JP2004212437A - 定着装置、画像形成装置、および定着方法 - Google Patents
定着装置、画像形成装置、および定着方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】ベルト定着装置において、場合場合に応じて常に記録媒体の安定した搬送を確保し、良好な画像品質を保持して定着を可能とする。
【解決手段】バイアス印加手段71の印加バイアスを、周囲の湿度や温度、記録媒体の種類などの使用環境に応じて制御する制御手段72を備える。そして、検知手段73で使用環境を検知したり、入力手段74で使用環境情報を入力したりし、それらの出力信号に基づき制御手段72でバイアス印加手段71の印加バイアスを制御し、そのバイアス印加手段で使用環境に応じてバイアスを印加して定着ベルト62を帯電し、その定着ベルトで記録媒体を静電的に吸着して該定着ベルトの走行とともに搬送し、定着ニップNに通して熱と圧力とを加えて未定着画像を記録媒体に定着する。
【選択図】 図2
【解決手段】バイアス印加手段71の印加バイアスを、周囲の湿度や温度、記録媒体の種類などの使用環境に応じて制御する制御手段72を備える。そして、検知手段73で使用環境を検知したり、入力手段74で使用環境情報を入力したりし、それらの出力信号に基づき制御手段72でバイアス印加手段71の印加バイアスを制御し、そのバイアス印加手段で使用環境に応じてバイアスを印加して定着ベルト62を帯電し、その定着ベルトで記録媒体を静電的に吸着して該定着ベルトの走行とともに搬送し、定着ニップNに通して熱と圧力とを加えて未定着画像を記録媒体に定着する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ、またはそれらの複合機などの画像形成装置に関する。例えば、電子写真方式を用いて像担持体上に形成したトナー画像を転写して、用紙・OHPフィルム等の記録媒体に画像を記録する電子写真式の画像形成装置に関する。ならびに、そのような電子写真式の画像形成装置などにおいて、未定着画像を記録媒体に定着する定着装置および定着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真式の画像形成装置の中には、熱源を有する定着ローラに加圧ローラを押し当てて定着ニップを形成し、その定着ニップにトナー画像転写後の記録媒体を通して熱と圧力とを加え、記録媒体上の未定着転写トナー画像を記録媒体に定着するローラ定着装置を備えるものがある。
【0003】
ところが、このようなローラ定着装置では、記録媒体の先端を直接定着ニップに挿入することが難しく、定着ローラに衝突することがあり、そのようなとき定着ローラで未定着トナー画像面を擦って記録媒体の先端近傍で画像乱れを生ずる問題があった。
【0004】
特に、記録媒体の両面の未定着転写画像を定着装置で同時に定着する画像形成装置では、記録媒体の先端が定着ローラに衝突しても、加圧ローラに衝突しても、表裏いずれかのトナー画像面を擦って記録媒体の先端近傍で画像乱れを生ずる問題があった。
【0005】
【特許文献1】特開2000-194217号公報
このような問題を解決すべく、従来の定着装置の中には、例えば特許文献1に記載されるように、定着ローラと加熱ローラとに定着ベルトを掛け回し、その定着ベルトを介して定着ローラに加圧ローラを押し当てて定着ニップを形成するベルト定着装置を備え、バイアス印加手段でバイアスを印加して定着ベルトを帯電し、その定着ベルトで記録媒体を静電的に吸着して該定着ベルトの走行とともに搬送し、定着ニップへと導いて熱と圧力とを加えて未定着画像を記録媒体に定着するものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、記録媒体の帯電特性は、同じ種類の記録媒体であっても湿度や温度等の使用環境により変化し、また多種多様な記録媒体の種類によっても変化するから、このような従来のベルト定着装置においても、場合場合に応じて記録媒体を適度に吸着することが難しく、したがって安定した搬送を確保することができず、画像乱れを生じて画像品質を低下する問題があった。
【0007】
そこで、この発明の第1の目的は、上述したようなベルト定着装置において、場合場合に応じて常に記録媒体の安定した搬送を確保し、良好な画像品質を保持して定着を可能とすることにある。
【0008】
この発明の第2の目的は、湿度に応じて常に記録媒体の安定した搬送を確保し、良好な画像品質を保持して定着を可能とすることにある。
【0009】
この発明の第3の目的は、温度に応じて常に記録媒体の安定した搬送を確保し、良好な画像品質を保持して定着を可能とすることにある。
【0010】
この発明の第4の目的は、記録媒体の種類に応じて常に記録媒体の安定した搬送を確保し、良好な画像品質を保持して定着を可能とすることにある。
【0011】
この発明の第5の目的は、上記各目的を達成した定着装置を備える画像形成装置を提供することにある。
【0012】
この発明の第6の目的は、特に未定着画像面の擦れにより画像乱れを生じやすい同時両面画像形成装置において、常に記録媒体の安定した搬送を確保して未定着画像面の擦れをなくし、画像乱れのない良好な画像品質を保持して定着を可能とすることにある。
【0013】
この発明の第7の目的は、場合場合に応じて常に記録媒体の安定した搬送を確保し、良好な画像品質を保持して定着を可能とする定着方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
そのため、請求項1に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、バイアス印加手段でバイアスを印加して定着ベルトを帯電し、その定着ベルトで記録媒体を静電的に吸着して該定着ベルトの走行とともに搬送し、定着ニップに通して熱と圧力とを加えて未定着画像を記録媒体に定着する定着装置において、バイアス印加手段の印加バイアスを使用環境に応じて制御する制御手段を備える、ことを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の発明は、上述した第2の目的を達成すべく、請求項1に記載の定着装置において、制御手段で、湿度検知手段の出力信号に基づき印加バイアスを制御する、ことを特徴とする。
【0016】
請求項3に記載の発明は、上述した第3の目的を達成すべく、請求項1または2に記載の定着装置において、制御手段で、温度検知手段の出力信号に基づき印加バイアスを制御する、ことを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の発明は、上述した第4の目的を達成すべく、請求項1ないし3のいずれか1に記載の定着装置において、制御手段で、記録媒体の種類に基づき印加バイアスを制御する、ことを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の発明は、上述した第5の目的を達成すべく、画像形成装置において、請求項1ないし4のいずれか1に記載の定着装置を備える、ことを特徴とする。
【0019】
請求項6に記載の発明は、上述した第6の目的を達成すべく、請求項5に記載の画像形成装置において、記録媒体の両面の未定着転写画像を定着装置で同時に定着することを特徴とする。
【0020】
請求項7に記載の発明は、上述した第7の目的を達成すべく、使用環境に応じて制御手段でバイアス印加手段の印加バイアスを制御し、そのバイアス印加手段でバイアスを印加して定着ベルトを帯電し、その定着ベルトで記録媒体を静電的に吸着して該定着ベルトの走行とともに搬送し、定着ニップに通して熱と圧力とを加えて未定着画像を記録媒体に定着する定着方法を提供する、ことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態につき説明する。
図1には、この発明による定着装置を備える電子写真式の同時両面画像形成プリンタを示し、その全体概略構成を示す。
【0022】
図示する同時両面画像形成プリンタは、用紙・OHPフィルム等の記録媒体Pの表裏両面にほぼ同時に画像形成を可能とするものであり、図1に示すように、外装カバー10内に、大別すると、4つの作像装置A・B・C・D、一次像担持装置E、二次像担持装置F、媒体搬送装置G、定着装置H、排出スタック装置Iなどを備えている。
【0023】
