前、電話番号などが画像記憶部2には記憶可能である。この為、メディアパックの使用が終了したとき(本実施形態では印字紙がなくなったとき)に、そのままリサイクルするとプライバシーに関する情報がそのままリサイクル業者に渡ってしまう事となり悪用される危険性がある。
【0056】
この為、本実施形態においては、印字紙がなくなったことを検出して画像記憶部2の記憶内容を消去するようにしている。また、使用者が住所、名前、電話番号など携帯電話を使って登録し、この画像記憶部2に記憶したにもかかわらずメディアパックを交換する際に再度登録しなければいけないとなると非常に煩わしいことであり、本実施形態においてはメディアパック交換時に自動的に新しいメディアパックへ情報を移動するようにしている。
【0057】
この画像記憶部2の記憶内容の消去および新しいメディアパックへの情報の移動に関しては、図3と共にその処理を後述する。
【0058】
B31のEEPROMには上述したような情報を本実施形態では記憶するが、これらの情報以外にメディアパックの着脱回数、メディアパックのリサイクル回数などリサイクルに必要な情報を記憶しても良い。
【0059】
また画像記憶部2に前もってゲームに使用されるようなゲームソフトプログラムや関係する画像データを工場出荷時に記憶できるようにしておけば、メディアパックの製造業者としては付加価値をメディアパックに加えて販売することが可能となり、また、使用者であるユーザにとってもメディアパック交換時に新しいメディアパックへ情報の移動が自動的に出来るので、購入したコンテンツであるゲームソフトプログラムや関係する画像データを継続的に利用できる効果がある。
【0060】
B32は非印字媒体としての印字紙であり、一定枚数の印字紙がメディアパック内に収納されている。
【0061】
B33は第2インクタンクであり、一定枚数の印字紙B32全部を印刷するのに十分な量のインクが収納されている。
【0062】
B34は回復系の処理により記録ヘッド内の古くなったインクを吸い取ってそのインクを吸収するインク吸収体である。
【0063】
以上プリンタB5およびメディアパックのブロック構成について説明したが、本実施形態の特徴的なことは、
1)メディアパックB6内の残枚数記憶部B36に印字紙の残枚数を記憶し、残枚数記憶部B36の内容がゼロすなわちメディアパックに内蔵する印字紙がなくなった事を検出してメディアパック交換に必要な処理を自動的に実行する。
2)プリンタB5のRAM(B14)内に画像記憶部1(B22)を持ち、メディアパックB6のEEPROM(B31)内に画像記憶部2(B39)を持ち、メディアパック交換時には画像記憶部2に記憶されている内容を画像記憶部1に退避し新しいメディアパックが挿入されると画像記憶部1の内容を新しいメディアパックの画像記憶部2に格納する。
3)プリンタB5のフラッシュメモリ(B13)内にシリアル番号1(B20)を記憶しメディアパックB6のEEPROM(B31)内にシリアル番号2(B37)及び製造日番号B38を記憶している。これらの番号を使用してメディアパックが正規品かどうかの判定を行う処理を可能としている。
【0064】
上述の本実施形態の特徴的な処理を図3及び図4と共に説明する。
【0065】
[メディアパックの印字紙がなくなったときの処理:図3]
図3はメディアパックの印字紙の残枚数がゼロ、すなわちなくなったときの処理を示す流れ図である。
【0066】
印字指令を受けると、ステップF16で変数BRが「0」かどうかの判別を行い「0」のときは印字処理を行わず終了する。この変数BRは、装着されているメディアパックが正規品かどうかを記憶している変数であり、変数BRが「0」すなわち、メディアパックが不正品である場合は、印字処理を実行しないよう処理している。
【0067】
ステップF1で印字処理を行う。B22の画像記憶部1に記憶されている画像データを印字可能なデータに変換し、B12の制御回路1により記録ヘッドB15やメカ機構B17などを制御して印刷実行する。
【0068】
この印刷実行においてユーザの選択に応じて画像記憶部2に記憶されている画像データとの合成処理を行い印刷画像を作成している。
【0069】
ステップF2で残枚数記憶部B36の内容を呼び出して1を減算した値を変数ARにいれ、ステップF3で変数ARがゼロ、すなわち印字紙がなくなったかどうかの判別を行う。
【0070】
この判別で変数ARがゼロでなければステップF15で変数ARの値をメディアパックの残枚数記憶部B36に記憶して終了する。
【0071】
ステップF4以降はメディアパックB6内の印字紙がなくなった場合の処理流れを示す。ステップF4でB39の画像記憶部2にある画像データを呼び出し、ステップF5で呼び出した画像データをRAM(B14)内の画像記憶部1(B22)に格納する。
【0072】
画像記憶部2に記憶されている画像データを画像記憶部1に一時退避することで新しいメディアパックの画像記憶部2に格納可能となる。
【0073】
ステップF6でEEPROM(B31)の内容を消去する。
【0074】
本実施形態では、制御ソフトプログラム2(B35)の一部と残枚数記憶部(B36)、画像記憶部2(B39)を消去している。
【0075】
画像記憶部2(B39)の内容を自動的に消去することによりプライバシーに関する画像データやパーソナル情報などを流通段階で悪用される不安を取り除くことが出来る。
【0076】
ステップF7でメディアパック交換のLEDを点灯し、ユーザは点灯を見て、ステップF8でユーザがメディアパックB6を取り外したのを検出すると、ステップF9に進み、ユーザがメディアパックをプリンタに装着すると、プリンタはその装着を検出してステップF10で残枚数記憶部B36の内容を見て「0」かどうかの判別を行う。
【0077】
なお、ステップF8で取り外されたメディアパックのリサイクル処理の一例を以下説明する。リサイクルの具体的なやり方としては、メディアパックを購入した小売店等に持っていき、そこで集結してリサイクル工場に発送しても良く、リサイクル工場に直接ユーザから郵送しても良い。
【0078】
リサイクル工場では、印字紙(B32)第2インクタンク(B33)へのインクの補給、吸収体(B34)の交換と共にステップF6で消去した制御ソフトプログラム2(B35)の一部の書込み処理を行い再販可能とする。
【0079】
ステップF10で残枚数記憶部B36の内容が「0」の場合は、印字紙がなくなった使用済みのメディアパックが再度装着されたことなので終了し、「0」でない場合はステップF11に進み正規品判定処理を行う。
【0080】
正規品判定処理は図4と共に後述するが、この正規品判定処理で変数BRに正規のメディアパックが装着されたときは「1」にセットし、不正品が装着されたときは「0」がセットされる。
【0081】
ステップF12で変数BRの値が「0」かどうかの判定を行う。判定の結果BRが「0」の場合は不正品のためステップF13でLED2(B24)を点灯し、BRが「1」の場合は正規品の為ステップF14で画像記憶部1(B22)に退避していた画像データを呼び出して、メディアパックEEPROM内の画像記憶部2(B39)に記憶する。
【0082】
以上により残枚数記憶部B36の内容が「0」すなわち、印字紙がなくなったときの処理が終了する。
【0083】
上述した処理において重要なことは、収納している印字紙がメディアパックからなくなり使用済みとなったときに自動的にその状態を検出して、使用済みメディアパックに具備された、EEPROM内の記憶の一部である画像記憶部2などの内容を、プリンタのRAMに一時退避し、次に、EEPROM内の記憶の一部を消去することである。また、使用済みメディアパックを新しいメディアパックに交換したときは、プリンタのRAMに一時退避された使用済みメディアパックに具備されていた、EEPROM内の記憶の一部である画像記憶部2などの内容を、新しいメディアパックのEEPROMに書き込む処理を自動的に行うことである。
【0084】
なお、本実施形態では、ステップF6でEEPROMの制御ソフトプログラム2(B35)の一部と画像記憶部2を消去しているが、正規品かどうかの判別処理に使用されるシリアル番号2や製造日番号も消去するようにしても良い。またEEPROMの内容をすべて消去するようにしても良い。要はプライバシーに関する情報を消去することが目的である。
【0085】
[メディアパックが正規品かどうかの判別:図4]
図4はメディアパックが正規品かどうかを判別するサブルーチンの処理内容を示す流れ図である。説明の為、シリアル番号1が1234、シリアル番号2が0987、製造日番号が0105の場合を一例としてあげている。
【0086】
図において、ステップF20で変数BRを「0」にセットする。BRはメディアパックの判定の結果、正規品かどうかを判定する変数である。
【0087】
ステップF21でプリンタB5が記憶しているシリアル番号1(B20)の内容1234を暗号化してメディアパックに送信する。
【0088】
暗号化の内容は、1234のそれぞれの補数9876を作成し、それに特定値を掛け算するように本実施形態では暗号化している。もちろん、それ以外の暗号化を行っても良く、例えば数値1234を画像化して圧縮データにするような方法でも良く、メディアパック内で復元できれば良い。
【0089】
メディアパックでは、暗号化したシリアル番号1を復元してステップF22で正規のプリンタが接続されているかの判定を行う。具体的には、受け取ったシリアル番号1の1234と補数9876を各桁ごとに加算して「0」になるかの判定を行っている。
【0090】
正規のプリンタでないと判定されたときは、ステップF28で終了コードを送信して処理を終了し、正規と判定されたときは、ステップF23でシリアル番号1とシリアル番号2の加算を行い、その結果である2221とシリアル番号2の補数を暗号化し送信する。
【0091】
ステップF24で受け取ったコードの暗号化を復号して、シリアル番号2によりメディアパックが正規品であるかの判定を行う。2221からシリアル番号1の1234を減算してシリアル番号2の0987を求め補数の値0123と各桁ごとに加算して「0」になるかの判定を行う。
【0092】
判定の結果、正規品出ないと判定された場合は変数BRを「0」のままこの判定のサブルーチンを終了する。
【0093】
ステップF25でシリアル番号1と製造日番号の加算を行い、その結果である1339と製造日番号の補数を暗号化し送信する。
【0094】
ステップF26で受け取ったコードの暗号化を復号して製造日番号によりメディアパックが正規品であるかの判定を行う。1339からシリアル番号1の1234を減算して製造日番号の0105を求め、補数の値0905と各桁ごとに加算して「0」になるかの判定を行う。
【0095】
ステップF24とステップF26の判定の結果、正規品として認められた場合はステップF27で変数BRの値を「1」にセットしメディアパックから送られてくる終了コードをステップF29で受け取った後、この判定のサブルーチンを終了する。
【0096】
