JP2004212179A - 回転角検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高精度信号出力器5および低精度信号出力器6からの各出力信号に基づいて、小歯車3の回転角速度および大歯車4の回転角速度がそれぞれ演算される。小歯車3の演算回転角速度がn(たとえば、nは2以上の整数)回連続して異常な値を示した場合、高精度信号出力器5に異常が発生していると判断される。また、大歯車4の演算回転角速度がn回連続して異常な値を示した場合、低精度信号出力器6に異常が発生していると判断される。また、小歯車3の演算回転角速度と大歯車4の演算回転角速度に小歯車3に対する大歯車4の減速比の逆数を乗じて得られる値との偏差が求められ、この偏差が予め定められた偏差許容値を超えていれば、高精度信号出力器5または低精度信号出力器6の少なくとも一方に異常が発生していると判断される。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ステアリングホイール(ステアリング軸)のような多回転体の絶対回転角を検出するための回転角検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、操舵補助力の発生源として電動モータを採用した電動パワーステアリング装置では、操舵角センサが備えられていて、この操舵角センサが検出するステアリングホイールの操舵角に基づいて、電動モータの駆動制御が行われるようになっている(たとえば、特許文献1参照)。ステアリングホイールが、一方の終端まで切り込んだ状態から他方の終端まで切り返す時の回転角(ロックツーロック角)が約1440degの多回転体であることから、操舵角センサには、多回転対応型の回転角検出装置が採用されることがある。
【0003】
多回転対応型の回転角検出装置は、たとえば、多回転体の180deg回転を1周期として周期的にレベルが変化する信号を出力する高精度信号出力器と、多回転体の回転角についての全範囲で、その回転角の増加に応じてレベルがほぼリニアに増加する信号を出力する低精度信号出力器とを備えている。そして、低精度信号出力器の出力信号に基づいて、多回転体の絶対回転角が含まれる角度範囲を絞り、その角度範囲の中から高精度信号出力器の出力信号に応じた角度を特定することによって、多回転体の絶対回転角を検出する構成になっている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−104211号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、多回転対応型の回転角検出装置では、高精度信号出力器および低精度信号出力器の少なくとも一方に異常が生じると、実際の多回転体の絶対回転角とは大きく異なる値を出力してしまうという問題がある。
このような回転角検出装置における絶対回転角の誤検出は、回転角検出装置の検出結果に基づいて行われる制御に悪影響を及ぼすおそれがある。たとえば、回転角検出装置が電動パワーステアリング装置に操舵角センサとして用いられている場合、実際のステアリングホイールの操舵角と大きく異なる誤検出値が操舵角センサから出力されると、その誤検出値に基づいて電動モータが制御されて、ステアリングホイールの操作とは無関係な操舵補助が行われるおそれがある。
【0006】
したがって、多回転対応型の回転角検出装置では、高精度信号出力器および低精度信号出力器の異常を検出する機能を有していることが望ましく、さらに、高精度信号出力器および低精度信号出力器における異常を検出した場合に、その異常に起因した絶対回転角の誤検出を防止する機能を有していることがより望ましい。しかしながら、従来の回転角検出装置は、高精度信号出力器および低精度信号出力器の異常を検出する機能さえも有していない。
【0007】
そこで、この発明の目的は、高精度信号出力器および低精度信号出力器の異常を検出する機能を有する回転角検出装置を提供することである。
また、この発明の他の目的は、高精度信号出力器および低精度信号出力器の少なくとも一方に異常が生じている場合に、その異常に起因した絶対回転角の誤検出を防止する機能を有する回転角検出装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、360deg以上回転可能な多回転体(S)の回転に連動して、上記多回転体に対して第1の減速比で減速して回転する第1連動回転部材(3)と、上記多回転体の回転に連動して、上記多回転体に対して第2の減速比で減速して回転する第2連動回転部材(4)と、上記第1連動回転部材の回転角に応じてレベルが変化し、上記多回転体の回転角を高精度に表す高精度信号を出力する高精度信号出力器(5)と、上記第2連動回転部材の回転角に応じてレベルが変化し、上記多回転体の回転角を低精度に表す低精度信号を出力する低精度信号出力器(6)と、上記高精度信号出力器から出力される高精度信号および上記低精度信号出力器から出力される低精度信号に基づいて、上記多回転体の絶対回転角を演算する絶対回転角演算手段(S19)とを備えた回転角検出装置であって、上記高精度信号出力器から出力される高精度信号に基づいて、上記第1連動回転部材の回転角速度を演算する第1回転角速度演算手段(S2)と、この第1回転角速度演算手段によって演算された上記第1連動回転部材の回転角速度と予め定める第1の閾値との大小を比