4つの作像装置A・B・C・Dは、それぞれイエロ・マゼンタ・シアン・ブラックの各色トナーを用いて異なる単色画像を形成するものであり、それぞれ回転可能に支持するドラム状の作像担持体12をタンデム式に並べて備え、それら各作像担持体12のまわりに、帯電手段13、現像手段14、作像転写手段15、作像クリーニング手段16、作像除電手段17を配置している。そして、それらの作像装置A・B・C・Dの下には、個々の作像担持体12上を各別に露光する共通の露光手段18を設けている。
【0024】
作像担持体12は、直径が30から100mm程度のアルミニウム円筒表面に、光導電性物質である有機半導体の層を設けた感光体である。この例では、ドラム状のものを用いたが、ベルト状のものを用いてもよい。
【0025】
露光手段18は、公知のレーザ方式で、不図示のLD光源からの光を光学部品で作像担持体12の表面に向けて照射し、その作像担持体12の表面を走査してそれに書込みを行うものである。この例では、レーザ方式を用いるが、LEDアレイと結像部品を用いる露光方式を採用してもよい。
【0026】
一次像担持装置Eは、各作像装置A・B・C・Dで形成した画像を担持するものであり、ベルト状の一次像担持体20を、各作像担持体12に接触して、各作像担持体12とそれに対応する各作像転写手段15との間を通して3つの一次ローラ21・22・23に掛け回し、まわりに一次クリーニング手段24、一次転写手段25を配置している。
【0027】
一次像担持体20は、厚みが50μmないし600μmの樹脂フィルムまたはゴムを基体としたベルトであり、各作像担持体12からトナーを転写可能とする抵抗値を有している。
【0028】
二次像担持装置Fは、一次像担持装置Eで担持する画像を一次転写して担持するものであり、ベルト状の二次像担持体30を、一次像担持体20に接触してそれとの間で所定の転写ニップを形成し、その一次像担持体20と一次転写手段25との間を通して3つの二次ローラ32・33・34に掛け回し、まわりに二次クリーニング手段35、二次転写手段36を配置している。
【0029】
二次像担持体30は、一次像担持体20と同様に、厚みが50μmないし600μmの樹脂フィルムまたはゴムを基体にしたベルトであり、一次像担持体20からトナーを転写可能とする抵抗値を有している。
【0030】
媒体搬送装置Gは、一次像担持装置Eと二次像担持装置F間を通過して図中下方から上方へとのびる媒体搬送路を通して記録媒体Pを搬送するものであり、上下二段に備えて各々に記録媒体Pを収納する媒体収納容器40と、その各媒体収納容器40から各々記録媒体Pを順次上から一枚ずつ送り出す供給ローラ41と、それら送り出した記録媒体Pを案内する媒体ガイド42と、その媒体ガイド42で案内して搬送する記録媒体Pの先端を突き当てて止めるレジストローラ43と、画像定着後の記録媒体Pを案内する排出ガイド44と、その排出ガイド44で案内して搬送する記録媒体Pを矢印a方向に排出する排出ローラ45などを備えている。
【0031】
定着装置Hは、一次像担持装置Eおよび二次像担持装置Fから記録媒体Pに転写した転写画像を定着するものであり、詳しくは図2を用いて後述する。
【0032】
排出スタック装置Iは、定着装置Hで画像定着後の記録媒体Pをスタックするものであり、外装カバー10上に形成したスタック部50を備えている。
【0033】
なお、外装カバー10内には、各作像装置A・B・C・Dに粉体ポンプ等を用いて新規トナーを補給するトナー補給装置を備え、トナー収納部52内に各色のトナーカートリッジ53を備えている。
【0034】
そして、この同時両面画像形成プリンタで、記録媒体Pの表裏両面にカラー画像を形成するときは、不図示のホストからのプリント信号に基づき、作像担持体12、一次ローラ21・22・23、二次ローラ32・33・34、供給ローラ41などをタイミングを取って回転する。
【0035】
各作像装置A・B・C・Dでは、個々の作像担持体12の図中時計まわりの回転にともない、それぞれ各帯電手段13で表面を一様に帯電し、共通の露光手段18からの個別の書込み光で書込みを行って色別の潜像を形成し、各現像手段14で各色トナーを付着して個々の作像担持体12上にそれぞれ色別のトナー画像を形成する。図示例では、このとき作像担持体12上のトナーの極性は、マイナスとする。
【0036】
一次像担持装置Eでは、一次ローラ21・22・23の1つのローラを回転するとともに他の2つのローラを従動回転し、一次像担持体20を作像担持体12に同期して図中反時計まわりに回転搬送し、その一次像担持体20上に、各作像転写手段15でプラスの電荷を与えてそれぞれ作像担持体12上の画像を順次転写し、4色重ね合わせた第1のフルカラー画像を形成する。
【0037】
画像転写後、各作像装置A・B・C・Dの作像担持体12は、それぞれ残留トナーを作像クリーニング手段16で除去し、作像除電手段17で除電する。その後、再び各帯電手段13で帯電して露光手段18で書込みを行い、各現像手段14で現像して個々の作像担持体12上にそれぞれ再度色別のトナー画像を形成する。
【0038】
二次像担持装置Fでは、二次ローラ32・33・34の1つのローラを回転するとともに他の2つのローラを従動回転し、二次像担持体30を一次像担持体20に同期して図中時計まわりに回転搬送し、その二次像担持体30上に、一次転写手段25でプラスの電荷を与えて一次像担持体20上の画像を転写する。このとき、二次クリーニング手段35は、支軸56を中心として矢印b方向に回動して非クリーニング位置にある。
【0039】
画像転写後、一次像担持装置Eの一次像担持体20は、残留トナーを一次クリーニング手段24で除去する。その後、再びその一次像担持体20上に各作像転写手段15でそれぞれ作像担持体12上の画像を順次転写し、4色重ね合わせた第2のフルカラー画像を形成する。
【0040】
画像転写後、各作像装置A・B・C・Dの作像担持体12は、それぞれ残留トナーを作像クリーニング手段16で除去し、作像除電手段17で除電して次の作像サイクルに備える。
【0041】
一方、媒体搬送装置Gでは、適宜選択的に供給ローラ41の1つを回転して媒体収納容器40内の記録媒体Pを送り出し、媒体ガイド42で案内して先端をレジストローラ43間に突き当てて止め、上述した第1のフルカラー画像および第2のフルカラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ43を回転し、一次像担持体20と二次像担持体30間の転写ニップに送り込む。
【0042】
そして、まず記録媒体Pの表面に一次転写手段25でプラスの電荷を与えて、一次像担持体20上の第2のフルカラー画像を転写し、次いで記録媒体Pを若干上方へと搬送したところで裏面に二次転写手段36でプラスの電荷を与えて、二次像担持体30上の第1のフルカラー画像を転写する。その後、表裏両面に画像転写後の記録媒体Pを定着装置Hへと導き、熱と圧力とを加えて両面の転写画像を定着し、排出ガイド44で案内して排出ローラ45で外装カバー10の外に排出し、排出スタック装置Iのスタック部50上に表面を下にしてフェイスダウンでスタックする。
【0043】
よって、第2頁目を第1のフルカラー画像として先に形成し、次いで第1頁目を第2のフルカラー画像として後に形成し、続けて同様に後の頁を先に形成して記録媒体Pの裏面側に転写し、先の頁を後に形成して表面側に転写し、フェイスダウンで出力するようにすれば、スタック部50上で記録媒体Pを頁順に揃えることができる。
【0044】
このとき、公知の画像処理技術を用いて、一次像担持体20上の第2のフルカラー画像は、作像担持体12上では正像とし、二次像担持体30上の第1のフルカラー画像は、作像担持体12上では逆像(鏡像)とする必要がある。
【0045】
画像転写後、一次像担持装置Eの一次像担持体20は、残留トナーを一次クリーニング手段24で除去する。二次像担持装置Fの二次像担持体30は、二次クリーニング手段35を支軸56を中心として回動してクリーニング位置とし、その二次クリーニング手段35で残留トナーを除去し、それぞれ次の画像担持に備える。
【0046】
使用により、各現像手段14のトナーがなくなったときには、トナー補給装置のトナー収納部52の対応するトナーカートリッジ53から粉体ポンプ等で搬送して同色のトナーを補給する。
【0047】