この正規品判定処理のサブルーチンにおいて、メディアパックからシリアル番号2及び製造日番号をそのままプリンタに送信してなくプリンタの記憶しているシリアル番号1と加算して送信している。
【0097】
なお本例においては、シリアル番号1などの補数を発生して送信するようにしているが、特定な値と演算した結果を送信するようにしても良く、受け取ったコードに基づいて異なるアドレスを発生し、そのアドレスに記憶されているコードと演算して送信するようにしても良い。要はメディアパックから一定のコードが送信するのではなく、プリンタから受け取ったコード(シリアル番号1)に依存したコードを送信しているのが本実施形態の特徴の一つである。
【0098】
本実施形態の実施形態に限らずメディアパックが正規品かどうかの判定処理にはいろいろな方法が考えられる。たとえば、メディアパック装着時に自動的に携帯電話からインターネットを使ってメディアパック製造業者のホームページにアクセスしてシリアル番号に対応付けされたシークレットコードを取得しメディアパックにかかれているシークレットコードを比較して判定するようにしても良い。あるいは、メディアパックの外装にバーコードを印刷しておき、プリンタで読み取るようにし、バーコードの情報とリサイクルのたびに更新されるシリアル番号を対応付け、その対応内容をメディアパック製造業者のホームページで判定するようにしても良い。
【0099】
以上説明したように本実施形態に対応する本発明によれば、正規品のメディアパックが使用済みとなり、この使用済みのメディアパックに印字紙やインクなどの消耗材を再充填して利用する際には、メディアパックをプリンタから取り外す前にメディアパックに記憶された情報の一部がメディアパックのメモリから消去されるため使用済みのメディアパックに記憶された情報が外部に漏れるのを防ぐことができる。
【0100】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、電子機器として小型プリンタを、接続媒体として小型プリンタに装着可能なメディアパックを一例として説明したが、第2の実施形態では、電子機器としてATMマシンを、接続媒体としてATMマシンに挿入可能なICカードを一例として説明する。
【0101】
[ICカードを装着したATMマシン:図5]
以下、図面を参照して本発明の第2の実施形態につき説明する。
【0102】
図5はATMマシンに挿入可能な半導体記憶部を持ったICカードにおける構成を示している。図においてB60はATMマシンであり、その挿入口からICカードを入れられるようになっている。
【0103】
ICカードB50において、B58はコネクタ4であり、制御回路3の信号が接続されており、ATMマシンのコネクタと接続状態となることでデータの送受信を行う。
【0104】
B51の制御回路3は、EEPROM(B53)の制御を行っており、ATMマシンからの指令により、B57の通帳記憶部にデータを書き込んだり、データを読み出してATMマシン、あるいは図示していないが家庭用のパーソナルコンピュータに表示するなどの制御を行うと共に、期限切れになったときにEEPROMの一部の記憶内容を消去したり、ICカードが正規品かどうかの判定などの制御を行う。
【0105】
B52はEEPROMであり、制御ソフトプログラム3、有効期限、ユーザ番号、製造日番号、通帳記憶部を記憶している。このEEPROMは不揮発性のメモリで書き換え可能であり、書き込んだデータは電源供給がなくても記憶内容を保持している。EEPROM内にあるB53の制御ソフトプログラム3は、制御回路3に含まれるマイクロプロセッサが実行する制御命令を記憶している。
【0106】
B54の有効期限は、ICカードの有効期限であり、図6と共に後述するが、カードの使用期限が切れていることを検出する為の情報である。B55はユーザ番号であり、銀行用のカードなどでは口座番号と一致している。B56は製造日番号であり、この番号はユーザにも知らされていない番号であり、図示していないが銀行などのサーバには、ユーザ情報と共にユーザ番号と対応付けされ記憶されている。
【0107】
EEPROM内に記憶される制御ソフトプログラム3の一部とユーザ番号、および有効期限は、カードを製造あるいはリサイクルした後、銀行で厳重にセキュリティ対策を施した書込み機により書き込まれる。具体的には印刷されたICカードを書込み機にセットし、制御ソフトプログラム3の一部を書き込んだ後、印刷内容と対応した、ユーザ番号、有効期限を書込み、また、製造日番号を呼び出して、ユーザ番号と対応付けしてサーバに記憶する。
【0108】
このユーザ番号B55及び製造日番号B56は、ICカードが正規品かどうかの判定を行う場合に使用される番号であり、その処理の詳細は図7の流れ図と共に後述する。
【0109】
B57は通帳記憶部であり、銀行口座への振込み、払い戻しなどの履歴を通帳の代わりに記憶している記憶部である。この通帳記憶部の内容は、使用者のプライバシーに関する情報である。この為、ICカードの使用期限が終了しリサイクルするときには、プライバシーに関するこの通帳の内容がそのままリサイクル業者に渡り、悪用されることを防ぐ為、本実施形態においては使用期限が過ぎたことを検出して、自動的に消去するようにしている。
【0110】
[ICカードの処理:図6]
上記説明した構成のICカードを、ATMマシンに挿入した場合の処理内容を図6に示している。
【0111】
図6において、ステップF50でATMマシンにカードを挿入すると、ステップF51の正規品判定処理のサブルーチンを実行し、正規品であれば、すなわち、ステップF52の変数BRの判別で「0」でなければ、ステップF53へと進む。
【0112】
ステップF53でパスワードを入力し、挿入されたICカードが正当な所有者かどうか、ステップF54でパスワード判定を行う。このパスワード判定は、銀行のサーバに記憶されているパスワードと入力したパスワードが一致しているかどうかの判定である。
【0113】
ステップF55でICカードから有効期限を受信し、ステップF56で期限切れかどうかの判定を行う。期限切れでなければ、ステップF57に進み、通常処理である口座からの引出しや振込み、口座振替などを行ってから一連の処理を終了する。
【0114】
一方、ステップF55で、ICカードが期限切れの場合は、ステップF58でEEPROMの消去を行ってからステップF59に進み一連の処理を終了する。本実施形態では、EEPROMの制御ソフトプログラム3(B53)の一部と、通帳記憶部、およびユーザ番号を消去している。
【0115】
なお、ステップF58で、制御ソフトプログラム3の一部を消去するのは、リサイクル過程における運送業者や、ICカードをリサイクルする工場において制御ソフトプログラム3をコピーされる危険性を排除する為である。また、通帳記憶部およびユーザ番号を消去するのは、ユーザのプライバシーに関するデータを消去する為であり、またユーザ番号を読み取られて偽造品を作成される危険性を排除する為である。
【0116】
なお本実施形態では、EEPROMの消去処理のあと取り出したICカードを、ステップF59でリサイクル処理を行う。具体的にはユーザが銀行の窓口にあるリサイクル用の箱に入れておくことにより、運送業者が、リサイクル業者のところへ運送し、リサイクル業者では、ICユニットをプラスチックのカード部から取り外して再利用する。
【0117】
[正規品ICカードの判別処理:図7]
図7はICカードが正規品かどうかを判別する処理を示す流れ図である。
【0118】
図において、ステップF60で変数BRを「0」にセットする。BRはICカード判別の結果、正規品かどうかを判定する変数である。
【0119】
次に、ステップF61で、ATMマシンから、日付コードを暗号化して送信する。この値は日々変更される値であり、ICカードから受信するコードを日々変更する為に送信する。これにより、不正業者が、一定のコードを送信するような偽造品を製造しても、不正が見つけられるようにしている。
【0120】
ステップF62で日付コードとユーザ番号を加算した上で暗号化し、ATMマシンへ送信する。
【0121】
ステップF63でATMマシンは、受け取ったコードの正当性をチェックし、一回目のカード判定を行う。また、受け取ったコードから、ユーザ番号を抽出して盗難届の出されているカードかどうかの判定もここで行う。
【0122】
ステップF64で日付コードと製造日番号を加算した上で暗号化を行い、ICカードからATMマシンに送信する。
【0123】
ステップF65でATMマシンでは、2回目のカード判定として受け取ったコードの正当性を判断し、ステップF66で、受け取ったユーザ番号と製造日番号が、ATMマシンに接続されているサーバの記憶内容と一致しているかをチェックする。そのチェック結果に基づき、ステップF67で3回目のカード判定を行う。
【0124】
ステップF65、ステップF67及びステップF69の3回のカード判定の結果、正規のICカードであり、偽造品でなく、また盗難品でないことが立証されると、ステップF68で変数BRを「1」にセットし、ステップF69でカード正常メッセージを表示した後、このサブルーチンを終了する。
【0125】
一方、ステップF63、ステップF65、およびステップF63の3回のいずれかのカード判定の結果、偽造品または盗難品のカードであることが判別された場合には、ステップF70でカード異常メッセージを表示し、変数BRを「0」のままサブルーチンを終了する。
【0126】
図6のステップF52に示したように、BRが「0」すなわち、正規品のカードでない場合は、以降の処理を行わないようにしている。この正規品判定処理のサブルーチンにおいて、第1の実施形態と同様、ICカードからユーザ番号及び製造日番号をそのままATMマシンに送信してなく、ATMマシンから送信された日付コード加算して送信している。
【0127】
これにより偽造品(非正規品)を作成する不正業者が、ICカードからの送信信号を解析して、全く同じ送信コードを送るように偽造品を作成しても、日付コードが日々変更されることにより、ICカードからのコードを受け付けなくなり、偽装品として意味をなさなくしている。
【0128】
なお、本実施形態においては、キャッシュカードやクレジットカードなどの金融関係に使用されるICカードについて説明したが、交通関係で使用される、定期券のICカードや、公的な証明に利用されようとしている、運転免許証や、住民証明、印鑑証明などのICカードに対しても、本実施形態は応用可能である。
【0129】
このように本発明の第2の実施形態における電子機器(ATMマシン)では、接続媒体はICカードであることが好ましい。
【0130】
また、使用状況に関する情報とは、ICカードの有効期限を示す情報であることが好ましい。
【0131】
また例えば、使用状況に関する情報は、ICカードの有効期限を示す情報を含み、個人情報は、通帳記帳情報を含むことが好ましい。
【0132】
