JP2004168082A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004168082A
JP2004168082A JP2002332832A JP2002332832A JP2004168082A JP 2004168082 A JP2004168082 A JP 2004168082A JP 2002332832 A JP2002332832 A JP 2002332832A JP 2002332832 A JP2002332832 A JP 2002332832A JP 2004168082 A JP2004168082 A JP 2004168082A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electric power
power steering
steering device
assist
motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002332832A
Other languages
English (en)
Inventor
Noboru Nishiko
昇 西子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2002332832A priority Critical patent/JP2004168082A/ja
Publication of JP2004168082A publication Critical patent/JP2004168082A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】本発明の電動パワーステアリング装置は、使用時間の経過によって、あるいは、天候状態によって生じるフリクションの変化に対応させることにより、電動パワーステアリング装置及びこれを装備した車輌を常に快適に運転できるようにすること、大きな系摩擦力の変化が生じたとき、警告を発することによって、事故の発生を未然に防止することを課題とするものである。
【解決手段】電動パワーステアリング装置1のコントロールユニット17は、トルクセンサ12によって車輌が直進走行していることが検出されており、入力される車速vが予め決められた摩擦検出速度範囲内である状態が予め定められた基準直進走行時間以上継続したときに、アシストモータ15が回転するか否かの限界モータ電流値を測定することにより、系摩擦力を推定し、推定した系摩擦力に応じてアシスト制御機能の制御特性を変更する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動モータによる操舵補助力を付与するようにした車両用の電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用の電動パワーステアリング装置(EPS)は、運転者がステアリングホィール(ハンドル)に加える操舵力をアシストする。運転者がハンドルに与えた回転力は、電動パワーステアリング装置内においてその力が増幅されて出力され、この出力が車体側の操舵機構に伝達される。結果として、運転者は軽い負荷でハンドル操作できるようになる。
【0003】
電動パワーステアリング装置及びこれが取り付られた車輌の操舵機構の各所には、もともとは操舵力を打ち消す方向に働くフリクション(摩擦)が存在する。このフリクションには、使用するにつれて各摩擦部がなじむため、大体においてその大きさが減少するような経時変化が現れる。また、一方、電動パワーステアリング装置で近年使用されることが多くなった樹脂ギアは、樹脂の吸湿性が高いため湿度の影響を受けやすい性質を持っている。この性質のため、湿気の多い気候が続く、あるいはそのような地方に移動すると膨潤がおきる。膨潤によって樹脂ギアのかみ合わせに変化が生じ、フリクションが増加する。更に潤滑油のまわりの具合によってもフリクションが変化することもある。
【0004】
このようなフリクションの変動によって、フリクションの大きさが当初予想あるいは前提とされた範囲から外れたとき、ハンドル操作が重くなるあるいは過度に軽くなるような変化が起きるため、ユーザー(運転者)はハンドル操作に表現しがたい不快感、違和感を感じることがある。
【0005】
【特許文献1】
特開平09−132155公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、使用時間の経過によって、あるいは、天候状態によって生じるフリクションの変化に対応させることにより、電動パワーステアリング装置及びこれを装備した車輌を常に快適に運転できるようにすることを課題とするものである。また、更に、大きな摩擦力の変化が生じたとき、重大な故障に至る前に警告を発することによって、未然に事故の発生を防止することができる電動パワーステアリング装置を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題は以下の手段によって解決される。