ジャムにより記録媒体Pの搬送が妨げられたときには、外装カバー10の正面カバー10Aを支軸55を中心として矢印d方向に開き、媒体搬送路を開放してジャム処理を行う。
【0048】
この同時両面画像形成プリンタで、記録媒体Pの片面にフルカラー画像を形成するときは、作像装置A・B・C・Dの各作像担持体12上に形成した画像を一次像担持装置Eの一次像担持体20に転写して後、その画像を二次像担持装置Fの二次像担持体30に転写することなく、媒体搬送装置Gで搬送する記録媒体Pの片面に順次直接転写するようにする。そして、定着装置Hで転写画像を定着し、排出スタック装置Iにフェイスダウンで頁順に揃えて排出する。
【0049】
また、図示プリンタで、記録媒体Pに二色画像やモノクロ画像を形成するときは、4つの作像装置A・B・C・Dのうちの対応する色の作像装置を用いて画像を形成し、その画像を一次像担持装置Eの一次像担持体20や二次像担持装置Fの二次像担持体30を介して記録媒体Pに転写する。
【0050】
図2には、定着装置Hの内部概略構成を示す。
図2に示すとおり、定着装置Hは、定着ローラ60と、加熱ローラ61と、それらに掛け回す定着ベルト62と、その定着ベルト62を介して定着ローラ60に押し当てて定着ニップNを形成する加圧ローラ63とからなる。
【0051】
加熱ローラ61には、内部に、ハロゲンヒータ等の熱源64を設け、図示省略するが、周面に定着ベルト62を介してサーミスタを押し当て、そのサーミスタの検知結果に基づき不図示のコントローラで熱源64をオンオフ制御して熱源64を設定温度に保持する。
【0052】
また、加圧ローラ63にも、内部に、ハロゲンヒータ等の熱源65を設け、図示省略するが、周面にサーミスタを押し当て、そのサーミスタの検知結果に基づき不図示のコントローラで熱源65をオンオフ制御して熱源65を設定温度に保持する。
【0053】
定着ローラ60としては、例えば、金属パイプの表面にシリコーンゴム層を設けたものを用いる。そして、不図示の駆動ギヤを介して駆動力を伝達して時計まわりに回転可能とする。加熱ローラ61としては、熱伝導率のよい、例えばアルミニウム製のパイプを用いる。表面は、定着ベルト62との接触による摩耗を防止するため、アルマイト処理を施す。
【0054】
定着ベルト62としては、耐熱性の高いポリイミド樹脂の表層に離型材をコーティングしたものを用いている。離型材としては、シリコーンゴム、フッ素樹脂、シリコーンゴムとフッ素樹脂の2層構造、シリコーンゴムとフッ素樹脂の混合体などを用いる。定着ベルト62は、樹脂に限らず、ステンレス、ニッケル、銅などの金属を用いたり、ゴムを用いたりしてつくってもよい。そして、定着ローラ60の回転を定着ベルト62を介して伝達して加熱ローラ61を回転する。
【0055】
加圧ローラ63としては、例えば、鋼等の金属パイプの表面にシリコーンゴム層を設けたものを用いる。そして、定着ローラ60の回転に定着ベルト62を介して従動回転する。
【0056】
ところで、図示定着装置Hでは、定着ベルト62に図示の例ではバイアスブラシ70を接触する。バイアスブラシ70には、バイアス印加手段71を接続する。バイアス印加手段71には、その印加バイアスを使用環境に応じて制御する制御手段72を接続する。制御手段72には、例えば図示するように、周囲の湿度や温度等の使用環境を検知する検知手段73を接続したり、また使用環境情報を入力する入力手段74を接続したりする。
【0057】
検知手段73は、例えば図1に示すように、外装カバー10内の媒体収納容器40の上方で、露光手段18に隣接する位置に湿度検知手段75や温度検知手段76を備え、湿度や温度を検知する。また、外装カバー10内の図示省略する電装部に備え、例えばホストからのプリント信号に基づき、記録媒体Pの種類を判別する。
【0058】
入力手段74は、例えばプリンタの正面に備える操作部に設け、湿度や温度や記録媒体Pの種類などの使用環境情報を制御手段72に入力し、制御手段72でバイアス印加手段71を使用環境に応じて制御してバイアスブラシ70を用いて印加するバイアス電圧値を変更可能とする。
【0059】
そして、検知手段73で使用環境を検知し、または入力手段74で使用環境情報を入力し、その使用環境に応じて制御手段72でバイアス印加手段71の印加バイアスを制御し、そのバイアス印加手段71でバイアスブラシ70を用いてバイアスを印加して定着ベルト62を帯電し、その定着ベルト62で記録媒体Pを静電的に吸着して該定着ベルト62の時計まわりの走行とともに搬送し、下方から定着ニップNに通して熱と圧力とを加えて未定着トナー画像を記録媒体Pに定着する。
【0060】
これにより、ベルト定着装置において、使用環境変化に合わせ、場合場合に応じて常に記録媒体Pの安定した搬送を確保して未定着画像面の擦れをなくし、画像乱れのない良好な画像品質を保持して定着を行うことができる。特に未定着画像面の擦れにより画像乱れを生じやすい同時両面画像形成装置に適用し、画像乱れのない良好な画像品質を保持することができる。
【0061】
図3には、入力手段74を用いる具体的な使用例を示す。
同時両面画像形成プリンタの電源をオンすると、ステップS1に進み、バイアス値Bを変更する必要があるか否かを判定し、必要がないときはバイアス値B1のままステップS2に進み、ジョブ待ち状態となる。
【0062】
必要があるときは、ステップS3に進み、プリンタの正面に備える操作部の入力手段74から使用環境情報を入力し、ステップS4で制御手段72によりバイアス値BをB2に変更してから、ステップS2に進み、同じくジョブ待ち状態となる。
【0063】
その後、ジョブが入力されると、ステップS5に進み、制御手段72でバイアス印加手段71の印加バイアスを制御し、そのバイアス印加手段71でバイアスブラシ70を用いてバイアス値Bを印加して定着ベルト62を帯電する。そして、ステップS6でジョブを開始し、ステップS7でジョブを終了してから、ステップS8でバイアス印加を終了して再びジョブ待ち状態となる。
【0064】
図4には、検知手段73を用いる具体的な使用例を示す。
同時両面画像形成プリンタの電源をオンすると、ステップS11に進み、湿度検知手段75である湿度センサの出力信号に基づき湿度を検知する。そして、ステップS12に進み、その検知した湿度の値から制御手段72でバイアス値Bを決定し、ステップS13に進み、ジョブ待ち状態となる。
【0065】
その後、ジョブが入力されると、ステップS14に進み、制御手段72でバイアス印加手段71の印加バイアスを、使用環境の1つである湿度に応じて制御し、そのバイアス印加手段71でバイアスブラシ70を用いてバイアス値Bを印加して定着ベルト62を帯電する。そして、ステップS15でジョブを開始し、ステップS16でジョブを終了してから、ステップS17でバイアス印加を終了して再びジョブ待ち状態となる。
【0066】
図5には、検知手段73を用いる別の使用例を示す。
同時両面画像形成プリンタの電源をオンすると、ステップS21に進み、温度検知手段76である温度センサの出力信号に基づき温度を検知する。そして、ステップS22に進み、その検知した温度の値から制御手段72でバイアス値Bを決定し、ステップS23に進み、ジョブ待ち状態となる。
【0067】
その後、ジョブが入力されると、ステップS24に進み、制御手段72でバイアス印加手段71の印加バイアスを、使用環境の1つである温度に応じて制御し、そのバイアス印加手段71でバイアスブラシ70を用いてバイアス値Bを印加して定着ベルト62を帯電する。そして、ステップS25でジョブを開始し、ステップS26でジョブを終了してから、ステップS27でバイアス印加を終了して再びジョブ待ち状態となる。
【0068】
図6には、検知手段73を用いるさらに別の使用例を示す。
同様に、同時両面画像形成プリンタの電源をオンすると、ステップS31に進み、まず湿度検知手段75である湿度センサの出力信号に基づき湿度を検知する。次いで、ステップS32に進み、温度検知手段76である温度センサの出力信号に基づき温度を検知する。そして、ステップS33に進み、その検知した湿度および温度の値から制御手段72でバイアス値Bを決定し、ステップS34に進み、ジョブ待ち状態となる。
【0069】
その後、ジョブが入力されると、ステップS35に進み、制御手段72でバイアス印加手段71の印加バイアスを、使用環境である湿度と温度に応じて制御し、そのバイアス印加手段71でバイアスブラシ70を用いてバイアス値Bを印加して定着ベルト62を帯電する。そして、ステップS36でジョブを開始し、ステップS37でジョブを終了してから、ステップS38でバイアス印加を終了して再びジョブ待ち状態となる。