以上説明したように本実施形態に対応する本発明によれば、例えば、正規品のICカードが期限切れとなり、この期限切れのICカードをリサイクルする際には、ICカードをATMマシンから取り外す前にICカードに記憶された個人情報およびおよびリサイクル情報がICカードから消去されるため期限切れのICカードに記憶された情報が外部に漏れるのを防ぐことができる。
【0133】
また、再利用するICカードが、正規品以外の模造品や偽造品である場合には、たとえATMマシンに挿入されても使用できないため、正規品以外の模造品や偽造品の使用を防ぐことができる。
【0134】
(第3の実施形態)
第1の実施形態では、電子機器として小型プリンタを、接続媒体として小型プリンタに装着可能なメディアパックを一例として説明したが、第3の実施形態では、電子機器としてプリンタを、接続媒体としてプリンタに装着可能なメモリ付のカートリッジを一例として説明する。
【0135】
以下、図8、図9及び図10を参照して本発明の第3の実施形態につき説明する。
【0136】
[消耗材カートリッジを装着可能な複写機:図8]
図8は、複写機で用いられる感光ドラムとトナーを内蔵したカートリッジの構成を示すブロック図である。図において、複写機B90には着脱可能なカートリッジが挿入可能となっている。
【0137】
カートリッジB70には、感光ドラムB77と、トナー供給部B78、感光ドラムの除電部や、感光ドラムを回転する為のギア−などを含む機構部B79、及びトナーがなくなったことを検出するトナー検出部B80を具備し、また、本実施形態の特徴である、B71の制御回路4および、B72のEEPROMを具備している。
【0138】
B81はコネクタ5であり、制御回路4の信号が接続されており、複写機のコネクタと接続状態となることでデータの送受信を行う。B71の制御回路4は、カートリッジが正規品かどうかの判定処理や、トナーの残量検出を行って複写機B90に知らせると共に、トナーがなくなったときに、EEPROMの内容の消去処理などを行う。B82はトナーの残量記憶部であり、B80のトナー検出部で検出したトナーの残量を記憶している。またトナー残量記憶部B82では、トナー検出部B80で検出されるトナーが予め設定されている所定量より少なくなるとトナー切れを示す情報が合わせて記憶される。
【0139】
B72のEEPROMには、制御ソフトプログラム4、リサイクル回数、シリアル番号、製造日コードを記憶している。このEEPROMは不揮発性のメモリで書き換え可能であり、書き込んだデータは電源供給がなくても記憶内容を保持している。EEPROM内にあるB73の制御ソフトプログラム4は、制御回路4に含まれるマイクロプロセッサが実行する制御命令を記憶している。
【0140】
B74はリサイクル回数であり、トナーを充填する為リサイクルを何回行ったかを記憶し、その回数に応じて、感光ドラムB77や機構部に使用されている部品の交換を行う。B75はシリアル番号であり、B76は製造日番号である。
【0141】
これらの番号は、カートリッジの製造あるいはリサイクル時に、工場で書き込まれる番号であり、具体的には、工場でカートリッジを組み立て、検査で合格した際に、検査用の書込み機をカートリッジに接続して、シリアル番号と製造日番号を、書き込んでいる。このシリアル番号及び製造日番号は、カートリッジが正規品かどうかの判別を行う場合に利用される番号であり、その詳細は図10と共に説明する。
【0142】
[トナー切れ処理:図9]
図9は、トナー切れになった場合に、リサイクル処理を行う処理流れを示している。
【0143】
図においてステップF80でコピーボタンを押すと、ステップF81の正規品判定処理のサブルーチンを実行し、正規品でなければ、すなわち、ステップF82の変数BRの判定で「0」(不正品)であれば、ステップF83以降の処理を行わずステップF88に進み一連の作業を終了する。
【0144】
ステップF83でトナー検出を行い、ステップF84の判別で、トナー切れでなければ、ステップF85で通常のコピー処理を実行してからステップF88に進み一連の作業を終了する。
【0145】
一方、ステップF84で、トナー切れであれば、ステップF86でカートリッジ交換メッセージを複写機の表示器上に表示し、ステップF87でEEPROMの消去を行ってからステップF59に進み一連の処理を終了する。
【0146】
本実施形態では、EEPROMの制御ソフトプログラム4(B73)の一部のみを消去している。制御ソフトプログラム4の一部を消去するのは、リサイクル過程における運送業者や、カートリッジをリサイクルする業者において、制御ソフトプログラム4をコピーされる危険性を排除する為である。
【0147】
本実施形態では、ユーザのプライバシーに関するデータは記憶していないが、たとえば、会社のロゴや電話番号などを記憶して、コピー用紙の隅に印刷できるようにするような実施形態であれば、このようなデータの消去を行う必要がある。
【0148】
なお、EEPROM消去のあと、取り出したカートリッジを、ステップF88の終了処理の後で、リサイクル処理を行う。具体的には、複写機の定期サービス時にトナー切れしたカートリッジをユーザから受け取りサービス拠点で集結して、リサイクル工場に運送し、リサイクル工場では、トナーの充填を行うと共に、B74のリサイクル回数を参照して、感光ドラムB77の交換や、機構部への注油、部品の交換などを行う。
【0149】
[正規品カートリッジの判定処理:図10]
図10はカートリッジが正規品かどうか判定する処理の流れ図である。
【0150】
図において、ステップF90で変数BRを「0」にセットする。変数BRはカートリッジ判定の結果、正規品かどうかを判定する変数である。
【0151】
次に、ステップF91で複写機から時間コードを暗号化してカートリッジに送信する。この値は、時間単位で変更される値であり、カートリッジからのシリアル番号や、製造日番号が不正業者にわからないよう撹乱する為に送信する。暗号化する時に乱数を発生するようにしても良い。また、カートリッジ側で時間を計測する機能を持ち、複写機から送信された時間コードと、カートリッジ側で計測する時間の比較を行い、ずれが大きいと不正行為がされたと判断するような処理を追加しても良い。
【0152】
ステップF92では、複写機から送信されてきた時間コードにカートリッジシリアル番号を加算し、暗号化して複写機に送信する。次に、ステップF94に進み、ステップF94で複写機から送信されてきた時間コードにカートリッジの製造日番号を加算し、暗号化して送信する。
【0153】
ステップF93で複写機は、ステップF92から送信される信号を受信し、その受け取ったコードの正当性をチェックし、一回目のカートリッジ判定を行う。第1の実施形態で説明したように、補数の値と桁ごとに加算して「0」になるかの判定方法でも良く、あらかじめ決めておいたシリアル番号に基づいた暗号値と比較するようにして判定しても良い。判定の結果、正規品でないと判定された場合は、変数BRを「0」のまま、ステップF98へと進み、カートリッジが偽装品の可能性があることをユーザに知らしめる為の表示メッセージを、複写機に表示して、このサブルーチンを終了する。
【0154】
一方、ステップF93の判定の結果、正規品であると判定された場合は、ステップF55に進む。ステップF95では、複写機は、カートリッジから受け取ったコードの正当性をチェックし、2回目のカートリッジ判定を行う。ステップF93での判定と同様、正規品でないと判定された場合は、変数BRを「0」のまま、ステップF98へと進み、カートリッジが偽装品の可能性があることをユーザに知らしめる為の表示メッセージを、複写機に表示して、このサブルーチンを終了する。
【0155】
一方、ステップF95の2回の判定の結果、正規のカートリッジであり、偽装品でないことが立証されると、ステップF96で変数BRを「1」にセットし、ステップF97で、カートリッジ正常メッセージを表示した後、このサブルーチンを終了する。
【0156】
このように本発明の第3の実施形態における電子機器(プリンタ)では、接続媒体はトナーを有するカートリッジなどの消耗材であり、電子機器はカートリッジから供給されるトナーを用いて画像を形成する画像形成部を有することが好ましい。
【0157】
また、使用状況に関する情報とは、トナーの残量を示す情報であることが好ましい。
【0158】
以上説明したように本実施形態に対応する本発明によれば、正規品のカートリッジが使用済みとなり、この使用済みのカートリッジにトナーなどの消耗材を再充填して利用する際には、カートリッジをプリンタから取り外す前にカートリッジに記憶された個人情報、リサイクル情報がカートリッジのメモリから消去されるためそれらの情報が外部に漏れるのを防ぐことができる。また、上記の使用済みのカートリッジをリサイクルする際に指定したリサイクル業者以外の第3者がリサイクルできないようにできる。また正規品以外の模造品や偽造品がプリンタに装着されてもそれらの使用を防ぐことができる。
【0159】
以上3つの実施形態を用いて、接続媒体が、メディアパック、ICカード、カートリッジの場合での実施形態を説明した。無論のこと本発明はこの実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、他の接続媒体であるLBPのカートリッジや、記憶メディアであるフロッピーディスク(登録商標)、CDROM、ハードディスク、半導体大容量メモリのCFカード(登録商標)やSDカード(登録商標)等にも応用可能である。
【0160】
また、本発明の目的を達成する為、実施形態では半導体メモリであるEEPROMの一部を消去する実施形態を説明したが、EEPROMの記憶内容をすべて消去しても良く、また記憶素子としてEEPROMだけでなく磁気記憶メモリのハードディスクなどでも良い。
【0161】
接続媒体が正規品かどうかの判定時に、実施形態では、電子機器のシリアル番号と日付コード、時間コードを接続媒体に送信する実施形態を説明したが、乱数を作成して暗号化し接続媒体に送信しても良く、電話番号や、誕生日コードを登録できるようにしておき、それを暗号化して電子機器から接続媒体に送信しても良い。
【0162】
【他の実施形態】
なお、本発明は、例えば、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体などとしての実施態様を取ることが可能であり、具体的には、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インターフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0163】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0164】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0165】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0166】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0167】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した図3、4、図6,7、図9,10などに示した処理を実現するプログラムが格納されることになる。