すなわち、第1番目の発明の解決手段は、ステアリングホィールが固定されるホィールシャフト、下部操舵機構が接続される出力軸、上記ホィールシャフトと上記出力軸との間に介在しホィールシャフトに加えられる操舵トルクを検出するトルクセンサ、上記出力軸に設けられた減速ギヤ、上記減速ギヤを回転駆動するためのアシストモータ、及び、上記トルクセンサによって検出されたトルクに基づいてこのトルクを零にする方向に上記アシストモータを駆動するためのアシスト制御機能を有するコントロールユニットを備えた電動パワーステアリング装置において、上記コントロールユニットは、上記トルクセンサによって車輌が直進走行していることが検出されており、入力される車速が予め決められた摩擦検出速度範囲内である状態が予め定められた基準直進走行時間以上継続したときに、上記アシストモータが回転するか否かの限界モータ電流値を測定することにより、上記下部操舵機構を含む操舵系が有する系摩擦力を推定し、推定した系摩擦力に応じて上記アシスト制御機能の制御特性を変更するものであることを特徴とする電動パワーステアリング装置である。
【0008】
第2番目の発明の解決手段は、第1番目の発明の電動パワーステアリング装置において、上記限界モータ電流値は、上記アシストモータに予め定められた複数のレベルの試験電流を流し、各レベルの試験電流について、予め定められた基準試験時間に予め定められた基準検出角度以上このアシストモータが回転したか否かによって測定することを特徴とする電動パワーステアリング装置である。
【0009】
第3番目の発明の解決手段は、第1番目又は第2番目の発明の電動パワーステアリング装置において、上記アシストモータがブラシレスモータであることを特徴とする電動パワーステアリング装置である。
【0010】
第4番目の発明の解決手段は、第3番目の発明の電動パワーステアリング装置において、上記基準検出角度は上記ブラシレスモータが備えるロータ位相センサによって検出されることを特徴とする電動パワーステアリング装置である。
【0011】
第5番目の発明の解決手段は、第1番目から第4番目までの発明の電動パワーステアリング装置において、上記基準試験時間は0.5秒以下であり、上記基準検出角度は60°以下であることを特徴とする電動パワーステアリング装置である。
【0012】
第6番目の発明の解決手段は、第1番目から第5番目までの発明の電動パワーステアリング装置において、上記摩擦検出速度範囲は車速30Km/hから50Km/hまでの範囲であり、上記基準直進走行時間が3秒以上であることを特徴とする電動パワーステアリング装置である。
【0013】
第7番目の発明の解決手段は、第1番目から第6番目までの発明の電動パワーステアリング装置において、上記アシスト制御機能の制御特性の変更は、定期的に行われることを特徴とする電動パワーステアリング装置である。
【0014】
第8番目の発明の解決手段は、第7番目の発明の電動パワーステアリング装置において、定期的に行われる上記アシスト制御機能の制御特性の変更は、車輌のイグニッションキーが予め定められた回数操作された後に試行が開始され、上記変更が完了した後イグニッションキーの操作回数カウントが新規に再開されるものであることを特徴とする電動パワーステアリング装置である。
【0015】
第9番目の発明の解決手段は、第8番目の発明の電動パワーステアリング装置において、上記予め定められたイグニッションキー操作回数は100回であることを特徴とする電動パワーステアリング装置である。
【0016】
第10番目の発明の解決手段は、第1番目から第9番目の発明の電動パワーステアリング装置において、上記アシスト制御機能の制御特性の変更は、アシストモータに流す電流に上記推定した摩擦力に応じた付加電流値が付加されるように制御することによって行われるものであることを特徴とする電動パワーステアリング装置である。
【0017】
第11番目の発明の解決手段は、第10番目の発明の電動パワーステアリング装置において上記推定した摩擦力に応じた付加電流値の付加は、上記アシストモータに流す電流目標値に上記推定した系摩擦力に応じた付加電流値を付加し、付加した結果を上記アシストモータの新たな電流目標値とすることによって行われることを特徴とする電動パワーステアリング装置である。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態の一例として、コラム式の電動パワーステアリング装置を示す模式図である。この電動パワーステアリング装置1は、ホィールシャフト11、トルクセンサ12、減速ギア13、出力軸14、アシストモータ15、及び、コントロールユニット17を備えている。この例ではアシストモータ15にブラシレスモータが使用されている。
【0019】
ホィールシャフト11の一端には、ステアリングホィール31が固定されており、運転者はこのステアリングホィール31を操作することにより車輌の進行方向を操作する。出力軸14の一端には下部操舵機構が接続されており、この下部操舵機構は、一方のユニバーサルジョイント42、中間軸43、及び、他方のユニバーサルジョイント44を介してピニオンラック機構45に結合されており、ここから左右のタイロッド46、46、前車輪へと動力的な接続が行われている。
【0020】