【0070】
図7には、検知手段73と入力手段74を用いる別の使用例を示す。
同時両面画像形成プリンタの電源をオンすると、ステップS41に進み、ジョブ入力の有無を判定する。そして、ジョブ入力があったときは、ステップS42に進んで、普通紙に画像記録を行うか否かを判定する。普通紙に画像記録を行う場合には、ステップS43に進み、制御手段72でバイアス値BをB1に設定する。
【0071】
普通紙以外の記録媒体に画像記録を行う場合は、ステップS44に進み、その記録媒体が薄紙であるか否かを判定する。薄紙である場合には、ステップS45に進み、制御手段72でバイアス値BをB2に決定する。薄紙でない場合は、ステップS46に進み、その記録媒体がOHPフィルムであるか否かを判定する。OHPフィルムである場合には、ステップS47に進み、制御手段72でバイアス値BをB3に決定する。
【0072】
OHPフィルムでもない場合は、ステップS48で特殊紙と判断し、ステップS49でプリンタの正面に備える操作部の入力手段74からバイアス値を直接入力し、ステップS50に進み、制御手段72でバイアス値BをB4に決定する。
【0073】
バイアス値Bを決定後、ステップS51に進み、制御手段72でバイアス印加手段71の印加バイアスを、使用環境である記録媒体Pの種類に応じて制御し、そのバイアス印加手段71でバイアスブラシ70を用いてバイアス値Bを印加して定着ベルト62を帯電する。そして、ステップS52でジョブを開始し、ステップS53でジョブを終了してから、ステップS54でバイアス印加を終了して再びジョブ待ち状態となる。
【0074】
図8には、検知手段73と入力手段74を用いるまた別の使用例を示す。
同様に、同時両面画像形成プリンタの電源をオンすると、ステップS61に進み、まず湿度検知手段75である湿度センサの出力信号に基づき湿度を検知する。次いで、ステップS62に進み、温度検知手段76である温度センサの出力信号に基づき温度を検知する。
【0075】
それから、ステップS63に進み、ジョブ入力の有無を判定する。そして、ジョブ入力があったときは、ステップS64に進み、普通紙に画像記録を行うか否かを判定する。普通紙に画像記録を行う場合には、ステップS65に進み、制御手段72でバイアス値Bを、検知した湿度および温度の値を考慮した普通紙でのバイアス値B1に設定する。
【0076】
普通紙以外の記録媒体に画像記録を行う場合は、ステップS66に進み、その記録媒体が薄紙であるか否かを判定する。薄紙である場合には、ステップS67に進み、制御手段72でバイアス値Bを、検知した湿度および温度の値を考慮した薄紙でのバイアス値B2に決定する。
【0077】
薄紙でない場合は、ステップS68に進み、その記録媒体がOHPフィルムであるか否かを判定する。OHPフィルムである場合には、ステップS69に進み、制御手段72でバイアス値Bを、検知した湿度および温度の値を考慮したOHPフィルムでのバイアス値B3に決定する。
【0078】
OHPフィルムでもない場合は、ステップS70で特殊紙と判断し、ステップS71でプリンタの正面に備える操作部の入力手段74からバイアス値を直接入力し、ステップS72に進み、制御手段72でバイアス値Bを、検知した湿度および温度の値を考慮した特殊紙でのバイアス値B4に決定する。
【0079】
バイアス値Bを決定後、ステップS73に進み、制御手段72でバイアス印加手段71の印加バイアスを、使用環境である湿度、温度、記録媒体Pの種類に応じて制御し、そのバイアス印加手段71でバイアスブラシ70を用いてバイアス値Bを印加して定着ベルト62を帯電する。そして、ステップS74でジョブを開始し、ステップS75でジョブを終了してから、ステップS76でバイアス印加を終了して再びジョブ待ち状態となる。
【0080】
これにより、周囲の湿度や温度、記録媒体Pの種類などの使用環境に応じて常に記録媒体の安定した搬送を確保して未定着画像面の擦れをなくし、画像乱れのない良好な画像品質を保持して定着を行うことができる。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したとおり、請求項1に記載の発明によれば、使用環境に応じて制御手段でバイアス印加手段の印加バイアスを制御し、そのバイアス印加手段でバイアスを印加して定着ベルトを帯電し、その定着ベルトで記録媒体を静電的に吸着して該定着ベルトの走行とともに搬送し、定着ニップに通して熱と圧力とを加えて未定着画像を記録媒体に定着するので、ベルト定着装置において、使用環境変化に合わせ、場合場合に応じて常に記録媒体の安定した搬送を確保して未定着画像面の擦れをなくし、画像乱れのない良好な画像品質を保持して定着を行うことができる。
【0082】
請求項2に係る発明によれば、制御手段で、湿度検知手段の出力信号に基づき印加バイアスを制御するので、まわりの湿度に応じて常に記録媒体の安定した搬送を確保して未定着画像面の擦れをなくし、画像乱れのない良好な画像品質を保持して定着を行うことができる。
【0083】
請求項3に係る発明によれば、制御手段で、温度検知手段の出力信号に基づき印加バイアスを制御するので、まわりの温度に応じて常に記録媒体の安定した搬送を確保して未定着画像面の擦れをなくし、画像乱れのない良好な画像品質を保持して定着を行うことができる。
【0084】
請求項4に係る発明によれば、制御手段で、記録媒体の種類に基づき印加バイアスを制御するので、記録媒体の種類に応じて常に記録媒体の安定した搬送を確保して未定着画像面の擦れをなくし、画像乱れのない良好な画像品質を保持して定着を行うことができる。
【0085】
請求項5に係る発明によれば、上記各効果を有する定着装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
【0086】
請求項6に係る発明によれば、記録媒体の両面の未定着転写画像を定着装置で同時に定着するので、特に未定着画像面の擦れにより画像乱れを生じやすい同時両面画像形成装置に適用し、常に記録媒体の安定した搬送を確保して未定着画像面の擦れをなくし、画像乱れのない良好な画像品質を保持して定着を行うことができる。
【0087】
請求項7に係る発明によれば、使用環境に応じて制御手段でバイアス印加手段の印加バイアスを制御し、そのバイアス印加手段でバイアスを印加して定着ベルトを帯電し、その定着ベルトで記録媒体を静電的に吸着して該定着ベルトの走行とともに搬送し、定着ニップに通して熱と圧力とを加えて未定着画像を記録媒体に定着するので、ベルト定着装置において、使用環境変化に合わせ、場合場合に応じて常に記録媒体の安定した搬送を確保して未定着画像面の擦れをなくし、画像乱れのない良好な画像品質を保持して定着を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による定着装置を備える電子写真式の同時両面画像形成プリンタを示し、その全体概略構成図である。
【図2】定着装置の内部概略構成図である。
【図3】その入力手段を用いる具体的な使用例を示すフローチャートである。
【図4】その検知手段を用いる具体的な使用例を示すフローチャートである。
【図5】その検知手段を用いる別の使用例を示すフローチャートである。
【図6】その検知手段を用いるさらに別の使用例を示すフローチャートである。
【図7】その検知手段と入力手段を用いる別の使用例を示すフローチャートである。
【図8】その検知手段と入力手段を用いるさらに別の使用例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
62 定着ベルト
71 バイアス印加手段
72 制御手段
73 検知手段
74 入力手段
75 湿度検知手段
76 温度検知手段
H 定着装置
N 定着ニップ
P 記録媒体
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ、またはそれらの複合機などの画像形成装置に関する。例えば、電子写真方式を用いて像担持体上に形成したトナー画像を転写して、用紙・OHPフィルム等の記録媒体に画像を記録する電子写真式の画像形成装置に関する。ならびに、そのような電子写真式の画像形成装置などにおいて、未定着画像を記録媒体に定着する定着装置および定着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真式の画像形成装置の中には、熱源を有する定着ローラに加圧ローラを押し当てて定着ニップを形成し、その定着ニップにトナー画像転写後の記録媒体を通して熱と圧力とを加え、記録媒体上の未定着転写トナー画像を記録媒体に定着するローラ定着装置を備えるものがある。