較する第1比較手段(S3)と、この第1比較手段による比較の結果、上記第1連動回転部材の回転角速度が上記第1の閾値よりも大きいと判定されたことに基づいて、上記高精度信号出力器に異常が発生していると判断する第1異常判断手段(S4)と、上記低精度信号出力器から出力される低精度信号に基づいて、上記第2連動回転部材の回転角速度を演算する第2回転角速度演算手段(S2)と、この第2回転角速度演算手段によって演算された上記第2連動回転部材の回転角速度と予め定める第2の閾値との大小を比較する第2比較手段(S7,S11)と、この第2比較手段による比較の結果、上記第2連動回転部材の回転角速度が上記第2の閾値よりも大きいと判定されたことに基づいて、上記低精度信号出力器に異常が発生していると判断する第2異常判断手段(S9,S12)とを含むことを特徴とする回転角検出装置である。
【0009】
上記第1の減速比は、1以上であってもよく、この場合、上記第1連動回転部材は、上記多回転体の回転に連動して、上記多回転体の回転角速度以上の回転角速度で回転することになる。
括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
上記の構成によれば、高精度信号出力器および低精度信号出力器の異常を検出することができる。
【0010】
上記絶対回転角演算手段(S8)は、上記第1異常判断手段によって上記高精度信号出力器に異常が発生していると判断された場合には、請求項2記載のように、上記高精度信号出力器から出力される高精度信号を無効にして、上記低精度信号出力器から出力される低精度信号に基づいて、上記多回転体の絶対回転角を演算することが好ましい。これにより、高精度信号出力器に異常が生じている場合に、実際の多回転体の絶対回転角とは大きく異なる値が回転角検出装置から出力されることを防止できる。
【0011】
また、上記絶対回転角演算手段(S15)は、上記第2異常判断手段によって上記低精度信号出力器に異常が発生していると判断された場合には、請求項3記載のように、上記低精度信号出力器から出力される低精度信号を無効にして、(正常時に検出されてメモリに記憶されている絶対回転角および)上記高精度信号出力器から出力される高精度信号に基づいて、上記多回転体の絶対回転角を演算することが好ましい。これにより、低精度信号出力器に異常が生じている場合に、実際の多回転体の絶対回転角とは大きく異なる値が回転角検出装置から出力されることを防止できる。
【0012】
さらに、上記回転角検出装置は、上記第1異常判断手段によって上記高精度信号出力器に異常が発生していると判断され、かつ、上記第2異常判断手段によって上記低精度信号出力器に異常が発生していると判断された場合に、上記絶対回転角演算手段による上記多回転体の絶対回転角の演算を禁止する手段(S10)をさらに含むことが好ましい。これにより、高精度信号出力器および低精度信号出力器の両方に異常が生じている場合に、その異常に起因した絶対回転角の誤検出を防止することができる。
【0013】
また、請求項4記載のように、上記回転角検出装置は、上記第1回転角速度演算手段によって演算された上記第1連動回転部材の回転角速度に上記第1の減速比の逆数を乗じて得られる値と、上記第2回転角速度演算手段によって演算された上記第2連動回転部材の回転角速度に上記第2の減速比の逆数を乗じて得られる値との偏差を演算する偏差演算手段(S16)と、この偏差演算手段によって演算された偏差と予め定める偏差許容値との大小を比較する偏差比較手段(S16)と、この偏差比較手段による比較の結果、上記偏差が上記偏差許容値よりも大きいと判定されたことに基づいて、上記高精度信号出力器および低精度信号出力器の少なくとも一方に異常が発生していると判断する第3異常判断手段(S20)とをさらに含むことが好ましい。これにより、高精度信号出力器および低精度信号出力器の異常をより精度良く検出することができる。
【0014】
この場合さらに、請求項5に記載のように、上記絶対回転角演算手段(S22,S23)は、上記第3異常判断手段によって上記高精度信号出力器および低精度信号出力器の少なくとも一方に異常が発生していると判断された場合には、(正常時に検出されてメモリに記憶されている絶対回転角および)上記高精度信号出力器から出力される高精度信号に基づいて上記多回転体の絶対回転角を演算するとともに、上記低精度信号出力器から出力される低精度信号に基づいて上記多回転体の絶対回転角を演算し、これらの演算値の平均値を上記多回転体の絶対回転角とするものであることが好ましい。これにより、高精度信号出力器または低精度信号出力器に異常が生じている場合に、実際の多回転体の絶対回転角とは大きく異なる値が回転角検出装置から出力されることを防止できる。
【0015】
さらにまた、請求項6記載のように、上記回転角検出装置は、上記第1回転角速度演算手段によって演算された上記第1連動回転部材の回転角速度に上記第1の減速比の逆数を乗じて得られる値と、上記第2回転角速度演算手段によって演算された上記第2連動回転部材の回転角速度に上記第2の減速比の逆数を乗じて得られる値との偏差を演算する偏差演算手段(S16)と、この偏差演算手段によって演算された偏差を累積する偏差累積手段(S17)と、この偏差累積手段による偏差の累積値が予め定める累積許容値を超えた場合に、上記高精度信号出力器および低精度信号出力器の少なくとも一方に異常が発生していると判断する第4異常判断手段(S18)とをさらに含むことが好ましい。これにより、高精度信号出力器および低精度信号出力器の異常を一層精度良く検出することができる。