ステアリングホィール31が操作されると、ホィールシャフト11が回転しトルクセンサ12の出力軸14に固定されたトーションバー(不図示)がねじられる。このねじり量(トルクT)がトルクセンサ12内の検出器によって検出される。コントロールユニット17には、検出されたねじりトルク信号Tが入力され、コントロールユニット17は、アシストモータ15を駆動して、このねじりトルクTを零にする方向に出力軸14を回転させる。このときアシストモータ15は減速ギア13を介して出力軸14を回転させる。
【0021】
運転者がステアリングホィール31に加えるトルクには、このように減速ギア13を介してアシストモータ15からのトルクが加えられて出力軸14に伝達されるため、パワーアシストが行われない場合に比べてはるかに軽い力でもってステアリングホィール31を操作することができる。
【0022】
図2はコントロールユニットとその周辺を示すブロック図である。コントロールユニット17は、位相補償器51、操舵補助指令値演算器52、比例演算器53、モータ駆動回路54、微分補償器55、積分補償器56、モータ電流検出回路57、及び舵角演算器58を備えている。
【0023】
運転者がステアリングホィール31を操作した結果生じる操舵トルクTはトルクセンサ12によって検出され、位相補償器51に入力される。位相補償された操舵トルクTA、及び、車速センサ90で検出された車速vは操舵補助指令値演算器52に入力される。
【0024】
操舵補助指令値演算器52は入力された操舵トルクTA及び車速vに基づいてアシストモータ15に供給するべき電流目標値Ioを出力する。この電流目標値Ioは、操舵系の有する系摩擦力に対応する付加電流値が重畳付加されたものである。系摩擦力は後述のように定期的に測定され、これに基づき付加電流値の更新、つまり、アシスト制御機能の制御特性の変更が行われる。操舵補助指令値演算器52には、更に、舵角演算器58から出力された舵角信号θが入力されており、操舵補助指令値演算器52は、操舵トルクTAに基づいてハンドル戻り時であるか否かを判定し、ハンドル戻り時の場合には電流目標値Ioとして舵角信号θに応じた大きさの戻り信号指令値を出力する。
【0025】
電流目標値Ioは、減算器61に入力されるとともに微分補償器55に入力される。減算器61では、電流目標値Ioからモータ電流検出回路57によって検出された現実のモータ電流Isが減算され、減算結果が比例演算器53及び積分補償器56に入力される。比例演算器53、微分補償器55及び積分補償器56のそれぞれの出力は、加算器62において加算され、強電系のモータ駆動回路54に入力される。なお、微分補償器55及び積分補償器56は、制御系の特性を改善するために設けられている。
【0026】
アシストモータ15として使用されているブラシレスモータのロータには、複数のN極とS極が円周に沿って交互に配置、固定されており、ロータを望む周囲には複数のステーターコイルが配置されている。ロータ位相センサ71によってロータの位相pが検出され、検出されたロータ位相pに対応してステーターコイルのそれぞれに流す電流を選択的に切り換えることにより回転力が得られる。モータ駆動回路54はこの電流の供給とその切り換えを行う。
【0027】
モータ電流検出回路57、例えば、上記コイルに直列に挿入されたシャント抵抗、で検出された現実のモータ電流Isは上述のように減算器61において電流目標値Ioから減算されてモータ駆動回路54の入力となるので、電流目標値Ioが達成されるような動作が行われる。
【0028】
操舵補助指令値演算器52は、トルクセンサ12の検出値Tが零のときでも、舵角演算器58から入力される舵角θを零にする方向の信号を発生する。この信号によって、アシストモータ15の慣性や減速ギア13の摩擦、あるいはピニオンラック機構45内のラックガイドとラックとの摩擦等の系摩擦力に逆らってアシストモータ15は出力軸14を、したがって、ステアリングホィール31を戻し方向に回転させる。
【0029】
この例では上記舵角θが、アシストモータ15をブラシレスモータとすることによってブラシレスモータが備えるロータ位相センサ71からの位相信号pを利用して求められる。
【0030】
アシストモータ15は、減速ギア13によって、減速されて、出力軸14に伝達される構造であるため、ロータが複数回(例えば18回)回転することによって出力軸14が1回転する。つまり、ロータ位相センサ71の検出値はそのままでは舵角θを直接示しているものではない。このため、舵角演算器58においては、コイルに流す電流を切り換える毎(つまり、極数に応じた角度をロータが回転する毎)に、回転方向に応じて加算と減算とを切り換えながら、予め決められた値(例えば値1)がカウントされる。このカウント値Nが舵角θに対応することになる。
【0031】
なお、ロータ位相センサ71は配置の位相が異なる複数のセンサから成る。このため、回転方向に応じて各センサの検出極性切り換わりの順序(パターン)が異なるので、このパターンからアシストモータ15の回転方向が求められる。舵角演算器58ではこの回転方向によって加算あるいは減算のカウントが行われる。
【0032】