【0003】
ところが、このようなローラ定着装置では、記録媒体の先端を直接定着ニップに挿入することが難しく、定着ローラに衝突することがあり、そのようなとき定着ローラで未定着トナー画像面を擦って記録媒体の先端近傍で画像乱れを生ずる問題があった。
【0004】
特に、記録媒体の両面の未定着転写画像を定着装置で同時に定着する画像形成装置では、記録媒体の先端が定着ローラに衝突しても、加圧ローラに衝突しても、表裏いずれかのトナー画像面を擦って記録媒体の先端近傍で画像乱れを生ずる問題があった。
【0005】
【特許文献1】特開2000-194217号公報
このような問題を解決すべく、従来の定着装置の中には、例えば特許文献1に記載されるように、定着ローラと加熱ローラとに定着ベルトを掛け回し、その定着ベルトを介して定着ローラに加圧ローラを押し当てて定着ニップを形成するベルト定着装置を備え、バイアス印加手段でバイアスを印加して定着ベルトを帯電し、その定着ベルトで記録媒体を静電的に吸着して該定着ベルトの走行とともに搬送し、定着ニップへと導いて熱と圧力とを加えて未定着画像を記録媒体に定着するものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、記録媒体の帯電特性は、同じ種類の記録媒体であっても湿度や温度等の使用環境により変化し、また多種多様な記録媒体の種類によっても変化するから、このような従来のベルト定着装置においても、場合場合に応じて記録媒体を適度に吸着することが難しく、したがって安定した搬送を確保することができず、画像乱れを生じて画像品質を低下する問題があった。
【0007】
そこで、この発明の第1の目的は、上述したようなベルト定着装置において、場合場合に応じて常に記録媒体の安定した搬送を確保し、良好な画像品質を保持して定着を可能とすることにある。
【0008】
この発明の第2の目的は、湿度に応じて常に記録媒体の安定した搬送を確保し、良好な画像品質を保持して定着を可能とすることにある。
【0009】
この発明の第3の目的は、温度に応じて常に記録媒体の安定した搬送を確保し、良好な画像品質を保持して定着を可能とすることにある。
【0010】
この発明の第4の目的は、記録媒体の種類に応じて常に記録媒体の安定した搬送を確保し、良好な画像品質を保持して定着を可能とすることにある。
【0011】
この発明の第5の目的は、上記各目的を達成した定着装置を備える画像形成装置を提供することにある。
【0012】
この発明の第6の目的は、特に未定着画像面の擦れにより画像乱れを生じやすい同時両面画像形成装置において、常に記録媒体の安定した搬送を確保して未定着画像面の擦れをなくし、画像乱れのない良好な画像品質を保持して定着を可能とすることにある。
【0013】
この発明の第7の目的は、場合場合に応じて常に記録媒体の安定した搬送を確保し、良好な画像品質を保持して定着を可能とする定着方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
そのため、請求項1に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、バイアス印加手段でバイアスを印加して定着ベルトを帯電し、その定着ベルトで記録媒体を静電的に吸着して該定着ベルトの走行とともに搬送し、定着ニップに通して熱と圧力とを加えて未定着画像を記録媒体に定着する定着装置において、バイアス印加手段の印加バイアスを使用環境に応じて制御する制御手段を備える、ことを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の発明は、上述した第2の目的を達成すべく、請求項1に記載の定着装置において、制御手段で、湿度検知手段の出力信号に基づき印加バイアスを制御する、ことを特徴とする。
【0016】
請求項3に記載の発明は、上述した第3の目的を達成すべく、請求項1または2に記載の定着装置において、制御手段で、温度検知手段の出力信号に基づき印加バイアスを制御する、ことを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の発明は、上述した第4の目的を達成すべく、請求項1ないし3のいずれか1に記載の定着装置において、制御手段で、記録媒体の種類に基づき印加バイアスを制御する、ことを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の発明は、上述した第5の目的を達成すべく、画像形成装置において、請求項1ないし4のいずれか1に記載の定着装置を備える、ことを特徴とする。
【0019】
請求項6に記載の発明は、上述した第6の目的を達成すべく、請求項5に記載の画像形成装置において、記録媒体の両面の未定着転写画像を定着装置で同時に定着することを特徴とする。
【0020】
請求項7に記載の発明は、上述した第7の目的を達成すべく、使用環境に応じて制御手段でバイアス印加手段の印加バイアスを制御し、そのバイアス印加手段でバイアスを印加して定着ベルトを帯電し、その定着ベルトで記録媒体を静電的に吸着して該定着ベルトの走行とともに搬送し、定着ニップに通して熱と圧力とを加えて未定着画像を記録媒体に定着する定着方法を提供する、ことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態につき説明する。
図1には、この発明による定着装置を備える電子写真式の同時両面画像形成プリンタを示し、その全体概略構成を示す。
【0022】
図示する同時両面画像形成プリンタは、用紙・OHPフィルム等の記録媒体Pの表裏両面にほぼ同時に画像形成を可能とするものであり、図1に示すように、外装カバー10内に、大別すると、4つの作像装置A・B・C・D、一次像担持装置E、二次像担持装置F、媒体搬送装置G、定着装置H、排出スタック装置Iなどを備えている。
【0023】
4つの作像装置A・B・C・Dは、それぞれイエロ・マゼンタ・シアン・ブラックの各色トナーを用いて異なる単色画像を形成するものであり、それぞれ回転可能に支持するドラム状の作像担持体12をタンデム式に並べて備え、それら各作像担持体12のまわりに、帯電手段13、現像手段14、作像転写手段15、作像クリーニング手段16、作像除電手段17を配置している。そして、それらの作像装置A・B・C・Dの下には、個々の作像担持体12上を各別に露光する共通の露光手段18を設けている。
【0024】
作像担持体12は、直径が30から100mm程度のアルミニウム円筒表面に、光導電性物質である有機半導体の層を設けた感光体である。この例では、ドラム状のものを用いたが、ベルト状のものを用いてもよい。
【0025】
露光手段18は、公知のレーザ方式で、不図示のLD光源からの光を光学部品で作像担持体12の表面に向けて照射し、その作像担持体12の表面を走査してそれに書込みを行うものである。この例では、レーザ方式を用いるが、LEDアレイと結像部品を用いる露光方式を採用してもよい。
【0026】
一次像担持装置Eは、各作像装置A・B・C・Dで形成した画像を担持するものであり、ベルト状の一次像担持体20を、各作像担持体12に接触して、各作像担持体12とそれに対応する各作像転写手段15との間を通して3つの一次ローラ21・22・23に掛け回し、まわりに一次クリーニング手段24、一次転写手段25を配置している。
【0027】
一次像担持体20は、厚みが50μmないし600μmの樹脂フィルムまたはゴムを基体としたベルトであり、各作像担持体12からトナーを転写可能とする抵抗値を有している。
【0028】
二次像担持装置Fは、一次像担持装置Eで担持する画像を一次転写して担持するものであり、ベルト状の二次像担持体30を、一次像担持体20に接触してそれとの間で所定の転写ニップを形成し、その一次像担持体20と一次転写手段25との間を通して3つの二次ローラ32・33・34に掛け回し、まわりに二次クリーニング手段35、二次転写手段36を配置している。
【0029】