【0016】
そして、この場合、請求項7記載のように、上記絶対回転角演算手段(S22,S23)は、上記第4異常判断手段によって上記高精度信号出力器および低精度信号出力器の少なくとも一方に異常が発生していると判断された場合には、(正常時に検出されてメモリに記憶されている絶対回転角および)上記高精度信号出力器から出力される高精度信号に基づいて上記多回転体の絶対回転角を演算するとともに、上記低精度信号出力器から出力される低精度信号に基づいて上記多回転体の絶対回転角を演算し、これらの演算値の平均値を上記多回転体の絶対回転角とするものであることが好ましい。これにより、高精度信号出力器または低精度信号出力器に異常が生じている場合に、実際の多回転体の絶対回転角とは大きく異なる値が回転角検出装置から出力されることを防止できる。
【0017】
なお、請求項4および6において、上記偏差演算手段は、上記第1回転角速度演算手段によって演算された上記第1連動回転部材の回転角速度に上記第1の減速比の逆数および上記第2の減速比を乗じて得られる値と、上記第2回転角速度演算手段によって演算された上記第2連動回転部材の回転角速度との偏差を求める手段、ならびに、上記第1回転角速度演算手段によって演算された上記第1連動回転部材の回転角速度と、上記第2回転角速度演算手段によって演算された上記第2連動回転部材の回転角速度に上記第2の減速比の逆数および上記第1の減速比を乗じて得られる値との偏差を求める手段を含む概念である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る回転角検出装置の構成を示す図である。この回転角検出装置は、車両のステアリングホイールのような多回転体(360deg以上回転可能な回転体)の絶対回転角を検出するためのものであり、多回転体の回転軸S(たとえば、ステアリングホイールに結合されたステアリング軸)の周囲にその回転軸Sと同軸に配置されて、回転軸Sと一体回転する軸歯車1と、この軸歯車1と噛み合っており、軸歯車1の回転に伴って、軸歯車1と同じ回転角速度で回転する従動歯車2と、従動歯車2と同軸に配置されて、従動歯車2と一体的に回転する小歯車3(第1連動回転部材)と、この小歯車3と噛み合っており、小歯車3の回転に伴って、小歯車3(多回転体)に対して所定の減速比(たとえば、1/8)で減速して回転する大歯車4と、小歯車3の回転角に応じた信号を出力する高精度信号出力器5と、大歯車4(第2連動回転部材)の回転角に応じた信号を出力する低精度信号出力器6と、高精度信号出力器5および低精度信号出力器6からの出力信号に基づいて、高精度信号出力器5および低精度信号出力器6の異常を検出し、また、多回転体の絶対回転角を演算する異常検出/回転角演算部7とを備えている。
【0019】
異常検出/回転角演算部7は、マイクロコンピュータによるプログラム処理によってソフトウエア的に実現される。この回転角検出装置がステアリングホイールの絶対回転角(操舵角)を検出するための操舵角センサとして、電動パワーステアリング装置または電動ポンプ式パワーステアリング装置に用いられる場合、異常検出/回転角演算部7を実現するためのマイクロコンピュータは、たとえば、電動モータを駆動制御するための電子制御ユニット(ECU)に備えられているマイクロコンピュータであってもよい。
【0020】
図2は、高精度信号出力器5および低精度信号出力器6の出力信号波形を示す図である。高精度信号出力器5は、小歯車3の回転角についての0〜180degおよび180〜360degの各範囲で、回転角の増加に応じてレベル(電圧値)が零からほぼリニアに増加する信号を出力する。一方、低精度信号出力器6は、大歯車4の回転角についての0〜180degおよび180〜360degの各範囲で、回転角の増加に応じてレベルが零からほぼリニアに増加する信号を出力する。また、高精度信号出力器5および低精度信号出力器6は、いずれも、多回転体が一方の終端まで回転されている状態で出力信号レベルが零となるように設定されている。
【0021】
これにより、多回転体が一方の終端から他方の終端まで1440deg回転(4回転)した場合、小歯車3が1440deg回転し、この小歯車3の回転に伴って、高精度信号出力器5の出力信号のレベルが、小歯車3の180deg回転を1周期として鋸歯状に8周期にわたって変化する。また、小歯車3に対する大歯車4の減速比が1/8であれば、このとき大歯車4が180deg回転し、この大歯車4の回転に伴って、低精度信号出力器6の出力信号のレベルが回転角の増加に応じて零からほぼリニアに増加する。
【0022】
図3、図4および図5は、異常検出/回転角演算部7の機能を説明するためのフローチャートである。異常検出/回転角演算部7は、まず、高精度信号出力器5からの出力信号(高精度信号)のレベルおよび低精度信号出力器6からの出力信号(低精度信号)のレベルをそれぞれ検出する(ステップS1)。そして、その検出した高精度信号レベルおよび低精度信号レベルを、マイクロコンピュータに備えられているRAMなどのメモリに格納する。
【0023】
異常検出/回転角演算部7は、次に、そのメモリの記憶内容に基づいて、前回の制御周期からの高精度信号レベルおよび低精度信号レベルの各変化量を求め、さらに、その求めた各変化量に基づいて、小歯車3および大歯車4の回転角速度をそれぞれ演算する(ステップS2)。