舵角センサを設けた場合のように前車輪の絶対的方向(車体に対する車輪の方向)を検知できない。このため、車速が一定速度(例えば5km/h)以上であって一定時間(例えば5秒)以上の間、ハンドルが操作されない(操舵トルクTの絶対値が予め定められたトルク値T0の絶対値よりも小さい)場合には、車輌が舵角なしで直線走行をしているものと推定し、上記カウント値Nを零(カウント値の零を舵角θの零に対応づけるとする)にセットする。その後、ハンドル操作つまりアシストモータ15の回転をカウントすることにより、舵角θが求められる。
【0033】
アシスト制御機能の制御特性の変更について説明する。この変更のための測定は車輌が所定速度範囲内で直進走行している条件が所定時間以上続いたときに行われる。もし、その測定の最中にハンドル操作が行われた場合にはハンドル操作の制御が優先して行われ、測定は次に条件が整ったとき、はじめから行われる。
【0034】
より具体的には、トルクセンサ12によって車輌が直進走行していることが検出されており、入力される車速が予め決められた摩擦検出速度範囲(例えば、vl=30Km/hからvu=50Km/hまでの範囲)内である状態が、予め定められた基準直進走行時間(例えば、t=3秒)以上継続したときに、アシストモータ15が回転するか否かの限界モータ電流値を測定することにより、下部操舵機構を含む操舵系が有する系摩擦力を推定し、推定した系摩擦力に応じてアシスト制御機能の制御特性が変更される。
【0035】
上記限界モータ電流値は、ブラシレスモータなどのアシストモータ15に予め定められた複数のレベルの試験電流を流し、各レベルの試験電流について予め定められた基準試験時間(例えば、0.5秒あるいはそれ以下の時間)に予め定められた基準検出角度以上(例えば、60°あるいはそれ以下の角度)、このアシストモータ15が回転したか否かによって測定される。なお、上記基準検出角度は、アシストモータからの動力伝達系全体が有するガタ(例えば、歯車伝達系のバックラッシュ、ユニバーサルジョイントのガタ、等)に対応する角度よりも大きくとられ、このガタの大きさを超えて回転したか否かによって上記測定が行われる。回転した/回転しなかったを種々の電流について試行した結果得られる境界が限界モータ電流値とされ、系摩擦力を反映したものである。アシストモータ15としてブラシレスモータを使用した場合には、基準検出角度をブラシレスモータが備えるロータ位相センサによって検出することができる。
【0036】
上記アシスト制御機能の制御特性の変更は定期的に行われる。このタイミングは、例えば、車輌のイグニッションキーの操作回数をカウントし、このカウント値が予め定められた値(例えば、100回)を越えたとき毎、つまり車輌の使用回数が所定回数を越えたとき毎とすることができる。あるいは、所定距離以上走行する毎とすることもできる。
【0037】
図3はアシスト制御機能の制御特性の変更の動作概要の一例を説明するためのフローチャートである。車輌のエンジンをスタート(IG ON)させると同時に、ステップS00において本ルーチンが始まり必要な初期処理が行われる。ステップS01に進み、イグニッションカウンターの値nが規定値n0と比較される。n>n0が成立しない(NO)とき、nをインクリメントして終了(S99)する。上記イグニッションカウンターはイグニッションキーがONされた回数をカウントするカウンターであって、不揮発性であり、イグニッションキーOFFによってもそのカウント値nは維持される。このカウント値n及び規定値n0は、上記アシスト制御機能の制御特性の変更を定期的に行うために導入されたものである。したがって、イグニッションキーのONの回数だけでなく走行距離計、車内時計その他から信号から「定期性」の指標を求めることもできる。
【0038】
n>n0が成立(YES)するとき、ステップS02に進み、車速センサー90から得られた車速vが、摩擦検出速度範囲vl〜vuの間にあるかどうかがチェックされ、vl<v<vuが成立しない(NO)とき、ステップS02に還る。
【0039】
vl<v<vuが成立する(YES)とき、ステップS03に進み、トルクセンサ12の検出値Tの絶対値が基準トルクT0よりも小さいか否かがチェックされる。この基準トルクT0はこの値より|T|が小さい場合にはハンドル操作がされていないと判断するための基準値である。|T|<T0が成立しない(NO)とき、ステップS02に還る。
【0040】
|T|<T0が成立する(YES)とき、ステップS04に進み、t>t0がチェックされる。ここで、tは車が摩擦検出速度の範囲内で直進を続けた時間を不図示カウンタにてカウントした値である。この条件で車が基準直進走行時間t0以上走行していない場合(t>t0が成立しない場合)ステップS02に還る。
【0041】
t>t0が成立した場合、車が摩擦検出速度の範囲内で直進走行を所定時間続けたことが認識されたことになり、ステップS05以下に進んで、限界モータ電流値ibの測定に入る。
【0042】
限界モータ電流値ibの測定は、アシストモータ15にテスト電流imを予め決めた時間t1だけ流したときに、アシストモータ15が所定角Nm以上回転したか否かによって決められる。テスト電流imにはΔi刻みの多数の値が用意され、最も小さい値からこれにΔiを加えた順次大きな値へとテスト電流値imを変更するというテストが行われる。