二次像担持体30は、一次像担持体20と同様に、厚みが50μmないし600μmの樹脂フィルムまたはゴムを基体にしたベルトであり、一次像担持体20からトナーを転写可能とする抵抗値を有している。
【0030】
媒体搬送装置Gは、一次像担持装置Eと二次像担持装置F間を通過して図中下方から上方へとのびる媒体搬送路を通して記録媒体Pを搬送するものであり、上下二段に備えて各々に記録媒体Pを収納する媒体収納容器40と、その各媒体収納容器40から各々記録媒体Pを順次上から一枚ずつ送り出す供給ローラ41と、それら送り出した記録媒体Pを案内する媒体ガイド42と、その媒体ガイド42で案内して搬送する記録媒体Pの先端を突き当てて止めるレジストローラ43と、画像定着後の記録媒体Pを案内する排出ガイド44と、その排出ガイド44で案内して搬送する記録媒体Pを矢印a方向に排出する排出ローラ45などを備えている。
【0031】
定着装置Hは、一次像担持装置Eおよび二次像担持装置Fから記録媒体Pに転写した転写画像を定着するものであり、詳しくは図2を用いて後述する。
【0032】
排出スタック装置Iは、定着装置Hで画像定着後の記録媒体Pをスタックするものであり、外装カバー10上に形成したスタック部50を備えている。
【0033】
なお、外装カバー10内には、各作像装置A・B・C・Dに粉体ポンプ等を用いて新規トナーを補給するトナー補給装置を備え、トナー収納部52内に各色のトナーカートリッジ53を備えている。
【0034】
そして、この同時両面画像形成プリンタで、記録媒体Pの表裏両面にカラー画像を形成するときは、不図示のホストからのプリント信号に基づき、作像担持体12、一次ローラ21・22・23、二次ローラ32・33・34、供給ローラ41などをタイミングを取って回転する。
【0035】
各作像装置A・B・C・Dでは、個々の作像担持体12の図中時計まわりの回転にともない、それぞれ各帯電手段13で表面を一様に帯電し、共通の露光手段18からの個別の書込み光で書込みを行って色別の潜像を形成し、各現像手段14で各色トナーを付着して個々の作像担持体12上にそれぞれ色別のトナー画像を形成する。図示例では、このとき作像担持体12上のトナーの極性は、マイナスとする。
【0036】
一次像担持装置Eでは、一次ローラ21・22・23の1つのローラを回転するとともに他の2つのローラを従動回転し、一次像担持体20を作像担持体12に同期して図中反時計まわりに回転搬送し、その一次像担持体20上に、各作像転写手段15でプラスの電荷を与えてそれぞれ作像担持体12上の画像を順次転写し、4色重ね合わせた第1のフルカラー画像を形成する。
【0037】
画像転写後、各作像装置A・B・C・Dの作像担持体12は、それぞれ残留トナーを作像クリーニング手段16で除去し、作像除電手段17で除電する。その後、再び各帯電手段13で帯電して露光手段18で書込みを行い、各現像手段14で現像して個々の作像担持体12上にそれぞれ再度色別のトナー画像を形成する。
【0038】
二次像担持装置Fでは、二次ローラ32・33・34の1つのローラを回転するとともに他の2つのローラを従動回転し、二次像担持体30を一次像担持体20に同期して図中時計まわりに回転搬送し、その二次像担持体30上に、一次転写手段25でプラスの電荷を与えて一次像担持体20上の画像を転写する。このとき、二次クリーニング手段35は、支軸56を中心として矢印b方向に回動して非クリーニング位置にある。
【0039】
画像転写後、一次像担持装置Eの一次像担持体20は、残留トナーを一次クリーニング手段24で除去する。その後、再びその一次像担持体20上に各作像転写手段15でそれぞれ作像担持体12上の画像を順次転写し、4色重ね合わせた第2のフルカラー画像を形成する。
【0040】
画像転写後、各作像装置A・B・C・Dの作像担持体12は、それぞれ残留トナーを作像クリーニング手段16で除去し、作像除電手段17で除電して次の作像サイクルに備える。
【0041】
一方、媒体搬送装置Gでは、適宜選択的に供給ローラ41の1つを回転して媒体収納容器40内の記録媒体Pを送り出し、媒体ガイド42で案内して先端をレジストローラ43間に突き当てて止め、上述した第1のフルカラー画像および第2のフルカラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ43を回転し、一次像担持体20と二次像担持体30間の転写ニップに送り込む。
【0042】
そして、まず記録媒体Pの表面に一次転写手段25でプラスの電荷を与えて、一次像担持体20上の第2のフルカラー画像を転写し、次いで記録媒体Pを若干上方へと搬送したところで裏面に二次転写手段36でプラスの電荷を与えて、二次像担持体30上の第1のフルカラー画像を転写する。その後、表裏両面に画像転写後の記録媒体Pを定着装置Hへと導き、熱と圧力とを加えて両面の転写画像を定着し、排出ガイド44で案内して排出ローラ45で外装カバー10の外に排出し、排出スタック装置Iのスタック部50上に表面を下にしてフェイスダウンでスタックする。
【0043】
よって、第2頁目を第1のフルカラー画像として先に形成し、次いで第1頁目を第2のフルカラー画像として後に形成し、続けて同様に後の頁を先に形成して記録媒体Pの裏面側に転写し、先の頁を後に形成して表面側に転写し、フェイスダウンで出力するようにすれば、スタック部50上で記録媒体Pを頁順に揃えることができる。
【0044】
このとき、公知の画像処理技術を用いて、一次像担持体20上の第2のフルカラー画像は、作像担持体12上では正像とし、二次像担持体30上の第1のフルカラー画像は、作像担持体12上では逆像(鏡像)とする必要がある。
【0045】
画像転写後、一次像担持装置Eの一次像担持体20は、残留トナーを一次クリーニング手段24で除去する。二次像担持装置Fの二次像担持体30は、二次クリーニング手段35を支軸56を中心として回動してクリーニング位置とし、その二次クリーニング手段35で残留トナーを除去し、それぞれ次の画像担持に備える。
【0046】
使用により、各現像手段14のトナーがなくなったときには、トナー補給装置のトナー収納部52の対応するトナーカートリッジ53から粉体ポンプ等で搬送して同色のトナーを補給する。
【0047】
ジャムにより記録媒体Pの搬送が妨げられたときには、外装カバー10の正面カバー10Aを支軸55を中心として矢印d方向に開き、媒体搬送路を開放してジャム処理を行う。
【0048】
この同時両面画像形成プリンタで、記録媒体Pの片面にフルカラー画像を形成するときは、作像装置A・B・C・Dの各作像担持体12上に形成した画像を一次像担持装置Eの一次像担持体20に転写して後、その画像を二次像担持装置Fの二次像担持体30に転写することなく、媒体搬送装置Gで搬送する記録媒体Pの片面に順次直接転写するようにする。そして、定着装置Hで転写画像を定着し、排出スタック装置Iにフェイスダウンで頁順に揃えて排出する。
【0049】
また、図示プリンタで、記録媒体Pに二色画像やモノクロ画像を形成するときは、4つの作像装置A・B・C・Dのうちの対応する色の作像装置を用いて画像を形成し、その画像を一次像担持装置Eの一次像担持体20や二次像担持装置Fの二次像担持体30を介して記録媒体Pに転写する。
【0050】
図2には、定着装置Hの内部概略構成を示す。
図2に示すとおり、定着装置Hは、定着ローラ60と、加熱ローラ61と、それらに掛け回す定着ベルト62と、その定着ベルト62を介して定着ローラ60に押し当てて定着ニップNを形成する加圧ローラ63とからなる。
【0051】
加熱ローラ61には、内部に、ハロゲンヒータ等の熱源64を設け、図示省略するが、周面に定着ベルト62を介してサーミスタを押し当て、そのサーミスタの検知結果に基づき不図示のコントローラで熱源64をオンオフ制御して熱源64を設定温度に保持する。
【0052】
また、加圧ローラ63にも、内部に、ハロゲンヒータ等の熱源65を設け、図示省略するが、周面にサーミスタを押し当て、そのサーミスタの検知結果に基づき不図示のコントローラで熱源65をオンオフ制御して熱源65を設定温度に保持する。
【0053】
定着ローラ60としては、例えば、金属パイプの表面にシリコーンゴム層を設けたものを用いる。そして、不図示の駆動ギヤを介して駆動力を伝達して時計まわりに回転可能とする。加熱ローラ61としては、熱伝導率のよい、例えばアルミニウム製のパイプを用いる。表面は、定着ベルト62との接触による摩耗を防止するため、アルマイト処理を施す。