【0168】
本発明を実施することにより消耗品やICカードの使用済みを検出して、内蔵する記憶の一部を消去しているので、ユーザは安心してリサイクルに、使用済みの消耗品やICカードを提供することができる。
【0169】
また、本発明を実施することにより、使用済みの消耗品やICカードから自動的に個人情報などを新しい消耗品やICカードに移すことが出来る。そのためユーザは再登録する必要がなくユーザの煩わしさを取り除くことができる。
【0170】
また、本発明を実施することにより、消耗品の模造品やICカードの偽造品などの不正な製造を防御できる。このような防御策を講じることにより、不正を摘発する環境の構築や不正な行為を抑制することもできる。
【0171】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、使用済みの「接続媒体」を電子機器から取り外してリサイクルする前に「接続媒体」に格納されている個人情報やリサイクル情報等の所定の情報を削除するため「接続媒体」に記憶された個人情報が外部に漏れるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】小型プリンタ及びメディアパックの内部構成を示すブロック図である。
【図2】小型プリンタを使って印字を行う構成の一例を示す図である。
【図3】メディアパックの印字紙がなくなったときの処理を示す図である。
【図4】メディアパックが正規品かどうか判別する処理を示す図である。
【図5】ICカードの内部構成を示すブロック図である。
【図6】ICカードの使用期限が過ぎたときの処理を示す図である。
【図7】ICカードが正規品かどうか判別する処理を示す図である。
【図8】複写機のカートリッジの内部構成を示すブロック図である。
【図9】トナー切れになったときの処理を示す図である。
【図10】カートリッジが正規品かどうか判別する処理を示す図である。
【発明の属する技術分野】
この発明は、メモリ機能を有する消耗材カートリッジを用いるプリンタあるいはICカードを用いるATMマシンなどの電子機器に関し、より詳しくは、メモリ機能に格納されるデータの書込・消去等の制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、メモリ価格の低下に伴い消耗材のカートリッジ等にメモリ機能を付加する提案がなされている。たとえば、消耗品であるプリンタ用の印字紙やインクを収納可能なパック(以下、メディアパックと称す)において、書き換え可能な記憶手段を備えた技術が出願されている(特許文献1)。
【0003】
また、半導体メモリを有したICカードは20年以上前に発明され、現在まで何度も話題になりながら、本当の実用化には至っていなかったが、近年電子マネーシステムの本格的な取り組みにより、金融・交通・医療などの分野で利用されようとしている(特許文献1)。
【0004】
また従来技術で述べたメディアパック(例えば、特許文献1)の場合は、内蔵する印字紙を使い切り廃却されると、インクや外装であるプラスチック部材が環境に悪影響を与える可能性がありリサイクルされることが望まれる。
【0005】
このような場合、メディアパックやICカードなどにおいて、内蔵の記憶手段にプライバシーに関する情報が記憶されリサイクル時にその情報が盗まれてしまうとメディアパックやICカードなどを使っていたユーザに損害が発生する可能性があるだけでなく交換したメディアパックやICカードなどに情報を再記憶する必要がある。これはユーザにとって非常に煩わしいことである。
【0006】
ICカードを含めたクレジットカードやキャッシュカードにおいて、期限が切れて廃却されるとプラスチック部材が環境に悪影響を与える可能性があり、また、安くなったとはいえ決して無視できないメモリの費用を考えると、やはりリサイクルされることが望まれる。しかしながら、リサイクル時の流通段階において、過去に記憶された情報に基づいて有効期限の改ざん、複製などの不正行為が行われた場合には、手の施しようのない損害が金融機関などに発生する可能性がある。
【0007】
このような不正行為に対しての対抗策としていくつかの提案がなされており、例えば、ICカードに内蔵されたメモリのすべてのデータが消去された事を検出した場合に、不揮発性メモリのデータ読出し禁止を解除する手段が提案されている(例えば、特許文献2)。
【0008】
この例は一度書き込んだメモリのデータがリサイクル時に不正に読み出されないようにする提案であり有用であるが、この先行例ではメモリのデータを何らかの状態を検知して自動的に消去する配慮がなされていない点が問題である。
【0009】
一方、ICカードのメモリの内容がゼロまたは無の状態になれば、内蔵するマイクロプロセッサの機能を停止させ、その後外部から特定のコードを入力すると、マイクロプロセッサの停止を解除する手段が提案されている(例えば、特許文献3)。この例はリサイクル時にマイクロプロセッサの動作を静止している為、不正に読み出されないようにしており有用であるが、ICカードの有効期限などの情報によりメモリのデータを消去する配慮がなされていない点が問題である。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−212986号公報
【特許文献2】
特開平10−301855号公報
【特許文献3】
特開2000−285216号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記説明した従来技術の問題点を解決することを出発点としてなされたものであり、その目的は、メモリ機能を有する消耗材やICカードなど(以下、「接続媒体」と総称する)各種電子機器に接続可能な接続媒体において、使用済みとなった「接続媒体」を電子機器から取り外してリサイクルする際に、「接続媒体」に記憶された個人情報が外部に漏れるのを防ぐことである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る一実施形態の電子機器は、以下の構成を有する。すなわち、第1メモリと、前記第1メモリに格納する情報を書き換る第1書換手段とを有する接続媒体を、電気的に接続可能な電子機器であって、前記第1メモリには、前記接続媒体の使用状況に関する情報および所定の情報が記憶されており、第2メモリと、前記第2メモリに格納する情報を書き換る第2書換手段と、前記接続媒体が接続されると、前記接続媒体の使用状況に関する情報を読み出し、該情報から前記接続媒体が使用終了となったことを判別すると、前記第1メモリから前記所定の情報を削除するように前記第1および第2書換手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の電子機器は、第1メモリと、第1メモリに格納する情報を書き換る第1書換部とを有する接続媒体を、電気的に接続可能な電子機器であって、第1メモリには、接続媒体の使用状況に関する情報および所定の情報が記憶されており、第2メモリと、第2メモリに格納する情報を書き換る第2書換部と、接続媒体が接続されると、接続媒体の使用状況に関する情報を読み出し、該情報から接続媒体が使用終了となったことを判別すると、第1メモリから所定の情報を削除するように第1および第2書換部を制御する制御部と、を有することを特徴とする。
【0014】
また例えば、制御部は、接続媒体が使用終了となったことを判別すると、第1メモリに記憶されている所定の情報を第2メモリに格納してから第1メモリから所定の情報を削除するように第1および第2書換部を更に制御することが好ましい。
【0015】
また例えば、制御部は、接続媒体が接続されると接続媒体が正規品であるか否かを判定するための信号を接続媒体に送信し、接続媒体から返送される信号を判別して接続媒体が正規品か否かを更に判別することが好ましい。
【0016】
また例えば、制御部は、接続媒体が正規品であると判別した場合に第2メモリに格納した所定の情報を第1メモリに格納し、第2メモリから所定の情報を削除するように第1および第2書換部を制御することが好ましい。
【0017】
また例えば、所定の情報は、個人情報もしくはリサイクル情報を含むことが好ましい。
【0018】
また例えば、所定の情報は、第1書換手段を制御する制御プログラムを含むことが好ましい。
【0019】
また例えば、接続媒体は印字紙およびインクを有し、電子機器は接続媒体から供給される印字紙およびインクを用いて画像を形成する画像形成部を有することが好ましい。
【0020】
また例えば、使用状況に関する情報とは、印字紙の残りの枚数を示す情報であることが好ましい。
【0021】
また例えば、画像形成部は、インクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドを含むことが好ましい。
【0022】
このような本発明は、具体的に図1〜図10に示す構成に置いて、以下の第1から第3の実施形態と対応して実現できる。
【0023】
[第1の実施形態]
以下、図面を参照して本発明の第1の実施形態につき説明する。第1の実施形態では、電子機器として小型プリンタを、接続媒体として小型プリンタに装着可能なメモリ付のメディアパックを一例として説明する。
【0024】
[メディアパックを装着した小型プリンタ:図2]
図2は、小型プリンタを使って印字を行う構成の一例を示している。
【0025】
図2において、B1は携帯電話であり、音声通話だけでなく印刷の為の画像の送受信が可能であり、また受信した画像やレンズユニットB2から取り込んだ画像を印刷画像に編集し、接続可能なプリンタに印刷画像を送信可能な機能を具備している。
【0026】
B5は、カードサイズの印字紙、あるいは、カードを4分割したシール状の印字紙上にインクジェット技術を使って印刷可能な小型プリンタである。
【0027】
B6は、小型プリンタB5に着脱可能な印字紙、インク、廃インクを吸収する吸収体及び記憶媒体としてのEEPROMを内蔵したメディアパックである。
【0028】
B7は、小型プリンタB5の制御によりメディアパック内の印字紙を搬送し、携帯電話B1から受け取った画像をメディアパック内のインクを使って画像印刷した印刷物の一例を示している。
【0029】
このような構成で、携帯電話B1で取り込んだ画像や受信した画像を携帯電話に接続可能な小型プリンタB5によりメディアパックB6に内蔵されている印字紙上に画像印刷することは、従来例(特許文献1)をはじめ多くの提案がなされている。
【0030】
なお、上述構成では携帯電話B1を小型プリンタB5に接続する例を示したが、デジタルカメラ・PC(パーソナルコンピュータ)やPDA(Personal Digital Assistant)なども接続可能としても良く、また小型プリンタB5は、カードサイズの印字紙や4つ切りのシール紙に印刷可能としたが、A4サイズやA6サイズの印字紙に印刷可能なプリンタでも良い。