なお、電源投入直後(この回転角検出装置が車両に搭載されている場合、車両のイグニッションキースイッチをオンにした後)は、前回の制御周期における高精度信号レベルおよび低精度信号レベルがメモリに記憶されていないため、高精度信号レベルおよび低精度信号レベルの各変化量を求めることができない。そこで、電源投入直後は、ステップS1で高精度信号レベルおよび低精度信号レベルを検出した後、その検出した高精度信号レベルおよび低精度信号レベルをメモリに記憶して、この図3〜5の処理をリターンし、新たにステップS1で高精度信号レベルおよび低精度信号レベルを検出するようにすればよい。
【0024】
つづいて、高精度信号レベルの変化量に基づいて演算した小歯車3の回転角速度(以下、単に「小歯車3の演算回転角速度」という。)が、小歯車3の回転角速度として妥当な値であるか否かを判断する(ステップS3)。
多回転体の回転角速度には上限があり、多回転体と同じ回転角速度で回転する(多回転体に対する減速比が1である)小歯車3の回転角速度は、その多回転体の回転角速度の上限値を超えることはない。そこで、多回転体の回転角速度の上限値を閾値として、この閾値と小歯車3の演算回転角速度とを比較し、小歯車3の演算回転角速度が閾値以下であれば、小歯車3の演算回転角速度は妥当な値であると判断することができ、小歯車3の演算回転角速度が閾値よりも大きければ、小歯車3の演算回転角速度は異常な値であると判断することができる。
【0025】
たとえば、車両のステアリングホイールの回転角速度は、人による操作によっては2000deg/secを超えることがないから、この回転角検出装置が操舵角センサとして、電動パワーステアリング装置または電動ポンプ式パワーステアリング装置に用いられる場合、そのステアリングホイールの回転角速度の上限値である2000deg/secを閾値として、小歯車3の演算回転角速度と2000deg/secとを比較する。そして、小歯車3の演算回転角速度が2000deg/sec以下であれば、その小歯車3の演算回転角速度は妥当な値であると判断する。一方、小歯車3の演算回転角速度が2000deg/secよりも大きければ、その小歯車3の演算回転角速度は異常な値であると判断する。
【0026】
小歯車3の演算回転角速度が異常な値であると判断した場合(ステップS3のNO)、小歯車3の演算回転角速度がn(たとえば、nは2以上の整数)回連続して異常な値を示したか否かを判断する(ステップS4)。すなわち、n−1回前の制御周期から今回の制御周期までの各制御周期での小歯車3の演算回転角速度がすべて異常な値であったか否かを判断する。そして、n−1回前の制御周期から今回の制御周期までの各制御周期での小歯車3の演算回転角速度がすべて異常な値であった場合には、高精度信号出力器5に異常が発生していると判断して、この回転角検出装置の異常を報知するとともに(ステップS5)、高精度信号出力器5からの高精度信号を無効にする(ステップS6)。一方、n−1回前の制御周期から今回の制御周期までの各制御周期での小歯車3の演算回転角速度が1つでも妥当な値であれば(ステップS4のNO)、この図3〜5の処理を直ちにリターンする。このように、小歯車3の演算回転角速度がn回連続して異常な値を示した場合に、高精度信号出力器5に異常が発生していると判断することにより、高精度信号へのノイズの混入や小歯車3の絶対回転角が180degまたは360deg(0deg)を跨いで変化したときの高精度信号レベルの急変に起因する誤判断を防止することができる。
【0027】
回転角検出装置の異常の報知は、たとえば、図示しない警報ランプの点灯によって達成されてもよいし、警報ブザーから警報音が出力されることによって達成されてもよい。この回転角検出装置が操舵角センサとして、電動パワーステアリング装置または電動ポンプ式パワーステアリング装置に用いられる場合、警報ランプや警報ブザーは、車両のインストルメントパネルまたはその近傍に配置されることが好ましく、これにより、操舵角センサとしての回転角検出装置の異常を運転者に確実に報知することができる。
【0028】
高精度信号出力器5からの高精度信号を無効にした後、異常検出/回転角演算部7は、低精度信号レベルの変化量に基づいて演算した大歯車4の回転角速度(以下、単に「大歯車4の演算回転角速度」という。)が、大歯車4の回転角速度として妥当な値であるか否かを判断する(ステップS7)。
大歯車4の回転角速度は小歯車3の回転角速度に大歯車4の小歯車3に対する減速比(たとえば、1/8)を乗じて得られる値に等しいから、大歯車4の回転角速度は、小歯車3の回転角速度の上限値、つまり上記閾値に上記減速比を乗じて得られる値を超えることはない。そこで、上記閾値に上記減速比を乗じて得られる値と大歯車4の演算回転角速度とを比較し、大歯車4の演算回転角速度が上記閾値に上記減速比を乗じて得られる値以下であれば、大歯車4の演算回転角速度は妥当な値であると判断することができ、大歯車4の演算回転角速度が上記閾値に上記減速比を乗じて得られる値よりも大きければ、大歯車4の演算回転角速度は異常な値であると判断することができる。
【0029】