【0043】
具体的には、S05において最小のテスト電流値imをアシストモータ15に流す。予め決められた時間t1だけテスト電流値imを流したあと、S06において、アシストモータ15の回転した角度Nmが予め決められた角度Nm0を越えているか否かがチェックされる。このチェックがNOのとき(越えていないとき)、S07に進み、テスト電流値imを電流増分値Δiだけ増加させた値にセットして、S05に還る。テスト電流値imを増加させながらS05、S06、S07を繰り返す内に、S06におけるチェックに「YES」が成立するときが来る。このときのテスト電流値imが限界モータ電流値ibとされ、アシスト制御機能の制御特性が変更される。限界モータ電流値の±ibの範囲がいわゆる不感帯を構成している。
【0044】
操舵系の摩擦力は、アシストモータ15の駆動の方向に逆らって働き、アシスト力を滅却するから、この分つまり操舵系の摩擦力に対応する限界モータ電流値ibを常に付加する形でアシストモータ15に電流を加えなければならない。
【0045】
従来ではこの不感帯には予め求められた値が固定的に使用され、先に述べたように系の摩擦力に変動が起こった場合でも、この固定値のままで制御が行われている。このため、フリクションの大きさが当初予想あるいは前提とされた範囲から外れたとき、ハンドル操作が重くなるあるいは過度に軽くなるためユーザー(運転者)が不快感、違和感を感じる原因となっていた。
【0046】
この例によるとき、上のようにして限界モータ電流値ibが定期的に測定され、S08において、限界モータ電流値ibの値をimに置き換えることにより限界モータ電流値ibの値が更新される。以後、次の更新までは、アシスト制御は新しい限界モータ電流値ibに基づいた制御特性で行われる。
【0047】
次に、S09では現在の限界モータ電流値ibから一つ前の限界モータ電流値ibを引き算することにより、限界モータ電流値ibの増分Δibが求められる。限界モータ電流値ibの増分Δibは、系の摩擦力の変化を示しており、これが過大であることは、通常の変化とは異なる系に何かの異常が起こった可能性を示しているので、S10において、増分ΔibとΔiba(異常とする基準値)とが比較され、YESのときに警告ランプが点灯(S11)される。
【0048】
その後、警告の有無に関わらず、S12に進み、イグニッションカウンターの値nが初期値0にセットされて、終了する。
【0049】
以上のように、本実施形態のパワーステアリング装置では、使用時間の経過によって、あるいは、天候状態によって生じるフリクションの変化に対応させることにより、電動パワーステアリング装置及びこれを装備した車輌は常に快適に運転できるように維持される。また、更に、大きな摩擦力の変化が生じたとき、重大な故障に至る前に警告を発することによって、未然に事故の発生を防止することができる。
【0050】
【発明の効果】
本発明のパワーステアリング装置によれば、使用時間の経過によって、あるいは、天候状態によって生じるフリクションの変化に対応させることにより、電動パワーステアリング装置及びこれを装備した車輌は常に快適に運転できるように維持されるという効果を奏する。また、更に、大きな摩擦力の変化が生じたとき、重大な故障に至る前に警告を発することによって、事故の発生を未然に防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例であって、コラム式の電動パワーステアリング装置を示す模式図である。
【図2】コントロールユニットとその周辺を示すブロック図である。
【図3】アシスト制御機能の制御特性の変更の動作概要の一例を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 電動パワーステアリング装置
11 ホィールシャフト
12 トルクセンサ
13 減速ギア
14 出力軸
15 アシストモータ
17 コントロールユニット
31 ステアリングホィール
42、44 ユニバーサルジョイント
43 中間軸
45 ピニオンラック機構
46 タイロッド
51 位相補償器
52 操舵補助指令値演算器
53 比例演算器
54 モータ駆動回路
55 微分補償器
56 積分補償器
57 モータ電流検出回路
58 舵角演算器
61 減算器
62 加算器
71 ロータ位相センサ
90 車速センサ

Claims (11)

  1. ステアリングホィールが固定されるホィールシャフト、
    下部操舵機構が接続される出力軸、
    上記ホィールシャフトと上記出力軸との間に介在しホィールシャフトに加えられる操舵トルクを検出するトルクセンサ、
    上記出力軸に設けられた減速ギヤ、
    上記減速ギヤを回転駆動するためのアシストモータ、及び、
    上記トルクセンサによって検出されたトルクに基づいてこのトルクを零にする方向に上記アシストモータを駆動するためのアシスト制御機能を有するコントロールユニット
    を備えた電動パワーステアリング装置において、