【0031】
図2において特徴としているのは、印字紙及び(または)インクなどの消耗材を内蔵したメディアパックに記憶媒体としてEEPROMを具備していることである。
【0032】
[メディアパックと小型プリンタの内部構成:図1]
図1はプリンタB5及びメディアパックB6の内部構成を示すブロック図である。図1のプリンタB5において、B10は携帯電話B1から印字コマンドや画像データなどを受け取る為のケーブルを接続するコネクタ1である。
【0033】
B11は、印字コマンドや画像データなどを受け取る為のハンドシェーク処理や電圧レベル変換などを行うインターフェース回路である。
【0034】
携帯電話B1とプリンタB5間のインターフェースはシリアル転送の一つであるUSB規格に基づくインターフェース方式を本実施形態では採用しているが、パラレル転送方式であるセントロ規格でのインターフェースや赤外線通信のIrDA規格、無線通信規格であるブルーツース規格などのインターフェース方式を用いても良い。
【0035】
B12は制御回路1であり、受信した画像データを後述するB14のRAM内に記憶する処理や、印刷処理時の紙送り制御、記録ヘッドに通電してインクを吐出するインク吐出制御、キャリッジ移動制御、古いインクを廃インクとして処理する回復処理などを行う。
【0036】
これらの制御はフラッシュメモリB13に記憶しているB19の制御ソフトプログラム1として記憶されているマイクロ命令をB12の制御回路1に含まれるマイクロプロセッサが実行することにより行われる。
【0037】
またフラッシュメモリB13はB20のシリアル番号1を記憶しており、工場の出荷段階で書き込むようにしている。具体的には、工場での組み立て、検査を実施した段階で合格したプリンタに対してシリアル番号をあてがい、検査用のPCをプリンタに接続して書き込む処理を行う。このシリアル番号はメディアパックB6が正規品かどうかの判定を行う場合に利用される番号であり、その処理の詳細は図4の流れ図と共に説明する。
【0038】
B14はRAM(ランダムアクセスメモリ)であり、制御回路1に含まれるマイクロプロセッサで実行する処理において必要なデータや変数などを記憶するB21のワークエリアと印刷画像として記憶しているB22の画像記憶部1を含んでいる。
【0039】
この画像記憶部1は携帯電話B1からの画像データを印字用に記憶するだけでなく、メディアパックB6の画像記憶部2の画像データを受け取って記憶する。
【0040】
B15は記録ヘッドであり、印字紙に対向した位置に配設されており、B12の制御回路1の制御により内蔵するヒータの温度を上昇させヒータ上のインク内に泡(バブル)を形成してインクを吐出する事で印字をおこなう。
【0041】
B16は第1インクタンクであり、記録ヘッドに隣接した位置に配設されており、一枚分の印字紙を印刷可能な量のインクを溜め込み印刷を行う為のインクを記録ヘッドB15へ供給する。一枚分の印字を終了するとメディアパックB6に具備されている第2インクタンクB33からインクの供給を受けることで次の印字紙への印刷を行う。
【0042】
B17のメカ機構は、印字紙を搬送する為の搬送機構やヘッド及び第1インクタンクを装着しているキャリッジを主走査方向に移動する機構および記録ヘッド内のインクの固着を防止する為の回復機構などを具備している。
【0043】
B23及びB24は発光ダイオードLED1とLED2である。制御回路1の制御によりLED1(B23)はメディアパックの印字紙がなくなったことを検出して点灯し、LED2(B24)はエラーが発生したときに点灯する。
【0044】
B25は検出スイッチであり、メディアパックの着脱を検出してその検出内容を制御手段1に伝達する。
【0045】
B26はコネクタ2であり、メディアパックを装着することによりメディアパックのコネクタ3と接続状態となり、信号端子を通じてデータのやり取りを行う。
【0046】
B18は電源回路であり、制御回路1やフラッシュメモリ、RAM、インターフェース回路などの半導体素子に電源を供給すると共にメカ機構を動作する為のモータや検出器に対して電源を供給する。また、メディアパック内にある半導体素子にも電源を供給する。
【0047】
以上プリンタB5の内部ブロックについて説明したが、図1におけるブロック図は概要を示す為の構成のみを示しており、例えばクロック発信回路やスイッチ類などは図示していないが当然必要な構成要素である。
【0048】
図1のメディアパックB6において、B40はコネクタ3であり、制御回路2の信号が接続されており、プリンタのコネクタ2と接続状態となることでデータの送受信を行う。
【0049】
B30の制御回路2はB31のEEPROMの制御を行っており、プリンタB5からの指令によりB39の画像記憶部2にデータを書き込んだり、データを読み出してプリンタB5へ送信したりする制御やB36の残枚数記憶部の内容を修正したりする制御を行うと共に図4と共に詳細を後述するが、メディアパックが正規品であるかどうかの判定制御を行う。
【0050】
B31はEEPROMであり、制御ソフトプログラム2、印字紙の残枚数、シリアル番号2、製造日番号、画像記憶部2を記憶している。このEEPROMは不揮発性のメモリで書き換え可能であり、書き込んだデータは電源供給がなくても記憶内容を保持している。
【0051】
EEPROM内にあるB35の制御ソフトプログラム2は、制御回路2に含まれるマイクロプロセッサが実行する制御命令を記憶している。B36は残枚数記憶部であり、メディアパック内の印字紙の枚数を記憶しており、印字指令により印刷を実行すると印刷した枚数を減算した値が記憶される。
【0052】
B37はシリアル番号2であり、B38は製造日番号である。これらの番号はプリンタB5内のシリアル番号1(B20)と同様、工場の出荷段階で書き込むようにしている。具体的には、工場でメディアパックを組み立て、検査を実施した段階で合格した際にシリアル番号と製造日番号をあてがい、検査用のPCをメディアパックに接続して書き込む処理を行う。
【0053】
このB37のシリアル番号2および製造日番号B38は、プリンタB5内のシリアル番号1(B20)と共に、メディアパックB6が正規品かどうかの判定を行う場合に利用される番号であり、その処理の詳細は図4の流れ図と共に説明する。
【0054】
B39は画像記憶部2であり、画像の印刷を行う場合に使用可能な額縁や使用者の気に入っている写真、住所、名前、電話番号などを記憶し、使用者が選択する事で携帯電話から受け取った画像と合成して印刷できるようにしている。
【0055】
この画像記憶部2には、使用者のプライバシーに関する使用者の写真、住所、名前、電話番号などが画像記憶部2には記憶可能である。この為、メディアパックの使用が終了したとき(本実施形態では印字紙がなくなったとき)に、そのままリサイクルするとプライバシーに関する情報がそのままリサイクル業者に渡ってしまう事となり悪用される危険性がある。
【0056】
この為、本実施形態においては、印字紙がなくなったことを検出して画像記憶部2の記憶内容を消去するようにしている。また、使用者が住所、名前、電話番号など携帯電話を使って登録し、この画像記憶部2に記憶したにもかかわらずメディアパックを交換する際に再度登録しなければいけないとなると非常に煩わしいことであり、本実施形態においてはメディアパック交換時に自動的に新しいメディアパックへ情報を移動するようにしている。
【0057】
この画像記憶部2の記憶内容の消去および新しいメディアパックへの情報の移動に関しては、図3と共にその処理を後述する。
【0058】
B31のEEPROMには上述したような情報を本実施形態では記憶するが、これらの情報以外にメディアパックの着脱回数、メディアパックのリサイクル回数などリサイクルに必要な情報を記憶しても良い。
【0059】
また画像記憶部2に前もってゲームに使用されるようなゲームソフトプログラムや関係する画像データを工場出荷時に記憶できるようにしておけば、メディアパックの製造業者としては付加価値をメディアパックに加えて販売することが可能となり、また、使用者であるユーザにとってもメディアパック交換時に新しいメディアパックへ情報の移動が自動的に出来るので、購入したコンテンツであるゲームソフトプログラムや関係する画像データを継続的に利用できる効果がある。
【0060】
B32は非印字媒体としての印字紙であり、一定枚数の印字紙がメディアパック内に収納されている。
【0061】
B33は第2インクタンクであり、一定枚数の印字紙B32全部を印刷するのに十分な量のインクが収納されている。
【0062】
B34は回復系の処理により記録ヘッド内の古くなったインクを吸い取ってそのインクを吸収するインク吸収体である。
【0063】
以上プリンタB5およびメディアパックのブロック構成について説明したが、本実施形態の特徴的なことは、
1)メディアパックB6内の残枚数記憶部B36に印字紙の残枚数を記憶し、残枚数記憶部B36の内容がゼロすなわちメディアパックに内蔵する印字紙がなくなった事を検出してメディアパック交換に必要な処理を自動的に実行する。
2)プリンタB5のRAM(B14)内に画像記憶部1(B22)を持ち、メディアパックB6のEEPROM(B31)内に画像記憶部2(B39)を持ち、メディアパック交換時には画像記憶部2に記憶されている内容を画像記憶部1に退避し新しいメディアパックが挿入されると画像記憶部1の内容を新しいメディアパックの画像記憶部2に格納する。
3)プリンタB5のフラッシュメモリ(B13)内にシリアル番号1(B20)を記憶しメディアパックB6のEEPROM(B31)内にシリアル番号2(B37)及び製造日番号B38を記憶している。これらの番号を使用してメディアパックが正規品かどうかの判定を行う処理を可能としている。
【0064】
上述の本実施形態の特徴的な処理を図3及び図4と共に説明する。
【0065】
[メディアパックの印字紙がなくなったときの処理:図3]
図3はメディアパックの印字紙の残枚数がゼロ、すなわちなくなったときの処理を示す流れ図である。
【0066】
印字指令を受けると、ステップF16で変数BRが「0」かどうかの判別を行い「0」のときは印字処理を行わず終了する。この変数BRは、装着されているメディアパックが正規品かどうかを記憶している変数であり、変数BRが「0」すなわち、メディアパックが不正品である場合は、印字処理を実行しないよう処理している。
【0067】
ステップF1で印字処理を行う。B22の画像記憶部1に記憶されている画像データを印字可能なデータに変換し、B12の制御回路1により記録ヘッドB15やメカ機構B17などを制御して印刷実行する。
【0068】
この印刷実行においてユーザの選択に応じて画像記憶部2に記憶されている画像データとの合成処理を行い印刷画像を作成している。
【0069】
ステップF2で残枚数記憶部B36の内容を呼び出して1を減算した値を変数ARにいれ、ステップF3で変数ARがゼロ、すなわち印字紙がなくなったかどうかの判別を行う。