たとえば、この回転角検出装置が操舵角センサとして、電動パワーステアリング装置または電動ポンプ式パワーステアリング装置に用いられる場合において、小歯車3に対する大歯車4の減速比が1/8であれば、大歯車4の演算回転角速度と2000deg/secに1/8を乗じて得られる値250とを比較する。そして、大歯車4の演算回転角速度が250deg/sec以下であれば、その大歯車4の演算回転角速度は妥当な値であると判断する。一方、大歯車4の演算回転角速度が250deg/secよりも大きければ、その大歯車4の演算回転角速度は異常な値であると判断する。
【0030】
大歯車4の演算回転角速度が妥当な値であると判断した場合(ステップS7のYES)、低精度信号出力器6は正常に動作していると判断し、ステップS1で検出した低精度信号レベルに基づいて多回転体の絶対回転角を演算する(ステップS8)。また、これ以降は、この図3〜5に示す処理を行わずに、低精度信号出力器6から出力される低精度信号のレベルを検出し、その検出した低精度信号レベルに基づいて多回転体の絶対回転角を演算する。
【0031】
低精度信号レベルは、大歯車4の回転角についての0〜180degの範囲で回転角の増加に応じて零からほぼリニアに増加するから、その0〜180degの範囲内であれば、低精度信号レベルに基づいて、大歯車4の絶対回転角を求めることができる。そして、大歯車4は小歯車3の回転を所定の減速比で減速して回転するから、その求めた大歯車4の絶対回転角に上記減速比の逆数を乗じることにより、多回転体の絶対回転角を演算することができる。ただし、大歯車4の1deg回転に対して、多回転体は1/減速比deg回転するから、こうして低精度信号のみに基づいて演算した多回転体の絶対回転角は少し精度が劣る。
【0032】
一方、大歯車4の演算回転角速度が異常値であると判断した場合(ステップS7のNO)、大歯車4の演算回転角速度がn回連続して異常値を示したか否かを判断する(ステップS9)。すなわち、n−1回前の制御周期から今回の制御周期までの各制御周期での大歯車4の演算回転角速度がすべて異常値であったか否かを判断する。そして、n−1回前の制御周期から今回の制御周期までの各制御周期での大歯車4の演算回転角速度がすべて異常値であった場合には、低精度信号出力器6にも異常が発生していると判断して、低精度信号出力器6からの高精度信号も無効にし、それ以降は、多回転体の絶対回転角の演算を禁止する(ステップS10)。これにより、高精度信号出力器5および低精度信号出力器6の異常に起因する多回転体の絶対回転角の誤検出を防止することができる。n−1回前の制御周期から今回の制御周期までの各制御周期での大歯車4の演算回転角速度が1つでも妥当な値であれば(ステップS9のNO)、この図3〜5の処理を直ちにリターンする。このように、大歯車4の演算回転角速度がn回連続して異常な値を示した場合に、低精度信号出力器6に異常が発生していると判断することにより、低精度信号へのノイズの混入に起因する誤判断を防止することができる。
【0033】
ステップS3で小歯車3の演算回転角速度が妥当な値であると判断した場合、図4の処理に移行して、上述のステップS7における判断と同じ手法で、大歯車4の演算回転角速度が大歯車4の回転角速度として妥当な値であるか否かを判断する(ステップS11)。大歯車4の演算回転角速度が異常値であると判断した場合(ステップS11のNO)、大歯車4の演算回転角速度がn回連続して異常値を示したか否か、つまりn−1回前の制御周期から今回の制御周期までの各制御周期での大歯車4の演算回転角速度がすべて異常な値であったか否かを判断する(ステップS12)。
【0034】
n−1回前の制御周期から今回の制御周期までの各制御周期での大歯車4の演算回転角速度がすべて異常な値であった場合には、低精度信号出力器6に異常が発生していると判断して、この回転角検出装置の異常を報知するとともに(ステップS13)、低精度信号出力器6からの低精度信号を無効にする(ステップS14)。そして、ステップS1で検出した高精度信号レベルに基づいて多回転体の絶対回転角を演算する(ステップS15)。また、これ以降は、この図3〜5に示す処理を行わずに、高精度信号出力器5から出力される高精度信号のレベルを検出し、その検出した高精度信号レベルに基づいて多回転体の絶対回転角を演算する。一方、n−1回前の制御周期から今回の制御周期までの各制御周期での大歯車4の演算回転角速度が1つでも妥当な値であれば(ステップS12のNO)、この図3〜5の処理を直ちにリターンする。
【0035】
高精度信号レベルは、小歯車3の180deg回転を1周期として鋸歯状に変化するから、小歯車3が180deg回転するごとに同じ値をとる。つまり、小歯車3の絶対回転角がα(0≦α<180)degの時とα+180×β(β:自然数)degの時とで、高精度信号出力器5から出力される高精度信号のレベルは同じになる。したがって、今回の制御周期で検出した高精度信号レベルのみに基づいては、多回転体の絶対回転角を必ずしも正確に求めることはできない。そこで、低精度信号を無効にして、多回転体の絶対回転角を演算する場合には、前回の制御周期で演算した多回転体の絶対回転角についての上記αの値を求め、その求めたαの値と今回の制御周期で検出した高精度信号レベルに応じた小歯車3の回転角との偏差を求める。そして、その偏差を前回の制御周期で演算した多回転体の絶対回転角に加算することにより、多回転体の絶対回転角を求めればよい。
【0036】