    上記コントロールユニットは、上記トルクセンサによって車輌が直進走行していることが検出されており、入力される車速が予め決められた摩擦検出速度範囲内である状態が予め定められた基準直進走行時間以上継続したときに、上記アシストモータが回転するか否かの限界モータ電流値を測定することにより、上記下部操舵機構を含む操舵系が有する系摩擦力を推定し、推定した系摩擦力に応じて上記アシスト制御機能の制御特性を変更するものであること
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 請求項1に記載された電動パワーステアリング装置において、
    上記限界モータ電流値は、上記アシストモータに予め定められた複数のレベルの試験電流を流し、各レベルの試験電流について、予め定められた基準試験時間に予め定められた基準検出角度以上このアシストモータが回転したか否かによって測定すること
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された電動パワーステアリング装置において、
    上記アシストモータがブラシレスモータであること
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  4. 請求項3に記載された電動パワーステアリング装置において、
    上記基準検出角度は上記ブラシレスモータが備えるロータ位相センサによって検出されること
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれかに記載された電動パワーステアリング装置において、
    上記基準試験時間は0.5秒以下であり、
    上記基準検出角度は60°以下であること
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれかに記載された電動パワーステアリング装置において、
    上記摩擦検出速度範囲は車速30Km/hから50Km/hまでの範囲であり、
    上記基準直進走行時間が3秒以上であること
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれかに記載された電動パワーステアリング装置において、
    上記アシスト制御機能の制御特性の変更は、定期的に行われること
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  8. 請求項7に記載された電動パワーステアリング装置において、
    定期的に行われる上記アシスト制御機能の制御特性の変更は、車輌のイグニッションキーが予め定められた回数操作された後に試行が開始され、上記変更が完了した後イグニッションキーの操作回数カウントが新規に再開されるものであること
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  9. 請求項8に記載された電動パワーステアリング装置において、
    上記予め定められたイグニッションキー操作回数は100回であること
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれかに記載された電動パワーステアリング装置において、
    上記アシスト制御機能の制御特性の変更は、アシストモータに流す電流に上記推定した摩擦力に応じた付加電流値が付加されるように制御することによって行われるものであること
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  11. 請求項10に記載された電動パワーステアリング装置において、
    上記推定した摩擦力に応じた付加電流値の付加は、上記アシストモータに流す電流目標値に上記推定した系摩擦力に応じた付加電流値を付加し、付加した結果を上記アシストモータの新たな電流目標値とすることによって行われること
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
JP2002332832A 2002-11-15 2002-11-15 電動パワーステアリング装置 Pending JP2004168082A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002332832A JP2004168082A (ja) 2002-11-15 2002-11-15 電動パワーステアリング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002332832A JP2004168082A (ja) 2002-11-15 2002-11-15 電動パワーステアリング装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004168082A true JP2004168082A (ja) 2004-06-17

Family

ID=32697739