【0070】
この判別で変数ARがゼロでなければステップF15で変数ARの値をメディアパックの残枚数記憶部B36に記憶して終了する。
【0071】
ステップF4以降はメディアパックB6内の印字紙がなくなった場合の処理流れを示す。ステップF4でB39の画像記憶部2にある画像データを呼び出し、ステップF5で呼び出した画像データをRAM(B14)内の画像記憶部1(B22)に格納する。
【0072】
画像記憶部2に記憶されている画像データを画像記憶部1に一時退避することで新しいメディアパックの画像記憶部2に格納可能となる。
【0073】
ステップF6でEEPROM(B31)の内容を消去する。
【0074】
本実施形態では、制御ソフトプログラム2(B35)の一部と残枚数記憶部(B36)、画像記憶部2(B39)を消去している。
【0075】
画像記憶部2(B39)の内容を自動的に消去することによりプライバシーに関する画像データやパーソナル情報などを流通段階で悪用される不安を取り除くことが出来る。
【0076】
ステップF7でメディアパック交換のLEDを点灯し、ユーザは点灯を見て、ステップF8でユーザがメディアパックB6を取り外したのを検出すると、ステップF9に進み、ユーザがメディアパックをプリンタに装着すると、プリンタはその装着を検出してステップF10で残枚数記憶部B36の内容を見て「0」かどうかの判別を行う。
【0077】
なお、ステップF8で取り外されたメディアパックのリサイクル処理の一例を以下説明する。リサイクルの具体的なやり方としては、メディアパックを購入した小売店等に持っていき、そこで集結してリサイクル工場に発送しても良く、リサイクル工場に直接ユーザから郵送しても良い。
【0078】
リサイクル工場では、印字紙(B32)第2インクタンク(B33)へのインクの補給、吸収体(B34)の交換と共にステップF6で消去した制御ソフトプログラム2(B35)の一部の書込み処理を行い再販可能とする。
【0079】
ステップF10で残枚数記憶部B36の内容が「0」の場合は、印字紙がなくなった使用済みのメディアパックが再度装着されたことなので終了し、「0」でない場合はステップF11に進み正規品判定処理を行う。
【0080】
正規品判定処理は図4と共に後述するが、この正規品判定処理で変数BRに正規のメディアパックが装着されたときは「1」にセットし、不正品が装着されたときは「0」がセットされる。
【0081】
ステップF12で変数BRの値が「0」かどうかの判定を行う。判定の結果BRが「0」の場合は不正品のためステップF13でLED2(B24)を点灯し、BRが「1」の場合は正規品の為ステップF14で画像記憶部1(B22)に退避していた画像データを呼び出して、メディアパックEEPROM内の画像記憶部2(B39)に記憶する。
【0082】
以上により残枚数記憶部B36の内容が「0」すなわち、印字紙がなくなったときの処理が終了する。
【0083】
上述した処理において重要なことは、収納している印字紙がメディアパックからなくなり使用済みとなったときに自動的にその状態を検出して、使用済みメディアパックに具備された、EEPROM内の記憶の一部である画像記憶部2などの内容を、プリンタのRAMに一時退避し、次に、EEPROM内の記憶の一部を消去することである。また、使用済みメディアパックを新しいメディアパックに交換したときは、プリンタのRAMに一時退避された使用済みメディアパックに具備されていた、EEPROM内の記憶の一部である画像記憶部2などの内容を、新しいメディアパックのEEPROMに書き込む処理を自動的に行うことである。
【0084】
なお、本実施形態では、ステップF6でEEPROMの制御ソフトプログラム2(B35)の一部と画像記憶部2を消去しているが、正規品かどうかの判別処理に使用されるシリアル番号2や製造日番号も消去するようにしても良い。またEEPROMの内容をすべて消去するようにしても良い。要はプライバシーに関する情報を消去することが目的である。
【0085】
[メディアパックが正規品かどうかの判別:図4]
図4はメディアパックが正規品かどうかを判別するサブルーチンの処理内容を示す流れ図である。説明の為、シリアル番号1が1234、シリアル番号2が0987、製造日番号が0105の場合を一例としてあげている。
【0086】
図において、ステップF20で変数BRを「0」にセットする。BRはメディアパックの判定の結果、正規品かどうかを判定する変数である。
【0087】
ステップF21でプリンタB5が記憶しているシリアル番号1(B20)の内容1234を暗号化してメディアパックに送信する。
【0088】
暗号化の内容は、1234のそれぞれの補数9876を作成し、それに特定値を掛け算するように本実施形態では暗号化している。もちろん、それ以外の暗号化を行っても良く、例えば数値1234を画像化して圧縮データにするような方法でも良く、メディアパック内で復元できれば良い。
【0089】
メディアパックでは、暗号化したシリアル番号1を復元してステップF22で正規のプリンタが接続されているかの判定を行う。具体的には、受け取ったシリアル番号1の1234と補数9876を各桁ごとに加算して「0」になるかの判定を行っている。
【0090】
正規のプリンタでないと判定されたときは、ステップF28で終了コードを送信して処理を終了し、正規と判定されたときは、ステップF23でシリアル番号1とシリアル番号2の加算を行い、その結果である2221とシリアル番号2の補数を暗号化し送信する。
【0091】
ステップF24で受け取ったコードの暗号化を復号して、シリアル番号2によりメディアパックが正規品であるかの判定を行う。2221からシリアル番号1の1234を減算してシリアル番号2の0987を求め補数の値0123と各桁ごとに加算して「0」になるかの判定を行う。
【0092】
判定の結果、正規品出ないと判定された場合は変数BRを「0」のままこの判定のサブルーチンを終了する。
【0093】
ステップF25でシリアル番号1と製造日番号の加算を行い、その結果である1339と製造日番号の補数を暗号化し送信する。
【0094】
ステップF26で受け取ったコードの暗号化を復号して製造日番号によりメディアパックが正規品であるかの判定を行う。1339からシリアル番号1の1234を減算して製造日番号の0105を求め、補数の値0905と各桁ごとに加算して「0」になるかの判定を行う。
【0095】
ステップF24とステップF26の判定の結果、正規品として認められた場合はステップF27で変数BRの値を「1」にセットしメディアパックから送られてくる終了コードをステップF29で受け取った後、この判定のサブルーチンを終了する。
【0096】
この正規品判定処理のサブルーチンにおいて、メディアパックからシリアル番号2及び製造日番号をそのままプリンタに送信してなくプリンタの記憶しているシリアル番号1と加算して送信している。
【0097】
なお本例においては、シリアル番号1などの補数を発生して送信するようにしているが、特定な値と演算した結果を送信するようにしても良く、受け取ったコードに基づいて異なるアドレスを発生し、そのアドレスに記憶されているコードと演算して送信するようにしても良い。要はメディアパックから一定のコードが送信するのではなく、プリンタから受け取ったコード(シリアル番号1)に依存したコードを送信しているのが本実施形態の特徴の一つである。
【0098】
本実施形態の実施形態に限らずメディアパックが正規品かどうかの判定処理にはいろいろな方法が考えられる。たとえば、メディアパック装着時に自動的に携帯電話からインターネットを使ってメディアパック製造業者のホームページにアクセスしてシリアル番号に対応付けされたシークレットコードを取得しメディアパックにかかれているシークレットコードを比較して判定するようにしても良い。あるいは、メディアパックの外装にバーコードを印刷しておき、プリンタで読み取るようにし、バーコードの情報とリサイクルのたびに更新されるシリアル番号を対応付け、その対応内容をメディアパック製造業者のホームページで判定するようにしても良い。
【0099】
以上説明したように本実施形態に対応する本発明によれば、正規品のメディアパックが使用済みとなり、この使用済みのメディアパックに印字紙やインクなどの消耗材を再充填して利用する際には、メディアパックをプリンタから取り外す前にメディアパックに記憶された情報の一部がメディアパックのメモリから消去されるため使用済みのメディアパックに記憶された情報が外部に漏れるのを防ぐことができる。
【0100】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、電子機器として小型プリンタを、接続媒体として小型プリンタに装着可能なメディアパックを一例として説明したが、第2の実施形態では、電子機器としてATMマシンを、接続媒体としてATMマシンに挿入可能なICカードを一例として説明する。
【0101】
[ICカードを装着したATMマシン:図5]
以下、図面を参照して本発明の第2の実施形態につき説明する。
【0102】
図5はATMマシンに挿入可能な半導体記憶部を持ったICカードにおける構成を示している。図においてB60はATMマシンであり、その挿入口からICカードを入れられるようになっている。
【0103】
ICカードB50において、B58はコネクタ4であり、制御回路3の信号が接続されており、ATMマシンのコネクタと接続状態となることでデータの送受信を行う。
【0104】
B51の制御回路3は、EEPROM(B53)の制御を行っており、ATMマシンからの指令により、B57の通帳記憶部にデータを書き込んだり、データを読み出してATMマシン、あるいは図示していないが家庭用のパーソナルコンピュータに表示するなどの制御を行うと共に、期限切れになったときにEEPROMの一部の記憶内容を消去したり、ICカードが正規品かどうかの判定などの制御を行う。
【0105】
B52はEEPROMであり、制御ソフトプログラム3、有効期限、ユーザ番号、製造日番号、通帳記憶部を記憶している。このEEPROMは不揮発性のメモリで書き換え可能であり、書き込んだデータは電源供給がなくても記憶内容を保持している。EEPROM内にあるB53の制御ソフトプログラム3は、制御回路3に含まれるマイクロプロセッサが実行する制御命令を記憶している。
【0106】
B54の有効期限は、ICカードの有効期限であり、図6と共に後述するが、カードの使用期限が切れていることを検出する為の情報である。B55はユーザ番号であり、銀行用のカードなどでは口座番号と一致している。B56は製造日番号であり、この番号はユーザにも知らされていない番号であり、図示していないが銀行などのサーバには、ユーザ情報と共にユーザ番号と対応付けされ記憶されている。
【0107】