たとえば、前回の制御周期で演算した多回転体の絶対回転角が215degであり、今回の制御周期で検出した高精度信号レベルに応じた小歯車3の回転角が60degであった場合、前回の制御周期で演算した多回転体の絶対回転角についてのαの値はα=35degであるから、このα=35degと今回の制御周期で検出した高精度信号レベルに応じた小歯車3の回転角60degとの偏差は25degと求めることができる。そして、その求めた偏差25degを前回の制御周期で演算した多回転体の絶対回転角215degに加算することにより、多回転体の絶対回転角を215+25=240degと求めることができる。
【0037】
なお、この手法では、前回の制御周期で演算した多回転体の絶対回転角が判らなければ、多回転体の絶対回転角を正確に演算することはできない。したがって、少なくとも、低精度信号出力器6に異常が発生していると判断した場合には、この回転角検出装置の電源がオフされた後も、マイクロコンピュータへの給電が継続されて、最後に演算した多回転体の絶対回転角がマイクロコンピュータに備えられているメモリに保存されることが好ましい。こうすることにより、イグニッションキースイッチが再びオンされた後も、高精度信号レベルに基づいて多回転体の絶対回転角を正確に演算することができる。
【0038】
小歯車3の演算回転角速度および大歯車4の演算回転角速度がどちらも妥当な値である場合(ステップS11のYES)、図5の処理に移行して、小歯車3の演算回転角速度と大歯車4の演算回転角速度に小歯車3に対する大歯車4の減速比の逆数を乗じて得られる値との偏差(以下、単に「回転角速度偏差」という。)を求める。そして、その回転角速度偏差が予め定められた偏差許容値(たとえば、1deg/sec)以下であるか否かを判断する(ステップS16)。
【0039】
なお、この実施形態では、多回転体に対する小歯車3の減速比が1であるから、小歯車3の演算回転角速度と大歯車4の演算回転角速度に小歯車3に対する大歯車4の減速比の逆数を乗じて得られる値との偏差を求め、この偏差が予め定められた偏差許容値以下であるか否かを判断しているが、多回転体に対する小歯車3の減速比が1以外の場合には、小歯車3の演算回転角速度に多回転体に対する小歯車3の減速比の逆数を乗じて得られる値と大歯車4の演算回転角速度に小歯車3に対する大歯車4の減速比の逆数を乗じて得られる値との偏差を求め、この偏差が予め定められた偏差許容値以下であるか否かを判断することになる。
【0040】
回転角速度偏差が偏差許容値以下であれば、前回の制御周期までに求めた回転角速度偏差の累積値(偏差累積値)がマイクロコンピュータに備えられているメモリに格納されているかどうかを調べ、偏差累積値がメモリに格納されている場合には、その累積値と今回の制御周期で求めた回転角速度偏差との加算値を新たな偏差累積値としてメモリに格納する(ステップS17)。そして、メモリに格納した偏差累積値が予め定められた累積許容値(たとえば、10deg/sec)以下であるか否かを判断する(ステップS18)。偏差累積値が累積許容値以下であれば、ステップS1で検出した高精度信号レベルおよび低精度信号レベルに基づいて、多回転体の絶対回転角を演算し(ステップS19)、この図3〜5の処理をリターンする。
【0041】
多回転体の絶対回転角は、低精度信号レベルに基づいて、多回転体の絶対回転角が含まれる角度範囲を絞り、その角度範囲の中から高精度信号レベルに応じた角度を特定することによって求めることができる。
たとえば、小歯車3に対する大歯車4の減速比が1/8である場合に、低精度信号レベルから求めた大歯車4の絶対回転角が52degであれば、多回転体の絶対回転角θが含まれる角度範囲は、51×8deg<θ<53×8degの範囲に絞ることができる。一方、このとき高精度信号レベルから求めた小歯車3の絶対回転角が60degであった場合、多回転体の絶対回転角θは、θ=60+180×βdegと表すことができる。そして、この絶対回転角θが上記角度範囲に含まれることから、β=2と求めることができ、このβ=2をθ=60+180×βの式に代入することにより、多回転体の絶対回転角θをθ=60+180×2=420degと求めることができる。
【0042】
一方、回転角速度偏差が偏差許容値を超えている場合(ステップS16のNO)、回転角速度偏差がn回連続して偏差許容値を超えた異常値を示したか否かを判断する(ステップS20)。すなわち、n−1回前の制御周期から今回の制御周期までの各制御周期で求めた回転角速度偏差がすべて異常値であったか否かを判断する。
n−1回前の制御周期から今回の制御周期までの各制御周期で求めた回転角速度偏差がすべて異常値であった場合には、高精度信号出力器5および低精度信号出力器6の少なくとも一方に異常が発生していると判断して、この回転角検出装置の異常を報知する(ステップS21)。そして、ステップS15,S8と同じ手法で、多回転体の絶対回転角をステップS1で検出した高精度信号レベルおよび低精度信号レベルのそれぞれに基づいて演算し(ステップS22)、その高精度信号レベルに基づいて演算した絶対回転角と低精度信号レベルに基づいて演算した絶対回転角との平均値を多回転体の絶対回転角として(ステップS23)、この図3〜5の処理をリターンする。n−1回前の制御周期から今回の制御周期までの各制御周期で求めた回転角速度偏差の中に偏差許容値以下の値が含まれている場合には(ステップS20のNO)、この図3〜5の処理を直ちにリターンする。
【0043】