【0054】
定着ベルト62としては、耐熱性の高いポリイミド樹脂の表層に離型材をコーティングしたものを用いている。離型材としては、シリコーンゴム、フッ素樹脂、シリコーンゴムとフッ素樹脂の2層構造、シリコーンゴムとフッ素樹脂の混合体などを用いる。定着ベルト62は、樹脂に限らず、ステンレス、ニッケル、銅などの金属を用いたり、ゴムを用いたりしてつくってもよい。そして、定着ローラ60の回転を定着ベルト62を介して伝達して加熱ローラ61を回転する。
【0055】
加圧ローラ63としては、例えば、鋼等の金属パイプの表面にシリコーンゴム層を設けたものを用いる。そして、定着ローラ60の回転に定着ベルト62を介して従動回転する。
【0056】
ところで、図示定着装置Hでは、定着ベルト62に図示の例ではバイアスブラシ70を接触する。バイアスブラシ70には、バイアス印加手段71を接続する。バイアス印加手段71には、その印加バイアスを使用環境に応じて制御する制御手段72を接続する。制御手段72には、例えば図示するように、周囲の湿度や温度等の使用環境を検知する検知手段73を接続したり、また使用環境情報を入力する入力手段74を接続したりする。
【0057】
検知手段73は、例えば図1に示すように、外装カバー10内の媒体収納容器40の上方で、露光手段18に隣接する位置に湿度検知手段75や温度検知手段76を備え、湿度や温度を検知する。また、外装カバー10内の図示省略する電装部に備え、例えばホストからのプリント信号に基づき、記録媒体Pの種類を判別する。
【0058】
入力手段74は、例えばプリンタの正面に備える操作部に設け、湿度や温度や記録媒体Pの種類などの使用環境情報を制御手段72に入力し、制御手段72でバイアス印加手段71を使用環境に応じて制御してバイアスブラシ70を用いて印加するバイアス電圧値を変更可能とする。
【0059】
そして、検知手段73で使用環境を検知し、または入力手段74で使用環境情報を入力し、その使用環境に応じて制御手段72でバイアス印加手段71の印加バイアスを制御し、そのバイアス印加手段71でバイアスブラシ70を用いてバイアスを印加して定着ベルト62を帯電し、その定着ベルト62で記録媒体Pを静電的に吸着して該定着ベルト62の時計まわりの走行とともに搬送し、下方から定着ニップNに通して熱と圧力とを加えて未定着トナー画像を記録媒体Pに定着する。
【0060】
これにより、ベルト定着装置において、使用環境変化に合わせ、場合場合に応じて常に記録媒体Pの安定した搬送を確保して未定着画像面の擦れをなくし、画像乱れのない良好な画像品質を保持して定着を行うことができる。特に未定着画像面の擦れにより画像乱れを生じやすい同時両面画像形成装置に適用し、画像乱れのない良好な画像品質を保持することができる。
【0061】
図3には、入力手段74を用いる具体的な使用例を示す。
同時両面画像形成プリンタの電源をオンすると、ステップS1に進み、バイアス値Bを変更する必要があるか否かを判定し、必要がないときはバイアス値B1のままステップS2に進み、ジョブ待ち状態となる。
【0062】
必要があるときは、ステップS3に進み、プリンタの正面に備える操作部の入力手段74から使用環境情報を入力し、ステップS4で制御手段72によりバイアス値BをB2に変更してから、ステップS2に進み、同じくジョブ待ち状態となる。
【0063】
その後、ジョブが入力されると、ステップS5に進み、制御手段72でバイアス印加手段71の印加バイアスを制御し、そのバイアス印加手段71でバイアスブラシ70を用いてバイアス値Bを印加して定着ベルト62を帯電する。そして、ステップS6でジョブを開始し、ステップS7でジョブを終了してから、ステップS8でバイアス印加を終了して再びジョブ待ち状態となる。
【0064】
図4には、検知手段73を用いる具体的な使用例を示す。
同時両面画像形成プリンタの電源をオンすると、ステップS11に進み、湿度検知手段75である湿度センサの出力信号に基づき湿度を検知する。そして、ステップS12に進み、その検知した湿度の値から制御手段72でバイアス値Bを決定し、ステップS13に進み、ジョブ待ち状態となる。
【0065】
その後、ジョブが入力されると、ステップS14に進み、制御手段72でバイアス印加手段71の印加バイアスを、使用環境の1つである湿度に応じて制御し、そのバイアス印加手段71でバイアスブラシ70を用いてバイアス値Bを印加して定着ベルト62を帯電する。そして、ステップS15でジョブを開始し、ステップS16でジョブを終了してから、ステップS17でバイアス印加を終了して再びジョブ待ち状態となる。
【0066】
図5には、検知手段73を用いる別の使用例を示す。
同時両面画像形成プリンタの電源をオンすると、ステップS21に進み、温度検知手段76である温度センサの出力信号に基づき温度を検知する。そして、ステップS22に進み、その検知した温度の値から制御手段72でバイアス値Bを決定し、ステップS23に進み、ジョブ待ち状態となる。
【0067】
その後、ジョブが入力されると、ステップS24に進み、制御手段72でバイアス印加手段71の印加バイアスを、使用環境の1つである温度に応じて制御し、そのバイアス印加手段71でバイアスブラシ70を用いてバイアス値Bを印加して定着ベルト62を帯電する。そして、ステップS25でジョブを開始し、ステップS26でジョブを終了してから、ステップS27でバイアス印加を終了して再びジョブ待ち状態となる。
【0068】
図6には、検知手段73を用いるさらに別の使用例を示す。
同様に、同時両面画像形成プリンタの電源をオンすると、ステップS31に進み、まず湿度検知手段75である湿度センサの出力信号に基づき湿度を検知する。次いで、ステップS32に進み、温度検知手段76である温度センサの出力信号に基づき温度を検知する。そして、ステップS33に進み、その検知した湿度および温度の値から制御手段72でバイアス値Bを決定し、ステップS34に進み、ジョブ待ち状態となる。
【0069】
その後、ジョブが入力されると、ステップS35に進み、制御手段72でバイアス印加手段71の印加バイアスを、使用環境である湿度と温度に応じて制御し、そのバイアス印加手段71でバイアスブラシ70を用いてバイアス値Bを印加して定着ベルト62を帯電する。そして、ステップS36でジョブを開始し、ステップS37でジョブを終了してから、ステップS38でバイアス印加を終了して再びジョブ待ち状態となる。
【0070】
図7には、検知手段73と入力手段74を用いる別の使用例を示す。
同時両面画像形成プリンタの電源をオンすると、ステップS41に進み、ジョブ入力の有無を判定する。そして、ジョブ入力があったときは、ステップS42に進んで、普通紙に画像記録を行うか否かを判定する。普通紙に画像記録を行う場合には、ステップS43に進み、制御手段72でバイアス値BをB1に設定する。
【0071】
普通紙以外の記録媒体に画像記録を行う場合は、ステップS44に進み、その記録媒体が薄紙であるか否かを判定する。薄紙である場合には、ステップS45に進み、制御手段72でバイアス値BをB2に決定する。薄紙でない場合は、ステップS46に進み、その記録媒体がOHPフィルムであるか否かを判定する。OHPフィルムである場合には、ステップS47に進み、制御手段72でバイアス値BをB3に決定する。
【0072】
OHPフィルムでもない場合は、ステップS48で特殊紙と判断し、ステップS49でプリンタの正面に備える操作部の入力手段74からバイアス値を直接入力し、ステップS50に進み、制御手段72でバイアス値BをB4に決定する。
【0073】
バイアス値Bを決定後、ステップS51に進み、制御手段72でバイアス印加手段71の印加バイアスを、使用環境である記録媒体Pの種類に応じて制御し、そのバイアス印加手段71でバイアスブラシ70を用いてバイアス値Bを印加して定着ベルト62を帯電する。そして、ステップS52でジョブを開始し、ステップS53でジョブを終了してから、ステップS54でバイアス印加を終了して再びジョブ待ち状態となる。
【0074】
図8には、検知手段73と入力手段74を用いるまた別の使用例を示す。
同様に、同時両面画像形成プリンタの電源をオンすると、ステップS61に進み、まず湿度検知手段75である湿度センサの出力信号に基づき湿度を検知する。次いで、ステップS62に進み、温度検知手段76である温度センサの出力信号に基づき温度を検知する。
【0075】