EEPROM内に記憶される制御ソフトプログラム3の一部とユーザ番号、および有効期限は、カードを製造あるいはリサイクルした後、銀行で厳重にセキュリティ対策を施した書込み機により書き込まれる。具体的には印刷されたICカードを書込み機にセットし、制御ソフトプログラム3の一部を書き込んだ後、印刷内容と対応した、ユーザ番号、有効期限を書込み、また、製造日番号を呼び出して、ユーザ番号と対応付けしてサーバに記憶する。
【0108】
このユーザ番号B55及び製造日番号B56は、ICカードが正規品かどうかの判定を行う場合に使用される番号であり、その処理の詳細は図7の流れ図と共に後述する。
【0109】
B57は通帳記憶部であり、銀行口座への振込み、払い戻しなどの履歴を通帳の代わりに記憶している記憶部である。この通帳記憶部の内容は、使用者のプライバシーに関する情報である。この為、ICカードの使用期限が終了しリサイクルするときには、プライバシーに関するこの通帳の内容がそのままリサイクル業者に渡り、悪用されることを防ぐ為、本実施形態においては使用期限が過ぎたことを検出して、自動的に消去するようにしている。
【0110】
[ICカードの処理:図6]
上記説明した構成のICカードを、ATMマシンに挿入した場合の処理内容を図6に示している。
【0111】
図6において、ステップF50でATMマシンにカードを挿入すると、ステップF51の正規品判定処理のサブルーチンを実行し、正規品であれば、すなわち、ステップF52の変数BRの判別で「0」でなければ、ステップF53へと進む。
【0112】
ステップF53でパスワードを入力し、挿入されたICカードが正当な所有者かどうか、ステップF54でパスワード判定を行う。このパスワード判定は、銀行のサーバに記憶されているパスワードと入力したパスワードが一致しているかどうかの判定である。
【0113】
ステップF55でICカードから有効期限を受信し、ステップF56で期限切れかどうかの判定を行う。期限切れでなければ、ステップF57に進み、通常処理である口座からの引出しや振込み、口座振替などを行ってから一連の処理を終了する。
【0114】
一方、ステップF55で、ICカードが期限切れの場合は、ステップF58でEEPROMの消去を行ってからステップF59に進み一連の処理を終了する。本実施形態では、EEPROMの制御ソフトプログラム3(B53)の一部と、通帳記憶部、およびユーザ番号を消去している。
【0115】
なお、ステップF58で、制御ソフトプログラム3の一部を消去するのは、リサイクル過程における運送業者や、ICカードをリサイクルする工場において制御ソフトプログラム3をコピーされる危険性を排除する為である。また、通帳記憶部およびユーザ番号を消去するのは、ユーザのプライバシーに関するデータを消去する為であり、またユーザ番号を読み取られて偽造品を作成される危険性を排除する為である。
【0116】
なお本実施形態では、EEPROMの消去処理のあと取り出したICカードを、ステップF59でリサイクル処理を行う。具体的にはユーザが銀行の窓口にあるリサイクル用の箱に入れておくことにより、運送業者が、リサイクル業者のところへ運送し、リサイクル業者では、ICユニットをプラスチックのカード部から取り外して再利用する。
【0117】
[正規品ICカードの判別処理:図7]
図7はICカードが正規品かどうかを判別する処理を示す流れ図である。
【0118】
図において、ステップF60で変数BRを「0」にセットする。BRはICカード判別の結果、正規品かどうかを判定する変数である。
【0119】
次に、ステップF61で、ATMマシンから、日付コードを暗号化して送信する。この値は日々変更される値であり、ICカードから受信するコードを日々変更する為に送信する。これにより、不正業者が、一定のコードを送信するような偽造品を製造しても、不正が見つけられるようにしている。
【0120】
ステップF62で日付コードとユーザ番号を加算した上で暗号化し、ATMマシンへ送信する。
【0121】
ステップF63でATMマシンは、受け取ったコードの正当性をチェックし、一回目のカード判定を行う。また、受け取ったコードから、ユーザ番号を抽出して盗難届の出されているカードかどうかの判定もここで行う。
【0122】
ステップF64で日付コードと製造日番号を加算した上で暗号化を行い、ICカードからATMマシンに送信する。
【0123】
ステップF65でATMマシンでは、2回目のカード判定として受け取ったコードの正当性を判断し、ステップF66で、受け取ったユーザ番号と製造日番号が、ATMマシンに接続されているサーバの記憶内容と一致しているかをチェックする。そのチェック結果に基づき、ステップF67で3回目のカード判定を行う。
【0124】
ステップF65、ステップF67及びステップF69の3回のカード判定の結果、正規のICカードであり、偽造品でなく、また盗難品でないことが立証されると、ステップF68で変数BRを「1」にセットし、ステップF69でカード正常メッセージを表示した後、このサブルーチンを終了する。
【0125】
一方、ステップF63、ステップF65、およびステップF63の3回のいずれかのカード判定の結果、偽造品または盗難品のカードであることが判別された場合には、ステップF70でカード異常メッセージを表示し、変数BRを「0」のままサブルーチンを終了する。
【0126】
図6のステップF52に示したように、BRが「0」すなわち、正規品のカードでない場合は、以降の処理を行わないようにしている。この正規品判定処理のサブルーチンにおいて、第1の実施形態と同様、ICカードからユーザ番号及び製造日番号をそのままATMマシンに送信してなく、ATMマシンから送信された日付コード加算して送信している。
【0127】
これにより偽造品(非正規品)を作成する不正業者が、ICカードからの送信信号を解析して、全く同じ送信コードを送るように偽造品を作成しても、日付コードが日々変更されることにより、ICカードからのコードを受け付けなくなり、偽装品として意味をなさなくしている。
【0128】
なお、本実施形態においては、キャッシュカードやクレジットカードなどの金融関係に使用されるICカードについて説明したが、交通関係で使用される、定期券のICカードや、公的な証明に利用されようとしている、運転免許証や、住民証明、印鑑証明などのICカードに対しても、本実施形態は応用可能である。
【0129】
このように本発明の第2の実施形態における電子機器(ATMマシン)では、接続媒体はICカードであることが好ましい。
【0130】
また、使用状況に関する情報とは、ICカードの有効期限を示す情報であることが好ましい。
【0131】
また例えば、使用状況に関する情報は、ICカードの有効期限を示す情報を含み、個人情報は、通帳記帳情報を含むことが好ましい。
【0132】
以上説明したように本実施形態に対応する本発明によれば、例えば、正規品のICカードが期限切れとなり、この期限切れのICカードをリサイクルする際には、ICカードをATMマシンから取り外す前にICカードに記憶された個人情報およびおよびリサイクル情報がICカードから消去されるため期限切れのICカードに記憶された情報が外部に漏れるのを防ぐことができる。
【0133】
また、再利用するICカードが、正規品以外の模造品や偽造品である場合には、たとえATMマシンに挿入されても使用できないため、正規品以外の模造品や偽造品の使用を防ぐことができる。
【0134】
(第3の実施形態)
第1の実施形態では、電子機器として小型プリンタを、接続媒体として小型プリンタに装着可能なメディアパックを一例として説明したが、第3の実施形態では、電子機器としてプリンタを、接続媒体としてプリンタに装着可能なメモリ付のカートリッジを一例として説明する。
【0135】
以下、図8、図9及び図10を参照して本発明の第3の実施形態につき説明する。
【0136】
[消耗材カートリッジを装着可能な複写機:図8]
図8は、複写機で用いられる感光ドラムとトナーを内蔵したカートリッジの構成を示すブロック図である。図において、複写機B90には着脱可能なカートリッジが挿入可能となっている。
【0137】
カートリッジB70には、感光ドラムB77と、トナー供給部B78、感光ドラムの除電部や、感光ドラムを回転する為のギア−などを含む機構部B79、及びトナーがなくなったことを検出するトナー検出部B80を具備し、また、本実施形態の特徴である、B71の制御回路4および、B72のEEPROMを具備している。
【0138】
B81はコネクタ5であり、制御回路4の信号が接続されており、複写機のコネクタと接続状態となることでデータの送受信を行う。B71の制御回路4は、カートリッジが正規品かどうかの判定処理や、トナーの残量検出を行って複写機B90に知らせると共に、トナーがなくなったときに、EEPROMの内容の消去処理などを行う。B82はトナーの残量記憶部であり、B80のトナー検出部で検出したトナーの残量を記憶している。またトナー残量記憶部B82では、トナー検出部B80で検出されるトナーが予め設定されている所定量より少なくなるとトナー切れを示す情報が合わせて記憶される。
【0139】
B72のEEPROMには、制御ソフトプログラム4、リサイクル回数、シリアル番号、製造日コードを記憶している。このEEPROMは不揮発性のメモリで書き換え可能であり、書き込んだデータは電源供給がなくても記憶内容を保持している。EEPROM内にあるB73の制御ソフトプログラム4は、制御回路4に含まれるマイクロプロセッサが実行する制御命令を記憶している。
【0140】
B74はリサイクル回数であり、トナーを充填する為リサイクルを何回行ったかを記憶し、その回数に応じて、感光ドラムB77や機構部に使用されている部品の交換を行う。B75はシリアル番号であり、B76は製造日番号である。
【0141】
これらの番号は、カートリッジの製造あるいはリサイクル時に、工場で書き込まれる番号であり、具体的には、工場でカートリッジを組み立て、検査で合格した際に、検査用の書込み機をカートリッジに接続して、シリアル番号と製造日番号を、書き込んでいる。このシリアル番号及び製造日番号は、カートリッジが正規品かどうかの判別を行う場合に利用される番号であり、その詳細は図10と共に説明する。
【0142】
[トナー切れ処理:図9]
図9は、トナー切れになった場合に、リサイクル処理を行う処理流れを示している。
【0143】
図においてステップF80でコピーボタンを押すと、ステップF81の正規品判定処理のサブルーチンを実行し、正規品でなければ、すなわち、ステップF82の変数BRの判定で「0」(不正品)であれば、ステップF83以降の処理を行わずステップF88に進み一連の作業を終了する。
【0144】
ステップF83でトナー検出を行い、ステップF84の判別で、トナー切れでなければ、ステップF85で通常のコピー処理を実行してからステップF88に進み一連の作業を終了する。
【0145】
一方、ステップF84で、トナー切れであれば、ステップF86でカートリッジ交換メッセージを複写機の表示器上に表示し、ステップF87でEEPROMの消去を行ってからステップF59に進み一連の処理を終了する。
【0146】