また、回転角速度偏差が偏差許容値以下であっても、偏差累積値が累積許容値を超えている場合には(ステップS18のNO)、高精度信号出力器5および低精度信号出力器6の少なくとも一方に原点ずれ(多回転体が一方の終端まで回転されている状態で出力信号レベルが零とならない状態)などの異常が生じていると判断して、n−1回前の制御周期から今回の制御周期までの各制御周期で求めた回転角速度偏差がすべて異常値であった場合と同様な処理を行う。すなわち、この回転角検出装置の異常を報知し(ステップS21)、ステップS15,S8と同じ手法で高精度信号レベルおよび低精度信号レベルのそれぞれに基づいて演算した絶対回転角の平均値を多回転体の絶対回転角として(ステップS22,S23)、この図3〜5の処理をリターンする。
【0044】
以上のように、この実施形態によれば、高精度信号出力器5および低精度信号出力器6に異常が発生しているかどうかが診断される。そして、高精度信号出力器5に異常が発生している場合には、低精度信号出力器6から出力される低精度信号に基づいて多回転体の絶対回転角が演算され、低精度信号出力器6に異常が発生している場合には、高精度信号出力器5から出力される高精度信号に基づいて多回転体の絶対回転角が演算される。また、高精度信号出力器5および低精度信号出力器6の少なくとも一方に異常が発生しているが、どちらに異常が発生しているのかを特定できない場合には、高精度信号出力器5から出力される高精度信号および低精度信号出力器6から出力される低精度信号のそれぞれに基づいて多回転体の絶対回転角が演算され、各演算値の平均値が多回転体の絶対回転角とされる。これにより、高精度信号出力器5および低精度信号出力器6の一方に異常が生じている場合に、実際の多回転体の絶対回転角とは大きく異なる値が回転角検出装置から出力されることを防止できる。
【0045】
また、高精度信号出力器5および低精度信号出力器6の両方に異常が発生している場合には、多回転体の絶対回転角の演算が禁止される。これにより、高精度信号出力器5および低精度信号出力器6の異常に起因する多回転体の絶対回転角の誤検出を防止することができる。
よって、この実施形態に係る回転角検出装置を操舵角センサとして、電動パワーステアリング装置または電動ポンプ式パワーステアリング装置に用いた場合、高精度信号出力器5および低精度信号出力器6に異常が発生しても、ステアリングホイールの操作とは無関係な操舵補助(電動モータの制御)が行われるおそれはない。また、高精度信号出力器5または低精度信号出力器6の一方だけに異常が生じている状態では、多回転体の絶対回転角の検出が禁止されないので、たとえば、その異常が発生している高精度信号出力器5または低精度信号出力器6を修理するために車両を修理工場まで移動させるまでの間、ステアリングホイールの操作に応じた操舵補助力を車両のステアリング機構に与えることができる。
【0046】
なお、この実施形態では、回転角検出装置が操舵角センサとして用いられる場合に、人による操作によって達成され得るステアリングホイールの回転角速度(操舵速度)の上限値を、小歯車3の演算回転角速度が異常値であるか否かを判断するための閾値とすればよいとしたが、そのようなステアリングホイールの回転角速度の上限値は、車両の走行速度によって異なるから、小歯車3の演算回転角速度が異常値であるか否かを判断するための閾値は、車両の走行速度に応じて設定するようにしてもよい。つまり、高速走行中は急操舵が行われることがないから、車両の走行速度が高速になるほど、閾値を小さな値に設定してもよい。
【0047】
また、この発明は、上記の実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る回転角検出装置の構成を示す図である。
【図2】高精度信号出力器および低精度信号出力器の出力信号波形を示す図である。
【図3】異常検出/回転角演算部の機能を説明するためのフローチャート(その1)である。
【図4】異常検出/回転角演算部の機能を説明するためのフローチャート(その2)である。
【図5】異常検出/回転角演算部の機能を説明するためのフローチャート(その3)である。
【符号の説明】
1 軸歯車
2 従動歯車
3 小歯車(第1連動回転部材)
4 大歯車(第2連動回転部材)
5 高精度信号出力器
6 低精度信号出力器
7 異常検出/回転角演算部(絶対回転角演算手段、第1回転角速度演算手段、第1比較手段、第1異常判断手段、第2回転角速度演算手段、第2比較手段、第2異常判断手段、偏差演算手段、偏差比較手段、第3異常判断手段、偏差累積手段、第4異常判断手段)
Claims (7)
- 360deg以上回転可能な多回転体の回転に連動して、上記多回転体に対して第1の減速比で減速して回転する第1連動回転部材と、
上記多回転体の回転に連動して、上記多回転体に対して第2の減速比で減速して回転する第2連動回転部材と、
上記第1連動回転部材の回転角に応じてレベルが変化し、上記多回転体の回転角を高精度に表す高精度信号を出力する高精度信号出力器と、
上記第2連動回転部材の回転角に応じてレベルが変化し、上記多回転体の回転角を低精度に表す低精度信号を出力する低精度信号出力器と、
上記高精度信号出力器から出力される高精度信号および上記低精度信号出力器から出力される低精度信号に基づいて、上記多回転体の絶対回転角を演算する絶対回転角演算手段と、
上記高精度信号出力器から出力される高精度信号に基づいて、上記第1連動回転部材の回転角速度を演算する第1回転角速度演算手段と、
この第1回転角速度演算手段によって演算された上記第1連動回転部材の回転角速度と予め定める第1の閾値との大小を比較する第1比較手段と、