それから、ステップS63に進み、ジョブ入力の有無を判定する。そして、ジョブ入力があったときは、ステップS64に進み、普通紙に画像記録を行うか否かを判定する。普通紙に画像記録を行う場合には、ステップS65に進み、制御手段72でバイアス値Bを、検知した湿度および温度の値を考慮した普通紙でのバイアス値B1に設定する。
【0076】
普通紙以外の記録媒体に画像記録を行う場合は、ステップS66に進み、その記録媒体が薄紙であるか否かを判定する。薄紙である場合には、ステップS67に進み、制御手段72でバイアス値Bを、検知した湿度および温度の値を考慮した薄紙でのバイアス値B2に決定する。
【0077】
薄紙でない場合は、ステップS68に進み、その記録媒体がOHPフィルムであるか否かを判定する。OHPフィルムである場合には、ステップS69に進み、制御手段72でバイアス値Bを、検知した湿度および温度の値を考慮したOHPフィルムでのバイアス値B3に決定する。
【0078】
OHPフィルムでもない場合は、ステップS70で特殊紙と判断し、ステップS71でプリンタの正面に備える操作部の入力手段74からバイアス値を直接入力し、ステップS72に進み、制御手段72でバイアス値Bを、検知した湿度および温度の値を考慮した特殊紙でのバイアス値B4に決定する。
【0079】
バイアス値Bを決定後、ステップS73に進み、制御手段72でバイアス印加手段71の印加バイアスを、使用環境である湿度、温度、記録媒体Pの種類に応じて制御し、そのバイアス印加手段71でバイアスブラシ70を用いてバイアス値Bを印加して定着ベルト62を帯電する。そして、ステップS74でジョブを開始し、ステップS75でジョブを終了してから、ステップS76でバイアス印加を終了して再びジョブ待ち状態となる。
【0080】
これにより、周囲の湿度や温度、記録媒体Pの種類などの使用環境に応じて常に記録媒体の安定した搬送を確保して未定着画像面の擦れをなくし、画像乱れのない良好な画像品質を保持して定着を行うことができる。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したとおり、請求項1に記載の発明によれば、使用環境に応じて制御手段でバイアス印加手段の印加バイアスを制御し、そのバイアス印加手段でバイアスを印加して定着ベルトを帯電し、その定着ベルトで記録媒体を静電的に吸着して該定着ベルトの走行とともに搬送し、定着ニップに通して熱と圧力とを加えて未定着画像を記録媒体に定着するので、ベルト定着装置において、使用環境変化に合わせ、場合場合に応じて常に記録媒体の安定した搬送を確保して未定着画像面の擦れをなくし、画像乱れのない良好な画像品質を保持して定着を行うことができる。
【0082】
請求項2に係る発明によれば、制御手段で、湿度検知手段の出力信号に基づき印加バイアスを制御するので、まわりの湿度に応じて常に記録媒体の安定した搬送を確保して未定着画像面の擦れをなくし、画像乱れのない良好な画像品質を保持して定着を行うことができる。
【0083】
請求項3に係る発明によれば、制御手段で、温度検知手段の出力信号に基づき印加バイアスを制御するので、まわりの温度に応じて常に記録媒体の安定した搬送を確保して未定着画像面の擦れをなくし、画像乱れのない良好な画像品質を保持して定着を行うことができる。
【0084】
請求項4に係る発明によれば、制御手段で、記録媒体の種類に基づき印加バイアスを制御するので、記録媒体の種類に応じて常に記録媒体の安定した搬送を確保して未定着画像面の擦れをなくし、画像乱れのない良好な画像品質を保持して定着を行うことができる。
【0085】
請求項5に係る発明によれば、上記各効果を有する定着装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
【0086】
請求項6に係る発明によれば、記録媒体の両面の未定着転写画像を定着装置で同時に定着するので、特に未定着画像面の擦れにより画像乱れを生じやすい同時両面画像形成装置に適用し、常に記録媒体の安定した搬送を確保して未定着画像面の擦れをなくし、画像乱れのない良好な画像品質を保持して定着を行うことができる。
【0087】
請求項7に係る発明によれば、使用環境に応じて制御手段でバイアス印加手段の印加バイアスを制御し、そのバイアス印加手段でバイアスを印加して定着ベルトを帯電し、その定着ベルトで記録媒体を静電的に吸着して該定着ベルトの走行とともに搬送し、定着ニップに通して熱と圧力とを加えて未定着画像を記録媒体に定着するので、ベルト定着装置において、使用環境変化に合わせ、場合場合に応じて常に記録媒体の安定した搬送を確保して未定着画像面の擦れをなくし、画像乱れのない良好な画像品質を保持して定着を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による定着装置を備える電子写真式の同時両面画像形成プリンタを示し、その全体概略構成図である。
【図2】定着装置の内部概略構成図である。
【図3】その入力手段を用いる具体的な使用例を示すフローチャートである。
【図4】その検知手段を用いる具体的な使用例を示すフローチャートである。
【図5】その検知手段を用いる別の使用例を示すフローチャートである。
【図6】その検知手段を用いるさらに別の使用例を示すフローチャートである。
【図7】その検知手段と入力手段を用いる別の使用例を示すフローチャートである。
【図8】その検知手段と入力手段を用いるさらに別の使用例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
62 定着ベルト
71 バイアス印加手段
72 制御手段
73 検知手段
74 入力手段
75 湿度検知手段
76 温度検知手段
H 定着装置
N 定着ニップ
P 記録媒体
Claims (7)
- バイアス印加手段でバイアスを印加して定着ベルトを帯電し、その定着ベルトで記録媒体を静電的に吸着して該定着ベルトの走行とともに搬送し、定着ニップに通して熱と圧力とを加えて未定着画像を記録媒体に定着する定着装置において、
前記バイアス印加手段の印加バイアスを使用環境に応じて制御する制御手段を備えることを特徴とする、定着装置。 - 前記制御手段で、湿度検知手段の出力信号に基づき印加バイアスを制御することを特徴とする、請求項1に記載の定着装置。
- 前記制御手段で、温度検知手段の出力信号に基づき印加バイアスを制御することを特徴とする、請求項1または2に記載の定着装置。
- 前記制御手段で、記録媒体の種類に基づき印加バイアスを制御することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1に記載の定着装置。
- 請求項1ないし4のいずれか1に記載の定着装置を備えることを特徴とする、画像形成装置。
- 記録媒体の両面の未定着転写画像を前記定着装置で同時に定着することを特徴とする、請求項5に記載の画像形成装置。
- 使用環境に応じて制御手段でバイアス印加手段の印加バイアスを制御し、そのバイアス印加手段でバイアスを印加して定着ベルトを帯電し、その定着ベルトで記録媒体を静電的に吸着して該定着ベルトの走行とともに搬送し、定着ニップに通して熱と圧力とを加えて未定着画像を記録媒体に定着することを特徴とする、定着方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002378904A JP2004212437A (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 定着装置、画像形成装置、および定着方法 |
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JP2011064951A (ja) * | 2009-09-17 | 2011-03-31 | Casio Electronics Co Ltd | ベルト式定着装置 |
JP2014142599A (ja) * | 2012-12-27 | 2014-08-07 | Canon Finetech Inc | 画像形成システム及び画像形成装置 |
-
2002
- 2002-12-27 JP JP2002378904A patent/JP2004212437A/ja active Pending
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