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002332832A Pending JP2004168082A (ja) 2002-11-15 2002-11-15 電動パワーステアリング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004168082A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014098591A (ja) * 2012-11-13 2014-05-29 Toyota Motor Corp 電動パワーステアリング装置
JP2014122017A (ja) * 2012-11-26 2014-07-03 Jtekt Corp 制御システム
KR20150082910A (ko) * 2014-01-08 2015-07-16 주식회사 만도 감속 기어의 마찰 정도에 따라 전류 맵을 변경하는 조향 제어 장치 및 방법
CN110576898A (zh) * 2018-06-07 2019-12-17 华创车电技术中心股份有限公司 机动车辆转向控制系统及转向控制方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014098591A (ja) * 2012-11-13 2014-05-29 Toyota Motor Corp 電動パワーステアリング装置
JP2014122017A (ja) * 2012-11-26 2014-07-03 Jtekt Corp 制御システム
KR20150082910A (ko) * 2014-01-08 2015-07-16 주식회사 만도 감속 기어의 마찰 정도에 따라 전류 맵을 변경하는 조향 제어 장치 및 방법
KR102126229B1 (ko) * 2014-01-08 2020-06-25 주식회사 만도 감속 기어의 마찰 정도에 따라 전류 맵을 변경하는 조향 제어 장치 및 방법
CN110576898A (zh) * 2018-06-07 2019-12-17 华创车电技术中心股份有限公司 机动车辆转向控制系统及转向控制方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9623900B2 (en) Vehicle steering device, failure determination method for vehicle steering device, and control method for steering motor
US5992556A (en) Method and apparatus for damping control of an electric assist steering system with vehicle speed signal loss feature
JP4304604B2 (ja) 車両の電動パワーステアリング装置
JP3856690B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP5298478B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JPH1178936A (ja) 車両の自動操舵装置
EP1621445A2 (en) Electric power steering apparatus
JP2016064710A (ja) パワーステアリング装置およびパワーステアリング装置の制御回路
JP2007112366A (ja) パワーステアリング装置
JP2004168082A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP3912217B2 (ja) 電動操舵装置
KR101896313B1 (ko) 가변 랙 스트로크 시스템의 페일 세이프 제어장치 및 방법
JP2010202062A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP5130685B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2002104219A (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP2007203885A (ja) 車両用操舵制御装置
JP3958701B2 (ja) 車両のスリップ検出装置
JP2011093442A (ja) 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP2005059795A (ja) 電気式動力舵取装置
JP2008062686A (ja) 電動パワーステアリング制御装置及びその制御方法
JP3741039B2 (ja) 操舵制御装置
JP3881766B2 (ja) 車両の自動操舵装置
JPH11301509A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2002154449A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP4419828B2 (ja) 横加速度センサ異常検出装置