この第1比較手段による比較の結果、上記第1連動回転部材の回転角速度が上記第1の閾値よりも大きいと判定されたことに基づいて、上記高精度信号出力器に異常が発生していると判断する第1異常判断手段と、
上記低精度信号出力器から出力される低精度信号に基づいて、上記第2連動回転部材の回転角速度を演算する第2回転角速度演算手段と、
この第2回転角速度演算手段によって演算された上記第2連動回転部材の回転角速度と予め定める第2の閾値との大小を比較する第2比較手段と、
この第2比較手段による比較の結果、上記第2連動回転部材の回転角速度が上記第2の閾値よりも大きいと判定されたことに基づいて、上記低精度信号出力器に異常が発生していると判断する第2異常判断手段と
を含むことを特徴とする回転角検出装置。 - 上記絶対回転角演算手段は、上記第1異常判断手段によって上記高精度信号出力器に異常が発生していると判断された場合には、上記高精度信号出力器から出力される高精度信号を無効にして、上記低精度信号出力器から出力される低精度信号に基づいて、上記多回転体の絶対回転角を演算するものであることを特徴とする請求項1記載の回転角検出装置。
- 上記絶対回転角演算手段は、上記第2異常判断手段によって上記低精度信号出力器に異常が発生していると判断された場合には、上記低精度信号出力器から出力される低精度信号を無効にして、上記高精度信号出力器から出力される高精度信号に基づいて、上記多回転体の絶対回転角を演算するものであることを特徴とする請求項1または2記載の回転角検出装置。
- 上記第1回転角速度演算手段によって演算された上記第1連動回転部材の回転角速度に上記第1の減速比の逆数を乗じて得られる値と、上記第2回転角速度演算手段によって演算された上記第2連動回転部材の回転角速度に上記第2の減速比の逆数を乗じて得られる値との偏差を演算する偏差演算手段と、
この偏差演算手段によって演算された偏差と予め定める偏差許容値との大小を比較する偏差比較手段と、
この偏差比較手段による比較の結果、上記偏差が上記偏差許容値よりも大きいと判定されたことに基づいて、上記高精度信号出力器および低精度信号出力器の少なくとも一方に異常が発生していると判断する第3異常判断手段と
をさらに含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の回転角検出装置。 - 上記絶対回転角演算手段は、上記第3異常判断手段によって上記高精度信号出力器および低精度信号出力器の少なくとも一方に異常が発生していると判断された場合には、上記高精度信号出力器から出力される高精度信号に基づいて上記多回転体の絶対回転角を演算するとともに、上記低精度信号出力器から出力される低精度信号に基づいて上記多回転体の絶対回転角を演算し、これらの演算値の平均値を上記多回転体の絶対回転角とするものであることを特徴とする請求項4記載の回転角検出装置。
- 上記第1回転角速度演算手段によって演算された上記第1連動回転部材の回転角速度に上記第1の減速比の逆数を乗じて得られる値と、上記第2回転角速度演算手段によって演算された上記第2連動回転部材の回転角速度に上記第2の減速比の逆数を乗じて得られる値との偏差を演算する偏差演算手段と、
この偏差演算手段によって演算された偏差を累積する偏差累積手段と、
この偏差累積手段による偏差の累積値が予め定める累積許容値を超えた場合に、上記高精度信号出力器および低精度信号出力器の少なくとも一方に異常が発生していると判断する第4異常判断手段と
をさらに含むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の回転角検出装置。 - 上記絶対回転角演算手段は、上記第4異常判断手段によって上記高精度信号出力器および低精度信号出力器の少なくとも一方に異常が発生していると判断された場合には、上記高精度信号出力器から出力される高精度信号に基づいて上記多回転体の絶対回転角を演算するとともに、上記低精度信号出力器から出力される低精度信号に基づいて上記多回転体の絶対回転角を演算し、これらの演算値の平均値を上記多回転体の絶対回転角とするものであることを特徴とする請求項6記載の回転角検出装置。
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JP2002381300A JP2004212179A (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 回転角検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002381300A JP2004212179A (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 回転角検出装置 |
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JP2010008370A (ja) * | 2008-06-30 | 2010-01-14 | Hitachi Cable Ltd | 回転角度検出装置 |
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-
2002
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