本実施形態では、EEPROMの制御ソフトプログラム4(B73)の一部のみを消去している。制御ソフトプログラム4の一部を消去するのは、リサイクル過程における運送業者や、カートリッジをリサイクルする業者において、制御ソフトプログラム4をコピーされる危険性を排除する為である。
【0147】
本実施形態では、ユーザのプライバシーに関するデータは記憶していないが、たとえば、会社のロゴや電話番号などを記憶して、コピー用紙の隅に印刷できるようにするような実施形態であれば、このようなデータの消去を行う必要がある。
【0148】
なお、EEPROM消去のあと、取り出したカートリッジを、ステップF88の終了処理の後で、リサイクル処理を行う。具体的には、複写機の定期サービス時にトナー切れしたカートリッジをユーザから受け取りサービス拠点で集結して、リサイクル工場に運送し、リサイクル工場では、トナーの充填を行うと共に、B74のリサイクル回数を参照して、感光ドラムB77の交換や、機構部への注油、部品の交換などを行う。
【0149】
[正規品カートリッジの判定処理:図10]
図10はカートリッジが正規品かどうか判定する処理の流れ図である。
【0150】
図において、ステップF90で変数BRを「0」にセットする。変数BRはカートリッジ判定の結果、正規品かどうかを判定する変数である。
【0151】
次に、ステップF91で複写機から時間コードを暗号化してカートリッジに送信する。この値は、時間単位で変更される値であり、カートリッジからのシリアル番号や、製造日番号が不正業者にわからないよう撹乱する為に送信する。暗号化する時に乱数を発生するようにしても良い。また、カートリッジ側で時間を計測する機能を持ち、複写機から送信された時間コードと、カートリッジ側で計測する時間の比較を行い、ずれが大きいと不正行為がされたと判断するような処理を追加しても良い。
【0152】
ステップF92では、複写機から送信されてきた時間コードにカートリッジシリアル番号を加算し、暗号化して複写機に送信する。次に、ステップF94に進み、ステップF94で複写機から送信されてきた時間コードにカートリッジの製造日番号を加算し、暗号化して送信する。
【0153】
ステップF93で複写機は、ステップF92から送信される信号を受信し、その受け取ったコードの正当性をチェックし、一回目のカートリッジ判定を行う。第1の実施形態で説明したように、補数の値と桁ごとに加算して「0」になるかの判定方法でも良く、あらかじめ決めておいたシリアル番号に基づいた暗号値と比較するようにして判定しても良い。判定の結果、正規品でないと判定された場合は、変数BRを「0」のまま、ステップF98へと進み、カートリッジが偽装品の可能性があることをユーザに知らしめる為の表示メッセージを、複写機に表示して、このサブルーチンを終了する。
【0154】
一方、ステップF93の判定の結果、正規品であると判定された場合は、ステップF55に進む。ステップF95では、複写機は、カートリッジから受け取ったコードの正当性をチェックし、2回目のカートリッジ判定を行う。ステップF93での判定と同様、正規品でないと判定された場合は、変数BRを「0」のまま、ステップF98へと進み、カートリッジが偽装品の可能性があることをユーザに知らしめる為の表示メッセージを、複写機に表示して、このサブルーチンを終了する。
【0155】
一方、ステップF95の2回の判定の結果、正規のカートリッジであり、偽装品でないことが立証されると、ステップF96で変数BRを「1」にセットし、ステップF97で、カートリッジ正常メッセージを表示した後、このサブルーチンを終了する。
【0156】
このように本発明の第3の実施形態における電子機器(プリンタ)では、接続媒体はトナーを有するカートリッジなどの消耗材であり、電子機器はカートリッジから供給されるトナーを用いて画像を形成する画像形成部を有することが好ましい。
【0157】
また、使用状況に関する情報とは、トナーの残量を示す情報であることが好ましい。
【0158】
以上説明したように本実施形態に対応する本発明によれば、正規品のカートリッジが使用済みとなり、この使用済みのカートリッジにトナーなどの消耗材を再充填して利用する際には、カートリッジをプリンタから取り外す前にカートリッジに記憶された個人情報、リサイクル情報がカートリッジのメモリから消去されるためそれらの情報が外部に漏れるのを防ぐことができる。また、上記の使用済みのカートリッジをリサイクルする際に指定したリサイクル業者以外の第3者がリサイクルできないようにできる。また正規品以外の模造品や偽造品がプリンタに装着されてもそれらの使用を防ぐことができる。
【0159】
以上3つの実施形態を用いて、接続媒体が、メディアパック、ICカード、カートリッジの場合での実施形態を説明した。無論のこと本発明はこの実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、他の接続媒体であるLBPのカートリッジや、記憶メディアであるフロッピーディスク(登録商標)、CDROM、ハードディスク、半導体大容量メモリのCFカード(登録商標)やSDカード(登録商標)等にも応用可能である。
【0160】
また、本発明の目的を達成する為、実施形態では半導体メモリであるEEPROMの一部を消去する実施形態を説明したが、EEPROMの記憶内容をすべて消去しても良く、また記憶素子としてEEPROMだけでなく磁気記憶メモリのハードディスクなどでも良い。
【0161】
接続媒体が正規品かどうかの判定時に、実施形態では、電子機器のシリアル番号と日付コード、時間コードを接続媒体に送信する実施形態を説明したが、乱数を作成して暗号化し接続媒体に送信しても良く、電話番号や、誕生日コードを登録できるようにしておき、それを暗号化して電子機器から接続媒体に送信しても良い。
【0162】
【他の実施形態】
なお、本発明は、例えば、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体などとしての実施態様を取ることが可能であり、具体的には、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インターフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0163】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0164】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0165】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0166】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0167】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した図3、4、図6,7、図9,10などに示した処理を実現するプログラムが格納されることになる。
【0168】
本発明を実施することにより消耗品やICカードの使用済みを検出して、内蔵する記憶の一部を消去しているので、ユーザは安心してリサイクルに、使用済みの消耗品やICカードを提供することができる。
【0169】
また、本発明を実施することにより、使用済みの消耗品やICカードから自動的に個人情報などを新しい消耗品やICカードに移すことが出来る。そのためユーザは再登録する必要がなくユーザの煩わしさを取り除くことができる。
【0170】
また、本発明を実施することにより、消耗品の模造品やICカードの偽造品などの不正な製造を防御できる。このような防御策を講じることにより、不正を摘発する環境の構築や不正な行為を抑制することもできる。
【0171】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、使用済みの「接続媒体」を電子機器から取り外してリサイクルする前に「接続媒体」に格納されている個人情報やリサイクル情報等の所定の情報を削除するため「接続媒体」に記憶された個人情報が外部に漏れるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】小型プリンタ及びメディアパックの内部構成を示すブロック図である。
【図2】小型プリンタを使って印字を行う構成の一例を示す図である。
【図3】メディアパックの印字紙がなくなったときの処理を示す図である。
【図4】メディアパックが正規品かどうか判別する処理を示す図である。
【図5】ICカードの内部構成を示すブロック図である。
【図6】ICカードの使用期限が過ぎたときの処理を示す図である。
【図7】ICカードが正規品かどうか判別する処理を示す図である。
【図8】複写機のカートリッジの内部構成を示すブロック図である。
【図9】トナー切れになったときの処理を示す図である。
【図10】カートリッジが正規品かどうか判別する処理を示す図である。
Claims (1)
- 第1メモリと、前記第1メモリに格納する情報を書き換る第1書換手段とを有する接続媒体を、電気的に接続可能な電子機器であって、
前記第1メモリには、前記接続媒体の使用状況に関する情報および所定の情報が記憶されており、
第2メモリと、
前記第2メモリに格納する情報を書き換る第2書換手段と、
前記接続媒体が接続されると、前記接続媒体の使用状況に関する情報を読み出し、該情報から前記接続媒体が使用終了となったことを判別すると、前記第1メモリから前記所定の情報を削除するように前記第1および第2書換手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
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Applications Claiming Priority (1)
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Family Applications (1)
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Country | Link |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005301212A (ja) * | 2004-03-18 | 2005-10-27 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置、その消耗部品、定着ユニット及びその再生方法 |
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2002
- 2002-12-27 JP JP2002382485A patent/JP2004213352A/ja not_active Withdrawn
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